説明

エールリヒア症に対する保護のためのイヌワクチン

本発明は、安全かつ効率的なワクチン組成物を提供する。この組成物は、効率的に免疫化する量の不活性化Ehrlichia canisバクテリンと、薬学的に受容可能なキャリアと、免疫原性を刺激する量のアジュバント系とを含み、該アジュバント系は、本質的に抗体応答誘導因子および細胞媒介性免疫応答誘導因子からなる。本発明はまた、イヌにおけるイヌエールリヒア症の予防または軽減のための方法を提供する。本発明はさらに、試験動物において臨床的なE.canis感染を誘導するための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
イヌエールリヒア症は、血液由来の細胞内病原体であるEhrlichia canis(E.canis)によって引き起こされる致死性の疾患であり、いかなる成長期においてもイヌのすべての品種(breed)に感染する。イヌエールリヒア症は、クリイロコイタマダニであるRhipicephalus sanguineousによって主に伝染され、このイヌダニは、この疾患の主な貯蔵庫であると考えられている。イヌエールリヒア症は、米国の風土病であり、世界中で生じる潜在的に致死性の疾患である。症状は、一般に、生物体の菌株および宿主の免疫状態に依存して、急性の病状から慢性の病状に進行する。急性の症例では、症状としては、粘液膿性の眼漏および粘液膿性の鼻汁、脱水症、細網内皮過形成、発熱、全身性リンパ節症、巨脾腫ならびに血小板減少が挙げられる。慢性の症例では、食欲不振の可変サイン(variable sign)、抑うつ、体力の喪失、歩行のぎこちなさ(stiffness)および歩行に対する消極性(reluctance)、四肢または陰嚢の水腫、ならびに咳嗽または呼吸困難が生じ得る。
【0002】
現在、イヌエールリヒア症の有効な処置または予防に利用可能なワクチンは存在しない。エールリヒア症のすべての形態に対する共通の処置は、テトラサイクリンのような抗生物質を、急性の症例には最低限2週間、または慢性の症例では1〜2ヶ月間投与することである。慢性の症例では、血液学的異常が3〜6ヶ月間、あるいは一生涯持続し得る。支持療法は、るいそう(wasting)および特定の臓器機能不全に対抗する必要があり得る。明らかに、この疾患の有効な予防が、感染後抗生物質養生法よりも好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、イヌにおけるイヌエールリヒア症に対する防御免疫の誘導のために有用な、安全かつ有効なワクチン組成物を提供することが本発明の1つの目的である。
【0004】
イヌにおけるイヌエールリヒア症の予防または改善のための方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0005】
試験動物における臨床的なイヌエールリヒア症の誘導のための方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。この方法は、宿主防御機構および発病機構の評価および研究、ならびにエールリヒア症に対するワクチンの改善された開発に有用である。
【0006】
ワクチン組成物が、種々の地理的領域に由来するE.canisの複数の株に対してイヌを保護し得るということが、本発明の特徴である。
【0007】
イヌエールリヒア症に対する有効な防御免疫が、いかなる年齢のイヌにも与えられ得るということが、本発明の別の特徴である。
【0008】
本発明のさらなる目的および特徴は、本明細書中以下に示される詳細な説明から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、安全かつ有効なワクチン組成物を提供し、この組成物は、以下を含む:有効な免疫化量の不活性化Ehrlichia canisバクテリン、薬理学的に受容可能なキャリア、ならびに抗体応答誘導因子および細胞媒介性免疫(CMI)応答誘導因子を含むかもしくは本質的にこれらからなる免疫原性を刺激する量のアジュバント系。
【0010】
本発明はまた、イヌにおけるイヌエールリヒア症を予防または改善するための方法を提供する。
【0011】
本発明はさらに、試験動物において臨床的なE.canis感染を誘導するための方法を提供し、この方法は、宿主防御機構および発病のメカニズムの研究および評価、ならびにイヌエールリヒア症の処置および予防の先進的開発に有用である。
【0012】
(発明の詳細な説明)
イヌエールリヒア症の原因因子は、Rickettsiales目のグラム陰性細菌のEhrlichia canis(E.canis)であり、これは、循環する哺乳動物白血球において個々にもしくは小型の封入のいずれかを生じ、マダニにより運ばれる。イヌエールリヒア症は、米国の多くの地域の風土病であり、世界中で生じることが知られている。急性の自然発生的なイヌエールリヒア症は、ロッキー山熱と似た症状を呈する。ほとんどの急性の症例は、より暖かい月に生じ、これはマダニベクターの最も高い活性と一致する。イヌエールリヒア症は、致死性の疾患である。イヌエールリヒア症は、頻繁に慢性の疾患であり、どの年齢のイヌにも影響を与え、多様な症状(例えば、食欲不振、抑うつ、体力の喪失、歩行のぎこちなさ(stiffness)および歩行に対する消極性(reluctance)、四肢または陰嚢の水腫、咳嗽または呼吸困難)を生じ得る。これまで、イヌエールリヒア症に対して利用可能な有効なワクチン接種または免疫処置は知られていない。
【0013】
ここで驚くべきことに、有効な免疫化量の不活性化E.canisバクテリン、薬理学的に受容可能なキャリア、ならびに本質的に抗体応答誘導因子および細胞媒介性免疫(CMI)応答誘導因子からなる免疫原性を刺激する量のアジュバント系を含み、イヌエールリヒア症を予防または改善するためにどの成長段階のイヌにも(好ましくは、16週齢以上)投与し得るワクチン組成物が見出された。
【0014】
本発明のワクチン組成物で使用するのに適切なE.canisバクテリンは、1以上の株のバクテリンであり得る。本発明のワクチン組成物で使用するのに適切なE.canisバクテリンは、1以上の株(例えば、Ebony、Broadfoot、Florida、Israel 611、Kogashima 1、Louisiana、Oklahoma、Venezuela、North Carolina State University(NCSU)株Jake、NCSU単離体Demon、DJおよびFuzzy、それらの命名された株のいずれかによるE.canis感染細胞株、それらの命名された株のいずれかによるE.canis感染DH82細胞株またはアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、Rockville、MD)に寄託されたE.canis感染DH82細胞株と称されるバクテリン、および米国特許第5,192,679号などに開示されるように受託番号CRL 10390を与えられたバクテリン)であり得る。本発明のワクチン組成物で使用するのに適切なE.canisバクテリンは、好ましくは、E.canisの2つの株(例えば、EbonyおよびBroadfoot)であり得る。
【0015】
例えば、Ebony株は、16S組換えDNA(rDNA)配列に基づき、Oklahoma株と99.9パーセント相同であり(すなわち、1つのヌクレオチドが異なる)[Mathew JSら、Attempted transmission of Ehrlichia canis by Rhipicephalus sanguineus after passage in cell culture,Am J Vet Res 1996 Nov;57(11):1594−8]、若虫のダニおよび成虫のクリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)(Mathew 1996)によってイヌに対して伝染性であることが示されてきた。
【0016】
Florida株は、保存された主要な免疫反応性の28kDaタンパク質遺伝子を含むこと(米国特許第6,458,942号)およびomp−1同義遺伝子ファミリーに属するp 30遺伝子を含むこと(米国特許第6,432,649号)が開示されている。さらに、米国特許第6,043,085号は、Florida株が各々36個のアミノ酸を有する14の繰り返し(これらは、表面に曝露されていると推定される)を含む120kDaの免疫優性の抗原タンパク質を有することを開示する。繰り返し単位は親水性であり、そのタンパク質の表面に曝露された領域のコアを形成し、セリンおよびグルタミン酸が豊富である。セリンおよびグルタミン酸は各々、繰り返し単位のアミノ酸の19%を占める。Florida株は、E.canis株NCSU Jakeよりも毒性が低いと考えられる[Breitschwerdtら、Doxyycline hyclate treatment of experimental canine Ehrlichiosis followed by challnege inoculation with two Ehrlichia canis strains,Antimicrobial Agents and Chemotherapy、1998 Feb;42(2):362−68]が、Oklahoma株との血清学的比較により、100%の特異性および87.5%の感受性が明らかになっている[Dawson JEら、Serological comparison of human ehrlichiosis using two Ehrlichia canis isolates.J Infect Dis.1991 Mar;163(3):564−7]。
【0017】
連続継代イヌ細胞株(例えば、DH82)において増殖されること(Keysary Aら、The first isolation,in vitro propagation,and genetic characterization of Ehrlichia canis in Israel,Vet.Parasitol.1996 Apr;62(3−4):331−40)に加えて、Israel 611株は、連続継代マウスマクロファージ細胞株(例えば、J774.A1)で増殖されている(Keysary Aら、Cultivation of Ehrlichia canis in a continuous BALB/C mouse macrophage cell culture line,J Vet Diag.Invest.2001 Nov;13(6):521−3)。Israel 611は、2つの形態((1)しっかりと充填された形態、および(2)ゆったりと充填された形態)の桑実胚を有し、その16S rRNA遺伝子配列は、Oklahoma株と3つのヌクレオチドが異なり、Florida株とは4個のヌクレオチドが異なり1つのヌクレオチドのギャップが各々に存在する(Keysary 1996)。Oklahoma株との相同性の相違の程度は、0.54パーセントであり、一方でFlorida株との相違は、0.61パーセントである(Keysary、1996)。
【0018】
Florida株と同様に、Louisiana株は、保存された主要な免疫反応性の28kDaのタンパク質遺伝子(米国特許第6,458,942号)、omp−1同義遺伝子ファミリーに属するp 30遺伝子(米国特許第6,432,649号)、および米国特許第6,043,085号に開示されるように、各々36個のアミノ酸を有する14の繰り返しを含む120kDaの免疫優性の抗原タンパク質を有し、これらは、表面に曝露されていると予測される。この繰り返し単位は親水性で、そのタンパク質の表面に曝露されている領域のコアを形成し、そしてセリンおよびグルタミン酸に富む。セリンおよびグルタミン酸は各々、繰り返し単位のアミノ酸の19%を占める。
【0019】
また同様に、Oklahoma株は、保存された主要な免疫反応性の28kDaのタンパク質遺伝子(米国特許第6,458,942号)、omp−1同義遺伝子ファミリーに属するp 30遺伝子(米国特許第6,432,649号)、米国特許第6,043,085号に開示されるように、各々36個のアミノ酸を有する14の繰り返しを含む120kDaの免疫優性の抗原タンパク質を有し、これらは、表面に曝露されていると予測される。この繰り返し単位は親水性で、そのタンパク質の表面に曝露されている領域のコアを形成し、そしてセリンおよびグルタミン酸に富む。セリンおよびグルタミン酸は各々、繰り返し単位のアミノ酸の19%を占める。さらに、McBride JWらは、Oklahomaが、548〜688個のアミノ酸のタンパク質をコードする糖タンパク質遺伝子(2,064bp)(わずか61kDaおよび73kDaの予測分子量であるが、それぞれ140kDa(P140)の電気泳動移動度である)を有することを見出した。140kDaのタンパク質遺伝子は、ほぼ同一で直列に配置された108bpの繰り返し単位を14個有する。P140遺伝子(1,620bp)の14個の繰り返し領域(78%)は、Escherichia coliで発現された。その組換えタンパク質は、そのアミノ酸配列によって予測される分子量よりも1.6倍〜2倍大きい範囲の分子量を示した。その組換えタンパク質に対する抗体は、E.canis P140と反応する。炭水化物がE.canis組換えタンパク質で検出された。炭水化物組成分析により、組み換えタンパク質においてグルコース、ガラクトースおよびキシロースが同定された。1つの部位にのみN結合(Asn−Xaa−Ser/Thr)グリコシル化が存在すること、N−グリコシダーゼ Fの効果の喪失、P120およびP140の繰り返し単位においてそれぞれ70および126のSer/Thrグリコシル化部位が存在すること、ならびにタンパク質に対する炭水化物の高いモル比は、グリカンがO結合型であり得ることを示唆する(McBride JWら、Glycosylation of Homologous Immunodominant Proteins of Ehrlichia chaffeensis and Ehrlichia canis.Infection and Immunity,2000年1月、68(1):13−18)。Oklahomaは、12.5%ウシ胎仔血清と200mMのL−グルタミンとを含む最小必須培地中のイヌマクロファージ細胞株DH82で増殖し得る(Bowie,M.V.ら、Potential value of major antigenic protein 2 for serological diagnosis of heartwater and related Ehrlichial infections,Clin.Diagnostic Lab.Immun.,1999年3月;6(2):209−15)。FL株との血清学的な比較により、100%の特異性および87.5%の感受性が明らかになった(Dawson 1991、前出)。16S rDNA配列に基づき、99.9パーセントの類似性が、株Ebony(Mathew 1996)、Kagoshima 1(Unver Aら、Analysis of 16S rRNA gene sequences of Ehrlichia canis,Anaplasma platys,and Wolbachia species from canine blood in Japan,Ann NY Acad.Sci.2003年6月;990:692−8)、およびVenezuela(Unver Aら、Molecular and antigenic comparison of Ehrlichia canis isolates from dogs,ticks,and a human in Venezuela.J Clin Microbiol.2001年8月;39(8):2788−93)によって見出されている。
【0020】
NCSU単離体であるDemon、DJおよびFuzzy、ならびに株Jakeについて、これらすべてが保存された主要な免疫反応性の28kDaのタンパク質遺伝子(米国特許第6,458,942号)を有する。DJ、FuzzyおよびJakeはまた、omp−1同義遺伝子ファミリーに属するp 30遺伝子(米国特許第6,432,649号)を有することが開示されている。Jakeは、Florida株よりも毒性であると考えられる(Breitschwerdt 1998、前出)。
【0021】
Kagoshima 1の16S rRNA配列のほぼ全体が、99.9パーセントの配列同一性で、Oklahoma E.canis株およびVenezuela E.canis株由来の配列とほとんど同じである(1,387塩基対のうち1塩基対の相違)ことが見出された(Unver 2003、前出)。Kagoshima 1株に対するその高い配列同一性に加えて、そしてそのことと同様に、Venezuela株は、16S rDNA配列に基づき、Oklahoma株と99.9パーセント同じである(Unver 2001)。
【0022】
好ましい実施において、E.canisバクテリンは、ウシ胎仔血清と、グルコースとグルタミンとを補充したRPMI1640を含む培地に補助されたイヌ単球マクロファージ細胞株(時々、連続イヌマクロファージ細胞またはイヌマクロファージ細胞株と称される)中で増殖される。好ましくは、これらの細胞は、補助培地(10%までのウシ胎仔血清、0.5%ラクトアルブミン加水分解物、30μg/mL Polymyxin B、110μg/mL ピルビン酸ナトリウム、2.5mg/mL 炭酸水素ナトリウム、4mg/mL グルコース、6mg/mL L−グルタミン、0.55mg/mL 硫酸マグネシウムを補充したRPMI1640、OptiMEMまたはAIM Vであり得、好ましくはRPMI1640であり得る)で培養され、そして1×10TCID50以上の力価(組織培養感染用量)を達成するように、95日目まで、好ましくは35日目まで、最も好ましくは約5〜10日間培養され、次いで、この培養物は収集され、不活性化のために処理される。
【0023】
次いで、このようにして得られたE.canisバクテリンは、従来の不活性化手段によって不活性化され得る。例えば、化学的な不活性化剤(例えば、バイナリーエチレンイミン(binary ethyleneimine)、β−プロピオラクトン、ホルマリン、マーシオレート、グルタルアルデヒド、ドデシル硫酸ナトリウムなど、またはそれらの混合物)用いる化学的不活性化であり、ホルマリンが好ましい不活性化剤である。バクテリンはまた、加熱または紫外線の存在下でのソラレンによって不活性化され得る。
【0024】
不活性化されたE.canisバクテリンの有効な免疫化量は、選択される株に依存して変化し得、防御免疫反応を惹起するために十分な任意の量であり得る。投薬単位が少なくとも約1×10TCID50の不活性化されたE.canisバクテリンを含む量が適切である。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「抗体応答誘導因子」は、体液性免疫応答を増強し得る任意の化合物または化合物の組み合わせを指す。代表的な例は、エチレン無水マレイン酸(EMA)コポリマー、スチレンと、アクリル酸およびメタクリル酸の混合物とのコポリマー(例えば、NEOCRYL(登録商標)A−640(Avecia Neo Resius,Frankfort,IN))、水酸化アルミニウムなど、あるいはそれらの混合物である。本発明の抗体応答誘導因子は、好ましくは、EMAとNEOCRYL(登録商標)との混合物である。NEOCRYL(登録商標)は、水系のアクリルポリマーおよびコポリマーに対するAvecia BV(Sluisweg 12 P.O.Box 123 NL−5140 AC Waalwilk Netherlands)の登録商標である。数字のA640は、そのグレードを示す。NEOCRYL(登録商標)A640は、非結合性の水性スチレン化アクリルコポリマーであり、約7.5のpH、約100cpsの粘度(Brookfield 25℃)、重量で40パーセントの固体を含んで供給された場合に1ガロンあたり8.6ポンドの重量、1.30mg/Lの比重、44℃のガラス転移温度(Tg)、40℃の最低フィルム形成温度(MFFT)、および50の酸価(不揮発性)を有する。具体的には、NEOCRYL(登録商標)A640は、スチレンとの非結合性の水性アクリルコポリマーである。より具体的には、NEOCRYL(登録商標)A640は、スチレンと、アクリル酸およびメタクリル酸の混合物とのコポリマーのラテックスエマルジョンである。
【0026】
本発明において有用なEMAコポリマーの適切なグレードは、EMA−31(Monsanto Co.,St Louis,MO)(これは、酸官能コポリマーである)のような直鎖状のエチレン−無水マレイン酸コポリマーである。これらのコポリマーは水溶性であり、以下の代表的な特性を有する微細で白色の自由に流れる粉末である:約170℃の軟化点、約247℃の分解温度、2.3のpH(1%溶液)、および0.9g/100mL〜1.2g/100mLの比粘度(ジメチルホルムアミド中の1%溶液)。
【0027】
用語「細胞媒介性免疫(CMI)応答誘導因子」は、本明細書中で使用される場合、細胞免疫応答を増強し得る任意の薬剤または薬剤の組み合わせを表す。代表的な例は、生物製剤(例えば、Mycobacterium bovis,Bacille Calmette−Guerin(BCG)(Calbiochem,La Jolla,CA)などの弱毒化株)、およびTh1関連サイトカイン(例えば、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−18(IL−18)、γインターフェロンなどであり、好ましくはIL−12);あるいは水中油エマルジョン物質(例えば、パラフィン水中油エマルジョン様のEMULSIGEN(登録商標)SA(MVP Laboratories,Ralston,NE))、SP油状物(スクアレンの組成物であるPluronic(登録商標)L121およびTween(登録商標)80(スクアレンはVWR/Kodak.Rochester,NY製であり、Pluronic(登録商標)L121はBASF,Mt.Olive,NJから入手可能)、SAF−1(Syntex Adjuvant Formulation−1、ムラミルジペプチド(dipetide)のスレオニルアナログの組成物、Tween 80、Pluronic(登録商標)L121およびスクアレン(これは、Byars,N.E.およびAllison,A.C.,Vaccine,5(3):223−28に記載される)))などであり、好ましくは、EMULSIGEN(登録商標)SAであり、より好ましくは、水中油エマルジョンである。EMULSIGEN(登録商標)は、乳化された水中油の性質の獣医学的抗原アジュバントに対するModern Veterinary Products,5404 Miller Ave.Omaha,Nebraska 68127,U.S.A.の登録商標である。SAの文字は、そのグレードを示す。パラフィンで乳化された油状アジュバントベースであるEMULSIGEN(登録商標)SAは、Tryptic Soy Broth(TSB)(20% 最終濃度)と混合された場合、乳白色であり、25〜50cpsの粘度であり(Brookfield LV粘度計、スピンドル#18、30rpm)、そして8ミクロン以下の油相の液滴の少なくとも80%を占める。Pluronic(登録商標)は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーに対するBASF Corporationの登録商標であり、L121の数字はそのグレードを示す。
【0028】
アジュバント系の免疫原性を刺激する量は、抗体応答誘導因子、CMI誘導因子、E.canisバクテリン成分、潜在的な感染曝露の程度、ワクチン組成物の投与方法、イヌの成長段階およびサイズなどに依存して変化し得る。さらに、アジュバント系の免疫原性を刺激する量は、免疫剤のE.canisバクテリンに対する免疫応答を増強するのに十分である量である。一般的に、約1%〜6%vol/vol、好ましくは約4%vol/volの抗体応答誘導因子、および約3%〜7%vol/vol、好ましくは約5%vol/volのCMI誘導因子が適切である。
【0029】
本発明のワクチン組成物において使用するのに適切な薬理学的に受容可能なキャリアは、獣医学的薬学的組成物に適切な任意の従来の液体キャリアであり得、好ましくは、組織培養培地において使用するのに適切であるような平衡塩溶液である。
【0030】
活性成分として不活性化されたE.canisバクテリンに加えて、本発明のワクチン組成物が他の活性成分(例えば、狂犬病ウイルス、ライム病(Borrelia burgdorferi)、イヌジステンパーウイルス、イヌパルボウイルス、イヌアデノウイルス、イヌコロナウイルス、ジアルジア属;leptospira interrogans(例えば、serovars canicola、interohaemorrhagiae、pomona、grippotyphosaまたはbratislavaなど)、あるいはそれらの組み合わせに指向性の抗病原性成分)もまた含み得ることが企図される。
【0031】
本発明の1つの実施形態において、本発明の不活性化されたE.canisバクテリン成分は、公知の技術(例えば、Nature,1974,252,252−254またはJournal of Immunology,1978,120,1109−13に記載される技術)を使用して、リポソームに組み込まれ得る。本発明の別の実施形態において、本発明の不活性化されたE.canisバクテリン成分は、適切な生物学的化合物(例えば、多糖類、ペプチド、タンパク質などまたはそれらの組み合わせ)に結合され得る。
【0032】
本発明の好ましい実施形態において、本発明のワクチン組成物は、投与を容易にし、投薬の均一性を確実にするように、単位投薬形態中に処方され得る。ここで、投薬単位は、ワクチン組成物に関連する場合、動物に対する単回投薬量として適切な物理学的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされるアジュバント系およびキャリアもしくはビヒクルに関して、所望の免疫原性効果をもたらすように計算された所定量のE.canisバクテリンを含む。
【0033】
本発明のワクチン組成物は、非経口投与(例えば、筋肉内投与、皮下投与、腹腔内投与、皮内投与など)され得、好ましくは、皮下投与または皮内投与され、より好ましくは、皮下投与される;あるいは上記組成物は、経口投与または鼻腔内投与され得る。
【0034】
したがって、本発明はまた、イヌにおいてイヌエールリヒア症を予防または改善するための方法を提供し、この方法は、上記イヌに上記のような安全かつ有効なワクチン組成物を投与する工程を包含する。
【0035】
好ましい実施において、本発明のワクチン組成物は、E.canisバクテリンのキャリアに対する潜在的曝露の時間によって決定されたスケジュールに従って有効量で、非経口投与、経口投与、または鼻腔内投与され、好ましくは、非経口投与され、より好ましくは、皮下投与される。この方法において、処置された動物は、天然の曝露の前に、免疫を構築するための時間を有する。例えば、代表的な処置スケジュールとしては、潜在的曝露の少なくとも5週間前の非経口投与、好ましくは皮下注射が挙げられ得る。少なくとも2回の投与が好ましく、例えば、第一の投与は処置動物の潜在的曝露の少なくとも5週間前であり、第二の投与は処置動物の潜在的曝露の少なくとも2週間前である。
【0036】
E.canisバクテリンの病原機構および宿主であるイヌの防御機構を効果的に研究および評価するために、そして、それによって、ワクチン技術を進歩させ、ワクチン製品を改善するために、効果的なチャレンジモデルが創られなければならない。イヌエールリヒア症についての異なるチャレンジモデルが知られてはいるが、高パーセンテージの試験動物に、持続する重篤なイヌエールリヒア症に一般的に関連する臨床的症状(例えば、粘液膿性の眼漏、脱水症など)を示させるのに有効なものはない。したがって、より良い、より一貫して有効なチャレンジモデルが、ワクチンおよび薬剤の評価、ならびにE.canisバクテリンおよびそれによって引き起こされる疾患の研究のために必要とされている。
【0037】
驚くべきことに、特に効果的なE.canisチャレンジが、生きたE.canis菌の毒性培養物を含む末梢血単核細胞(PBMC)のチャレンジストックを試験動物に対して投与することでその試験動物において得ることができることがここで見出された。この毒性E.canis培養物は、E.canis Ebony、E.canis BroadfootなどのようなE.canis微生物(好ましくは、E.canis Ebony)を宿主中で繰り返し継代し;その宿主の血液サンプルからPBMCを分離して;そしてその分離したPBMCを20%ウシ胎仔血清および10%ジメチルスルホキシドと混合することで調製される。したがって、本願発明はまた、試験動物における臨床上のイヌエールリヒア症の誘導のための方法もまた提供する。この方法は、有効量のE.canisチャレンジストックをその動物に投与する工程を包含し、このチャレンジストックは、本質的には、末梢血単核細胞中の毒性のE.canis微生物からなる。E.canis Broadfoot(時折、E.canis BFまたはBroadfootと呼ばれていた)、およびE.canis Ebony(時折、Ebonyと呼ばれる)の各々の生存培養物が、特許手続のための微生物寄託に関するブタベスト条約の条項および要件のもとATCCに寄託されており(2004年2月11日)、上述の生存培養物は、ATCC寄託番号が与えられており、それぞれ、Broadfoot株についてはPTA−5811、Ebony株についてPTA−5812である。
【0038】
現実的な実施において、E.canis微生物の毒性は、宿主動物内で継代が繰り返されることにより増大する。その宿主動物由来の全血サンプルを、Histopaque(登録商標)1077のような勾配媒体(gradient medium)中に置き、遠心分離し、そしてPBMC層を分離した。このようにして得られたPBMCを、20%ウシ胎仔血清および10%ジメチルスルホキシドとともに混合して、チャレンジストックの一貫した継続的な供給を提供するために、貯蔵用に液体窒素中で凍結させた。このチャレンジストックを、試験動物に対して投与する前に緩衝生理食塩水溶液で希釈できる。
【0039】
本願発明をより明瞭に理解するために、以下の実施例を示す。これらの実施例は、単に、例示的なものであり、決して、本願発明の範囲およびその根底に存在する原理を限定するものとして理解すべきではない。実際、本願発明における種々の改変は、本願明細書において示され、記載されたものに加えて、これ以降に示した実施例ならびにこれまでの記載から当業者にとって明確なものとなる。このような改変物も、添付の特許請求の範囲にうちに包含されることが企図される。
【0040】
別段示されない限り、全ての部は、重量部である。
【実施例】
【0041】
(実施例1)
(毒性のE.canisチャレンジモデルの評価)
(A.チャレンジストックの調製)
生きているE.canis Ebony株細菌を、イヌにおいて繰り返し継代する。感染したイヌ由来の全血サンプルを、2500×gで15分間遠心分離する。バフィコートを回収し、リン酸緩衝化溶液(PBS)で希釈し、次いでHistopaque(登録商標)1077上で重層(layer)し、その重層した物質を400×gで45分間遠心分離する。PBMCを回収し、PBSで洗浄する。その洗浄したPBMCを20%ウシ胎仔血清および10%ジメチルスルホキシドと混合し、液体窒素中で凍結させる。使用前に、チャレンジストックを、1:3または1:4のチャレンジストック:緩衝化生理食塩水溶液の最終希釈に、緩衝化生理食塩水溶液で希釈する。
【0042】
(B.チャレンジ方法)
この評価では、8ヶ月齢〜12ヶ月齢の年齢にわたる20匹のイヌを、2群に無作為化する。このイヌに、1mLの希釈チャレンジストックを、皮下経路によりチャレンジする。一方の群には、1:3希釈のチャレンジストックをチャレンジし、残りの群には1:4希釈のチャレンジストックをチャレンジする。チャレンジ後、計56日間疾患の臨床的徴候(血小板減少症を含む)をモニターするために、そのイヌを観察し、血液サンプルを1週間あたり3回採取する。
(C.観察)
観察された臨床的徴候としては、粘液膿性の鼻汁および粘液膿性の眼漏、うつ病、脱水症、リンパ節症ならびに角膜浮腫が挙げられる。粘液膿性の眼漏および脱水症が、最も頻繁に観察される徴候である。粘液膿性の眼漏および脱水症は、疾患の進行に特異的であり、その疾患の重篤度を間接的に反映する。各臨床的徴候について観察時点ごとの1回の発生を記録し、群の間の総発生率を比較する。観察時点で、粘液膿性の眼漏は53%(1:3希釈)および35%(1:4希釈)であり、脱水症は44%(1:3希釈)および30%(1:4希釈)であった。
【0043】
この評価において、有意に高い死亡率もまた観察した。死亡の誘導が、そのチャレンジストックで使用されたE.canisバクテリンの強力な病原の最も著しい指標である。1:3希釈処置については、100%のイヌが、エールリヒア症の症例定義を満たし、1:4希釈処置については、80%のイヌがエールリヒア症の症例定義を満たした。このデータを、表Iに示す。
【0044】
直腸温度を、エールリヒア属感染の指標として記録した。感染したイヌのほとんどが、直腸温度上昇のいくらかの発生を有した。このデータを、表IIに示す。
【0045】
血小板減少症(200,000/μl未満の血小板数)を、チャレンジ後(DPC)約12日から開始して観察期間の残りの間にわたって観察した。このデータを、表IIIに示す。
【0046】
(D.結論)
上に記載されるチャレンジモデルは、イヌにおけるイヌエールリヒア症の重篤な臨床的徴候をもたらし、イヌエールリヒア症に対する処置のさらなる研究および評価における使用のためのエールリヒア症疾患の症例定義を提供する。イヌエールリヒア症の臨床的症例定義は、死亡、粘液膿性の眼漏の少なくとも3日間連続での観察、および/または脱水症の少なくとも3日間連続での観察によって定義される。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

(実施例2)
(BCGをアジュバントとした(adjuvanted)E.canisバクテリンによって誘導される有効性の評価)
BCG(弱毒化mycobacterium bovisのオートクレーブ調製物)は、細胞媒介性免疫(CMI)の強力な誘導因子として認識されている。相乗的なCMI効果を決定するために、E.canisバクテリンを、異なる濃度レベルのBCGをアジュバントとした。以前の研究により、従来の(抗体応答誘導性)イヌアジュバント(例えば、EMAおよびNeocryl(登録商標))のみをアジュバントとしたE.canisバクテリンは、やや強力な保護性免疫を誘導することができるだけであることが実証された。
【0050】
(A.材料および方法)
それぞれ7匹のイヌの3つのワクチン接種群および6匹のイヌのコントロール群を使用した。このワクチンは、以下のアジュバントの組み合わせをアジュバントとした5logTCID50(不活性化前の力価)のE.canis Ebony株バクテリンを含む。ワクチンAは、borrelia burgdoferiバクテリン(BBB)およびEMA/Neocryl(登録商標)を含んだ。ワクチンBは、borrelia burgdoferiバクテリン(BBB)、EMA/Neocryl(登録商標)および100μg/用量のBCGを含んだ。ワクチンCは、borrelia burgdoferiバクテリン(BBB)、EMA/Neocryl(登録商標)および1.0mg/用量のBCGを含んだ。この3つのワクチンの他の構成成分は同一であった。イヌのコントロール群にはワクチン接種しなかった。
【0051】
27匹のイヌを4群に無作為化した。それぞれ7匹のイヌの最初の3群に、ワクチンA、ワクチンBまたはワクチンCで2回、皮下経路を通して21日間隔でワクチン接種した。6匹のイヌの第四の群は、コントロールとして機能し、ワクチン接種しなかった。2回目のワクチン接種から16日後、全てのイヌに毒性のE.canisをチャレンジし、臨床的徴候、直腸温度および血小板数の変化について、計56日間観察した。
【0052】
(B.結果および考察)
結果を表IVにまとめる。毒性のE.canisのチャレンジから56日後、ワクチンA接種群では、7匹中4匹(57%)のイヌが血小板減少症であり、高い直腸温度を有した。同じ結果を、ワクチンB接種群において観察した。ワクチンC群におけるイヌの中では、ワクチン接種された7匹中2匹(28.5%)しか、研究の間、血小板減少症および高い直腸温度を有さなかった。コントロールのイヌ6匹中5匹(83%)が、血小板減少症および高い直腸温度を有した。各群の臨床的徴候は混ざっており、群の間で違いを有さなかった。体温および血小板数の変化が、E.canisi感染およびエールリヒア症の代表的な徴候であった。
【0053】
【表4】

BBB=Fort Dodge Animal Health製品系列から供給されるborrelia burgdoferiバクテリン。
Monsanto Co.,St.Louis,MOにより製造された。
AVECIA Neo Resius,Frankfort,INにより製造された。
BCG=Bacille Calmette−Guerin,これは、弱毒化mycobacterium bovisである。Calbiochem,La Jolla,CAから供給される。
【0054】
この研究からの結果は、従来の(抗体応答誘導性)アジュバント(EMA+Neocryl(登録商標))単独をアジュバントとしたワクチンは、保護性ではなかったことを明確に示した。ワクチンが低用量のBCG(例えば、100μg/用量)をアジュバントとした場合も、同じことが当てはまる。しかし、1mg/用量のBCGをアジュバントとした場合、そのワクチンは保護性になる。従って、免疫応答を強めるのに十分な濃度のCMI誘導因子(BCG)によって誘導される保護性免疫は、E.canisバクテリンワクチン効力をもたらす。
【0055】
(C.結論)
CMIは、E.canis感染からイヌを保護するのに必要である。従来のイヌアジュバントのみをアジュバントとしたE.canisバクテリンは、インビボで保護性免疫を誘導するのに効果的ではない。
【0056】
(実施例3)
(不活性化E.canisワクチン組成物の調製)
E.canisバクテリンの2つの株(EbonyおよびBroadfoot)を、5%〜7%ウシ胎仔血清、2%グルコースおよび2mmolグルタミンを補充したRPMI1640含有培地によって補助されるDH82細胞中で、5〜14日間それぞれ培養する。得られた培養物を、1×10TCID50以上の力価で収集する。収集物を滴定し、溶解し、次いで0.1%ホルマリン溶液を加え、36±2℃で24〜48時間の間インキュベートし、別の分の0.1%ホルマリンを加え、そして36±℃で24〜48時間二回目のインキュベートをすることによって、不活性化する。E.canisの2つの不活性化株を、1×104.5TCID50の等しい投与量で、以下に記載されるアジュバント系と一緒に混合して、ワクチン組成物Aを得る。
【0057】
【表4A】

Monsanto Co.,St.Louis,MOにより製造された。
AVECIA Neo Resius,Frankfort,INにより製造された。
MVP Laboratories,Inc.,Ralston,NEにより製造された。
LTI, Grand Island,NYにより製造された最小必須培地(MEM)。
【0058】
(実施例4)
(E.canisワクチン組成物Aにより誘導された免疫の12ヶ月間の評価)
この評価において、15〜16週齢のビーグル犬を、15匹のイヌのコントロール(ワクチン接種しない)群および27匹のイヌのワクチン接種群の2群に分ける。ワクチン接種群に、1mL用量の実施例3において記載されたワクチン組成物Aを、21日間隔で2回与える。ワクチン接種から12ヵ月後、全ての試験動物を、実施例1に記載されるようなE.canis感染末梢血単核細胞(pmbc)の確立した凍結チャレンジプールの1:3希釈で、皮下経路によりチャレンジする。その試験動物をチャレンジ後の日数(DPC)で12日目から、一週間当たり3回観察する。動物福祉および所内動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)のガイドラインに従って、瀕死かまたは身体状態の悪いいずれの試験動物も、国家資格を有する獣医師によって綿密に試験する。
【0059】
血清サンプルを、K−ELISAを使用してE.canis抗体について評価し、ワクチン接種後の免疫応答を定量化する。その血清サンプルは、二連で、E.canis細胞全体の抽出タンパク質でコーティングされたウェルに加える。次いで、ペルオキシダーゼ結合体化ヤギ抗イヌ免疫グロブリン(IgG)を各ウェルに加え、プレートを36±2℃で30分間インキュベートする。結合していない結合体を除去後、そのプレートをATBS置換システム(ATBS substituted system)を使用して現像する。そのプレートを、運動モードを使用して、405〜490μmで20分間、35秒間隔で読み取る。血清学的な結果を表Vに示す。この表でDPV1は、ワクチンの最初の投薬後の日数を示し;DPV2はワクチンの2回目の投薬後の日数を示し;MPV2はワクチンの2回目の投薬後の月数を示し;そしてDPCはチャレンジ後の日数を示す。
【0060】
(観察)
表Vにおける血清学的データから理解し得るように、ワクチン接種群は、コントロール(非ワクチン接種)群に対して、抗体の有意な増加を示した。そのワクチン接種群とコントロール群との間の抗体における有意な差異は、チャレンジ後にもまた観察される。血清学的データに加えて、ヘマトクリット値、血小板数、直腸温度および毎週の体重を記録する。ヘマトクリットパーセンテージは、コントロール群と比較してワクチン接種群において有意に極めて低下した。血小板数は、チャレンジ後44日にコントロール群と比較してワクチン接種群において有意に極めて低下した。体重減少は、コントロールと比較した場合、ワクチン接種群において有意に減少した。コントロール群において、87%がイヌエールリヒア症に対する症例定義(死亡を含む)を満たした。ワクチン接種群では、44%が、56日の臨床的観察期間の間、イヌエールリヒア症に対する症例定義を満たした。
【0061】
(結論)
実施例3のE.canisワクチン組成物は、イヌにおいて臨床的なイヌエールリヒア症を有意に減少させた。このワクチンの1mL用量の2回の投与は、少なくとも12ヶ月間の期間にわたって免疫を誘導する。イヌにおけるE.canisに対する抗体の顕著な増加が、実施例3のワクチン組成物の投与によって得られる。
【0062】
【表5A】

【0063】
【表5B】

(実施例5)
(不活性化E.canisワクチンへの応答における細胞媒介性免疫の評価)
イヌIL−12およびIFN−γ Elispotアッセイを使用して、Ehrlichia canis(E.canis)バクテリンでワクチン接種したイヌにおけるIL−12およびIFN−γのレベルを評価する。コントロールのイヌとの比較に際して、ワクチン接種されたイヌから単離された末梢血単核細胞によって産生される、より多数のIL12およびIFN−γスポットは、CMI応答がE.canis感染に対して保護性の役割を果たし得ることを示す。
【0064】
(A.材料および方法)
イヌの2つの群をこの研究において使用する:E.canisバクテリンを与えたワクチン接種群およびE.canisバクテリンを与えなかったコントロール群。全血を、E.canisバクテリンでの最初のワクチン接種後に、ワクチン接種されたイヌおよびコントロールのイヌから抜く。コントロールのイヌおよびワクチン接種されたイヌ由来の全血サンプルを、無菌の静脈穿刺により10mLのEDTAチューブ内に収集する。末梢血単核細胞(PBMC)を、Percoll勾配での遠心分離により単離する。単離後、PBMCを計数し、細胞濃度を各サンプルについて決定する。次いで、単離したPBMCを、Elispotアッセイにすぐに使用する。
【0065】
イヌPBMCを培養するために使用される完全培養培地は、等量のAim V(Invitrogen,Carlsbad,CA;カタログ番号12055−083)およびEx−Cell(JRH Biosciences,Lenexa,KS;カタログ番号141610−500M)、10%熱不活性化ウマ血清(Hyclone,Logan,UT;カタログ番号SH30074.03)および10μg/mLゲンタマイシンからなる。
【0066】
(Elispotアッセイ)
(Elispotプレートの調製)
(IL−12プレート)
Immobilon Pプレート(Millipore,Burlington,MA)を70%エタノールで予め濡らし、Dulbecco−Vogtリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)で洗浄し、100μL/ウェルのマウス抗ヒトIL−12抗体(10μg/mL;Mabtech,Sweden)でコーティングし、カーボネート緩衝液(pH9.6)に希釈し、37℃、5±2%COで2時間インキュベートする。次いで、プレートをDPBS+0.1%Tween20で洗浄し、完全Aim V/ExCell培地で、36℃、5±2%COにて最低2時間ブロックする。
【0067】
(IFN−γプレート)
イヌIFN−γ検出のためのElispotプレートは、イヌIFN−γに対して特異的な抗体を使用して、イヌIL−12プレートと同様の様式で調製する。この研究で使用するプレートは、R&D Systems(Minneapolis,MN;カタログ番号EL781)から購入し、製造者の指示に従って調製する。これらのプレートを、抗イヌIFN−γポリクローナル抗体で予めコーティングする。
【0068】
(抗原の調製)
6つの異なる細胞調製物を初めに抗原として使用して、IL−12およびIFN−γ産生を刺激する。細胞調製物としては:
1.生きているE.canis感染DH82細胞
2.E.canis感染DH82細胞溶解物(細胞をホモジナイズにより溶解した)
3.ホルマリン処理によって不活性化されたE.canis感染DH82細胞溶解物
4.生きている未感染DH82細胞単独
5.未感染DH82細胞溶解物
6.ホルマリン処理によって不活性化された未感染DH82細胞溶解物、
が挙げられる。
【0069】
最初の3つの調製物を使用して、IL−12およびIFN−γ産生を刺激する。残りの3つの調製物は、試験においてネガティブコントロールとして使用する。アッセイの日に、生きているE.canis感染DH82細胞および未感染DH82細胞を収集し、計数し、そして細胞濃度を決定する。所望の数の生きている細胞および等価な細胞数の(ホルマリン処理されているかまたはホルマリン処理されていない)細胞溶解物を、完全Aim V/Excell培地に再懸濁し、アッセイに適用する。マイトジェンであるコンカナバリンA(ConA)(Sigma カタログ番号C0412)およびPhaseolus vulgaris(PHA)由来のレクチン(Sigma カタログ番号L−4144)を、完全培地中で調製し、アッセイのためのポジティブコントロールとして使用する。
【0070】
(E.canisおよびPBMCのインキュベート)
2時間の培地のブロッキング後に、抗体でコーティングされたプレートを、Dulbeccoのリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)+0.1%Tween20で洗浄する。生きているE.canis感染DH82細胞および未感染DH82細胞、細胞溶解物、培地および適切な希釈度のポジティブコントロールを、1ウェル当たり150μLの容量で、抗体でコーティングされたウェルに加える。完全培地中で所望の細胞濃度に希釈されている希釈PBMCおよび50μL/ウェルの細胞培養物を、適切なウェルに加える。次いで、このプレートを、実施されるアッセイに依存して、36℃±2℃、5±2%COにて20〜50時間インキュベートする。
【0071】
(プレートの現像)
(IL−12プレート)
インキュベート後、上記細胞を、DPBS+0.1%Tween20で洗浄することにより除去する。ビオチン化検出抗体(Mabtech,Sweden;カタログ番号3450−6)を、DPBS+0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)に、1.0μg/mLで希釈し、使用前に0.2μmのシリンジフィルターを通して濾過する。100μLの検出抗体を、適切なウェルに加える。このプレートを、36℃±2℃、5±2%COにて3時間インキュベートする。検出抗体を除去し、プレートをDPBS+0.1%Tweenで洗浄する。プレートを、DPBS+0.1%Tween20中に1:1000で希釈された100μL/ウェルのストレプトアビジン−HRP(KPL,Gaithersburg,MD;カタログ番号14−30−00)と一緒に、36℃、5±2%COにて1時間インキュベートする。
【0072】
インキュベートの間、基質溶液を調製する。AEC(3−アミノ−9−エチル(Ethy)−カルバゾール,Sigma,St.Louis,MO;カタログ番号D4254)の20mg錠1つを、ガラスエルレンマイヤー(Erylenmeyer)フラスコ中で、2mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DNF)に溶解する。一旦溶解したら、58mLの0.1M酢酸ナトリウム(pH5.0)および30μLの過酸化水素(H)を基質溶液に加え、次いで、これを使用前に0.45μmフィルターを通して濾過する。
【0073】
上記プレートをDPBS+0.1%Tween20で洗浄し、次いでDPBSのみで洗浄して、残った界面活性剤を除去する。100μLの基質溶液を各ウェルに加え、室温にて最大20分間インキュベートする。基質溶液を除去することによりこの反応を停止させ、蒸留水でリンスする。そのプレートを室温で乾燥させ、スポット産生単位(spot−producing unit)(SPC)を、KS ELISPOT 4.4ソフトウェアと一緒にZeiss Elispot Reader(Carl Zeiss Vision,Oberkochen,Germany)を使用して、量、面積および強度について評価する。
【0074】
(IFN−γプレート)
インキュベート後、洗浄緩衝液(R&D Systems,Minneapolis,MN)で洗浄することにより細胞を除去する。ビオチン化検出抗体を、製造者の指示に従って希釈緩衝液1(R&D System,Minneapolis,MN)に希釈し、使用前に0.2μmシリンジフィルターを通して濾過する。100μLの検出抗体を適切なウェルに加える。次いで、プレートを、36℃±2℃、5±2%COにて3時間インキュベートする。検出抗体を除去し、プレートを洗浄緩衝液で洗浄する。そのプレートを製造者の指示(R&D System,Minneapolis,MN)に従って希釈された100μL/ウェルのストレプトアビジン−APと一緒に、36℃±2℃、5±2%にて1時間インキュベートする。
【0075】
ストレプトアビジン−APとのインキュベート後、プレートを洗浄緩衝液で洗浄し、1ウェル当たり100μLのBCIP/NBT(R&D System,Minneapolis,MN)と一緒に、室温で20分間インキュベートする。基質溶液を除去し、プレートを蒸留水でリンスして、反応を停止させる。そのプレートを室温で乾燥させ、スポット産生単位(SPC)を、KS ELISPOT 4.4ソフトウェアと一緒にZeiss Elispot Reader(Carl Zeiss Vision,Oberkochen,Germany)を使用して、量、面積および強度について評価する。
【0076】
(データ分析)
結果をスポット形成細胞(spot−forming cell)(SPC)として読み取り、実験の性質に依存して別々に表現する。データを提示するための3つの可能な方法:各ウェルにおける本来のスポット数、各サンプルについての各処理に対するスポットの平均数、および刺激指数(Stimulus Index)、が存在する。刺激指数は、刺激されていないウェル(細胞+培地のみ)におけるスポットの平均数を、刺激されたウェルにおけるスポットの平均数で割ることによって計算する。
【0077】
(B.結果および解釈)
この評価を実施し、E.canisワクチン接種したイヌから単離したPBMC中のIL−12およびIFN−γ分泌細胞の数を評価する。
【0078】
この実験において、1匹のコントロールおよび3匹のワクチン接種したイヌを使用する。この実験の結果を、表VIおよび表VIIに提示する。表VIから、データは、コントロールのイヌ由来のPBMCによってIL−12が産生されなかったことと比較して、生きているE.canis感染DH82細胞のみが、3匹のワクチン接種したイヌにおけるPBMC中でIL−12産生を刺激したことを示す。この刺激はまた、E.canis感染DH82細胞において用量に依存し、1:1000希釈よりも1:10希釈のE.canisストック(1×10細胞/ウェルに相当)にてスポット数が最大となる。ホルマリン処理されたかまたはされていないE.canis感染DH82細胞溶解物、生きている未感染DH82細胞、未感染DH82細胞溶解物、およびホルマリン処理したDH82細胞溶解物は、検出可能なIL−12応答を何も生じなかった。ワクチン接種したイヌのうち2匹は、3匹目のワクチン接種したイヌよりも高い度合いで反応した。コントロールのイヌは、ポジティブなマイトジェン(PHA)への低い応答を除いては、刺激に対する応答を示さなかった。
【0079】
表VIIは、同じ4匹のイヌについてのIFN−γ Elispotの結果を示す。IL−12と同様、生きているE.canisDH82細胞が、ワクチン接種したイヌ三匹全ての中でIFN−γの最大の誘導を示した。この誘導もまた、E.canis細胞数依存性であり、1:10希釈に最大レベルがあり、1:1000希釈に最小のレベルがある。E.canis感染DH82細胞溶解物は、ワクチン接種したイヌに対してより低いスポット数をもたらした。ホルマリン処理した溶解物は、1:1000希釈ではバックグラウンドを生じたが、1:10希釈または1:100希釈ではスポットを生じなかった。これは、残ったホルマリンの単核細胞活性に対する阻害効果に起因し得る。3つの調製物全てに対する未感染DH82細胞は、生きているE.canis感染DH82細胞と比較して、バックグラウンドのスポットのみをもたらした。個々のイヌの応答は、IL−12 Elispotにおいて見られたものと同様だった。同じ2匹のワクチン接種したイヌは、3匹目のイヌよりも高い応答を示し、コントロールのイヌは、マイトジェン(ConA)刺激のみに低い応答を示した。
【0080】
この実験の結果は、生きているE.canis感染DH82細胞のみが、PBMCによるIL−12およびIFN−γ両方の産生を誘導し得ることを示す。E.canis感染DH82細胞溶解物またはホルマリン処理した溶解物は、細胞活性についてのT細胞または単球に対する刺激効果が低いので、使用することができない。
【0081】
(C.まとめ)
以下の表VIおよび表VIIに示されるデータは、CMIがE.canisバクテリンでワクチン接種されたイヌの保護において役割を果たし得ることを実証する。ワクチン接種したイヌに対するIL−12およびIFN−γスポット数の増加は、T細胞および単球の活性化を示す。
【0082】
【表6】

【0083】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワクチン組成物であって、該組成物は、効率的に免疫化する量の不活性化Ehrlichia canisバクテリンと、薬学的に受容可能なキャリアと、免疫原性を刺激する量のアジュバント系とを含み、該アジュバント系は、本質的に抗体応答誘導因子および細胞媒介性免疫応答誘導因子からなる、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記不活性化バクテリンは、Ebony,Broadfoot、Florida、Israel 611、Kogashima 1、Louisiana、Oklahoma、Venezuela、North Carolina State University(NCSU)株Jake、NCSU単離体Demon、DJおよびFuzzyと命名された1つ以上のE.canis株、該命名された株のいずれかによるE.canis感染細胞株、ならびに該命名された株のいずれかによるE.canis感染DH82細胞株からなる群より選択される、組成物。
【請求項3】
前記不活性化バクテリンが、Ehrlichia canis Ebony、Ehrlichia canis Broadfootおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記抗体応答誘導因子が、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン化アクリルコポリマー、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記細胞媒介性免疫応答誘導因子が、水中油形エマルジョン、弱毒化Mycobacterium bovis、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記不活性化バクテリンが、単位用量あたり1×10TCID50を与えるのに十分な量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗体応答誘導因子が、1% vol/volのエチレン無水マレイン酸コポリマーと3% vol/volのスチレン化アクリルコポリマーとの量で存在する、エチレン無水マレイン酸コポリマーとスチレン化アクリルコポリマーとの混合物である、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記水中油形エマルジョンが、パラフィン水中油形エマルジョン、スクアランとエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーとを含むエマルジョン、Syntex Adjuvant Formulation−1のエマルジョンならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
borrelia burgdoferiバクテリンをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記細胞媒介性免疫応答因子が、水中油形エマルジョンであり、かつ約3% vol/vol〜7% vol/volの範囲で存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項11】
前記細胞媒介性免疫応答因子が、水中油形エマルジョンであり、かつ約5% vol/volの量で存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項12】
イヌにおけるイヌエールリヒア症を予防または改善するための方法であって、該方法は、該イヌにワクチン組成物を投与する工程を包含し、該ワクチン組成物は、効率的に免疫化する量の不活性化Ehrlichia canisバクテリンと、薬学的に受容可能なキャリアと、免疫原性を刺激する量のアジュバント系とを含み、該アジュバント系は、本質的に抗体応答誘導因子および細胞媒介性免疫応答誘導因子からなる、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記ワクチン組成物において、前記不活性化バクテリンが、Ebony、Broadfoot、Florida、Israel 611、Kogashima 1、Louisiana、Oklahoma、Venezuela、North Carolina State University(NCSU)株Jake、NCSU単離体Demon、DJおよびFuzzyと命名された1つ以上のE.canis株、該命名された株のいずれかによるE.canis感染細胞株、ならびに該命名された株のいずれかによるE.canis感染DH82細胞株からなる群より選択される、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、前記ワクチン組成物において、前記不活性化バクテリンが、Ehrlichia canis Ebony、Ehrlichia canis Broadfootまたはそれらの混合物である、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、前記ワクチン組成物において、前記抗体応答誘導因子が、エチレン無水マレイン酸コポリマーとスチレン化アクリルコポリマーとの混合物である、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法であって、前記ワクチン組成物において、前記細胞媒介性免疫応答誘導因子は、パラフィン水中油形エマルジョン、スクアランとエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーとを含む水中油形エマルジョン、Syntex Adjuvant Formulation−1の水中油形エマルジョン、弱毒化Mycobacterium bovisならびにそれらの混合物からなる群より選択される、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、前記ワクチン組成物において、前記不活性化バクテリンが、単位用量あたり少なくとも1×10TCID50を与えるのに十分な量で存在する、方法。
【請求項18】
試験動物における臨床的なイヌエールリヒア症の誘導のための方法であって、該方法は、該試験動物に有効量のチャレンジストックを投与する工程を包含し、該チャレンジストックは、本質的に毒性のEhrlichia canis微生物で感染された末梢血単核細胞からなる、方法。
【請求項19】
前記ストック溶液が皮下投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記毒性の微生物が、試験動物において該微生物を繰り返し継代することによって生成される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記微生物がEhrlichia canis Ebonyである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
毒性のEhrlichia canis微生物で感染された末梢血単核細胞を含む、チャレンジストック組成物。
【請求項23】
前記毒性の微生物が、試験動物において繰り返し継代されているEhrlichia canis Ebonyである、請求項22に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−500962(P2008−500962A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502980(P2007−502980)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/007875
【国際公開番号】WO2005/087803
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(502161704)ワイス (51)
【Fターム(参考)】