説明

オレフィンの二量化触媒およびその触媒を用いたオレフィンの二量化方法

【課題】 高活性かつ高選択率を発現できるという優れた特徴を有するオレフィンの二量化触媒、およびその触媒を用いたオレフィンの二量化方法を提供する。特に原料オレフィンとしてエチレンを用いる場合にはLLDPEの原料コモノマーとして有用な1−ブテンを効率よく、かつ高選択的に製造することができる。
【解決手段】 低原子価タンタル化合物と下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒であって、低原子価タンタル化合物1モルあたりのアルミニウム化合物のモル比が0.7以上であるオレフィンの二量化触媒。
RAlX2 (1)
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Xは、同一または相異なり、水素原子またはハロゲン原子を表す。)
上記のオレフィンの二量化触媒の存在下でオレフィンを二量化するオレフィンの二量化方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオレフィンの二量化触媒およびその触媒を用いたオレフィンの二量化方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、タンタル化合物およびアルキル化剤としての有機金属化合物を含有するオレフィンの二量化触媒であって、高い触媒活性を発現できるという優れた特徴を有するオレフィンの二量化触媒、およびその触媒を用いたオレフィンの二量化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンタル化合物を用いてオレフィン、特にエチレンを選択的に二量化する方法は公知である。例えば、特許文献1、非特許文献1〜5には、シクロペンタジエニル基を置換基として持つタンタル錯体を触媒として用いる方法が開示されている。
【0003】
また、非特許文献6〜7には、アルキル基、アルキリデン基を置換基として持つタンタル錯体を触媒として用いる方法が開示されている。
【0004】
また、非特許文献8には、シリカ化合物にタンタル化合物を担持した、担持型触媒を用いる方法が開示されている。
【0005】
しかし、これらの方法でオレフィンの二量化を実施する場合には、事前にタンタル化合物からタンタル錯体や担持型触媒を調製する必要があった。また、これらの触媒を用いたオレフィンの二量化方法では、触媒活性が十分とはいえないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】米国特許明細書第4245131号
【非特許文献1】J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1990, 1720.
【非特許文献2】J. Organomet. Chem., 1985, 281, 213
【非特許文献3】J. Am. Chem. Soc., 1982, 104, 2157
【非特許文献4】J. Am. Chem. Soc., 1980, 102, 5610
【非特許文献5】J. Am. Chem. Soc., 1978, 100, 1315
【非特許文献6】J. Am. Chem. Soc., 1981, 103, 5752
【非特許文献7】J. Am. Chem. Soc., 1979, 101, 5099
【非特許文献8】Organometallics, 2001, 20, 5518
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、タンタル化合物および有機金属化合物を含有するオレフィンの二量化触媒であって、高い触媒活性を発現できるという優れた特徴を有するオレフィンの二量化触媒、およびその触媒を用いたオレフィンの二量化方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明のうち第一の発明は、低原子価タンタル化合物と下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒であって、低原子価タンタル化合物1モルあたりのアルミニウム化合物のモル比が0.7以上であるオレフィンの二量化触媒に係るものである。
RAlX2 (1)
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Xは、同一または相異なり、水素原子またはハロゲン原子を表す。)
【0009】
また、本発明のうち第二の発明は、上記のオレフィンの二量化触媒の存在下でオレフィンを二量化するオレフィンの二量化方法に係るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低原子価タンタル化合物とアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒であって、高活性かつ高選択率を発現できるという優れた特徴を有するオレフィンの二量化触媒、およびその触媒を用いたオレフィンの二量化方法を提供することができる。特に原料オレフィンとしてエチレンを用いる場合にはLLDPEの原料コモノマーとして有用な1−ブテンを効率よく、かつ高選択的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の低原子価タンタル化合物は、5価より価数の低いタンタル化合物のことであり、好ましくは3価のタンタル化合物である。
【0012】
低原子価タンタル化合物の好ましい具体例としては、一般式(2)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
[TaW4-l-mln]o (2)
(式中Wはハロゲン原子を表し、Yはアニオン性配位子を表し、Zは中性配位子を表し、lは0〜4までの整数を表し、mは0〜4までの整数を表し、nは0以上の数を表し、oは1以上の整数を表す。ただし、l+m<5である。)
【0013】
Wで示されるハロゲン原子としては、具体的にフッ素、塩素、臭素またはよう素が挙げられ、好ましくは塩素、臭素またはよう素である。
【0014】
Yで示されるアニオン性配位子としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基、置換されていても良い炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアルキリデン基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアミノ基または炭素数1〜20のチオニル基を表す。
【0015】
炭素数1〜20のアルキル基としては、具体的にメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基またはn−オクチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、n−ブチル基またはネオペンチル基が挙げられる。
【0016】
炭素数2〜20のアルケニル基としては、具体的にビニル基、アリル基、ホモアリル基、3−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基または3−メチル−3−ブテニル基などが挙げられる。
【0017】
炭素数2〜20のアルキニル基としては、具体的にエチニル基、2−プロピニル基または3−ブチニル基などが挙げられる。
【0018】
置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基としては、具体的にフェニル基、ナフチル基またはアントラセニル基などが挙げられ、その置換基としては、例えばアルキル基、ハロゲン原子またはアルコキシ基などが挙げられる。置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基としては、具体的にフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジフェニルフェニル基、ナフチル基またはアントラセニル基などが挙げられる。
【0019】
置換されていても良い炭素数7〜20のアラルキル基としては、具体的にベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基またはアントラセニルメチル基などが挙げられ、その置換基としては、例えばアルキル基、ハロゲン原子またはアルコキシ基などが挙げられる。置換されていても良い炭素数7〜20のアラルキル基としては、具体的にベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(メトキシフェニル)メチル基、(クロロフェニル)メチル基、(ブロモフェニル)メチル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基またはアントラセニルメチル基などが挙げられる。好ましくはベンジル基が挙げられる。
【0020】
炭素数1〜20のアルキリデン基としては、具体的にメチレン基、エチリデン基、n−プロピリデン基、i−プロピリデン基、n−ブチリデン基、n−ペンチリデン基、ネオペンチリデン基、n−ヘキシリデン基またはn−オクチリデン基などが挙げられる。好ましくはネオペンチリデン基が挙げられる。
【0021】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、具体的にメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基、フェノキシ基、クレゾキシ基、キシレノキシ基またはトリメチルフェノキシ基などが挙げられる。好ましくはメトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、クレゾキシ基またはトリメチルフェノキシ基が挙げられる。
【0022】
炭素数2〜20のアミノ基としては、具体的にジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−i−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基またはジフェニルアミノ基などが挙げられる。
【0023】
炭素数1〜20のチオニル基としては、具体的にメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−オクチルチオ基またはフェニルチオ基などが挙げられる。
【0024】
Zで示される中性配位としては、オレフィン類、芳香族化合物類、エーテル類、スルフィド類、アミン類、ニトリル類、ホスフィン類またはホスフィンオキサイド類などが挙げられる。Zで示される中性配位としては、具体的にエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1,3−ブタジエン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、スチルベン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、アントラセン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ピラン、ベンゾフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、1−(メチルチオ)プロパン、ジフェニルスルフィド、1,2−ビス(メチルチオ)エタン、3,6−ジチアオクタン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、チアシクロヘキサン、チアシクロオクタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン,N−メチルピロール,N−メチルイミダゾール、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、アセトニトリル、エチルシアニド、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリメチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−tert−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ヘキシルホスフィンオキサイド、トリシクロヘキシルホスフィンオキサイド、ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドまたはトリベンジルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。Zで示される中性配位子として、好ましくはオレフィン類、芳香族化合物類、スルフィド類、ホスフィン類またはホスフィンオキサイド類が挙げられ、さらに好ましくはオレフィン類またはスルフィド類が挙げられる。
【0025】
前記一般式(2)で示される低原子価タンタル化合物としては、具体的に下記に示した化合物が挙げられる。
【0026】
TaF3、TaF3(PMe33、TaF3(PPh33、TaF3(tetrahydrofurane)3、TaF3(tetrahydrothiophene)3、TaF3(pyridne)3
【0027】
TaCl3、TaCl3(C243、TaCl3(C242(PMe3)、TaCl3(C24)(PMe32、TaCl3(1−hexene)3、TaCl3(1−hexene)2(PMe3)、TaCl3(1−hexene)(PMe32、TaCl3(1,3−butadine)(PMe3)、
【0028】
TaCl3(C242(PPh3)、TaCl3(C24)(PPh32、TaCl3(C3H6)2(PPh3)、TaCl3(1−hexene)2(PPh3)、TaCl3(1−hexene)(PPh32
【0029】
TaCl3(C242(P(tert−Bu)3)、TaCl3(C24)(P(tert−Bu)32
【0030】
TaCl3(C242(tetrahydrofurane)、TaCl3(C24)(tetrahydrofurane)2、TaCl3(C362(tetrahydrofurane)、
【0031】
TaCl3(C242(tetrahydrothiophene)、TaCl3(C24)(tetrahydrothiophene)2、TaCl3(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、TaCl3(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、TaCl3(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、TaCl3(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、TaCl3(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0032】
TaCl3(C242(NEt3)、TaCl3(C24)(NEt32
【0033】
TaCl3(C242(pyridine)、TaCl3(C24)(pyridine)2、TaCl3(1−hexene)2(pyridine)、TaCl3(1−hexene)(pyridine)2、TaCl3(1,3−butadine)(pyridine)、
【0034】
TaCl3(C24)(1,2−dimethoxyethane)、TaCl3(C36)(1,2−dimethoxyethane)、
【0035】
TaCl3(C24)(1,3−dimethoxypropane)、TaCl3(C36)(1,3−dimethoxypropane)、
【0036】
TaCl3(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、TaCl3(C36)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0037】
TaCl3(C24)(3,6−dithiaoctane)、TaCl3(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、TaCl3(1−octene)(3,6−dithiaoctane)、
【0038】
TaCl3(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、TaCl3(1−hexene)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0039】
TaCl3(PMe33、TaCl3(PEt33、TaCl3(P(tert−Bu)33、TaCl3(PPh33、TaCl3(diethylether)3、TaCl3(tetrahydrofurane)3、TaCl3(tetrahydrothiophene)3、TaCl3(NEt33、TaCl3(pyridne)3
【0040】
TaBr3、TaBr3(C243、TaBr3(C242(PMe3)、TaBr3(C24)(PMe32、TaBr3(1−hexene)3、TaBr3(1−hexene)2(PMe3)、TaBr3(1−hexene)(PMe32、TaBr3(1,3−butadine)(PMe3)、
【0041】
TaBr3(C242(PPh3)、TaBr3(C24)(PPh32、TaBr3(C362(PPh3)、TaBr3(1−hexene)2(PPh3)、TaBr3(1−hexene)(PPh32
【0042】
TaBr3(C242(P(tert−Bu)3)、TaBr3(C24)(P(tert−Bu)32
【0043】
TaBr3(C242(tetrahydrofurane)、TaBr3(C24)(tetrahydrofurane)2、TaBr3(C362(tetrahydrofurane)、
【0044】
TaBr3(C242(tetrahydrothiophene)、TaBr3(C24)(tetrahydrothiophene)2、TaBr3(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、TaBr3(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、TaBr3(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、TaBr3(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、TaBr3(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0045】
TaBr3(C242(NEt3)、TaBr3(C24)(NEt32
【0046】
TaBr3(C242(pyridine)、TaBr3(C24)(pyridine)2、TaBr3(1−hexene)2(pyridine)、TaBr3(1−hexene)(pyridine)2、TaBr3(1,3−butadine)(pyridine)、
【0047】
TaBr3(C24)(1,2−dimethoxyethane)、TaBr3(C36)(1,2−dimethoxyethane)、
【0048】
TaBr3(C24)(1,3−dimethoxypropane)、TaBr3(C36)(1,3−dimethoxypropane)、
【0049】
TaBr3(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、TaBr3(C36)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0050】
TaBr3(C24)(3,6−dithiaoctane)、TaBr3(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、TaBr3(1−octene)(3,6−dithiaoctane)、
【0051】
TaBr3(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、TaBr3(1−hexene)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0052】
TaBr3(PMe33、TaBr3(PEt33、TaBr3(P(tert−Bu)33、TaBr3(PPh33、TaBr3(diethylether)3、TaBr3(tetrahydrofurane)3、TaBr3(tetrahydrothiophene)3、TaBr3(NEt33、TaBr3(pyridne)3
【0053】
TaI3、TaI3(C243、TaI3(C242(PMe3)、TaI3(C24)(PMe32、TaI3(1−hexene)3、TaI3(1−hexene)2(PMe3)、TaI3(1−hexene)(PMe32、TaI3(1,3−butadine)(PMe3)、
【0054】
TaI3(C242(PPh3)、TaI3(C24)(PPh32、TaI3(C362(PPh3)、TaI3(1−hexene)2(PPh3)、TaI3(1−hexene)(PPh32
【0055】
TaI3(C242(P(tert−Bu)3)、TaI3(C24)(P(tert−Bu)32
【0056】
TaI3(C242(tetrahydrofurane)、TaI3(C24)(tetrahydrofurane)2、TaI3(C362(tetrahydrofurane)、
【0057】
TaI3(C242(tetrahydrothiophene)、TaI3(C24)(tetrahydrothiophene)2、TaI3(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、TaI3(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、TaI3(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、TaI3(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、TaI3(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0058】
TaI3(C242(NEt3)、TaI3(C24)(NEt32
【0059】
TaI3(C242(pyridine)、TaI3(C24)(pyridine)2、TaI3(1−hexene)2(pyridine)、TaI3(1−hexene)(pyridine)2、TaI3(1,3−butadine)(pyridine)、
【0060】
TaI3(C24)(1,2−dimethoxyethane)、TaI3(C36)(1,2−dimethoxyethane)、
【0061】
TaI3(C24)(1,3−dimethoxypropane)、TaI3(C36)(1,3−dimethoxypropane)、
【0062】
TaI3(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、TaI3(C36)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0063】
TaI3(C24)(3,6−dithiaoctane)、TaI3(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、TaI3(1−octene)(3,6−dithiaoctane)、
【0064】
TaI3(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、TaI3(1−hexene)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0065】
TaI3(PMe33、TaI3(PEt33、TaI3(P(tert−Bu)33、TaI3(PPh33、TaI3(diethylether)3、TaI3(tetrahydrofurane)3、TaI3(tetrahydrothiophene)3、TaI3(NEt33、TaI3(pyridne)3
【0066】
Ta(Me)Cl2、Ta(Me)Cl2(C243、Ta(Me)Cl2(C242(PMe3)、Ta(Me)Cl2(C24)(PMe32、Ta(Me)Cl2(1−hexene)3、Ta(Me)Cl2(1−hexene)2(PMe3)、Ta(Me)Cl2(1−hexene)(PMe32、Ta(Me)Cl2(1−octene)3、Ta(Me)Cl2(1−octene)2(PMe3)、Ta(Me)Cl2(1−octene)(PMe32、Ta(Me)Cl2(1,3−butadine)(PMe3)、
【0067】
Ta(Me)Cl2(C242(PPh3)、Ta(Me)Cl2(C24)(PPh32、Ta(Me)Cl2(1−hexene)2(PPh3)、Ta(Me)Cl2(1−hexene)(PPh32
【0068】
Ta(Me)Cl2(C242(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)Cl2(C24)(P(tert−Bu)32、Ta(Me)Cl2(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)Cl2(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0069】
Ta(Me)Cl2(C242(diethylether)、Ta(Me)Cl2(C24)(diethylether)2
【0070】
Ta(Me)Cl2(C242(tetrahydrofurane)、Ta(Me)Cl2(C24)(tetrahydrofurane)2、Ta(Me)Cl2(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、Ta(Me)Cl2(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0071】
Ta(Me)Cl2(C242(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)Cl2(C24)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)Cl2(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)Cl2(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)Cl2(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)Cl2(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)Cl2(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0072】
Ta(Me)Cl2(C242(NEt3)、Ta(Me)Cl2(C24)(NEt32
【0073】
Ta(Me)Cl2(C242(pyridine)、Ta(Me)Cl2(C24)(pyridine)2Ta(Me)Cl2(1−hexene)2(pyridine)、Ta(Me)Cl2(1−hexene)(pyridine)2
【0074】
Ta(Me)Cl2(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0075】
Ta(Me)Cl2(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0076】
Ta(Me)Cl2(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0077】
Ta(Me)Cl2(C24)(3,6−dithiaoctane)、Ta(Me)Cl2(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0078】
Ta(Me)Cl2(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0079】
Ta(Me)Cl2(PMe33、Ta(Me)Cl2(P(tert−Bu)33、Ta(Me)Cl2(PPh33、Ta(Me)Cl2(tetrahydrofurane)3、Ta(Me)Cl2(tetrahydrothiophene)3、Ta(Me)Cl2(pyridne)3
【0080】
Ta(Me)Br2、Ta(Me)Br2(C243、Ta(Me)Br2(C242(PMe3)、Ta(Me)Br2(C24)(PMe32、Ta(Me)Br2(1−hexene)3、Ta(Me)Br2(1−hexene)2(PMe3)、Ta(Me)Br2(1−hexene)(PMe32、Ta(Me)Br2(1−octene)3、Ta(Me)Br2(1−octene)2(PMe3)、Ta(Me)Br2(1−octene)(PMe32、Ta(Me)Br2(1,3−butadine)(PMe3)、
【0081】
Ta(Me)Br2(C242(PPh3)、Ta(Me)Br2(C24)(PPh32、Ta(Me)Br2(1−hexene)2(PPh3)、Ta(Me)Br2(1−hexene)(PPh32
【0082】
Ta(Me)Br2(C242(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)Br2(C24)(P(tert−Bu)32、Ta(Me)Br2(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)Br2(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0083】
Ta(Me)Br2(C242(diethylether)、Ta(Me)Br2(C24)(diethylether)2
【0084】
Ta(Me)Br2(C242(tetrahydrofurane)、Ta(Me)Br2(C24)(tetrahydrofurane)2、Ta(Me)Br2(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、Ta(Me)Br2(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0085】
Ta(Me)Br2(C242(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)Br2(C24)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)Br2(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)Br2(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)Br2(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)Br2(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)Br2(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0086】
Ta(Me)Br2(C242(NEt3)、Ta(Me)Br2(C24)(NEt32
【0087】
Ta(Me)Br2(C242(pyridine)、Ta(Me)Br2(C24)(pyridine)2Ta(Me)Br2(1−hexene)2(pyridine)、Ta(Me)Br2(1−hexene)(pyridine)2
【0088】
Ta(Me)Br2(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0089】
Ta(Me)Br2(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0090】
Ta(Me)Br2(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0091】
Ta(Me)Br2(C24)(3,6−dithiaoctane)、Ta(Me)Br2(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0092】
Ta(Me)Br2(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0093】
Ta(Me)Br2(PMe33、Ta(Me)Br2(P(tert−Bu)33、Ta(Me)Br2(PPh33、Ta(Me)Br2(tetrahydrofurane)3、Ta(Me)Br2(tetrahydrothiophene)3、Ta(Me)Br2(pyridne)3
【0094】
Ta(Me)2Cl、Ta(Me)2Cl(C243、Ta(Me)2Cl(C242(PMe3)、Ta(Me)2Cl(C24)(PMe32、Ta(Me)2Cl(1−hexene)3、Ta(Me)2Cl(1−hexene)2(PMe3)、Ta(Me)2Cl(1−hexene)(PMe32、Ta(Me)2Cl(1−octene)3、Ta(Me)2Cl(1−octene)2(PMe3)、Ta(Me)2Cl(1−octene)(PMe32、Ta(Me)2Cl(1,3−butadine)(PMe3)、
【0095】
Ta(Me)2Cl(C242(PPh3)、Ta(Me)2Cl(C24)(PPh32、Ta(Me)2Cl(1−hexene)2(PPh3)、Ta(Me)2Cl(1−hexene)(PPh32
【0096】
Ta(Me)2Cl(C242(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)2Cl(C24)(P(tert−Bu)32、Ta(Me)2Cl(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)2Cl(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0097】
Ta(Me)2Cl(C242(diethylether)、Ta(Me)2Cl(C24)(diethylether)2
【0098】
Ta(Me)2Cl(C242(tetrahydrofurane)、Ta(Me)2Cl(C24)(tetrahydrofurane)2、Ta(Me)2Cl(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、Ta(Me)2Cl(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0099】
Ta(Me)2Cl(C242(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)2Cl(C24)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)2Cl(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)2Cl(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)2Cl(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)2Cl(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)2Cl(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0100】
Ta(Me)2Cl(C242(NEt3)、Ta(Me)2Cl(C24)(NEt32
【0101】
Ta(Me)2Cl(C242(pyridine)、Ta(Me)2Cl(C24)(pyridine)2、Ta(Me)2Cl(1−hexene)2(pyridine)、Ta(Me)2Cl(1−hexene)(pyridine)2
【0102】
Ta(Me)2Cl(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0103】
Ta(Me)2Cl(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0104】
Ta(Me)2Cl(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0105】
Ta(Me)2Cl(C24)(3,6−dithiaoctane)、Ta(Me)2Cl(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0106】
Ta(Me)2Cl(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0107】
Ta(Me)2Cl(PMe33、Ta(Me)2Cl(P(tert−Bu)33、Ta(Me)2Cl(PPh33、Ta(Me)2Cl(tetrahydrofurane)3、Ta(Me)2Cl(tetrahydrothiophene)3、Ta(Me)2Cl(pyridne)3
【0108】
Ta(Me)2Br、Ta(Me)2Br(C243、Ta(Me)2Br(C242(PMe3)、Ta(Me)2Br(C24)(PMe32、Ta(Me)2Br(1−hexene)3、Ta(Me)2Br(1−hexene)2(PMe3)、Ta(Me)2Br(1−hexene)(PMe32、Ta(Me)2Br(1−octene)3、Ta(Me)2Br(1−octene)2(PMe3)、Ta(Me)2Br(1−octene)(PMe32、Ta(Me)2Br(1,3−butadine)(PMe3)、
【0109】
Ta(Me)2Br(C242(PPh3)、Ta(Me)2Br(C24)(PPh32、Ta(Me)2Br(1−hexene)2(PPh3)、Ta(Me)2Br(1−hexene)(PPh32
【0110】
Ta(Me)2Br(C242(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)2Br(C24)(P(tert−Bu)32、Ta(Me)2Br(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、Ta(Me)2Br(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0111】
Ta(Me)2Br(C242(diethylether)、Ta(Me)2Br(C24)(diethylether)2
【0112】
Ta(Me)2Br(C242(tetrahydrofurane)、Ta(Me)2Br(C24)(tetrahydrofurane)2、Ta(Me)2Br(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、Ta(Me)2Br(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0113】
Ta(Me)2Br(C242(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)2Br(C24)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)2Br(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)2Br(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)2Br(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(Me)2Br(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(Me)2Br(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0114】
Ta(Me)2Br(C242(NEt3)、Ta(Me)2Br(C24)(NEt32
【0115】
Ta(Me)2Br(C242(pyridine)、Ta(Me)2Br(C24)(pyridine)2、Ta(Me)2Br(1−hexene)2(pyridine)、Ta(Me)2Br(1−hexene)(pyridine)2
【0116】
Ta(Me)2Br(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0117】
Ta(Me)2Br(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0118】
Ta(Me)2Br(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0119】
Ta(Me)2Br(C24)(3,6−dithiaoctane)、Ta(Me)2Br(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0120】
Ta(Me)2Br(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0121】
Ta(Me)2Br(PMe33、Ta(Me)2Br(P(tert−Bu)33、Ta(Me)2Br(PPh33、Ta(Me)2Br(tetrahydrofurane)3、Ta(Me)2Br(tetrahydrothiophene)3、Ta(Me)2Br(pyridne)3
【0122】
TaMe3、TaMe3(C243、TaMe3(C242(PMe3)、TaMe3(C24)(PMe32、TaMe3(1−hexene)3、TaMe3(1−hexene)2(PMe3)、TaMe3(1−hexene)(PMe32、TaMe3(1−octene)3、TaMe3(1−octene)2(PMe3)、TaMe3(1−octene)(PMe32、TaMe3(1,3−butadine)(PMe3)、
【0123】
TaMe3(C242(PPh3)、TaMe3(C24)(PPh32、TaMe3(1−hexene)2(PPh3)、TaMe3(1−hexene)(PPh32
【0124】
TaMe3(C242(P(tert−Bu)3)、TaMe3(C24)(P(tert−Bu)32、TaMe3(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、TaMe3(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0125】
TaMe3(C242(diethylether)、TaMe3(C24)(diethylether)2
【0126】
TaMe3(C242(tetrahydrofurane)、TaMe3(C24)(tetrahydrofurane)2、TaMe3(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、TaMe3(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0127】
TaMe3(C242(tetrahydrothiophene)、TaMe3(C24)(tetrahydrothiophene)2、TaMe3(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、TaMe3(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、TaMe3(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、TaMe3(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、TaMe3(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0128】
TaMe3(C242(NEt3)、TaMe3(C24)(NEt32
【0129】
TaMe3(C242(pyridine)、TaMe3(C24)(pyridine)2、TaMe3(1−hexene)2(pyridine)、TaMe3(1−hexene)(pyridine)2
【0130】
TaMe3(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0131】
TaMe3(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0132】
TaMe3(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0133】
TaMe3(C24)(3,6−dithiaoctane)、TaMe3(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0134】
TaMe3(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0135】
TaMe3(PMe33、TaMe3(P(tert−Bu)33、TaMe3(PPh33、TaMe3(tetrahydrofurane)3、TaMe3(tetrahydrothiophene)3、TaMe3(pyridne)3
【0136】
TaBu3、TaBu3(C243、TaBu3(C242(PBu3)、TaBu3(C24)(PBu32、TaBu3(1−hexene)3、TaBu3(1−hexene)2(PBu3)、TaBu3(1−hexene)(PBu32、TaBu3(1−octene)3、TaBu3(1−octene)2(PBu3)、TaBu3(1−octene)(PBu32、TaBu3(1,3−butadine)(PBu3)、
【0137】
TaBu3(C242(PPh3)、TaBu3(C24)(PPh32、TaBu3(1−hexene)2(PPh3)、TaBu3(1−hexene)(PPh32
【0138】
TaBu3(C242(P(tert−Bu)3)、TaBu3(C24)(P(tert−Bu)32、TaBu3(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、TaBu3(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0139】
TaBu3(C242(diethylether)、TaBu3(C24)(diethylether)2
【0140】
TaBu3(C242(tetrahydrofurane)、TaBu3(C24)(tetrahydrofurane)2、TaBu3(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、TaBu3(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0141】
TaBu3(C242(tetrahydrothiophene)、TaBu3(C24)(tetrahydrothiophene)2、TaBu3(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、TaBu3(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、TaBu3(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、TaBu3(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、TaBu3(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0142】
TaBu3(C242(NEt3)、TaBu3(C24)(NEt32
【0143】
TaBu3(C242(pyridine)、TaBu3(C24)(pyridine)2、TaBu3(1−hexene)2(pyridine)、TaBu3(1−hexene)(pyridine)2
【0144】
TaBu3(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0145】
TaBu3(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0146】
TaBu3(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0147】
TaBu3(C24)(3,6−dithiaoctane)、TaBu3(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0148】
TaBu3(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0149】
TaBu3(PBu33、TaBu3(P(tert−Bu)33、TaBu3(PPh33、TaBu3(tetrahydrofurane)3、TaBu3(tetrahydrothiophene)3、TaBu3(pyridne)3
【0150】
Ta(CH2CMe33、Ta(CH2CMe33(C243、Ta(CH2CMe33(C242(P(CH2CMe33)、Ta(CH2CMe33(C24)(P(CH2CMe332、Ta(CH2CMe33(1−hexene)3、Ta(CH2CMe33(1−hexene)2(P(CH2CMe33)、Ta(CH2CMe33(1−hexene)(P(CH2CMe332、Ta(CH2CMe33(1−octene)3、Ta(CH2CMe33(1−octene)2(P(CH2CMe33)、Ta(CH2CMe33(1−octene)(P(CH2CMe332、Ta(CH2CMe33(1,3−butadine)(P(CH2CMe33)、
【0151】
Ta(CH2CMe33(C242(PPh3)、Ta(CH2CMe33(C24)(PPh32、Ta(CH2CMe33(1−hexene)2(PPh3)、Ta(CH2CMe33(1−hexene)(PPh32
【0152】
Ta(CH2CMe33(C242(P(tert−Bu)3)、Ta(CH2CMe33(C24)(P(tert−Bu)32、Ta(CH2CMe33(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、Ta(CH2CMe33(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0153】
Ta(CH2CMe33(C242(diethylether)、Ta(CH2CMe33(C24)(diethylether)2
【0154】
Ta(CH2CMe33(C242(tetrahydrofurane)、Ta(CH2CMe33(C24)(tetrahydrofurane)2、Ta(CH2CMe33(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、Ta(CH2CMe33(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0155】
Ta(CH2CMe33(C242(tetrahydrothiophene)、Ta(CH2CMe33(C24)(tetrahydrothiophene)2、Ta(CH2CMe33(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(CH2CMe33(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(CH2CMe33(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(CH2CMe33(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(CH2CMe33(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0156】
Ta(CH2CMe33(C242(NEt3)、Ta(CH2CMe33(C24)(NEt32
【0157】
Ta(CH2CMe33(C242(pyridine)、Ta(CH2CMe33(C24)(pyridine)2、Ta(CH2CMe33(1−hexene)2(pyridine)、Ta(CH2CMe33(1−hexene)(pyridine)2
【0158】
Ta(CH2CMe33(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0159】
Ta(CH2CMe33(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0160】
Ta(CH2CMe33(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0161】
Ta(CH2CMe33(C24)(3,6−dithiaoctane)、Ta(CH2CMe33(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0162】
Ta(CH2CMe33(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0163】
Ta(CH2CMe33(P(CH2CMe333、Ta(CH2CMe33(P(tert−Bu)33、Ta(CH2CMe33(PPh33、Ta(CH2CMe33(tetrahydrofurane)3、Ta(CH2CMe33(tetrahydrothiophene)3、Ta(CH2CMe33(pyridne)3
【0164】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C243、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(P(CHCMe3)(CH2CMe3))、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(P(CHCMe3)(CH2CMe3))2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)3、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)2(P(CHCMe3)(CH2CMe3))、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)(P(CHCMe3)(CH2CMe3))2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−octene)3、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−octene)2(P(CHCMe3)(CH2CMe3))、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−octene)(P(CHCMe3)(CH2CMe3))2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1,3−butadine)(P(CHCMe3)(CH2CMe3))、
【0165】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(PPh3)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(PPh32、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)2(PPh3)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)(PPh32
【0166】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(P(tert−Bu)3)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(P(tert−Bu)32、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)2(P(tert−Bu)3)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)(P(tert−Bu)32
【0167】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(diethylether)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(diethylether)2
【0168】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(tetrahydrofurane)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(tetrahydrofurane)2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)2(tetrahydrofurane)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)(tetrahydrofurane)2
【0169】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(tetrahydrothiophene)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(tetrahydrothiophene)2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−octene)2(tetrahydrothiophene)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−octene)(tetrahydrothiophene)2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1,3−butadine)(tetrahydrothiophene)、
【0170】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(NEt3)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(NEt32
【0171】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C242(pyridine)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(pyridine)2、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)2(pyridine)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)(pyridine)2
【0172】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(1,2−dimethoxyethane)、
【0173】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(1,3−dimethoxypropane)、
【0174】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(1,2−bis(methylthio)ethane)、
【0175】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(3,6−dithiaoctane)、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、
【0176】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(C24)(N,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine)、
【0177】
Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(P(CHCMe3)(CH2CMe3))3、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(P(tert−Bu)33、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(PPh33、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(tetrahydrofurane)3、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(tetrahydrothiophene)3、Ta(CHCMe3)(CH2CMe3)(pyridne)3
【0178】
Ta26(PMe33、Ta26(PPh33、Ta26(tetrahydrofurane)3、Ta26(tetrahydrothiophene)3、Ta2Cl6(PMe33、Ta2Cl6(PPh33、Ta2Cl6(tetrahydrofurane)3、Ta2Cl6(tetrahydrothiophene)3、Ta2Br6(PMe33、Ta2Br6(PPh33、Ta2Br6(tetrahydrofurane)3、Ta2Br6(tetrahydrothiophene)3、Ta26(PMe33、Ta26(PPh33、Ta26(tetrahydrofurane)3、Ta26(tetrahydrothiophene)3
【0179】
Ta2Me6(PMe33、Ta2Me6(PPh33、Ta2Me6(tetrahydrofurane)3、Ta2Me6(tetrahydrothiophene)3、Ta2Bu6(PMe33、Ta2Bu6(PPh33、Ta2Bu6(tetrahydrofurane)3、Ta2Bu6(tetrahydrothiophene)3、Ta2(CH2CMe36(PMe33、Ta2(CH2CMe36(PPh33、Ta2(CH2CMe36(tetrahydrofurane)3、Ta2(CH2CMe36(tetrahydrothiophene)3などが挙げられる。
【0180】
好ましくは、TaCl3、TaCl3(C243、TaCl3(C242(PMe3)、TaCl3(C24)(PMe32、TaCl3(1−hexene)3、TaCl3(1−hexene)2(PMe3)、TaCl3(1−hexene)(PMe32、 TaCl3(C242(tetrahydrofurane)、TaCl3(C24)(tetrahydrofurane)2 TaCl3(C242(tetrahydrothiophene)、TaCl3(C24)(tetrahydrothiophene)2、TaCl3(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、TaCl3(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2
【0181】
TaCl3(C24)(3,6−dithiaoctane)、TaCl3(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、TaCl3(PMe33、TaCl3(P(tert−Bu)33、TaCl3(PPh33、TaCl3(tetrahydrofurane)3、TaCl3(tetrahydrothiophene)3、TaCl3(pyridne)3
【0182】
TaBr3、TaBr3(C243、TaBr3(C242(PMe3)、TaBr3(C24)(PMe32、TaBr3(1−hexene)3、TaBr3(1−hexene)2(PMe3)、TaBr3(1−hexene)(PMe32、 TaBr3(C242(tetrahydrofurane)、TaBr3(C24)(tetrahydrofurane)2 TaBr3(C242(tetrahydrothiophene)、TaBr3(C24)(tetrahydrothiophene)2、TaBr3(1−hexene)2(tetrahydrothiophene)、TaBr3(1−hexene)(tetrahydrothiophene)2
TaBr3(C24)(3,6−dithiaoctane)、TaBr3(1−hexene)(3,6−dithiaoctane)、TaBr3(PMe33、TaBr3(P(tert−Bu)33、TaBr3(PPh33、TaBr3(tetrahydrofurane)3、TaBr3(tetrahydrothiophene)3、TaBr3(pyridne)3
【0183】
Ta26(PMe33、Ta26(PPh33、Ta26(tetrahydrofurane)3、Ta26(tetrahydrothiophene)3、Ta2Cl6(PMe33、Ta2Cl6(PPh33、Ta2Cl6(tetrahydrofurane)3、Ta2Cl6(tetrahydrothiophene)3、Ta2Br6(PMe33、Ta2Br6(PPh33、Ta2Br6(tetrahydrofurane)3、Ta2Br6(tetrahydrothiophene)3、Ta26(PMe33、Ta26(PPh33、Ta26(tetrahydrofurane)3、Ta26(tetrahydrothiophene)3などが挙げられ、さらに好ましくはTa2Cl6(tetrahydrothiophene)3またはTa2Br6(tetrahydrothiophene)3が挙げられる。
【0184】
本発明の低原子価タンタル化合物を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、5価のタンタル塩と還元剤を反応させる方法が挙げられる。5価のタンタル塩としては、ハロゲン化タンタル類、シクロペンタジエニルタンタル類、タンタルアミド類、タンタルアルコキシド類、酸化タンタル類またはアルキルタンタルハライド類などが挙げられる。
【0185】
ハロゲン化タンタル類としては、具体的にフッ化タンタル(V)、塩化タンタル(V)、臭化タンタル(V)またはヨウ化タンタル(V)が挙げられる。シクロペンタジエニルタンタル類としては、具体的にシクロペンタジエニルタンタルテトラクロライドまたはペンタメチルシクロペンタジエニルタンタルテトラクロライドが挙げられる。タンタルアミド類としては、具体的にペンタキス(ジメチルアミノ)タンタルが挙げられる。タンタルアルコキシド類としては、具体的にタンタル(V)メトキシドまたはタンタル(V)エトキシドが挙げられる。酸化タンタル類としては、具体的に酸化タンタル(V)が挙げられる。アルキルタンタルハライド類としては、具体的にメチルテトラクロロタンタル、ジメチルトリクロロタンタル、トリメチルジクロロタンタル、エチルテトラクロロタンタル、ジエチルトリクロロタンタル、トリエチルジクロロタンタル、ネオペンチルテトラクロロタンタル、ビスネオペンチルトリクロロタンタル、トリスネオペンチルジクロロタンタル、メチルテトラブロモタンタル、ジメチルトリブロモタンタル、トリメチルジブロモタンタル、エチルテトラブロモタンタル、ジエチルトリブロモタンタル、トリエチルジブロモタンタル、ネオペンチルテトラブロモタンタル、ビスネオペンチルトリブロモタンタルまたはトリスネオペンチルジブロモタンタルが挙げられる。
【0186】
5価のタンタル塩として好ましくは、ハロゲン化タンタル類、タンタルアルコキシド類、タンタルアミド類またはアルキルタンタルハライド類である。より好ましくはハロゲン化タンタル類またはアルキルタンタルハライド類である。
【0187】
還元剤としては、5価のタンタル塩を還元して低原子価タンタル化合物を生成させることができるものであれば特に限定されない。例えば、金属を含有するアルキル化剤、還元性ガス、有機還元剤、オレフィン類、ハロゲン化水素、金属水素化物、低原子価金属塩、イオウ化合物、りん化合物、金属、金属と液体アンモニアの組み合わせ、金属と芳香族化合物との組み合わせまたはアリルシラン類等が挙げられる。これら還元剤は単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0188】
金属を含むアルキル化剤としては、アルキルリチウム類、アルキルマグネシウムハライド類、アルキルスズ類またはアルキル亜鉛類などが挙げられる。アルキルリチウム類としては、具体的にメチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、シクロペンチルリチウム、2,2−ジメチルプロピルリチウム、シクロヘキシルリチウム、フェニルリチウム、1−フェニルエチルリチウムまたは2−フェニルエチルリチウムなどが挙げられる。好ましくは、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウムまたはフェニルリチウムなどが挙げられる。
【0189】
アルキルマグネシウムハライドとしては、具体的にメチルマグネシウムハライド、エチルマグネシウムハライド、イソプロピルマグネシウムハライド、シクロペンチルマグネシウムハライド、2,2−ジメチルプロピルマグネシウムハライド、シクロヘキシルハライド、1−メチル−2−プロペニルマグネシウムハライド、2−フェニルエチルマグネシウムハライド、3−ブテニルマグネシウムハライド、シクロプロピルマグネシウムハライド、sec−ブチルマグネシウムハライド、イソブチルマグネシウムハライド、2−エチルヘキシルマグネシウムハライド、2−エチルブチルマグネシウムハライドまたはフェニルマグネシウムハライドなどが挙げられる。好ましくは、メチルマグネシウムハライド、エチルマグネシウムハライド、イソプロピルマグネシウムハライド、シクロペンチルマグネシウムハライド、シクロヘキシルハライド、2−フェニルエチルマグネシウムハライド、3−ブテニルマグネシウムハライド、sec−ブチルマグネシウムハライドまたはイソブチルマグネシウムハライドなどが挙げられ、さらに好ましくはメチルマグネシウムハライド、エチルマグネシウムハライド、イソプロピルマグネシウムハライド、sec−ブチルマグネシウムハライドまたはイソブチルマグネシウムハライドが挙げられる。上記アルキルマグネシウムハライドのハライドとしては、塩素、臭素またはヨウ素などが挙げられる。
【0190】
アルキルスズとしては、具体的にテトラメチルスズ、テトラエチルスズ、テトライソプロピルスズ、イソプロピルトリメチルスズ、テトライソブチルスズ、テトラ(2,2−ジメチルプロピル)スズ、ジイソブチルスズジクロライド、テトラ−sec−ブチルスズまたはテトラシクロヘキシルスズなどが挙げられる。好ましくはテトラメチルスズ、テトラエチルスズ、テトライソプロピルスズ、テトライソブチルスズまたはテトラ−sec−ブチルスズなどが挙げられる。
【0191】
アルキル亜鉛としては、具体的にジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛またはジイソブチル亜鉛等が挙げられる。好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛等が挙げられる。
【0192】
還元性ガスとしては、具体的に水素ガスまたは一酸化炭素ガスなどが挙げられる。有機還元剤としては、具体的にジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、フェニルヒドラジン、ヒドラジン、アスコルビン酸、ジイミド、ギ酸、ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸またはグルコース等が挙げられる。オレフィン類としては、具体的にエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンまたは1−デセン等のα−オレフィン類、2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−オクテン、3−オクテンまたは4−オクテン等の内部オレフィン、イソブチレン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンまたは2−エチル−1−ヘキセン等の分岐オレフィン類等、並びに1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエンまたは1,5−ヘキサジエン等のジオレフィン類などが挙げられる。なお、オレフィン類を還元剤として使用した場合、生成した低原子化タンタルが触媒となり、オレフィンの二量化反応がそのまま進行することがある。ハロゲン化水素としては、具体的にヨウ化水素等が挙げられる。金属水素化物としては、具体的にNaBH4、LiAlH4、LiAlH(O−R13(R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表す)、LiAlH2(O−R12(R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表す)、LiBH4、NaAlH4、NaAlH(O−R13(R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表す)、NaAlH2(O−R12(R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表す)、R22AlH(R2はアルキル基を表す)、AlH2Cl、AlHCl2、AlH3、KBH4、R24NBH4(R2はアルキル基を表す)、Zn(BH42、NaCNBH3、R24NCNBH3(R2はアルキル基を表す)、LiR33BH (R3はアルキル基またはアルコキシ基を表す)、KR33BH(R3はアルキル基またはアルコキシ基を表す)、LiR2BH3 (R2はアルキル基を表す)、R2nBH3-n(R2はアルキル基を表しnは0〜2の整数を表す)、スズヒドリド、シリルヒドリド、NaH、LiHまたはKH等を挙げることができる。なおこれら金属水素化物はAIBNまたはEt3B等ラジカル開始剤と一緒に使用しても良い。
【0193】
低原子価金属塩としては、具体的に塩化第一スズ、酢酸スズ、二リン酸スズ、シュウ酸スズ、酸化スズ、硫酸スズ、硫酸第一鉄、水酸化第一鉄、塩化鉄、フマル酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、三塩化チタン、二塩化チタン、二塩化クロムまたはヨウ化サマリウム等が挙げられる。なお、これら低原子価金属塩は上記金属水素化物と混合して使用しても良い。イオウ化合物としては、具体的に硫化水素、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、多硫化ナトリウム、水硫化ナトリウム、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、亜二チオン酸塩またはピロ亜硫酸塩等が挙げられる。りん化合物としては、具体的に三硫化りんまたは亜リン酸とその塩等が挙げられる。金属としては、具体的にアルミニウム、亜鉛、亜鉛アマルガム、ナトリウム、ナトリウムアマルガム、マグネシウム、マグネシウムアマルガム、リチウムまたはカリウム等が挙げられる。金属と液体アンモニアの組み合わせの金属としては、具体的にリチウムまたはナトリウム等が挙げられる。金属と芳香族化合物の組み合わせの金属としては、具体的にリチウムまたはナトリウム等が挙げられ、芳香族化合物としては、具体的にナフタレン、ビフェニル、4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニルまたはアントラセン等が挙げられる。アリルシラン類としては、具体的にアリルシラン、3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエン、1−メチル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエン、1,5−ジメチル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエン、1,4−ジメチル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエンまたは1−イソプロピル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエン等が挙げられる。
【0194】
還元剤のうち好ましくは金属を含有するアルキル化剤、還元性ガス、オレフィン類、金属水素化物、低原子価金属塩、金属またはアリルシラン類であり、具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、フェニルリチウム、メチルマグネシウムハライド、エチルマグネシウムハライド、フェニルマグネシウムハライド、テトラメチルスズ、テトラエチルスズ、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、水素ガス、エチレン、プロピレン、NaBH4、LiAlH4、LiBH4、NaAlH4、NaAlH2(O−R12(R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表す)、R22AlH(R2はアルキル基を表す)、R24NBH4(R2はアルキル基を表す)、スズヒドリド、シリルヒドリド、NaH、LiH、塩化第一スズ、硫酸スズ、塩化鉄、硫化鉄、三塩化チタン、二塩化チタン、二塩化クロム、亜鉛、亜鉛アマルガム、ナトリウム、ナトリウムアマルガム、マグネシウム、マグネシウムアマルガム、アリルシラン、3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエン、1−メチル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエン、1,5−ジメチル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエン、1,4−ジメチル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエンまたは1−イソプロピル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエンが挙げられる。
【0195】
還元剤の使用量は還元剤の種類により異なるが、通常5価のタンタル塩に対して、0.01モル倍〜500モル倍、好ましくは0.1モル倍〜100モル倍、更に好ましくは0.5モル倍〜50モル倍である。還元剤は単独で使用しても良く、あるいは複数の還元剤を混合して使用しても良い。
【0196】
5価のタンタル塩と還元剤を反応させる方法における低原子化タンタル化合物の調製する際には溶媒を使用することが好ましいが、還元剤として還元性ガスを用いる場合は無溶媒で実施することもできる。ここで使用される溶媒の例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタンまたはデカリン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼンまたはジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素並びにジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素またはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。また、二量化反応原料のオレフィン類そのもの、あるいは反応生成物例えば、ブテン、ヘキセンまたはオクテン等のオレフィン類を溶媒とすることもできる。
【0197】
使用する溶媒の好ましいものとしては芳香族炭化水素が挙げられ、さらに好ましくはベンゼン、トルエンまたはキシレンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。溶媒の使用量に関しては、特に制限はないが、使用量があまりに多すぎる場合は容積効率等の面で好ましくない。通常は5価のタンタル塩に対し、1500重量倍以下、好ましくは1000重量倍以下、更に好ましくは500重量倍以下である。なお、還元剤および5価のタンタル塩は、還元処理時に溶解していても溶解せず縣濁していても良いが、溶解しているほうが好ましい。
【0198】
還元処理は窒素またはアルゴンなどの不活性ガス存在下で実施することが好ましい。処理温度は使用する還元剤や溶媒により異なるが、通常−100〜200℃、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは10〜100℃である。処理時間は使用する還元剤や溶媒により異なるが、通常0.5〜72時間である。処理方法は特に限定されないが、例えば5価のタンタル塩と還元剤を溶媒中で接触させる、もしくは無溶媒で接触させた後、溶媒を添加することにより実施できる。処理後、必要によりろ過により不溶物をろ過した後、溶媒を留去し、必要に応じて再結晶などによる精製を実施することで低原子化タンタル化合物を得ることができる。なお、低原子化タンタル化合物を単離することなしに、オレフィンの二量化反応に供することもできる。
【0199】
前記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物におけるRとしては、炭素数1〜10の炭化水素基を表す。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基またはn-オクチル基などが挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはイソブチル基などが挙げられる。
【0200】
一般式(1)におけるXとしては、水素原子またはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはよう素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子または臭素原子が挙げられる。
【0201】
一般式(1)で示されるアルミニウム化合物としては、具体的にメチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジブロマイド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジブロマイド、イソブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジブロマイド、n−オクチルアルミニウムジクロライド、n−オクチルアルミニウムジブロマイド等が挙げられ、好ましくはメチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、イソブチルアルミニウムジクロライドまたはイソブチルアルミニウムジブロマイドが挙げられる。
【0202】
一般式(1)で示されるアルミニウム化合物の使用量としては、低原子化タンタル化合物に対して0.7モル倍以上であり、好ましくは1モル倍以上である。アルミニウム化合物の使用量が多すぎたり、少なすぎたりするとオレフィンの二量化活性が認められない場合がある。
【0203】
本発明の低原子化タンタル化合物と一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒の調製方法は特に限定されないが、例えば、低原子化タンタル化合物を前もって調製しておき、その後アルミニウム化合物と接触させて調整することもできるし、5価のタンタル塩とアルミニウム化合物の存在下、還元剤と接触させることもできる。
【0204】
本発明の低原子化タンタル化合物と一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒を用いたオレフィンの二量化反応は、二量化触媒を調製した後オレフィンと接触させて実施することもできるが、低原子化タンタル化合物とアルミニウム化合物との接触をオレフィン存在下で実施することもできる。なお、これら原料の混合順序は特に制限されない。更には5価のタンタル塩の還元処理をアルミニウム化合物の存在下または非存在下で行う段階からオレフィン存在下で実施することもできる。
【0205】
本発明の低原子価タンタル化合物とアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒は担体を含んでいても良い。担体とは無機または有機化合物であって、顆粒状もしくは微粒子状の固体である。
【0206】
担体として用いることができる無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられる。多孔質酸化物としては、具体的にSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaOまたはThO2などが挙げられる。また、これらを含む複合物または混合物、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr23またはSiO2−TiO2−MgOなどを用いることができる。さらに、上記化合物には少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2OまたはLi2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩または酸化物を含有していても良い。
【0207】
このような多孔質酸化物の性状は種類および製法により異なるが、本発明に用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gであり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが好ましい。このような担体は必要に応じて焼成して使用される。
【0208】
本発明で使用される無機塩化物としては、具体的にMgCl2、MgBr2、MnCl2またはMnBr2などが用いられる。これら無機塩化物はそのまま用いても良いし、必要に応じてボールミル、振動ミルなどにより粉砕して用いても良い。また、アルコールなどの溶媒に無機塩化物を溶解させ、析出剤によって微粒子状に析出させたものを使用しても良い。
【0209】
本発明で用いられる粘土としては、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物としては、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった構造をとる化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、合成品を用いても良いし、天然品を用いても良い。
【0210】
粘土、粘土鉱物としては、具体的にベントナイト、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフェライト、雲母鉱物、アロフェン、モンモリロナイト、バーミキュライト、リョクデイ石群、木節粘土、パリゴルスカイト、カオリン、カオリナイト、ナクライト、ディッカイトまたはハロイサイトなどが挙げられる。
【0211】
イオン交換性層状化合物としては、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型またはCdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを挙げることができる。具体的には、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO4232O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42またはγ−Ti(NH4PO42・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
【0212】
これら粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は特に処理を行うことなくそのまま使用しても良いし、ボールミル、篩い分けなどの処理を行った後に使用しても良い。また単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0213】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物は化学処理を施しても良い。化学処理としては、具体的に酸処理、アルカリ処理、塩類処理または有機物処理などが挙げられる。酸処理では表面の不純物を除去するほか、結晶構造のAl、Fe、MgまたはLiなどの陽イオンを一部溶出させることにより表面積を増大させる効果がある。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。塩類処理、有機物処理ではイオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0214】
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、層間の交換性イオンを別のかさ高いイオンと交換することで、層間が拡大した状態の層状物質でもよい。このようなかさ高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションと言う。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4またはZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR”)4、Zr(OR”)4、PO(OR”)3またはB(OR”)3などの金属アルコキシド(ここで、R”は炭化水素基を表す)並びに[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+または[Fe3O(OCOCH36+などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの化合物をインターカレーションする際には、Si(OR”)4、Al(OR”)3またはGe(OR”)4などの金属アルコキシド(ここでRは炭化水素基を表す)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
【0215】
これら粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特に0.3〜5cc/gであることが好ましい。通常、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は吸着水および層間水を含む。ここで吸着水とは、表面あるいは結晶破面に吸着された水であり、層間水とは結晶の層間に存在する水である。
【0216】
本発明において、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は上記のような吸着水または層間水を除去してから使用することがこのましい。脱水方法は特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水または有機溶媒との共沸脱水などの方法が使用される。加熱温度は、吸着水および層間水が残存しないような温度範囲であり、通常100℃以上、好ましくは150℃以上であるが、結晶構造を破壊するような高温条件は好ましくない。
【0217】
本発明で担体として用いられる有機化合物としては、粒径が10〜300μmである顆粒状または微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテンまたは4−メチルペンテンなどの炭素数2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体、またはビニルシクロヘキサンまたはスチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変性体を挙げることができる。
【0218】
本発明の低原子価タンタル化合物とアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒を用いて二量化反応を行う際には溶媒が使用される。ここで使用される溶媒の例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタンまたはデカリン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼンまたはジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素並びにジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素またはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。また、二量化反応原料のオレフィン類そのもの、あるいは反応生成物例えば、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテン等のオレフィン類を溶媒とすることもできる。
【0219】
使用する溶媒の好ましいものとしては芳香族炭化水素が挙げられ、さらに好ましくはベンゼン、トルエンまたはキシレンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0220】
本発明の低原子価タンタル化合物と一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒を用いて、オレフィンの二量化を実施する際の低原子価タンタル化合物の濃度は、特に制限されないが、通常溶媒1リットルあたり、0.0001マイクロモル〜100ミリモル、好ましくは0.001マイクロモル〜10ミリモルの範囲である。低原子化タンタルの濃度が高すぎても低すぎてもオレフィンの二量化活性や選択率が低下することがある。
【0221】
本発明において原料として使用されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンまたは1−デセン等のα−オレフィン類、2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン等の内部オレフィン、イソブチレン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンまたは2−エチル−1−ヘキセン等の分岐オレフィン類等、並びに1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエンまたは1,5−ヘキサジエン等のジオレフィン類等が挙げられる。
【0222】
本反応の触媒は、特にエチレンの二量化反応に好適であり、高活性かつ高選択的に1−ブテンを得ることができる。
【0223】
本発明の二量化反応の温度は、通常−100〜250℃、好ましくは200℃以下であり、より好ましくは0〜150℃であり、更に好ましくは10〜100℃である。反応圧力は、通常、絶対圧力が常圧〜加圧条件下であり、好ましくは0〜300MPaであり、より好ましくは0〜30MPaである。反応時間は特に限定されないが、通常24時間以内である。
【0224】
原料オレフィンは、前記圧力を保つように連続的に供給してもよいし、反応開始時に前記圧力で封入して反応させてもよい。また、窒素、アルゴンまたはヘリウムなどで希釈したオレフィンを使用してもよい。
【0225】
本反応は、回分式、半連続式または連続式のいずれでも実施しうる。反応終了後、反応液に例えば、水、アルコール、塩酸または水酸化ナトリウム水溶液等の失活剤を添加して反応を停止させる。反応停止後、失活した触媒を、水またはアルカリ水溶液による抽出等の公知の脱灰処理方法により除去後、蒸留や抽出といった公知の操作により目的とするオレフィンを分離することができる。
【0226】
なお、オレフィンの二量化反応を実施するに際し、反応系内の水分量がタンタル原子の50モル倍以下であること、反応系内の分子状酸素がタンタル原子の10モル倍以下であることが好ましい。
【実施例】
【0227】
以下に、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0228】
実施例1
五塩化タンタル71.2mg、1,1,4,4−テトラメチルブタン14.6mgを9.43gのトルエン−d8に溶解した。ここに、1.75Mのジメチル亜鉛のトルエン溶液105μlを仕込み、室温で30分撹拌した。この溶液中のアルキルタンタル種の収率を、1,1,4,4−テトラメチルブタンを内部標準として1H−NMRで測定したところ、モノメチルテトラクロロタンタルが5%、ジメチルトリクロロタンタルが88%、トリメチルジクロロタンタルが3%であった。
【0229】
実施例2
オートクレーブに窒素下で、トルエン4.6mlを仕込み、温度を40℃に安定させた後、エチレンを0.6MPaまで加圧し安定させた。ここに、実施例1で調製した溶液0.25mlを仕込み、約1分後に0.18Mに濃度を調整したエチルアルミニウムジクロライドのトルエン溶液0.33mlを仕込み、0.1時間反応させた。反応容器を室温まで冷却し、次いで常圧に戻した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を以下に示す。
1−ブテン活性:4820mol/(mol−Ta・Hr)、1−ブテン選択率:60.3%、1−ヘキセン活性:557mol/(mol−Ta・Hr)、1−ヘキセン選択率:10.5%
【0230】
比較例1
実施例2において、エチルアルミニウムジクロライドを仕込まず、反応時間を1.3時間とした以外は実施例2と同様に操作した。結果を以下に示す。
1−ブテン活性:1mol/(mol−Ta・Hr)、1−ブテン選択率:0.2%、1−ヘキセン活性377mol/(mol−Ta・Hr)、1−ヘキセン選択率:95.6%
【0231】
実施例3
オートクレーブに窒素下で、トルエン2.8mlと五塩化タンタル35.8mgをトルエン5mlに溶解させた溶液0.15ml(五塩化タンタルとして3μmol)を仕込み、温度を70℃に安定させた後、エチレンを0.6MPaまで加圧し安定させた。ここに0.1Mに濃度を調整した1−メチル−3、6−ビス(トリメチルシリル)−1、4−シクロヘキサジエンのトルエン溶液0.06mlを仕込み、約1分後に0.036Mに濃度を調製したエチルアルミニウムジクロライドのトルエン溶液0.17mlを仕込んだ。0.15時間反応させた後、反応容器を室温まで冷却し、次いで常圧に戻した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を以下に示す。
1−ブテン活性:841mol/(mol−Ta・Hr)、1−ブテン選択率:34.2%、1−ヘキセン活性:357mol/(mol−Ta・Hr)、1−ヘキセン選択率:21.8%
【0232】
比較例2
実施例3において、エチルアルミニウムジクロライドを仕込まず、反応時間を0.8時間とした以外は実施例3と同様に操作した。結果を以下に示す。
1−ブテン活性:0mol/(mol−Ta・Hr)、1−ブテン選択率:0%、1−ヘキセン活性:425mol/(mol−Ta・Hr)、1−ヘキセン選択率:85.7%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低原子価タンタル化合物と下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を含むオレフィンの二量化触媒であって、低原子価タンタル化合物1モルあたりのアルミニウム化合物のモル比が0.7以上であるオレフィンの二量化触媒。
RAlX2 (1)
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Xは、同一または相異なり、水素原子またはハロゲン原子を表す。)
【請求項2】
低原子価タンタル化合物1モルあたりのアルミニウム化合物のモル比が1.0以上である請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
低原子価タンタル化合物が一般式(2)で示されるタンタル化合物である請求項1または請求項2に記載の触媒。
[TaW4-l-mln]o (2)
(式中、Wはハロゲン原子を表し、Yはアニオン性配位子を表し、Zは中性配位子を表し、lは0〜4までの整数を表し、mは0〜4までの整数を表し、nは0以上の数を表し、oは1以上の整数を表す。ただし、l+m<5である。)
【請求項4】
前記式(2)で示される化合物において、Yが、同一または相異なり、炭素数1から20のアルキル基、炭素数2から20のアルケニル基、炭素数2から20のアルキニル基、置換されていても良い炭素数6から20のアリール基、置換されていても良い炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアルキリデン基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアミノ基または炭素数1〜20のチオニル基である請求項3に記載の触媒。
【請求項5】
前記式(2)で示される化合物において、Zが、同一または相異り、オレフィン類、芳香族化合物類、エーテル類、スルフィド類、アミン類、ニトリル類、ホスフィン類またはホスフィンオキサイド類である請求項3または請求項4に記載の触媒。
【請求項6】
低原子価タンタル化合物が3価のタンタル化合物である請求項1〜請求項5のうちの一の請求項に記載の触媒。
【請求項7】
前記式(2)で示される化合物において、l=0かつm=1である請求項3〜請求項5のうちの一の請求項に記載の触媒。
【請求項8】
前記式(2)で示される化合物において、Zがホスフィン類またはスルフィド類である請求項3〜請求項7のうちの一の請求項に記載のオレフィンの触媒。
【請求項9】
低原子価タンタル化合物を5価のタンタル塩と還元剤から調製する請求項1〜8のうち一の請求項に記載の触媒。
【請求項10】
5価のタンタル塩がハロゲン化タンタルまたはアルキルタンタルハライドである請求項9に記載の触媒。
【請求項11】
ハロゲン化タンタルが塩化タンタル(V)または臭化タンタル(V)である請求項10に記載の触媒。
【請求項12】
アルキルタンタルハライドがジメチルトリクロロタンタルまたはジメチルトリブロモタンタルである請求項10に記載の触媒。
【請求項13】
還元剤が、金属を含有するアルキル化剤、還元性ガス、有機還元剤、ハロゲン化水素、金属水素化物、低原子価金属塩、イオウ化合物、りん化合物、金属、金属と液体アンモニアの組み合わせ、金属と芳香族化合物との組み合わせまたはアリルシラン類である請求項9〜12に記載のうちの一の請求項に記載の触媒。
【請求項14】
還元剤が、金属を含有するアルキル化剤、金属水素化物、金属またはアリルシラン類である請求項9〜12に記載のうちの一の請求項に記載の触媒。
【請求項15】
還元剤がテトラメチルスズ、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、メチルリチウム、エチルリチウム、メチルマグネシウムハライド、エチルマグネシウムハライド、1−メチル−3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエンまたは3,6−ビス(トリメチルシリル)−1,4−シクロヘキサジエンである請求項14に記載の触媒。
【請求項16】
請求項1〜請求項15のうちの一の請求項に記載のオレフィンの二量化触媒の存在下でオレフィンを二量化するオレフィンの二量化方法。
【請求項17】
絶対圧力が常圧〜加圧条件下で実施する請求項16に記載の二量化方法。
【請求項18】
溶媒の存在下に行う請求項16または請求項17に記載の二量化方法。
【請求項19】
オレフィンがエチレンである請求項15〜請求項18のうちの一の請求項に記載の二量化方法。

【公開番号】特開2006−82015(P2006−82015A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269413(P2004−269413)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】