説明

エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援される異なるネットワークに渡るソフトハンドオフ

【課題】ネットワークからダウンリンクデータを受信するために異なるネットワークにわたるソフトハンドオフのための方法を提供する。
【解決手段】ネットワークからダウンリンクデータを受信するために、第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間で通信するために第1のネットワークを介した第1の通信リンクが使用される。ユーザエージェントは、同一の呼について第2の通信リンクを使用することをネゴシエーションする。第1の通信リンクを維持しながら、第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して第2の通信リンクが確立される。関連するデータは、当該関連するデータが同一の呼のためのものであるように、第1の通信リンクと第2の通信リンクを介して送信される。第1の通信リンクはドロップされ、第2の通信リンクを使用して通信が継続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、通信システムにおけるソフトハンドオフに関し、特に、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援される異なるタイプの通信ネットワーク間のソフトハンドオフに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、ある装置から別の装置への情報の送信に用いられる。今日では、多くの異なる種類の通信装置、及び使用し得る多くの異なる種類の通信ネットワークがある。通信装置の例には、電話、携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ページャなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。異なる通信ネットワークには、符号分割多元接続(CDMA)1xネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN、インターネット、広帯域CDMA(W−CDMA)ネットワーク、汎用パケット無線システム(GPRS:General Packet Radio Service)等が含まれるが、これらに限定されるものではない。提示されるように、ユーザには、自身のための通信システムを選択する際に、多くの選択肢がある。
【0003】
ユーザに利用可能な多くの異なる通信オプションがあると、ユーザは、現在の通信リンクに従事しながら、自身が通信を実現している方法を変更したいと望むことがある。例えば、ユーザは、呼又はセッション中に当該呼またはセッションを失うことなくネットワーク又はデバイスを切り替えたいと望むかもしれない。呼又はセッションは、(複数の)2以上の当事者であって、通信リンクをその当事者間に確立した当事者によって共有される通信状態である。呼又はセッションの一つの例は、VoIP(Voice over IP)コールである。従って、ユーザが、呼又はセッション中に当該呼又はセッションを失うことなくネットワーク又はデバイスを切り替えられるようにするシステム及び方法に対する需要がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1はエンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを説明するネットワークブロック図である。
【図2】図2はユーザエージェントが移動端末である場合の、ユーザエージェントの一実施形態の一部のコンポーネントのブロック図である。
【図3】図3は図1に示されるエンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフの方法を説明する概要フロー図である。
【図4】図4はユーザエージェントに他のユーザエージェントが新たなネットワークに移動するのを望んでいることが知らされた場合の、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフの方法を説明する概要フロー図である。
【図5】図5は新たなネットワークの発見、及び、当該新たなネットワークへ移動すべきかどうかの判断を説明するフロー図である。
【図6】図6はネットワーク発見設定の一実施形態を説明するブロック図である。
【図7】図7はネットワーク嗜好基準の一実施形態のブロック図である。
【図8】図8はエンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを容易にするためにネットワークアプリケーションゲートウェイを使用するシステムのブロック図である。
【図9】図9はエンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを容易にするためにネットワークアプリケーションゲートウェイを使用する方法を説明するフロー図である。
【図10】図10はエンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを容易にするためにネットワークアプリケーションゲートウェイを使用するシステムの別の実施形態のブロック図である。
【図11】図11はある装置から別の装置への呼の転送を説明するブロック図である。
【図12】図12は図11に示される、ある装置から別の装置への呼の転送を説明するフロー図である。
【発明の詳細な説明】
【0005】
ユーザが利用できる多くの異なる電子通信オプションが存在している。ユーザが、現在の通信リンクに従事していながら、自身が通信を実現している方法を変更したいと望むことがある。例えば、ユーザは、呼又はセッション中に当該呼又はセッションを失うことなくネットワークを切り替えたいと望むかもしれない(例えば、ユーザは、自身の呼をCDMAネットワークから無線LANへと移動したいと望み得る)。本明細書に開示されるシステム及び方法は、ユーザが、呼の間に当該呼を失うことなくネットワークを切り替え得る手段を提供する。ユーザの通信装置上で作動中のアプリケーションは、異なるネットワーク間でのソフトハンドオフの間にユーザが中断を経験しないように、必要なタスクを実行する。
【0006】
異なるネットワーク間でのソフトハンドオフの方法が開示される。第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間での通信のために、第1のネットワークを介した第1の通信リンクが使用される。ユーザエージェントは、同一の呼について第2の通信リンクを使用することをネゴシエーション(negotiate)する。第1の通信リンクを維持しながら、第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して第2の通信リンクが確立される。関連するデータが、当該関連するデータが同一の呼のためのものであるように、第1の通信リンクと第2の通信リンクを介して送信される。第1の通信リンクがドロップされ(drop)、第2の通信リンクを使用して通信が継続される。
【0007】
第1のユーザエージェントはアプリケーションを含むことができる。アプリケーションは第2の通信リンクを確立し、関連するデータを送信し得る。関連するデータは様々な種類のデータであってよく、異なる度合いで関連していてもよい。例えば、一実施形態では、関連するデータは同一のデータであってもよい。データは同一のフォーマット又は異なるフォーマットを有し得る。別の実施形態では、関連するデータは同一ではないが、類似した信号又は類似したデータを含み得る。関連するデータは、音声データ、マルチメディアデータ、シグナリング情報、又は任意の他の種類のデータを含んでもよい。
【0008】
第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントは、アプリケーションにより支援されるソフトハンドオフを進めるためのサポート、意思、及び呼に関連する情報を、第2の通信リンクの確立前、確立の間、又は確立後にネゴシエーションすることができる。
【0009】
ネットワークは、通信のためにユーザエージェントによって使用されることができる如何なる種類の通信ネットワークであってもよい。ネットワークのタイプの例には、CDMAネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN、グローバルコンピュータネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、移動通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communication)ネットワーク、ユニバーサル移動通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)ネットワーク、及び公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
第2の通信リンクが確立される前に、第2のネットワークが発見される。一旦第2のネットワークが発見されると、ユーザエージェントは、第2の通信リンクが確立される前に、ネットワーク嗜好基準の使用を通じて、第2のネットワークが使用されるべきかどうか判断される。
【0011】
異なるネットワークに渡るソフトハンドオフのための方法であって、ある装置から別の装置へ呼が転送される方法が開示される。第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間での通信のために、第1のネットワークを介した第1の通信リンクが使用される。前記第1の通信リンクを維持しながら、第3のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して第2の通信リンクが確立される。第1の通信リンクと第2の通信リンクがそれぞれ同一の呼について使用されているように、関連するデータが前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信される。前記第1の通信リンクがドロップされ、前記第2の通信リンクを使用して前記第3のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間で通信が継続される。
【0012】
異なるネットワークに渡るソフトハンドオフのためのユーザエージェントも開示される。ユーザエージェントは、プロセッサと、当該プロセッサと電子通信中の(in electronic communication)メモリとを備える。アプリケーションが前記メモリに記憶される。アプリケーションは、異なるネットワークに渡るソフトハンドオフを達成するための方法を実行するようにプログラムされる。前記方法によれば、第1のネットワークを介した第1の通信リンクが、第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間で通信するために使用される。前記第1の通信リンクを維持しながら、前記第1のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して第2の通信リンクが確立される。第1の通信リンクと前記第2の通信リンクがそれぞれ同一の呼について使用されているように、関連するデータが、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信される。前記第1の通信リンクがドロップされ、前記第2の通信リンクを使用して通信が継続される。
【0013】
異なるネットワークに渡るソフトハンドオフのためのネットワークアプリケーションゲートウェイも開示される。ネットワークアプリケーションゲートウェイは、プロセッサと、当該プロセッサと電子通信中のメモリとを備える。アプリケーションが前記メモリに記憶される。アプリケーションは、異なるネットワークに渡るソフトハンドオフを達成するための方法を実行するようにプログラムされる。前記方法によれば、第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間の第1のネットワークを介してネットワークアプリケーションゲートウェイによって第1の通信リンクが有効とされる(enabled)。前記第1の通信リンクを維持しながら、ネットワークアプリケーションゲートウェイと前記第1のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して第2の通信リンクが確立される。第1の通信リンクと前記第2の通信リンクがそれぞれ同一の呼について使用されているように、関連するデータが、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信される。1つの通信リンクが、レガシーユーザエージェントと維持される。前記第1の通信リンクはドロップされ、前記第2の通信リンクを使用して通信が継続される。
【0014】
当業者には、本明細書に開示されるアプリケーションソフトウェアを記憶するのに、コンピュータ読み取り可能な媒体が用いられてもよいことが理解されるであろう。
【0015】
「例示」という語は、本明細書においては専ら「実例、例、又は例証の役目を果たす」意味で使用される。本明細書において「例示」として記載される如何なる実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好適な又は有利なものとして解釈されるべきではない。実施形態の様々な面が図面に提示されているが、特に示されていない限り、図面は必ずしも一定の比率に拡大して描かれているわけではない。
【0016】
以下の説明は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援される異なるタイプの通信ネットワーク間のソフトハンドオフの例示の実施形態を展開するものである。ネットワークブロック図は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルに支援されるユーザエージェントによるソフトハンドオフを説明するものである。モバイルユーザエージェントの一実施形態が示される。ソフトハンドオフを説明するフロー図が示される。新たなネットワークの発見、及び、当該新たなネットワークへ移動すべきかどうかの判断も説明される。ネットワーク発見設定とネットワーク嗜好基準の実施形態が描かれる。レガシーユーザエージェントが本明細書のシステム及び方法と用いられることを許容するためにネットワークアプリケーションゲートウェイが使用されてもよい。いくつかの図は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルに支援されるソフトハンドオフを容易にするネットワークアプリケーションゲートウェイの使用を示す。ブロック図は、ある装置から別の装置への呼の転送を説明する。ある装置から別の装置への呼の転送を達成するための方法が説明される。
【0017】
例示の実施形態は、本説明全体に渡って手本(exemplar)として提供されるものであるが、別の実施形態は本発明の範囲から逸脱することなく様々な面を組み込み得る。特に、本発明はデータ処理システム、無線通信システム、モバイルIPネットワーク、及び、無線信号を受信並びに処理することを望む任意の他のシステムに対して適用できる。
【0018】
図1は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを説明するネットワークブロック図である。第1のユーザエージェント102aは、第2のユーザエージェント102bと電子通信中である。最初の通信リンク106は、第1のネットワーク104aを介している。図示のように、第2のネットワーク104bが存在し、ユーザエージェント102間の通信を容易にしている(facilitating)であろう。
【0019】
第1のネットワーク104aを介する第1の通信リンク106は、どちらのユーザエージェント102から始められていてもよい。本説明の目的のため、第1のユーザエージェント102aは第2のネットワーク104bに気付いており、通信を第1の通信リンク106から第2の通信リンク108に転送することを意図しているものと仮定する。本明細書に開示されるシステム及び方法は、第1のユーザエージェント102aが、第2のユーザエージェント102bとの通信を継続しながら、第1のネットワーク104aから第2のネットワーク104bに移動できるようにする。システムは、ユーザに2つのネットワークの各々を使用する権限が付与されている限り、当該2つのネットワークのタイプや管理的ドメイン(administrative domains)に関わらず通信リンクが維持されるように動作し得る。これは、エンドツーエンド・アプリケーション層プロトコルにより支援されるソフトハンドオフの使用を通じて達成される。
【0020】
ユーザエージェント102の一実施形態では、ユーザエージェント102は、ユーザエージェント102上のアプリケーションソフトウェア(図2に図示)の使用を通じて通信している。ユーザエージェント102上のアプリケーションが通信リンクを新たなネットワーク104bにハンドオフすることを決定すると、ユーザエージェント102は、相手方のアプリケーションに新たなネットワーク104bを介して新たな通信リンク108をセットアップするように信号を送る。新たなリンク108が作動する(up)と、両者のアプリケーションは新たなリンク108の使用を開始し、古いリンク106をリリースする。新たなリンク108が作動すると、しばらくの間同じ情報又はデータがリンク106、108の両者で送信されている。従って、カンファレンシング(conferencing)又はミキシング(mixing)は必要とされない。ユーザエージェント102は、一方のリンク又は他方のリンクを使用し得るが、カンファレンシング状況でよくあるように、異なるリンクが混合されることはない。
【0021】
適当なアプリケーション同期サポート(application synchronization support)が与えられれば、ハンドオフはロスレス(lossless)になり得る。また、ソフトハンドオフは基礎を成す(underlying)ネットワーク104が当該ハンドオフに気付くことを必要とせずに成し得る。ハンドオフは異なるタイプのネットワーク104の間で起こり得る。例えば、回路交換リンク(circuit switched link)をパケット交換リンク(packet switched link)にハンドオフすることができる。
【0022】
通信ネットワーク104は、ユーザエージェント102間で通信を送信できる任意の種類の通信ネットワークであってよい。考えられるネットワーク104の例には、CDMA 1xネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN、インターネット(グローバルコンピュータネットワークとも称される)、W−CDMAネットワーク、GPRSネットワーク、GSMネットワーク、UMTSネットワーク、及びPSTNがあるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
ユーザエージェント102間で送信される通信は音声又はデータであり得る。マルチメディアセッションも本願のシステム及び方法で処理され得る。
【0024】
図2は、モバイルユーザエージェント202の一実施形態における一部の構成要素のブロック図である。図2に示される実施形態では、通信装置202は無線アクセスネットワークに接続されることができる移動端末である。ユーザエージェント102はまた、デスクトップコンピュータ、非モバイル(non−mobile)電話、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話等として具現化されてもよい。ユーザエージェント202は、通信ネットワーク104の使用を通じて通信を容易にすることができる任意の電子装置として広く定義される。図2に示されるモバイルユーザエージェント202は、ユーザエージェント202の多くの実施形態の中で可能な実施形態の一つに過ぎない。また、ユーザエージェント202という用語は、ユーザエージェント202にユーザが必ずしも存在していなくても前述の装置も含む。例えば、ユーザエージェント202はウェブサイトをホスティングするコンピュータであってもよく、遠隔のエンドユーザが当該ウェブサイトユーザエージェント202にアクセス及び通信していてもよい。
【0025】
図示のように、モバイルユーザエージェント202は、中央演算処理装置(CPU)260を含むが、これはユーザエージェント202の動作を制御する。メモリ262は、読み出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の双方を含み得るが、CPU260に命令及びデータを供給する。メモリ262の一部はまた、不揮発性のランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでもよい。使用されているユーザエージェント202のタイプに応じて、メモリ262は、ハードディスクドライブ、リムーバブルドライブといった他の記憶装置を含み得る。
【0026】
メモリは、本明細書に開示されるシステム及び方法を導入するためにアプリケーションソフトウェア220を記憶する。その時々において、CPU260(プロセッサ260とも称される)は本明細書のシステム及び方法を実施するためにアプリケーションソフトウェア220を実行している。もちろん、当業者には、開示されるシステム及び方法を導入するためのアプリケーションソフトウェア220が、ユーザエージェント202を制御するためのより大きなプログラムと一体とされてもよいことが理解されるであろう。結果として、アプリケーションソフトウェア220は、別個のモジュールであってもよく、別のモジュールの一部であってもよく、あるいは、複数の異なるモジュールを含んでもよい。また、本明細書のシステム及び方法を導入するのに専門のハードウェアを使用し得る。
【0027】
モバイルユーザエージェント202はまた、ユーザエージェント202と、セルサイトコントローラ又は基地局1004といったリモートロケーションとの間でデータの送信及び受信を可能とする送信器264と受信器266を含む。モバイルユーザエージェント202は、2以上の送信器264及び2以上の受信器266を有してもよい。送信器264及び受信器266は、トランシーバ268中に結合されてもよい。アンテナ270はトランシーバ268に電気的に結合されている。送信器264、受信器266、及びアンテナ270の動作は、当技術分野で周知であり、本明細書に記載するに及ばない。
【0028】
モバイルユーザエージェント202はまた、トランシーバ268で受信される信号のレベルを検出及び定量化するのに用いられる信号検出器272を含む。信号検出器272は、当技術分野で公知であるように、全エネルギー、擬似ランダム雑音(PN)チップ、電力スペクトル密度といった信号、及び、他の信号を検出する。
【0029】
移動端末202の様々な構成要素は、データバスに加えて、電力バス、制御信号バス、及び状態信号バスを含み得るバスシステム278によって互いに結合される。しかし、明確にするために、様々なバスは図2においてバスシステム278として示されている。
【0030】
図3に、図1に示されるエンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフのための一般的な方法300を示す概要フロー図が示されている。2つのユーザエージェント102は、302で、第1のネットワーク104aの使用を通じて、確立された通信リンク106を有する。第1のユーザエージェント102aは同一の呼を継続するのに、第2のユーザエージェント102bと通信するための異なるネットワーク104bを使用しようと意図する。本明細書で用いられる「呼」という用語は、ユーザエージェント102間の通信として定義される。呼は、音声の呼、データの交換、マルチメディアセッションなどであってもよい。同一の呼を継続することは、ユーザエージェントがどのようなタイプの通信が発生していても継続できるであろうことを意味する。例えば、複数のユーザが話している場合、同一の呼を継続するということはユーザが彼らの会話を中断されることなしに継続できるということを意味するであろう。ユーザがデータを交換している場合、すなわち、アップロード、ダウンロード、又はその両方をしている場合、同一の呼を継続するということは、ユーザがデータ交換を中断されることなしに継続できることを意味するであろう。
【0031】
第1のユーザエージェント102aは、304で、第2のユーザエージェント102bと新たなネットワーク104bを介して新たな通信リンク108を確立する。新たな接続を確立する際には、第1のユーザエージェント102aは第2のユーザエージェント102bに対して、それが新たなリンクで通信される同一の呼又は情報であること(すなわち、それが同一の呼であること)を示す。第1のユーザエージェント102aは、306で、新たなネットワーク104bを使用する新たな接続108が使える状態になるまで、106、108双方の接続を維持し続ける。しばらくの間、同一の又は実質的に類似した情報が2つのリンクを介して送信されていながら、2つの接続又は通信リンクが存在する。それから、第1のネットワーク104aを介した古い接続106は、308でドロップ(drop)され、新たなネットワーク104bを介した新たな接続108が維持され、通信は新たなネットワーク接続108を介して継続する。
【0032】
どちらのユーザエージェント102が新たな通信リンクを開始してもよい。図1乃至3では、例として、第1のユーザエージェント102aが第2のネットワーク104bで新たなリンク108を開始したが、第2のユーザエージェント102bもまた、その後にソフトハンドオフが実行され得る新たなリンクを開始してよいことが理解されるべきである。
【0033】
図4に、ユーザエージェント102bに他のユーザエージェント102aが新たなネットワークへ移動するのを望んでいることが通知されるソフトハンドオフのための一般的な方法400を示す概要フロー図が示されている。ユーザエージェント102bは、402で、他のユーザエージェント102aが同一の呼を通信するために異なるネットワーク104bを使用するのを望んでいることを通知される。ユーザエージェント102a、102bは次に、404で、新たな接続の確立をネゴシエーション(negotiate)及び実行する。ユーザエージェントは、第2の通信リンクの確立前、確立中、又は確立後に、アプリケーションにより支援されるソフトハンドオフを進めるためのサポート、意思(willingness)、及び、呼に関連する情報をネゴシエーションし得る。次にユーザエージェント102bは、406で、新たな接続108に接続し、接続106、108の両方で同一の呼に関するデータの送信を開始する。ユーザエージェント102bは、新たなネットワーク104bを使用する新たな接続108が使える状態になるまで、古い接続106を維持し続ける。ユーザエージェント102bは、第1のネットワーク104aを介する古い接続106は、408で、ドロップされ得ること、及び、新たなネットワーク104bを介する新たな接続108が維持されること、及び、通信は新たなネットワーク接続108を介して継続することを示すメッセージを他のユーザエージェント102aから受信してもよい。
【0034】
図5は、新たなネットワーク104bの発見、及び、当該新たなネットワーク104bへ移動すべきかどうかの決定を示すフロー図500である。ユーザエージェント102aは現在第1のネットワーク104a内であって、502で、第2のユーザエージェント102bと通信リンク106を有している。第1のユーザエージェント102aは、504で、新たなネットワーク104bを発見する。第1のユーザエージェント102aは次に、506で、以下に説明するネットワーク嗜好基準に基づいて、現在の接続を新たなネットワーク104bに切り替えられるべきかどうかを決定する。ネットワーク嗜好基準は、新たなネットワーク104bが使用されるべきかどうか決定するのに用いられ得る。508で、新たなネットワーク104bが使用されない場合、ユーザエージェント102aは新たなネットワーク104bを使用せず、510で現在のネットワーク104a及び現在の通信リンク106と通常の動作を継続するという決定を記録(log)してもよい。新たなネットワーク104b及び新たな通信リンク108が使用される場合、ユーザエージェント102aは512で、新たなネットワーク104bを介して第2のユーザエージェント102bと新たな通信リンク108を確立する。512で新たな接続を確立する際、第1のユーザエージェント102aは、呼識別(呼ID(call ID))を第2のユーザエージェント102bに送信することで第1の通信リンク106を識別する。呼IDは、特定の通信区間(communication leg)を識別するのに用いられる識別であって、本明細書のシステム及び方法を特定のタイプのネットワーク又は特定のタイプの通信に限定することを意味するものではない。
【0035】
ユーザエージェント102a、102bは514で、新たなネットワーク104bを使用する新たな通信リンク108が使用できる状態になるまで、通信リンク106、108の両者を維持し続ける。それから、第1のネットワーク104aを介する古い接続106はドロップされてもよく、新たな通信リンク108又は新たなネットワーク104bを介する接続108は維持され、通信は新たなネットワーク接続108を介して継続する。
【0036】
図6は、ネットワーク発見設定602の一実施形態を示すブロック図である。ネットワーク発見設定602は、どのように新たなネットワーク104が発見されるべきかを定義する。図示のように、ネットワーク発見は、自動604であってもよく、あるいは、ユーザによって手動606でなされてもよい。自動ネットワーク発見設定604がある場合、ユーザエージェント102は、ユーザの介入無しに新たなネットワーク104を自動的にスキャン及び/又は発見する。ネットワーク発見設定が手動606の場合、ユーザの介入が必要となり得る。
【0037】
自動設定604は、新たなネットワークのスキャンデータ608、及び/又は地理的なトリガ(geographic trigger)の使用データ610を含んでもよい。新たなネットワークのスキャンデータ608は、新たに利用可能となったネットワークを、当業者に公知のように様々な手段を用いてスキャンするようにユーザエージェント102を設定する(configure)。地理的なトリガの使用データ610は、ユーザエージェント102を地理的なロケーション及び設定に基づいて新たなネットワーク104を使用するように設定する。
【0038】
手動ネットワーク発見設定606が使用される場合、新たなネットワーク104の使用はユーザにより開始される。例えば、ユーザが当該ユーザのエリアの無線LANに気付くと、ユーザは手動で、ユーザエージェント102にその通信リンクを無線LANに転送させてもよい。
【0039】
図7は、ネットワーク嗜好基準702の一実施形態のブロック図である。ネットワーク嗜好基準702は、コスト704、プロバイダ706、タイプ708、セキュリティ710、サービスの質712、及び/又はその他の項目714を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。コスト704基準は、ユーザエージェント102をコストに基づいて新たなネットワーク104に切り替えるように設定するのに用いられる。コストに基づいた切り替えは、自動的であってもよいし、ユーザ確認を必要としてもよい。コスト704基準の考えられる用途としては、ユーザエージェント102を利用可能な最も安価なネットワーク104に切り替えさせることがあり得る。
【0040】
プロバイダ706基準は、ユーザエージェント102をネットワーク104のプロバイダに基づいて新たなネットワーク104に切り替えるように設定するのに用いられ得る。プロバイダに基づく切り替えは、自動的であってもよいし、ユーザ確認を要求してもよい。プロバイダ706基準の考えられる用途としては、特定のプロバイダのネットワークの一つが利用可能である場合、ユーザエージェント102を特定のプロバイダに切り替えることがあり得る。
【0041】
タイプ708基準は、ユーザエージェント102をネットワーク104のタイプに基づいて新たなネットワーク104に切り替えるように設定するのに用いられ得る。タイプに基づく切り替えは、自動的であってもよいし、ユーザ確認を要求してもよい。タイプ708基準の考えられる用途としては、特定のタイプのネットワークが利用可能である場合、ユーザエージェント102を特定のタイプのネットワーク(例えば、無線LAN)に切り替えさせることができる。
【0042】
セキュリティ710基準は、ユーザエージェント102をネットワーク104のセキュリティサポートに基づいて新たなネットワーク104に切り替えるように設定するのに用いられ得る。サービスの質712基準は、ユーザエージェント102をネットワーク104のサービスの質のサポート(帯域、遅延等)に基づいて新たなネットワーク104に切り替えるように設定するのに用いられ得る。
【0043】
当業者には、その他714のネットワーク嗜好基準702が用いられてもよいことが理解されるべきである。また、ユーザエージェント102は、いつ新たなネットワーク104に切り替えるかを決定するのに基準702の組み合わせを用いてもよい。
【0044】
図8は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを容易にするネットワークアプリケーションゲートウェイ801を使用するシステム800のブロック図である。第1のユーザエージェント802aは、本明細書に記載されるシステム及び方法に従って、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフ用に設定されている。図8に示されるレガシー(legacy)ユーザエージェント803は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフ用に設定されていない。ネットワークアプリケーションゲートウェイ801は、レガシーユーザエージェント803について、第1のネットワーク804aから第2のネットワーク804bへの接続の転送を容易にする。ネットワークアプリケーションゲートウェイ801は、新たなネットワークへのソフトハンドオフを可能にするために、図1−7に関連して説明されたような機能性を含む。また、ネットワークアプリケーションゲートウェイ801はアクティブな接続(active connection)をレガシーユーザエージェント803に渡す。ネットワークアプリケーションゲートウェイ801は、IPネットワークとアクセスネットワークの境界に設置されてもよい。ネットワークアプリケーションゲートウェイ801は、回路交換ネットワーク及びパケット交換ネットワークの双方と通信可能であろうから、それはコアネットワークに設置されてもよい。
【0045】
図9は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを容易にするためにネットワークアプリケーションゲートウェイ801を用いる方法を示すフロー図である。ユーザエージェント802aは現在、第1のネットワーク804a内におり、902で、ネットワークアプリケーションゲートウェイ801を介してレガシーユーザエージェント803と通信リンクを有している。ユーザエージェント802aは、904で、新たなネットワーク804bを発見する。ユーザエージェント802aは次に906で、ネットワーク嗜好基準702に基づいて、現在の接続は新たなネットワーク804bに切り替えられるべきかどうかを判断する。908で、新たなネットワーク804bが使用されない場合、ユーザエージェント802aは、新たなネットワーク804bを使用しないという決定を記録し、910で現在のネットワーク804a及び現在の通信リンクと通常の動作を継続してもよい。新たなネットワーク804bと新たな通信リンクが使用される場合、ユーザエージェント802aは912で、新たなネットワーク804bを介してネットワークアプリケーションゲートウェイ801と新たな通信リンク808を確立する。912で、新たな接続を確立する際、ユーザエージェント802aは、呼IDをネットワークアプリケーションゲートウェイ801に送信することで第1の通信リンク806を識別する。
【0046】
ユーザエージェント802aは914で、新たなネットワーク804bを使用する新たな通信リンク808が使用できる状態になるまで、通信リンク806、808の双方を維持し続ける。次に、第1のネットワーク804aを介した古い接続806は916でドロップされてもよく、新たな通信リンク808又は新たなネットワーク804bを介した接続808が維持され、通信が新たなネットワーク接続808を介して継続する。ネットワークアプリケーションゲートウェイ801は、アクティブな通信リンクをレガシーユーザエージェント803に渡す。従って、ユーザエージェント802は、新たなネットワーク804bに切り替えること、及び、レガシーユーザエージェント803が新たなネットワークへのソフトハンドオフを容易にするように設定されていなくても、同一の呼をレガシーユーザエージェント803と維持することができる。この機能性はネットワークアプリケーションゲートウェイ801によって提供される。
【0047】
図10は、エンドツーエンド・アプリケーション・プロトコルにより支援されるソフトハンドオフを容易にするためのネットワークアプリケーションゲートウェイ1001を使用するシステムの別の実施形態のブロック図である。ネットワークアプリケーションゲートウェイ1001は2つのメディアストリーム1008a、1008bを2つの異なるネットワーク1004b、1004cから受信する。図10に示されるように、シグナリング(signaling)1006は、第1のネットワーク1004aを介して通信されてもよい。ネットワークアプリケーションゲートウェイ1001はネットワーク1004の1つからのストリームを使用することを選択し得る。特に、それは、2つの異なるネットワーク1004b、1004cからのメディアストリーム1008が同じであると分かっているためである。第1のユーザエージェント1002aがネットワーク1004の1つに完全に移動する、又は、ネットワーク1004の1つの強さが変動する(fade)と、第1のユーザエージェント1002aは強さが変動しているセッションを終了させ、呼を新たなネットワークを介して継続し得る。ネットワークアプリケーションゲートウェイ1001はシグナリング及びメディアストリーム1006、1008を更なるネットワーク1004dを介して送信してもよい。
【0048】
図11は、ある装置から別の装置への呼の転送を説明するブロック図である。ユーザエージェント1102aは、第2のユーザエージェント1102bに対して第1のネットワーク1104aを介して現在の通信リンク1106接続に従事していると仮定する。次に、ユーザは、同一の呼を第3のユーザエージェント1102cに転送することを欲する。例えば、ユーザは、接続にデスクトップコンピュータを使用しており、呼又はセッションを継続するのに当該接続を自身の携帯電話に転送したいと望むかもしれない。図12に示される方法を通じて、ユーザは呼をある装置から別の装置へ転送し、呼又はセッションに従事し続け得る。
【0049】
図12は、図11に示されるような、ある装置から別の装置への呼の転送を説明するフロー図である。第1のユーザエージェント1102aは現在、1202で、第2のユーザエージェント1102bとの通信リンク1106に従事しており、通信リンクを第3のユーザエージェント1102cに転送したいと望んでいる。ユーザエージェント1102a、1102bは、1204で、第3のユーザエージェント1102cを使用する呼のために新たな接続を確立すること、新たな接続は現在の呼と同一の呼になることを協定する。第3のユーザエージェント1102cは次に、1206で、第2のユーザエージェント1102bと通信リンクを確立する。第2のユーザエージェント1102bは、同一の情報/メディアを第1のユーザエージェント1102a及び第3のユーザエージェント1102cに送信する。第2のユーザエージェント1102bは2組のメディアを受信するが、一方は第1のユーザエージェント1102aからであり、一方は第3のユーザエージェント1102cからである。第2のユーザエージェント1102bは上記メディアセットの一方を使用し、他方を無視することを選択し得る。通常、ユーザエージェント1102が第1の通信リンク1106を終了する準備ができるまで、しばらくの間は通信リンク1106、1108の双方が1208で維持される。一旦第2の通信リンクが1206で確立され、1208で維持されると、第1のユーザエージェント1102aは1210で、第1の通信リンク1106を終了し得る。ユーザは、新たな通信リンク1108を介して第3のユーザエージェント1102cと呼を接続するであろう。
【0050】
当業者は、情報や信号が、様々な異なる技術や技法のうち任意のものを用いて表されてもよいことを理解するであろう。例えば、上記の説明の全体に渡って言及され得る、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光学場もしくは光学粒子、又はこれらの任意の組み合わせで表されてもよい。
【0051】
当業者は、本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウエア、又はこれらの組み合わせとして実現され得ることをさらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウエアのこの互換性を明瞭に解説するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップを、一般的にその機能性の点から上述した。このような機能性がハードウェアとして実現されるかソフトウエアとして実現されるかは、特定の応用例とシステム全体に課せられた設計上の制約に依存する。熟練工は、既述された機能性を各々の特定の応用例について様々な方法で実現し得るが、そのような実現にあたっての決定は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈すべきではない。
【0052】
本明細書に開示される実施形態と関連して説明した、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィルードプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウエアコンポーネント又は本明細書に記載される機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせによって実現もしくは実行されてよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、別の例では、当該プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態機械であってよい。プロセッサはまた、計算デバイスの組み合わせとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実現されてもよい。
【0053】
本明細書に開示される実施形態と関連して説明される方法又はアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールで、又はこの両者の組み合わせで実施され得る。ソフトウエアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は当技術分野で公知の任意の他の記憶媒体形態の中に常駐してもよい。例示の記憶媒体は、プロセッサが情報を記憶媒体から読み取ったり、記憶媒体に情報を書き込んだりすることが可能であるようにプロセッサに結合される。別の例では、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。プロセッサと記憶媒体とは、ASIC中に常駐し得る。ASICは加入者局中に常駐してもよい。別の例では、プロセッサと記憶媒体とは加入者局中で別個のコンポーネントとして常駐し得る。
【0054】
本明細書に開示される方法は、記載された方法を実現するための1以上のステップ又はアクションを含む。方法のステップ及び/又はアクションは、本発明の範囲から逸脱することなく、互いに置き換えられてもよい。換言すれば、実施形態の適当な動作に特定の順序のステップ又はアクションが必要とならない限り、特定のステップ及び/又はアクションの順序及び/又は使用は、本発明の範囲から逸脱することなく変形され得る。
【0055】
開示される実施形態の上記の説明は、いかなる当業者も本発明を構成したり使用したりすることを可能とするために提供されるものである。これらの実施形態に対する様々な変形は、当業者にとっては容易に明らかであり、また、本明細書に定義される一般的な原理は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と合致する最も広い範囲と一致すべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるネットワークにわたるソフトハンドオフのための方法であって、前記方法は、
第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間で第1のネットワークを介した第1の通信リンクを使用して通信することと、
同一の呼について第2の通信リンクを使用することをネゴシエーションすることと、
前記第1の通信リンクを維持しながら、前記第1のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して前記第2の通信リンクを確立することと、
関連するデータを、当該関連するデータが前記同一の呼のためのものであるように、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信することと、
前記第1の通信リンクをドロップすることと、
前記第2の通信リンクを使用して通信を継続することと、
を備える。
【請求項2】
前記第1のユーザエージェントはアプリケーションを含み、当該アプリケーションは、前記第2の通信リンクの前記確立、及び、前記関連するデータの前記送信を実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関連するデータは同一のデータフォーマットを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記関連するデータは異なるデータフォーマットを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記関連するデータは音声データである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記関連するデータはマルチメディアデータである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記関連するデータは前記同一の呼のためのシグナリング情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のユーザエージェントは前記関連するデータを前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクから受信しており、前記第2のユーザエージェントは前記通信リンクの1つのみからの前記関連するデータを使用する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のネットワーク及び前記第2のネットワークはそれぞれ、CDMAネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN、グローバルコンピュータネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、移動通信用グローバルシステム(GSM)ネットワーク、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)ネットワーク、及び公衆交換電話網(PSTN)から成る群から選択されるネットワークである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の通信リンクが確立される前に、前記第2のネットワークを発見することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の通信リンクが確立される前に、ネットワーク嗜好基準の使用を通じて、前記第2のネットワークが使用されるべきかどうか判断することを更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のユーザエージェントは、レガシーユーザエージェントを備え、ネットワークアプリケーションゲートウェイは前記第1のネットワークから前記第2のネットワークへの前記ハンドオフを容易にする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の通信リンクの前記確立の前に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の通信リンクの前記確立の間に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の通信リンクの前記確立の後に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
異なるネットワークにわたるソフトハンドオフのための方法であって、前記方法は、
第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間で第1のネットワークを介した第1の通信リンクを使用して通信することと、
同一の呼について第2の通信リンクを使用することをネゴシエーションすることと、
前記第1の通信リンクを維持しながら、第3のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して前記第2の通信リンクを確立することと、
関連するデータを、当該関連するデータが前記同一の呼のためのものであるように、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信することと、
前記第1の通信リンクをドロップすることと、
前記第2の通信リンクを使用して前記第3のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間で通信を継続することと、
を備える。
【請求項17】
異なるネットワークにわたるソフトハンドオフのためのユーザエージェントであって、前記ユーザエージェントは、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信中のメモリと、
前記メモリに記憶されたアプリケーションと、
を備え、前記アプリケーションは、
第2のユーザエージェントと第1のネットワークを介した第1の通信リンクを使用して通信することと、
第2の通信リンクを使用することをネゴシエーションすることと、
前記第1の通信リンクを維持しながら、前記第2のユーザエージェントと第2のネットワークを介して前記第2の通信リンクを確立することと、
関連するデータを、当該関連するデータが同一の呼のためのものであるように、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信することと、
前記第1の通信リンクをドロップすることと、
前記第2の通信リンクを使用して通信を継続することと、
を備える方法を実行するように設定されている。
【請求項18】
前記関連するデータは同一のデータフォーマットを有する、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項19】
前記関連するデータは異なるデータフォーマットを有する、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項20】
前記関連するデータは音声データである、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項21】
前記関連するデータはマルチメディアデータである、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項22】
前記関連するデータは前記同一の呼のためのシグナリング情報を含む、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項23】
前記第1のネットワーク及び前記第2のネットワークはそれぞれ、CDMAネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN、グローバルコンピュータネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、移動通信用グローバルシステム(GSM)ネットワーク、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)ネットワーク、及び公衆交換電話網(PSTN)から成るグループから選択されるネットワークである、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項24】
前記アプリケーションにより実行される前記方法は、前記第2の通信リンクが確立される前に、前記第2のネットワークを発見することを更に備える、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項25】
前記アプリケーションにより実行される前記方法は、ネットワーク嗜好基準の使用を通じて前記第2の通信リンクが確立される前に、前記第2のネットワークが使用されるべきかどうか判断することを更に備える、請求項24に記載のユーザエージェント。
【請求項26】
前記第2のユーザエージェントはレガシーユーザエージェントを備え、前記アプリケーションにより実行される前記方法は、前記第1のネットワークから前記第2のネットワークへの前記ハンドオフを容易にするネットワークアプリケーションゲートウェイと通信することを更に備える、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項27】
前記アプリケーションにより実行される前記方法は、前記第2の通信リンクの前記確立の前に、前記ネゴシエーションを実行する、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項28】
前記アプリケーションにより実行される前記方法は、前記第2の通信リンクの前記確立の間に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項29】
前記アプリケーションにより実行される前記方法は、前記第2の通信リンクの前記確立の後に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項17に記載のユーザエージェント。
【請求項30】
異なるネットワークにわたるソフトハンドオフのためのネットワークアプリケーションゲートウェイであって、前記ネットワークアプリケーションゲートウェイは、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信中のメモリと、
前記メモリに記憶されたアプリケーションと、
を備え、
前記アプリケーションは、
第1のネットワークを介した第1の通信リンクを使用して第1のユーザエージェントとレガシーユーザエージェントとの間の通信ができるようにすることと、
第2の通信リンクを使用することをネゴシエーションすることと、
前記第1の通信リンクを維持しながら、前記第1のユーザエージェントと第2のネットワークを介して前記第2の通信リンクを確立することと、
一の通信リンクを前記レガシーユーザエージェントと維持しながら、関連するデータを、前記関連するデータが同一の呼のためのものであるように、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信することと、
前記第1の通信リンクをドロップすることと、
前記第2の通信リンクを使用して通信を継続すること、
を備える方法を実行するように設定されている。
【請求項31】
プログラムデータを記憶するためのコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記プログラムデータは、通信装置において方法を実行するための実行可能な命令を備え、前記方法は、
第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間で第1のネットワークを介した第1の通信リンクを使用して通信することと、
同一の呼について第2の通信リンクを使用することをネゴシエーションすることと、
前記第1の通信リンクを維持しながら、前記第1のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して前記第2の通信リンクを確立することと、
関連するデータを、当該関連するデータが前記同一の呼のためのものであるように、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信することと、
前記第1の通信リンクをドロップすることと、
前記第2の通信リンクを使用して通信を継続することと、
を備える。
【請求項32】
前記関連するデータは同一のデータフォーマットを有する、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項33】
前記関連するデータは異なるデータフォーマットを有する、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項34】
前記関連するデータは音声データである、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項35】
前記関連するデータはマルチメディアデータである、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項36】
前記関連するデータは前記同一の呼のためのシグナリング情報を含む、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項37】
前記第2のユーザエージェントは前記関連するデータを前記第1の通信リンク及び前記第2の通信リンクから受信しており、前記第2のユーザエージェントは前記通信リンクの1つのみからの前記関連するデータを使用する、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項38】
前記第1のネットワーク及び前記第2のネットワークはそれぞれ、CDMAネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN、グローバルコンピュータネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、移動通信用グローバルシステム(GSM)ネットワーク、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)ネットワーク、及び公衆交換電話網(PSTN)から成るグループから選択されるネットワークである、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項39】
前記第2の通信リンクが確立される前に、前記第2のネットワークを発見することを更に備える、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項40】
前記第2の通信リンクが確立される前に、ネットワーク嗜好基準の使用を通じて、前記第2のネットワークが使用されるべきかどうか判断することを更に備える、請求項39に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項41】
前記第2のユーザエージェントは、レガシーユーザエージェントを備え、ネットワークアプリケーションゲートウェイは前記第1のネットワークから前記第2のネットワークへの前記ハンドオフを容易にする、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項42】
前記第2の通信リンクの前記確立の前に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項43】
前記第2の通信リンクの前記確立の間に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項44】
前記第2の通信リンクの前記確立の後に、前記ネゴシエーションが実行される、請求項31に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項45】
プログラムデータを記憶するためのコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記プログラムデータは、通信装置において方法を実行するための実行可能な命令を備え、前記方法は、
第1のユーザエージェントと第2のユーザエージェントとの間で第1のネットワークを介した第1の通信リンクを使用して通信することと、
同一の呼について第2の通信リンクを使用することをネゴシエーションすることと、
前記第1の通信リンクを維持しながら、第3のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間に第2のネットワークを介して前記第2の通信リンクを確立することと、
関連するデータを、当該関連するデータが前記同一の呼のためのものであるように、前記第1の通信リンクと前記第2の通信リンクを介して送信することと、
前記第1の通信リンクをドロップすることと、
前記第3のユーザエージェントと前記第2のユーザエージェントとの間で前記第2の通信リンクを使用して通信を継続することと、
を備える。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−213183(P2012−213183A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−120720(P2012−120720)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2011−218(P2011−218)の分割
【原出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】