説明

エンタングルされた光子を生成する光子源

量子ドット(519)と、前記量子ドット(519)に電場を印加するように構成される電気的コンタクト(533、537)と、前記コンタクト(533、537)に結合される電源であって、双励起子又はより高次の励起子を形成するためにキャリアが前記量子ドット(519)に供給されるように、ポテンシャルを印加するように構成される電源と、を具備する光子源であって、前記光子源は、量子ドット(519)内の励起子の放射寿命より大きくなるように、キャリアが前記量子ドット(519)へ及び前記量子ドット(519)からトンネルする時間を増大するように構成される障壁(521)をさらに具備し、前記量子ドット(519)は、双励起子又はより高次の励起子の崩壊中にエンタングルされた光子の放射に適している、光子源。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで説明される実施形態は、一般に、光子源の分野に関し、特に、エンタングルされた光子対を生成することができる光子源に関する。
【背景技術】
【0002】
エンタングル光子源は、量子通信、量子計算、及び高解像度イメージングのような多くの分野での利用がある。エンタングルされた光子は、光学非線形結晶でパラメトリックダウンコンバージョンを使用して生成されることができる。しかしながら、他のコンポーネントとの統合の容易さの理由から、標準的な半導体材料を使用してそのような光子源を作成することができる商業的な必要がある。
【0003】
近年、量子ドットにおける双励起子崩壊を使用して、エンタングルされた光子状態を生成することを試みる研究が行われている。
【0004】
エンタングルメントを生成するためには、安定した中性励起子に崩壊する安定した中性双励起子を生成することが必要である。
【0005】
引用文献リスト
GB 2451803
【図面の簡単な説明】
【0006】
これより、以下の限定されない実施形態を参照して本発明を説明する。
【図1】図1は、本発明を理解するのに役立つ量子ドットを備えるLEDの概略図である。
【図2】図2は、図1のLEDのバンド図の概略図である。
【図3】図3(a)は、本発明を理解するのに役立つ図1及び2を参照して説明されるタイプの光子源のフォトルミネセンスのグレースケールプロットであり、フォトルミネセンスは、暗い領域がより高いルミネセンス強度を示すグレースケールとしてプロットされ、フォトルミネセンスは、印加バイアス及び波長の関数としてプロットされ、図3(b)は、本発明を理解するのに役立つ図1及び2に参照して説明されるタイプの光子源のエレクトロルミネセンスのグレースケールプロットであり、エレクトロルミネセンスは、暗い領域がより高いルミネセンス強度を示すグレースケールとしてプロットされ、エレクトロルミネセンスは、印加バイアス及び波長の関数としてプロットされる。
【図4】図4(a)は、本発明の一実施形態に従う光子源のフォトルミネセンスのグレースケールプロットであり、フォトルミネセンスは、暗い領域がより高いルミネセンス強度を示すグレースケールとしてプロットされ、フォトルミネセンスは、印加バイアス及び波長の関数としてプロットされ、図4(b)は、本発明の一実施形態に従う光子源のエレクトロルミネセンスのグレースケールプロットであり、エレクトロルミネセンスは、暗い領域がより高いルミネセンス強度を示すグレースケールとしてプロットされ、エレクトロルミネセンスは、印加バイアス及び波長の関数としてプロットされる。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に従う光子源に関する概略の電子エネルギーバンド図であり、図5aは、量子ドットの各々の側に設けられる厚さ1λのGaAs障壁を備えて形成されるInAs量子ドットを備える光子源を有し、図5bは、量子ドットの片側に設けられる厚さ1λのGaAsを備えるInAs量子ドットを有し、図5cは、量子ドットの片側に設けられるAlGaAs障壁を備えるInAs量子ドットを有し、図5dは、InAs量子ドット及び量子ドットの一方の側に設けられる2つのより高いAlGaAs障壁を有する。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に従う光子源からのエンタングルされた光子対のDC測定を示すプロットであり、図6(a)、6(b)及び6(c)はそれぞれ、同一(黒)又は反対(破線)の偏光光子対に関して、直線、対角及び円基底において測定された光子間の遅延の関数とする放射の二次相互相関のプロットであり、図6(d)は、光子間の遅延の関数として、最大にエンタングルされた状態(|HH>+|VV>)/√2に対する測定された光子対の忠実度を示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に従う光子源からのエンタングルされた光子対放射のAC測定であり、図7(a)、7(b)及び7(c)は、それぞれ直線、対角及び円基底において測定された光子間の期間の数(the number of periods)の関数として偏光相関の程度を示し、図7(d)は、最大にエンタングルされた状態(|HH>+|VV>)/√2に対する測定された光子対の対応する忠実度を示す。
【図8】図8(a)は、励起子レベルで偏光分裂Sを備える典型的な量子ドットのエネルギー準位図であり、図8(b)は、ゼロの偏光分裂を備える量子ドットのエネルギー準位図である。
【図9】図9(a)は、複数の成長した量子ドットの量子ドットエネルギーに対する分裂を示すプロットであり、図9(b)は、675℃で(左から右へ)5分ステップでアニールされた2つのドットのドットエネルギーに対する分裂のプロットを示し、図9(c)は、面内磁場に対する単一ドットの分裂のプロットである。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に従う光子源の概略図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態に従う光子源の概略の層状構造である。
【図12】図12は、本発明のさらなる実施形態に従う光子源の概略の層状構造である。
【図13】図13(a)から13(d)は、本発明の一実施形態に従うデバイスの可能な動作モードを示す概略のバンド図である。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に従う光学記録装置の概略図である。
【図15】図15は、本発明の一実施形態に従う量子通信システムの概略図である。
【図16】図16は、本発明の一実施形態に従う量子リピータの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態では、量子ドットと、前記量子ドットに電場を印加するように構成される電気的コンタクトと、前記コンタクトに結合される電源であって、双励起子又はより高次の励起子を形成するためにキャリアが前記量子ドットに供給されるように、ポテンシャルを印加するように構成される電源と、を具備する光子源であって、前記光子源は、量子ドット内の励起子の放射寿命より大きくなるように、キャリアが前記量子ドットへ若しくは前記量子ドットからトンネルする時間を増大するように構成される障壁をさらに具備し、前記量子ドットは、双励起子又はより高次の励起子の崩壊中にエンタングルされた光子の放射に適している、光子源が提供される。
【0008】
誤解を避けるために、用語「障壁」は、量子ドットのものより高いバンドギャップを有する材料系(material system)を意味するのに使用される。
【0009】
障壁は、一般に、量子ドットと電気的コンタクトとの間の層として設けられる。前記層の厚さは、好ましくは、少なくとも150nmである。
【0010】
一実施形態では、光子源は、量子ドットがp及びn領域間の真性(i)領域内に設けられるp−i−n構造を有する。
【0011】
電子に関するトンネル時間は、より小さい有効質量のために、通常はホールよりもはるかに短いので、障壁は、単に電子のトンネル時間を増大させるために設けられることができる。従って、障壁は、n型コンタクトと量子ドットとの間に設けられることができる。
【0012】
量子ドットは、InAs量子ドットであることができ、障壁材料は、GaAsであることができる。しかしながら、障壁材料はまた、AlGaAsのようなより高いバンドギャップ材料を含んでもよい。AlGaAsのより高いバンドギャップのために、AlGaAs障壁は、トンネリングに同じレベルの弾性(resilience)を提供するために、GaAs障壁と同じ厚さにする必要はないだろう。しかしながら、GaAsのようなより低いバンドギャップの障壁材料は、このような材料が光子源により低い動作ポテンシャルを要求するので、好ましい。
【0013】
量子ドットによって放射された光子対は、典型的に、状態の時間発展成分(time evolving component)を低減するために、時間発展状態にエンタングルされ、量子ドットにおける異なる偏光の光学活性励起子レベル間のエネルギー差又は「分裂」は、最小化される必要がある。従って、好ましくは、エネルギー準位の分裂は、量子ドットからの放射の均質線幅以下である。これらの特性を有するドットは、縮退したエネルギー準位を有する。典型的なInAs量子ドットにおいては、励起子の放射寿命は、〜1ns程度である。定量的に、分裂は、2μeV以下であるべきであり、より好ましくは、1μeV以下であるべきである。
【0014】
上記の望ましい分裂を備える量子ドットを生成する多くの方法がある。小さい又は最小の分裂(small to minimal)は、いくらかのドットで、特に、約1.4eVのエネルギーで光子を放射するドットで、自然に起こっている。従って、ドットは、上記の特性を有するように選択されることができる。
【0015】
量子ドットにおける「分裂」は、さらに、ドットの製作後に低減されることができる。例えば、光子源は、量子ドットの分裂を低減するために、成長後にアニーリングを施されることができる。さらなる実施形態では、量子ドットは、分裂を低減するために、さらなる場にさらされる。場は、磁場、電場又は歪場から選択されることができる。
【0016】
一実施形態では、光子源は、エンタングル光子源(entangled photon source)として使用され、より具体的には、エンタングル発光ダイオード(entangled light emitting diode)として使用される。源は、量子通信システム、量子イメージング、量子データ保存及び読み取り、並びに、これら及び他の用途のための量子計算での使用に適しており、源は、好ましくは、エンタングルされた光子対の各々を2つの出力チャネルに再現性良く分配する分配部をさらに備える。
【0017】
第1の構成では、分配部は、源から放射される時間又はそれらのエネルギーに基づいて光子を分離し、これら光子を出力するように構成されることができる。
【0018】
第2の構成では、分配部は、エンタングルされた光子対の波動関数を分割するように構成される。そのように構成される分配部は、偏光ビームスプリッタを備えることができる。エンタングルされた対を形成する光子は、出力チャネルの量子力学重ね合せで出力されることができる。
【0019】
分配部は、さらなる特性に関してエンタングルされた光子をエンタングルするようにさらに構成されることができ、前記さらなる特性は、経路エンタングルメント(path entanglement)又は位相エンタングルメント(phase entanglement)から選択される。
【0020】
エンタングルされた光子対のいくつかの用途は、光子のうちの1つのエンタングルされた状態の測定が他の光子に影響する特性を使用する。この特性は、量子通信システムで利用される。この特性を使用するシステムでは、個別の検出器は、対の各光子に関して必要とされる。従って、一実施形態では、源は、対の各光子に関して個別の検出器を備える。
【0021】
量子イメージングのようなエンタングルされた光子対の他の用途は、エンタングルされた対の低下された波長に頼る。そのような用途では、単一光子の到着とエンタングルされた光子対の到着を区別することができる単一検出器が設けられる。
【0022】
使用では、光子源は、源を固定のDCバイアスに保持することにより動作されることができる。しかしながら、1つの動作モードでは、電源が量子ドットへのキャリアの注入を可能にするように構成される第1の電圧とキャリアの注入が止められる第2の電圧との2つの電圧で切り替えるように構成されることができるように、デバイスへのバイアスはパルス化される。
【0023】
第1の電圧では、源は、それらが放射的に再結合して光子対を放射することができるように、ドットに電子及びホールを注入するために、電流に関する閾値より上でフォワードバイアスをかけられる。電圧の実際の値は、ダイオード設計、材料、リークパス及び接触抵抗に依存する。電流は、少なくとも1つの電子及びホールが励起子減衰寿命と等しい期間でドットによって捕捉されるのに十分であるべきである。
【0024】
一実施形態では、第2の電圧は、コンタクトから量子ドットへのキャリアのトンネリングを最小化するように設定されることができる。
【0025】
さらなる実施形態では、光子源を動作する方法であって、前記光子源は、量子ドットと、前記量子ドットに電場を印加するように構成される電気的コンタクトと、前記コンタクトに結合される電源であって、双励起子又はより高次の励起子を形成するためにキャリアが前記量子ドットに供給されるように、ポテンシャルを印加するように構成される電源と、を備え、前記光子源は、量子ドット内の励起子の放射寿命より大きくなるように、キャリアが前記量子ドットへ並びに前記量子ドットからトンネルする時間を増大するように構成される障壁をさらに具備し、前記量子ドットは、双励起子又はより高次の励起子の崩壊中にエンタングルされた光子の放射に適しており、前記方法は、前記量子ドットへのキャリアの注入を可能にするように構成される第1の電圧と前記キャリアの注入が止められて前記量子ドットへの並びに前記量子ドットからのキャリアのトンネリングが最小化される第2の電圧との2つの電圧で前記電源を切り替えること、を具備する方法が提供される。
【0026】
またさらなる実施形態では、光子源を製造する方法であって、前記方法は、n型半導体領域を形成することと、p型半導体領域を形成することと、前記n及びp型半導体領域間の半導体構造内に量子ドットを形成することと、前記n型領域と前記量子ドットとの間に障壁を形成することと、を具備し、前記障壁は、前記量子ドット内に形成される励起子の放射寿命より大きくなるように、電子が前記量子ドットへ並びに前記量子ドットからトンネルするのに要する時間を増大するように構成され、前記量子ドットは、双励起子又はより高次の励起子の崩壊中のエンタングルされた光子の放射に適するように構成され、前記方法は、前記n及びp型半導体領域に電気的コンタクトを提供することを具備する、方法が提供される。
【0027】
一実施形態では、量子ドットを構成することは、縮退した励起子エネルギー準位をドットに提供するために、量子ドットの成長パラメータを選択することを備える。
【0028】
さらなる実施形態では、量子ドットを構成することは、縮退した励起子エネルギー準位をドットに提供するために、量子ドットの形成後に量子ドットをアニールすることを備える。
【0029】
またさらなる実施形態では、量子ドットを構成することは、量子ドットを場にさらすことを備え、この場は、歪場、磁場又は電場から選択される。歪場は、例えば、デバイスをピエゾ電気変換器に結合し、電圧を変換器に印加することによって、印加されることができ、それは、デバイスに歪場を次々に印加する。磁場は、デバイスの近くの伝導又は超伝導コイルに電流を流すことによって、或いは、1以上の永久磁石の存在によって、印加されることができる。
【0030】
図1は、本発明を理解するのに役立つ量子ドットを備えた単純化された光子源1を示し、この光子源は、下方のn型領域3を有し、真性活性領域(intrinsic active region)5がn型領域3に重なって接触して設けられている。量子ドット7は、活性領域5内に設けられている。上方のp型領域9は、活性領域5に重なって接触して設けられている。
【0031】
図2は、図1の構造のバンド図であり、不要な反復を回避するために、同様の参照番号が同様の特徴を示すために使用されている。図2では、InAs量子ドット7は、iGaAsを含む真性領域5内に設けられている。下方のnドープ領域(n-doped region)3は、n型にドープされたGaAsを含み、上方のpドープ領域(p-doped region)9は、p型にドープされたGaAsを含む。真性領域5は、量子ドット7から放射される光子の波長とほぼ等しい(領域の面と垂直な方向の)総厚さ(total thickness)を有する。
【0032】
使用時には、励起子を形成するために、電子が量子ドット7の伝導帯13に供給され、ホールが量子ドット7の価電子帯11に供給される。放射減衰時間又は寿命として知られている平均時間の後に、励起子は、崩壊して光子を出力する。
【0033】
典型的には、図1及び2に示される光子源は、電気的励起のもとで負帯電励起子状態から光子を放射する。このことは、図3(b)に示される。負帯電励起子状態は、量子ドット内の電子の数がホールの数より多い場合のものである。
【0034】
図3(b)は、ダイオードに印加されるバイアスの関数として、図1及び2に示されるタイプの構造からのエレクトロルミネセンス(EL)を示す。支配的な放射は、2つの電子及び単一ホールを有する励起子の崩壊に対応するXからのものである。2つの電子及び2つのホールを有する中性双励起子からの崩壊に対応するXXからの見て取れるが弱い寄与がある。
【0035】
図3(a)は、印加されるバイアスを関数としてフォトルミネセンスを示す。デバイスからのフォトルミネセンスは、XX及びX崩壊並びに中性X状態(単一中性励起子が1つの電子及び1つのホールを含む。)及び2つのホール及び1つの電子を含む正励起子であるX状態からの崩壊を示す。
【0036】
量子ドットへのバイアスに応じた3つの動作範囲が図3(a)において見ることができる。領域は、点線によって分離されて示されている。量子ドット内の放射する励起子は、バイアスが増大するにつれて、これらの領域の各々において主に正に、中性に、負に帯電したものに切り替わる。
【0037】
量子ドットの帯電性質(charging behaviour)のこの変化は、主としてトンネリングに起因する。最も低いバイアス領域においては、真性領域への電場が強く、それは、ドットからコンタクトへのキャリアのトンネル速度(tunnelling rate)を増大するように、ドットを囲むGaAs障壁の有効幅を低減する。電子がより小さい有効質量を有し且つ対応してより大きな波動関数を有するので、障壁中を通る透過は、電子では高い確率になり、従って、光学的に励起された電子の量子ドットを減少させ、結果的に正帯電励起子放射になる。
【0038】
中間のバイアス領域においては、場は、有意なトンネリングを促進するには不十分であり、光学的に励起された電子及びホールは、放射的に再結合して中性帯電(neutrally charged)励起子及び双励起子光子を放射する。これは、エンタングルされた光子対を生成するのに要求されるレジーム(regime)である。
【0039】
最も高いバイアス領域においては、伝導帯及び価電子帯の形状(profile)は、平坦なバンド状態に近づく。その結果として、量子ドットにおける電子及びホール状態のエネルギー準位は、p及びnコンタクトのエネルギー準位より下になり、量子ドットがコンタクトからの真性GaAs障壁中を通るトンネリングによって電荷で満たされることがエネルギー的に好ましくなる。この場合にも、この効果は、より小さい有効質量のために電子に関して優位であり、量子ドットは、光学的励起の後に負帯電励起子光子放射を引き起こす余分の負帯電電子を得ようとする。
【0040】
従って、デバイスへの電流注入に必要なものより低いバイアスでは、恵まれている励起子複合体は、負帯電に切り替わる。いくらかの中性XX放射は、EL(図3(b))において観測される。これは、電子の最大数を2に制限する、調査された量子ドットにおける高次の閉じ込め電子状態(higher order confined electron states)(p状態)の欠如に起因する。しかしながら、XX光子を放射した後に、ドットは、他の電子ですぐに帯電してXを形成する。
【0041】
本発明の一実施形態は、電流を使用してエンタングルされた光子対を生成するためのものである。適切な量子ドットにおいて中性双励起子が基底状態に崩壊する場合、エンタングルされた光子対が生成される。分裂が小さい場合、XへのXXの崩壊から始まってその後にX自体の崩壊があるこのカスケード崩壊は、エンタングルされた光子対を生成する。低いバイアス領域でのX励起子へのXX励起子の変化或いは高いバイアス領域でのX励起子へのX励起子の変化は、エンタングルメントを無効化するだろう。
【0042】
発明者は、量子ドット内に形成された双励起子が中性の励起子に崩壊する場合に、この中性励起子が、崩壊する前に量子ドットへの電子トンネリングによって負帯電になることがあることに気付いた。さらに、双励起子は、量子ドットからの電子のトンネリングによって正の励起子に変化することがある。これらのプロセスは両方とも、双励起子崩壊によるエンタングルされた光子対の生成を妨げる。従って、量子ドットへの若しくは量子ドットからの電子又はホールのトンネリングを制限することによって、双励起子又は励起子の中性電荷状態をより長い期間保つことができる。特に、励起子の崩壊中に存在する電場での電荷トンネリングの速度(rate)は、ドットにおける励起子状態の寿命より小さく、そのため、放射サイクル中の励起子の帯電があまり生じないようになる。
【0043】
図4(a)及び4(b)は、本発明の一実施形態に従う光子源のフォトルミネセンス及びエレクトロルミネセンスをそれぞれ示す。
【0044】
図4(a)及び4(b)に示される結果を生じるのに使用されたデバイスは、光子源のドープ領域と量子ドットとの間でのトンネリングを低減している。これは、量子ドットを囲む真性的にドープされた(intrinsically doped)GaAs障壁の厚さを増大することにより達成された。キャビティの厚さは、より厚い層を組み込むために増大され、1ラムダから2ラムダに変更された(ここで、ラムダは1つの動作波長に対応する光学距離である。)。
【0045】
測定されたバイアスの範囲では、この場合にも、3つの領域が図4(a)のPLスペクトルにおいて見られる。図3(a)と同じような方法で、中性X及びXX放射は、第2領域のバイアス(>1.55V)で始まる。より低いバイアスでは、障壁中を通る電荷の脱出は、正帯電放射に有利に働く。しかしながら、第3の領域(>1.7V)では、X放射が見て取れるようになるが、それは、図1から3の1ラムダキャビティデバイスと比較して弱い。決定的に、図4(b)に示されるELスペクトルでは、放射は、エンタングルされた光子対を生成するために必要とされるような主に中性X及びXX状態からのものである。
【0046】
ELの振る舞いは、以下のように説明される。価電子及び伝導帯の両方のポテンシャル形状は、nドープ領域からpドープ領域への電子の注入及び逆方向へのホールの注入を可能にするように、ほぼ平坦(平坦バンド状態)である。量子ドットの電子及びホールのエネルギー準位は、周囲のGaAs障壁のものより下にあり、2つの電子及びホールは、XX状態を作るために、注入された電流からリラックスする(relax)。XX状態は、崩壊してXX光子を放射し、中性X状態を後に残す。障壁が比較的厚いので、ドットをXに再帯電するためのnコンタクトからの電子に関するトンネル時間は、X状態が再結合してX光子を放射するのに要する時間より長い。
【0047】
同様の効果を達成することができる他の障壁設計があり、いくつかの可能な障壁設計について図5を参照して説明する。不要な反復を回避するために、同様の参照数字が同様の特徴を示すために使用される。
【0048】
図5(a)は、中性帯電X及びXX放射を作る手段として第1の障壁設計を示す。このバージョンでは、障壁を形成する全部の真性領域5は、光学的厚さが約2ラムダに拡大されており、図4(a)及び4(b)に示される結果を得るために使用された。実際には、その最初及び最後の部分がドープされ得る厚さ2ラムダのキャビティ内に真性領域が組み込まれることができるように、真性領域の総厚さは、2ラムダよりわずかに小さくてもよい。真性領域5は、ドット7とn型領域3との間に設けられる第1の障壁21、及びドット7とp型領域9との間に形成される第2の障壁23に分割される。より厚いi−GaAs障壁21及び23は、トンネル速度を劇的に低下し、その結果、X状態の放射減衰時間(radiative decay time)は、n領域3からドット7への他の電子のトンネル時間より短い。
【0049】
図5(b)は、中性帯電X及びXX放射を作る手段として他の障壁設計を示す。電子トンネリングが支配的な帯電メカニズムであるので、この例では、第1の障壁21だけが図1及び2の参照事例と比較して拡大されている。第2の障壁23は、図1及び2に示されるものと同じサイズである。
【0050】
図5(c)は、中性帯電X及びXX放射を作る手段として第3の障壁設計を示す。この例では、n側の障壁21は、厚さが2分の1ラムダ(lambda/2)であるが、その有効高さは、図示されるように、i−AlGaAs領域を含めることにより増大される。増大された障壁は、n領域からドットへの電子のトンネル確率を低減するだろう。さらに、図1及び2の参照事例と比較した場合、障壁はまた、同じ印加バイアスに関する電流フローを低減するだろう。ドットへのキャリアの効率的な注入は、より高いバイアスによって、或いは、より高いバイアスで供給される電流の短パルスによって増加されることができる。
【0051】
図5(d)は、中性帯電X及びXX放射を作る手段として第4の修正障壁設計を示す。それは、図5(c)のものと類似しているが、量子ドットのp側の障壁にAlGaAs領域をさらに含む。ホールのより大きな有効質量によってホールトンネリングが電子トンネリングに比べてすでに抑制されているので、このAlGaAs障壁の高さ及び幅は、n側のAlGaAs領域ほど大きい必要はない。AlGaAs障壁の高さは、ガリウムの割合と比較したアルミニウムの割合を増大するようにして、増大されることができる。
【0052】
図6は、図5(a)の概略設計に関する光子源からの実験結果を示す。使用された実際のデバイスは、図11を参照して説明される。
【0053】
サンプルは、連続流Heクライオスタットで〜6Kに冷却され、放射は、顕微鏡対物レンズを使用して集められた。放射は、XX及びX放射に対応する光をそれぞれフィルタする2つのスペクトロメータの間でビームスプリッタを使用して分割された。偏光ビームスプリッタは、X放射を垂直に偏光された成分及び水平に偏光された成分に分割し、これらは、シリコンアバランシェフォトダイオード(APD)を使用して検出された。垂直に向けられた直線偏光子は、XX放射をフィルタし、それは、第3のAPDによって検出された。偏光組み合わせ(polarisation combination)の各々におけるXX光子の検出と光子の検出との間の時間は、時間波高変換器と計数電子機器(counting electronics)を使用して測定された。
【0054】
サンプルは、4mAにセットされた電流源を使用してdcモードで駆動された。二次相関g(2)は、偏光基底直線、対角、及び円の各々において、同じ偏光及び逆の偏光の光子対に関して、XX及びX光子間の時間遅延τの関数として測定された。直線及び対角偏光は、対物レンズの後に直接に挿入される2分の1波長板の角度を0°及び22.5°にそれぞれ設定することによって選択され、円基底は、2分の1波長板を、45°に向けた4分の1波長板と取り換えることによって選択された。dc相関測定の結果は、図6に示される。
【0055】
図6(a)、6(b)及び6(c)はそれぞれ、直線、対角、及び円偏光基底において、光子間の時間遅延の関数として二次相互相関g(2)を示す。全ての曲線は、τ=0に近い負の遅延において下落(dip)を示し、それは、XX光子の直前にX光子を検出する確率の抑制を示す。これは、X放射後には量子ドットが常に空になり、XX光子を放射するために2つの電子及び2つのホールを捕捉しなければならなく、それにはある程度の時間かかるためと予期される。τ=0に近い正の遅延においては、強いピークは、同じ直線及び対角偏光の光子に関して、並びに、逆の円偏光の光子に関して見られる。これは、エンタングルされた光子対の放射では、XX光子検出直後に量子ドットがX光子放射及び検出の高い確率をもたらすX状態になるためと予期される。さらに、2つの光子の偏光状態が下記の状態にエンタングルされるので、この光子の偏光は、最初のXX光子の測定に依存する。
【数1】

【0056】
ここで、V、H、D、A、L及びRは、下付き文字によって示されるXX及びX光子の垂直、水平、対角、反対角、左周り円、右周り円偏光を表わす。
【0057】
ダイオードによって放射された光がエンタングルされていることを証明するために、最大にエンタングルされたベル状態Ψに対する検出された状態の忠実度fは、次式を使用して測定される。
【数2】

【0058】
上記の式における各相関測定を識別する下付き文字は、第1及び第2の光子の偏光を表す。この式は、実験的に観察されるように、非偏光の放射に関して妥当である。
【0059】
忠実度fは、X及びXX光子の間の時間遅延τの関数として図6(d)にプロットされている。τが0から離れたところでは、fは〜0.25であり、これは無相関の光に関して予測される値である。これは、XX及びXが同じ崩壊サイクル中に放射されないためと予期される。しかしながら、τが0に近いところでは、強いピークが観察され、同時(又は同じような時間)に放射された光子対がエンタングルされたことを示す。ピークは、放射がエンタングルされていることを証明する0.5の値を超える。これらの測定は、0.71±0.02までの測定された忠実度fを備えた完全に機能的なエンタングル発光ダイオード(ELED:entangled light emitting diode)の最初の実証である。
【0060】
光子源はまた、量子鍵配送のような用途で望ましいパルスモードでも動作する。そのような測定の結果は、他の(類似した)デバイスに関して図7に示される。dcバイアスは、供給されて、ac駆動信号を用いるバイアスティと結合される。直流電圧は、1.8Vであり、ac電圧は、幅500ps及び周期12.5nsの公称3.3V振幅の矩形波である。50オームのインピーダンス整合回路は、ダイオードと並列に接続された。
【0061】
図7は、ac電気的励起を用いることを除いて、図6を参照して説明したように記録された相関測定を示す。図7(a)、7(b)及び7(c)はそれぞれ、直線、対角及び円偏光基底に関する結果を示す。偏光相関の程度は、期間(periods)中の光子間の遅延の関数としてプロットされる。dcの事例と一致して、図7(a)、7(b)及び7(c)は、同じ崩壊サイクル中に放射された光子対が通常は直線及び対角基底では同じ偏光を有し、円基底では逆の偏光を有することを示す。これは、エンタングルされた光子対の放射に関して予期される通りである。
【0062】
図7(d)は、上述したdc事例と同様に、期間中の遅延の関数としてプロットされた忠実度を示す。同じサイクル中に放射された光子対に関する忠実度は0.71であり、これもまたエンタングルメントを証明するための要求を超える。
【0063】
全ての量子ドットが、中性励起子の崩壊が後続する中性双励起子のカスケード崩壊からでさえも、エンタングルされた光子の適切な対を生成するとは限らない。
【0064】
量子ドットによって放射された光子対は、典型的に、重ね合わせ状態の|HH>成分と|VV>成分との間の位相が第1の光子(XX)の検出と第2の光子(X)の検出との間の時間遅延に応じて発展する時間発展状態にエンタングルされる。位相発展は、図8(a)にエネルギーSだけ離れて概略的に示されるように、非縮退の光学活性励起子レベルの異なるエネルギーに起因して起こる。分裂は、形状、組成及び歪(strain)のような物理的非対称によって引き起こされる励起子波動関数の面内非対称に起因して生じる。
【0065】
時間発展するエンタングルされた状態は、個々の光子の偏光と同様に、光子対の間の時間をさらに測定するシステムにおいて使用されることができる。しかしながら、時間にわたって平均すると、光子の偏光は、放射のエネルギーによって決定されることができ、それは、図8(a)に示されるような励起子レベルの分裂に起因して偏光依存である。
【0066】
従って、光子源が光学活性励起子レベルのほぼゼロの偏光依存分裂を有する量子ドットを含むほうが好ましい。この場合は、図8(b)に概略的に示される。分裂は小さいほどよく、放射の均質線幅以下である分裂が好ましい。ここで説明される量子ドットでは、励起子状態の放射寿命が〜1nsであるので、この最大の好ましい分裂は、〜1μeVのオーダーである。
【0067】
〜1.4eVのエネルギーを備えた量子ドットが小さな分裂を有することが知られている。図9(a)は、量子ドットの光子エネルギーに対する量子ドットの分裂を示す。〜1.4eVのエネルギーを備えた量子ドットの形成を支持するために、量子ドットが形成される条件を制御することは可能である。そのような成長技術は周知である。
【0068】
分裂を制御する第2の例は、図9(b)に示され、それは、周囲のGaAs材料にドットを部分的に溶かすためにアニーリングを使用して有効なサイズを縮小し、それにより、放射エネルギーを増大して分裂をほぼゼロに低下する。各曲線上の左から右までの各点は、急速熱アニール装置(annealer)における675℃での追加の5分による同じドットのアニーリングを表わす。代替のアプローチは、集中されたレーザ光線でデバイスを熱することである。
【0069】
第3の例は、図9(c)に示され、それは、光学活性及び不活性な状態を部分的に混合するために面内磁場を使用する。1.4eVを超える放射をするようないくつかの量子ドットにおいては、混合は、より低いエネルギーの光学活性な励起子状態にはより強くなり、示される例では偏光分裂が〜1.8Tでゼロになっている。
【0070】
他の方向の他の場の印加も分裂に影響を与える。場のタイプは、電場、磁場、及び歪場を含み、方向は、成長方向に対して垂直に、平行に、又は他の方向に向けられることができる。
【0071】
図10は、本発明の一実施形態に従う光子源の概略図である。光子源の層状構造は、図5を参照して前述したもののいずれかであり得る。光子源は、n型領域31と、量子ドット35を含む真性領域33と、n型領域31に対して真性領域33の反対側に設けられるp型領域37と、を備える。
【0072】
真性領域33は、トンネリングを抑える障壁構造を含む。構造は、図5を参照して説明したデバイスのいずれかであり得る。
【0073】
放射アパーチャ41を規定するマスク39がp型領域に重なって接している。放射アパーチャ41は、放射をファイバ43に導く。ファイバ43は、放射された光子を分配部45に導く。分配部45は、エンタングルされた光子対の各々を2つの出力チャネルに再現性良く(reproducibly)分配するように構成される。
【0074】
一実施形態では、分配部は、それらのエネルギーに基づいてエンタングルされた対の2つの光子を分離して、出力47及び49を通じてそれらを出力するように構成される。この種の配置は、量子通信システムに利用される。エンタングルされた光子に基づく量子通信システムでは、通信したい2つのパーティーはそれぞれ、エンタングルされた光子対から光子を受け取る。図10のシステムは、エンタングルされた対を生成し、一方のパーティーに導く1つの光子及び他方のパーティーに導くもう1つの光子を出力するために使用されることができる。
【0075】
さらなる実施形態では、分配部は、エンタングルされた光子対の波動関数を分割する編子ビームスプリッタである。偏光ビームスプリッタは、量子イメージング又はデータの記録/読取で用いる光子を経路エンタングルする(path entangle)ために使用されることができる。
【0076】
またさらなる実施形態では、2つの検出器51及び53は、XX崩壊から発生する光子及びX崩壊から発生する光子を独立して検出するために設けられる。
【0077】
或いは、単一光子の到着と光子対の到着を識別するほど高い光子計数分解能(photon counting resolution)を備える単一の検出器が設けられてもよい。そのような検出器は、エンタングルされた光子対の到着と単一光子の到着を識別するために、イメージング及び読取システムにおいて使用されることができる。
【0078】
またさらなる実施形態では、検出器51及び53は、エンタングルされた対の各光子の偏光を測定するように構成された偏光測定部である。
【0079】
図11は、本発明の一実施形態に従う光子源の詳細な層状構造である。デバイスは、MBEによって成長され、次の層状構造を有する。まず、下部分布ブラッグ反射器(DBR:distributed Bragg reflector)505は、i−GaAs基板501上に成長される500nmのi−GaAsバッファ503上に成長された。下部DBRは、Al0.98Ga0.02As509が後続するGaAs507の4分の1ラムダ(lambda/4)の層の14の繰り返しからなる。上端の2つの繰り返し511、513は、1.75×1018の密度にSiでn型にドープされた。
【0080】
次に、キャビティ領域515は、次のように、2ラムダの合計の光学的厚さに形成された。この例では、ラムダは、〜885nmの量子ドット放射の波長に対応し、それは、高屈折率によってGaAsにおいて低減される。まず、1.75×1018の密度にSiでドープされた50nmの厚いn−GaAs層517が形成され、より低い障壁を形成する(ラムダ−50nm)のi−GaAsが後続する。温度は、130℃まで落とされ、ドット層519は、自己組織化してオーダー〜1μmの量子ドット密度を与えるInAsの〜1.6MLの成長によって形成された。温度が115°Cまで増大される前に、10nmのi−GaAsがドットを覆った。(ラムダ−10nm−50nm)のi−GaAs521は、真性領域及び上部障壁を完成し、キャビティ領域を完成する1018にCでドープされた50nmのp−GaAsが後続する。
【0081】
最後に、上部ミラー523は、p−GaAs527が後続する4分の1ラムダ(lambda/4)のp−Al0.98Ga0.02AS525の2つの繰り返しの成長によって形成された。pドーピングは、5.6×1019にCでドープされたp+である最後の3nmを除いて、1018の密度にCによって提供された。
【0082】
デバイスは、少数の量子ドットから放射を分離する手段を提供し、且つ、量子ドットにキャリアを電気的に注入する手段を提供するように処理された。完成したデバイスは、図11(正確な縮尺ではない)に概略的に示される。処理は、ウエハーから得られた〜5x5mmのチップ上で行なわれた。
【0083】
まず、直径〜2μmの100のアパーチャ530のアレイを含むアルミニウム層529は、標準のフォトリソグラフィを使用して形成された。
【0084】
次に、nコンタクトウィンドウ531は、標準のフォトリソグラフィと、硫酸、過酸化水素及び水の1:8:80混合物を使用する酸エッチング(acid etch)と、を再び使用して形成された。ウィンドウのエッチング深さは、nドープ領域より10−15nm上で終わるようにする。nコンタクトは、標準のフォトリソグラフィを使用してnコンタクトウィンドウに80nmの金・ゲルマニウム・ニッケル533を堆積させる(deposit)ことにより形成された。コンタクトは、アニールされ、オーム接触は、コンタクトからnドープ領域まで下方に延びる。最後に、80nmのAu535が後続する20nmのチタンは、結合面(bonding surface)を形成するためにnコンタクト上に蒸着された。
【0085】
pコンタクト537は、標準のフォトリソグラフィを使用して、80nmの金が後続する20nmのチタンの蒸着によって形成された。
【0086】
分離エッチング539は、下部i−GaAs障壁で止まるように、p領域及びドット層を通じて下にエッチングすることによって、360x360μmのメサを規定する。これは、上述したように、標準のフォトリソグラフィ及び酸エッチングによって達成された。
【0087】
最後に、デバイスは、外部電気的コンタクトを提供するためにパッケージ化され(packaged)、金のボンドワイヤは、パッケージコンタクトをチップコンタクトに接続した。
【0088】
図11の構造では、上方向に放射密度を増大させる不均衡のマイクロキャビティを形成するために、InAs量子ドット層は、2λのキャビティの中央であって、下部分布ブラッグ反射器(DBR)が下にあり、より短いDBRが上にあるところにある。単一量子ドット(QD)からの放射は、金属マスク中のアパーチャによって分離される。上部DBRは、キャビティの上部とともにp型にドープされ、下部DBRの上端は、p−i−n接合を形成するためにキャビティの下部とともにn型にドープされる。電気的コンタクトは、QDを組み込む非ドープ真性領域にバイアスVを印加することを可能にする。
【0089】
デバイスによって放射された光子の収集効率を向上させるために、光マイクロキャビティ(optical microcavity)内にLEDデバイスの活性領域を組み込むことは好ましい。
【0090】
図11を参照して説明される構造は、幅mλ/2nのキャビティ領域によって形成される平面のマイクロキャビティである光マイクロキャビティを有する。ここで、ラムダは、放射された光子の波長と同様であり、nは、キャビティ材料の屈折率であり、mは、整数である。キャビティ領域は、厚さλ/4nを備えた高い及び低い屈折率の材料の層が交互に並ぶ複数の繰り返しにより形成された2つの分布ブラッグ反射器(DBR)間に入れられる。
【0091】
図12の構造は、フォトニック結晶ナノキャビティを有する。フォトニック結晶ナノキャビティは、低屈折率材料を含むホールの周期的配列によって穿孔されていて、放射光の波長に匹敵する厚さを備えて、高屈折率導波路領域を含む。周期性は、放射光の波長に匹敵する長さスケールである。ホールの配列は、ナノキャビティ領域を含み、それは、周期格子に関して異なるサイズ又は変位(displacement)のない1以上のホールの欠陥である。
【0092】
層状構造は、MBEによって成長され、500nmのn−GaAsバッファ603が後続するn型GaAs基板601を(下から上へ)含む。nAlGai1−xAs犠牲層605は、(光学的厚さに対立するものとしての)実際厚さ〜λで堆積される。導波路領域607は、次のようになる。即ち、(ラムダ−100nm)のi−GaAs611が後続する50nmのn−GaAs609から始まって、中央にInAs量子ドット層613(図3において説明したように作られる。)を備える。50nmのp−GaAs615は、導波路領域及びデバイスの成長を完成する。
【0093】
成長したウエハーは、5x5mm正方形に切られ、次のようにLEDへ加工される。まず、フォトニック結晶のパターンは、標準のeビームリソグラフィを使用して、eビームレジスト(e-beam resist)上に書かれている。フォトニック結晶のパターンは、これまでに広く理解され、光の波長〜250nmに相当する長さだけ離れた直径〜100nmのホールの典型的な三角形配列からなる。欠けている(missing)ホール、変位された(displaced)ホール、又は異なったサイズのホールは、ナノキャビティ領域を形成し、それは、この例では、単一の掛けているホールである。
【0094】
eビームレジストに書かれたパターンは、導波路と少なくとも同じ深さで犠牲層605の底部より前で止まるようにホール617をエッチングするために、標準の反応性イオンエッチング技術によって導波路に転写される。
【0095】
eビームレジストは除去され、標準のフォトリソグラフィ及び蒸着がTi−Auのpコンタクト619を堆積させるために使用される。そして、第2のフォトリソグラフィ段階は、分離エッチング(isolation etch)を設けるために使用され、それは、少なくともp−GaAs層615を貫いて延びるべきであり、図示される例では犠牲層の底部まで延びている。
【0096】
そして、犠牲層は、GaAsと比較して強くAlGaAsをエッチングする選択的エッチング(selective etch)を使用して、導波路の下で除去される。そして、デバイスは、伝導キャリア621上にパッケージ化され、結合は、パッケージコンタクトとダイオードのpコンタクトの間でなされる。
【0097】
エンタングル光源は、ここで説明される設計ルールを適用して、任意の半導体システムを使用して作られることができる。適している半導体は、AlAs、GaAs、InAs、InP、GaN、AlN、及びその合金を含む。
【0098】
小さな偏光分裂及び/又は最適なドット密度を達成するための最適な波長は、各材料系において異なるだろうし、そのため、キャビティは、ここに提示された例がそれに応じて調整されなければならないように、設計される。障壁厚さ及び高さは、コンタクトからのチャージのトンネル時間が励起子状態の放射寿命を超えるように、増大されるできである。
【0099】
これより、図13を参照して一実施形態に従う動作モードを説明する。
【0100】
図13(a)は、p及びnコンタクト間に印加されるフォワードバイアスが約1.5Vのビルトイン電圧と等しい図5(a)のものと同じようなデバイスを示す。これらの条件下では、伝導帯及び価電子帯の形状(profile)は、ほぼ平坦であり、電子及びホールは、図示されるように、真性領域を通って注入される。キャリアのうちのいくつかは、中性帯電XX状態を形成するために、ドットにリラックスする。「注入」電圧は、XX光子放射の後に双励起子状態の再励起を回避するために、XX放射減衰時間と比較して短い時間の間、印加されるべきである。従って、時間は、典型的には、500ps以下であるだろう。
【0101】
次に、バイアスは、図13(b)に示されるような「再結合」電圧に低下される。このバイアスは、中性帯電レジームに対応し、中性帯電レジームでは、量子ドットのe準位がn領域のフェルミ準位と同程度又はそれより高いことから、ドットからの電子トンネリングが(電場があまり強くないときに)弱く、n領域からの電子のトンネル時間が放射寿命と比較して長い。図5に示される量子ドットデバイスにおいては、適切な再結合電圧は、〜1.45Vになるだろう。第1の電子及び第1のホールの再結合は、図示されるように、単一XX光子を放射し、X状態を作る。
【0102】
図13(c)は、バイアスが「再結合」電圧のままであって、デバイスにおけるX状態を示す。バイアスが中性X放射を最適化するように選択されると、電子及びホールは、さらなる電子の捕捉又は脱出の前に放射的に再結合する。これは、2つの光子が、エンタングルされた光子対を作るために中性帯電XX及びX励起子によって「再結合」電圧で放射されることを意味する。
【0103】
図13(d)は、再結合電圧でX状態の崩壊の後の空の量子ドットを示す。ドットのこれ以上の充電(charging)は、(a)に示されるようなデバイスへの「注入」電圧を回復させるための電圧パルスから始まる次の放射サイクルまで起こらない。
【0104】
図14(a)は、本発明の一実施形態に従って、本発明の実施形態に従うエンタングル光子源を使用する光学読取システムの概略図である。源101は、最初に、偏光エンタングルされた光子を出力し、これらは、その後、同じ偏光を持つ経路エンタングルされた光子に変換される。
【0105】
偏光エンタングルされた光子は、図14bに示されるものと同じようなシステムを使用して、経路エンタングルされた光子に変換されることができる。光子源は、重ね合わせ状態へ同一の直線偏光(水平[H]又は垂直[V]のいずれか)を備える偏光エンタングルされた光子の対を生成し、この偏光は、光子のうちの1つが測定されるまで不確定である。
【0106】
図14bでは、偏光エンタングルされた光子の源161は、偏光ビームスプリッタ163に光子対を放射する。両方の光子は、1又は2のいずれかの同じポートを出る。従って、最終状態は、ポート1を出て第1の経路に行く2つの光子若しくはポート2を出て第2の経路に行く2つの光子の重ね合わせである。2分の1波長板165は、ポート2を出る光子の偏光を回転させ、それは、全ての光子が同じ直線偏光になるので干渉を可能にすることができる。
【0107】
図14bに戻ると、光子が経路エンタングルされると、フィルタ103は、エンタングルされた光子のもの以外の全ての周波数を除去する。
【0108】
次に、経路エンタングルされた光子は、偏光ビームスプリッタ105に入射し、これは、エンタングルされた光子をレンズ107に渡す。次に、レンズ107は、経路エンタングルされた光子をデータ保存媒体109に集中させる。光子は、反射されてレンズ107に戻り、偏光ビームスプリッタ105に向かう。データ保存媒体109からの反射によって、反射された光子の偏光が変わり、その結果、光子は、今度はビームスプリッタ105によって反射されてレンズ111に向かい、最終的に光子検出器113に行く。偏光ビームスプリッタ105は、無偏光ビームスプリッタに置き換えられてもよい。システムは、同じように機能するが、今度はビームスプリッタにおいて非決定性の伝達及び反射を使用する。
【0109】
データ保存媒体は、記録媒体上にデータを符号化するために使用されるピット(pits)及びランド(lands)で作られているパターンを有する。例えば、ピットは、ビット「0」を符号化するために使用され、ピットのない領域(non-pitted areas)又は「ランド」は、ビット「1」を示すために使用される。この実施形態では、データ保存媒体は、ディスクである。しかしながら、光学記憶装置のための他のフォーマットが使用されてもよい。
【0110】
データ保存媒体109は、ピットがあまり反射しない物質へ貫通するように構成されることができ、それにより、ピットからの反射された信号は、ランドから反射された信号より非常に低い。従って、光子対がランドによって反射される確率は、光子対がピットによって反射される確率より非常に高い。従って、検出器113で光子対の数をモニタすることによって、ピットとランドを若しくはビット0とビット1を識別することが可能である。
【0111】
光子検出器は、受け取った光子の数を識別することができる多光子検出器(multiphoton detector)である。源がエンタングルされた光子対を出力する場合、光子検出器は、1つの光子と2つの光子を識別することができる。従って、それは、はぐれた光子(stray photon)を検出したのか、記録媒体からの反射により発生した光子対を検出したのかを判別することができる。
【0112】
一般に、エンタングルされた光子対(及びより一般には、多光子)の特性が2倍(或いはより一般には、多数倍)のエネルギーを持つ単一光子と部分的に等価であるので、そのようなシステムの分解能は増強される。従って、800nmで動作するエンタングル光子源は、400nmの有効波長の2光子干渉を生成することができる。例えば、そのような増強は、標準のDVDからより高い容量のHD DVDにレーザの変更によって達成されたものと同様である。或いは、400nmで動作するエンタングルされた対の源(entangled pair source)は、200nmの有効波長の干渉を生成することができ、光学のデータ記憶容量の増大を可能にする。そのようなシステムは、GB 2451803により詳細に説明されている。
【0113】
エンタングル光子源はまた、図15に概略的に示されるタイプの量子通信システムにおいて使用される。ここで、上述されたタイプの源であるエンタングル光子源201は、エンタングルされた光子対を生成する。その後、光子は、分離部203へ渡される。分離部は、光子対を分離し、1つの光子を第1のレシーバ205に導き、第2の光子を第2のレシーバ207に導く。各測定結果は乱雑(random)であるが、第1のレシーバで受け取られた光子の測定を実行することは、第2のレシーバ207で受け取られた光子の状態に影響し、逆もまた同様である。従って、古典的通信チャンネルと併せて、第1のレシーバ205及び第2のレシーバ207が図15のシステムを使用して安全に通信することは可能である。
【0114】
量子通信システムでは、長距離にわたって情報を通信することに対する挑戦がある。この問題に取り組むために、量子リピータ(quantum repeater)の使用が提案されている。図16は、送信器(アリス)311から受信器(ボブ)317にメッセージを送信するために、本発明の一実施形態に従うエンタングル光子源を使用する量子リピータを示す。
【0115】
この例では、量子リピータ動作は、2光子ゲート315、エンタングル光子源313、及び古典的チャネル318を必要とする。
【0116】
送信器アリス311は、単一光子源を有する。本発明の一実施形態に従うエンタングル光子源313である第2の光子源は、エンタングルされた光子対を生成する。2光子ゲート215へ送られたエンタングル光子源313からの光子のうちの1つは、アリス311によって放射された光子と同一である必要がある。313によって生成されたエンタングルされた対の他の光子は、ボブ317へ送られる。その後、同一の光子は、それらを比較する測定を行なう2光子ゲート315へ渡される。この測定の結果に基づいて、古典的情報は、チャネル318を経由して伝送されることができる。ボブは、この情報を使用して、彼へ送られたエンタングル光子源からの光子で変換
【数3】

【0117】
を実行し、それにより、その量子状態をアリスによって生成された最初の光子と同じものに変換する。このように、ボブ317に到達した光子は、アリスによって送られた量子情報を含み、この情報は、アリスが光子を直接に送信することが可能であるよりも長い距離にわたって伝送される。
【0118】
特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、ほんの一例として示したものであり、本発明の範囲を制限するように意図するものではない。実際は、本明細書で説明される新規の源及び方法は、様々な他の形態で具体化されることができ、さらに、本明細書で説明される源及び方法の形態における様々な省略、置換及び変更は、本発明の精神から逸脱せずになされることができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本発明の範囲及び精神に含まれるように、そのような形態又は変更を網羅するように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子ドットと、前記量子ドットに電場を印加するように構成される電気的コンタクトと、前記コンタクトに結合される電源であって、双励起子又はより高次の励起子を形成するためにキャリアが前記量子ドットに供給されるように、ポテンシャルを印加するように構成される電源と、を具備する光子源であって、前記光子源は、量子ドット内の励起子の放射寿命より大きくなるように、キャリアが前記量子ドットへ若しくは前記量子ドットからトンネルする時間を増大するように構成される障壁をさらに具備し、前記量子ドットは、双励起子又はより高次の励起子の崩壊中にエンタングルされた光子の放射に適している、光子源。
【請求項2】
前記障壁は、前記量子ドットと前記電気的コンタクトとの間の層として設けられ、前記層の厚さは、少なくとも150nmである、請求項1に記載の光子源。
【請求項3】
エンタングルされた光子対の各々を2つの出力チャネルに再現性良く分配するように構成される分配部をさらに具備する請求項1に記載の光子源。
【請求項4】
前記分配部は、源から放射されるそれらのエネルギー又は時間に基づいて前記光子を分離するように構成される請求項3に記載の光子源。
【請求項5】
前記分配部は、エンタングルされた光子対の波動関数を分割するように構成される請求項3に記載の光子源。
【請求項6】
前記分配部は、偏光ビームスプリッタを備える請求項5に記載の光子源。
【請求項7】
前記分配部は、経路エンタングルメント又は位相エンタングルメントから選択されるさらなる特性に関して、前記エンタングルされた光子をエンタングルするように構成される請求項3乃至6のいずれか一項に記載の光子源。
【請求項8】
前記エンタングルされた対の各光子を独立して検出するように構成される第1及び第2の検出器をさらに具備する請求項1に記載の光子源。
【請求項9】
単一光子の到着と光子対の到着を識別するように構成される検出器をさらに具備する請求項1に記載の光子源。
【請求項10】
光キャビティをさらに具備する任意の先行する請求項に記載の光子源。
【請求項11】
前記光キャビティは、平面キャビティ又はフォトニック結晶キャビティから選択される請求項10に記載の光子源。
【請求項12】
前記量子ドット内の異なる偏光の光学活性励起子レベル間のエネルギー差は、前記量子ドットからの放射の均質線幅以下である任意の先行する請求項に記載の光子源。
【請求項13】
前記量子ドット内の異なる偏光の光学活性励起子レベル間のエネルギー差は、2μeV以下である任意の先行する請求項に記載の光子源。
【請求項14】
前記量子ドットは、前記量子ドットの励起子エネルギー準位における非縮退を低減するように作用する場を受け、前記場は、電場、磁場又は歪場から選択される請求項1に記載の光子源。
【請求項15】
前記電源は、前記量子ドットへのキャリアの注入を可能にするように構成される第1の電圧と前記キャリアの注入が止められる第2の電圧との2つの電圧を切り替えるように構成される任意の先行する請求項に記載の光子源。
【請求項16】
前記第2の電圧は、前記コンタクトから前記量子ドットへのキャリアのトンネリングを最小化するように設定される請求項15に記載の光子源。
【請求項17】
光子源を動作する方法であって、
前記光子源は、量子ドットと、前記量子ドットに電場を印加するように構成される電気的コンタクトと、前記コンタクトに結合される電源であって、双励起子又はより高次の励起子を形成するためにキャリアが前記量子ドットに供給されるように、ポテンシャルを印加するように構成される電源と、を備え、前記光子源は、量子ドット内の励起子の放射寿命より大きくなるように、キャリアが前記量子ドットへ並びに前記量子ドットからトンネルする時間を増大するように構成される障壁をさらに備え、前記量子ドットは、双励起子又はより高次の励起子の崩壊中にエンタングルされた光子の放射に適しており、
前記方法は、
前記量子ドットへのキャリアの注入を可能にするように構成される第1の電圧と前記キャリアの注入が止められて前記量子ドットへの並びに前記量子ドットからのキャリアのトンネリングが最小化される第2の電圧との2つの電圧で前記電源を切り替えること、
を具備する方法。
【請求項18】
光子源を製造する方法であって、前記方法は、
n型半導体領域を形成することと、
p型半導体領域を形成することと、
前記n及びp型半導体領域間の半導体構造内に量子ドットを形成することと、
前記n型領域と前記量子ドットとの間に障壁を形成することと、前記障壁は、前記量子ドット内に形成される励起子の放射寿命より大きくなるように、電子が前記量子ドットへ若しくは前記量子ドットからトンネルするのに要する時間を増大するように構成される、
を具備し、
前記量子ドットは、双励起子又はより高次の励起子の崩壊中のエンタングルされた光子の放射に適するように構成され、前記方法は、前記n及びp型半導体領域に電気的コンタクトを提供することを具備する方法。
【請求項19】
前記量子ドットを構成することは、縮退した励起子エネルギー準位をドットに提供するために、前記量子ドットの成長パラメータを選択することを備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記量子ドットを構成することは、縮退した励起子エネルギー準位をドットに提供するために、前記量子ドットの形成後に前記量子ドットをアニールすることを備える請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2013−510420(P2013−510420A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535926(P2012−535926)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/GB2010/002039
【国際公開番号】WO2011/055120
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】