説明

オルガノシランからの極性有機化合物および異種金属の除去

本発明は、オルガノシランならびに少なくとも1つの極性有機化合物および/または少なくとも1つの異種金属および/または異種金属を含有する化合物を含有する組成物の処理方法であって、その際、前記組成物を、少なくとも1つの吸着剤と接触させ、前記有機極性化合物および/または前記異種金属および/または前記異種金属を含有する化合物の含有量が減少されている前記組成物を引き続き取得する方法ならびに前記極性有機化合物および/または前記異種金属の含有量が微量に減少されている相応する組成物、同様に上記化合物を軽減させるための有機樹脂、活性炭、シリケートおよび/またはゼオライトの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノシランならびに少なくとも1つの極性有機化合物および/または少なくとも1つの異種金属(Fremdmetall)および/または異種金属を含有する化合物を含有する組成物の処理方法であって、その際、前記組成物を、少なくとも1つの吸着剤と接触させ、前記有機極性化合物および/または前記異種金属および/または前記異種金属を含有する化合物の含有量が減少されている前記組成物を引き続き取得する方法ならびに極性有機化合物および/または異種金属の含有量が微量に減少されている相応する組成物、同様に上記化合物を軽減するための吸着剤の使用に関する。
【0002】
有機シラン、例えばアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、アルケニルアルコキシシラン、アルキニルアルコキシシラン、アリールアルコキシシランまたは有機官能性シランおよびケイ酸エステルも、ナノテクノロジーまたはマイクロエレクトロニクスの分野において適用される場合に特に、通常の不純物が検出限界値の範囲の微量にまで減少されている最高純度のシランが必要である。というのも少量の不純物ですら、この場合、該シランの使用下で製造された製品の品質に著しい影響を及ぼすからである。例えば半導体工業における絶縁誘電層の堆積に際してのように、マイクロエレクトロニクスにおいてケイ素化合物が使用される場合、微量の極性有機化合物および/または異種金属を有する不純物ですら、これらの高精度の適用に際して著しい問題を生み出す。そのうえ上記の有機不純物は、CVDまたはスピンオンプロセスによるこれらの層の製造に際して妨げとなり、かつ層形態に不利な影響を及ぼす。異種金属がケイ素化合物中に含有されている場合、これは不所望なドーパント効果につながり、かつ移行プロセスによって電気系部品の寿命が低下する。
【0003】
プロセスに制約されて、有機シランの大規模工業製造に際して、不所望の異種金属による汚染が生じる。
【0004】
頻繁に、有機シランの製造に際して、通常の蒸留工程により分離されることができない極性有機不純物、例えばアルコールがエステル化後に生成物中に残留する。
【0005】
EP0684245A2から、ハロゲンシラン中の炭化水素基の含有量を、吸着剤を用いたこの吸着によって低下させることが公知であり、かつEP0957105A2は、アルコキシシランまたはアルコキシシランを基礎とする組成物における、これと活性炭との処理による残留ハロゲン含有量の低下および色数改善を開示する。
【0006】
本発明の基礎をなしている課題は、オルガノシラン中の極性有機化合物および/または異種金属含有量のみならず異種金属を含有する化合物の含有量を減少させる方法を、簡単かつ経済的な形で可能にすることであった。さらに最小量の極性有機化合物および/または異種金属ならびに異種金属を含有する化合物を有する最高純度のオルガノシランを提供する課題が存在していた。
【0007】
該課題は、特許請求の範囲における記載に即して解決される。
【0008】
オルガノシラン、極性有機化合物、異種金属および/または異種金属を含有する化合物を包含する組成物を、殊に、該組成物が処理前に本質的に水不含である場合、吸着剤を用いてこれと接触させることにより該組成物を処理することによって、該極性有機化合物、該異種金属および/または該異種金属を含有する化合物が著しく減少されている組成物を続けて取得されることが見出された。
【0009】
それゆえ本発明の対象は、オルガノシランならびに少なくとも1つの極性有機化合物および/または少なくとも1つの異種金属および/または異種金属を含有する化合物の処理方法であって、その際、殊に本質的に水不含である組成物を吸着剤と接触させ、かつ該有機極性化合物および/または該異種金属および/または該異種金属を含有する化合物の含有量が減少されている組成物を取得する。
【0010】
その際、異種金属含有量および/または異種金属を含有する化合物の含有量−一般に、蒸留により分離されえ難い、もしくはさらに分離されえない異種金属または異種金属を含有する化合物の残留含有量−は、殊に互いに無関係に、そのつど100μg/kg未満、殊に30μg/kg未満、有利には15μg/kg未満、特に有利には10μg/kg未満の範囲の含有量に軽減されることができる。相応して、有利には組成物中で、例えば0.1〜0.015質量%の僅かな濃度しか含有されていない極性有機化合物の含有量が、0.01質量%未満の微量にまで下げられることができる場合に有利である。
【0011】
本発明の意味における極性有機化合物に該当するのは、炭素骨格を基礎としており、かつ殊にケイ素原子を含有しない、永久双極子を有する有機化合物である。有利な極性有機化合物は、アルコキシシランの製造に際して使用されるアルコールおよび/またはアルコキシシランの加水分解および縮合に際して遊離されるアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール、一方でまたオルガノシランの合成に際して使用される通常の有機溶媒であり、殊にこれらの極性有機化合物は、当業者に公知の通常の方法を用いてさらに減少されることができない。
【0012】
オルガノシランとして、殊に一般式Iのオルガノシランが考えられる。処理されるべき組成物中には、一般式I
1a2b3cSi(OR4(4-a-b-c) (I)
[式中、0≦a≦3、0≦b≦3、0≦c≦3およびa+b+c≦3、R1は水素、線状、分枝鎖状および/または環状ならびに場合により置換されたC原子1〜18個を有するアルキル基および/または線状、分枝鎖状および/または環状のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アリールアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲンアルキル基、ポリエーテル基、ポリエーテルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシアルキル基、ウレイドアルキル基、メルカプトアルキル基、シアノアルキル基、イソシアナトアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、および/またはC原子1〜18個を有するアクリルオキシアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、式中、R2は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、R3は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基および/またはR4は、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜8個を有するアルキル基および/またはアルコキシアルキル基である]に相当する少なくとも1つのオルガノシランおよび/またはこれらのオルガノシランの混合物が存在する。
【0013】
本発明によるオルガノシランは、殊にテトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシランおよび/またはジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルアルコキシシラン、例えばテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシランおよび/またはトリメチルエトキシシランである。
【0014】
有利な実施態様によれば、R1は、有利には式−(CH23−NH2、−(CH23−NHR'、−(CH23−NH(CH22−NH2または−(CH23−NH(CH22−NH(CH22−NH2のアミノプロピル官能基から選択されたアミノアルキル基であり、その際、R'は、線状、分枝鎖状または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、ポリエーテル基もしくはポリエーテルアルキル基は、有利には鎖長nが1〜30、殊に1〜14の、式R'−(O−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−)nO−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−)nO−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−CH2−)nO−、R'O[−CH2−CH(CH3)−O]n−(CH23−またはR'O[−CH2−CH(CH3)−O]n−に相当し、その際、R'は、有利にはHまたは線状、分枝鎖状または環状のC原子1〜6個を有するアルキル基、殊にメチル、エチル、i−プロピルまたはn−プロピルであり、メタクリルオキシアルキル基もしくはアクリルオキシアルキル基は、有利には3−メタクリルオキシプロピル基および/または3−アクリルオキシプロピル基に相当し、アルコキシ基は、有利にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基および/またはイソプロポキシ基の群から選択されており、アルケニル基は、有利にはビニル基、イソプレニル基またはアリル基であり、エポキシ基は、有利には3−グリシジルオキシプロピル基または2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基に相当し、ハロゲンアルキル基は、有利には基R8*−Ym−(CH2s−を有するフルオロアルキル基に相当し、その際、R8*は、C原子1〜9個を有するモノ−、オリゴ−またはペルフルオロ化アルキル基またはモノ−、オリゴ−またはペルフルオロ化アリール基であり、その際、さらにYは、CH2−、O−、アリール基またはS基に相当し、かつm=0または1、およびS=0または2である。一実施態様によれば、R1は、F3C(CF2r(CH2s基に相当し、その際、rは0〜9の整数を表し、sは0または2であり、有利にはrは5であり、かつsは2であり、特に有利な基は、CF3(CF25(CH22−またはCF3(CF27(CH22−またはCF3(C64)−またはC65基である。
【0015】
有利な実施態様において、R2および/またはR3は水素または線状または分枝鎖状のC原子1〜8個を有するアルキル基、殊に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはn−オクチル基またはC原子6個を有するアリール基に相当し、かつR4は、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基に相当し、その際、全体でテトラアルコキシシラン、トリアルコキシシランおよび/またはジアルコキシ置換シランが有利である。
【0016】
本発明によれば、組成物はそのうえ本質的に水不含である。水不含とは、Karl Fischer法による含水量が<10ppm、殊に<5ppmである場合の本発明による組成物に該当する。
【0017】
さらなる有利な一実施態様によれば、処理されるべき組成物は、一般式I
1a2b3cSi(OR4(4-a-b-c) (I)
[式中、0≦a≦3、0≦b≦3、0≦c≦3およびa+b+c≦3、R1は水素、線状、分枝鎖状および/または環状の、場合により置換されたC原子1〜18個を有するアルキル基および/または線状、分枝鎖状および/または環状のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アリールアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲンアルキル基、ポリエーテル基、ポリエーテルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシアルキル基、ウレイドアルキル基、メルカプトアルキル基、シアノアルキル基、イソシアナトアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、および/またはC原子1〜18個を有するアクリルオキシアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、式中、R2は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、R3は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基および/またはR4は、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜8個を有するアルキル基および/またはアルコキシアルキル基である]のオルガノシランおよび/またはこれらのオルガノシランの混合物の少なくとも部分的な加水分解および縮合から得られる低分子量または高分子量のオルガノシロキサンに相当するオルガノシランを包含する。低分子量オルガノシロキサンとして、シロキサン単位当たり少なくとも2個のSi原子を有する全てのシロキサンが適用される。
【0018】
その際、次の置換パターンR1、R2、R3およびR4が特に有利である。有利な実施態様によれば、R1は、式−(CH23−NH2、−(CH23−NHR'、−(CH23−NH(CH22−NH2または−(CH23−NH(CH22−NH(CH22−NH2のアミノプロピル官能基から選択されたアミノアルキル基であり、その際、R'は、線状、分枝鎖状または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、ポリエーテル基もしくはポリエーテルアルキル基は、有利には鎖長nが1〜30、殊に1〜14の、式R'−(O−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−)nO−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−)nO−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−CH2−)nO−、R'O[−CH2−CH(CH3)−O]n−(CH23−またはR'O[−CH2−CH(CH3)−O]n−に相当し、その際、R'は、有利にはHまたは線状、分枝鎖状または環状のC原子1〜6個を有するアルキル基、殊にメチル、エチル、i−プロピルまたはn−プロピルであり、メタクリルオキシアルキル基もしくはアクリルオキシアルキル基は、有利には3−メタクリルオキシプロピル基および/または3−アクリルオキシプロピル基に相当し、アルコキシ基は、有利にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、および/またはイソプロポキシ基の群から選択されており、アルケニル基は、有利にはビニル基、イソプレニル基またはアリル基であり、エポキシ基は、有利には3−グリシジルオキシプロピル基または2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基に相当し、ハロゲンアルキル基は、有利には基R8*−Ym−(CH2s−を有するフルオロアルキル基に相当し、その際、R8*は、C原子1〜9個を有するモノ−、オリゴ−またはペルフルオロ化アルキル基またはモノ−、オリゴ−またはペルフルオロ化アリール基であり、その際、さらにYは、CH2−、O−、アリール基またはS基に相当し、かつm=0または1、およびS=0または2である。一実施態様によれば、R1は、F3C(CF2r(CH2s基に相当し、その際、rは0〜9の整数を表し、sは0または2であり、有利にはrは5であり、かつsは2であり、特に有利な基は、CF3(CF25(CH22−またはCF3(CF27(CH22−またはCF3(C64)−またはC65基である。
【0019】
低分子量または高分子量のオルガノシロキサンは、殊に鎖状、環状の、架橋および/または立体架橋された構造エレメントを包含し、その際、鎖状および環状の構造エレメントは、理想的には一般式IIおよびIII
【化1】

に相当し、かつ、その際−理想的な形では表されなかった−架橋および/または立体架橋された構造エレメント中の置換基Rも、式IIおよび/またはIIIに記載の理想的な形で表された構造エレメントの置換基Rも互いに無関係に有機基R1、R2および/またはR3および/またはヒドロキシ基から成る。一般に、低重合度は2〜30の範囲にあり、その際、しかし、低重合度または重合度はより高くてもよい。オルガノシランの低重合度または重合度は、分子1個当たりのSi単位の数に相当する。
【0020】
各々の低分子量または高分子量のオルガノシランの組成物は、一般式(I)の単量体シラン単位の各酸素原子が2個のケイ素原子間の架橋形成剤として作用しうるという事実を考慮に入れてもたらされる。従って、一般式(I)の各シランの使用可能な酸素原子の数によって、オルガノシラン中の個々の各シロキサン単位の官能性も決定されうる:一般式(I)の単量体オルガノシランは、従って単官能性、二官能性、三官能性または四官能性で存在していてよい。
【0021】
それに応じて、鎖状、環状の、架橋および/または立体架橋された構造エレメントを有する低分子量および/または高分子量のオルガノシランの合成のために存在する構成単位は、表記方法Mによる単官能性(R)3−Si−O−、表記方法Dによる二官能性−O−Si(R)2−O−、記号Tに分類された三官能性(−O−)3SiRおよび記号Qによる四官能性Si(−O−)4を包含する。該構成単位の表記方法は、その官能性に従って記号M、D、TおよびQを用いて行われる。
【0022】
異種金属および/または異種金属を含有する化合物として、該金属がケイ素に相当しないものが考えられる。少なくとも1つの異種金属および/または少なくとも1つの異種金属を含有する化合物の吸着は、殊に選択的にオルガノシランを含有する組成物から行われ、その際、該吸着は溶液中でも気相中でも行うことができる。異種金属または異種金属を含有する化合物は、半金属または半金属を含有する化合物、例えばホウ素、三塩化ホウ素およびホウ酸エステル、例えばB(OMe)3またはB(OEt)3とも理解される。
【0023】
例えば、減少されるべき異種金属および/または異種金属を含有する化合物は、金属ハロゲン化物、金属ハロゲン化水素、金属アルコキシド、金属エステルおよび/または金属水素化物ならびにこれらの化合物の混合物であってよい。しかし、有機基、例えばアルキル基またはアリール基で官能化された金属ハロゲン化物、金属ハロゲン化水素または金属水素化物も非常に良好な結果を伴ってオルガノシランから除去されることができる。同様に、例えば連続的に行われる処理において、一緒に連行される粒状金属が組成物を汚染しうる。有利には、ホウ素、アルミニウム、カリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムおよび/または鉄の含有量が軽減されることができ、殊にこれらの金属を基礎とする化合物が分離される。
【0024】
本発明による方法は、それらの沸点がオルガノシランの沸点の範囲にあるか、またはこれと共沸混合物として移行すると考えられる極性有機化合物および/または異種金属を含有する化合物の分離もしくは軽減のために特に適している。これらの極性有機化合物および/または異種金属を含有する化合物は、蒸留により部分的に困難にしか分離されることができないか、そもそも分離されることができない。オルガノシランの沸点の範囲にある沸点とは、常圧(約1013.25hPaまたは1013.25mbar)にてオルガノシランの1つの沸点の±20℃の範囲にある沸点と見なされる。
【0025】
一般的に、異種金属および/または異種金属を含有する化合物は40.0〜99.8質量%減少されることができる。殊に異種金属含有量は50〜90質量%、有利には85〜95質量%、特に有利には95〜99.8質量%減少されることができる。鉄を含有する組成物において、本方法は、85〜95質量%、特に有利には90〜99.8質量%の残留含有量の軽減を可能にする。一般的に、例えば無機シランの組成物のアルミニウム含有量は、40〜99質量%、有利には85〜99質量%軽減されることができ、かつホウ素含有量は95〜99.8質量%軽減されることができる。
【0026】
組成物中の異種金属含有量および/または異種金属を含有する化合物の含有量は、有利には金属化合物に関して、殊に互いに無関係に、そのつど100μg/kg未満の範囲の含有量に軽減されることができる。この組成物は本発明の意味において最高純度に相当する。殊に該含有量は、30μg/kg未満、有利には15μg/kg未満、特に有利には10μg/kg未満に軽減されることができる。
【0027】
本発明の意味における極性有機化合物とは、炭素骨格を基礎とする、永久双極子を有する有機化合物であり、殊にこれはアルコール、例えばエタノール、メタノール、ブタノール、n−プロパノールおよび/またはイソプロパノールである。本発明により、これらの極性有機化合物は0.01質量%未満の含有量にまで下げられることができる。相応する含有量の極性有機化合物を有する組成物も同様に最高純度と見なされる。
【0028】
本方法の実施のために、目的に応じて無機吸着剤のみならず有機吸着剤(吸着体と同義語)も使用されることができ、該吸着剤はそのうえ親水性および/または疎水性であってよい。どの極性有機化合物および/または異種金属または異種金属を含有する化合物が分離されるべきかに応じて、親水性および疎水性の吸着剤からの混合物または両機能を有する吸着剤も使用されることが適切でありうる。吸着剤は、活性炭またはシリケートの群から、殊にケイ藻土またはケイ土から選択されていてよく、ゼオライト、有機樹脂またはシリケート、例えば熱分解シリカおよび沈降シリカ(シリカゲル)も適している。有利な吸着剤は、活性炭、殊にNorit活性炭SA+(Norit Deutschland GmbH,Kieselgur Seitz Super(Pall Corporation)、ケイ藻土(直径0.2〜0.5mm、Sued−Chemie)である。
【0029】
一般的に、オルガノシランを包含する組成物の本発明による処理は、まず吸着剤を加熱し、該吸着剤を注意深く乾燥させ、かつ場合によっては吸着された揮発性不純物を除去し、かつ該吸着剤の最大負荷を可能にする形で実施される。引き続き、乾燥された吸着剤は保護雰囲気下で組成物と接触され、場合により攪拌される。適切には、処理は室温および常圧にて数時間にわたって行われる。好ましくは、組成物は1分〜10時間、殊に2分〜5時間の間、吸着剤と接触される。精製された組成物の取得または分離は、一般にろ過、遠心分離または沈殿によって行われる。方法操作は、必要に応じて不連続的にまたは連続的に行ってよい。オルガノシランを基礎とする得られた組成物は、40〜99.8質量%が減少された異種金属含有量および/または異種金属を含有する化合物の含有量を有する。μg/kgで表して、該含有量は100μg/kg未満に、殊に30μg/kg未満に、有利には15μg/kg未満に、特に有利には10μg/kg未満に軽減されることができる。本方法により、極性有機化合物の含有量は0.01質量%未満の含有量に下げられることができる。
【0030】
本発明の対象はまた、異種金属含有量および/または異種金属を含有する化合物の含有量がそれぞれ100μg/kgおよび/または有機極性化合物の残留含有量が0.01質量%未満である、一般式I
1a2b3cSi(OR4(4-a-b-c) (I)
[式中、0≦a≦3、0≦b≦3、0≦c≦3およびa+b+c≦3、R1は水素、線状、分枝鎖状および/または環状、場合によっては置換されたC原子1〜18個を有するアルキル基および/または線状、分枝鎖状および/または環状のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アリールアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲンアルキル基、ポリエーテル基、ポリエーテルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシアルキル基、ウレイドアルキル基、メルカプトアルキル基、シアノアルキル基、イソシアノアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、および/またはC原子1〜18個を有するアクリルオキシアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、式中、R2は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、R3は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基および/またはR4は、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜8個を有するアルキル基および/またはアルコキシアルキル基である]の少なくとも1つのオルガノシランおよび/または一般式Iのオルガノシランの少なくとも部分的な加水分解および縮合から得られる低分子量または高分子量のオルガノシロキサンに相当するオルガノシランおよび/またはこれらのオルガノシランの混合物を含有する組成物、殊に最高純度の組成物である。本発明により、極性有機化合物はアルコール、殊にメタノール、エタノール、n−プロパノールおよび/またはイソプロパノールである。有利には異種金属含有量および/または異種金属を含有する化合物の含有量は30μg/kg未満、殊に15μg/kg未満および特に有利には10μg/kg未満である。そのうえ本発明による組成物は、本質的に水不含である。
【0031】
その際、R1、R2、R3およびR4について次の置換パターンが特に有利である。有利な実施態様によれば、R1についてアミノアルキル基は、有利には式−(CH23−NH2、−(CH23−NHR'、−(CH23−NH(CH22−NH2または−(CH23−NH(CH22−NH(CH22−NH2の群のアミノプロピル官能基から選択されており、その際、R'は、線状、分枝鎖状または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、ポリエーテル基もしくはポリエーテルアルキル基は、有利には、鎖長nが1〜30、殊に1〜14の、式R'−(O−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−CH2−)nO−(CH23−、R'−(O−CH2−CH2nO−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−)nO−、R'−(O−CH2−CH2−CH2−CH2−)nO−、R'O[−CH2−CH(CH3)−O]n−(CH23−またはR'O[−CH2−CH(CH3)−O]n−の1つに相当し、その際、R'は、有利にはHまたは線状、分枝鎖状または環状のC原子1〜6個を有するアルキル基、殊にメチル、エチル、i−プロピルまたはn−プロピルであり、メタクリルオキシアルキル基もしくはアクリルオキシアルキル基は、有利には3−メタクリルオキシプロピル基および/または3−アクリルオキシプロピル基に相当し、アルコキシ基は、有利にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシおよび/またはイソプロポキシの群から選択されており、アルケニル基は、有利にはビニル基、イソプレニル基またはアリル基であり、エポキシ基は、有利には3−グリシジルオキシプロピル基または2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基に相当し、ハロゲンアルキル基は、有利には基R8*−Ym−(CH2s−を有するフルオロアルキル基に相当し、その際、R8*は、C原子1〜9個を有するモノフッ素化、オリゴフッ素化または過フッ素化されたアルキル基またはモノフッ素化、オリゴフッ素化または過フッ素化されたアリール基に相当し、その際、さらにYは、CH2−、O−、アリール−またはS−基に相当し、かつm=0または1、およびs=0または2である。一実施態様によれば、R1は、F3C(CF2r(CH2s基に相当し、その際、rは0〜9の整数を表し、sは0または2であり、有利には、rは5であり、かつsは2であり、特に有利な基は、CF3(CF25(CH22−またはCF3(CF27(CH22−またはCF3(C64)−またはC65基である。
【0032】
低分子量および/または高分子量のオルガノシランの組成および構造に関して、上記タイプが指摘される。
【0033】
さらに本発明の対象は、一般式I
1a2b3cSi(OR4(4-a-b-c) (I)
[式中、0≦a≦3、0≦b≦3、0≦c≦3およびa+b+c≦3が適用され、かつ基は、基R1、R2、R3および/またはR4の上記の置換パターンに相当する]のオルガノシランおよび/または一般式Iのオルガノシランの少なくとも部分的な加水分解および縮合から得られる低分子量または高分子量のオルガノシロキサンに相当するオルガノシランを含有する組成物からの有機極性化合物および/または少なくとも1つの異種金属および/または少なくとも1つの異種金属を含有する化合物の含有量を軽減させるための活性炭、シリケート、有機樹脂および/またはゼオライトの使用である。
【0034】
本発明を、以下の実施例によって詳細に説明する。
【0035】
実施例
実施例1.1
吸着剤の前処理:
全ての吸着剤を、精製されるべきシランの加水分解を防止するために、使用前に注意深く予備乾燥する。吸着剤を110℃で3時間乾燥し、かつ使用するまでデシケーター中で乾燥剤を用いて保存する。
【0036】
実施例1.2
オルガノシランを処理するための一般的な方法規定:
精製されるべきオルガノシランを、攪拌機および窒素接続部を有するフラスコ中に窒素雰囲気下で装入し、かつ相応する吸着剤の定義された量を添加する。引き続き、この混合物を2時間室温にて攪拌し、続けて吸着剤を加圧式フィルター(Seitz Supradur 100 深層フィルター)を用いて分離する。
【0037】
実施例2.1
次の実施例を、実施例1.2の一般的な方法規定に従って、ここで記載した量を用いて実施した。
【0038】
種々の含有量のエタノールを有する、それぞれ235gのテトラエトキシシランの2つのサンプルを、それぞれ0.75gの活性炭を用いて処理した。処理前および処理後のエタノール含有量を、FID−GCで測定した。
【0039】
【表1】

【0040】
実施例2.2
次の実施例を、実施例1.2の一般的な方法規定に従って、ここで記載した量を用いて実施した。
【0041】
種々の含有量のエタノールを有する、それぞれ235gのテトラエトキシシランの2つのサンプルを、それぞれ0.75gのケイ藻土(Seitz Super)を用いて処理した。処理前および処理後のエタノール含有量を、FID−GCで測定した。
【0042】
【表2】

【0043】
実施例2.3
次の実施例を、実施例1.2の一般的な方法規定に従って、ここで記載した量を用いて実施した。
【0044】
種々の含有量のエタノールを有する、それぞれ235gのテトラエトキシシランの2つのサンプルを、それぞれ0.75gのケイ藻土(Sued Chemie)を用いて処理した。処理前および処理後のエタノール含有量を、FID−GCで測定した。
【0045】
【表3】

【0046】
実施例2.4
次の実施例を、実施例1.2の一般的な方法規定に従って、ここで記載した量を用いて実施した。
【0047】
高められた異種金属含有量を有するテトラエトキシシラン250gを、それぞれ0.75gの活性炭を用いて処理した。処理前および処理後の異種金属含有量を、ICP−MSで測定した。
【0048】
【表4】

【0049】
実施例2.5
次の実施例を、実施例1.2の一般的な方法規定に従って、ここで記載した量を用いて実施した。
【0050】
高められた異種金属含有量を有するテトラエトキシシラン250gを、それぞれ0.75gのケイ藻土を用いて処理した。処理前および処理後の異種金属含有量を、ICP−MSで測定した。
【0051】
【表5】

【0052】
実施例2.6
次の実施例を、実施例1.2の一般的な方法規定に従って、ここで記載した量を用いて実施した。
【0053】
高められた鉄含有量を有するメチルトリエトキシシラン250gを、それぞれ0.75gの活性炭を用いて処理した。処理前および処理後の鉄含有量を、ICP−MSで測定した。
【0054】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノシランならびに少なくとも1つの極性有機化合物および/または少なくとも1つの異種金属および/または異種金属を含有する化合物を含有する組成物の処理方法において、前記組成物を少なくとも1つの吸着剤と接触させ、かつ前記極性有機化合物および/または前記異種金属および/または前記異種金属を含有する化合物の含有量が減少されている組成物を取得することを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのオルガノシランが、一般式I
1a2b3cSi(OR4(4-a-b-c) (I)
[式中、0≦a≦3、0≦b≦3、0≦c≦3およびa+b+c≦3、R1は水素、線状、分枝鎖状および/または環状の、置換されたまたは置換されなかったC原子1〜18個を有するアルキル基および/または線状、分枝鎖状および/または環状のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アリールアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲンアルキル基、ポリエーテル基、ポリエーテルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシアルキル基、ウレイドアルキル基、メルカプトアルキル基、シアノアルキル基、イソシアナトアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、および/またはC原子1〜18個を有するアクリルオキシアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、式中、R2は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、R3は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基および/またはR4は、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜8個を有するアルキル基および/またはアルコキシアルキル基である]のオルガノシランおよび/またはこれらのオルガノシランの混合物に相当することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が本質的に水不含であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記オルガノシランが、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシランおよび/またはトリアルキルアルコキシシランであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記オルガノシランが、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランおよび/またはジエチルジエトキシシランであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記オルガノシランが、一般式I
1a2b3cSi(OR4(4-a-b-c) (I)
[式中、0≦a≦3、0≦b≦3、0≦c≦3およびa+b+c≦3、R1は水素、線状、分枝鎖状および/または環状の、置換されたまたは置換されなかったC原子1〜18個を有するアルキル基および/または線状、分枝鎖状および/または環状のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アリールアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲンアルキル基、ポリエーテル基、ポリエーテルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシアルキル基、ウレイドアルキル基、メルカプトアルキル基、シアノアルキル基、イソシアナトアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、および/またはC原子1〜18個を有するアクリルオキシアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、式中、R2は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、R3は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基および/またはR4は、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜8個を有するアルキル基および/またはアルコキシアルキル基である]のオルガノシランおよび/またはこれらのオルガノシランの混合物の少なくとも部分的な加水分解および縮合から得られる低分子量または高分子量のオルガノシロキサンに相当することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項7】
異種金属を含有する化合物が、金属酸エステル、金属ハロゲン化物、金属水素化物、金属アルコキシド、有機基で置換された金属ハロゲン化物および/または有機基で置換された金属水素化物から選択されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
極性有機化合物および/または異種金属を含有する化合物の沸点が、常圧にてオルガノシランの沸点の±20℃の範囲にあることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
異種金属および/または異種金属を含有する化合物の含有量が40.0〜98.8質量%減少されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
異種金属含有量および/または異種金属を含有する化合物の含有量がそのつど100μg/kg未満に軽減されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
極性有機化合物がアルコールであることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
アルコールが、エタノール、メタノール、ブタノール、n−プロパノールおよび/またはイソプロパノールであることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
極性有機化合物が0.01質量%未満の含有量に下げられることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
吸着剤が親水性および/または疎水性であることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
吸着剤が、活性炭、シリケート、有機樹脂および/またはゼオライトの群から選択されていることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記方法を不連続的にまたは連続的に運転することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
異種金属含有量および/または異種金属を含有する化合物の含有量がそのつど100μg/kg未満および/または有機極性化合物の残留含有量が0.01質量%未満である、一般式I
1a2b3cSi(OR4(4-a-b-c) (I)
[式中、0≦a≦3、0≦b≦3、0≦c≦3およびa+b+c≦3、R1は水素、線状、分枝鎖状および/または環状の、置換されたまたは置換されなかったC原子1〜18個を有するアルキル基および/または線状、分枝鎖状および/または環状のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アリールアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲンアルキル基、ポリエーテル基、ポリエーテルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシアルキル基、ウレイドアルキル基、メルカプトアルキル基、シアノアルキル基、イソシアナトアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、および/またはC原子1〜18個を有するアクリルオキシアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、式中、R2は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基であり、R3は水素、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜18個を有するアルキル基および/またはC原子6〜12個を有するアリール基および/またはR4は、線状、分枝鎖状および/または環状のC原子1〜8個を有するアルキル基および/またはアルコキシアルキル基である]の少なくとも1つのオルガノシランおよび/または前記一般式Iのオルガノシランおよび/またはこれらのオルガノシランの混合物の少なくとも部分的な加水分解および縮合から得られる低分子量または高分子量のオルガノシロキサンに相当するオルガノシランを含有する組成物。
【請求項18】
前記組成物が本質的に水不含であることを特徴とする、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
極性有機化合物が、エタノール、メタノール、ブタノール、n−プロパノールおよび/またはイソプロパノールから選択されたアルコールであることを特徴とする、請求項17または18記載の組成物。
【請求項20】
請求項17から19までのいずれか1項記載のオルガノシランを含有する組成物からの有機極性化合物および/または少なくとも1つの異種金属および/または少なくとも1つの異種金属を含有する化合物の含有量を軽減させるための有機樹脂、活性炭、シリケートおよび/またはゼオライトの使用。

【公表番号】特表2011−500523(P2011−500523A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528333(P2010−528333)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060826
【国際公開番号】WO2009/049943
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】