説明

オステオポンチン産生抑制方法

本発明は、一般式(I)
【化10】


(式中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
は置換基を有するフェニル基を示し:
は水素原子又は置換基を有してもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩の有効量を投与することを特徴とする
OPN産生抑制方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オステオポンチン産生抑制方法に関し、詳細には、オステオポンチン産生亢進に伴う疾患、例えば、多発性骨髄腫や尿路結石等の予防・治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オステオポンチン(osteopontin;以下、OPNと略す)は、当初、骨の細胞外基質として同定された分泌型リン糖タンパク質であり、細胞では破骨細胞、マクロファージ、活性化T細胞、平滑筋細胞、上皮細胞等で、組織では骨、腎臓、胎盤、平滑筋、分泌上皮等で発現している。OPNはアルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を有し、各種の細胞においてαvβ1、β3及びβ5インテグリンを介して結合し、接着、走化、シグナル伝達を誘導する。OPNの作用として、生理的なものでは骨吸収促進、血管新生促進、創傷治癒、組織障害などにおける正常な組織修復過程等が知られているが、疾患への関与についても指摘されている。
【0003】
血中あるいは組織中OPNの増加が関与する疾患としては、PTCA後の再狭窄(非特許文献1)、腎疾患(非特許文献2)、結核(非特許文献3)、サルコイドーシス(非特許文献4)、肝硬変(非特許文献5)等の慢性肝疾患、以下に示す各種の癌;大腸癌(非特許文献6)、卵巣癌(非特許文献7)、前立腺癌(非特許文献8)、乳癌(非特許文献9)等、あるいは尿路結石(非特許文献10)等が知られている他、後記実施例に示すようなミエローマ系腫瘍(特に多発性骨髄腫)があるが、OPNの産生抑制あるいは機能阻害を実現することにより、これらの疾患の予防又は治療効果が得られるものと期待できる。
【0004】
OPN産生抑制剤又は阻害剤として知られているものとして、PPARγアゴニスト(非特許文献11)及びHMG−CoA還元酵素阻害剤(非特許文献12)等が挙げられる。PPARγアゴニストとしては、トログリタゾン、ピオグリタゾン及びロシグリタゾン等が挙げられ、HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、ロスバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン及びメバスタチン等が挙げられる。しかし、PPARγアゴニストやHMG−CoA還元酵素阻害剤以外に、OPN産生抑制作用を有する化合物はあまり知られていない。
【非特許文献1】Circ.Res.2002 Jul.12;91(1):77−82
【非特許文献2】Am.J.Hypertens.2003 Mar.;16(3):214−22
【非特許文献3】Am.J.Respir.Crit.Care Med.2003 May 15;167(10):1355−9
【非特許文献4】Lung.2001;179(5):279−91
【非特許文献5】Biochem.Biophys.Res.Commun.1999 Mar.24;256(3):527−31
【非特許文献6】J.Natl.Cancer Inst.2002 Apr.3;94(7):513−21
【非特許文献7】JAMA.2002 Apr.3;287(13):1671−9
【非特許文献8】Clin.Cancer Res.1999 Aug;5(8):2271−7
【非特許文献9】Clin.Cancer Res.1997 Apr.;3(4):605−11
【非特許文献10】J.Biol.Chem.1993 Jul.15;268(20):15180−4
【非特許文献11】Circ.Res.2002;90:348−355
【非特許文献12】Br.J.Pharmacol.2001;133:83−88
【発明の開示】
【0005】
本発明の目的は、新規なOPN産生抑制方法を提供することにある。
【0006】
かかる実状に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、全く意外にもインターロイキン−1β産生抑制作用を有することで知られる後記一般式(I)の化合物に、OPN産生抑制作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、一般式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩の有効量を投与することを特徴とするOPN産生抑制方法を提供するものである。
【0010】
また本発明は、上記一般式(I)で表されるピリダジン誘導体又はその塩を有効成分とするOPN産生抑制剤及びOPN産生亢進に伴う疾患の予防治療剤を提供するものである。
【0011】
また本発明は、上記一般式(I)で表されるピリダジン誘導体又はその塩のOPN産生抑制剤及びOPN産生亢進に伴う疾患の予防治療剤製造のための使用を提供するものである。
【0012】
また本発明は、上記一般式(I)で表されるピリダジン誘導体又はその塩及び薬学的に許容される担体を含有するOPN産生抑制剤組成物及びOPN産生亢進に伴う疾患の予防治療剤組成物を提供するものである。
【0013】
さらに本発明は、上記一般式(I)で表されるピリダジン誘導体又はその塩を投与することを特徴とする、OPN産生亢進に伴う疾患の処置方法を提供するものである。
【0014】
本発明によれば、オステオポンチン産生を伴う疾患、例えば、多発性骨髄腫や尿路結石等の予防・治療に有用な、オステオポンチン産生抑制剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、多発性骨髄腫由来骨髄細胞(左)及び対照群(MGUS)(右)におけるオステオポンチンの免疫細胞化学染色結果を示す図である。
【図2】図2は、MGUS(A)、脊髄形成異常症候群(MDS)(B)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)(C)及び急性骨髄性白血病(AML)(D)、遺伝性球状赤血球症(HSC)(E)におけるオステオポンチンの免疫細胞化学染色結果を示す図である。
【図3】図3は、RT−PCR法による、種々の細胞系におけるオステオポンチン(OPN)及びGAPDHの発現を示す図である。
【図4】図4は、ウェスタンブロッティング法による、種々の細胞におけるオステオポンチン(OPN)の発現を示す図である。
【図5】図5は、多発性骨髄腫患者(MM)、MGUS及び健常人の血漿中オステオポンチン濃度分布を示す図である。
【図6】図6は、多発性骨髄腫患者のステージI、ステージII(非活動性)及びステージIII(活動性)における血漿中オステオポンチン濃度を示す図である。
【図7】図7は、多発性骨髄腫患者の骨疼痛の有無による血漿中オステオポンチン濃度の差を示す図である。
【図8】図8は、多発性骨髄腫患者の骨吸収性骨破壊像の有無による血漿中オステオポンチン濃度の差を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明で使用する一般式(I)で表されるピリダジン誘導体又はその塩は、国際公開番号WO99/25697号公報に記載されているように優れたインターロイキン−1β産生抑制作用を有し、インターロイキン−1β産生亢進に起因する免疫系疾患、炎症性疾患等の各種疾患の予防・治療剤として有用であることが知られている。しかし、一般式(I)で表わされる化合物がOPN産生抑制作用を有するか否かは、全く知られていない。なお化合物(I)の製造方法や、化合物(I)を有効成分として含有する製剤の調製方法等、国際公開番号WO99/25697号公報記載の内容は、本明細書の一部としてここに引用する。
【0017】
一般式(I)中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基である。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。これらの置換基は3,4又は5位に存在するのが好ましい。
【0018】
は、その4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基である。ここでRのフェニル基上の置換基である炭素数1〜6のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基等が挙げられる。またRのフェニル基上の置換基であるハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基としては、前記Rと同様のものが挙げられる。これらの置換基は、4位のみ、3位と4位、又は3位と4位と5位に存在するのが好ましい。
【0019】
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示す。
【0020】
ここで、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子としては、前記Rと同様のものが挙げられる。炭素数1〜6のアルキルチオ基としては前記Rと同様のものが挙げられる。炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基に前記Rで示したハロゲン原子が1〜3個置換したものが挙げられる。炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
【0021】
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルキルアミノ基としては、炭素数1〜6のアルキル基を1又は2個有するもので、例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基等が挙げられる。
【0022】
ピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基又はモルホリノ基に置換し得る基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。アミノカルボニル基に置換し得る基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基の他、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜12のアラルキル基が挙げられる。炭素数2〜7のアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等が挙げられる。
【0023】
Aで示されるもののうち、炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。また、炭素数2〜9の直鎖又は分岐状のアルケニレン基としては、好ましくは炭素数2〜9で二重結合を1〜3個有するもので、例えばエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ブタジエニレン基等が挙げられる。
【0024】
また、一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:Rが4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:Rが水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:Aが炭素数1〜2のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基であるものがさらに好ましい。
【0025】
さらに、一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:Rが4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:Rが水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基であるものが最も好ましい。
【0026】
さらにまた、より具体的には、有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項1記載の方法が特に好ましい。
【0027】
また、本発明に用いられるピリダジン誘導体(1)の塩としては、薬学上許容される塩であれば特に制限されないが、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩のような鉱酸の酸付加塩、又は安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩のような有機酸の酸付加塩などが挙げられる。
【0028】
また、本発明に用いられる化合物は、水和物に代表される溶媒和物の形態やケト−エノールの互変異性体の形態でも存在し得るが、かかる溶媒和物及び異性体も本発明に包含される。
【0029】
ピリダジン誘導体(1)又はその塩は、後記実施例に示すように優れたOPN産生抑制作用を有し、OPN産生亢進に伴う疾患、例えばPTCA後の再狭窄、腎疾患、結核、サルコイドーシス、肝硬変等の慢性肝疾患、以下に示す各種の癌;大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、乳癌等、あるいは尿路結石等の他、ミエローマ系腫瘍(特に多発性骨髄腫)等の予防・治療剤として有用である。
【0030】
本発明の医薬は、前記ピリダジン誘導体(1)又はその塩を有効成分とするものであり、この投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などによる経口投与又は静脈内注射剤、筋肉注射剤、坐薬、吸入薬、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤などによる非経口投与が挙げられる。このような種々の剤型の医薬組成物を調製するにあたっては、この有効成分に薬学的に許容される担体を配合することができる。かかる担体としては、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
【0031】
本発明の医薬の投与量は年令、体重、症状、投与形態及び投与回数などによって異なるが、通常は成人に対してピリダジン誘導体(I)又はその塩として1日0.01〜1000mg、好ましくは0.1〜100mgを1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
【実施例】
【0032】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
合成例1
5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン メタンスルフォネートの合成
・5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オンの合成
5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン500mg(1.52mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド10mL溶液に炭酸カリウム525mg(3.78mmol)、2−ピコリルクロリド塩酸塩300mg(1.83mmol)を加え、80℃にて12時間攪拌した。反応液にクロロホルム50mLを加え、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1〜2/1)で分離精製し微黄色アモルファスとして標題化合物623mg(97.5%)を得た。
【0034】
H−NMR(CDCl)δ:2.45(3H、s)、5.58(2H、s)、6.96(1H、s)、7.06−7.11(6H、m)、7.21(1H、m)、7.27−7.33(3H、m)、7.67(1H、m)、8.59(1H、m).
IR(KBr)cm−1:1667、1593、1584,1492,1092.
Mass(m/z):421(M)、419(M).
【0035】
・5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオンの合成
5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン345mg(0.822mmol)のトルエン5mL溶液にLawesson’s試薬400mg(0.989mmol)を加え、100℃で2時間攪拌した。反応液にクロロホルム30mLを加え、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン=4/1〜クロロホルム)で分離精製し黄色アモルファスとして標題化合物331mg(92.4%)を得た。
【0036】
H−NMR(CDCl)δ:2.46(3H、s)、6.09(2H、s)、7.09−7.14(4H、m)、7.21(1H、m)、7.26−7.34(5H、m)、7.67(1H、m)、7.82(1H、s)、8.60(1H、m).
IR(KBr)cm−1:1593、1473、1159、1099.
Mass(m/z):437(M)、435(M).
【0037】
・5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン メタンスルフォネートの合成
5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン210mg(0.582mmol)のメタノール2mL溶液に、氷水冷却下1mmol/mLメタンスルホン酸−ジオキサン溶液0.53mL(0.53mmol)を加え、同温度にて5分間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をメタノール−エーテルから結晶化し、黄色結晶性粉末として標題化合物248mg(96.8%)を得た。
【0038】
融点:215.0−217.4℃
H−NMR(DMSO−D)δ:2.37(3H、s)、2.45(3H、s)、6.08(2H、s)、7.15(2H、d、J=8.8Hz)、7.19(2H、d、J=8.8Hz)、7.31(2H、d、J=8.8Hz)、7.45(2H、d、J=8.8Hz)、7.53−7.58(2H、m)、7.80(1H、s)、8.06(1H、m)、8.68(1H、m).
IR(KBr)cm−1:1228、1169、1100.
【0039】
合成例2
5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン メタンスルフォネートの合成
5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン226mg(0.583mmol)、1mmol/mLメタンスルホン酸−ジオキサン溶液0.59mL(0.59mmol)より実施例1−3)の場合と同様に処理しメタノール−エーテルから結晶化し、微褐色結晶性粉末として標題化合物268mg(96.5%)を得た。
【0040】
融点:184.4−187.1℃
H−NMR(DMSO−d)δ:2.35(3H、s)、2.45(3H、s)、5.53(2H、s)、7.06(1H、s)、7.10(2H、d、J=8.6Hz)、7.17(2H、d、J=8.6Hz)、7.25(2H、d、J=8.6Hz)、7.44(2H、d、J=8.6Hz)、7.93(1H、dd、J=5.6、8.1Hz)、8.42(1H、m)、8.66(1H、dd、J=1.2、5.6Hz)、8.94(1H、d、J=2.0Hz).
IR(KBr)cm−1:1665、1227、1212、1194、1156.
【0041】
実施例1(オステオポンチンの免疫細胞化学的検討)
典型的な多発性骨髄腫患者3名から採取した骨髄細胞におけるオステオポンチンの発現を、アビジン−ビオチン−パーオキシダーゼ複合体法を用いた免疫細胞化学的手法により検討した。対照群として、monoclonal gammopaties with uncertain significance(MGUS:単クローン性の免疫グロブリンの増加を認めるが、多発性骨髄腫の診断基準を満たさないもの。)を含む多発性骨髄腫とは異なる血液疾患患者5名の骨髄細胞を使用した。骨髄細胞は密度勾配遠心法によって単離した。そこから調製したそれぞれの患者由来の骨髄細胞1×10を、Cytospin2(Shandon Soutern Products Ltd、Cheshire、UK)を用いてガラス製スライド上に定着させた。スライドは使用するまで−80℃で保管した。今らが作製したマウス抗ヒトオステオポンチンモノクローナルIgG抗体(4C1)(J.Cellular Biochemistry 2002;84:420−432)を1次抗体として使用した。オステオポンチンとは無関係の同濃度のマウスIgG抗体(Pharmingen、San Diego、USA)をネガティブコントロールとして1次抗体に使用した。ビオチン化ウマ抗マウスIgG抗体(Vector、Laboratories、Burlingame、USA)を2次抗体として使用した。Cytospin処理したスライドを冷イソプロパノール中で2分間浸して細胞を固定した。10%正常ウマ血清を用いてブロッキングした後、4C1またはネガティブコントロール抗体を4℃で一晩反応させた。内因性のパーオキシダーゼ活性を0.3%hydrogen peroxidaseメタノール溶液の30分間処理により阻害した。PBS(リン酸緩衝液)で洗浄後ビオチン化2次抗体を室温で2時間反応させた。洗浄後avidin−horseradish peroxidase complex(VECTASTAIN Elite ABC kit、Vector Laboratories、Burlingame、USA)を1時間反応させた。その後ジアミノベンゼンテトラヒドロクロリド(DBA)を用いた基質で発色させ、さらに細胞数の計数のためにギムザ染色を行なった。
【0042】
その結果、図1に示すように、典型的なミエローマ細胞の形態を有していた骨髄細胞の大部分が、マウス抗ヒトオステオポンチンモノクローナルIgG抗体である4C1によって茶色に染色された(左写真)。一方、コントロール抗体では着色が観察されなかった(右写真)。
【0043】
また、図2に示すように、MGUS(写真A)、脊髄形成異常症候群(写真B)、特発性血小板減少性紫斑病(写真C)、急性骨髄性白血病(写真D)、遺伝性球状赤血球症(写真E)の、どの由来の骨髄細胞にもオステオポンチンの発現を示す染色は認められなかった。
【0044】
従って、オステオポンチンはミエローマ細胞において特異的に発現していることがわかる。
【0045】
実施例2(RT−PCR法によるオステオポンチンの分析)
ステージの異なるB細胞系細胞(RPMI8226;ミエローマ細胞系、Daudi;バーキットリンパ腫由来のリンパ芽球様B細胞系、Ramos;バーキットリンパ腫由来のリンパ芽球B細胞系、Raji;バーキットリンパ腫由来のリンパ芽球B細胞系、Kopn−8;pre−B細胞系、NALM−16;pro−B細胞系、Reh;pro−B細胞系)におけるオステオポンチンのmRNA発現を、ヒトオステオポンチンより設計した特異的なプライマー(センスプライマー;5’−GGACTCCATT GACTCGAACG−3’(配列番号1)、アンチセンスプライマー;5’−TAATCTGGACTGCTTGTGGC−3’(配列番号2))を用いたRT−PCR法により検討した。それぞれの細胞株からTRIZOL試薬(Life Technologies、Rockville、USA)を用いて100ngのmRNAを精製し、これからそれぞれのcDNAを合成した。PCRは以下に述べる条件で、オステオポンチン特異的なプライマーを用いて行なった。すなわち、94℃1分間で変性を行ない、57℃1分間でアニーリングし、72℃2分間で伸長を行なった。このサイクルを30回繰り返した。対照としてGAPDH(Glyceraldehyde−3−Phosphate dehydrogenase)に対する特異的なプライマー(センスプライマー;5’−AATTACCACAACCCCTACAAAC−3’(配列番号3)、アンチセンスプライマー;5’−CAACTCTGCAACATCTTCCTC−3’(配列番号4))を使用した。PCR産物は2%アガロースゲルで電気泳動しバンドの有無を確認した。
【0046】
その結果、図3に示すように、ミエローマ細胞系であるRPMI8226に明確なバンドが認められ、Daudiにも若干のバンドが認められた。しかし、ミエローマ細胞系ではない他の細胞系ではオステオポンチンのバンドが認められなかった。
【0047】
実施例3(ウエスタンブロッティング法によるオステオポンチンの分析)
自発的なオステオポンチン産生を検討するために、実施例2と同様の異なるステージのB細胞系を用いて、ウエスタンブロッティング解析を行なった。それぞれの細胞をin vitroで3日間培養し、培養上清を採取した。それぞれの細胞の培養上清20μLから、4−20%アクリルアミド濃度勾配ゲルを用いた4時間のSDS−PAGEによりタンパク質を分離したのち、Immobilon Pメンブレン(Millipore、Bedford、USA)に4℃下で一晩かけてタンパク質をトランスファーした。タンパク質をトランスファーしたメンブレンは、10%スキムミルクと0.1%Tween20を含むリン酸緩衝液(PBS)を用いてブロッキングした。メンブレンを洗浄した後、今らが作製した、ウサギ抗ヒトオステオポンチン抗体(OPN2)(J Cell Biochem 2000;77:487−498)を加えて4℃で一晩反応させた。洗浄後HRP標識ヤギ抗ウサギIgG抗体を加えて室温で1時間反応させた。洗浄した後Renaissance試薬(NEN Life Science Products、Boston、USA)を用いてフィルムに一晩かけて感光させてシグナルを検出した。
【0048】
その結果、図4に示すように、オステオポンチンのバンドはRPMI8226にのみ認められ、他の細胞では認められなかった。
これら図3及び図4より、オステオポンチンは、ミエローマ細胞株で特異的に発現しており、他の腫瘍株では発現していないことがわかる。
【0049】
実施例4(ELISA法による血漿中オステオポンチンの定量)
30名の多発性骨髄腫患者の血漿中オステオポンチン濃度を、ヒトオステオポンチンELISAキット(Immuno−Biological Laboratories、Gunma、Japan)を用いて測定した。対照として、21名のMGUS患者及び30名の健常者ボランティアより採取した血漿を使用した。データは平均値±標準誤差で示した。Mann−Whitney U Testを用いて検定を行なった。p値が0.05より小さいとき(危険率5%未満のとき)を有意差ありとした。
【0050】
その結果、図5に示すように多発性骨髄腫患者の血漿中オステオポンチン濃度は、MGUS患者や健常者のそれよりも有意な高値を示した。
血漿中オステオポンチン濃度 平均値±標準誤差ng/mL;多発性骨髄腫1053±957、MGUS 355±205、健常者309±184;
多発性骨髄腫対MGUSおよび健常者 *p<0.05
【0051】
図6は、多発性骨髄腫患者をDurie&Salmonの分類(Cancer 1975;36:842−54)に従ってStage I(6名)、Stage II(非活動性)(12名)、Stage III(活動性)(12名)の3つの臨床ステージに分類して、血漿中オステオポンチン濃度を比較した結果を示す図である。図6から明らかなように多発性骨髄腫患者の血漿中オステオポンチン濃度は、病期や活動性に依存した有意な上昇を示した。
血漿中オステオポンチン濃度 平均値±標準誤差ng/mL;Stage I 389±89、Stage II(非活動性)816±446、Stage III(活動性)1991±953、
Stage II(非活動性)対Stage I *p<0.05
Stage III(活動性)対Stage I、Stage II(非活動性)*p<0.05
【0052】
図7は、多発性骨髄腫患者の血漿中オステオポンチン濃度を2つの集団の間で比較した結果を示す図である。一方のグループは、ほとんど骨疼痛を感じない患者で、もう一方のグループは顕著な骨疼痛を有する患者で構成した。顕著な骨疼痛を伴う患者の血漿中オステオポンチン濃度は、ほとんど痛みを感じないグループと比較して有意な高値を示した。
血漿中オステオポンチン濃度 平均値±標準誤差ng/mL;骨疼痛[−]776±660、骨疼痛[+]1822±994;骨疼痛[+]対骨疼痛[−]*p<0.05
【0053】
図8は、多発性骨髄腫患者の血漿中オステオポンチン濃度を2つの集団の間で比較した結果を示す図である。一方のグループは磁気共鳴映像法(MRI)によってほとんど骨吸収性の骨破壊像が確認できなかった患者で構成した。もう一方のグループは顕著な骨吸収性の骨破壊像が確認できた患者で構成した。顕著な骨吸収性骨破壊像が認められるグループの血漿中オステオポンチン濃度は、ほとんど認められないグループと比較して有意な高値を示した。
血漿中オステオポンチン濃度 平均値±標準誤差ng/mL;骨吸収性骨破壊像[−]486±169、骨吸収性骨破壊像[+]1498±486;骨吸収性骨破壊像[+]対骨吸収性骨破壊像[−]*p<0.05
【0054】
実施例5(培養細胞を用いたOPN産生抑制作用の検討)
1)使用した化合物
以下の検討には、前記合成例1及び2で得られた化合物(以下、それぞれ化合物1、化合物2と表記する)の他、国際公開番号WO99/25697号公報に記載されている以下の各化合物、すなわち当該公報中の実施例12(5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、以下化合物3と表記する)、実施例51(2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、以下化合物4と表記する)、実施例78(2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2H−ピリダジン−3−オン、以下化合物5と表記する)、及び実施例163(5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン、以下化合物6と表記する)の4化合物を、それぞれ記載された方法に従って合成して用いた。
【0055】
2)化合物の溶液調整
化合物1〜6を、dimethylsulfoxide(DMSO)に溶解し、各化合物の20mmol/L溶液を調整した。さらにDMSOにて希釈し、各化合物の6、2、0.6、0.2mmol/L溶液を調製した。調製した各濃度(0.2〜20mmol/L)、各化合物(1〜6)のDMSO溶液、またはDMSO(化合物非添加群として)を、培地(10%fetal bovine serum(FBS)添加RPMI−1640培地)を用いて1000倍に希釈し、0(非添加群)、0.2、0.6、2、6、20μmol/Lの各化合物(1〜6)の溶液を、それぞれ調製した。
【0056】
3)RPMI8226細胞における、各化合物のOPN産生抑制作用の検討
RPMI8226細胞の2×10cells/mL細胞懸濁液を調製し、6well plateに2mLずつ播種した。各wellに対し、2)で調製した各溶液(化合物1〜6の、濃度0(非添加群)、0.2、0.6、2、6、20μmol/Lの各溶液)を2mLずつ添加して混和し、各wellの化合物1〜6の終濃度を、0(非添加群)、0.1、0.3、1,3、10μmol/Lとした。これら各条件の細胞は、前期培養として37℃、5%CO存在下で3日間培養した。
【0057】
前記培養後、各wellの細胞を回収し、well毎に細胞数を計数した後、それぞれを再度2×10cells/mLの懸濁液に調製し、各条件の細胞とも2wellに0.5mLずつ播種した。各条件のwellには、前記培養時と同濃度に該当する各溶液(化合物1〜6の、濃度0(非添加群)、0.2、0.6、2、6、20μmol/Lの各溶液)を、前期培養時と同様の方法で調製して各wellに0.5mLずつ添加して混和した後、後期培養として37℃、5%CO存在下で3日間培養した。
【0058】
後期培養終了後、培養上清をwell毎に回収し、培養上清中のOPN濃度を、ELISA法(Human Osteopontin測定キットIBL、株式会社免疫生物研究所)にて、吸光光度計を用いて定量した。
【0059】
得られた測定値は、SAS前臨床パッケージVersion5.0を用いて以下の手順で解析した。すなわち、濃度を対数変換して(化合物非添加群(0μmol/L)は1pmol/Lに置き換えた)、測定値(6濃度、各濃度2測定値、計12測定値)を用いたロジスティック曲線への当てはめを行なった。得られた曲線から反応率が50%になる濃度(IC50)を算出した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1に示すように、化合物1〜6は、いずれも優れたOPN産生抑制作用を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化2】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩の有効量を投与することを特徴とするOPN産生抑制方法。
【請求項2】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項1記載の方法。
【請求項3】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項1記載の方法。
【請求項4】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項1記載の方法。
【請求項5】
一般式(I)
【化3】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩を有効成分とするOPN産生抑制剤。
【請求項6】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項5記載の抑制剤。
【請求項7】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項5記載の抑制剤。
【請求項8】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項5記載の抑制剤。
【請求項9】
一般式(I)
【化4】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩を有効成分とするOPN産生亢進に伴う疾患の予防治療剤。
【請求項10】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項9記載の予防治療剤。
【請求項11】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項9記載の予防治療剤。
【請求項12】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項9記載の予防治療剤。
【請求項13】
一般式(I)
【化5】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩のOPN産生抑制剤製造のための使用。
【請求項14】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項13記載の使用。
【請求項15】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項13記載の使用。
【請求項16】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項13記載の使用。
【請求項17】
一般式(I)
【化6】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩のOPN産生亢進に伴う疾患の予防治療剤製造のための使用。
【請求項18】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項17記載の使用。
【請求項19】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項17記載の使用。
【請求項20】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項17記載の使用。
【請求項21】
一般式(I)
【化7】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩及び薬学的に許容される担体を含有するOPN産生抑制剤組成物。
【請求項22】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項21記載の組成物。
【請求項23】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項21記載の組成物。
【請求項24】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項21記載の組成物。
【請求項25】
一般式(I)
【化8】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩及び薬学的に許容される担体を含有するOPN産生亢進に伴う疾患の予防治療剤組成物。
【請求項26】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項25記載の組成物。
【請求項27】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項25記載の組成物。
【請求項28】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項25記載の組成物。
【請求項29】
一般式(I)
【化9】

(式中、Rはハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基を示し:
はその4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換し、さらに他の位置にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1又は2個が置換していてもよいフェニル基を示し:
は水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;炭素数3〜6のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基及び炭素数1〜6のアルキルチオ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいフェニル基、ピリジル基若しくはフェニルオキシ基;置換基を有してもよいピペリジノ基、ピペリジル基、ピペラジノ基若しくはモルホリノ基;置換基を有してもよいアミノカルボニル基;炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;又は置換基を有してもよいピペラジノカルボニル基を示し:
Aは単結合;炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;又は炭素数2〜9の直鎖若しくは分岐状のアルケニレン基を示し:
Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。ただし、Rが炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基のとき、Aは単結合である。)
で表されるピリダジン誘導体又はその塩の有効量を投与することを特徴とするOPN産生亢進に伴う疾患の処置方法。
【請求項30】
一般式(1)中、Rが4位にフッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位に炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子又はハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
Aが炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数3〜4のアルケニレン基である請求項29記載の方法。
【請求項31】
一般式(1)中、Rが4位に塩素原子又はメトキシ基が置換していてもよいフェニル基又はピリジル基であり:
が4位にメトキシ基又はメチルチオ基が置換したフェニル基であり:
が水素原子、フェニル基、4−クロロフェニル基、2−ピリジル基又は3−ピリジル基であり:
Aがメチレン基、エチレン基又は2−プロペニレン基である請求項29記載の方法。
【請求項32】
有効成分が5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(2−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−チオン、5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(3−ピリジルメチル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−クロロシンナミル)−2H−ピリダジン−3−オン、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン、2−(4−クロロベンジル)−6−(4−(メトキシフェニル)−5−(4−ピリジニル)−2H−ピリダジン−3−オン、5,6−ビス(4−メトキシフェニル)−2−エチル−2H−ピリダジン−3−オン又はそれらの塩である請求項29記載の方法。
【請求項33】
OPN産生亢進に伴う疾患が、PTCA後の再狭窄、腎疾患、結核、サルコイドーシス、肝硬変、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、尿路結石又はミエローマ系腫瘍である請求項29記載の方法
【請求項34】
OPN産生亢進に伴う疾患が、多発性骨髄腫である請求項29記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/012259
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512508(P2005−512508)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010810
【国際出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】