説明

オカラ米

【課題】豆腐製造の際に出るオカラは、近年まで肥料か廃棄物の扱いだった。加工技術の発達と健康思考からオカラの利用価値が高まり、オカラを混入した加工品が製品化され、菓子、ダイエット食品の地位を築いているが、淡白なオカラに味の加工を施すことを重要視している。そこで、生のオカラに保存薬品の投入をせず、長期保存の憂慮に配し、高齢化に準じ安価で経済的な主食をオカラの資源の活用も併せて第2の米とするオカラ米の製造方法を提出する。
【解決手段】余分な味付けはせず、粘り気はグルテンで、米特有のもっちり感はオオバコ種皮で、サックリ感は粉寒天と粉卵白に頼り、容器を用いこれらを攪拌混合する。これを蒸し、細かく刻み、保存法は冷凍及び、オーブンレンジにて乾燥させるオカラ米の製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発案は、広範囲分野に対応できる第2の主食となるオカラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオカラに関する利用法は、調理過程において美味を追求することにあった(例えば特開平7−289147)又は、健康食品として製造されている(特開2005−143404)オカラの注目度は高く、利用範囲も広い。
【0003】
近頃に見る健康ブームで問題視されているのは糖分と澱粉質である。特に澱粉は摂取後体内に於いて糖に変化することは周知の事実となっている。オカラは澱粉質の含有が少なく、これを主食として摂取すれば健康に役に立つ。
【0004】
又、地球環境の変化も著しく、異常気象、高齢化に対応できる食品としてパンがあるが、この国の食生活では完全に移行するには時間がかかる。簡単に製造ができ、保存可能な主食となる第2の米は必要不可欠である。
【発案の開示】

【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オカラを用いた既存の加工、製造法は、無味であるオカラに何らかの味を加えた食品として完成させているが、嗜好物であり、主食の役割はない。
【0006】
過剰な味の加工は保存期間に関係し、防腐剤の食品への混入は不可欠となる。
【0007】
本発案は生のオカラに保存薬品の投入をせず、長期保存の憂慮に配し、高齢化に準じ安価で経済的な主食をオカラの資源の活用も併せて第2の米とすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、上記目的に適合するために生オカラにグルテン、オオバコ種皮、粉寒天、卵白粉を攪拌混合し、蒸し器にて中火で20分間蒸し、冷ました後に細かく切る。保存方法は冷凍保存とと乾燥保存の手段をとる。
【0009】
図1のように家庭での製造の場合は、そのまま食し、余ったものは冷凍保存かオーブンレンジにて乾燥保存ができるが、長期保存は望めない。図2のように完全なる均一形状及び、乾燥保存は機械に依る(例えば特開平09−205993)方法が最良である。
【作用】
【0010】
本発案は上記の如く、淡白なオカラの特質を生かしたまま、米の特徴である粘みとさっばり感を確保し、噛むことにより甘味もでる。料理との相性もよく、米と同様の満腹感を得ることができる。
【0011】
炭水化物は体内に於いて糖に変化するが、オカラに於ける炭水化物扱いはなく、糖に変質する心配のない食品である。これによって病人食からダイエット食品に至るまで広範囲の拡大利用が予想される。
【0012】
オカラは豆腐の副産物であり、原材料は大豆である。大豆と米の栽培技術と時間を比較すると、大豆は栽培期間が短い分農薬の含有量が少なくて済む。
【実施例】
以下、本発案の具体的な実施例について説明する
【0013】
本発案は前述の如く生オカラを原材料として、混合物は入れるがあえて味付けをしないことにより主食になり得る。
【0014】
従来にあっては、美味を追求するために、小麦粉、砂糖、バターを混入するのが一般的となっている。これはオカラの味が淡白な上に粘着性がなく、製品として完成させるには混入物に拠らなくてはならないからである。
【0015】
本発案は生オカラが主体であるが故に粘着性が最大の課題である。これを小麦粉500gよりグルテン200gを取り出すことから始めたい。生オカラ300gに対し、グルテン100gを使用、混入する。
【0016】
以下の配合分量は、オオバコ種皮大さじ2、粉寒天大さじ1、粉卵白大さじ1である。よく練り攪拌した後は30分間休ませるのが望ましい。
【0016】
後で切ることを考慮し、蒸し布の上で平たく成形し、蒸し器に入れ20分間蒸し、加熱する。
【0017】
熱いうちは型が崩れやすく、冷まして接触可能の状態で切るのがよい。前述通り、家庭ではこの細かく切った状態のものを主食の代りに摂取できる。
【0018】
米粒状に切ったオカラの保存は、冷凍保存か、オーブンレンジを用い乾燥させ、冷蔵保存とする。
【発案を実施するための最良の形態】
【0019】
しかしながら、家庭での保存はここまでである。長期保存は機械による攪拌、過熱、粒状形成、乾燥を経る工程が望ましい。
【発案の効果】
【0020】
オカラ米を用い、カレー、親子丼、普通の食膳(焼き魚、味噌汁、煮物、漬物)に組み合わせてみた。カレーと丼は調理したものをかける技法であり、味がオカラ米に滲み、米の代用としてカレーとの違和感はない。食膳の主食とする場合、オカラ米を細かく切ることは重大ではあるが、副菜との相性は良好で、いずれも米を用いた場合と同様の充分な満足感と満腹感を得ることができる。
【0021】
本発案に[請求項2]にあるようなものを混入してみた。嗜好物と主食の間になるが、いずれも総量の1割以下の薄味がよい。完全な嗜好物には誇張剤を用い、口当たりの工夫分量が必要である。
【0022】
本発案のオカラ使用の目的は、オカラに澱粉の含有量が少ないことにある。糖に変化せず消化作用の優れている利点を生かせば、病人食として最適である。又、カロリー部門の課題からはダイエット食として大きな役割を果たす。
【0023】
機械による大量生産なら短時間でできるので、製造過程に於いて防腐剤を混入することなく味の変質を防ぐことができる。梱包することにより軽量状態の保管ができる。これらは遠距離の輸送を可能とし、援助物資として国内外に陸、空、海とも大量の輸送ができる。水分を加えるだけの主食は、高齢化社会の担い手として活用はもはや目前である。激動する地球環境に対応するには、即時に大量生産できる第2の米の準備を急がねばならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発案の家庭に於ける製造図
【図2】機械による製造案図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉質の少ない特性を持つ生オカラを主食の米の代用食として製造する。余分な味付けはせず、粘り気はグルテンで、米特有のもっちり感はオオバコ種皮で、サックリ感は粉寒天と粉卵白に頼り、容器を用いこれらを攪拌混合する。これを蒸し、細かく刻み、保存法は冷凍及び、オーブンレンジにて乾燥させるオカラ米の製造法。
【請求項2】
攪拌混合の工程で、塩、カレー粉、卵、そば粉、ナッツ類、唐辛子、スキムミルク、蜂蜜、膨張剤、病人食用には栄養剤の混合が可能であり、何れか一つ又は幾つかの組み合わせを添加して捏練されたことを特徴とする請求項1に記載のオカラ米の製造法。

【図1】
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【図2】
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