説明

オブジェクト表示同期制御方法及びオンラインシステム

【課題】ネットワーク負荷を低減したコンピュータ端末間のオブジェクト表示同期制御方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】複数のユーザ端末(300)にオンラインサービスを提供するオンラインサーバ(100)を備えたオンラインシステムにおけるユーザ端末(300)間のオブジェクト表示同期制御方法は、オンラインサーバ(100)が、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末(300)に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、ユーザ端末(300)に送信する第1ステップと、ユーザ端末(300)が、表示制御アルゴリズムを使用して受信した入力情報に対するオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いたオブジェクトの表示制御を遂行する第2ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインシステムにおける複数端末間の表示画面の同期制御方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームサービスは、インターネットを介して複数プレイヤが同時に同じゲームに参加でき、また、複数プレイヤがオンライン上で同じゲーム空間を共有しながらゲームを楽しむことができる。
【0003】
同じゲーム空間を共有しながらゲームを行うオンラインゲームでは、複数のプレイヤ間の同期制御がなされ、同じゲーム表示遷移(キャラクタやその他のオブジェクトの移動における同期表示等)が遂行されている。また、近年のオンラインゲームでは、ゲーム実行中のプレイヤ以外の第3者(同じゲームを個別に行っている他のプレイヤ、その他同じゲームを行っていない他のユーザ)が、プレイ中のゲームを観戦する機能も提供され、この観戦機能においても観戦者にプレイ中のゲーム画面をリアルタイムに表示する同期制御がなされている。
【0004】
主に、ゲーム空間内に登場するオブジェクトは、自身がゲーム空間内を自由に移動しないオブジェクト(例えば、背景オブジェクト)と、プレイヤが操作して又は自動的に制御されながらゲーム空間内を移動するオブジェクト(キャラクタやパチンコ玉、シューティングゲームなどの弾等)とがある。そして、通常、オンラインシステムにおける複数のプレイヤ等のコンピュータ端末間での表示同期制御は、ゲーム空間のオブジェクトの位置情報をゲームサーバから各コンピュータ端末に送信して表示させることにより行われる。すなわち、移動するオブジェクトを複数のプレイヤ等の各コンピュータ端末間で表示同期制御する場合、ゲームサーバは、リアルタイムに刻々と変化するオブジェクトの多数の位置情報(例えば、所定時間毎の位置情報)を連続して各コンピュータ端末に送信し、各コンピュータ端末が、受信した位置情報に応じた表示位置にオブジェクトを表示させることで表示同期を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のオンラインゲームシステムの複数コンピュータ端末間の表示同期制御は、以下のような問題があった。
【0006】
すなわち、上述のように、従来の同期制御方法は、複数の各コンピュータ端末が表示同期処理のために、移動するオブジェクトの位置情報を常にゲームサーバから取得しなければならない。言い換えれば、ゲームサーバは、複数の各コンピュータ端末に対して、表示同期がなされるオブジェクトの複数の位置情報をオブジェクト数分、連続して送信し続けなければならない。
【0007】
このため、ゲーム空間を共有するゲームであっても、他のプレイヤのゲームを観戦する場合であっても、その同期制御においてゲームサーバからプレイヤ等のコンピュータ端末へ伝送されるデータ通信量が増大し、ネットワーク負荷が大きく、かつゲームサーバの処理負担も大きくなる問題がある。
【0008】
特に、多数の移動オブジェクト、例えば、パチンコゲームのパチンコ玉、シューティングゲームの弾、プレイヤが操作できないキャラクタ群(例えば、NPC(Non-Player Character))などの多数のオブジェクトが移動表示される場合では、コンピュータ端末間(プレイヤ間)での表示同期を行うために、多数の各オブジェクトに対する各々の位置情報がコンピュータ端末に送信されることになり、そのデータ量は、膨大なものとなる。
【0009】
また、他のプレイヤのゲームを観戦する場合の同期制御においては、ゲームサーバは、観戦対象のプレイヤのゲーム表示におけるオブジェクトの位置情報を取得して、観戦者のコンピュータ端末に送信するが、この観戦対象のプレイヤが複数ある場合、各々のプレイヤのゲーム表示におけるオブジェクトの位置情報を取得しなければならない。このため、ゲームサーバの処理負担及びネットワークの負担が増大し、好適なオンラインゲームサービス環境を構築できない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ネットワーク負荷を低減したコンピュータ端末間のオブジェクト表示同期制御方法及びそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの観点としての複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバを備えたオンラインシステムにおけるユーザ端末間のオブジェクト表示同期制御方法は、上記オンラインサーバが、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、該ユーザ端末に送信する第1ステップと、上記ユーザ端末が、上記表示制御アルゴリズムを使用し、受信した上記入力情報に対する上記オブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた上記オブジェクトの表示制御を遂行する第2ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、上記方法は、表示位置が時間とともに変化するオブジェクト、形状などの表示態様が時間とともに変化するオブジェクトをユーザ端末間で表示同期制御する場合に適用することが可能である。
【0013】
また、上記入力情報が、上記オブジェクトの移動タイミング、移動速度を含む物理的計算パラメータを含み、上記第2ステップが、上記表示制御アルゴリズムを使用してこの物理的計算パラメータに対するオブジェクトの表示位置情報を含む上記出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた表示制御を遂行するように構成することが好ましい。
【0014】
また、上記オンラインサーバが、上記表示制御アルゴリズムが使用する表示制御パラメータを、上記ユーザ端末に送信するように構成することができる。
【0015】
また、本発明の他の観点としての複数のユーザ端末にオンラインゲームサービスを提供するゲームサーバを備えたオンラインゲームシステムにおけるユーザ端末間のゲーム表示同期制御方法は、上記ゲームサーバが、ゲームプレイ中のゲームオブジェクトの表示制御を行うために第1ユーザ端末に適用される表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、該第1ユーザ端末から受信するステップと、上記ゲームサーバが、ゲームプレイ中のゲーム観戦を行う第2ユーザ端末に対して上記入力情報を送信するステップと、上記第2ユーザ端末が、上記第1ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムを使用して受信した上記入力情報に対するゲームオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた当該ゲームオブジェクトの表示制御を遂行するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のさらに他の観点としての複数のプレイヤが同一ゲーム空間を共有してプレイするオンラインゲームを提供するゲームサーバを備えたオンラインゲームシステムにおけるユーザ端末間のゲーム表示同期制御方法は、上記ゲームサーバが、上記ゲーム空間内のゲームオブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、上記ユーザ端末に送信する第1ステップと、上記ユーザ端末が、上記表示制御アルゴリズムを使用して受信した上記入力情報に対するゲームオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた当該ゲームオブジェクトの表示制御を遂行する第2ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、上記さらに他の観点としてのゲーム表示同期制御方法は、上記ゲーム空間を、ゲームオブジェクトの上記ゲーム空間内の位置情報を示す第1画面と、該位置情報に応じてゲームオブジェクトを表示する第2画面とを備えるように構成し、上記ゲームサーバが、該位置情報をユーザ端末に送信するとともに、該位置情報が上記第2画面にゲームオブジェクトを表示させる位置である場合に、上記第2画面における当該ゲームオブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報をユーザ端末に送信するステップと、上記各ユーザ端末が、受信した位置情報を用いて第1画面の第1表示制御を遂行するとともに、この第1表示制御と同期させて、表示制御アルゴリズムを使用して受信した上記入力情報に対するゲームオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いたゲームオブジェクトの第2画面における第2表示制御を遂行するステップと、を含むように構成することができる。
【0018】
上記オブジェクト表示同期制御方法を適用した複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバを備えたオンラインシステムは、上記オンラインサーバが、オンラインサービスにおけるオンライン制御を行う制御手段と、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、上記ユーザ端末に送信する同期制御手段とを備え、上記ユーザ端末が、上記表示制御アルゴリズムを使用して受信した上記入力情報に対する上記オブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた当該オブジェクトの表示制御を遂行する同期表示処理手段を有することを特徴とする。
【0019】
また、複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバにネットワークを介して接続可能なユーザ端末は、上記オンラインサーバから送信され、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報から、上記表示制御アルゴリズムを使用してオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた当該オブジェクトの表示制御を遂行する同期表示処理手段を有することを特徴とする。
【0020】
また、複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバに、ネットワークを介して接続可能なユーザ端末としてコンピュータを機能させるプログラムは、上記オンラインサーバから送信され、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報から、上記表示制御アルゴリズムを使用してオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた当該オブジェクトの表示制御を遂行する同期表示制御機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、オブジェクトの表示同期制御を遂行するために、各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムの入力情報をオンラインサーバから送信し、この表示制御アルゴリズムを使用してユーザ端末側で当該入力情報に基づく表示制御を遂行することで、オブジェクトの表示同期制御を実現している。
【0022】
このため、オンラインサーバは、各ユーザ端末に対してオブジェクトの位置情報を送信して表示同期制御を遂行しないため、オンラインサーバとユーザ端末間のデータ通信量が低減され、好適なネットワーク環境でのオブジェクト表示同期制御を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。
【0024】
本発明のオブジェクトの表示同期制御方法は、オンラインサービスを提供するオンラインシステムに適用され、ネットワーク負荷を低減させた複数ユーザ端末間のオブジェクト表示同期制御を実現する。
【0025】
そのために、本発明では、各ユーザ端末にオブジェクトの表示制御のための同一の表示制御アルゴリズムを適用し、オンラインサーバから該表示制御アルゴリズムに対する入力情報を送信し、当該表示制御アルゴリズムを使用したユーザ端末間の表示同期制御を遂行する。
【0026】
すなわち、通常、オンラインサービスの画面に表示されるオブジェクトは、ユーザ端末でその表示制御がなされ、例えば、ユーザ操作やオンラインサーバの制御等に基づいてオブジェクトの移動タイミング、移動速度等の表示制御アルゴリズムに対する入力情報が決定(演算)され、決定された入力情報を該表示制御アルゴリズムに適用して当該オブジェクトの表示制御が遂行される。このため、本発明では、オブジェクトの位置情報、すなわち、表示制御アルゴリズムによって得られる結果(出力)としての出力情報を用いてユーザ端末間の表示同期制御を行うのではなく、各ユーザ端末に同一表示制御アルゴリズムを適用し、この表示制御アルゴリズムに適用されるオブジェクトの移動タイミングや移動速度等の情報を入力情報として各ユーザ端末に提供することで、各ユーザ端末において同一表示制御アルゴリズムに基づく表示同期制御を実現する。
【0027】
以下、本発明のオブジェクト表示同期制御方法を、オンラインサービスとしてゲームサービスを提供するオンラインゲームシステムを一例に説明するが、オンラインゲームシステムは、複数のユーザがオンライン上で同時に同じゲーム進行(ゲーム空間)を共有しながら行う多人数参加型(massively multiplayer)オンラインゲームのみならず、同じゲームであっても複数のユーザに独立したゲーム空間でゲームが進行するオンラインゲームも含まれる。つまり、オンラインゲームの提供形態を問わず、インターネット等のネットワークを介してアクセスする複数のユーザに対してゲームサービスを提供するオンラインゲームシステムに適用される。
【0028】
また、ゲームとしては、例えば、パチンコゲーム、メダルゲーム、釣りゲーム、その他シュミレーションゲーム、対戦ゲーム、シューティングゲーム、RPG(ロールプレイングゲーム)、レースゲームなど、ユーザ端末間でオブジェクトを同期させて表示する制御を伴うゲーム全般に適用可能である。そして、ゲーム以外のオブジェクト(例えば、WEBページやコミュニティーサイト、チャット内の表示オブジェクトなど)のユーザ端末間の表示同期制御にも適用でき、その適用範囲は限定されない。
【0029】
また、以下の本発明の実施形態では、ゲーム空間内を移動するオブジェクト(キャラクタやパチンコ玉、シューティングゲームなどの弾、NPC(Non-Player Character)等)の表示同期制御について説明しているが、これに限らず、ゲーム空間内を自由に移動しないオブジェクト(例えば、背景オブジェクト)においても、例えば、その形状を変化させるなどの表示制御が行われる際の同期制御に適用可能である。
【0030】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、ゲームサービスとしてパチンコゲームを提供するオンラインゲームシステムを一例に、ゲームプレイ中のパチンコゲームを他のプレイヤ等が観戦する場合の表示同期制御を説明する。
【0031】
図1は、本実施形態に係るオンラインゲームシステムの概略図である。本実施形態のオンラインゲームシステムは、ゲームサーバ100、オンラインゲームシステムにインターネット等のネットワークNを介して接続可能なユーザ端末300、当該オンラインゲームシステムによるゲームサービスを受けるユーザの認証処理を行う認証サーバ200、及びユーザ情報DB400を含む。
【0032】
なお、これらの他にコミュニケーション機能、チャット機能を提供するコミュニティーサーバなど、ゲームサービス以外の、若しくはゲームサービスに付随するオンラインサービスのためのサーバを含むことができる。また、ゲームサーバ100、認証サーバ200を含む各サーバは、各機能を担う個別のサーバを適用しているが、これに限らず、1つのサーバ、例えば、ゲームサーバ100に認証サーバ200の機能を組み込み、ゲームサーバ100がユーザ情報DB400に格納された情報を用いてユーザ認証処理を遂行するように構成することも可能である。
【0033】
図2に示すように、本実施形態のゲームサーバ100は、ネットワークNを介したユーザ端末300との通信制御及び認証サーバ200との通信制御を行う通信制御部110、ゲームサーバ100全体の制御を司る制御部(CPU)120、ゲームサービスとして複数のユーザ端末300に提供されるオンラインパチンコゲームの制御を行うゲーム制御部130、パチンコゲームのゲームデータを格納するゲームデータベース140、及びユーザ端末300間で表示されるパチンコゲームのゲームオブジェクト(パチンコ玉オブジェクト等)の表示同期制御を行う同期制御部150とを含む。
【0034】
また、本実施形態の同期制御部150は、プレイヤによりプレイ中のパチンコゲームのゲーム画面を、観戦するための機能を提供するとともに、プレイ中のユーザ端末300(プレイヤ端末302)に表示されているゲーム画面と当該プレイ中のゲーム画面を観戦するユーザ端末300(観戦者端末301)に表示されるゲーム画面との同期制御を遂行するための機能を担う。なお、観戦するための機能をゲーム制御部130が担うように構成することも可能であり、また、同期制御部150の機能をゲーム制御部130が担うように構成することも可能である。
【0035】
図3に示すように、本実施形態のユーザ端末300は、ネットワークNを介したゲームサーバ100との通信制御を行う通信制御部310、ユーザ端末300全体の制御を司る制御部(CPU)320、ユーザ端末300側のゲーム処理を行うゲームクライアント330を備えるとともに、外部インターフェース340、操作部350(キーボード、マウス、コントローラ等)、表示インターフェース360、表示部370(表示ディスプレイ)を備える。
【0036】
ゲームクライアント330は、一般的なオンラインゲームにおいて適用される技術であり、ゲームを行うユーザ端末300に対して予め(若しくはゲーム開始時に)インストールされ、ユーザ端末300側のゲーム処理全般を担う。本実施形態のゲームクライアント330は、ユーザ端末300の操作部350により入力されたゲーム操作情報及びゲームサーバ100から送信されるゲーム制御情報に応じてゲーム処理を行うゲーム処理部331、当該パチンコゲームをプレイする又は観戦するユーザ端末300に適用され、ゲームオブジェクトの表示制御を行うための表示制御アルゴリズムに対してゲーム処理部331により決定(演算)される入力情報を、表示制御アルゴリズムに適用して当該表示制御アルゴリズムからの出力情報を用いて表示制御を遂行し、かつ他のユーザ端末300とのオブジェクト表示同期制御を遂行する同期表示処理部332、当該ゲームに使用される多様なグラフィックデータ、ゲームルールが定義されたゲーム基本ファイル、更新ファイル、及び上記制御アルゴリズムなどが格納されるゲームデータ格納部333を備える。ゲームデータ格納部333に格納されるデータは、ゲーム開始時、ゲーム終了時、又はゲーム進行中にゲームサーバ100との通信により適宜更新される情報が含まれる。
【0037】
そして、後述する観戦者端末301及びプレイヤ端末302には、同じゲームクライアント330がインストールされ、同一の表示制御アルゴリズムが適用されている。したがって、各ユーザ端末300においてオブジェクトの表示制御のための同じ入力情報が入力された場合、必ず同じ出力情報が得られるように構成され、また、入力情報とは別に表示制御アルゴリズムにおいて使用される表示制御パラメータも各ユーザ端末300において同じ制御パラメータが適用される。
【0038】
また、本実施形態の表示制御アルゴリズムは、表示されるゲームオブジェクトのゲーム空間内の制御を行う制御プログラムであって、ゲームオブジェクトをどのような軌道、速度で移動させ、どの表示位置に表示させるかなどを決定する各ゲームオブジェクトに対して予め組み込まれた制御プログラムである。そして、この表示制御アルゴリズムに対して入力される情報が、ゲームオブジェクトの移動(表示)されるタイミング、移動速度、移動方向、回転速度、回転方向などの物理的計算パラメータを含む入力情報である。つまり、本実施形態の表示同期制御に係るゲームオブジェクトは、この表示制御アルゴリズムに該当するゲームオブジェクトの入力情報が適用されると、その表示制御が当該表示制御アルゴリズムによって一義的に決められることになる。
【0039】
また、この表示制御アルゴリズムには、ゲームオブジェクトが他のオブジェクトに衝突した際の衝突判定や衝突後のゲームオブジェクトの挙動(消滅、分裂、軌道変更、軌道変更後の移動速度、移動方向など)を決定する制御プログラムも含まれ、その他、ゲーム中のイベント処理判定やアニメーション処理を制御するプログラムを含むように構成することも可能である。また、他のオブジェクトとの衝突判定、衝突後のゲームオブジェクトの挙動、イベント発生などを決定する際には、例えば、乱数データなどの表示制御パラメータが用いられる。この乱数データは、ゲーム制御における制御パラメータの1つとしてゲームサーバ100によって管理される情報である。このため、ユーザ端末でのゲームデータの改ざんや不正の防止、又はゲーム制御の変更などのために、ゲームサーバ100からユーザ端末300に適宜送信される。
【0040】
出力情報とは、上述の入力情報の入力に対して表示制御アルゴリズムに従って出力される情報であり、例えば、ゲームオブジェクトをどのような速度でどの位置に表示させるかなどの情報である。そして、この出力情報を用いてユーザ端末300側でのゲーム(ゲームオブジェクト)表示制御が成される。具体的には、A地点からB地点にゲームオブジェクトが移動する場合、入力情報に対応したA−B地点間のA1地点、A2地点・・・・、B地点の表示位置が、表示制御アルゴリズムにより算出され、これらの表示位置に従った表示制御が行われることになる。なお、表示制御アルゴリズム自体に表示制御を遂行するように構成することもできる。すなわち、出力情報の算出と表示制御とを連動させ、出力情報の算出が表示制御とイコールの関係であってもよい。
【0041】
次に、図4から図6を参照しながら、本実施形態のプレイヤ端末302のプレイ中のパチンコゲームを観戦する観戦者のゲーム観戦画面とプレイ中のゲーム画面とに表示されるパチンコ玉オブジェクトの同期制御について説明する。パチンコ玉オブジェクトは、通常複数表示されるが、1つのパチンコ玉オブジェクトのみについて説明する。その他複数のパチンコ玉オブジェクトは、以下の説明と同様の処理が遂行されるので説明を省略する。
【0042】
図4に示すように、観戦者の観戦者端末301からプレイ中のパチンコゲームの観戦要求がゲームサーバ100に送信されると(ステップS3101)、ゲームサーバ100のゲーム制御部130は、同期制御部150に対して観戦処理開始要求を出力する。そして、同期制御部150は、観戦者により選択されたプレイヤをプレイヤID等を用いて特定し、特定されたプレイヤのプレイ中のパチンコゲーム画面を観戦するための観戦表示同期処理を開始する(ステップS101)。
【0043】
そして、ゲームサーバ100の同期制御部150は、観戦者によって選択されたプレイヤのプレイヤ端末302に対し、観戦処理開始通知を通知するとともに(ステップS102)、観戦するプレイヤのパチンコゲーム画面と同じゲーム画面を観戦者端末301に表示させるためのゲーム画面表示処理を遂行し(ステップS103)、観戦者端末301は、ゲームクライアント300のゲーム処理部331によりゲーム画面表示を行う(ステップS3102)。具体的には、ゲームデータ格納部333に予め格納されているプレイヤ端末302でのプレイ中のゲーム画面と同じゲーム画面の表示データを用いて、観戦者端末301の表示部370にゲーム画面表示を行う。
【0044】
プレイヤ端末302では、観戦処理開始通知をゲームサーバ100から受信すると、現在プレイ中のパチンコゲーム画面に表示されるパチンコ玉オブジェクトに対する発射タイミング、発射速度、発射方向、回転速度、回転方向などの計算パラメータ(入力情報)をゲームサーバ100に送信する。この計算パラメータは、プレイヤが当該パチンコ玉オブジェクトを発射させてゲーム画面に表示する際に操作をした操作量に応じてプレイヤ端末302のゲーム処理部331で決定される表示制御おける入力情報である。
【0045】
このパチンコ玉オブジェクトの入力情報をゲームサーバ100に送信するタイミングは、例えば、プレイヤの操作に応じてゲーム処理部331が上記計算パラメータを決定した時点、又は決定後、パチンコ玉オブジェクトがプレイヤ端末302に表示される前である。このように、プレイヤ端末302は、ゲームサーバ100から観戦処理開始通知を受信した後は、パチンコ玉オブジェクトを表示制御する際にゲーム処理部331により決定(演算)された物理的計算パラメータをゲームサーバ100に送信するとともに(ステップS3201)、これらの物理的計算パラメータをプレイヤ端末302の表示制御アルゴリズムに適用して表示制御を遂行する。なお、プレイヤ端末302のゲーム画面に、自身のパチンコゲームが第3者に観戦されている旨を表示するように構成してもよい。
【0046】
パチンコ玉オブジェクトの物理的計算パラメータを受信したゲームサーバ100の同期制御部150は、観戦者端末301との表示同期を制御するために、これらの計算パラメータを当該パチンコ玉オブジェクトの表示制御情報として観戦者端末301に送信する。このとき、同期制御部150は、ゲームデータベース140に格納されている当該プレイヤのプレイ開始時間情報を取得し、このプレイ開始時間を表示制御情報とともに、観戦者端末301に送信する(ステップS104、S105)。
【0047】
観戦者端末301では、受信したパチンコ玉オブジェクトの物理的計算パラメータを表示制御アルゴリズムに適用し(ステップS3103)、得られた当該パチンコ玉オブジェクトの出力情報を用いて当該オブジェクトの表示制御を行う(ステップS3104)。なお、パチンコ玉オブジェクトの同期制御における時間同期は、ゲームサーバ100から受信する物理的計算パラメータに含まれるパチンコ玉オブジェクトの発射タイミング(発射時刻情報)とゲーム開始時刻情報とを用いて行われる。
【0048】
そして、パチンコ玉オブジェクトは、時間経過とともに表示制御アルゴリズムに基づいて移動しながら、観戦者端末301の観戦者画面に表示され、上述のように、オブジェクト表示制御は、プレイヤ端末302にて行われる表示制御アルゴリズムと同一のアルゴリズムに基づいて、観戦者端末301側で遂行される。
【0049】
すなわち、観戦者端末301では、受信した入力情報に含まれる計算パラメータを、プレイヤ端末302の表示制御に適用される同一制御アルゴリズムに適用して、その後のパチンコ玉オブジェクトの表示位置(出力情報)を算出しながら、パチンコ玉オブジェクトの表示制御を遂行する。
【0050】
図5は、ゲームサーバ100、観戦者端末301及びプレイヤ端末302間での表示同期制御におけるデータフローを説明するための模式図であり、同図に示すように、観戦者がゲーム観戦を希望すると、ゲーム観戦対象のプレイヤ端末302から、ゲーム画面に表示される各パチンコ玉オブジェクトの表示制御のための計算パラメータが、ゲームサーバ100に送信される。各パチンコ玉オブジェクトの表示制御を観戦者端末302と同期させるためにゲームサーバ100から該観戦者端末301に送信される情報は、プレイヤ端末302から送信された当該パチンコ玉オブジェクトの計算パラメータとプレイヤのゲーム開始時刻のみであり、かつその後に当該パチンコ玉オブジェクトに関する表示制御情報は、ゲームサーバ100から観戦者端末301に送信されない(プレイヤ端末302も、当該パチンコ玉オブジェクトの表示制御に関する情報をゲームサーバ100に送信しない)。
【0051】
より詳細に説明すると、図6に示すように、パチンコ玉オブジェクトがゲーム画面に表示される位置は、プレイヤ端末302及び観戦者端末301の各々に同一に適用される表示制御アルゴリズムによって制御され、その出力情報としての表示位置にパチンコ玉オブジェクトの表示が遂行される。したがって、従来のように、第1表示位置、第2表示位置及び第3表示位置に関するパチンコ玉オブジェクトの位置情報がゲームサーバ100から連続して送信されない。
【0052】
このように本実施形態のユーザ端末間のゲームオブジェクトの表示同期制御方法は、プレイヤ端末302と観戦者端末301とにパチンコゲームに係るオブジェクト表示制御のための同一の表示制御アルゴリズムを適用し、ゲームサーバ100から当該表示制御アルゴリズムの入力情報を提供することで、表示同期制御を観戦者端末301側で遂行させている。
【0053】
このため、ゲームサーバ100は、観戦者端末301に対して常にゲームオブジェクトとしてのパチンコ玉オブジェクトの位置情報を送信し続けることなく表示同期制御が実現されるので、ゲームサーバ100と観戦者端末301間、及びゲームサーバ100とプレイヤ端末302間のデータ通信量が低減され、好適なネットワーク環境でのゲーム表示同期制御を実現することが可能となる。
【0054】
特に、パチンコゲームのように移動する多数のパチンコ玉オブジェクト(移動オブジェクト)を、プレイヤ端末302と観戦者端末301との間で表示同期する場合であっても多数のパチンコ玉オブジェクトに対する各々の位置情報(及び1つのパチンコ玉オブジェクトに対して送信される複数の位置情報)が観戦者端末301に送信されないため、通信データ量が、著しく低減される。
【0055】
言い換えれば、ゲームサーバ100は、複数のプレイヤ端末302の各々から、観戦者端末301とのパチンコ玉オブジェクトの表示同期のために、パチンコ玉オブジェクトの位置情報を取得する必要がないため、ゲームサーバ100の処理負担を軽減することが可能となる。
【0056】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、ゲームサービスとして同一ゲーム空間で複数のプレイヤが同時にプレイするオンラインゲームを提供するオンラインゲームシステムを一例に、同時にプレイする複数のプレイヤ端末間の上記同一ゲーム空間内におけるオブジェクト表示同期制御方法について説明する。具体的には、複数のプレイヤが同一ゲーム空間で対戦する対戦ゲームやロールプレイングゲーム、シュミレーションゲーム、ルーレットゲームなどに登場し、ゲーム空間を自動的に移動するキャラクタやその他ゲームオブジェクト(ルーレットゲームにおける回転ルーレット盤など)の表示同期制御について説明する。
【0057】
本実施形態のオンラインゲームシステムは、上記第1実施形態の図1と同様に、ゲームサーバ100、オンラインゲームシステムにインターネット等のネットワークNを介して接続可能なユーザ端末300(プレイヤ端末302)、当該オンラインゲームシステムによるゲームサービスを受けるユーザの認証処理を行う認証サーバ200、及びユーザ情報DB400を含む。
【0058】
そして、これらの他にコミュニケーション機能、チャット機能を提供するコミュニティーサーバなど、ゲームサービス以外の、若しくはゲームサービスに付随するオンラインサービスのためのサーバを含むことができる。また、ゲームサーバ100、認証サーバ200を含む各サーバは、各機能を担う個別のサーバを適用しているが、これに限らず、1つのサーバ、例えば、ゲームサーバ100に認証サーバ200の機能を組み込み、ゲームサーバ100がユーザ情報DB400に格納された情報を用いてユーザ認証処理を遂行するように構成することも可能である。
【0059】
本実施形態のゲームサーバ100は、図7に示すように、ネットワークNを介したプレイヤ端末302との通信制御及び認証サーバ200との通信制御を行う通信制御部110、ゲームサーバ100全体の制御を司る制御部(CPU)120、ゲームサービスとして複数のプレイヤ端末302が同一ゲーム空間で同時プレイ可能なオンラインゲームの制御を行うゲーム制御部130a、本実施形態のオンラインゲームのゲームデータを格納するゲームデータベース140、及びプレイヤ端末302間で表示される同一ゲーム空間内のゲームオブジェクト(例えば、敵キャラクタ等)の表示同期制御を行う同期制御部150aを含む。
【0060】
本実施形態の同期制御部150aは、複数のプレイヤが同時にゲームに参加して同一ゲーム空間で遂行されるゲーム内のゲームオブジェクトを、これらの複数のプレイヤ端末間で表示同期制御を遂行する機能を担う。すなわち、複数のプレイヤが同一ゲーム空間でゲームオブジェクトが共有されて表示されるゲーム画面の同期制御のゲームサーバ100側での処理を遂行する。なお、同期制御部150aの機能をゲーム制御部130が担うように構成することも可能である。
【0061】
また、図8に示すように、本実施形態のプレイヤ端末302は、ネットワークNを介したゲームサーバ100との通信制御を行う通信制御部310、プレイヤ端末302全体の制御を司る制御部(CPU)320、プレイヤ端末302側のゲーム処理を行うゲームクライアント330aを備えるとともに、外部インターフェース340、操作部350(キーボード、マウス、コントローラ等)、表示インターフェース360、表示部370(表示ディスプレイ)を備える。
【0062】
ゲームクライアント330aは、一般的なオンラインゲームにおいて適用される技術であり、ゲームを行うユーザ端末300に対して予め(若しくはゲーム開始時に)インストールされ、プレイヤ端末302側のゲーム処理全般を担う。本実施形態のゲームクライアント330aは、プレイヤ端末302の操作部350により入力されたゲーム操作情報及びゲームサーバ100から送信されるゲーム制御情報に応じてゲーム処理を行うゲーム処理部331、当該ゲームをプレイする各プレイヤ端末302に適用され、ゲームオブジェクトの表示制御を行うための表示制御アルゴリズムに対してゲーム処理部331により決定(演算)される入力情報を、当該表示制御アルゴリズムに適用してゲームオブジェクトの表示制御のための出力情報を得て、他のプレイヤ端末302とのオブジェクト表示同期制御を遂行する同期表示処理部332a、ゲームに使用される多様なグラフィックデータ、ゲームルールが定義されたゲーム基本ファイル、更新ファイル、及び上記制御アルゴリズムなどが格納されるゲームデータ格納部333を備える。ゲームデータ格納部333に格納されるデータは、ゲーム開始時、ゲーム終了時、又はゲーム進行中にゲームサーバ100との通信により適宜更新される情報が含まれる。
【0063】
複数のプレイヤ端末302の各々には、このゲームクライアント330aがインストールされ、同一の表示制御アルゴリズムが適用されている。したがって、各プレイヤ端末302においてオブジェクトの表示制御のための同じ入力情報が入力された場合、必ず同じ出力情報が得られるように構成され、また、入力情報とは別に表示制御アルゴリズムにおいて使用される表示制御パラメータも各プレイヤ端末302において同じ制御パラメータが適用される。
【0064】
また、本実施形態の表示制御アルゴリズムは、上記第1実施形態と同様に、表示されるゲームオブジェクトのゲーム空間内の制御を行う制御プログラムであって、ゲームオブジェクトをどのような軌道、速度で移動させ、どの表示位置に表示させるかなどを決定する各ゲームオブジェクトに対して予め組み込まれた制御プログラムである。そして、この表示制御アルゴリズムに対して入力される情報が、ゲームオブジェクトの移動(表示)されるタイミング、移動速度、移動方向、回転速度、回転方向などの物理的計算パラメータを含む入力情報である。つまり、本実施形態の表示同期制御に係るゲームオブジェクトは、この表示制御アルゴリズムに該当するゲームオブジェクトの入力情報が適用されると、その表示制御が当該表示制御アルゴリズムによって一義的に決められることになる。
【0065】
また、この表示制御アルゴリズムには、ゲームオブジェクトが他のオブジェクトに衝突した際の衝突判定や衝突後のゲームオブジェクトの挙動(消滅、分裂、軌道変更、軌道変更後の移動速度、移動方向など)を決定する制御プログラムも含まれ、その他、ゲーム中のイベント処理判定やアニメーション処理を制御するプログラムを含むように構成することも可能である。また、他のオブジェクトとの衝突判定、衝突後のゲームオブジェクトの挙動、イベント発生などを決定する際には、例えば、乱数データなどの表示制御パラメータが用いられる。この乱数データは、ゲーム制御における制御パラメータの1つとしてゲームサーバ100によって管理される情報である。このため、ユーザ端末でのゲームデータの改ざんや不正の防止、又はゲーム制御の変更などのために、ゲームサーバ100(ゲーム制御部130a)からプレイヤ端末302に適宜送信される。
【0066】
出力情報とは、上述の入力情報の入力に対して表示制御アルゴリズムから出力される情報であり、例えば、ゲームオブジェクトをどのような速度でどの位置に表示させるかなどの情報である。そして、この出力情報を用いてプレイヤ端末302側でのゲーム(ゲームオブジェクト)表示制御が成される。具体的には、A地点からB地点にゲームオブジェクトが移動する場合、入力情報に対応したA−B地点間のA1地点、A2地点・・・・、B地点の表示位置が、表示制御アルゴリズムにより算出され、これらの表示位置に従った表示制御が行われることになる。なお、表示制御アルゴリズム自体に表示制御を遂行するように構成することもできる。すなわち、出力情報の算出と表示制御とを連動させ、出力情報の算出が表示制御とイコールの関係であってもよい。
【0067】
次に、図9から図11を参照しながら、本実施形態の複数のプレイヤ端末302(302a、302b、302c)の各ゲーム画面に表示されるゲームオブジェクトの同期制御について説明する。
【0068】
まず、本実施形態のオンラインゲームサービスの提供を受けるために、プレイヤは、予めユーザ登録を行い、ユーザ登録情報が、ユーザ情報データベース400に格納される。そして、認証サーバ200が提供する認証画面からユーザID、パスワードを入力し、認証サーバ200による認証を得る(不図示)。認証処理後、図9に示すように、プレイヤ端末302には、オンラインゲームシステムが提供するゲームのゲーム開始画面から提供され、プレイヤは、当該ゲームを開始(起動)する(ステップS4101)。プレイヤ端末302でのゲーム開始操作は、ゲーム開始要求としてゲームサーバ100に送信される。
【0069】
ゲームサーバ100のゲーム制御部130aでは、ゲーム開始要求の受信に伴ってゲーム開始処理を実行する。ゲーム開始処理には、ゲーム制御部130aが、当該ゲームが初めて当該ユーザに提供されるものであるか否かを判別し、初めて起動されるゲームであれば、上記ゲームクライアント330aをプレイヤ端末300にインストールする処理と、通信制御部110が、プレイヤ端末302aとのオンライン通信によるゲーム制御を行うためのゲームセッションを確立する処理(ステップS1001、S1002)と、が含まれる。
【0070】
ゲーム制御部130aは、プレイヤ端末302とのゲームセッションが確立した後に、ゲーム制御を開始する。ゲーム制御部130aは、まず、当該プレイヤのゲームパラメータ(セーブデータ)をゲームデータベース140から抽出し、最新のゲームパラメータに基づくゲーム制御情報を生成し、プレイヤ端末300に通信制御部110を介して送信する(ステップS1003)。このゲーム制御情報は、プレイヤ端末302でのゲーム表示処理等に用いられる。なお、ゲーム制御部130aは、プレイヤ端末302のゲーム開始操作に応答してゲーム開始時刻をゲームデータベース140に格納する。
【0071】
プレイヤ端末302では、ゲームサーバ100でのゲーム制御開始に伴って、ゲーム処理を開始する。ゲームクライアント330aのゲーム処理部331は、ゲームサーバ100から送信されるゲーム制御情報を受信し、表示インターフェース360を介した表示部370へのゲーム表示を行うとともに、プレイヤ側のゲーム処理を遂行する(ステップS4102)。
【0072】
プレイヤは、プレイヤ端末302の操作部350を介して操作入力を行い、ゲームを進行させる。ユーザの操作入力情報は、ゲームサーバ100に送信され、この操作入力情報を受信したゲーム制御部130aは、ゲームデータベース140に格納された当該ゲームのゲームルールを参照しながら、ゲーム制御を行う。そして、ゲーム制御部130は、ゲーム制御による結果をプレイヤ端末302に反映させるため、ゲーム制御情報を生成し、プレイヤ端末302に送信する。
【0073】
そして、本実施形態では、このようなゲーム制御とともに、同一のゲーム空間を共有しながらゲームを行っている他のプレイヤ端末302との当該ゲーム空間のゲームオブジェクト表示同期制御を遂行する。
【0074】
ゲームサーバ100の同期制御部150aは、複数のプレイヤ端末302間でのゲームオブジェクト表示同期制御を遂行するために、ゲーム空間内に表示されるゲームオブジェクトに関する移動速度、移動方向、回転速度、回転方向などの物理的計算パラメータ(入力情報)をプレイヤ端末302に送信する。この計算パラメータは、ゲーム画面に表示する際にゲームサーバ100のゲーム制御部130aによって決定された表示制御おける入力情報である。
【0075】
このとき、同期制御部150aは、ゲーム空間内でプレイする全てのプレイヤ間での表示同期を制御するために、表示されるゲームオブジェクトの物理的計算パラメータとともに、このゲームオブジェクトが表示されるタイミング(表示開始時刻)を、各プレイヤ端末302に送信する(ステップS1004)。
【0076】
プレイヤ端末302では、受信した表示制御情報としての該当するゲームオブジェクトの物理的計算パラメータを表示制御アルゴリズムに適用し(ステップS4103)、得られた当該ゲームオブジェクトの出力情報を用いて該オブジェクトの表示制御を行う(ステップS4104)。なお、ゲームオブジェクトの同期制御における時間同期は、ゲームサーバ100から受信する物理的計算パラメータに含まれる表示開始時刻を用いて行われる。
【0077】
図10は、図9のステップS1004、ステップS4103及びステップS4104におけるゲームサーバ100と複数のプレイヤ端末302a、302b、302cとの間の表示同期制御におけるデータフローを説明するための模式図である。同図に示すように、ゲームサーバ100から各プレイヤ端末302a、302b、302cの各々に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報(計算パラメータ)が、各プレイヤ端末に送信され、プレイヤ端末側で表示制御を遂行しつつ、プレイヤ端末間での同期を遂行している。すなわち、各プレイヤ端末302では、受信した入力情報に含まれる計算パラメータを、プレイヤ端末302の表示制御に適用される同一制御アルゴリズムに適用して、その後の該当するゲームオブジェクトの表示位置(出力情報)を算出しながら、表示制御及び同期制御を遂行する。
【0078】
このように、本実施形態のゲームサーバ100は、各ゲームオブジェクトの表示制御を複数のプレイヤ端末302間で同期させるために、該当するゲームオブジェクトの表示制御のための入力情報を送信し、その後に当該ゲームオブジェクトに関する表示制御情報は、ゲームサーバ100からプレイヤ端末302に送信されない(上記第1実施形態の図6参照)。
【0079】
また、本実施形態のゲームオブジェクトは、同一のゲーム空間が共有され、1つのゲームオブジェクトが複数のプレイヤによって共有される。このため、1のプレイヤがゲームオブジェクトに及ぼした作用(例えば、敵キャラクタにダメージを与えた結果、このキャラクタの表示位置、表示速度、表示方向等が変更されたり、消滅、分裂、他のキャラクタと融合するなど)を、その他のプレイヤに同期させつつ、反映するために、そのゲームオブジェクトに対する新たな入力情報を他のプレイヤ端末302に送信する。そこで、プレイヤ端末302は、上記第1実施形態と同様に、ゲームオブジェクトの表示制御を行うための表示制御アルゴリズムに対してゲーム処理部331により決定(演算)される入力情報を、ゲームサーバ100に送信するように構成する。
【0080】
そして、図9に示すように、ゲームサーバ100の同期制御部150aは、現在ゲーム画面に表示されているゲームオブジェクトに対する入力情報を1のプレイヤ端末302から受信すると、同一ゲームオブジェクトに対する新たな表示制御情報として他のプレイヤ端末302に送信する(ステップS1005)。
【0081】
プレイヤ端末302では、同じゲームオブジェクトに対する新たな表示制御アルゴリズムを受信した否かを判別し(ステップS4105)、受信した場合は、表示制御アルゴリズムに受信した入力情報としての表示制御情報を適用し(ステップS4106)、該当するゲームオブジェクトの表示制御を遂行する(ステップS4107)。
【0082】
すなわち、図11に示すように、例えば、第3プレイヤ端末302cでのプレイヤの操作により、ゲーム画面に表示されているゲームオブジェクトの移動速度や移動方向が変更される場合、第3プレイヤ端末302cのゲーム処理部331は、新たに当該ゲームオブジェクトの表示制御を行うための表示制御アルゴリズムに対して入力される物理的計算パラメータを決定(演算)し、同期処理部332aがその新たに決定された物理的計算パラメータを、ゲームサーバ100に送信する。ゲームサーバ100は、受信した新たな物理的計算パラメータを、他の第1プレイヤ端末302a及び第2プレイヤ端末302bの各々に送信する。第1プレイヤ端末302a、第2プレイヤ端末302bでは、受信した新たな物理的計算パラメータを、表示制御アルゴリズムに適用し、同一のゲームオブジェクトに対する表示制御を変更する。
【0083】
このように本実施形態のゲーム表示同期制御方法は、同一ゲーム空間を共有しながらゲームを進行する複数のプレイヤ端末302にオブジェクト表示制御のための同一の表示制御アルゴリズムを適用し、ゲームサーバ100から当該表示制御アルゴリズムの入力情報を提供することで、表示同期制御を各プレイヤ端末302側で遂行させている。
【0084】
このため、ゲームサーバ100は、複数のプレイヤ端末302に対して常にゲームオブジェクトの位置情報を送信し続けることなく表示同期制御が実現されるので、ゲームサーバ100と複数のプレイヤ端末302間のデータ通信量が低減され、好適なネットワーク環境でのゲーム表示同期制御を実現することが可能となる。
【0085】
特に、同一ゲーム空間において移動するゲームオブジェクトが複数表示される場合であっても、複数のゲームオブジェクトの各々の位置情報(及びゲームオブジェクトに対して送信される複数の位置情報)がプレイヤ端末302に送信されないため、通信データ量が、著しく低減される。言い換えれば、ゲームサーバ100は、複数のプレイヤ端末302の各々から、ゲームオブジェクトの表示同期のために、当該ゲームオブジェクトの位置情報を取得する必要がないため、ゲームサーバ100の処理負担を軽減することが可能となる。
【0086】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、上記第2実施形態における同一ゲーム空間に、ゲームオブジェクトのゲーム空間内の位置情報を示す移動表示画面(第1画面)と、この位置情報に応じてゲームオブジェクトを表示する表示画面(第2画面)とを設けた場合のゲーム表示同期制御方法である。各部の構成については、上記第2実施形態と同様である。
【0087】
図12に示すように、本実施形態のゲーム空間は、複数のゲーム領域に分割され、ゲーム空間A、B、C及びDが設けられている。そして、プレイヤ端末302には、ゲーム空間AからDのいずれか1つのゲーム空間を表示する表示画面と、ゲーム空間Aからゲーム空間Dを含む全てのゲーム空間における特定のゲームオブジェクトの位置情報を示す移動表示画面(レーダー画面)とが表示されている。本実施形態では、この移動表示画面とゲームオブジェクトが表示される表示画面とを同期させつつ、他のプレイヤ端末302との表示同期制御を遂行する。なお、移動表示画面におけるゲーム空間A、ゲーム空間B、ゲーム空間C及びゲーム空間Dの各ゲーム空間の間の領域には、各ゲーム空間を繋ぐ移動経路が表示されて、この移動経路領域に特定のオブジェクトが位置する場合、任意の移動情報表示オブジェクトをこの移動経路領域に重ねて当該移動表示画面に表示させている。
【0088】
図13は、本実施形態のゲームサーバ100とプレイヤ端末302との間の処理遷移を説明するためのフローチャートである。
【0089】
図13に示すように、ゲームサーバ100の同期制御部150aは、ゲーム制御130aのゲーム制御に基づいて、複数のプレイヤ端末302に移動表示画面に表示される特定のゲームオブジェクトの移動情報(位置情報)を送信する(ステップS1004a)。
【0090】
プレイヤ端末302では、この移動情報を用いて移動表示画面の移動情報表示オブジェクトの表示制御を行う(ステップS4103a)。本実施形態では、移動表示画面における移動情報表示オブジェクトの移動距離が短く、また、例えば、ゲーム空間Aとゲーム空間Cとを繋ぐ移動経路に沿った表示制御が行われるため、ゲームサーバ100からは、当該移動情報表示オブジェクトの移動表示画面における位置情報が送信される。
【0091】
そして、ゲームサーバ100の同期制御部150aは、その後、ゲーム制御部130aの制御により算出され、プレイヤ端末302に送信される特定のゲームオブジェクトに関する移動情報(位置情報)が、各ゲーム空間A、B、C及びDの領域に含まれるか否か、すなわち、特定のゲームオブジェクトを予め設定されたゲーム空間A、B、C及びDに表示させる位置であるか否かを判別する処理を遂行する(ステップS1004b)。この判別処理は、ゲーム空間の表示画面(第2画面)とは独立して行うことができる。具体的には、図12に示すように、移動表示画面に移動表示オブジェクトとゲーム空間A、B、C及びDを表すゲーム空間オブジェクトとを配置し、この移動表示オブジェクトとゲーム空間オブジェクトとが重なる位置関係であるか否かを判別することで、移動情報(位置情報)が、ゲーム空間A、B、C及びDのいずれかのゲーム空間の領域に含まれるか否かを判別することが可能である。
【0092】
この判別の結果、移動表示画面に表示される移動表示オブジェクトの位置が、ゲーム空間Aの領域に含まれる場合(ステップS1004c)、ゲームサーバ100の同期制御部150aは、プレイヤ端末302においてゲーム空間Aのゲームオブジェクトを表示する表示画面での、移動表示画面に表示された移動表示オブジェクトと対応する特定ゲームオブジェクトの表示制御を行うために、各プレイヤ端末302に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する物理計算パラメータ(移動速度、移動方向、回転速度、回転方向などの入力情報)を各プレイヤ端末302に送信する(ステップS1004d)。
【0093】
各プレイヤ端末302では、受信した表示制御情報としての該当するゲームオブジェクトの物理的計算パラメータを表示制御アルゴリズムに適用し(ステップS4103b)、移動表示画面の移動表示オブジェクトの表示制御を同期させて、得られた当該ゲームオブジェクトの出力情報を用いてゲーム空間Aを表示する表示画面に特定のゲームオブジェクトの表示制御を行う(ステップS4104a)。なお、詳細な同期制御方法については、上記第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0094】
このように本実施形態では、ゲームオブジェクトを異なる複数の画面で表示する場合であっても、画面間の表示制御同期を確保しつつ、複数のプレイヤ端末302間でのゲームオブジェクトの表示同期制御を行うことができる。
【0095】
以上、本発明の詳細な説明では具体的な実施形態について説明したが、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で多様に変形できる。よって、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【0096】
また、本発明のオブジェクト表示同期制御方法は、オンラインサーバを介した同期制御を行っているが、これに限らず、ユーザ端末同士のP2P接続での表示同期制御にも適用可能である。
【0097】
また、オブジェクトには、ユーザ端末間でオブジェクトの表示同期を行わずに、各ユーザ端末において独立して表示制御されるものもあり、この場合であっても、本発明は、表示同期されるオブジェクト、表示同期されないオブジェクトが混在した形でのオブジェクト表示同期制御を遂行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るオンラインゲームシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るゲームサーバの構成ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るユーザ端末の構成ブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るゲームサーバ−ユーザ端末間の処理遷移を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態におけるオブジェクト表示同期制御を説明するための模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるオブジェクト表示同期制御を説明するための観戦者端末及びプレイヤ端末に表示されるゲーム表示画面を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るゲームサーバの構成ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るプレイヤ端末の構成ブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るゲームサーバ−プレイヤ端末間の処理遷移を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態におけるオブジェクト表示同期制御を説明するための模式図である。
【図11】本発明の第2実施形態におけるオブジェクト表示同期制御を説明するための模式図である。
【図12】本発明の第3実施形態におけるオブジェクト表示同期制御を説明するためのプレイヤ端末に表示されるゲーム表示画面を示す図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るゲームサーバ−プレイヤ端末間の処理遷移を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
100 ゲームサーバ
110 通信制御部
120 制御部(CPU)
130 ゲーム制御部
140 ゲームデータベース
150 同期制御部
200 認証サーバ
300 ユーザ端末
310 通信制御部
320 制御部(CPU)
330 ゲームクライアント
331 ゲーム処理部
332 同期表示処理分
333 ゲームデータ格納部
340 外部インターフェース
350 操作部
360 表示インターフェース
370 表示部
400 ユーザ情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバを備えたオンラインシステムにおけるユーザ端末間のオブジェクト表示同期制御方法であって、
前記オンラインサーバが、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、前記ユーザ端末に送信する第1ステップと、
前記ユーザ端末が、前記表示制御アルゴリズムを使用して受信した前記入力情報に対する前記オブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた前記オブジェクトの表示制御を遂行する第2ステップと、を含むことを特徴とするオブジェクト表示同期制御方法。
【請求項2】
前記オブジェクトは、当該オブジェクトの表示位置が時間とともに変化するオブジェクトであることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト表示同期制御方法。
【請求項3】
前記オブジェクトは、当該オブジェクトの形状などの表示態様が時間とともに変化するオブジェクトであることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト表示同期制御方法。
【請求項4】
前記入力情報は、前記オブジェクトの移動タイミング、移動速度を含む物理的計算パラメータを含み、
前記第2ステップは、前記表示制御アルゴリズムを使用して前記物理的計算パラメータに対する前記オブジェクトの表示位置情報を含む前記出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた表示制御を遂行することを特徴とする請求項2に記載のオブジェクト表示同期制御方法。
【請求項5】
前記オンラインサーバは、前記表示制御アルゴリズムが使用する表示制御パラメータを、前記ユーザ端末に送信するステップを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のオブジェクト表示同期制御方法。
【請求項6】
複数のユーザ端末にオンラインゲームサービスを提供するゲームサーバを備えたオンラインゲームシステムにおけるユーザ端末間のゲーム表示同期制御方法であって、
前記ゲームサーバが、ゲームプレイ中のゲームオブジェクトの表示制御を行うために第1ユーザ端末に適用される表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、該第1ユーザ端末から受信するステップと、
前記ゲームサーバが、ゲームプレイ中のゲーム観戦を行う第2ユーザ端末に対して、前記入力情報を送信するステップと、
前記第2ユーザ端末が、前記第1ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムを使用して受信した前記入力情報に対する前記ゲームオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した前記出力情報を用いた前記ゲームオブジェクトの表示制御を遂行するステップと、を含むことを特徴とするゲーム表示同期制御方法。
【請求項7】
複数のプレイヤが同一ゲーム空間を共有してプレイするオンラインゲームを提供するゲームサーバを備えたオンラインゲームシステムにおけるユーザ端末間のゲーム表示同期制御方法であって、
前記ゲームサーバが、前記ゲーム空間内のゲームオブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、前記ユーザ端末に送信する第1ステップと、
前記ユーザ端末が、前記表示制御アルゴリズムを使用して受信した前記入力情報に対する前記ゲームオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた前記ゲームオブジェクトの表示制御を遂行する第2ステップと、を含むことを特徴とするゲーム表示同期制御方法。
【請求項8】
前記ゲーム空間は、前記ゲームオブジェクトの前記ゲーム空間内の位置情報を示す第1画面と、前記位置情報に応じて前記ゲームオブジェクトを表示する第2画面とを備え、
前記ゲームサーバが、前記位置情報を前記ユーザ端末に送信するとともに、前記位置情報が前記第2画面に前記ゲームオブジェクトを表示させる位置である場合に、前記第2画面における前記ゲームオブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、
前記各ユーザ端末が、受信した前記位置情報を用いて前記第1画面の第1表示制御を遂行するとともに、前記第1表示制御と同期させて、前記表示制御アルゴリズムを使用して受信した前記入力情報に対する前記ゲームオブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた前記ゲームオブジェクトの前記第2画面における第2表示制御を遂行するステップと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のゲーム表示同期制御方法。
【請求項9】
複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバを備えたオンラインシステムであって、
前記オンラインサーバは、
オンラインサービスにおけるオンライン制御を行う制御手段と、
オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報を、前記ユーザ端末に送信する同期制御手段と、を備え、
前記ユーザ端末は、
前記表示制御アルゴリズムを使用して受信した前記入力情報に対する前記オブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた前記オブジェクトの表示制御を遂行する同期表示処理手段を有することを特徴とするオンラインシステム。
【請求項10】
複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバに、ネットワークを介して接続可能なユーザ端末であって、
前記オンラインサーバから送信され、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報から、前記表示制御アルゴリズムを使用して前記オブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた前記オブジェクトの表示制御を遂行する同期表示処理手段を有することを特徴とするユーザ端末。
【請求項11】
複数のユーザ端末にオンラインサービスを提供するオンラインサーバに、ネットワークを介して接続可能なユーザ端末としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記オンラインサーバから送信され、オブジェクトの表示制御を行うために各ユーザ端末に適用される同一の表示制御アルゴリズムに対する入力情報から、前記表示制御アルゴリズムを使用して前記オブジェクトの表示制御のための出力情報を算出し、算出した出力情報を用いた前記オブジェクトの表示制御を遂行する同期表示制御機能を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−3584(P2009−3584A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161929(P2007−161929)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(505205812)エヌエイチエヌ コーポレーション (408)
【出願人】(501333021)NHNJapan株式会社 (29)
【Fターム(参考)】