説明

エンテロウイルスの血清型同定法

【課題】 エンテロウイルスの迅速かつ簡易な血清型同定法を提供する。
【解決手段】 エンテロウイルスのVP4全領域の塩基配列に基づいて分子系統解析を行い、エンテロウイルスの血清型を同定する。特に、試料からRNAを調製し、調製されたRNAからcDNAを得、得られたcDNAからPCRによってVP4領域の塩基配列を含む塩基配列を増幅し、増幅された産物を用いて塩基配列解析を行うことにより、前記VP4全領域の塩基配列を得ることによって、試料中のエンテロウイルスの血清型を迅速かつ簡易に同定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンテロウイルスの血清型同定法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンテロウイルスは、"intestine"を意味するギリシャ語である"enteron"にその命名が由来するように、主として腸管系細胞に感染し、小児麻痺、無菌性髄膜炎、ヘルパンギーナ、上気道炎、手足口病、下痢症、発疹症、心筋炎、肺炎や気管支炎など多彩な臨床症状を引き起こす原因ウイルスである。エンテロウイルスは酸に耐性であるため容易に胃を通過してその増殖の場である腸管部(lower intestinal tract)に到達することができる。また、肝炎の病因であったり(CAV4, CAV9)、EV70やCAV24変異株のように急性出血性結膜炎の世界的大流行を引き起こしたりすることもある。一つのウイルス属がこれほどの多くの異なった臨床症状を引き起こす例は他にない。従って、このウイルスは、ウイルス検査機関で分離されることが最も多いウイルスの一つで、国内での分離報告は毎年およそ4000〜6000件にのぼる。
【0003】
エンテロウイルスは、ピコルナウイルス科(family Picornaviridae)エンテロウイルス属(genus Enterovirus)に含まれるプラス一本鎖RNAをゲノムに持つ小形球形ウイルスである。ヒトでは、ポリオウイルス1〜3型、コクサッキーウイルスA1〜A22およびA24、コクサッキーウイルスB1〜B6、エコーウイルス1〜9、11〜27および29〜34、エンテロウイルス68〜71の68種の血清型に分類されている。コクサッキーウイルスA23はエコーウイルス9、エコーウイルス10はレオウイルスタイプ1、エコーウイルス28はヒトライノウイルス1Aであることが後に判明し、これらは現在欠番になっている。臨床症状からこれらのウイルスの血清型を推定することは困難で、分離ウイルスの同定は型特異的免疫血清を用いた中和試験によって行われている。
【0004】
エンテロウイルスは他の多くのRNAウイルス同様、ウイルスの遺伝子自体がコードするRNA依存性RNAポリメラーゼによって複製される。しかしながら、この酵素は校正(proofreading)機能を持たないためRNA合成の過程で生じた塩基変異は子孫ウイルスの遺伝子内に蓄積される。従って、アミノ酸変異を伴った塩基変異がウイルス構造蛋白質領域に生じた場合、いわゆる難中和性ウイルスが生じる可能性がある。これは、表現型(phenotype)を指標にした中和試験に常に付きまとう固有の問題点である。
【0005】
一方、エンテロウイルスの分子生物学的見地からの分類が試みられているが(非特許文献1〜4)、血清型を同定するには十分なものとは言えず、特に、P. Muirらによれば、エンテロウイルスの遺伝型の系統樹による分類は血清型を反映しないとされている。
【非特許文献1】P. Muir et al., 1998, Clin. Microbiol. Rev., 11: 202-227
【非特許文献2】R.R. Rueckert, 1996, Fields Virolgy, 3rd. ed., Lippincott-Raven Publishers, 609-654
【非特許文献3】T. Poyry et al., 1996, J. Gen. Virol., 77: 1699-1717
【非特許文献4】T. Pulli et al., 1995, Virology, 212: 30-38
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の様な問題点のないエンテロウイルスの迅速かつ簡易な血清型同定法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、日本の流行で分離が報告されているエンテロウイルスのVP4全領域の塩基配列を解析したところ、この塩基配列の分子系統解析により血清型が同定できるという知見を得、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして、本発明は、エンテロウイルスのVP4領域の塩基配列に基づいて分子系統解析を行い、エンテロウイルスの血清型を同定することを特徴とするエンテロウイルスの血清型同定法(以下、本発明同定法ともいう)を提供する。
【0009】
本発明同定法において、VP4領域の塩基配列は、試料からRNAを調製し、調製されたRNAからcDNAを得、得られたcDNAからPCRによってVP4領域の塩基配列を含む塩基配列を増幅し、増幅された産物を用いて塩基配列解析を行うことにより得ることができる。
【0010】
PCRに使用されるプライマーとしては、配列番号1に示す塩基配列を有するプライマーおよび配列番号2に示す塩基配列を有するプライマーが挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、エンテロウイルスの血清型を、エンテロウイルスの分離培養を要することなく、塩基配列の分子系統解析により決定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明同定法は、エンテロウイルスの血清型を同定するために、エンテロウイルスのVP4領域の塩基配列に基づいて分子系統解析を行うことを特徴とする。
【0013】
本明細書において、VP4領域とは、エンテロウイルスのキャプシドを形成するタンパク質の一つであるVP4タンパク質(69アミノ酸)をコードする領域(207bp)を意味する。また、VP4領域の塩基配列とは、VP4領域の全領域の塩基配列または血清型を反映するのに十分な長さ(通常、20bp以上)を有するその一部を意味する。
【0014】
VP4領域の塩基配列を得る方法は特に限定されないが、血清型の未同定のエンテロウイルスを含む試料からVP4領域の塩基配列を得る場合には、以下の方法によることが好ましい。すなわち、試料からRNAを調製し、調製されたRNAからcDNAを得、得られたcDNAからPCRによってVP4領域の塩基配列を含む塩基配列を増幅し、増幅された産物を用いて塩基配列解析を行う方法である。
【0015】
試料は、エンテロウイルスを含むかまたは含む可能性があるものであれば特に限定されないが、例としては、咽頭拭い液、髄液、水泡内容物などの臨床材料、または、これらの臨床材料より分離されたウイルス培養液などを挙げることができる。これらの試料からのRNAの調製は公知の方法により行うことができる。また、RNAからのcDNAの調製方法も公知である。PCRは、このcDNAを鋳型とし、VP4領域の塩基配列を含む塩基配列を増幅できるように選択されたオリゴヌクレオチドをプライマーとして、公知のPCRの方法に従って行うことができる。また、RNAから逆転写(RT)-PCRにより同一反応系でcDNAの取得及びDNAの増幅を行うこともできる。
【0016】
増幅産物の取得は、アガロースゲル電気泳動で分離し、ゲルから切り出して抽出精製するなどの公知の方法で行うことができる。通常には、エンテロウイルスの既知の塩基配列と、用いたプライマーの塩基配列とから予測できる長さの増幅産物を取得する。
【0017】
VP4領域の全領域を含む塩基配列を増幅できるように選択されたオリゴヌクレオチドの例としては、配列番号1に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号2に
示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0018】
PCRによる増幅は2段階で行ってもよく、例えば、配列番号1に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて第1回目のPCRを行った後、配列番号1に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号3に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて第2回目のPCRを行ってもよい。2段階の増幅を行うことによって、一層特異的に目的の塩基配列を増幅することが可能になる。
【0019】
増幅産物の塩基配列の決定は公知の方法によって行うことができる。決定された塩基配列の内、VP4領域の塩基配列を系統解析に用いる。
本発明同定法において、VP4領域の塩基配列に基づく系統解析は、公知の系統解析法によって行うことができる。このような方法としては、Higgins法、ならびに、2−パラメーター法を用いたUPGMA法およびN-J法などが挙げられ、また、これらの方法により系統解析を行うためのソフトウェアが市販されている(DNASIS(日立ソフトウェアエンジニアリング)、SINCA(富士通)など)。
【0020】
血清型は、系統解析においてそれぞれの血清型の標準株と一定値以上のホモロジーを示す、または、一定値以上の確率で他の血清型のクラスターと区別されるか否かによって決定できる。一定値とは、系統解析により得られた系統樹において各血清型に属する株がそれぞれ単一のクラスターを形成するような値であればよい。
【0021】
より具体的には、ホモロジーで80%以上、ブーツストラップ法で他のクラスターから区別される確率が90%以上という値があげられる。例えば、エンテロウイルス標準株44血清型(60株)の系統解析によると、血清型は84%のホモロジーで区別され、分離株を加えたブーツストラップでは、100%の確率で他の血清型と区別された。
【実施例】
【0022】
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、下記実施例は本発明について具体的な認識を得る一助としてのみ挙げたものであり、これによって本発明の範囲が何ら限定されるものではない。
【0023】
[実施例1] エンテロウイルスVP4全領域の塩基配列解析
日本の流行で分離が報告されているエンテロウイルスのVP4全領域の塩基配列解析をするために、ウイルスとして、以下の標準株、すなわち、コクサッキーA群ウイルス(CAV)として、CAV2、CAV3、CAV4、CAV5、CAV6、CAV7、CAV8およびCAV10の8株、コクサッキーB群ウイルス(CBV)として、CBV2およびCBV6の2株、ならびに、エコーウイルス(ECV)として、ECV1、ECV2、ECV3、ECV4、ECV5、ECV7、ECV13、ECV14、ECV17、ECV18、ECV19、ECV20、ECV24、ECV25およびECV30の16株、総計26の血清型株を用いた。
【0024】
臨床検体として、咽頭拭い液、髄液、水泡内容物、および、これらの臨床材料より分離されたウイルス培養液を用いた。咽頭拭い液および水泡内容物はそれぞれ1.5mlのTE溶液(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA (pH 8.0))に懸濁し、−80℃で保存して用いた。
【0025】
それぞれの検体100μlからスマイテストRキット(住友金属工業)を用いて、RNAを抽出し、乾固後のRNAに、8μlのRNaseフリーの蒸留水と、1μlのリボヌクレアーゼインヒビター(40 U/μl)(Promega)と、1μlの50μM下流プライマー(OL68-1、5'GGTAA(C/T)TTCCACCACCA(A/G/C/T)CC3'、20mer(配列番号1))とを加え溶解させた。100℃で1分間加熱後、氷中にて急冷した。これに、10×Taq緩衝液(100 M Tris-HCl pH 8.3, 500 mM KCl, 15 mM MgCl2, 0.01%(w/v) gelatin)2μl、10 mM dNTPs2μl
、M−MLV由来の逆転写酵素(200 U/μl)(BRL)1μl、および、RNaseフリーの蒸留水4μlを加え、37℃、60分間の反応条件でcDNAを合成した。
【0026】
ウイルスのVP4全領域の塩基配列を増幅するため、エンテロウイルスに共通な配列のある5'非翻訳領域およびVP2領域に設定したプライマーを用いてPCRを行った。第1回(1st)PCRは、上記で得られた反応液5μlに、10×Taq緩衝液4.5μl、40μM上流プライマー(EVP2、5'CCTCCGGCCCCTGAATGCGGCTAAT3'、25mer(配列番号2))0.5μl、蒸留水39.75μlおよびAmpli Taq DNAポリメラーゼ(5U/μl)(Roche Diagnostic
Systems)0.25μlを加え、ミネラルオイルを重層し、GeneAmp PCR System 9600(PERKIN ELMER)を用いて、95℃30秒で変性、55℃30秒でアニーリングおよび72℃1分間で伸長のサイクルを40サイクルの条件で行った。第2回(2nd)PCRは、1st PCRで得られた反応液5μlに10×Taq緩衝液4.5μl、10mMdNTPs1μl、50μM上流プライマー(EVP4、5'CTACTTTGGGTGTCCGTGTT3'、20mer(配列番号3))0.5μl、50μM下流プライマー(OL68-1)0.5μl、蒸留水38.25μlおよびAmpli Taq DNAポリメラーゼ(5U/μl)0.25μlを加え、1st PCRと同じ条件で行った。PCR産物は、3%アガロースゲル電気泳動で分離し、エチジウムブロマイド染色後、紫外線で検出した。
【0027】
この条件でのPCRでは、1st PCRで約750bp、2nd PCRで約650bp(5'非翻訳領域の一部、VP4全領域およびVP2領域のN末端側約1/3を含む)が増幅される。今回用いた全ての標準株および分離ウイルス株において増幅が確認できた。
【0028】
また、咽頭拭い液の臨床検体からは、上記の増幅の他に、2nd PCRで約620bpの増幅も認められた。これは、エンテロウイルスと同じピコルナウイルス科に属するライノウイルスと考えられ、今回用いたプライマー配列を有するが、5'非翻訳領域に一部塩基配列の欠失を持つため、その増幅産物の長さからエンテロウイルスとは容易に区別ができた。
【0029】
このようにして得られた、VP4全領域を含むPCR産物の塩基配列を解析した。PCR産物は、QIAquick PCR purificationキット(QIAGEN)を用いて、未反応のプライマーとdNTPsを除去し、DNA濃度が5ng/μl以上になるように蒸留水に溶解した。塩基配列解析用に、VP4領域上流のエンテロウイルスに共通の塩基配列に基づいて、プライマー(SEVP1、5'TGGCTGCTTATGGTGACAAT3'、20mer(配列番号4))を設計した。塩基配列の解析は、ダイデオキシターミネーターサイクルシークエンスキット(PERKIN ELMER)を用いて、95℃10秒、50℃5秒および60℃4分のサイクルで25サイクル反応を行い、373A DNAオートシーケンサー(PERKIN ELMER)で塩基配列を決定した。
【0030】
塩基配列を決定した結果、エンテロウイルスの標準株、分離ウイルス株、臨床検体のいずれの株についても、塩基配列に挿入や欠失は認められず、VP4領域は207bpの長さで一様であった。
【0031】
CAV2-8、CAV10、CBV2、CBV6、ECV1-5、ECV7、ECV13、ECV14、ECV17-21、ECV24、ECV25およびECV30(26血清型)が、今回初めてVP4全領域の塩基配列を解析したウイルス標準株であり、CAV9、CAV16、CAV21、CAV24、CBV1、CBV3-5、ECV6、ECV9、ECV11、ECV12、ECV16、EV70、EV71、PV1-3(18血清型35株)がGenBankに登録されている標準株である。これら44血清型のエンテロウイルス標準株のVP4領域は、66〜84%のホモロジーを有し、80%のホモロジーで血清型が区別できた。
【0032】
上記の条件のRT-PCRによれば、0.1TCID50の検出感度で、咽頭拭い液、髄液などの臨床材料からウイルスゲノムを直接増幅することが可能である。従って、分離培養することな
く、エンテロウイルスの血清型の迅速同定が可能になる。
【0033】
[実施例2] 系統解析による臨床分離株の血清型同定
実施例1で新たに塩基配列を解析した標準株26株、ならびに、GenBankに登録されているCAV9、CAV16、CAV21、CAV24、CBV1、CBV3、CBV4、CBV5、ECV6、ECV9、ECV11、ECV12、ECV16、EV70、EV71およびPV1-3(18血清型35株)のVP4領域の塩基配列を選出した。系統樹は、Higgins法(DNASIS、日立ソフトウェアエンジニアリング)、ならびに、2−パラメーター法を用いたUPGMA法およびN-J法(SINCA、富士通)の両ソフトウェアにより作成し、作成された系統樹の確かさは、ブーツストラップ法(SINCA)を用いて統計的評価を行った。
【0034】
臨床分離株の塩基配列を標準株と共に系統解析を行って得られた系統樹の枝分かれとブーツストラップ解析とより血清型同定を行った。
先ず、標準株のVP4領域の全領域の塩基配列による系統樹を作成した結果、エンテロウイルスの遺伝子型は約60%のホモロジーで5群に分かれた。すなわち、CAV2-8、CAV10の第1群、CAV16、EV71の第2群、CBV1-6、CAV9、エコーウイルス(ECV)の第3群、ポリオウイルス(PV)、CAV21、CAV24の第4群およびEV70の第5群の各群である。これは、UPGMA法およびN-J法のいずれも同様な結果となり、ピコルナウイルス科内のゲノムにおける系統樹と矛盾を生じず、さらにPeter Muirらが示したVP4-VP2のアミノ酸配列の系統樹によるグループ分けとよく似ていた。
【0035】
次に、同様に手足口病の臨床分離株36株の系統解析を行ったところ、血清型の同定されたCAV16およびEV71は、それぞれの血清型の標準株と80%以上のホモロジーを示し、ブーツストラップ法において100%の確率で、交差することなくそれぞれCAV16およびEV71の単一の血清型のクラスターを形成した。さらに、血清型が未同定な株についても単一のクラスターを形成していた。
【0036】
また、同様にECV30の分離株14株について系統解析を行うと、ECV30の標準株と80%以上のホモロジーを示し、ブーツストラップ法で100%の確率で交差することなく単一のクラスターを形成していた。
【0037】
さらに、コクサッキーウイルスA24変異株(CAV24v)の各分離株についても、同様に系統解析を行うと、標準株と単一のクラスター(85%以上のホモロジー)を形成したうえに、ブーツストラップ法で100%の確率で交差することなく単一のクラスターを形成し、他の血清型のエンテロウイルスと容易に鑑別された。急性出血性結膜炎(AHC)の原因ウイルスとして、CAV24vとEV70の二つのウイルスが知られており、従って、AHCの原因ウイルスを分離培養することなく、迅速に同定できることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のエンテロウイルスのVP4全領域の塩基配列を増幅し、増幅された産物の塩基配列を決定することにより前記VP4全領域の塩基配列を得、得られた塩基配列について血清型標準株の同領域の塩基配列に基づく分子系統解析を行い、試料中のエンテロウイルスの血清型を同定することを特徴とするエンテロウイルスの血清型同定法。
【請求項2】
試料中のエンテロウィルスがエンテロウィルスの標準株または分離株であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塩基配列の増幅が、試料からRNAを調製し、調製されたRNAからcDNAを得、得られたcDNAを鋳型とし、VP4全領域の塩基配列を含む塩基配列が増幅できるように選択されたオリゴヌクレオチドをプライマーとして行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載の血清型同定法。
【請求項4】
プライマーが、配列番号1に示す塩基配列を含むプライマーと配列番号2に示す塩基配列を含むことを特徴とする請求項3に記載の血清型同定法。
【請求項5】
標準株が、エンテロウイルス群に属する全ての標準株であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の血清型同定法。
【請求項6】
血清型の同定法が、前記分子系統解析において、それぞれの血清型の標準株と80%以上のホモロジーを示すか、または、ブーツストラップ法で単一のクラスター形成する値以上で単一のクラスターを形成することを指標として行われることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の血清型同定法。

【公開番号】特開2008−295460(P2008−295460A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215672(P2008−215672)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【分割の表示】特願平10−156387の分割
【原出願日】平成10年6月4日(1998.6.4)
【出願人】(591122956)三菱化学メディエンス株式会社 (45)
【Fターム(参考)】