説明

オスペミフェンの固体配合物

本発明は、一種類以上の粒内賦形剤と組み合わせて、治療活性化合物、または幾何異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩、そのエステルまたはその代謝産物としてオスペミフェン((デアミノヒドロキシ)トレミフェンとしても知られている)を含有する顆粒を含む固体薬剤配合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オスペミフェンまたはそれに密接に関連する化合物を含有する顆粒を含む固体薬剤配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景、および特に実施に関する追加の詳細を提供する事例を説明するためにここに用いた公報および他の文献は、引用によりここに含まれる。
【0003】
「SERM」(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)は、エストロゲン様特性と抗エストロゲン特性の両方を備えている(非特許文献1)。その効果は、骨においてはエストロゲン様効果を、子宮と肝臓においては部分的エストロゲン様効果を、乳癌においては純粋な抗エストロゲン効果を有するタモキシフェンおよびトレミフェンの場合のように、組織特異的であろう。ラロキシフェンおよびドロロキシフェンは、それらの抗エストロゲン特性が優位を占めることを除いて、タモキシフェンおよびトレミフェンに似ている。公表された情報に基づいて、多くのSERMは、更年期の症状を、防ぐよりも生じさせる傾向が強い。しかしながら、SERMには、年配の女性において他の重要な利点がある。SERMは、総コレステロールとLDLコレステロールを減少させ、したがって、心疾患のリスクを減少させる。また、SERMは、骨粗鬆症を防ぎ、閉経後の女性における乳癌の増殖を阻害するであろう。ほとんど純粋な抗エストロゲンも開発中である。
【0004】
オスペミフェンは、化学式(I)
【化1】

【0005】
の化合物のZ異性体であり、トレミフェンの主要代謝産物の内の1つであり、エストロゲン作用薬および拮抗薬として知られている(非特許文献1、特許文献1および2)。この化合物は、(デアミノヒドロキシ)トレミフェンとも呼ばれ、FC−1271aというコードでも知られている。オスペミフェンは、古典的ホルモン試験において比較的弱いエストロゲン効果と抗エストロゲン効果を有する(非特許文献2)。オスペミフェンは、抗骨粗鬆症作用を有し、実験モデルとヒトの志願者の両方において総コレステロールとLDLコレステロールのレベルを減少させる(特許文献1および2)。オスペミフェンは、動物の乳癌モデルにおける乳癌の発症の初期段階で抗腫瘍活性も有する。オスペミフェンは、健康な女性における更年期症候群に有益な効果があることが示された最初のSERMでもある。閉経後の女性における特定の更年期障害、すなわち、膣乾燥症や性的不全の治療にオスペミフェンを使用することが特許文献3に開示されている。特許文献4には、女性、特に、月経中または月経後の女性における萎縮症の阻害および萎縮症関連疾病または障害の治療または予防にオスペミフェンを使用することが記載されている。
【特許文献1】国際公開第96/07402号パンフレット
【特許文献2】国際公開第97/32574号パンフレット
【特許文献3】国際公開第02/07718号パンフレット
【特許文献4】国際公開第03/103649号パンフレット
【非特許文献1】Kauffmann RF, Bryant HU, Selective estrogen receptor modulators. Drug News Perspect 8: 531-539, 1995
【非特許文献2】Kangas L. Biochemical and pharmacological effects of toremifene metabolites. Cancer Chemother Pharmacol 27: 8-12, 1990
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、薬剤の溶解が実質的に増大した、オスペミフェンを含有する改良固体薬剤配合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
それゆえ、本発明は、一種類以上の粒内賦形剤と組み合わせて、化学式(I)
【化2】

【0008】
の治療活性化合物、または幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、またはそのエステルまたはその代謝産物を含有する顆粒を含む固体薬剤配合物に関する。
【0009】
造粒:
造粒は、顆粒と呼ばれるより大きな多粒子物体を形成するために主要な粉末粒子を付着させるプロセスである。薬剤顆粒は、その後の用途に応じて、典型的に、0.2から4.0mmの範囲のサイズを有する。たいていの場合、顆粒が中間生成物として製造され、0.2から0.5mmの一般的なサイズ範囲を有する場合、錠剤またはカプセルの製造にこのプロセスが行われる。
【0010】
造粒の主な理由としては以下が挙げられる:
− 粉末ミックスの成分の分離の防止。分離または逆混合(demixing)は主に、ミックスの成分のサイズまたは密度の差によるものであり、より小さなおよび/またはより緻密な粒子が容器の底に集まり、より大きなおよび/またはそれほど緻密ではない粒子がその上に集まる。理想的な造粒は、各顆粒中に正確な比率でミックスの成分全てを含有し、成分の分離が起こらない。
【0011】
− ミックスの流動特性の改善。多くの粉末は、その小さな粒径、不規則な形状または表面特性のために、凝集性であり、良好に流動しない。流動が不十分であると、錠剤の染料などの充填量が変動するために、最終製品において質量が広く変動することが多い。
【0012】
− ミックスの圧密特性の改善。ある粉末は、容易に圧密可能な接着剤がミックス中に含まれていたとしても、圧密するのが難しいが、同じ配合物の顆粒は、より容易に圧密され、より強力な錠剤を生成することがある。
【0013】
他の理由も挙げられる:粉末の取扱時の粉塵の減少、貯蔵したときのわずかに含水する材料の付着の回避。
【0014】
造粒方法は、湿式造粒法および乾式造粒法の2つのタイプに分類できる。適切な配合物において、薬剤に加え、多数の異なる賦形剤が必要とされる。一般的なタイプは、適切なサイズの単位用量の質量を生成するための希釈剤、および液体媒質に到達したとき、例えば、患者が摂取する際に、顆粒をバラバラにするのを補助するために加えられる崩壊剤である。特に乾式造粒法を使用する場合、乾燥粉末形態の接着剤を加えてもよい。これらの成分は、造粒前に混合される。
【0015】
顆粒中の賦形剤は、粒内賦形剤とも呼ばれる。顆粒を最終配合物に配合するときに、賦形剤が加えられる。顆粒の外部の賦形剤は粒外賦形剤と呼ばれる。
【0016】
乾式造粒法において、主要な粉末粒子は高圧下で凝集される。それには、2つの主要なプロセスがある。大きな錠剤(スラグ)がヘビーデューティー打錠プレス内で製造されるか、または粉末が2つのローラ間で圧縮されて、材料のシートが製造される(ローラ圧密)。これらの中間生成物は、適切な製粉技法により粉々にされる。水分に敏感な薬剤に、乾式造粒法が用いられる。
【0017】
湿式造粒法は、造粒流体を用いて、乾燥した主要な粉末粒子のミックスを集塊化する工程を含む。この流体は、乾燥によって除去できるように揮発性かつ非毒性でなければならない溶媒を含有する。典型的な液体としては、単独で、または組合せでの、水、エタノール、およびイソプロパノールが挙げられる。造粒流体は、単独で用いても、より一般的に、顆粒が一旦乾燥したときの粒子の付着を確実にするために用いられる溶解した接着剤(結合剤)を含有する溶媒として用いてもよい。湿った集塊は、篩に押し通されて、湿った顆粒が生成され、その顆粒は次いで乾燥される。その後のスクリーニング段階で、凝集塊が破壊され、微細な材料が除かれる。
【0018】
溶解試験:
インビトロ溶解試験は、そのライフサイクルにおける異なる段階での製品の生物薬剤品質を特徴付けるための重要な手段として働く。初期の薬剤開発において、インビトロ溶解特性は、さらなる開発のため、また活性成分/薬剤物質の評価のための、異なる代わりの配合物候補の中からの選択を支援する。さらに、インビトロ溶解データは、製造場所、製造プロセスまたは配合における変化を評価するときに非常に重要であり、生体利用効率研究の必要性に関する決定を助ける。
【0019】
経口投与後の固体の剤型からの薬剤の吸収は、薬剤製品からの薬剤物質の放出、生理的条件下での薬剤の溶解または可溶化、および胃腸管に亘る透過性に依存する。これらの段階の内の2つの段階の重大な性質のために、インビトロ溶解は、インビトロ性能の予測に関連するであろう。この一般的な検討材料に基づいて、錠剤およびカプセルなどの即時放出の経口用固体の剤型に関するインビトロ溶解試験が、a)薬剤製品のロット間品質を評価するため、b)新たな配合物の開発を導くため、c)配合、製造プロセス、製造場所、および製造プロセスの拡大における変化などの、特定の変化後の継続的な製品の品質と性能を保証するために用いられる。
【0020】
溶解プロファイル比較:
溶解プロファイルは、1)全体的なプロファイルの類似性、および2)全ての溶解サンプル時点での類似性によって、類似と考えられるであろう。溶解プロファイル比較は、モデル独立性方法またはモデル依存性方法を用いて行ってよい。
【0021】
類似性因子(similarity factor)f2は、二乗誤差の合計の平方根逆数対数変換であり、2つの曲線の間の溶解パーセント(%)における類似性の尺度である。この類似性因子は、以下の数式
【数1】

【0022】
にしたがって計算され、ここで、nはサンプリング時点の数であり、Rtは時間tで参照バッチから放出された薬剤の量であり、Ttは時間tで試験バッチから放出された薬剤の量である。類似と考えられる曲折について、f2は100に近いはずである。一般に、50より大きいf2値は、2つの曲線の同一性または等価、すなわち、参照製品と試験製品の性能の同一性を保証する。
【0023】
本発明による薬剤配合物において、粒内賦形剤は、一種類以上の成分からなっていても差し支えなく、それらの成分は同じまたは異なる範疇の賦形剤に属していてもよい。少なくとも一種類の粒内賦形剤は、崩壊剤またはいくつかの崩壊剤の混合物、希釈剤またはいくつかの希釈剤の混合物、または結合剤またはいくつかの結合剤の混合物である。この粒内賦形剤は、少なくとも一種類の希釈剤と少なくとも一種類の結合剤の組合せ、少なくとも一種類の希釈剤と少なくとも一種類の崩壊剤の組合せ、少なくとも一種類の崩壊剤と少なくとも一種類の結合剤の組合せ、または少なくとも一種類の希釈剤と少なくとも一種類の崩壊剤と少なくとも一種類の結合剤の組合せであってもよい。
【0024】
適切な崩壊剤の典型的な非制限的例として、ポビドン、クロスポビドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ホルムアルデヒド−カゼインまたはそれらの組合せが挙げられる。
【0025】
適切な希釈剤の典型的な非限定的例として、マルトース、マルトデキストリン、ラクトース、フルクトース、デキストリン、微結晶セルロース、アルファー化デンプン、ソルビトール、スクロース、シリカ化微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストリン、マンニトール、リン酸カルシウムまたはそれらの組合せが挙げられる。
【0026】
適切な結合剤の典型的な非限定的例として、アカシア、デキストリン、デンプン、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、グアールガム、グルコース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリメタクリレート、マルトデキストリン、ヒドロキシエチルセルロースまたはそれらの組合せが挙げられる。
【0027】
顆粒は、公知の技術にしたがって、乾式造粒法または湿式造粒法のいずれにより製造しても差し支えない。湿式造粒法における適切な溶媒は、例えば、水またはエタノールである。
【0028】
最終的な固体薬剤配合物は、錠剤、カプセル、顆粒それ自体または適切な投与単位にパッケージされた顆粒、キャプレット、トローチ剤などの任意の適切な固体配合物であって差し支えない。「錠剤」という用語は、被覆されていない錠剤、被覆錠剤、膜被覆錠剤、発泡錠、経口凍結乾燥製剤(lyophilisates)、経口分散性(orodispersable)錠剤、胃耐性(gastro-resistant)錠剤、徐放性錠剤、改良放出性(modified-release)錠剤、チュワブル錠、経口ガムおよび小丸薬などの任意の種類の錠剤を包含するものと理解すべきである。顆粒は、発泡性、胃耐性、徐放性および改良放出性の顆粒も包含することが理解されよう。カプセルは、胃耐性、徐放性および改良放出性のカプセルを包含することも理解されよう。
【0029】
配合物は、例えば、ゼラチンなどから製造された外皮内に被包された顆粒を有してなるカプセルであってよい。配合物は、顆粒に加え、粒外滑剤を含んでも差し支えない。典型的に滑剤は、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、植物油、ポロキサマー、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛またはそれらの組合せである。配合物は、他の粒外賦形剤、例えば、希釈剤を含有しても差し支えない。
【0030】
あるいは、薬剤配合物は、一種類以上の粒外賦形剤と組み合わせて顆粒を含む錠剤であってもよい。粒外賦形剤は、一種類以上の崩壊剤、一種類以上の希釈剤、一種類以上の結合剤、一種類以上の滑剤、またはそれらの組合せであって差し支えない。粒外崩壊剤は、上述した崩壊剤の内の1つまたはそれらの組合せであって差し支えない。同様に、粒外希釈剤、結合剤、および滑剤は、前述したものから選択することができる。
【0031】
錠剤は、香料添加剤、着色剤、防腐剤、懸濁助剤および充填剤などの他の粒外賦形剤を含んでも差し支えない。
【0032】
顆粒は、顆粒の0.1から10質量%、好ましくは0.1から4質量%の範囲で一種類以上の崩壊剤を、顆粒の20から80質量%の範囲で一種類以上の希釈剤を含むことが好ましい。
【0033】
顆粒を錠剤に加工する場合、そのような錠剤は、結合剤、香料添加剤、着色剤、防腐剤、懸濁助剤、充填剤などの他の成分と必要に応じて組み合わせて、例えば、0.1から25%の範囲の粒外崩壊剤、0.1から2%の範囲の滑剤、20から80%の範囲の薬剤含有顆粒、残りの量の希釈剤を含むであろう。百分率は全て、錠剤の質量%である。
【0034】
本発明による改良薬剤配合物は、月経中または月経後の女性を治療する際に特に有用である。しかしながら、本発明による方法は、この年齢のグループの女性に限られない。
【0035】
「代謝産物」という用語は、既に発見されたかまたはこれから発見される任意のオスペミフェンすなわち(デアミノヒドロキシ)トレミフェンの代謝産物を包含することが意図されている。そのような代謝産物の例として、非特許文献2の9頁に挙げられた酸化代謝産物(TORE VI, TORE VII, TORE XVIII, TORE VIII, TORE XIII)、特に、TORE VIおよびTORE XVIII、およびこの化合物の他の代謝産物が挙げられる。オスペミフェンの最も重要な代謝産物は、以下の化学式
【化3】

【0036】
を有する4−ヒドロキシオスペミフェンである。化合物(I)の異性体の混合物の使用も、本発明に含まれる。
【0037】
化合物(I)が好ましいオスペミフェンである。
【0038】
顆粒中のオスペミフェンの粒径は、良好な溶解を得るために重要である。薬剤物質の少なくとも90%が250マイクロメートル未満の粒径を有することが好ましい。薬剤物質の90%が150マイクロメートル未満の粒径を有し、薬剤物質の50%が25マイクロメートル未満の粒径を有することがより好ましい。薬剤物質の90%が50マイクロメートル未満の粒径を有し、薬剤物質の50%が15マイクロメートル未満の粒径を有することが特に好ましい。
【0039】
「粒径」という用語は、粒子の直径を称し、粒子が非球形の場合には、粒子の一方向で最大の長さを称する。
【0040】
本発明による改良薬剤配合物は、オスペミフェンの任意の用途、特に、化合物が、骨粗鬆症の治療または予防、もしくは皮膚萎縮症または上皮または粘膜萎縮症に関連する症状の治療または予防のために使用される場合に有用である。
【0041】
オスペミフェンを投与することによって阻害できる萎縮症の特定の形態は、尿生殖萎縮症である。尿生殖萎縮症に関連する症状は、泌尿症状と膣症状の2つの下位群に分類できる。泌尿症状の例として、排尿障害、排尿困難、血尿、頻尿、尿意、尿路感染症、尿路炎症、夜間多尿症、尿失禁、急迫性尿失禁および非自発的尿漏れが挙げられる。膣症状の例としては、炎症、痒み、ひりひり、悪臭のある分泌物、感染、帯下、外陰掻痒症、圧迫感および性交後の出血が挙げられる。
【0042】
以前のデータによれば、オスペミフェンの最適臨床用量は、一日25mgより多く、一日100mg未満であると予測される。特に好ましい一日量は、30から90mgの範囲にあると示唆されている。より多い用量(一日100および200mg)では、オスペミフェンは、タモキシフェンおよびトレミフェンの性質とより似ている性質を示す。本発明の方法による向上した生体利用効率のために、同じ治療効果が、先に推奨した用量よりも低い用量で達成できると予測できる。
【0043】
本発明を、以下の非制限的実施例において、より詳しく開示する。
【実施例】
【0044】
二種類の異なるオスペミフェン錠剤を製造した。一方の錠剤は、湿式法により作られたオスペミフェン顆粒から製造し、他方の錠剤は、成分の直接圧縮により製造した。
【0045】
二種類の錠剤の組成が以下に挙げられている:
【表1】

【0046】
これらの錠剤に、手作業のサンプリングを用いた米国薬局方の24パドル法にしたがう溶解試験を行った。一粒の錠剤を、2%のドデシル硫酸ナトリウムを900ml含有する12個の各容器内に入れた。pHは9.8であった。5,15,30,60,120,180および240分後に、10mlを溶解容器から手作業で取り出した。試料を直ちに濾過し、コンピュータ分光光度計内の2mmフロースルーセルを用いて分光学的分析を行った。試料溶液中のオスペミフェンの濃度を、238nmでの吸光度を標準溶液のものと比較することによって決定した。その結果が図1に示されている。計算した類似性因子f2は36であった。これは、2種類の錠剤に関する溶解プロファイルが非常に異なることを意味する。
【0047】
図1は、顆粒含有錠剤は、直接圧縮により製造された錠剤と比較して、オスペミフェンの溶解を著しく改善することを示している。
【0048】
本発明の方法は、様々な実施の形態で具体化することができ、その内のいくつかだけがここに開示されていることが理解されよう。他にも実施の形態があり、それらは本発明の本発明の精神から逸脱しないことが当業者には明らかであろう。それゆえ、記載された実施の形態は、説明のためであって、制限と考えるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】成分の直接圧縮により製造された錠剤(◆)および薬剤を含む顆粒から製造された錠剤(■)からのオスペミフェンに関する時間に対する溶解のグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種類以上の粒内賦形剤と組み合わせて、化学式(I)
【化1】

の治療活性化合物、または幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、そのエステルまたはその代謝産物を含有する顆粒を含む固体薬剤配合物。
【請求項2】
化合物(I)がオスペミフェンであることを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項3】
前記粒内賦形剤の少なくとも1つが崩壊剤であることを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項4】
前記粒内賦形剤の少なくとも1つが希釈剤であることを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項5】
前記粒内賦形剤の少なくとも1つが結合剤であることを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項6】
前記粒内賦形剤が、
− 少なくとも一種類の希釈剤と少なくとも一種類の結合剤の組合せ、
− 少なくとも一種類の希釈剤と少なくとも一種類の崩壊剤の組合せ、
− 少なくとも一種類の崩壊剤と少なくとも一種類の結合剤の組合せ、または
− 少なくとも一種類の希釈剤と少なくとも一種類の崩壊剤と少なくとも一種類の結合剤の組合せ、
であることを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項7】
前記崩壊剤が、ポビドン、クロスポビドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ホルムアルデヒド−カゼインおよびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項3記載の薬剤配合物。
【請求項8】
前記希釈剤が、マルトース、マルトデキストリン、ラクトース、フルクトース、デキストリン、微結晶セルロース、アルファー化デンプン、ソルビトール、スクロース、シリカ化微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストリン、マンニトール、リン酸カルシウムおよびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項4記載の薬剤配合物。
【請求項9】
前記結合剤が、アカシア、デキストリン、デンプン、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、グアールガム、グルコース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリメタクリレート、マルトデキストリン、ヒドロキシエチルセルロースおよびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項5記載の薬剤配合物。
【請求項10】
前記顆粒が乾式造粒法により製造されたことを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項11】
前記顆粒が湿式蔵粒法により製造されたことを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項12】
前記配合物が、外皮内に前記顆粒を被包してなるカプセルであることを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項13】
前記配合物が粒外滑剤を含むことを特徴とする請求項12記載の薬剤配合物。
【請求項14】
前記滑剤が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、植物油、ポロキサマー、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛およびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項13記載の薬剤配合物。
【請求項15】
前記配合物が、一種類以上の粒外賦形剤と組み合わせて前記顆粒を含む錠剤であることを特徴とする請求項1記載の薬剤配合物。
【請求項16】
前記粒外賦形剤が、一種類以上の崩壊剤、一種類以上の希釈剤、一種類以上の結合剤、一種類以上の滑剤、およびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項15記載の薬剤配合物。
【請求項17】
前記粒外崩壊剤が、ポビドン、クロスポビドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ホルムアルデヒド−カゼインおよびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項16記載の薬剤配合物。
【請求項18】
前記粒外希釈剤が、マルトース、マルトデキストリン、ラクトース、フルクトース、デキストリン、微結晶セルロース、アルファー化デンプン、ソルビトール、スクロース、シリカ化微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストリン、マンニトール、リン酸カルシウムおよびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項16記載の薬剤配合物。
【請求項19】
前記粒外結合剤が、アカシア、デキストリン、デンプン、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、グアールガム、グルコース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリメタクリレート、マルトデキストリン、ヒドロキシエチルセルロースおよびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項16記載の薬剤配合物。
【請求項20】
前記粒外滑剤が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、植物油、ポロキサマー、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛およびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項16記載の薬剤配合物。
【請求項21】
前記化合物の90%が250マイクロメートル未満の粒径を有することを特徴とする請求項2記載の薬剤配合物。
【請求項22】
前記化合物の90%が150マイクロメートル未満の粒径を有し、該化合物の50%が25マイクロメートル未満の粒径を有することを特徴とする請求項21記載の薬剤配合物。
【請求項23】
前記化合物の90%が50マイクロメートル未満の粒径を有し、該化合物の50%が15マイクロメートル未満の粒径を有することを特徴とする請求項22記載の薬剤配合物。

【図1】
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【公表番号】特表2007−523210(P2007−523210A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500233(P2007−500233)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【国際出願番号】PCT/FI2005/000037
【国際公開番号】WO2005/079777
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506277524)ホルモス メディカル リミテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】HORMOS MEDICAL LTD.
【Fターム(参考)】