説明

オイルパン

【課題】厳しい冷熱サイクルの条件下において、マグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材を取り付けることができるオイルパンを提供する。
【解決手段】マグネシウム又はマグネシウム合金製のオイルパン10において、アルミニウム又はアルミニウム合金製のスペーサ7と、スペーサ7を介してオイルパン10に取り付けられるマグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材とを備え、オイルパン10は、スペーサ7を挿入する挿入口10aの側壁面に第1のねじ部を有し、スペーサは、マグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材を取り付ける取り付け部と、第1のねじ部と螺合する第2のねじ部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関や変速機などに用いられるオイルパンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金製キャリパの車体取付け部にブッシュ取付け孔を、車体のキャリパ取付け部にボルト挿通孔をそれぞれ形成し、内部に雌ねじ孔を備えるブッシュをブッシュ取付け孔に取付け、キャリパ取付け部のディスクロータ側に車体取付け部を重ね合わせ、キャリパ取付け部のボルト挿通孔からブッシュの雌ねじ孔に取付けボルトをねじ込んで、キャリパを車体に連結するとともに、車体取付け部を、ブッシュよりも軟質金属で形成した車両用ディスクブレーキのキャリパ取付け構造において、不導体処理したブッシュの外周に雄ねじを形成し、車体取付け部のブッシュ取付け孔に、ブッシュの雄ねじと螺合する雌ねじを形成して、ブッシュを車体取付け部にねじ螺合にて取付けした車両用ディスクブレーキのキャリパ取付け構造が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−76726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の取付け構造では十分なシール性能を確保することができず、当該取付け構造を、厳しい冷熱サイクルに晒される内燃機関や変速機のオイルパンへ適用することは困難であった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、厳しい冷熱サイクルの条件下において、マグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材を取り付けることができるオイルパンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金製のスペーサと、スペーサを介して、マグネシウム又はマグネシウム合金製のオイルパンに取り付けられ、マグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材とを備え、スペーサとオイルパンの挿入口の側壁とをねじ構造により螺合することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スペーサの熱膨張係数とオイルパンの熱膨張係数との差が小さく、厳しい冷熱サイクルの条件下においてもねじ構造による取り付け部分が緩み難くなるため、シール性を高めることができ、その結果オイルパンに適した取付け構造で、電蝕を防ぎつつマグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材をマグネシウム又はマグネシウム合金製のオイルパンに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態に係るオイルパンを示す斜視図である。
【図2】図1の油温センサをスペーサに取り付ける前の状態を示す油温センサ及びスペーサの斜視図である。
【図3】図1の油温センサをスペーサに取り付けた後の状態を示す油温センサ及びスペーサの斜視図である。
【図4】図2の油温センサと、図2のスペーサと、図1のオイルパンとの取り付け部分を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るオイルパンと、スペーサと、油温センサとの取り付け部分を示す断面図である。
【図6】図5のIV線で囲う部分の拡大図である。
【図7】O−リングを取り付けない状態における、図5のIV線で囲う部分の拡大図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係るオイルパンと、スペーサと、油温センサとの取り付け部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
《第1実施形態》
図1は、本発明の一実施の形態を適用したオイルパン10の斜視図である。オイルパン10は、図示しない内燃機関(以下、単にエンジンとも言う)シリンダブロックの下部に取り付けられている。オイルパン10には、エンジンの潤滑、冷却のためのエンジンオイルが貯蔵され、当該エンジンオイルは、図示しないオイルポンプにより、図示しないオイルフィルタを介して、エンジンの各部に循環される。
【0011】
オイルパン10は、マグネシウム又はマグネシウム合金製であり、凹部状に形成され、図示しないオイルポンプと連通するオイル受け口1と、図示しないオイルフィルタを取り付ける取り付け口2と、シリンダブロックにオイルを供給するための連通口3とを有する。
【0012】
オイル受け口1は、上向きに開口し、図示しないオイルポンプと連通する。取り付け口2は、中心部分にオイルフィルタと嵌合するボス部2aを有し、当該ボス部1aの外側にポート部2bを有し、ここにオイルフィルタが装着される。
【0013】
オイルパン10内のエンジンオイルは、オイルポンプにより吸い上げられて、オイル受け口1に流れ込む。そして、エンジンオイルは、オイル受け口1から図示しない流路を通って、ポート部2bを介してオイルフィルタに流れ、オイルフィルタを通過することで濾過されたエンジンオイルはボス部2aに流れ込んだ後、ボス部2aと連通口3とを連通する流路4を通り、シリンダブロックに流れる。
【0014】
またオイルパン10の側壁には、油圧センサ5と、油温センサ6とが設けられている。油圧センサ5は、流路4に設けられおり、流路4内を流れるエンジンオイルの圧力を検出する。油温センサ6は、オイルパン10の側壁の上部に設けられおり、エンジンオイルの温度を検出する。油圧センサ5と、油温センサ6は、オイルパンに螺合するねじ構造部分がマグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなっていて、例えば、銅や、鉄、またはニッケルなどを材料としている。本発明に係るオイルパンにおいては、銅(または鉄等)製部材として油圧センサ5及び油温センサ6のいずれも適用できるが、以下の実施形態では油温センサ6を例に挙げて説明する。
【0015】
次に、図2及び図3を用いて、油温センサ6及びスペーサ7の構成を説明する。図2及び図3は、油温センサ6及びスペーサ7の斜視図であり、図2は油温センサ6をスペーサ7に取り付ける前の状態を示し、図2は油温センサ6をスペーサ7に取り付けた後の状態を示す。
【0016】
油温センサ6は、サーミスタ、熱電対等を用いた銅製のセンサであり、本体部6aと、取り付け部6bと、検出部6cとを有している。本体部6aは、リード線等を収容している。取り付け部6bは、円筒状に形成されており、側壁面には、雄ねじが形成されている。検出部6cは円筒状に形成されており、検出部6cの直径が取り付け部6bの直径より小さくなるよう形成されている。本体部6aには、六角形の形状をしたレンチ係合部6dが形成されている。
【0017】
スペーサ7は、アルミニウム又はアルミニウム合金製であり、円筒の管状に形成されている。スペーサ7の上部の内径は、取り付け部6bの直径とほぼ同じ大きさである。そして、スペーサ7の内壁面のうち、上部の内壁面には、取り付け部7aが形成されている。取り付け部7aには、雌ねじが形成されている。油温センサ6がスペーサ7にねじ込まれると、取り付け部6aの雄ねじが取り付け部6bの雌ねじと螺合することにより、油温センサ6がスペーサ7に締め付けられる。
【0018】
スペーサ7の外壁面には、円周方向の環状溝7bが設けられており、当該溝7bにゴム製のO−リング8(図4を参照)が取り付けられる。また、スペーサ7の外壁面の上部には、六角形状のレンチ係合部7cが形成されている。レンチ係合部7cの直径は、レンチ係合部6dの直径より大きくなるよう形成されている。またレンチ係合部7cと、後述する取り付け部7dの間には、円周方向の環状フランジ部7eが形成されている。フランジ部7eの外径は、オイルパン10における、スペーサ7の挿入口10a(図4を参照)の外径より大きくなっている。
【0019】
スペーサ7の下部の外壁面の一部には、取り付け部7dが形成されており、取り付け部7dは雄ねじで形成されている。取り付け部7dの雄ねじは、後述するように、オイルパン10の取り付け部10aに形成された雌ねじと螺合されることにより、スペーサ7がオイルパン10に取り付けられる。また、図3に示すように、検出部6cとスペーサ7の内壁面との間には、隙間が設けられており、油温センサ6がスペーサ7を介してオイルパン10に取り付けられると、エンジンオイルが当該隙間に入り込み、エンジンオイルが検出部6cに接触する。
【0020】
なお、油圧センサ5は、油温センサ6と同様に銅製のセンサであり、外形の形状も油温センサと同型状である。また油圧センサ5は、油温センサ6と同様に、スペーサ7を介して、オイルパン10に取り付けられている。
【0021】
次に、油温センサ6と、スペーサ7と、オイルパン10との取り付け構造を、図4を用いて説明する。図4は、油温センサ6と、スペーサ7と、オイルパン10との取り付け部分の断面図であり、同図において下方がオイルパン10の内部、上方がオイルパン10の外部である。
【0022】
油温センサ6の本体部6aの一部分は、樹脂製の被覆部6eにより覆われている。O−リング8は溝7bに取り付けられており、スペーサ7の外壁面から圧着して、スペーサ7の内壁面と取り付け部6bとの間を封止する。これにより、エンジンオイルがスペーサ7と油温センサ6との間から漏れないように密封される。オイルパン10には、スペーサ7の側壁面に沿うように、円筒状の挿入口10aが空けられており、オイルパン10の挿入口10aの側壁面の一部には、取り付け部10bが設けられている。取り付け部10bには雌ねじが形成されており、当該雌ねじは取り付け部7dの雄ねじと螺合する。
【0023】
そして、スペーサ7がオイルパン10の挿入口10aにねじ込まれると、取り付け部7dの雄ねじが取り付け部10bの雌ねじと螺合することにより、スペーサ7がオイルパン10に締め付けられる。フランジ部7eの外径は、挿入口10aの直径より大きいため、スペーサ7がオイルパン10に取り付けられると、フランジ部7eの底面がスペーサ10の表面と当接するため、オイルパン10の挿入口10aの軸方向に対してスペーサ7が位置決めされることになる。
【0024】
上記のように本例では、オイルパン10をマグネシウム又はマグネシウム合金製にし、スペーサ7をアルミニウム又はアルミニウム合金製にし、オイルパン10の挿入口10aの側壁に雌ねじを形成し、スペーサ7の取り付け部7dの側壁に当該雌ねじと螺合する雄ねじを形成し、油圧センサ5及び油温センサ6を、スペーサ7を介して、オイルパン10にそれぞれねじ込むことで、オイルパン10に取り付ける。
【0025】
これにより、マグネシウム又はマグネシウム合金製のオイルパンの線膨張係数(約27×10−6/℃)は、アルミニウム又はアルミニウム合金製のスペーサ7の熱膨張係数(約24×10−6/℃)と同程度であり、温度変化に対して、スペーサ7及び挿入口10aの軸方向の長さの変化が抑制されるため、取り付け部7dと取り付け部10bとの間において、ねじによる締め付け部分が緩むことを防ぎ、エンジンオイルが当該締め付け部分を通って漏れることを防ぐことができる。また内燃機関や変速機用のオイルパン10は、通常、厳しい冷熱サイクルの条件下で使用されるが、上記のとおり温度変化に対してスペーサ7とオイルパン10との間で生じる熱膨張の差が抑制されるため、エンジンオイルの漏れを防ぐことができる。そして、高電位な金属のマグネシウム又はマグネシウム合金が、低電位な金属の銅(あるいは鉄等)と直接接触しないので、電蝕の発生を抑制できる。 本例とは異なり、スペーサ7の表面に不導体処理などの被覆処理を施したものでは、油圧センサ5または油温センサ6を取り付ける際に、あるいは、スペーサ7をオイルパン10に取り付ける際に、被覆処理された部分が剥がれ、電蝕が生じるおそれがある。本例のスペーサ7は、表面に被覆処理を施すことなく、アルミニウムにより形成されているため、傷がスペーサ7の表面についた場合でも、電蝕の発生を防ぐことができる。
【0026】
また、本例において、スペーサ7はアルミニウム又はアルミニウム合金製であり、オイルパン10はマグネシウム又はマグネシウム合金製であるため、スペーサ7の強度がオイルパン10の強度より高くなる。これにより、油圧センサ5または油温センサ6をオイルパン10に取り付ける際に、スペーサ7により、ねじ部分の締め付け強度を補うことができるため、シール性を高めることができる。
【0027】
また油圧センサ5または油温センサ6の形状が複数ある場合において、本例は、スペーサ7の取り付けの形状を、取り付けられる油圧センサ5または油温センサ6の形状に対応させ、スペーサ7とオイルパン10との取り付け形状を統一させることができる。そのため、オイルパン10の挿入口10a部分のモジュール化を図ることができる。また本例は、油圧センサ5又は油温センサ6と、スペーサ7と、オイルパン10とをねじ構造により取り付ける。これにより、本例は、圧着により各部品を取り付ける場合と比べて、部品の抜けに対する信頼性を高めることができる。
【0028】
また本例は、スペーサ7と、オイルパン10の挿入口10aの側壁との間に、ゴム製のO−リング8を設けている。これにより、本例は、厳しい冷熱サイクルの条件下においても、シール性を高めることができる。また本例は、マグネシウム又はマグネシウム合金製のオイルパンの線膨張係数と、アルミニウム又はアルミニウム合金製のスペーサ7の熱膨張係数とが同程度であり、溝7bにおいて、温度変化に対する形状の変化が抑制されるため、O−リング8の形状の変化が抑制され、シール性を高めることができる。また本例のO−リング8は、スペーサ7の側壁に圧着して、スペーサ7の側面からシールする。本例のような、ねじ構造において、O−リング8がリングの開口面に対してシールする場合には、O−リング8がねじ込みにより捩れてしまうが、本例において、オーリング8の開口面が縮むようにスペーサがシールされるため、ねじ構造により、スペーサ7及びオイルパン10を取り付ける場合にも、シール性を高めることができる。
【0029】
また本例は、オイルパン10、スペーサ7、及び油温センサ6のそれぞれの剛性に対して、オイルパン10、スペーサ7、及び、油温センサ5の形状を規定し、スペーサ7の取り付け部7dの雄ねじとオイルパン10の取り付け部10bの雌ねじとの締め付けトルクが、油温センサ5の取り付け部6cの雄ねじとスペーサ7の取り付け部7aの雌ねじとの締め付けトルクより大きくなるように締め付けトルクを管理する。これにより、油温センサ5又は油圧センサ6をオイルパンから脱着する際に、スペーサ7をオイルパン10の取り付けたままで、油温センサ5又は油圧センサ6をスペーサ7から外したり、取り付けたりすることができるため、油温センサ5又は油圧センサ6をオイルパン10から容易に脱着することができる。
【0030】
また本例は、銅製の油温センサ6を用いる。これにより、センサの軽量化が図られているため、アルミニウム又はアルミニウム合金製のスペーサ7を用いた場合でも、強度不足を回避することができる。
【0031】
また本例は、スペーサ7にフランジ部7eを設けることにより、電蝕を防ぐことができる。
【0032】
なお、本例の油圧センサ5又は油温センサ6が本発明の「マグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材」に相当し、O−リング8が本発明の「シール部材」に、取り付け部10bの雌ねじが本発明の「第1のねじ部」に、取り付け部7dの雄ねじが本発明の「第2のねじ部」に、取り付け部7aが本発明の「取り付け部」に相当する。
【0033】
《第2実施形態》
図5は、発明の他の実施形態に係るオイルパン10において、油温センサ6と、スペーサ7と、オイルパン10との取り付け部分の断面図である。図6は、図5のVI線の部分の拡大図である。図7は、図6に対して、O−リング8が設けられていない場合における、図5のVI線の部分の拡大図である。本例では上述した第1実施形態に対して、スペーサ7に流路7fを設け、連通部11a及び連通部11bを有する点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
【0034】
図5及び図6に示すように、スペーサ7は、溝7bと取り付け部7dとの間に、スペーサ7の内側と外側とを連通する流路7fを有する。流路7fは、スペーサ7の内壁面から外壁面まで空洞になっている。スペーサ7とオイルパン10の挿入口10aとの間には、連通部11aが形成されている。連通部11aは、挿入口10aの側壁面の一部と、スペーサ7の側壁面の一部との間に隙間を設けることにより形成され、連通部11aの途中に、溝7bが設けられる。またフランジ部7eの底面とオイルパン10の上面との間には、連通部11bが形成されている。連通部11bは、フランジ部7eの底面とオイルパン10の上面との間に隙間を設けることにより、形成され、連通部11aと連通する。O−リング8が溝7bに配設されると、O−リング8は連通部11aを遮断することで、連通部11aを封止する。
【0035】
O−リング8が溝7bに取り付けられている状態で、油温センサ6をスペーサ7を介してオイルパン10に取り付けた場合には、オイルパン10内のエンジンオイルは、検出部6cとスペーサ7の内壁面との間の隙間を流れ、流路7fを流れる。流路7fを流れるエンジンオイルは、連通部11aに流れ出すが、連通部11aはO−リング8により封止されているため、エンジンオイルは遮断され、連通部11bに流れ込まず、エンジンオイルがオイルパン10の外側に漏れることはない。一方、図7に示すように、O−リング8が溝7に取り付けられていない場合には、流路7fを流れるエンジンオイルは、連通部11aを通って連通部11bに流れてしまい、オイルパン10の外側に漏れてしまう。すなわち、本例は、O−リング8を溝7bに取り付けることを忘れた場合には、エンジンオイルの漏れから、O−リング8の欠品を容易に判断することができる。
【0036】
上記のように、本例において、スペーサ7は流路7fを有し、スペーサ7とオイルパン10との間には、流路7fを通って、オイルパン10の内側と外側とを連通する連通部11a及び連通部11bが設けられており、O−リング8により連通部11bを封止している。これにより、O−リング8の欠品を容易に判断することができる。
【0037】
なお、図8に示すように、スペーサ7に流路7fを設けず、連通部11aをオイルパン10の内側まで連通するように設けてもよい。これにより、O−リング8を溝b7に取り付けることを忘れた場合には、エンジンオイルが、オイルパン10の内側から連通部11a及び連通部11bを通って、オイルパン10の外側に漏れてしまうため、エンジンオイルの漏れから、O−リング8の欠品を容易に判断することができる。
【符号の説明】
【0038】
1…オイル受け口
2…取り付け口
2a…ボス部
2b…ポート部
3…連通口
4…流路
5…油圧センサ
6…油温センサ
6a…本体部
6b…取り付け部
6c…検出部
6d…レンチ係合部
6e…被覆部
7…スペーサ
7a…取り付け部
7b…溝
7c…レンチ係合部
7d…取り付け部
7e…フランジ部
8…O−リング
10…オイルパン
10a…挿入口
10b…取り付け部
11a、11b…連通部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウム又はマグネシウム合金製のオイルパンにおいて、
アルミニウム又はアルミニウム合金製のスペーサと、
当該スペーサを介して前記オイルパンに取り付けられる、マグネシウム又はマグネシウム合金より低電位な金属からなる部材とを備え、
前記オイルパンは、前記スペーサを挿入する挿入口の側壁面に第1のねじ部を有し、
前記スペーサは、前記低電位な金属からなる部材を取り付ける取り付け部と、前記第1のねじ部と螺合する第2のねじ部を有する
ことを特徴とするオイルパン。
【請求項2】
前記スペーサと、前記オイルパンの挿入口の側壁面との間に、ゴム製のシール部材を有することを特徴とする請求項1記載のオイルパン。
【請求項3】
前記スペーサは、前記スペーサの内側と外側とを連通する流路を有し、
前記スペーサと前記オイルパンの間には、前記流路を通って、前記オイルパンの内側と外側とを連通する連通部が設けられており、
前記シール部材は、前記連通部を封止する位置に配設されている
ことを特徴とする請求項2記載のオイルパン。
【請求項4】
前記スペーサの第2のねじ部と前記オイルパンの第1のねじ部との締め付けトルクは、前記低電位な金属からなる部材と前記スペーサの取り付け部との締め付けトルクより大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオイルパン。
【請求項5】
前記低電位な金属からなる部材は、温度センサであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のオイルパン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate