説明

エンジン自動停止再始動装置

【課題】電源装置の電圧低下に対処すべく電気機器に対する始動準備が行われる場合に、該再始動条件が満たされたときからエンジンの再始動までの時間の短縮による発進の迅速化を可能としながら、始動準備を必要十分な時間に制限して、電源装置のエネルギ消費の抑制または始動準備の準備対象部品の負荷の軽減を図る。
【解決手段】車両1は、スタータモータ9の作動に起因するバッテリ7の電圧低下が電気機器20,21に与える影響を防止または軽減するための始動準備の制御を行う始動準備制御手段13を備える。エンジン自動停止再始動装置12は、第1操作量が第1クラッチスイッチにより検出されたときに、始動準備制御手段13に始動準備を開始させ、前記第1操作量よりも大きい第2操作量が第2クラッチスイッチにより検出されたこと、および始動準備が完了したことを再始動条件として、スタータモータ9を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたエンジンを、自動停止条件が満たされたときに自動停止し、再始動条件が満たされたときに再始動するエンジン自動停止再始動装置に関し、詳細には、車両が備える電気機器に始動準備をさせた後に、エンジンを再始動するエンジン自動停止再始動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたエンジンのエネルギ消費(例えば、燃料消費)の削減や環境負荷物質(例えば、二酸化炭素)の排出低減を図る技術として、信号待ちなどの停車の際に、運転者によるエンジンの停止操作を要することなく、所定の自動停止条件が成立したときにエンジンの自動停止(いわゆる、アイドリングストップ)を行い、所定の再始動条件が成立したとき再始動を行うエンジン自動停止再始動装置がある。
【0003】
そして、このようなエンジン自動停止再始動装置において、車両の発進の際に、エンジンの再始動を行うために、エンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置に備えられてエンジンの動力の伝達および遮断を行うクラッチを操作するクラッチペダルの操作量が検出され、該操作量が小さいときに点火回路への電流供給または燃料ポンプの駆動が行われ、前記操作量がより大きくなってクラッチが非接続状態になるときに、スタータモータによりエンジンが始動されるものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
また、エンジンがバッテリを電源とするスタータモータにより始動される場合、大電流を必要とするスタータモータの作動時にバッテリの電圧が瞬間的に大きく低下することから、スタータモータと同じバッテリを電源とするナビゲーション装置などの電気機器において、スタータモータの作動時の瞬間的な電圧低下に起因して、リセットや作動の中断などの不都合が発生することがある。そこで、このような事態の発生を防止するために、スタータモータによる再始動が行われる前に、バッテリの電圧を昇圧させて電気機器に電力を供給する昇圧回路を作動させるエンジン自動停止再始動装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭59−86335号公報
【特許文献2】特許第3099385号公報
【特許文献3】特開2009−293451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、スタータモータの作動に起因するバッテリの電圧低下に対処するための電気機器に対する準備(以下、「始動準備」という。)として、スタータモータの作動前に昇圧回路の作動を開始させることにより、エンジンを再始動するための再始動条件が満たされてから昇圧回路を作動させた後にスタータモータを作動させる場合に比べて、該再始動条件が満たされた後に再始動するまでの時間が短縮され、発進の迅速化が可能になる。このため、発進の迅速性の観点からは、昇圧回路の作動開始時期は早いほど好ましい。
一方で、始動準備が完了するのに要する時間(例えば、昇圧回路の準備が完了するのに要する時間)は、比較的短い時間で十分であり、準備が完了した後も準備をさせておくことは、バッテリの充電量の低下を招来することがあり、また始動準備が行われる準備対象部品(例えば、昇圧回路)の負荷を増加させることにもなる。そして、準備対象部品の負荷が増加した場合には、該準備対象部品がその発熱により過熱することがあり、準備対象部品の耐久性の低下や、過熱防止対策を講ずるためにコストの増加を招来することがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、エンジン自動停止再始動装置において、エンジンの再始動前に電源装置の電圧低下に対処すべく電気機器に対する始動準備が行われる場合に、再始動条件が満たされたときからエンジンの再始動までの時間の短縮による発進の迅速化を可能としながら、始動準備を必要十分な時間に制限して、電源装置のエネルギ消費の抑制または始動準備の準備対象部品の負荷の軽減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、車両(1)に搭載されたエンジン(2)の自動停止条件および再始動条件を検出する制御条件検出手段(30)と、前記制御条件検出手段(30)からの検出信号が入力されると共に、前記自動停止条件が満たされたときに前記エンジン(2)の自動停止を行い、前記再始動条件が満たされたときに前記エンジン(2)の再始動を行う制御手段(40)とを備えるエンジン自動停止再始動装置において、前記エンジン(2)は、電源装置(7)が供給する電力により作動して前記エンジン(2)を始動させる電動式のスタータ(9)を備え、前記車両(1)は、前記電源装置(7)が供給する電力により作動する1以上の電気機器(20,21)と、前記スタータ(9)の作動に起因する前記電源装置(7)の電圧低下が前記電気機器(20,21)に与える影響を防止または軽減するための始動準備の制御を行う始動準備制御手段(13)とを備え、前記制御条件検出手段(30)は、前記エンジン(2)と前記エンジン(2)の動力を駆動輪(6)に伝達する動力伝達装置(3)との間での動力の伝達・遮断を行うべく接続状態が変更可能なクラッチ(5a)を操作するクラッチ操作部(5b)の操作量(S)を検出するクラッチスイッチ(34)と、前記始動準備の完了を検出する準備完了検出手段(37)とを備え、前記クラッチスイッチ(34)は、前記接続状態を完全接続状態にする非操作状態にある前記クラッチ操作部(5b)の操作が開始されたことを示す第1操作量(S1)を検出する第1クラッチスイッチ(34a)と、前記第1操作量(S1)よりも大きい前記操作量(S)であって前記接続状態を非接続状態にする第2操作量(S2)を検出する第2クラッチスイッチ(34b)とから構成され、前記制御手段(40)は、前記第1操作量(S1)が検出されたときに、前記始動準備制御手段(13)に前記始動準備を開始させ、前記第2操作量(S2)が検出されたことおよび前記始動準備が完了したことを前記再始動条件として、前記スタータ(9)を作動させるエンジン自動停止再始動装置である。
【0009】
これによれば、スタータの作動によりエンジンを再始動させるためにクラッチ操作部が操作されて、該クラッチ操作部の操作量が、エンジンを再始動させる再始動条件である第2操作量に達する前であって、第1操作量が検出された時点で、始動準備制御手段により、スタータの作動に起因する電気機器での影響を防止または軽減する始動準備が開始される。この結果、スタータの作動開始前に始動準備が行われるエンジンにおいて、再始動条件が満たされたときからエンジンの再始動までの時間の短縮による発進の迅速化が可能になる。
しかも、エンジンを再始動させるスタータは、クラッチ操作部の操作量が第2操作量になり、かつ始動準備が完了した時点でエンジンを始動させるので、始動準備を必要十分な時間に制限することができて、始動準備の準備対象部品による電源装置のエネルギ消費の抑制および準備対象部品の負荷の軽減が可能になる。そして、準備対象部品の負荷が軽減することで、準備対象部品の耐久性が向上し、また準備対象部品の発熱による過熱防止対策の不要化または簡易化によるコスト削減が可能になる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジン自動停止再始動装置において、前記始動準備は、前記電気機器(20,21)に印加される電圧を昇圧する昇圧回路(19a)を作動状態にすること、または、前記電気機器(20,21)が備える電子制御ユニットへのデータの保存であるものである。
これによれば、スタータの作動に起因して電源装置の電圧低下が生じた場合に、昇圧回路により電気機器の作動電圧を確保することができるので、電気機器の作動の維持が可能になり、また、始動準備開始時のデータが保存されるので、エンジンの再始動後の電気機器の再設定の手間の不要化または軽減化が可能になる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のエンジン自動停止再始動装置において、前記制御手段(40)は、前記第1操作量(S1)が一旦検出された後に前記第1操作量(S1)が検出されなくなったときに、前記始動準備制御手段(13)に前記始動準備をキャンセルさせるものである。
これによれば、始動準備が一旦開始された場合に、スタータが作動されず、したがってエンジンが再始動されることなく、クラッチ操作部が戻されて第1クラッチスイッチにより第1操作量が検出されなくなるときには、始動準備が取り止めになるので、始動準備の準備対象部品による電源装置のエネルギ消費の抑制および準備対象部品の負荷の軽減が可能になる。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載のエンジン自動停止再始動装置において、前記制御手段(40)は、前記第1操作量(S1)が検出された後の所定時間(Tb)内に前記第2操作量(S2)が検出されないときに、前記始動準備制御手段(13)に前記始動準備をキャンセルさせるものである。
これによれば、始動準備が一旦開始された場合に、クラッチ操作部が第1操作量まで操作された時点から所定時間を超える時間が経過してもスタータが作動されず、したがってエンジンが再始動されないときは、始動準備が取り止めになるので、始動準備をする準備対象部品による電源装置のエネルギ消費の抑制および準備対象部品の負荷の軽減が可能になる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載のエンジン自動停止再始動装置において、前記制御手段(40)は、前記第1操作量(S1)が検出されず、かつ前記第2操作量(S2)が検出されたときに、前記始動準備制御手段(13)に前記始動準備を開始させるものである。
これによれば、第1クラッチスイッチの故障時またはクラッチ操作部の操作速度が速い場合など、制御手段が第1クラッチスイッチによる第1操作量の検出を認識できない場合にも、始動準備が行われるので、スタータの作動に起因する電源装置の電圧低下が電気機器に与える悪影響を防止または軽減しながら、エンジンを再始動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エンジン自動停止再始動装置において、エンジンの再始動前に電源装置の電圧低下に対処すべく電気機器に対する始動準備が行われる場合に、再始動条件が満たされたときからエンジンの再始動までの時間の短縮による発進の迅速化を可能としながら、始動準備を必要十分な時間に制限して、電源装置のエネルギ消費の抑制または始動準備の準備対象部品の負荷の軽減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態であるエンジン自動停止再始動装置を備える車両の模式図である。
【図2】図1のエンジン自動停止再始動装置の構成を説明する図である。
【図3】図1のエンジン自動停止再始動装置による再始動制御を説明するフローチャートである。
【図4】図1のエンジン自動停止再始動装置の実施例および比較例での再始動制御のタイムチャートである。
【図5】図1のエンジン自動停止再始動装置の実施例での再始動制御の別のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図1〜図5を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施形態であるエンジン自動停止再始動装置12は、四輪車である車両1に搭載された走行用原動機としての内燃機関であるエンジン2の自動停止と、該自動停止状態からの始動である再始動とを行う。
【0017】
車両1は、エンジン2と、エンジン2が発生する動力を駆動輪6に伝達する動力伝達装置3と、ナビゲーション装置22などの1以上の車載用電気機器20,21と、エンジン2を制御するエンジン制御装置11およびエンジン自動停止再始動装置12を備える車両用制御装置10と、電源装置としてのバッテリ7と、キースイッチ8とを備える。
【0018】
エンジン2は、エンジン出力軸としてのクランク軸2aと、始動時にクランク軸2aを回転駆動する電動式のスタータとしてのスタータモータ9とを備える。
動力伝達装置3は、クランク軸2aから入力される動力を変速して駆動輪6に出力するマニュアル式の変速機4と、エンジン2と変速機4との間での動力の伝達および遮断を行うクラッチ装置5とを備える。クラッチ装置5は、クランク軸2aと変速機4の入力軸4aとの間に配置されて動力の伝達・遮断のために接続状態が変更可能なクラッチ5aと、クラッチ5aの接続状態を変更するために運転者が操作するクラッチ操作部としてのクラッチペダル5bとを備える。
【0019】
バッテリ7が供給する電力により作動する電気機器20,21には、ナビゲーション装置22のほかに、電動パワーステアリング装置23、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)およびトラクションコントロール装置を含む走行安定化装置24、オーディオ装置25、エアコン26、パワーウインドウ27などが含まれる。
バッテリ7と車両用電装品(エンジン2が備えるスタータモータ9などのエンジン電装品、制御装置10および電気機器20,21が含まれる。)との接続および遮断を切り換えるキースイッチ8は、スタータ位置で、バッテリ7とスタータモータ9とをスタータリレー9aを介して接続し、オン位置で、スタータモータ9以外の前記車両用電装品とバッテリ7とを接続し、オフ位置で、該車両用電装品とバッテリ7との接続を遮断する。
【0020】
コンピュータを備える制御装置10は、エンジン2における燃焼制御(例えば、空燃比制御および点火制御)を行うエンジン制御装置11と、エンジン自動停止再始動装置12と、スタータモータ9がエンジン2を始動するためにその作動を開始する前に、スタータモータ9の作動に備えて各電気機器20,21のための始動準備の制御を行う始動準備制御手段13とを備える。
【0021】
ここで、始動準備とは、スタータモータ9の作動時に発生するバッテリ7の電圧低下が電気機器20,21に与える不都合な影響(例えば、電気機器20,21のリセットや作動停止)を防止または軽減するために行われる処理である。
始動準備には、バッテリ7と特定電気機器20としてのナビゲーション装置22との間に設けられるDC−DCコンバータ19の昇圧回路19aを作動状態にするための処理(例えば、昇圧が不要なときに昇圧回路19aをバイパスするためのリレー19bを遮断状態にする処理である。)、および、ナビゲーション装置22以外の各電気機器21が備える電子制御ユニット23a〜27aへの、始動準備の開始時点でのデータを保存するための処理などが含まれる。
【0022】
昇圧回路19aは、バッテリ7の電圧を昇圧してナビゲーション装置22に印加される電圧を昇圧する。昇圧回路19aを有するDC−DCコンバータ19は、電気機器21の電子制御ユニット23a〜27aと同様に、始動準備の対象となる準備対象部品である。
また、各電気機器21の電子制御ユニット23a〜27aでのデータの保存処理では、コンピュータから構成される電子制御ユニット23a〜27aにおいて、その中央演算処理装置が不揮発性メモリに前記データを記憶させる処理を行う。
【0023】
エンジン自動停止再始動装置12および始動準備制御手段13は、DC−DCコンバータ19および各電気機器21と、車載ネットワーク15であるLIN15aまたはCAN15bにより接続されていて、通信による信号の伝達が行われる。
具体的には、各電気機器21とエンジン自動停止再始動装置12および始動準備制御手段13とはCAN15bにより信号の伝達が行われるので、LINよりも大きい伝達速度で信号が伝達される。一方、エンジン自動停止再始動装置12および始動準備制御手段13とDC−DCコンバータ19とはLIN15aにより信号の伝達が行われるので、CANが使用される場合に比べてコストが削減される。
【0024】
始動準備制御手段13は、スタータモータ9の作動開始を予告する始動予告信号としての検出信号を出力する始動予告信号発生手段である後記第1クラッチスイッチ34a(図2参照)が第1操作量S1(図4参照)を検出したときの制御手段40(図2参照)からの始動準備の実行指令に基づいて、DC−DCコンバータ19および各電気機器21の電子制御ユニット23a〜27aに、車載ネットワーク15を通じて準備開始信号を送信して、DC−DCコンバータ19および各電気機器21において始動準備を開始させる一方、制御手段40からの始動準備の中止指令に基づいて、DC−DCコンバータ19および各電気機器21の電子制御ユニット23a〜27aに、車載ネットワーク15を通じて準備中止信号を送信して、始動準備をキャンセルさせる。
【0025】
図2を参照すると、エンジン自動停止再始動装置12は、エンジン2の自動停止条件および再始動条件を検出する制御条件検出手段30と、エンジン2を停止するための停止手段14およびエンジン2を始動するための始動手段としてのスタータモータ9を制御する制御手段40とを備える。制御条件検出手段30の各検出信号は、制御手段40に入力される。
【0026】
エンジン2に備えられる停止手段14は、燃焼に関与する装置(例えば、燃料噴射弁)の作動(例えば、燃料噴射弁による燃料供給)を停止する。
そして、制御手段40は、制御条件検出手段30から入力される検出信号に基づいて、キースイッチ8がオン状態で、自動停止条件が満たされたときに停止手段14を作動させてエンジン2を自動停止させることでアイドリングストップ状態にし、再始動条件が満たされたときにスタータモータ9を作動させてエンジン2を再始動させる。
【0027】
制御条件検出手段30は、オフ位置およびオン位置を含むキースイッチ8の操作位置を検出するマニュアル始動停止操作検出手段31と、車両1(図1参照)の停車(すなわち、車速がゼロであること)を検出する車速センサ32と、変速機4のシフト位置を検出するシフトスイッチ33と、クラッチペダル5bの踏込み量(すなわち、ストローク)である操作量S(クラッチ操作位置に対応する。)を検出するクラッチスイッチ34と、サービスブレーキとしてのフートブレーキの作動・非作動を検出するサービスブレーキスイッチとしてのフートブレーキスイッチ35と、アクセル操作部としてのアクセルペダルの解放位置および解放位置からの操作を検出するアクセルセンサ36と、始動準備の完了を検出する準備完了検出手段37とを備える。
シフトスイッチ33は、変速機4のニュートラル位置を検出するニュートラルスイッチ33aと、変速機4における変速位置である走行位置を検出する走行スイッチ33bとを有する。
【0028】
併せて図3,図4を参照すると、クラッチスイッチ34は、クラッチペダル5bの操作である踏込みが開始されることにより、操作量Sが、ゼロ(このとき、クラッチペダル5bは、解放されて非操作状態である解放位置にあり、クラッチ5aの接続状態は完全接続状態にある。)から、最大操作量(クラッチ操作位置の最大操作位置としての最大踏込み位置に対応する。)に向かって踏み込まれたことを示す第1操作量S1(クラッチ操作位置の第1操作位置に対応する。)を検出する第1クラッチスイッチ34aと、第1操作量S1よりも大きい第2操作量S2(クラッチ操作位置の第2操作位置に対応する。)を検出する第2クラッチスイッチ34bとから構成される。
【0029】
クラッチ5aの接続状態を非接続状態にするときの操作量Sである第2操作量S2は、第1操作量S1よりも最大踏込み位置に向かってクラッチペダル5bが踏み込まれたときの操作量Sであり、最大踏込み位置または最大踏込み位置近傍での操作量Sである。
図4に示されるように、第1クラッチスイッチ34aは操作量Sが第1操作量S1以上になったことを検出し、第2クラッチスイッチ34bは操作量Sが第2操作量S2以上になったことを検出する。したがって、第1,第2クラッチスイッチ34a,34bは、第1,第2操作量S1,S2をそれぞれ検出した状態を保持する。
【0030】
図1,図2を参照すると、準備完了検出手段37は、始動準備が開始された時点からの予め設定された準備時間Ta(図4参照)の経過により、またはDC−DCコンバータ19および電気機器21からの、車載ネットワーク15を通じての準備完了信号の返信により、始動準備の完了を検出する。
【0031】
そして、自動停止条件には、マニュアル始動停止操作検出手段31によりキースイッチ8がオン位置にあることが検出されている状態で、ニュートラルスイッチ33aにより変速機4のニュートラル位置が検出されていること、および第1,第2クラッチスイッチ34a,34bによりクラッチペダル5bの第1,第2操作量S1,S2(図4参照)が検出されていないこと(例えば、クラッチペダル5bが解放位置にあり、クラッチ5aが完全接続状態にあること)、および、車速センサ32により車両1の停車が検出されていること、フートブレーキスイッチ35によりフートブレーキの作動が検出されていること、アクセルセンサ36によりアクセルの解放位置が検出されていること、が含まれる。そして、これらのすべての自動停止条件が満たされたときに、制御手段40がエンジン2を自動停止する。
【0032】
また、再始動条件には、マニュアル始動停止操作検出手段31によりキースイッチ8がオン位置にあることが検出されている状態で、第2クラッチスイッチ34bにより第2操作量S2が検出されていること、および準備完了検出手段37により始動準備の完了が検出されていること、ニュートラルスイッチ33aにより変速機4のニュートラル位置が検出されていること、フートブレーキスイッチ35によりフートブレーキの非作動が検出されていること、アクセルセンサ36によりアクセルの解放位置からの操作が検出されていること、が含まれる。そして、これらの少なくとも1つの再始動条件が満たされたときに、制御手段40がエンジン2を再始動する。
【0033】
図3を中心に、図1,図2,図4を適宜参照して、エンジン自動停止再始動装置12の制御手段40により実行される再始動の制御方法を説明する。
ステップS1では、自動停止条件が成立してエンジン自動停止再始動装置12によりエンジン2が自動停止した状態にあるか否かが判定され、自動停止状態にあるときにステップS2に進む。エンジン2が自動停止状態でないときにはステップS2以降の処理は実行されない。
【0034】
ステップS2では、クラッチペダル5bが第1操作量S1以上に踏み込まれているか否か、すなわち第1クラッチスイッチ34aが第1操作量S1を検出してオン状態になったか否かが判定される。第1クラッチスイッチ34aがオン状態であるとき、ステップS3で、始動準備の実行指令が始動準備制御手段13に出力され、該始動準備制御手段13がDC−DCコンバータ19および各電気機器21の電子制御ユニット23a〜27aに始動準備を開始させる。その後、ステップS4に進んで、クラッチペダル5bが第2操作量S2以上に踏み込まれているか否か、すなわち第2クラッチスイッチ34bが第2操作量S2を検出してオン状態になったか否かが判定される。
【0035】
第1クラッチスイッチ34aがオン状態になり,かつ第2クラッチスイッチ34bがオン状態になったとき、ステップS5に進んで、準備完了検出手段37により始動準備が完了したか否かが判定される。DC−DCコンバータ19および電子制御ユニット23a〜27aでの始動準備が完了したことが準備完了検出手段37により検出されたときに、ステップS6で制御手段40がスタータモータ9を作動させるべくバッテリ7からスタータモータ9に電力が供給されるように、スタータリレー9aがオン状態となるように制御する。
また、ステップS5で、始動準備が完了していないときには、始動準備が完了するまで、スタータモータ9は非作動状態に維持される。
【0036】
また、ステップS4で第2クラッチスイッチ34bがオン状態でないとき、ステップS7に進んでクラッチペダル5bの踏込みが解除されるか、または操作量Sが減少して、第1クラッチスイッチ34aがオン状態からオフ状態になったか否かが判定される。そして、第1クラッチスイッチ34aがオン状態に一旦なった後にオフ状態になったときに、ステップS8に進んでステップS3で開始された始動準備を取り止めるために、始動対応準備の中止指令が始動準備制御手段13に出力されて、始動準備制御手段13がDC−DCコンバータ19および電子制御ユニット23a〜27aに始動準備を中止させ、始動準備をキャンセルする。
【0037】
一方、ステップS7で、第1クラッチスイッチ34aがオン状態になった状態が継続しているときは、ステップS9に進んで、始動準備が開始されてから所定の待ち時間である所定時間Tb(図5参照)が経過したか否かが判定される。所定時間Tbが経過したときは、ステップS8に進んで始動準備がキャンセルされる。
また、所定時間Tbが経過していないときは、ステップS4の処理が実行され、スタータモータ9は非作動状態に維持される。
【0038】
ここで、準備時間Taを考慮して予め設定される所定時間Tbは、準備時間Taよりも長く設定される(図5参照)。これにより、クラッチペダル5bが、第2操作量S2になるまで、ゆっくりと、または時間をかけて踏み込まれる場合には、第2操作量S2が検出された時点で、始動準備が完了しているか、または完了間近にある頻度が高まるので、第2操作量S2の検出時点からスタータモータ9の作動開始までの時間が一層短縮され、最短では、第2操作量S2の検出時点でスタータモータ9の作動が開始される。
【0039】
ステップS2で、クラッチペダル5bの操作量Sが、クラッチペダル5bが第1操作量S1に達しない操作量Sであるとき、すなわち、第1クラッチスイッチ34aがオン状態にならないとき、ステップS10に進んで、第2クラッチスイッチ34bがオン状態になったか否かが判定され、オン状態にならないとき、ステップS2に進んで、第1クラッチスイッチ34aがオン状態になるか、第2クラッチスイッチ34bがオン状態になるまで、始動準備が行われない自動停止状態が維持される。
【0040】
一方、ステップS10で、第2クラッチスイッチ34bがオン状態になったときは、ステップS11に進んで始動準備が開始される。このステップS2,S10,S11での処理は、クラッチペダル5bの踏込み速度が大きいことにより、第1クラッチスイッチ34aがオン状態になるまでの作動遅れ時間内に第2クラッチスイッチ34bがオン状態になる場合、第1,第2クラッチスイッチ34a,34bがほぼ同時にオン状態になる場合、および、第1クラッチスイッチ34aが故障している場合に行われる。したがって、第1クラッチスイッチ34aが故障している場合にも、始動準備が行われ、その完了を待って、スタータモータ9によりエンジン2が再始動される。
【0041】
そして、ステップS11で始動準備が開始された後は、ステップS5で準備完了検出手段37により検出される始動準備の状態に応じて、始動準備が完了したときは、ステップS6に進んでスタータモータ9が作動し、始動準備が完了していないときは、始動準備が完了するまでスタータモータ9が非作動状態に保持される。
【0042】
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
車両1は、スタータモータ9の作動に起因するバッテリ7の電圧低下が電気機器20,21に与える影響を防止または軽減するための始動準備の制御をスタータモータ9の作動開始前に行う始動準備制御手段13を備え、エンジン自動停止再始動装置12はクラッチスイッチ34と始動準備の完了を検出する準備完了検出手段37とを備え、クラッチスイッチ34は、クラッチ5aの接続状態を完全接続状態にする非操作状態にあるクラッチペダル5bの操作が開始されたことを示す第1操作量S1を検出する第1クラッチスイッチ34aと、クラッチ5aの接続状態を非接続状態にする第2操作量S2を検出する第2クラッチスイッチ34bとから構成され、エンジン自動停止再始動装置12の制御手段40は、第1操作量S1が検出されたときに、始動準備制御手段13に始動準備を開始させ、第2操作量S2が検出されたことおよび始動準備が完了したことを再始動条件として、スタータモータ9を作動させる。
【0043】
この構成により、スタータモータ9の作動によりエンジン2を再始動させるためにクラッチペダル5bが操作されて、該クラッチペダル5bの操作量Sが、エンジン2を再始動させる再始動条件である第2操作量S2に達する前であって、第1操作量S1が検出された時点で、始動準備制御手段13を通じて、スタータモータ9の作動に起因する電気機器20,21での影響を防止または軽減するための始動準備が開始される。この結果、スタータモータ9の作動開始前に始動準備が行われるエンジン2において、再始動条件が満たされたときからエンジン2の再始動までの時間の短縮による発進の迅速化が可能になる。
【0044】
具体的には、図4に示されるように、本発明の実施例によれば、クラッチペダル5bが第1操作量S1まで踏み込まれた時点で始動準備が開始されるので、クラッチペダル5bが始動準備中に第2操作量S2まで踏み込まれて、スタータモータ9が作動を開始する場合でも、クラッチペダル5bが第2操作量S2まで踏み込まれた時点で始動準備が開始される比較例に比べて、再始動条件が満たされてからエンジン2が再始動されるまでの時間が時間ΔTだけ短縮される。
【0045】
また、図5に示されるように、クラッチペダル5bが第1操作量S1まで踏み込まれた時点から第2操作量S2まで、準備時間Taよりも長い時間をかけて操作されるときのように、第2操作量S2が検出される時点以前に準備が完了している場合には、クラッチペダル5bが第2操作量S2まで踏み込まれた時点で、スタータモータ9が即座に作動を開始するので、クラッチペダル5bが第2操作量S2まで踏み込まれた時点で始動準備が開始される場合に比べて、再始動条件が満たされてからエンジン2が再始動されるまでの時間が短縮される。
【0046】
しかも、エンジン2を再始動させるスタータモータ9は、クラッチペダル5bの操作量Sが第2操作量S2になり、かつ始動準備が完了した時点でエンジン2を始動させるので、始動準備を必要十分な時間に制限することができて、始動準備の準備対象部品であるDC−DCコンバータ19の昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aによるバッテリ7のエネルギ消費(すなわち、充電量の低下)の抑制、および昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aの負荷の軽減が可能になる。そして、昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aの負荷が軽減することで、昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aの耐久性が向上し、また昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aの発熱による過熱防止対策の不要化または簡易化によるコスト削減が可能になる。
【0047】
始動準備制御手段13からの準備開始信号が、車載ネットワーク15であるLIN15aまたはCAN15bを通じて、通信により、DC−DCコンバータ19の昇圧回路19aおよび電気機器21の電子制御ユニット23a〜27aに伝達されるので、第1クラッチスイッチ34aによる第1操作量S1の検出時点から昇圧回路19aおよび電子制御ユニット23a〜27aでの始動準備の開始までの時間が短縮されて、始動準備の完了の早期化が可能になる。さらに、準備完了検出手段37により検出される始動準備の準備完了信号も、LIN15aまたはCAN15bを通じて制御手段40に入力されるので、制御手段40によるスタータモータ9の作動開始の早期化が可能になる。そして、これらの結果、始動準備が行われるエンジン2における再始動の迅速化が可能になる。
【0048】
始動準備は、ナビゲーション装置22に電力を供給する昇圧回路19aを作動状態にすること、または、電動パワーステアリング装置23や走行安定化装置24等の電気機器21が備える電子制御ユニット23a〜27aへのデータの保存である。これにより、スタータモータ9の作動に起因してバッテリ7の電圧低下が生じた場合に、昇圧回路19aによりナビゲーション装置22の作動電圧を確保することができるので、特定電気機器20の作動の維持が可能になる。また、電子制御ユニット23a〜27aには始動準備開始時のデータが保存されるので、エンジン2の再始動後の電気機器21の再設定の手間の不要化または軽減化が可能になる。
【0049】
制御手段40は、第1操作量S1が一旦検出された後に第1操作量S1が検出されなくなったときに、始動準備制御手段13に始動準備をキャンセルさせる。これにより、始動準備が一旦開始された場合に、スタータモータ9が作動されず、したがってエンジン2が再始動されることなく、クラッチペダル5bが戻されて第1クラッチスイッチ34aにより第1操作量S1が検出されなくなるときには、始動準備が取り止めになるので、始動準備の昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aによるバッテリ7のエネルギ消費の抑制および昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aの負荷の軽減が可能になる。
【0050】
制御手段40は、第1操作量S1が検出された後の所定時間Tb内に第2操作量S2が検出されないときに、始動準備制御手段13に始動準備をキャンセルさせる。これにより、始動準備が一旦開始された場合に、クラッチペダル5bが第1操作量S1まで操作された時点から所定時間Tbを超える時間が経過してもスタータモータ9が作動されず、したがってエンジン2が再始動されないときは、始動準備が取り止めになるので、始動準備をする昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aによるバッテリ7のエネルギ消費の抑制および昇圧回路19aや電子制御ユニット23a〜27aの負荷の軽減が可能になる。
【0051】
制御手段40は、第1操作量S1が検出されず、かつ第2操作量S2が検出されたときに、始動準備制御手段13に始動準備を開始させる。これにより、第1クラッチスイッチ34aの故障時またはクラッチペダル5bの操作速度が速い場合など、制御手段40が第1クラッチスイッチ34aによる第1操作量S1の検出を認識できない場合にも、始動準備が行われるので、スタータモータ9の作動に起因する電圧低下が各電気機器20,21に与える悪影響を防止または軽減しながら、エンジン2を再始動させることができる。
【0052】
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
始動準備制御手段13は、始動準備として、電気機器21と同様に、ナビゲーション装置22の電子制御ユニットに、不揮発性メモリへのデータ保存を行わせてもよい。
準備対象部品としての昇圧回路19aが、ナビゲーション装置22以外の電気機器21に対して設けられてもよい。
クラッチ操作部は、クラッチペダル5b以外の部材(例えば、手で操作されるレバーやボタンなどの部材)であってもよい。
エンジン2は、内燃機関以外の燃焼機関であってもよく、また電動機であってもよい。
車両1は、走行用原動機として、電動機および内燃機関から構成されるハイブリッドエンジンを備えるものであってもよい。また、車両1は、四輪車以外の車両、例えば二輪車であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 車両
2 エンジン
3 動力伝達装置
5a クラッチ
5b クラッチペダル(クラッチ操作部)
7 バッテリ(電源装置)
9 スタータモータ(スタータ)
12 エンジン自動停止再始動装置
13 始動準備制御手段
19a 昇圧回路
20,21 電気機器
23a〜27a 電子制御ユニット
30 制御条件検出手段
34 クラッチスイッチ
34a 第1クラッチスイッチ
34b 第2クラッチスイッチ
37 準備完了検出手段
S 操作量
S1 第1操作量
S2 第2操作量
Tb 所定時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたエンジンの自動停止条件および再始動条件を検出する制御条件検出手段と、前記制御条件検出手段からの検出信号が入力されると共に、前記自動停止条件が満たされたときに前記エンジンの自動停止を行い、前記再始動条件が満たされたときに前記エンジンの再始動を行う制御手段とを備えるエンジン自動停止再始動装置において、
前記エンジンは、電源装置が供給する電力により作動して前記エンジンを始動させる電動式のスタータを備え、
前記車両は、前記電源装置が供給する電力により作動する1以上の電気機器と、前記スタータの作動に起因する前記電源装置の電圧低下が前記電気機器に与える影響を防止または軽減するための始動準備の制御を行う始動準備制御手段とを備え、
前記制御条件検出手段は、前記エンジンと前記エンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置との間での動力の伝達・遮断を行うべく接続状態が変更可能なクラッチを操作するクラッチ操作部の操作量を検出するクラッチスイッチと、前記始動準備の完了を検出する準備完了検出手段とを備え、
前記クラッチスイッチは、前記接続状態を完全接続状態にする非操作状態にある前記クラッチ操作部の操作が開始されたことを示す第1操作量を検出する第1クラッチスイッチと、前記第1操作量よりも大きい前記操作量であって前記接続状態を非接続状態にする第2操作量を検出する第2クラッチスイッチとから構成され、
前記制御手段は、前記第1操作量が検出されたときに、前記始動準備制御手段に前記始動準備を開始させ、前記第2操作量が検出されたことおよび前記始動準備が完了したことを前記再始動条件として、前記スタータを作動させることを特徴とするエンジン自動停止再始動装置。
【請求項2】
前記始動準備は、前記電気機器に印加される電圧を昇圧する昇圧回路を作動状態にすること、または、前記電気機器が備える電子制御ユニットへのデータの保存であることを特徴とする請求項1記載のエンジン自動停止再始動装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1操作量が一旦検出された後に前記第1操作量が検出されなくなったときに、前記始動準備制御手段に前記始動準備をキャンセルさせることを特徴とする請求項1または2記載のエンジン自動停止再始動装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1操作量が検出された後の所定時間内に前記第2操作量が検出されないときに、前記始動準備制御手段に前記始動準備をキャンセルさせることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のエンジン自動停止再始動装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1操作量が検出されず、かつ前記第2操作量が検出されたときに、前記始動準備制御手段に前記始動準備を開始させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のエンジン自動停止再始動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−92669(P2012−92669A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238363(P2010−238363)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】