エンジン作業機
【課題】エンジン作業機の作業性およびエンジン作業機のメンテナンスの作業性を向上させる。
【解決手段】エンジンカッタ10は、出力軸15を回転駆動するエンジン12を有しており、出力軸15の回転は回転軸19に固定されたディスク11に伝達される。エンジン12が設けられるケース基部13aにはエアクリーナが収容されるクリーナボックス13bが取り付けられており、ケース基部13aとクリーナボックス13bはエンジンケース13を構成している。エンジンケース13の側面には、棒状の操作部を有する付属工具が収納される収納部41,42が設けられており、収納部41にはボックスレンチ33が収納され、収納部42には六角棒スパナ38が収納される。
【解決手段】エンジンカッタ10は、出力軸15を回転駆動するエンジン12を有しており、出力軸15の回転は回転軸19に固定されたディスク11に伝達される。エンジン12が設けられるケース基部13aにはエアクリーナが収容されるクリーナボックス13bが取り付けられており、ケース基部13aとクリーナボックス13bはエンジンケース13を構成している。エンジンケース13の側面には、棒状の操作部を有する付属工具が収納される収納部41,42が設けられており、収納部41にはボックスレンチ33が収納され、収納部42には六角棒スパナ38が収納される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッタ等の手持ち式のエンジン作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンを駆動源とした手持ち式つまり携帯式のエンジン作業機としては、エンジンカッタ等がある。エンジンカッタは石材やコンクリートを作業対象物としてこれに筋付けや切断作業を行うためのディスクカッタを先端工具とするエンジン作業機である。
【0003】
エンジンカッタは、特許文献1に記載されるように、エンジンが組み込まれたエンジンケースにより形成される作業機本体と、作業機本体に取り付けられるカッタユニットとを有し、カッタユニットに設けられた回転軸には先端工具としてのディスクカッタが着脱自在に装着される。エンジンにより駆動される出力軸の回転をカッタユニットの先端工具に伝達するために、出力軸に設けられた駆動側のプーリと回転軸に取り付けられ従動側のプーリとの間にはベルトが掛け渡されている。
【0004】
エンジンカッタのディスクカッタつまり先端工具は、石材等の作業対象物の材質や切り込み深さに応じて交換される。先端工具を交換するには、回転軸に先端工具を締結するためのボルトを緩めることにより先端工具を取り外し、別の先端工具がボルトにより締結される。ボルトを緩める操作と締結する操作は、コンビボックスとも言われるボックスレンチを用いて作業者の手作業により行われる。一方、プーリに掛け渡されたベルトの張力を調整するために、作業機本体にはテンショナつまり張力調整機構が設けられており、定期的に張力を調整する際にはテンショナに設けられたねじ部材を操作するためにマイナスドライバが使用される。
【0005】
加えて、エンジンカッタによりコンクリートの切断作業が行われると、作業機本体にはコンクリートの粉塵が付着したり堆積したりすることになるため、エンジンカッタのメンテナンスを頻繁に行う必要がある。特に、エンジンに供給される外気を濾過するために作業機本体に組み込まれるエアフィルタには粉塵が付着することになるので、エアフィルタのメンテナンスを頻繁に行う必要があり、その際には、エアフィルタを収容しているクリーナボックスが分解されてエアフィルタが取り外される。エアフィルタを取り外す際には、クリーナカバーを締結しているボルトを六角棒スパナにより緩められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−26707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先端工具の交換や作業機本体のメンテナンスを効率的に行うことができるように、ボックスレンチや六角棒スパナの付属工具を作業機本体に常時収納するようにして作業機本体と一緒に持ち運ぶことができるようにすることが好ましい。そのため、従来のエンジンカッタにおいては、フロントハンドルに設けられた取付部にフロントハンドルの下側に位置させて付属工具を収納するようにしている。これにより、付属工具は作業機本体と一緒に持ち運ぶことが可能となる。
【0008】
しかしながら、ボックスレンチ等の付属工具がフロントハンドルの下側に収納されると、付属工具がフロントハンドルにより隠れた状態となるので、エンジンカッタに付属工具が収納されているか否かを外部から容易に観察することができない。エンジンカッタに付属工具が収納されていないと、エンジンカッタを作業現場で付属工具を用いたメンテナンス作業を迅速に行うことができなくなり、メンテナンスの作業性が悪くなる。このため、付属工具が取り付けられているか否かを外部から容易に観察できるようにすることがメンテナンスの作業性を向上させるために必要となる。
【0009】
エンジンカッタにより切断作業を行うときには、一方の手でフロントハンドルを握り、他方の手でリアハンドルを握った状態のもとで、リアハンドルに取り付けられたスロットルレバーを操作することによりエンジンの回転数を調整することになる。フロントハンドルはエンジンカッタの荷重を支える把持部であるので、エンジンカッタの作業者側やフロントハンドル側に付属工具が取り付けられていると、付属工具が作業者の手に接触して切断作業等のカッタの作業性が低下することになる。しかも、フロントハンドルに付属工具を収納するためには、フロントハンドルに取付部を別部品として設ける必要があり、部品点数が増加することになる。
【0010】
作業機本体の側面にはエンジンの始動時にエンジンの燃焼室と外部とを連通させて燃焼室の圧力低下させるためのデコンプがフロントハンドルの下側に位置させて設けられている。このため、フロントハンドルの下側に付属工具を収納するようにすると、デコンプを操作する位置の近傍に付属工具が保持されることになるので、エンジンの始動時にデコンプを押す操作の妨げとなる等の弊害がある。
【0011】
さらに、フロントハンドルに設けられた取付部に付属工具を収納するようにすると、T字形状のボックスレンチが作業時に発生する振動等により回転し、ボックスレンチの頭部が外部に突出して作業機本体の側面から突出することになる。このため、エンジンカッタにより壁際等の狭所において切断作業を行うときには、ボックスレンチが壁面に当たることがあり、エンジンカッタの取り回し作業性が悪くなる。また、保持されているボックスレンチが回転すると、取付部が摩耗して、その保持力が弱くなり、運搬時や作業時にボックスレンチが外れてしまうおそれがある。
【0012】
本発明の目的は、エンジン作業機の作業性およびエンジン作業機のメンテナンスの作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のエンジン作業機は、出力軸を回転駆動するエンジンと当該エンジンに供給される外気を濾過するエアクリーナとハンドルが設けられ、作業者により持ち運び可能なエンジンケースと、先端工具が前記エンジンケースの前方側で回転可能に取り付けられる回転軸と、前記出力軸と前記回転軸とを連結する動力伝達機構と、前記エンジンケースの側面に設けられ、棒状の操作部を有する付属工具が収納される収納部とを有し、前記付属工具が前記エンジンケースの側面に着脱自在に収納されることを特徴とする。
【0014】
本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースは前記エンジンが設けられるケース本体と、当該ケース本体の上側に設けられ前記エアクリーナが組み込まれるクリーナボックスとを有し、前記クリーナボックスの側面に前記収納部を設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースの前記出力軸に対して反対側に前記エンジンにより駆動される冷却ファンを配置し、前記出力軸側の前記エンジンケースの側面に前記収納部を設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記収納部を前記エンジンケースに複数個設け、それぞれの収納部に相互に種類の相違する前記付属工具を収納することを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースの基端部にリアハンドルを設け、前記エンジンケースの一方側を上方に伸びる一方の側片部と、前記エンジンケースの他方側を上方に伸びる他方の側片部と、前記それぞれの側片部の上端に一体となり、前記エンジンケースの上方を横切る上片部とを有するフロントハンドルを前記エンジンケースの前端部側に設け、前記フロントハンドルよりも前記エンジンケースの後方側に前記収納部を設けることを特徴とする。
【0015】
本発明のエンジン作業機は、前記付属工具は、ボルトの頭部に係合する係合孔が両端部に設けられた作動部と、当該作動部に直角に設けられた操作部とを有するボックスレンチであることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記ボックスレンチの前記操作部の先端に形成された平坦部が挿入される収納凹部を有する補助収納部を前記エンジンケースの側面に設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記収納部に形成され前記ボックスレンチが収納される収納孔を下部に向かうに従って前記エンジンケースに向けて接近する方向に傾斜させて前記収納部に形成し、前記ボックスレンチの前記操作部に接触する傾斜溝を前記エンジンケースに形成することを特徴とする。
【0016】
本発明のエンジン作業機は、前記付属工具は、ボルトの頭部孔に係合する横断面形状を有する棒状スパナであることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記棒状スパナは、L字形状であり、前記棒状スパナの基端部を前記収納部に取り付けると、先端部が前記エンジンケースの側面に沿って前後方向に伸びて配置されることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースに前記棒スパナの先端部を収納する収納爪を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、付属工具がエンジンケースの側面に収納されるので、エンジンケースに付属工具が収納されているか否かが外部から容易に観察され、付属工具が収納されていない状態で作業を行うことを防止できる。付属工具を常時収納されている状態とすることができるので、メンテナンス時に迅速に付属工具を取り外してメンテナンスを行うことができ、その作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態のエンジン作業機であるエンジンカッタを示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】クリーナボックスのボックスカバーを切り欠いて図2と同様の部分を示す平面図である。
【図4】付属工具を取り外しした状態における図1の平面図である。
【図5】クリーナボックスのクリーナカバーを切り欠いて図4と同様の部分を示す平面図である。
【図6】図1におけるA−A線に沿う部分であって、ボックスレンチが収納される収納部を示す拡大断面図である。
【図7】図1におけるB−B線に沿う部分であって、六角棒スパナが収納される収納部を示す拡大断面図である。
【図8】ボックスレンチが収納される収納部の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。
【図9】ボックスレンチが収納される収納部の他の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。
【図10】図9の一部拡大断面図である。
【図11】図1におけるC−C線に沿う部分であって、収納部に収納された六角棒スパナ先端部を示す拡大断面図である。
【図12】六角棒スパナが収納される収納部の変形例であって、六角棒スパナの先端部が収納される収納爪を示す拡大断面図である。
【図13】比較例としての従来のエンジンカッタを示す正面図である。
【図14】図13の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図5に示されるエンジン作業機はエンジンカッタ10である。このエンジンカッタ10は先端工具としてのディスクカッタつまりディスク11を回転駆動することにより石材やコンクリートを作業対象物としてこれに筋付けや切断作業の作業を行うために使用される。エンジンカッタ10はエンジン12が取り付けられるケース基部13aと、このケース基部13aの上側に設けられるクリーナボックス13bとを有しており、クリーナボックス13bにはクリーナカバー13cが着脱自在に取り付けられている。ケース基部13aとクリーナボックス13bとクリーナカバー13cによりエンジンケース13が構成されており、このエンジンケース13はエンジン作業であるエンジンカッタ10の作業機本体14を構成している。
【0020】
また、エンジン12はシリンダ軸線が略垂直となり、図示しないクランク軸がエンジンケース13の幅方向を向くようにケース基部13aに取り付けられている。エンジン12のシリンダ12aには、エンジンカッタ側に向けて排気口が形成されており、排気口にはマフラが、ディスク11とエンジン12との間に位置して設けられている。エンジンケース13のうち図1に示される側を正面側とすると、エンジンケース13の正面側に出力軸15が配置されている。この出力軸15はケース基部13aに取り付けられるホルダー16内に組み込まれている。出力軸15には駆動側のプーリ17aが取り付けられ、出力軸15には図示しないクランク軸がクラッチ等の動力伝達機構を介して連結されている。これにより、出力軸15はエンジン12により回転駆動される。ホルダー16に対して調整移動自在に装着されるカッタユニット18にはディスク11が取り付けられる回転軸19が装着され、回転軸19に取り付けられた従動側のプーリ17bと、駆動側のプーリ17aとの間にはベルト20が掛け渡されている。カッタユニット18にはプーリ17bを覆うプーリカバー21と、ディスク11を部分的に覆うカッタカバー22が取り付けられている。このカッタカバー22によりディスク11の後部側つまり作業者側が覆われている。ホルダー16とカッタユニット18は、エンジンカッタ10のアームを構成している。
【0021】
ケース基部13aの図1において反対側となる背面側には、図示しない冷却ファンが配置されている。この冷却ファンはエンジン12のクランク軸により回転駆動され、冷却風がエンジン12に吹き付けられるようになっている。さらに、背面側にはエンジン12を始動させるための図示しないリコイルスタータが装着されている。一方、エンジンケース13の正面側に位置させてエンジン12にはデコンプ23が設けられている。このデコンプ23を手動操作すると、リコイルスタータを引っ張ってエンジン12を始動させるときに、エンジン内部の燃焼室が外部に連通して始動負荷が小さくなり、エンジン12を容易に始動させることができる。
【0022】
ケース基部13aの後端部には作業者の一方の手により把持されるリアハンドル24が設けられており、このリアハンドル24はエンジンケース13の後方に突出している。ケース基部13aには作業者の他方の手により把持されるフロントハンドル25が設けられている。このフロントハンドル25は端部が扁平状となったアルミニウム製の中空パイプにより形成されており、エンジンケース13の両面側に配置される側片部25a、25bとこれらの間の上片部25cとを有しており、側片部25a,25bと上片部25cは一体となっている。一方の側片部25aはケース基部13aの一方の側面に固定されてエンジンケース13の一方側を上方に伸びるとともに前方側に傾斜している。他方の側片部25bはケース基部13aに固定されたブラケット26に取り付けられてエンジンケース13の他方側を上方に伸びている。上片部25cは側片部25a,25bの一部とともに弾性体により覆われており、ディスク11の回転軸19と平行に伸びている。作業者がエンジンカッタ10を用いて切断作業等を行う際には、作業者は図1に示される側に対して反対側の作業機本体14の背面側に立って一方の手でリアハンドル24を把持し、他方の手でフロントハンドル25を把持してエンジンカッタ10を持つことになる。そのときには、冷却ファンにより生成されて作業者側からその反対側に向けて吹き付けられる冷却風によりエンジン12が冷却されるので、作業者にはエンジン12により加熱された冷却風が吹き付けられることがない。リアハンドル24にはエンジン回転数を調整するためのスロットルレバー27が設けられている。
【0023】
先端工具としてのディスク11は、石材等の作業対象物の材質や切り込み深さに応じて交換される。ディスク11は回転軸19に図示しないボルトにより取り付けられており、ボルトは図1において反対側の背面面に露出されている。ベルト20の張力を調整するためのテンショナ28がホルダー16に設けられており、ベルト20の張力を調整するときにはテンショナ28に設けられたボルト29を回転させる。このボルト29の頭部にはマイナスドライバが係合する係合溝が形成されている。
【0024】
クリーナボックス13b内には、図3および図5に示されるように、エンジン12に供給される外気を濾過するためのエアフィルタ30が組み込まれている。エアフィルタ30はクリーナカバー13cにより覆われており、クリーナカバー13cは図3に示されるように複数本のボルト31によりクリーナボックス13bに締結されている。それぞれのボルト31はその頭部に六角穴が形成されており、六角穴付きボルトである。クリーナボックス13b内にはボルト31がねじ結合されるナット32が設けられている。エンジンカッタ10のメンテナンス時には、エアフィルタ30を交換したり、清掃したりするために、クリーナカバー13cが取り外される。
【0025】
ボルトを操作してディスク11を回転軸19から取り外したり、回転軸19に取り付けたりするために、コンビボックスとも言われる手動工具ないし付属工具としてのボックスレンチ33が使用される。ボックスレンチ33は両端部にボルト31の頭部に係合される六角形の係合孔34が図6に示されるように設けられた筒形状の作動部35を有している。この作動部35に対して直角となって作動部35には棒状の操作部36が固定されており、図1に示されるように、ボックスレンチ33は全体的にT字形状となっている。操作部36の先端には図6に示されるように平坦部37が形成されており、この平坦部37はマイナスドライバを構成している。回転軸19に取り付けられたボルトを操作する際には、作動部35の係合孔をボルトの頭部に係合させる。一方、テンショナ28のボルト29を回転させてベルト20の張力を調整するときにはボックスレンチ33の平坦部37をボルト29の頭部の係合溝に係合させる。
【0026】
クリーナカバー13cを取り外す際にボルト31を回転させるために、付属工具としての六角レンチとも言われる六角棒スパナ38が使用される。この六角棒スパナ38はボルト31の頭部の六角穴に係合する横断面六角形の棒状部材により形成されており、図1に示されるように、全体的にL字形状となっている。この六角棒スパナ38は、一方の端部を作動部としてボルト31の頭部に係合させたときには他方の端部が操作部となり、いずれの端部をも作動部とすることができる。一方の端部をボルト31の頭部に係合させた状態のもとで六角棒スパナ38によりボルト31が回転操作される。
【0027】
それぞれ付属工具としてのボックスレンチ33と六角棒スパナ38を作業機本体14に収納するために、エンジンケース13のクリーナボックス13bの一方の側面には、2つの収納部41,42が隣り合って設けられている。それぞれの収納部41,42は、図1に示されるように、フロントハンドル25よりもエンジンケース13の後方側となっている。一方の収納部41にはボックスレンチ33の操作部36が挿入される収納孔43が形成されており、ボックスレンチ33は収納部41に収納される。図6には収納部41にボックスレンチ33が作動部35を上方として収納された状態が拡大して示されている。他方の収納部42には六角棒スパナ38の一方の端部が挿入される収納孔44が形成されており、六角棒スパナ38は収納部42に収納され、L字形状の六角棒スパナ38はエンジンケース13の側面におけるシリンダ12aが開放される開口の形状に沿って配置されている。図7には収納部42に六角棒スパナ38が収納された状態が拡大して示されている。
【0028】
このように、それぞれ付属工具としてのボックスレンチ33と六角棒スパナ38がエンジンケース13の側面に収納されるので、収納された状態のボックスレンチ33と六角棒スパナ38がエンジンカッタ10の部材により遮蔽され視認し難くなることがなく、外部からボックスレンチ33と六角棒スパナ38が確実に観察されることになる。これにより、両方のボックスレンチ33と六角棒スパナ38が収納された状態となっているか否かを確認することができる。図示するように、それぞれに収納されたボックスレンチ33と六角棒スパナ38が隣り合っているので、エンジンケース13の両側にボックスレンチ33と六角棒スパナ38とを分離して収納するようにした形態に比して、収納状態の確認作業を容易に行うことができる。
【0029】
それぞれの収納部41,42はエンジンカッタ10を操作する作業者が立ち位置となるエンジンケース13の背面側に対して反対側の正面側に収納されるので、エンジンカッタ10を操作する際には作業者にはボックスレンチ33と六角棒スパナ38とに接触することがなく、切断作業を円滑に行うことができる。また、図1に示すようにボックスレンチ33と六角棒スパナ38はその一部がエンジンケース13とフロントハンドル25の側片部25aとの間に挟まるように位置している。即ち、ボックスレンチ33のうち操作部36の平坦部37がフロントハンドル25により先端部が覆われており、L字状の六角棒スパナ38の長手方向の中央付近でフロントハンドル25と交差するよう設けられている。このような配置関係とすることにより、周囲の障害物などに触れにくく、作業の邪魔になることや振動や傾きにより脱落することが抑制されている。また、フロントハンドル25という既存の部品を使用しているため押さえのための部材を別途設ける必要がなく、安価に構成することができる。
【0030】
さらに、ボックスレンチが収納される収納部は、フロントハンドル25よりもエンジンケース13の後方側に設けられているため、フロントハンドル25やエンジン12の駆動力をディスク11に伝達するためのアームを構成するホルダー16およびカッタユニット18などの幅方向(出力軸15方向)に突出している部材より幅方向で内側の空間を用いることができるため、エンジンカッタ10の全体の幅を大きくしてしまうことがなく、本体を小型化することが可能となる。
【0031】
図8はボックスレンチが収納される収納部の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。図示するように、エンジンケース13には収納部41の下側にこれに対向させて補助収納部45が設けられており、この補助収納部45にはボックスレンチ33の平坦部37が挿入される収納凹部46が形成されている。したがって、ボックスレンチ33の操作部36は作動部35側の部分が収納部41に収納されるとともに、平坦部37が収納凹部46に挿入された状態となってボックスレンチ33がエンジンケース13により強固に保持される。これにより、エンジンカッタ10により作業が行われているときやエンジンカッタ10の運搬時等に、ボックスレンチ33が回転したり、エンジンケース13から外れたりすることをより確実に防止することができる。
【0032】
図9はボックスレンチが収納される収納部の他の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。図示するように、収納部41に形成された収納孔43は下部に向かうに従ってエンジンケース13に向けて接近する方向に傾斜している。この傾斜に対応させてエンジンケース13のケース基部13aには操作部36に接触する傾斜溝47が形成されている。このように、操作部36をエンジンケース13に接触させるようにすると、ボックスレンチ33は強固に保持されることになる。図9において、傾斜溝47の底面47aにゴム材等の弾性部材を貼り付けると、ボックスレンチ33が収容されたときに、操作部36の先端が弾性部材に密着し、より強固にボックスレンチ33を保持することができる形態となる。また、このような場合においても、収納部41はフロントハンドル25よりもエンジンケース13の後方側に設けられていることから、エアフィルタ30の下方の図示しない気化器等が収められた空間の側方に位置することになり、傾斜溝47のように内部に突出する凹部を設けたとしてもシリンダとの物理的な干渉や熱の影響を抑制することができる。
【0033】
図10に示すように、傾斜溝47の深さ寸法Dをボックスレンチ33の平坦部37の先端の幅寸法つまり図10において紙面に垂直な方向の寸法よりも小さい寸法とすると、平坦部37とエンジンケース13との干渉によりボックスレンチ33の回転がより確実に防止される。
【0034】
図11は図1におけるC−C線に沿う部分であって、収納部42に収納された六角棒スパナ38の先端部を示す拡大断面図である。六角棒スパナ38はL字形状となっており、一方の端部を基端部としてその基端部を収納部42に挿入すると、先端部はエンジンケース13の前後方向を向いてフロントハンドル25とエンジンケース13との間のスペース48内に配置されることになる。これにより、エンジンカッタ10により作業が行われているときやエンジンカッタ10の運搬時等に、六角棒スパナ38の先端部がエンジンケース13の外方に迫り出すように回転することが防止される。
【0035】
図12は六角棒スパナ38が収納される収納部の変形例であって、エンジンケース13のクリーナボックス13bには、六角棒スパナ38の先端部が収納される収納爪49が設けられている。このように、六角棒スパナ38の先端部を収納爪49により収納する形態においては、六角棒スパナの回転をより確実に防止することができる。
【0036】
図13は比較例としての従来のエンジンカッタ10aを示す正面図であり、図14は図13の背面図である。これらの図においては、上述したエンジンカッタ10における部材と共通する部材には同一の符号が示されている。
【0037】
比較例のエンジンカッタ10aにおいては、図13に示すように、ボックスレンチ33がフロントハンドル25に設けられた取付部51にフロントハンドル25の下側の位置に収納されるようになっている。したがって、ボックスレンチ33がフロントハンドル25に隠れた状態となり、ボックスレンチ33を外部から容易に観察することができず、ボックスレンチ33が収納されていない状態でエンジンカッタ10aが使用されたり、保管されたりすることがある。このため、迅速にディスク11の交換を行うことができない場合があるが、本発明のエンジンカッタ10においては、作業前に確実にボックスレンチ33の収納状態を確認することができ、ディスク11の交換等のメンテナンスの作業性が向上する。
【0038】
さらに、フロントハンドル25にボックスレンチ33を収納するようにすると、デコンプ23の近傍にボックスレンチ33の先端部が配置されることになるので、エンジン始動時にデコンプ23を操作する際に作業者の指がボックスレンチ33の先端に触れる可能性があり、始動操作の妨げとなるおそれがあるが、本発明のエンジンカッタ10においては、始動操作を容易に行うことができる。
【0039】
図14に示されるように、エンジンケース13の背面側にはエンジン12を始動させるためのリコイルスタータ52が設けられている。さらに、背面側にはディスク11を回転軸に固定するためのボルト53が露出しており、このボルト53の頭部にボックスレンチ33を係合させてボルト53の締結や緩める操作が行われる。
【0040】
図1に示すエンジンケース13の側面には、相互に種類の相違する付属工具としてボックスレンチ33と六角棒スパナ38とが収納されるようになっているが、さらに他の付属工具を収納するようにしても良い。また、付属工具としては、エンジンカッタ10のメンテナンス時に使用されるものであれば、ボックスレンチ33と六角棒スパナ38に限られることなく、任意の付属工具を収納することができる。
【0041】
それぞれの収納部41,42に形成される収納孔43,44は軸方向に開口された貫通孔であるが、貫通孔の内周面を開口させるように収納部41,42のスリットを設けるようにし、スリットからそれぞれの付属工具を挿入するようにしても良い。
【0042】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示するエンジン作業機はエンジンカッタ10であるが、エンジンを駆動源とする他のエンジン作業機にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10…エンジンカッタ、11…ディスク、12…エンジン、13…エンジンケース、13a…ケース基部、13b…クリーナボックス、13c…クリーナカバー、14…作業機本体、15…出力軸、16…ホルダー、17a,17b…プーリ、18…カッタユニット、19…回転軸、20…ベルト、21…プーリカバー、22…カッタカバー、23…デコンプ、24…リアハンドル、25…フロントハンドル、26…ブラケット、27…スロットルレバー、28…テンショナ、29…ボルト、30…エアフィルタ、31…ボルト、32…ナット、33…ボックスレンチ、34…係合孔、35…作動部、36…操作部、37…平坦部、38…六角棒スパナ、41,42…収納部、43…収納孔、44…収納孔、45…補助収納部、46…収納凹部、47…傾斜溝、48…スペース、49…収納爪。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッタ等の手持ち式のエンジン作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンを駆動源とした手持ち式つまり携帯式のエンジン作業機としては、エンジンカッタ等がある。エンジンカッタは石材やコンクリートを作業対象物としてこれに筋付けや切断作業を行うためのディスクカッタを先端工具とするエンジン作業機である。
【0003】
エンジンカッタは、特許文献1に記載されるように、エンジンが組み込まれたエンジンケースにより形成される作業機本体と、作業機本体に取り付けられるカッタユニットとを有し、カッタユニットに設けられた回転軸には先端工具としてのディスクカッタが着脱自在に装着される。エンジンにより駆動される出力軸の回転をカッタユニットの先端工具に伝達するために、出力軸に設けられた駆動側のプーリと回転軸に取り付けられ従動側のプーリとの間にはベルトが掛け渡されている。
【0004】
エンジンカッタのディスクカッタつまり先端工具は、石材等の作業対象物の材質や切り込み深さに応じて交換される。先端工具を交換するには、回転軸に先端工具を締結するためのボルトを緩めることにより先端工具を取り外し、別の先端工具がボルトにより締結される。ボルトを緩める操作と締結する操作は、コンビボックスとも言われるボックスレンチを用いて作業者の手作業により行われる。一方、プーリに掛け渡されたベルトの張力を調整するために、作業機本体にはテンショナつまり張力調整機構が設けられており、定期的に張力を調整する際にはテンショナに設けられたねじ部材を操作するためにマイナスドライバが使用される。
【0005】
加えて、エンジンカッタによりコンクリートの切断作業が行われると、作業機本体にはコンクリートの粉塵が付着したり堆積したりすることになるため、エンジンカッタのメンテナンスを頻繁に行う必要がある。特に、エンジンに供給される外気を濾過するために作業機本体に組み込まれるエアフィルタには粉塵が付着することになるので、エアフィルタのメンテナンスを頻繁に行う必要があり、その際には、エアフィルタを収容しているクリーナボックスが分解されてエアフィルタが取り外される。エアフィルタを取り外す際には、クリーナカバーを締結しているボルトを六角棒スパナにより緩められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−26707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先端工具の交換や作業機本体のメンテナンスを効率的に行うことができるように、ボックスレンチや六角棒スパナの付属工具を作業機本体に常時収納するようにして作業機本体と一緒に持ち運ぶことができるようにすることが好ましい。そのため、従来のエンジンカッタにおいては、フロントハンドルに設けられた取付部にフロントハンドルの下側に位置させて付属工具を収納するようにしている。これにより、付属工具は作業機本体と一緒に持ち運ぶことが可能となる。
【0008】
しかしながら、ボックスレンチ等の付属工具がフロントハンドルの下側に収納されると、付属工具がフロントハンドルにより隠れた状態となるので、エンジンカッタに付属工具が収納されているか否かを外部から容易に観察することができない。エンジンカッタに付属工具が収納されていないと、エンジンカッタを作業現場で付属工具を用いたメンテナンス作業を迅速に行うことができなくなり、メンテナンスの作業性が悪くなる。このため、付属工具が取り付けられているか否かを外部から容易に観察できるようにすることがメンテナンスの作業性を向上させるために必要となる。
【0009】
エンジンカッタにより切断作業を行うときには、一方の手でフロントハンドルを握り、他方の手でリアハンドルを握った状態のもとで、リアハンドルに取り付けられたスロットルレバーを操作することによりエンジンの回転数を調整することになる。フロントハンドルはエンジンカッタの荷重を支える把持部であるので、エンジンカッタの作業者側やフロントハンドル側に付属工具が取り付けられていると、付属工具が作業者の手に接触して切断作業等のカッタの作業性が低下することになる。しかも、フロントハンドルに付属工具を収納するためには、フロントハンドルに取付部を別部品として設ける必要があり、部品点数が増加することになる。
【0010】
作業機本体の側面にはエンジンの始動時にエンジンの燃焼室と外部とを連通させて燃焼室の圧力低下させるためのデコンプがフロントハンドルの下側に位置させて設けられている。このため、フロントハンドルの下側に付属工具を収納するようにすると、デコンプを操作する位置の近傍に付属工具が保持されることになるので、エンジンの始動時にデコンプを押す操作の妨げとなる等の弊害がある。
【0011】
さらに、フロントハンドルに設けられた取付部に付属工具を収納するようにすると、T字形状のボックスレンチが作業時に発生する振動等により回転し、ボックスレンチの頭部が外部に突出して作業機本体の側面から突出することになる。このため、エンジンカッタにより壁際等の狭所において切断作業を行うときには、ボックスレンチが壁面に当たることがあり、エンジンカッタの取り回し作業性が悪くなる。また、保持されているボックスレンチが回転すると、取付部が摩耗して、その保持力が弱くなり、運搬時や作業時にボックスレンチが外れてしまうおそれがある。
【0012】
本発明の目的は、エンジン作業機の作業性およびエンジン作業機のメンテナンスの作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のエンジン作業機は、出力軸を回転駆動するエンジンと当該エンジンに供給される外気を濾過するエアクリーナとハンドルが設けられ、作業者により持ち運び可能なエンジンケースと、先端工具が前記エンジンケースの前方側で回転可能に取り付けられる回転軸と、前記出力軸と前記回転軸とを連結する動力伝達機構と、前記エンジンケースの側面に設けられ、棒状の操作部を有する付属工具が収納される収納部とを有し、前記付属工具が前記エンジンケースの側面に着脱自在に収納されることを特徴とする。
【0014】
本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースは前記エンジンが設けられるケース本体と、当該ケース本体の上側に設けられ前記エアクリーナが組み込まれるクリーナボックスとを有し、前記クリーナボックスの側面に前記収納部を設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースの前記出力軸に対して反対側に前記エンジンにより駆動される冷却ファンを配置し、前記出力軸側の前記エンジンケースの側面に前記収納部を設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記収納部を前記エンジンケースに複数個設け、それぞれの収納部に相互に種類の相違する前記付属工具を収納することを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースの基端部にリアハンドルを設け、前記エンジンケースの一方側を上方に伸びる一方の側片部と、前記エンジンケースの他方側を上方に伸びる他方の側片部と、前記それぞれの側片部の上端に一体となり、前記エンジンケースの上方を横切る上片部とを有するフロントハンドルを前記エンジンケースの前端部側に設け、前記フロントハンドルよりも前記エンジンケースの後方側に前記収納部を設けることを特徴とする。
【0015】
本発明のエンジン作業機は、前記付属工具は、ボルトの頭部に係合する係合孔が両端部に設けられた作動部と、当該作動部に直角に設けられた操作部とを有するボックスレンチであることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記ボックスレンチの前記操作部の先端に形成された平坦部が挿入される収納凹部を有する補助収納部を前記エンジンケースの側面に設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記収納部に形成され前記ボックスレンチが収納される収納孔を下部に向かうに従って前記エンジンケースに向けて接近する方向に傾斜させて前記収納部に形成し、前記ボックスレンチの前記操作部に接触する傾斜溝を前記エンジンケースに形成することを特徴とする。
【0016】
本発明のエンジン作業機は、前記付属工具は、ボルトの頭部孔に係合する横断面形状を有する棒状スパナであることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記棒状スパナは、L字形状であり、前記棒状スパナの基端部を前記収納部に取り付けると、先端部が前記エンジンケースの側面に沿って前後方向に伸びて配置されることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記エンジンケースに前記棒スパナの先端部を収納する収納爪を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、付属工具がエンジンケースの側面に収納されるので、エンジンケースに付属工具が収納されているか否かが外部から容易に観察され、付属工具が収納されていない状態で作業を行うことを防止できる。付属工具を常時収納されている状態とすることができるので、メンテナンス時に迅速に付属工具を取り外してメンテナンスを行うことができ、その作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態のエンジン作業機であるエンジンカッタを示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】クリーナボックスのボックスカバーを切り欠いて図2と同様の部分を示す平面図である。
【図4】付属工具を取り外しした状態における図1の平面図である。
【図5】クリーナボックスのクリーナカバーを切り欠いて図4と同様の部分を示す平面図である。
【図6】図1におけるA−A線に沿う部分であって、ボックスレンチが収納される収納部を示す拡大断面図である。
【図7】図1におけるB−B線に沿う部分であって、六角棒スパナが収納される収納部を示す拡大断面図である。
【図8】ボックスレンチが収納される収納部の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。
【図9】ボックスレンチが収納される収納部の他の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。
【図10】図9の一部拡大断面図である。
【図11】図1におけるC−C線に沿う部分であって、収納部に収納された六角棒スパナ先端部を示す拡大断面図である。
【図12】六角棒スパナが収納される収納部の変形例であって、六角棒スパナの先端部が収納される収納爪を示す拡大断面図である。
【図13】比較例としての従来のエンジンカッタを示す正面図である。
【図14】図13の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図5に示されるエンジン作業機はエンジンカッタ10である。このエンジンカッタ10は先端工具としてのディスクカッタつまりディスク11を回転駆動することにより石材やコンクリートを作業対象物としてこれに筋付けや切断作業の作業を行うために使用される。エンジンカッタ10はエンジン12が取り付けられるケース基部13aと、このケース基部13aの上側に設けられるクリーナボックス13bとを有しており、クリーナボックス13bにはクリーナカバー13cが着脱自在に取り付けられている。ケース基部13aとクリーナボックス13bとクリーナカバー13cによりエンジンケース13が構成されており、このエンジンケース13はエンジン作業であるエンジンカッタ10の作業機本体14を構成している。
【0020】
また、エンジン12はシリンダ軸線が略垂直となり、図示しないクランク軸がエンジンケース13の幅方向を向くようにケース基部13aに取り付けられている。エンジン12のシリンダ12aには、エンジンカッタ側に向けて排気口が形成されており、排気口にはマフラが、ディスク11とエンジン12との間に位置して設けられている。エンジンケース13のうち図1に示される側を正面側とすると、エンジンケース13の正面側に出力軸15が配置されている。この出力軸15はケース基部13aに取り付けられるホルダー16内に組み込まれている。出力軸15には駆動側のプーリ17aが取り付けられ、出力軸15には図示しないクランク軸がクラッチ等の動力伝達機構を介して連結されている。これにより、出力軸15はエンジン12により回転駆動される。ホルダー16に対して調整移動自在に装着されるカッタユニット18にはディスク11が取り付けられる回転軸19が装着され、回転軸19に取り付けられた従動側のプーリ17bと、駆動側のプーリ17aとの間にはベルト20が掛け渡されている。カッタユニット18にはプーリ17bを覆うプーリカバー21と、ディスク11を部分的に覆うカッタカバー22が取り付けられている。このカッタカバー22によりディスク11の後部側つまり作業者側が覆われている。ホルダー16とカッタユニット18は、エンジンカッタ10のアームを構成している。
【0021】
ケース基部13aの図1において反対側となる背面側には、図示しない冷却ファンが配置されている。この冷却ファンはエンジン12のクランク軸により回転駆動され、冷却風がエンジン12に吹き付けられるようになっている。さらに、背面側にはエンジン12を始動させるための図示しないリコイルスタータが装着されている。一方、エンジンケース13の正面側に位置させてエンジン12にはデコンプ23が設けられている。このデコンプ23を手動操作すると、リコイルスタータを引っ張ってエンジン12を始動させるときに、エンジン内部の燃焼室が外部に連通して始動負荷が小さくなり、エンジン12を容易に始動させることができる。
【0022】
ケース基部13aの後端部には作業者の一方の手により把持されるリアハンドル24が設けられており、このリアハンドル24はエンジンケース13の後方に突出している。ケース基部13aには作業者の他方の手により把持されるフロントハンドル25が設けられている。このフロントハンドル25は端部が扁平状となったアルミニウム製の中空パイプにより形成されており、エンジンケース13の両面側に配置される側片部25a、25bとこれらの間の上片部25cとを有しており、側片部25a,25bと上片部25cは一体となっている。一方の側片部25aはケース基部13aの一方の側面に固定されてエンジンケース13の一方側を上方に伸びるとともに前方側に傾斜している。他方の側片部25bはケース基部13aに固定されたブラケット26に取り付けられてエンジンケース13の他方側を上方に伸びている。上片部25cは側片部25a,25bの一部とともに弾性体により覆われており、ディスク11の回転軸19と平行に伸びている。作業者がエンジンカッタ10を用いて切断作業等を行う際には、作業者は図1に示される側に対して反対側の作業機本体14の背面側に立って一方の手でリアハンドル24を把持し、他方の手でフロントハンドル25を把持してエンジンカッタ10を持つことになる。そのときには、冷却ファンにより生成されて作業者側からその反対側に向けて吹き付けられる冷却風によりエンジン12が冷却されるので、作業者にはエンジン12により加熱された冷却風が吹き付けられることがない。リアハンドル24にはエンジン回転数を調整するためのスロットルレバー27が設けられている。
【0023】
先端工具としてのディスク11は、石材等の作業対象物の材質や切り込み深さに応じて交換される。ディスク11は回転軸19に図示しないボルトにより取り付けられており、ボルトは図1において反対側の背面面に露出されている。ベルト20の張力を調整するためのテンショナ28がホルダー16に設けられており、ベルト20の張力を調整するときにはテンショナ28に設けられたボルト29を回転させる。このボルト29の頭部にはマイナスドライバが係合する係合溝が形成されている。
【0024】
クリーナボックス13b内には、図3および図5に示されるように、エンジン12に供給される外気を濾過するためのエアフィルタ30が組み込まれている。エアフィルタ30はクリーナカバー13cにより覆われており、クリーナカバー13cは図3に示されるように複数本のボルト31によりクリーナボックス13bに締結されている。それぞれのボルト31はその頭部に六角穴が形成されており、六角穴付きボルトである。クリーナボックス13b内にはボルト31がねじ結合されるナット32が設けられている。エンジンカッタ10のメンテナンス時には、エアフィルタ30を交換したり、清掃したりするために、クリーナカバー13cが取り外される。
【0025】
ボルトを操作してディスク11を回転軸19から取り外したり、回転軸19に取り付けたりするために、コンビボックスとも言われる手動工具ないし付属工具としてのボックスレンチ33が使用される。ボックスレンチ33は両端部にボルト31の頭部に係合される六角形の係合孔34が図6に示されるように設けられた筒形状の作動部35を有している。この作動部35に対して直角となって作動部35には棒状の操作部36が固定されており、図1に示されるように、ボックスレンチ33は全体的にT字形状となっている。操作部36の先端には図6に示されるように平坦部37が形成されており、この平坦部37はマイナスドライバを構成している。回転軸19に取り付けられたボルトを操作する際には、作動部35の係合孔をボルトの頭部に係合させる。一方、テンショナ28のボルト29を回転させてベルト20の張力を調整するときにはボックスレンチ33の平坦部37をボルト29の頭部の係合溝に係合させる。
【0026】
クリーナカバー13cを取り外す際にボルト31を回転させるために、付属工具としての六角レンチとも言われる六角棒スパナ38が使用される。この六角棒スパナ38はボルト31の頭部の六角穴に係合する横断面六角形の棒状部材により形成されており、図1に示されるように、全体的にL字形状となっている。この六角棒スパナ38は、一方の端部を作動部としてボルト31の頭部に係合させたときには他方の端部が操作部となり、いずれの端部をも作動部とすることができる。一方の端部をボルト31の頭部に係合させた状態のもとで六角棒スパナ38によりボルト31が回転操作される。
【0027】
それぞれ付属工具としてのボックスレンチ33と六角棒スパナ38を作業機本体14に収納するために、エンジンケース13のクリーナボックス13bの一方の側面には、2つの収納部41,42が隣り合って設けられている。それぞれの収納部41,42は、図1に示されるように、フロントハンドル25よりもエンジンケース13の後方側となっている。一方の収納部41にはボックスレンチ33の操作部36が挿入される収納孔43が形成されており、ボックスレンチ33は収納部41に収納される。図6には収納部41にボックスレンチ33が作動部35を上方として収納された状態が拡大して示されている。他方の収納部42には六角棒スパナ38の一方の端部が挿入される収納孔44が形成されており、六角棒スパナ38は収納部42に収納され、L字形状の六角棒スパナ38はエンジンケース13の側面におけるシリンダ12aが開放される開口の形状に沿って配置されている。図7には収納部42に六角棒スパナ38が収納された状態が拡大して示されている。
【0028】
このように、それぞれ付属工具としてのボックスレンチ33と六角棒スパナ38がエンジンケース13の側面に収納されるので、収納された状態のボックスレンチ33と六角棒スパナ38がエンジンカッタ10の部材により遮蔽され視認し難くなることがなく、外部からボックスレンチ33と六角棒スパナ38が確実に観察されることになる。これにより、両方のボックスレンチ33と六角棒スパナ38が収納された状態となっているか否かを確認することができる。図示するように、それぞれに収納されたボックスレンチ33と六角棒スパナ38が隣り合っているので、エンジンケース13の両側にボックスレンチ33と六角棒スパナ38とを分離して収納するようにした形態に比して、収納状態の確認作業を容易に行うことができる。
【0029】
それぞれの収納部41,42はエンジンカッタ10を操作する作業者が立ち位置となるエンジンケース13の背面側に対して反対側の正面側に収納されるので、エンジンカッタ10を操作する際には作業者にはボックスレンチ33と六角棒スパナ38とに接触することがなく、切断作業を円滑に行うことができる。また、図1に示すようにボックスレンチ33と六角棒スパナ38はその一部がエンジンケース13とフロントハンドル25の側片部25aとの間に挟まるように位置している。即ち、ボックスレンチ33のうち操作部36の平坦部37がフロントハンドル25により先端部が覆われており、L字状の六角棒スパナ38の長手方向の中央付近でフロントハンドル25と交差するよう設けられている。このような配置関係とすることにより、周囲の障害物などに触れにくく、作業の邪魔になることや振動や傾きにより脱落することが抑制されている。また、フロントハンドル25という既存の部品を使用しているため押さえのための部材を別途設ける必要がなく、安価に構成することができる。
【0030】
さらに、ボックスレンチが収納される収納部は、フロントハンドル25よりもエンジンケース13の後方側に設けられているため、フロントハンドル25やエンジン12の駆動力をディスク11に伝達するためのアームを構成するホルダー16およびカッタユニット18などの幅方向(出力軸15方向)に突出している部材より幅方向で内側の空間を用いることができるため、エンジンカッタ10の全体の幅を大きくしてしまうことがなく、本体を小型化することが可能となる。
【0031】
図8はボックスレンチが収納される収納部の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。図示するように、エンジンケース13には収納部41の下側にこれに対向させて補助収納部45が設けられており、この補助収納部45にはボックスレンチ33の平坦部37が挿入される収納凹部46が形成されている。したがって、ボックスレンチ33の操作部36は作動部35側の部分が収納部41に収納されるとともに、平坦部37が収納凹部46に挿入された状態となってボックスレンチ33がエンジンケース13により強固に保持される。これにより、エンジンカッタ10により作業が行われているときやエンジンカッタ10の運搬時等に、ボックスレンチ33が回転したり、エンジンケース13から外れたりすることをより確実に防止することができる。
【0032】
図9はボックスレンチが収納される収納部の他の変形例であって、図6と同様の部分を示す拡大断面図である。図示するように、収納部41に形成された収納孔43は下部に向かうに従ってエンジンケース13に向けて接近する方向に傾斜している。この傾斜に対応させてエンジンケース13のケース基部13aには操作部36に接触する傾斜溝47が形成されている。このように、操作部36をエンジンケース13に接触させるようにすると、ボックスレンチ33は強固に保持されることになる。図9において、傾斜溝47の底面47aにゴム材等の弾性部材を貼り付けると、ボックスレンチ33が収容されたときに、操作部36の先端が弾性部材に密着し、より強固にボックスレンチ33を保持することができる形態となる。また、このような場合においても、収納部41はフロントハンドル25よりもエンジンケース13の後方側に設けられていることから、エアフィルタ30の下方の図示しない気化器等が収められた空間の側方に位置することになり、傾斜溝47のように内部に突出する凹部を設けたとしてもシリンダとの物理的な干渉や熱の影響を抑制することができる。
【0033】
図10に示すように、傾斜溝47の深さ寸法Dをボックスレンチ33の平坦部37の先端の幅寸法つまり図10において紙面に垂直な方向の寸法よりも小さい寸法とすると、平坦部37とエンジンケース13との干渉によりボックスレンチ33の回転がより確実に防止される。
【0034】
図11は図1におけるC−C線に沿う部分であって、収納部42に収納された六角棒スパナ38の先端部を示す拡大断面図である。六角棒スパナ38はL字形状となっており、一方の端部を基端部としてその基端部を収納部42に挿入すると、先端部はエンジンケース13の前後方向を向いてフロントハンドル25とエンジンケース13との間のスペース48内に配置されることになる。これにより、エンジンカッタ10により作業が行われているときやエンジンカッタ10の運搬時等に、六角棒スパナ38の先端部がエンジンケース13の外方に迫り出すように回転することが防止される。
【0035】
図12は六角棒スパナ38が収納される収納部の変形例であって、エンジンケース13のクリーナボックス13bには、六角棒スパナ38の先端部が収納される収納爪49が設けられている。このように、六角棒スパナ38の先端部を収納爪49により収納する形態においては、六角棒スパナの回転をより確実に防止することができる。
【0036】
図13は比較例としての従来のエンジンカッタ10aを示す正面図であり、図14は図13の背面図である。これらの図においては、上述したエンジンカッタ10における部材と共通する部材には同一の符号が示されている。
【0037】
比較例のエンジンカッタ10aにおいては、図13に示すように、ボックスレンチ33がフロントハンドル25に設けられた取付部51にフロントハンドル25の下側の位置に収納されるようになっている。したがって、ボックスレンチ33がフロントハンドル25に隠れた状態となり、ボックスレンチ33を外部から容易に観察することができず、ボックスレンチ33が収納されていない状態でエンジンカッタ10aが使用されたり、保管されたりすることがある。このため、迅速にディスク11の交換を行うことができない場合があるが、本発明のエンジンカッタ10においては、作業前に確実にボックスレンチ33の収納状態を確認することができ、ディスク11の交換等のメンテナンスの作業性が向上する。
【0038】
さらに、フロントハンドル25にボックスレンチ33を収納するようにすると、デコンプ23の近傍にボックスレンチ33の先端部が配置されることになるので、エンジン始動時にデコンプ23を操作する際に作業者の指がボックスレンチ33の先端に触れる可能性があり、始動操作の妨げとなるおそれがあるが、本発明のエンジンカッタ10においては、始動操作を容易に行うことができる。
【0039】
図14に示されるように、エンジンケース13の背面側にはエンジン12を始動させるためのリコイルスタータ52が設けられている。さらに、背面側にはディスク11を回転軸に固定するためのボルト53が露出しており、このボルト53の頭部にボックスレンチ33を係合させてボルト53の締結や緩める操作が行われる。
【0040】
図1に示すエンジンケース13の側面には、相互に種類の相違する付属工具としてボックスレンチ33と六角棒スパナ38とが収納されるようになっているが、さらに他の付属工具を収納するようにしても良い。また、付属工具としては、エンジンカッタ10のメンテナンス時に使用されるものであれば、ボックスレンチ33と六角棒スパナ38に限られることなく、任意の付属工具を収納することができる。
【0041】
それぞれの収納部41,42に形成される収納孔43,44は軸方向に開口された貫通孔であるが、貫通孔の内周面を開口させるように収納部41,42のスリットを設けるようにし、スリットからそれぞれの付属工具を挿入するようにしても良い。
【0042】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示するエンジン作業機はエンジンカッタ10であるが、エンジンを駆動源とする他のエンジン作業機にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10…エンジンカッタ、11…ディスク、12…エンジン、13…エンジンケース、13a…ケース基部、13b…クリーナボックス、13c…クリーナカバー、14…作業機本体、15…出力軸、16…ホルダー、17a,17b…プーリ、18…カッタユニット、19…回転軸、20…ベルト、21…プーリカバー、22…カッタカバー、23…デコンプ、24…リアハンドル、25…フロントハンドル、26…ブラケット、27…スロットルレバー、28…テンショナ、29…ボルト、30…エアフィルタ、31…ボルト、32…ナット、33…ボックスレンチ、34…係合孔、35…作動部、36…操作部、37…平坦部、38…六角棒スパナ、41,42…収納部、43…収納孔、44…収納孔、45…補助収納部、46…収納凹部、47…傾斜溝、48…スペース、49…収納爪。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸を回転駆動するエンジンと当該エンジンに供給される外気を濾過するエアクリーナとハンドルが設けられ、作業者により持ち運び可能なエンジンケースと、
先端工具が前記エンジンケースの前方側で回転可能に取り付けられる回転軸と、
前記出力軸と前記回転軸とを連結する動力伝達機構と、
前記エンジンケースの側面に設けられ、棒状の操作部を有する付属工具が収納される収納部とを有し、
前記付属工具が前記エンジンケースの側面に着脱自在に収納されることを特徴とするエンジン作業機。
【請求項2】
前記エンジンケースは前記エンジンが設けられるケース本体と、当該ケース本体の上側に設けられ前記エアクリーナが組み込まれるクリーナボックスとを有し、前記クリーナボックスの側面に前記収納部を設けることを特徴とする請求項1記載のエンジン作業機。
【請求項3】
前記エンジンケースの前記出力軸に対して反対側に前記エンジンにより駆動される冷却ファンを配置し、前記出力軸側の前記エンジンケースの側面に前記収納部を設けることを特徴とする請求項1または2記載のエンジン作業機。
【請求項4】
前記収納部を前記エンジンケースに複数個設け、それぞれの収納部に相互に種類の相違する前記付属工具を収納することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項5】
前記エンジンケースの基端部にリアハンドルを設け、前記エンジンケースの一方側を上方に伸びる一方の側片部と、前記エンジンケースの他方側を上方に伸びる他方の側片部と、前記それぞれの側片部の上端に一体となり、前記エンジンケースの上方を横切る上片部とを有するフロントハンドルを前記エンジンケースの前端部側に設け、前記フロントハンドルよりも前記エンジンケースの後方側に前記収納部を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項6】
前記付属工具は、ボルトの頭部に係合する係合孔が両端部に設けられた作動部と、当該作動部に直角に設けられた操作部とを有するボックスレンチであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項7】
前記ボックスレンチの前記操作部の先端に形成された平坦部が挿入される収納凹部を有する補助収納部を前記エンジンケースの側面に設けることを特徴とする請求項6記載のエンジン作業機。
【請求項8】
前記収納部に形成され前記ボックスレンチが収納される収納孔を下部に向かうに従って前記エンジンケースに向けて接近する方向に傾斜させて前記収納部に形成し、前記ボックスレンチの前記操作部に接触する傾斜溝を前記エンジンケースに形成することを特徴とする請求項6記載のエンジン作業機。
【請求項9】
前記付属工具は、ボルトの頭部孔に係合する横断面形状を有する棒状スパナであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項10】
前記棒状スパナは、L字形状であり、前記棒状スパナの基端部を前記収納部に取り付けると、先端部が前記エンジンケースの側面に沿って前後方向に伸びて配置されることを特徴とする請求項9記載のエンジン作業機。
【請求項11】
前記エンジンケースに前記棒スパナの先端部を収納する収納爪を設けることを特徴とする請求項10記載のエンジン作業機。
【請求項1】
出力軸を回転駆動するエンジンと当該エンジンに供給される外気を濾過するエアクリーナとハンドルが設けられ、作業者により持ち運び可能なエンジンケースと、
先端工具が前記エンジンケースの前方側で回転可能に取り付けられる回転軸と、
前記出力軸と前記回転軸とを連結する動力伝達機構と、
前記エンジンケースの側面に設けられ、棒状の操作部を有する付属工具が収納される収納部とを有し、
前記付属工具が前記エンジンケースの側面に着脱自在に収納されることを特徴とするエンジン作業機。
【請求項2】
前記エンジンケースは前記エンジンが設けられるケース本体と、当該ケース本体の上側に設けられ前記エアクリーナが組み込まれるクリーナボックスとを有し、前記クリーナボックスの側面に前記収納部を設けることを特徴とする請求項1記載のエンジン作業機。
【請求項3】
前記エンジンケースの前記出力軸に対して反対側に前記エンジンにより駆動される冷却ファンを配置し、前記出力軸側の前記エンジンケースの側面に前記収納部を設けることを特徴とする請求項1または2記載のエンジン作業機。
【請求項4】
前記収納部を前記エンジンケースに複数個設け、それぞれの収納部に相互に種類の相違する前記付属工具を収納することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項5】
前記エンジンケースの基端部にリアハンドルを設け、前記エンジンケースの一方側を上方に伸びる一方の側片部と、前記エンジンケースの他方側を上方に伸びる他方の側片部と、前記それぞれの側片部の上端に一体となり、前記エンジンケースの上方を横切る上片部とを有するフロントハンドルを前記エンジンケースの前端部側に設け、前記フロントハンドルよりも前記エンジンケースの後方側に前記収納部を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項6】
前記付属工具は、ボルトの頭部に係合する係合孔が両端部に設けられた作動部と、当該作動部に直角に設けられた操作部とを有するボックスレンチであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項7】
前記ボックスレンチの前記操作部の先端に形成された平坦部が挿入される収納凹部を有する補助収納部を前記エンジンケースの側面に設けることを特徴とする請求項6記載のエンジン作業機。
【請求項8】
前記収納部に形成され前記ボックスレンチが収納される収納孔を下部に向かうに従って前記エンジンケースに向けて接近する方向に傾斜させて前記収納部に形成し、前記ボックスレンチの前記操作部に接触する傾斜溝を前記エンジンケースに形成することを特徴とする請求項6記載のエンジン作業機。
【請求項9】
前記付属工具は、ボルトの頭部孔に係合する横断面形状を有する棒状スパナであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項10】
前記棒状スパナは、L字形状であり、前記棒状スパナの基端部を前記収納部に取り付けると、先端部が前記エンジンケースの側面に沿って前後方向に伸びて配置されることを特徴とする請求項9記載のエンジン作業機。
【請求項11】
前記エンジンケースに前記棒スパナの先端部を収納する収納爪を設けることを特徴とする請求項10記載のエンジン作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−71317(P2013−71317A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212151(P2011−212151)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
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