説明

エンドシール装置

【課題】 装置を分解することなく安全にエンドシール装置のトップシーラの清掃を行うことのできるようにすること
【解決手段】 トップシーラ31a,31bのシール面を対向させた状態を保持しながらトップシーラを移動させる駆動機構33と、そのトップシーラの上流側に配置される第1搬送ベルト装置71aと、下流側に配置される第2搬送ベルト装置72bと、を備え、両搬送ベルト装置は、トップシーラ側の先端部がトップシーラの前後方向の移動に追従して前後方向に移動するように構成される。第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部を、トップシーラの移動と非同期に前後方向に移動可能にするガイド手段92,82と、第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部が前記トップシーラに接近した位置で、ガイド手段による移動を抑止する固定手段100,92aと、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるボックスモーションタイプのエンドシール装置に関するもので、より具体的には、エンドシール装置内を移動する被包装物を内包する包装フィルムの搬送面となる渡り機構を備えたエンドシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装機の一形態であるピロー包装機は、以下のような構成を備えている。まず、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋された筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には被包装物搬送供給装置を配置し、その被包装物搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される被包装物が、製袋器内に供給される。これにより、被包装物が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その被包装物は筒状フィルムとともに搬送される。そして、その搬送方向に沿って、センターシール装置並びにエンドシール装置が配置されている。センターシール装置は、筒状フィルムのフィルム重合端をシールするものである。エンドシール装置は、筒状フィルムを進行方向横方向(前後の被包装物が存在していない部分)にシールするとともに、カットすることで、先端の被包装物が収納された筒状フィルムの部分を後続の筒状フィルムから分離し、包装体を製造するようになる。
【0003】
上記のエンドシール装置の一形態として、筒状フィルムを挟んで上下に配置される一対のトップシーラ(カッター刃が内蔵されている)と、そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構とを備えたものがある。そして、上下のトップシーラは、筒状フィルムの所定位置を上下から挟み込んだ状態で一定量だけ筒状フィルムとともに前進移動する。これにより、筒状フィルムの挟まれた部位が熱シールされるとともに、カットされる。この種のエンドシール装置のタイプは、ボックスモーションタイプとも称されている。
【0004】
係るボックスモーションタイプのエンドシール装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示されたエンドシール装置は、トップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構として溝カムを用いている。そして、この溝カムの形状をシール時に水平となる部分を設けることにより、上下のトップシーラが筒状フィルムを挟み込んだ状態のまま一定距離だけ筒状フィルムとともに前進移動することで、シール時間を増加させたものである。
【0005】
ところで、トップシーラの前後には、渡り装置が設けられ、トップシーラ間を被包装物を内包する筒状フィルムが安定して移動できるようにしている。そして、ボックスモーションタイプの場合、トップシーラが前後方向にも移動することから、渡り装置の搬送ベルトフレームも水平方向に自在に移動可能とするとともに、その搬送ベルトフレームをトップシーラの取付台に連携し、トップシーラーが前後方向(製品の流れ方向)に移動するのに対して、搬送ベルトフレームが追従するようになっている。これにより、トップシーラと、搬送ベルトフレームに掛け渡された搬送ベルトとの間が大きく開いてしまうのが抑制される。
【0006】
上記のような構成におけるエンドシール装置では、トップシーラの熱により溶着したフィルムのカスがトップシーラのシール面に付着してしまうことがある。また、上下のトップシーラ間にて被包装物を噛み込んでしまった際には、トップシーラのシール面のシール溝部に被包装物が詰まってしまうことがある。このようにトップシーラのシール面に異物が付着した状態では、良好なエンドシールを施すことができないばかりでなく、シール不良が発生してしまう。このため、適宜のタイミングでトップシーラのシール面の清掃を行う必要がある。そこで、従来、これらの清掃作業は、オペレータが目視による確認を行い、シール面が汚れていた場合には手作業によってシール面の清掃を行っていた。
【特許文献1】実開昭58−136405
【特許文献2】特開2002−337822
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ピロー包装機のボックスモーションタイプのエンドシール装置は、トップシーラ取付台に対してトップシーラと搬送ベルトフレームとが連携されるとともに、そのトップシーラ取付台の両側は、駆動機構を構成するカム機構に連携されるといった構造であるがゆえに、トップシーラのシール面の清掃を行うことはとても困難であった。つまり、トップシーラと搬送ベルトフレームとは接近配置され、隙間がとても狭く設定されているとともに、その搬送ベルトフレームに対してバンド掛けされる搬送ベルトは、多数のローラに掛け渡されて適宜折り返すといった複雑な構造をとっている。そのため、そもそもトップシーラのシール面の周囲の空間が狭く、そのままでは清掃がしにくいとともに、作業空間を確保するために搬送ベルトを取り外すべく渡り装置部分を分解するには、工具が必要であり簡単に行なえない。
【0008】
さらに、従来の装置では、トップシーラのシール面の清掃を行う際には、下側のトップシーラを上側に移動させて、搬送ベルト面よりも上側に移動する必要があるが、それに伴って上側のトップシーラが下降する構造のため、両トップシーラのシール面の間隔が狭く、シール面に対する清掃を行うための充分なスペースが確保できず、清掃を行うのは容易ではなかった。
【0009】
また、上記のようなオペレータの手作業によって行っていたシール面の清掃作業を自動にてエンドシール装置のトップシーラの清掃を行うようにしたものがある(特許文献2)。しかし、この特許文献2に開示された装置では、装置構成が複雑で大型化してしまうという新たな問題が生じる。
【0010】
本発明は、清掃作業を行なうための装置のように別途装置を設けることなく、また装置を分解することなく安全にエンドシール装置のトップシーラの清掃を行うことのできるエンドシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明に係るエンドシール装置は、(1)被包装物を内包する包装フィルムを挟んで上下に配置され、その包装フィルムの進行方向横方向にシールするトップシーラと、そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で公転移動させる駆動機構と、そのトップシーラの上流側に配置される第1搬送ベルト装置と、そのトップシーラの下流側に配置される第2搬送ベルト装置と、を備え、前記第1搬送ベルト装置と前記第2搬送ベルト装置は、そのトップシーラ側の先端部が前記トップシーラの前後方向の移動に追従して前後方向に移動するように構成されるエンドシール装置であって、前記第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部を、前記トップシーラの移動と非同期に前後方向に移動可能にするガイド手段と、その第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部が前記トップシーラに接近した位置で、前記ガイド手段による移動を抑止する固定手段と、を設けた。
【0012】
(2)前記ガイド手段は、下側のトップシーラを取り付ける下側シーラ取付台に対して連携された前後方向に延びるガイド軸と、そのガイド軸に対して前後方向に移動可能に取り付けられたスライダと、を備え、そのスライダを第2搬送ベルト装置の先端部に連結するとよい。
【0013】
(3)前記固定手段は、前記ガイド軸の所定位置に、円周方向に沿って形成された凹溝と、前記スライダ内に、前記凹溝に挿入離脱可能に配置されたストッパーボールと、を備え、そのストッパボールが前記凹溝内に挿入された状態では、前記ガイド手段による移動が抑止され、ストッパーボールが凹溝から離脱することで、前記トップシーラの移動と非同期に前記第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部を、前後方向に移動可能にするとよい。
【0014】
本発明によれば、上下のトップシーラが離反した所定の位置で一時停止させ、その状態でガイド手段により、トップシーラの移動と非同期に第2搬送ベルト装置の先端部側を進行方向前方(トップシーラから離反する方向)に移動させることで、トップシーラのシール面の周囲に清掃時における充分なスペースが確保でき、安全に容易にトップシーラのシール面の清掃が行える。そして、清掃時間の短縮により、機械停止させている時間が短くなり、生産性が向上する。
【0015】
清掃終了後は、上記と逆に、第2搬送ベルト装置の先端部側を進行方向後方(トップシーラに接近する方向)に移動させるとともに、所定位置で固定手段によりその位置を固定することで、第2搬送ベルト装置は、トップシーラの移動に同期して移動することになり、通常の包装作業に伴うシール処理が行える。
【0016】
(4)前記駆動機構は、機枠の両側面にそれぞれ上下に回転自在に配置された回転腕と、その回転腕を回転させる回転駆動機構と、を備え、前記回転腕は、一端に前記トップシーラを支持する支持部を設けると共に、その支持部と反対側の他端にカムフロアを設け、前記機枠の両側面には、前記カムフロアが連係されるカムが設けられ、そのカムの形状は、前記回転腕の回転に伴い、カムフロアがカムの軌跡に沿って移動することで前記支持部が回転しながらその回転中心からの距離が変動し、少なくとも、前記上下のトップシーラが接触した状態で一定区間は水平移動するように設定されるようにできる。もちろん、他の構成の駆動機構を採ることができる。
【0017】
(5)前記カムフロアから前記支持部までの距離が異なる回転腕を用意し、その異なる回転腕に交換することで、前記カムの形状を変更することなく前記上下のトップシーラが互いに離反して開いたときの離反距離を変更可能とするとよい。
【0018】
回転駆動機構は、実施形態では、回転軸42,ギヤ43,動力伝達機構48,駆動モータ49などにより実現される。支持部は、実施形態では”コロ軸受け部58”に対応するが、軸受け構造としては滑り軸受けとしても良い。また、このように実施形態では支持部側を軸受け構造としているが、支持部は単なる凹部や貫通孔などの開口部となっていても良い。その場合には、トップシーラ側に設ける支持ピンなどが軸受け構造などを設けていると好ましい。さらには、凹凸関係を逆にし、支持部がピンなどの突起部位となり、トップシーラ側(シーラ取付台の側面等)に、その突起部位が挿入される部位を設けても良い。
【0019】
(6)上記の(5)の発明を前提とし、接近離反可能に連係された一対のトップシーラ取付台の対向面に前記上下のトップシーラがそれぞれ取り付けられてトップシーラユニットが構成され、そのトップシーラユニットは、前記上下のトップシーラが互いに離反して開いたときの離反距離に対応して複数用意され、前記回転腕の交換に合わせて対応するトップシーラユニットも交換されるように構成するとよい。
【0020】
前記回転腕は、前記回転駆動機構に連係されて回転する基部と、その基部に設けられた、回転中心と直交方向に延びる貫通孔に挿入され、スラスト方向に移動可能なガイドシャフトと、そのガイドシャフトの一端に接続されたカムフロアブラケットと、そのガイドシャフトの他端に設けられたホルダと、を備え、前記カムフロアブラケットに前記カムフロアが連係され、前記ホルダに凹部または貫通孔を設けて支持部を形成するようにするとよい。実施形態では、貫通孔としたが、有底の凹部としても良い。
【0021】
(7)上記の(6)の発明を前提とし、前記支持部は、前記凹部または貫通孔内に装着された軸受け部により構成されるとよい。カムフォロアーの取り付けを従来と逆の位置に取り付けることにより、上下のトップシーラが包装フィルムを挟み込んだシール時におけるカム(実施形態のカム溝)とカムフォロアーの接触する位置が反対となり、肉厚が厚い部分で接触することになり、シール時における強度を増すことができ、従来のエンドシール装置に比べ高いシール圧力でシールすることができる。
【0022】
また本発明のエンドシール装置によれば、カムフロアから支持部までの距離を適宜に設定することで、大きなカム軌跡を小さな動きに変換することができるため、従来のエンドシール装置と比較して、最小回転半径の小さなエンドシール装置を作成することができる。
【0023】
また、(5),(6)の発明によれば、回転半径によってカム形状を変更する必要がなくなり溝カムの部品の共通化を図ることができる。そして、(6)の発明によれば、トップシーラ側がユニット化され、交換作業が容易に行なえる。
【0024】
更に、(7),(8)の発明のように構成することで、トップシーラ側から駆動機構側にかかる荷重を分散させることができ、摺動面を増加させることにより、部品の長寿命化、及び強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、ガイド手段並びに固定手段を設けたことで、一時停止させたトップシーラの周辺に作業空間を簡単に確保することができる。その結果、清掃作業を行なうための装置のように別途装置を設けることなく、また装置を分解することなく安全にエンドシール装置のトップシーラの清掃を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に示すように、本実施の形態のエンドシール装置が実装されるピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して被包装物13を所定間隔毎に供給する被包装物搬送供給装置14とを備えている。
【0027】
フィルム供給装置12は、帯状フィルム15をロール状に巻き取った原反ロール16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロール16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、図示省略しているが、原反ロール16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラを配置し、原反ロール16から送り出された帯状フィルム15は、そのローラに掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。もちろん、本発明では、必ずしも原反ロール16に駆動モータを連係する必要はなく、包装フィルムの搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0028】
被包装物搬送供給装置14は、前後に配置されたスプロケット17(図では、進行方向前方のみ記載)と、その複数のスプロケット17に掛け渡されたエンドレスチェーン18と、そのエンドレスチェーン18に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー19とにより構成される。これにより、被包装物13の後面に押送フィンガー19が突き当たると、押送フィンガー19の移動に伴い、被包装物13も前進移動する。
【0029】
包装機本体11は、供給される帯状フィルム15を筒状フィルム21に整袋する製袋器20と、その製袋器20の下流側に配置されたセンターシール装置24と、そのセンターシール装置24の下流側に配置され、筒状フィルム21を搬送するベルトコンベア23と、ベルトコンベア23の上方に配置された上側抑えベルト25と、ベルトコンベア23の下流側に配置されたエンドシール装置30と、エンドシール装置30の下流側に配置された搬出コンベア26と、を備えている。
【0030】
製袋器20は、フィルム供給装置12から連続して供給される帯状フィルム15を通過させることで、帯状フィルム15の両側端縁部15a同士を接触(重合)させるとともに、筒状となった筒状フィルム21に整袋するものである。また、被包装物搬送供給装置14から包装機本体11に対して順次供給される被包装物13は、製袋器20内に挿入される。これにより、製袋器20に供給された被包装物13は、筒状フィルム21内に所定間隔ごとに配置されることになる。
【0031】
センターシール装置24は、重合された帯状フィルム15の両側端縁部15aをシールする。このセンターシール装置24は、帯状フィルム15の両側端縁部15aを両側から挟み込んで熱シールする。
【0032】
上側抑えベルト25は、エンドシール装置30の上流側の直近に配置されており、筒状フィルム21内の被包装物13が上方に持ち上がるのを抑制し、水平状態を保持しながら搬送できるようにしている。
【0033】
エンドシール装置30は、筒状フィルム21に対し、進行方向と直交する方向、つまり、横断する方向にシールすると共にカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の被包装物13の間の所定位置である。これにより、エンドシール装置30を通過することで、筒状フィルム21の先頭部分は、後続から分離され、包装体27が製造される。
【0034】
以下、エンドシール装置30について説明する。エンドシール装置30は、筒状フィルム21を挟んで上下に対向配置されるトップシーラ31a,31bを備え、そのトップシーラ31a,31bのシール面を対向させた状態を保持しながらそれぞれを所定の軌跡で公転移動させるようになっている。なお、この公転移動させる機構については、後述する。更に、本実施形態では、図2〜図6に示すように、上下のトップシーラ31a,31b間を筒状フィルム21(内包する被包装物)を安定して移動させるための渡り装置70を設けている。この渡り装置70は、上下のトップシーラ31a,31bの上流側に設けた第1搬送ベルト装置71aと、下流側に設けた第2搬送ベルト装置71bと、を備え、両搬送ベルト装置71a,71b,は、下側のトップシーラ31bが取り付けられる下側シーラ取付台36bに連係され、その下側シーラ取付台36bの前後方向の移動に追従して前後移動することで、その搬送ベルト装置71a,71bとトップシーラ31bとの前後方向での隙間を一定距離以下に保持するようになっている。
【0035】
更に、図2,図4に示すように、上下のトップシーラ31a,31bが互いに離反し、最も開いた状態では、第1,第2搬送ベルト装置71a,71bの端部が下側のトップシーラ31bの上方を覆うような姿勢を採り、筒状フィルム21(被包装物)は、第1搬送ベルト装置71aから第2搬送ベルト装置71bにスムーズに移動する。一方、図5,図6に示すように、上下のトップシーラ31a,31bが接近し、シール面同士が接触(稼働中は筒状フィルムを挟み込む)状態では第1,第2搬送ベルト装置71a,71bの相対的に前後方向に離反する方向に移動し、両搬送ベルト装置71a,71b間から下側のトップシーラ31bが上方に突出するようになっている。そして、係る動作を行なうための渡り装置70の具体的な機構は以下の通りである。
【0036】
第1搬送ベルト装置71aの進行方向前方側先端(トップシーラ31a,31b側)の構造は、左右一対の第1搬送ベルトフレーム72aと、その第1搬送ベルトフレーム72a間の適宜位置に回転自在に指示されるプーリ73と、そのプーリ73に掛け渡される搬送ベルト74と、を備えるようになっている。さらに、第1搬送ベルトフレーム72aの下方には、駆動モータ(図示せず)に連携される駆動プーリ73aが設けられ、その駆動プーリ73aにも搬送ベルト74が掛け渡されており、搬送ベルト74は、その駆動プーリ73aから駆動力を得て回転するようになっている。なお、図示省略した第1搬送ベルト装置71aの上流側部分も、適宜位置にプーリを配置し、搬送ベルト74を掛け渡している。
【0037】
そして、第1搬送ベルトフレーム72aは、下側シーラ取付台36bに対してカム機構を介して連携され、下側シーラ取付台36bの前後進移動に追従して前後方向に移動することを基本とし、さらに、下側シーラ取付台36bの上下方向の移動に追従して前後移動することで下側のトップシーラ31bの上方に位置して覆ったり、開放したりする。係る動作を行なわせるための具体的な機構は、図7から図9に示すようになっている。
【0038】
すなわち、まず、第1搬送ベルトフレーム72aの先端側所定位置に平板状の連結プレートレート75を介して縦長なガイドカム板76を取り付ける。このガイドカム板76に縦方向に伸びる所定パターンのカム溝を形成する。このカム溝は、ガイドカム板76の下方部位に垂直方向に伸びるように設けた第1カム溝76aと、ガイドカム板76の上方部位に垂直方向に伸びるように設けた第3カム溝76cと、両カム溝76a,76c間を連結する斜め方向に伸びるように設けた第2カム溝76bと、を備えている。第1カム溝76aよりも第3カム溝76cが下側シーラ取付台36b側に接近する位置に設定されている。
【0039】
また、下側シーラ取付台36bの側面(進行方向後側)には、取付部片77を連結し、その取付部片77の上端に取り付けたカムフロア78を、上記のカム溝に連携させる。これにより、下側シーラ取付台36bの上下移動に追従して取付部片77ひいてはカムフロア78が上下移動する。よって、下側シーラ取付台36bが下降移動した際には、カムフロア78は第1カム溝76aに位置し、下側シーラ取付台36bが上昇移動した際には、カムフロア78は第3カム溝76cに位置する。そして、その中間の移動では、カムフロア78は、第2カム溝76b内を移動する。第1カム溝76aの方が、第3カム溝76cよりも下側シーラ取付台36bから離れた箇所に位置しているので、カムフロア78が第1カム溝76a内に位置しているときは、第1搬送ベルトフレーム72aは第1シーラ取付台36b側に接近した位置をとる。
【0040】
一方、第2搬送ベルト装置71aの進行方向後方側先端(トップシーラ31a,31b側)の構造は、左右一対の第2搬送ベルトフレーム72bと、その第2搬送ベルトフレーム72b間の適宜位置に回転自在に指示されるプーリ73と、そのプーリ73に掛け渡される搬送ベルト74と、を備えるようになっている。さらに、第2搬送ベルトフレーム72bの下方には、駆動モータ(図示せず)に連携される駆動プーリ73aが設けられ、その駆動プーリ73aにも搬送ベルト74が掛け渡されており、搬送ベルト74は、その駆動プーリ73aから駆動力を得て回転するようになっている。なお、図示省略した第2搬送ベルト装置71bの下流側部分も、適宜位置にプーリを配置し、搬送ベルト74を掛け渡している。
【0041】
そして、第2搬送ベルトフレーム72bは、下側シーラ取付台36bに対してカム機構を介して連携され、下側シーラ取付台36bの前後進移動に追従して前後方向に移動することを基本とし、さらに、下側シーラ取付台36bの上下方向の移動に追従して前後移動することで下側のトップシーラ31bの上方に位置して覆ったり、開放したりする。係る動作を行なわせるための具体的な機構は、図7から図9に示すようになっている。
【0042】
すなわち、まず、第2搬送ベルトフレーム72bの先端側所定位置に平板状の連結プレートレート80を取付け、その連結プレート80に取り付けたスライダ82を、ガイド部81に往復移動可能に取り付ける。このガイド部81は、上下に平行に配置されたガイド軸92と、そのガイド軸92の一端側を連結する連結部材91と、を備え、ガイド軸92にスライダ82を装着する。そして、平常状態では、スライダ82は、たとえば図7から9に示すように、中左側(筒状フィルム21の進行方向後側)端部に位置した状態で固定されている。
【0043】
また、一対のガイド軸92の他端には、連結板83を介して縦長なガイドカム板84を取り付ける。このガイドカム板84に縦方向に伸びる所定パターンのカム溝を形成する。このカム溝は、ガイドカム板84の下方部位に垂直方向に伸びるように設けた第1カム溝84aと、ガイドカム板84の上方部位に垂直方向に伸びるように設けた第3カム溝84cと、両カム溝84a,84c間を連結する斜め方向に伸びるように設けた第2カム溝84bと、を備えている。第1カム溝84aよりも第3カム溝84cが下側シーラ取付台36b側に接近する位置に設定されている。
【0044】
一方、下側シーラ取付台36bの側面(進行方向前側)には、取付部片85を連結し、その取付部片85の下端に取り付けたカムフロア86を、上記のカム溝に連携させる。これにより、下側シーラ取付台36bの上下移動に追従して取付部片85ひいてはカムフロア88が上下移動する。よって、下側シーラ取付台36bが下降移動した際には、カムフロア88は第1カム溝86aに位置し、下側シーラ取付台36bが上昇移動した際には、カムフロア88は第3カム溝86cに位置する。そして、その中間の移動では、カムフロア88は、第2カム溝86b内を移動する。第1カム溝86aの方が、第3カム溝86cよりも下側シーラ取付台36bから離れた箇所に位置しているので、カムフロア88が第1カム溝86a内に位置しているときは、第2搬送ベルトフレーム72bは第1シーラ取付台36b側に接近した位置をとる。
【0045】
係る構成を採ることで、第1搬送ベルトフレーム72aと、第2搬送ベルトフレーム72bとは、下側シーラ取付台36bを介して連結されて一体化し、下側シーラ取付台36bの前後進移動に追従して両搬送ベルトフレーム72a,72bひいては第1,第2搬送ベルト装置71a,71bも前後進移動する。そして、下側シーラ取付台36bは、前後進移動するとともに上下移動もすることで、所定の軌跡で公転移動するが、この上下移動に伴い、両搬送ベルト71a,71bは、以下に示す接近離反動作を行なう。
【0046】
すなわち、図12(a)に示すように、上下のトップシーラ31a,31bが最も離反した位置では、下側シーラ取付台36bが下方に移動するので、カムフロア78,88がそれぞれ第1カム溝76a,84aに位置するので、第1,第2搬送ベルトフレーム71a,71bは、互いに接近し、各搬送ベルトフレーム71a,71bの先端のプーリ73が、下側のトップシーラ31bの上方空間にまで至り、両搬送ベルト装置71a,71bの先端が近接してトップシーラ31bの上方空間を覆う。これにより、トップシーラ31bの上方にも搬送ベルト74が存在するので、筒状フィルム21内の被包装物は、その搬送ベルト上をスムーズに移動する。
【0047】
この状態からトップシーラ31a,31bが筒状フィルムの進行方向後方側に向けて回転すると、両トップシーラ31a,31bは接近し、90度回転すると図12(b)に示すようになる。つまり、下側シーラ取付台36bは、後方移動並びに上昇移動してカムフロア78,88がそれぞれ第3カム溝76c,84cする。よって、両搬送ベルトフレーム72a,72bは、全体として後退移動しつつ、その先端同士は相対的に離反移動し、下側のトップシーラ31bの上方空間が開放される。
【0048】
そして、両トップシーラ31a,31bがさらに回転して、図12(a)の前開状態から180度回転すると、図13(a)に示すように、上下のトップシーラ31a,31bは、最も接近し、そのシール面同士が接触する(筒状フィルムが存在する場合には、筒状フィルムを挟み込む)状態となり、筒状フィルムを上下から挟んで溶着し、これと同時にその間の筒状フィルムを切断してエンドシールを行う。このとき、下側シーラ取付台36bは、図12(b)の状態からは、後方移動並びに上昇移動(カムフロア78,88がそれぞれ第3カム溝76c,84c内を上昇)するので、両搬送ベルトフレーム72a,72bは、その先端同士は離反した状態を維持しながら全体として前進移動して前後方向中央位置に戻る。そして、下側のトップシーラ31bは、両搬送ベルト装置71a,71bの先端間に形成された空間内を上昇移動し、シール面が搬送ベルト74よりも上方に位置する。
【0049】
さらに、その状態から90度回転すると、図13(b)に示すように、両トップシーラ31a,31bは、離反し始める。そして、下側シーラ取付台36bは、前進移動並びに下降移動(カムフロア78,88がそれぞれ第3カム溝76c,84c内を下降)するので、両搬送ベルトフレーム72a,72bは、その先端同士は離反した状態を維持しながら全体としてさらに前進移動する。そして、下側のトップシーラ31bは、両搬送ベルト装置71a,71bの先端間に形成された空間内を下降移動し、シール面が搬送ベルト74よりも下方に位置する。この状態からさらに90度回転すると、図12(a)に示したトップシーラ31a,31bの全開状態に復帰する。その後は、上述した動作を繰り返す。
【0050】
次に、スライダ82の具体的な構成・機能を説明する。図10,図11に拡大して示すように、スライダ82は、ガイド軸92が貫通する矩形状の筐体95を備え、その筐体95に上下方向に延びるように設けられた貫通孔95b内に操作棒97を配置するとともに、その操作棒97の上端を筐体95の天面に貫通して上方に突出させ、その突出した操作棒97の上端に押しボタン96を設ける。また、操作棒97の下端並びに中間部位には、円錐台形状のストッパー部材98を設け、このストッパー部材98の底面に接触するようにコイルバネ99を配置する。コイルバネ99は、その弾性復元力によってストッパー部材98を上方に付勢するように設定される。なお、操作棒97は、筐体95内の所定位置に設定された突片95aに設けられた貫通孔内に挿入される。また、中間のストッパー部材98に接触する上側のコイルバネ99には、操作棒97が挿入され、そのコイルバネ99は、突片95aの上面とストッパー部材98の下面との間に圧縮状態で配置される。
【0051】
また、筐体95には、上下に延びる貫通孔95bと、ガイド軸92が挿入される貫通孔95cとに、それぞれに直交する水平方向に延びる孔部95dを備え、その孔部95dは、両貫通孔95b,95cに開口するとともに、その孔部95d内にストッパーボール100を挿入配置する。
【0052】
一方、ガイド軸92の所定位置には、その円周方向に凹溝92aが形成され、スライダ82が図10に示す定常状態に位置されている場合に、ストッパーボール100が凹溝92aに嵌るように設定されている。そして、ストッパーボール100は、コイルバネ99により上方に付勢されるストッパー部材98の傾斜側面に接触されているので、その傾斜側面により、コイルバネ99から受けた上方へ付勢力は、上方向と水平方向とに分散され、ストッパーボール100をガイド軸92の凹溝92aへ押し付ける力が働く。よって、その押し付ける力によってストッパーボール100が凹溝92aから離脱するのが抑制され、スライダ82がガイド軸92の所定位置(図10,図11に示す位置)に保持される。その結果、上述したように、下側シーラ取付台36bの移動に追従して第2搬送ベルトフレーム72bが前後進移動する。
【0053】
また、押しボタン96を下方に押下すると、操作棒97ひいてはストッパー部材98も下降移動する。すると、ストッパー部材98を介してストッパーボール100に加わっていたガイド軸92の凹溝92aへの押し付ける力が解除される。よって、スライダ82は、ガイド軸92に沿って往復移動が可能となる。そして、スライダ82をガイド軸92に沿って移動させた場合、そのスライダ82に連結された第2搬送ベルトフレーム72bも追従して移動する。
【0054】
次に、トップシーラのシール面の清掃作業を説明する。上側,下側シーラ取付台36a,36bを回転させ、トップシーラ31a,31bを、図14(a),図15(a),図16に示すように、両シーラが適宜距離離反するとともに、進行方向前方に位置させた状態で一時停止させる。この状態では、両搬送ベルト装置71a,71bは、互いにトップシーラ31a,31bに接近した姿勢をとる。次いで作業員は、スライダ82の押しボタン86を下方に押して、ストッパーボール100をガイド軸92の凹溝92aへ押し付ける力を解除し、その状態でスライダ82をガイド軸92に沿って前方へ移動する。
【0055】
すると、図14(b),図15(b),図17に示すように、スライダ82とともに第2搬送ベルトフレーム72bも進行方向前方(トップシーラ31a,31bから離反する方向)へ移動するので、その第2搬送ベルトフレーム72bの先端に設けたプーリ73がトップシーラ31a,31bから離反し、第2搬送ベルト装置71bとトップシーラ31a,31bとの間に作業スペースSが確保される。よって、下側のトップシーラ31bのシール面が大きく露出し、そのシール面の清掃が容易に行える。特に、トップシーラ31a,31bの一時停止位置を図14,図15に示す位置にすることで、上下のトップシーラ31a,31bが適宜距離だけ離反してシール面が露出するとともに、下側のトップシーラ31bは最下端位置に至らず、搬送面からやや下方に位置にとどまり、しかも、両トップシーラ31a,31bは、最前方位置に至るので、作業員は、簡単にトップシーラのシール面に手を届かせることができ、清掃作業が容易に行えるので好ましい。
【0056】
もちろん、一時停止する位置は、この角度位置が好ましいが、本発明はこれに限ることはなく、両トップシーラが接触してシール面が露出しない角度でなければ、他の角度位置にしてもよい。
【0057】
次に、上下のトップシーラ31a,31bを所定の軌跡で公転移動させる機構を説明する。公転移動させる機構をわかりやすくするため、図18以降においては、搬送装置71の図示を省略している。
【0058】
図18,図19に示すように、筒状フィルム21の搬送経路の周囲を囲むように配置される機枠32の両側壁に、トップシーラ31a,31bを所定の軌跡で公転移動させる駆動機構33が設けられる。そして、上下一対のトップシーラ31a,31bを備えたトップシーラユニット35が、その駆動機構33に支持される。つまり、図20に示すような側面に駆動機構33を備えた機枠32の内部空間内に、図21に示すトップシーラユニット35を設置する。このトップシーラユニット35は、ユニット単位で交換可能となっており、被包装物(包装体)の寸法形状が変更され、公転移動させる際の軌跡・回転半径等が変更された場合に、それに併せたトップシーラユニットに交換することができるようになっている。もちろん、必ずしも交換可能になっていなくても良い。駆動機構33並びにトップシーラユニット35の具体的な構造については、以下に説明する。
【0059】
トップシーラユニット35は、図21に示すように、上側シーラ取付台36aと下側シーラ取付台36bとを、備え、上側シーラ取付台36aの下面並びに下側シーラ取付台36bの上面にそれぞれトップシーラ31a,31bを固定する。上側シーラ取付台36aの左右両側端近傍には、下方に延びる帯状の連結プレート37が接続され、この連結プレート37にガイドレール38が固定されている。ガイドレール38は、上側シーラ取付台36aに対して直交方向、つまり、連結プレート37と同様に下方に延びるように設置され、2本のガイドレール38は、平行に配置される。そして、このガイドレール38に対して、軸方向に移動可能にスライダ39がそれぞれ連係され、このスライダ39が下側シーラ取付台36bの左右両側端近傍に接続されている。これにより、下側シーラ取付台36bは、ガイドレール38に沿って往復移動可能となり、図21に示す上下のトップシーラ31a,31bが互いに接触する位置と、下側シーラ取付台36bが上側シーラ取付台36aから離反する方向に相対移動し、上下のトップシーラ31a,31bが所定距離だけ離れた位置を採ることができ、係る移動が安定して行なわれる(上下のトップシーラ31a,31bが互いに対向した姿勢を保持しながら昇降移動する)。
【0060】
さらに、上側シーラ取付台36a並びに下側シーラ取付台36bの両側面には、外側に突出する支持ピン34が取り付けられ、この支持ピン34が、後述するように駆動機構33に連係されることで、トップシーラユニット35すなわち上側シーラ取付台36a並びに下側シーラ取付台36bが駆動機構33に支持される。そして、駆動機構33からの動力を受けて、トップシーラユニット35が全体で筒状フィルム21の進行方向に沿って前後方向に移動しつつ、上側シーラ取付台36a並びに下側シーラ取付台36bが昇降移動する。これにより、上下のトップシーラ31a,31bは、所定の軌跡で公転移動することになる。
【0061】
次に、図20,図22〜図31を引用しながら駆動機構33を説明する。機枠32の両側面には、それぞれ取付板40が連結され、この取付板40に駆動機構33が取り付けられる。駆動機構33は、トップシーラユニット35の支持ピン34を支持する回転腕41と、その回転腕41の回転中心に連結された回転軸42と、その回転軸42の先端(回転腕41の非接続側)に連結されたギア43と、回転軸42と同心円状に配置される軸受け部44と、を所定数(4個)備える。回転軸42は、軸受け部44によって回転可能に軸受け支持される。
【0062】
一方、取付板40の上下の所定位置には、貫通孔40aが形成される。そして、その貫通孔40aの設置箇所に、上記の一体となった回転腕41,回転軸42,ギア43,軸受け部44が取り付けられる。具体的には、取付板40の外面側に軸受け部44を固定し、回転腕41は取付板40の内面側に位置するように配置される。更に、同一の取付板40の上下に配置されたギア43同士は噛み合うとともに、下方のギア43は、ギアやベルト等の動力伝達機構48を介して駆動モータ49の出力軸に連係されている。これにより、駆動モータ49が回転すると、各ギア43が所定方向に回転するので、回転腕41も回転する。
【0063】
回転腕41は、図29,図30,図31に示すように、回転軸42に接続されて自転する平面H形の基部51には、両サイドにそれぞれ貫通孔51aが形成され、それら両貫通孔51aには、それぞれチューブ状のブッシュ52が埋没するように挿入され、そのブッシュ52内を貫通するようにガイドシャフト53が挿入される。ブッシュ52は、適度な摩擦係数を持ち、ガイドシャフト53がスラスト方向に移動するのを許容する。
【0064】
また、ガイドシャフト53の両端は、基部51より外側に突出するようにその長さが設定されている。そして、一対のガイドシャフト53の一端(図中上方側)には、カムフロアブラケット54がネジ55にて連結され、ガイドシャフト53の他端(図中下方側)には、第1ベアリングホルダ要素56aがネジ57にて連結され、更に、この第1ベアリングホルダ要素56aの先端側(ガイドシャフト53と非接続側))には、第2ベアリングホルダ要素56bがネジ59により連結される。第1,第2ベアリングホルダ要素56a,56bを連結することで構成されるベアリングホルダ56は、その中央に貫通孔56′が形成され、その貫通孔56′内に、ベアリングからなる筒状のコロ軸受け部58が挿入固定される。
【0065】
このように、ガイドシャフト53の両端にそれぞれの部材が接続されることで、2本のガイドシャフト53と、カムフロアブラケット54と、ベアリングホルダ56と、により、概略ロ字状に一体化され、その一体化された部材が、基部51に対してガイドシャフト53の軸方向に相対移動する。
【0066】
そして、カムフロアブラケット54の外面側(取付板40側)には、カムフロア60が接続される。一方、取付板40に設けた貫通孔40aの内周面には、カム溝45が形成され、このカム溝45にカムフロア60が符合する。カム溝45の形状は、図26,図27に示すように、略長円,楕円形状となり、上下方向に長軸がくるように設定される。
【0067】
これにより、上述したように回転軸42が回転すると、基部51が回転し、ロ字状に一体化された”ガイドシャフト53,カムフロアブラケット54,ベアリングホルダ56”が回転、すなわち、回転腕41が回転するが、このとき、カムフロア60がカム溝45の内面に沿って公転移動する。回転腕41の回転中心(回転軸42)からカム溝45の内周面までの距離は、回転角度により変化しており、例えば図27に示すように、カムフロア60が回転中心から最も遠い上下方向に位置する場合は、カムフロアブラケット54が回転中心に最も近付く位置を採り、その位置から回転するにつれてガイドシャフト53が軸方向に移動し、カムフロアブラケット54が徐々に回転中心から離れていく。よって、カムフロアブラケット54に固定されるコロ軸受け部58の移動軌跡は、回転腕41が回転するに伴い図26に示す上下のコロ軸受け部58が接近した状態のまま一定距離だけ水平移動する。換言すると、そのように水平移動するようにカム溝45の形状を設定する。そして、本実施形態では、コロ軸受け部58は、略矩形状の移動軌跡を採るように設定されている。
【0068】
よって、コロ軸受け部58に、支持ピン34を挿入することで、トップシーラ取付台36が回転腕41に支持され、回転腕41の回転運動に伴い、コロ軸受け部58の移動軌跡、つまり、略矩形状の移動軌跡に沿って公転移動する。つまり、図18に示すように、上下のトップシーラ31a,31bが接触した状態のまま一定区間水平移動し、その後、上下のトップシーラ31a,31bは互いに離反する方向に昇降移動し、図19に示すように最も離反した状態のまま上記と逆方向に水平移動した後、上下のトップシーラ31a,31bが互いに接近するように昇降移動し、最終的にトップシーラ31a,31b同士が再び接触するといった運動を繰り返し行なうことになる。
【0069】
ところで、上下のトップシーラ31a,31bが互いに接触して筒状フィルム21を挟み込んでいるときには、所定の圧力で挟み込むようになっており、その反力が回転腕41にかかり、最終的にカムフロア60からカム溝45の内面に加わることになる。このトップシーラ31a,31bが接触している状態では、トップシーラ取付台36の支持ピン34は、互いに接近する位置に至るため、上下のベアリングホルダ56も図26に示すように接近した状態に至る。これにともない、カムフロアブラケット54(カムフロア60)は、図27に示すように、最も離反した状態になる。そして、このときにカムフロア60からカム溝45の内面にかかる力(反力)の方向は、図27中矢印Fで示すように、互いに離反する上下方向になる。つまり、従来のエンドシール装置では、回転中心(回転軸)に向かって力が発生していたが、本実施形態ではそれと逆向きで、回転中心(回転軸42)から離れる方向(外側)に向けて力が発生する。そして、その力の方向には、取付板40における肉厚が広い部位が存在し、しかも、その肉厚は取付板40の上下方向の長さを長くすることでさらに広くして強度を増すことが簡単に行なえる。よって、上下のトップシーラ31a,31bが挟み込む際の圧力を強くし、シール強度をアップすることが簡単に行なえる。
【0070】
また、ガイドシャフト53の長さを適宜に設定することで、同じカム溝45に沿ってカムフロア60が移動した場合のベアリングホルダ56(コロ軸受け部58)の移動軌跡の寸法形状を変更することができる。つまり、ガイドシャフト53として長いものを利用した場合、上下のトップシーラ31a,31bを大きく離すことができ、ガイドシャフト53として短いものを利用した場合、上下のトップシーラ31a,31bの離反距離を短くすることができる。よって、例えば、高さの高い被包装物を包装する場合には、トップシーラが大きく開くものを用い、逆に、高さの低い被包装物を包装する場合には、トップシーラの開く距離を短くし、必要以上に大きく移動する無駄を省くと共に、高速回転にも対応できるようになる。このように、同一のカム溝を用いて異なる回転半径のものに適用できるので、回転半径によってカム形状を変更する必要がなくなり溝カムの部品の共通化を図ることができる。
【0071】
さらに、回転軸42からカムフロアブラケット54までの距離(回転中心からカムフロア60までの距離)よりも、回転軸42からベアリングホルダ56までの距離(回転中心からコロ軸受け部58までの距離)を短くすると、カム溝45の寸法形状よりもコロ軸受け部58の移動軌跡の寸法形状を小さくすることができ(大きなカム軌跡を小さな動きに変換することができ)、最小回転半径の小さいエンドシール装置を提供できる。
【0072】
本実施形態では、シール時にトップシーラから受ける荷重に対する耐力を大きくすることができ、強度が向上し、部品の長寿命化を図ることができるとともに、大きなシール圧力を発揮させて性能を向上させることができる。また、回転半径(上下のトップシーラが離反して開いた際の距離)によってカム形状を変更する必要がなく、カムを含む駆動系の部品の共通化を図ることができ、さらには、最小回転半径の小さなエンドシール装置を構成することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上下のトップシーラ31a,31bを所定の軌跡で公転移動させるための機構を、上述したようにカム位置を通常のものと反転させたものについて適用した例を説明したが、本発明は必ずしも係る構成に適用するものに限られない。すなわち、たとえば、従来一般的に行なわれるエンドシール装置の機構を適用できる。これは図32,図33に示すように、エンドシール装置は、筒状フィルムの搬送経路の周囲を囲むように機枠を配置し、この機枠の両側壁の内面側に、それぞれ2枚の回転板を上下に配置する。回転板は、円の中心を回転中心として自転するものであり、この回転板には、外周縁から中心に向かって伸びる切り欠き溝2aが形成され、この切り欠き溝2a内にスライダ3が装着される。このスライダ3は、切り欠き溝2aに沿って直線往復移動するとともに、回転板2の回転に伴って公転移動する。
【0074】
スライダ3の表面には、凹部3aが形成される。その凹部3a内にシーラ取付台6の両端に設けられたピン6aが、挿入される。これにより、シーラ取付台6は、左右のスライダ3に支持され、スライダ3の公転移動に伴い、そのスライダ3と同じ軌跡で公転移動する。そして、この上下のシーラ取付台6の対向面には、トップシーラ31a,31bが取り付けられている。
【0075】
スライダ3の裏面側には、カムフロア3bが取り付けられ、そのカムフロア3bが機枠1の両側壁外面側に設置されたカム板4のカム溝4a内に挿入されている。カム溝4aの形状は、図34に示すように、水平に形成される直線部4a′と、その直線部4a′の両端をつなぐ曲線部4a″とからなる。直線部4a′は、上下のカム溝4aの対向する側、つまり、上側のカム溝4aでは下方側に形成され、下側のカム溝4aでは上方側に形成される。
【0076】
カム板4には、カム溝4aの中央を貫通する貫通孔4bが形成され、その貫通孔4bに隣接してカム板4の外側に軸受け部7が取り付けられる。この軸受け部7に回転軸5が回転自在に挿入され、回転軸5の先端5aは貫通孔4b内を貫通し、回転板2の中心部位に連結される。また、回転軸5の他端5bには、ギア8が連結されており、上下の回転軸5に連結されたギア8は、互いに噛み合うように設定される。そして、このギア8は、駆動モータ9に連携され、駆動モータ9の回転に伴い回転する。
【0077】
これにより、ギア8の回転に伴い、回転軸5ひいては回転板2が回転(自転)し、スライダ3が公転移動する。すると、スライダ3に取り付けたカムフロア3aがカム溝4a内を移動することになり、スライダ3ひいてはシーラ取付台6,トップシーラ31a,31bがカム溝4aに沿って移動する。つまり、上下のトップシーラ31a,31bが、それぞれのシール面が常時対向した状態を保持しながら回転し、カムフロア3aが直線部4a′を移動している間、両トップシーラ31a,31bが噛み合った状態で一定距離だけ水平移動するような所定の軌跡をとるようになる。
【0078】
上述した実施形態並びに変形例は、いずれも、1つの駆動モータの出力を受けてカム機構を利用してトップシーラを公転移動させるものとしたが、本発明は、たとえば、上下方向の移動と、前後方向の移動を別々の駆動モータの出力に基づいて行なうようにしたり、上側のトップシーラと、下側のトップシーラの駆動モータをさらに別々にするなど、各種のものに適用できる。
【0079】
さらには、上述した実施形態では、第1搬送ベルトフレーム72aと第2搬送ベルトフレーム72bは、トップシーラの上下移動に同期して相対的に接近・離反するように構成されたが、本発明必ずしも係る構成を採る必要なく、トップシーラの前後移動にのみ追従して前後進移動するものでもよい(下側のトップシーラが下降移動した場合には、少なくともトップシーラの前後方向の長さ分の隙間が、両搬送ベルト装置間に形成される)。
【0080】
さらにまた上述した実施形態では、いずれもピロー包装機に適用した場合を示しているが、本発明はこれに限ることはなく、四方シール包装機その他の各種の包装機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明のエンドシール装置が実装される包装機の一例を示す図である。
【図2】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態(開いた状態)を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態(開いた状態)を示す側面図である。
【図4】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態(開いた状態)を示す正面図である。
【図5】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態(閉じた状態)を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態(閉じた状態)を示す正面図である。
【図7】両搬送ベルト装置と、下側シーラ取付台とを連結する機構部分を示す斜視図である。
【図8】両搬送ベルト装置と、下側シーラ取付台とを連結する機構部分を示す平面図である。
【図9】両搬送ベルト装置と、下側シーラ取付台とを連結する機構部分を示す正面図である。
【図10】図9におけるA−A線矢視拡大断面図である。
【図11】図10におけるB−B線矢視拡大断面図である。
【図12】作用を説明する図である。
【図13】作用を説明する図である。
【図14】作用を説明する図である。
【図15】作用を説明する図である。
【図16】作用を説明する図である。
【図17】作用を説明する図である。
【図18】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態(閉じた状態)を示す正面図である。
【図19】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態(開いた状態)を示す正面図である。
【図20】機枠並びに駆動機構33を示す斜視図である。
【図21】トップシーラユニットを示す斜視図である。
【図22】機枠並びに駆動機構を示す正面図である。
【図23】機枠並びに駆動機構を示す平面図である。
【図24】機枠並びに駆動機構を示す側面図である。
【図25】図24におけるA−A線矢視断面図である。
【図26】図22におけるB−B線矢視断面図である。
【図27】図22におけるC−C線矢視断面図である。
【図28】図22におけるD−D線矢視断面図である。
【図29】一体化された回転腕41,回転軸42,ギア43並びに軸受け部44を示す図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図30】(a)は、図29(b)におけるE−E線矢視断面図であり、(b)は、図29(a)におけるF−F線矢視断面図である。
【図31】回転腕を示す分解斜視図である。
【図32】別のエンドシール装置を示す図である。
【図33】別のエンドシール装置を示す図である。
【図34】別のエンドシール装置を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
10 ピロー包装機
11 包装機本体
12 フィルム供給装置
13 被包装物
14 被包装物搬送供給装置
21 筒状フィルム
24 センターシール装置
30 エンドシール装置
31a 上側のトップシーラ
31b 下側のトップシーラ
32 機枠
33 駆動機構
34 支持ピン
35 トップシーラユニット
36a 上側シーラ取付台
36b 下側シーラ取付台
41 回転腕
42 回転軸
43 ギヤ
44 軸受け部
45 カム溝
48 動力伝達機構
49 駆動モータ
51 基部
51a 貫通孔
53 ガイドシャフト
54 カムフロアブラケット
56 ベアリングホルダ
58 コロ軸受け部(支持部)
70 渡り装置
71a 第1搬送ベルト装置
71b 第2搬送ベルト装置
72a 第1搬送ベルトフレーム
72b 第2搬送ベルトフレーム
74 搬送ベルト
81 ガイド部
82 スライダ
92 ガイド軸
92a 凹溝
96 押しボタン
100 ストッパーボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を内包する包装フィルムを挟んで上下に配置され、その包装フィルムの進行方向横方向にシールするトップシーラと、
そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で公転移動させる駆動機構と、
そのトップシーラの上流側に配置される第1搬送ベルト装置と、
そのトップシーラの下流側に配置される第2搬送ベルト装置と、
を備え、
前記第1搬送ベルト装置と前記第2搬送ベルト装置は、そのトップシーラ側の先端部が前記トップシーラの前後方向の移動に追従して前後方向に移動するように構成されるエンドシール装置であって、
前記第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部を、前記トップシーラの移動と非同期に前後方向に移動可能にするガイド手段と、
その第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部が前記トップシーラに接近した位置で、前記ガイド手段による移動を抑止する固定手段と、を設けたことを特徴とするエンドシール装置。
【請求項2】
前記ガイド手段は、下側のトップシーラを取り付ける下側シーラ取付台に対して連携された前後方向に延びるガイド軸と、そのガイド軸に対して前後方向に移動可能に取り付けられたスライダと、を備え、
そのスライダを第2搬送ベルト装置の先端部に連結したことを特徴とする請求項1に記載のエンドシール装置。
【請求項3】
前記固定手段は、前記ガイド軸の所定位置に、円周方向に沿って形成された凹溝と、
前記スライダ内に、前記凹溝に挿入離脱可能に配置されたストッパーボールと、を備え、
そのストッパボールが前記凹溝内に挿入された状態では、前記ガイド手段による移動が抑止され、ストッパーボールが凹溝から離脱することで、前記トップシーラの移動と非同期に前記第2搬送ベルト装置のトップシーラ側の先端部を、前後方向に移動可能にするようにしたことを特徴とする請求項2に記載のエンドシール装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、機枠の両側面にそれぞれ上下に回転自在に配置された回転腕と、その回転腕を回転させる回転駆動機構と、を備え、
前記回転腕は、一端に前記トップシーラを支持する支持部を設けると共に、その支持部と反対側の他端にカムフロアを設け、
前記機枠の両側面には、前記カムフロアが連係されるカムが設けられ、
そのカムの形状は、前記回転腕の回転に伴い、カムフロアがカムの軌跡に沿って移動することで前記支持部が回転しながらその回転中心からの距離が変動し、少なくとも、前記上下のトップシーラが接触した状態で一定区間は水平移動するように設定されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエンドシール装置。
【請求項5】
前記カムフロアから前記支持部までの距離が異なる回転腕を用意し、その異なる回転腕に交換することで、前記カムの形状を変更することなく前記上下のトップシーラが互いに離反して開いたときの離反距離を変更可能としたことを特徴とする請求項4に記載のエンドシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2009−91033(P2009−91033A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265657(P2007−265657)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】