説明

オレフィン重合用触媒系

次式(I):
【化1】


(式中、Raは炭化水素基であり;Rb、RcおよびRdは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である)を有する化合物を、式(II):
MtR13 (II)
(式中、Mtは元素の周期律表の13族に属する金属であり;R1は、ハロゲン原子、ハロゲン化C6〜C20アリールおよびハロゲン化C7〜C20アルキルアリール基からなる群より選択される)のルイス酸と接触させることによって得ることができる有機金属化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機金属化合物、この有機金属化合物を含むオレフィン重合用触媒系、および上記触媒系の存在下で実施されるオレフィンの重合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタロセン錯体をベースにする均質な触媒系は、オレフィン重合において活性であることが公知であり;この錯体は、適切な助触媒化合物によって活性化されなければならない。
【0003】
均質メタロセンオレフィン重合用に開発された第一世代の助触媒は、アルキルアルミニウムクロリド(AlR2Cl)(式中、置換基Rはメチルまたはエチルが好ましい)からなり;これらの助触媒は、低いエチレン重合活性レベルおよび無視し得るプロピレン重合活性を示す。
【0004】
第二世代の助触媒は、1:1〜100:1のモル比でトリアルキルアルミニウム化合物と水とを反応させることによって通例得られる、アルキルアルモキサンのクラスから構成され;これらのアルモキサンは、直鎖状オリゴマーアルモキサンについては、式:
【化1】

であり、環状オリゴマーアルモキサンについては、
【0005】
【化2】

(式中、置換基Rは、通常、メチル、エチルまたはイソブチル基であり、nは0〜40の範囲であり、かつmは3〜40の範囲である)で表されるオリゴマーの直鎖状および/または環状化合物である。メチルアルモキサン(MAO)が最も広く使用されている助触媒である。
【0006】
それにもかかわらず、アルキルアルモキサン、特にメチルアルモキサンは、メタロセンをベースにする触媒系において非常に活性であるが、使用に際していくつかの固有の問題、例えば、満足な触媒活性を生じるために高いアルモキサン/メタロセンモル比の必要性、不純物(湿気、アルコールなど)に対する高い反応性および燃焼容易性を示す。さらに、MAOを使用する特徴付け可能なメタロセン活性種を分離することはできていない。したがって、この分野におけるいくつかの開発は、代替の助触媒の探索を含んでいた。
【0007】
B(C65)4-タイプの非配位アニオンが、メタロセンベースの系のための助触媒として開発されている。より具体的には、これらの活性化剤は、トリアルキルまたはジアルキルアンモニウムカチオン(これがメタロセンと不可逆的に反応する)、およびメタロセンカチオン錯体を安定化することができ、重合の間にエチレンによる置換が可能であるように十分に不安定なフッ素化アリールボレートアニオンを含むイオン交換化合物である(例えば、WO91/020212を参照)。特に、これらは、1:1の触媒−助触媒比で使用されるという利点を有する。したがって、上述のアルミニウムベースの助触媒とは異なり、通常、最終ポリマーから少量のホウ素を除去する必要がない。好ましい活性化剤としては、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボロンおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボロンである。
【0008】
これらの助触媒は高い活性を示すが、合成の観点からは、これらの助触媒の工業的生産は極めて高価である。
【0009】
最後に、これらB(C65)4-アニオンは、一般に、対応するアンモニウム塩の形態で使用され、したがってメタロセン活性化の結果としてアミン性副生物の放出を導く。加えて、これらは重合溶媒に低い溶解性を有する。第四世代の助触媒は、B(C65)3である。メタロセンジメチル錯体からMe-の引き抜きの後に形成されるアニオンMeB(C65)3-は、電子不足金属中心に対して弱く配位し、したがって触媒活性の減少を生じ、加えてその触媒系は安定ではない。
【0010】
B(C65)3を使用する代替ルートは、B. TemmeによりJournal of Organometallic Chemistry,488(1995),177-182で提案されている。ビスシクロペンタジエニル−メチル−ピロリジルジルコノセンがB(C65)3で処理され、ピロリジルボレートとメタロセンカチオンを形成している。この論文中で、得られた塩は、触媒として活性であり、中程度の活性であったとしてもエチレンを重合させると報告されている。
【0011】
WO99/64476は、メタロセン化合物、ルイス酸−塩基錯体およびトリ−n−アルキルアルミニウム化合物を含む触媒系を使用することによるポリオレフィンの製造方法を記載している。4ページに記載され、図に説明されるように、ルイス塩基の機能は、メタロセン化合物とルイス酸との間の反応を阻害することである。トリ−n−アルキルアルミニウム化合物の添加に際してのみ、この触媒系は活性となる。この触媒系は、B(C65)3の使用の問題を完全には解決しない。なぜならば、電子不足金属中心に対して弱く配位しているアニオンは、常にMeB(C65)3-タイプであり、したがってその活性触媒系は長時間安定ではないからである。
【0012】
最近公開されたWO01/62764は、N−Hピロール誘導体をルイス酸と接触させることによって得ることができる新しいクラスの助触媒を記載している。これらの助触媒とメタロセン化合物を含む触媒系は、分離し同定することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このように、アルキルアルミノキサンに関して過剰の助触媒の使用を低減し、メタロセン活性化後に望まない副生物の放出を導かず、そして安定な触媒組成物を提供する新しい助触媒を見い出す必要性が未だなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、a)次式(I):
【化3】

【0015】
[式中、
aは、O、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルまたはC7〜C20アルキルアリール基であるか;またはRaは、Rdと一緒になってC4〜C7環を形成することができ;好ましくは、RaはC1〜C10アルキルまたはC6〜C20アリール基であり;より好ましくは、Raはメチル、エチル、プロピル、フェニルまたはナフチル基であり、
【0016】
b、RcおよびRdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2以上の隣接する置換基Rb、RcおよびRdは、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成する]を有する化合物と;
【0017】
b)式(II):
MtR13 (II)
[式中、Mtは、元素の周期律表(IUPAC)の13族に属する金属であり;R1は、互いに同一または異なって、ハロゲン原子、ハロゲン化C6〜C20アリールおよびハロゲン化C7〜C20アルキルアリール基であり;2つのR1基は、金属Mtと、例えば9−ボラフルオレン(9-borafluorene)化合物のような1つの縮合環を形成することができる]のルイス酸とを接触させることによって得ることができる有機金属化合物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
好ましくはMtはBまたはAlであり、より好ましくはBであり;置換基R1は、C65、C64H、C632、C63(CF3)2、ペルフルオロ−ビフェニル、へプタフルオロ−ナフチル、ヘキサフルオロ−ナフチルおよびペンタフルオロ−ナフチルであり;最も好ましいR1置換基はC65基である。
【0019】
好ましい有機金属化合物は、それぞれ式(III)および(IV)を有する以下の2つのクラス(1)および(2)に属するものである。
【0020】
クラス(1)
クラス(1)に属する有機金属化合物は、以下の式(III):
【化4】

【0021】
[式中、
Mtは、元素の周期律表(IUPAC)の13族に属する金属であり;R1は、互いに同一または異なって、ハロゲン原子、ハロゲン化C6〜C20アリールまたはハロゲン化C7〜C20アルキルアリール基であるか;または2つのR1基は、金属Mtと、例えば9−ボラフルオレン化合物のような1つの縮合環を形成することができ;置換基R5、R4およびR3は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の、C1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、あるいは2以上の隣接する置換基R3、R4およびR5は、O、S、N、PまたはSiを任意に含有する、1以上のC4〜C7環を形成し;好ましくは、R4とR5は、O、S、NまたはP原子を任意に含有する、その芳香環の1以上の炭素を置換し、かつ置換基を担うことができる1つの縮合C5〜C6芳香環を形成し;好ましくは、R3は水素であり;
【0022】
2は、O、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、またはR2は、R5と一緒になってC4〜C7環を形成することができ;好ましくは、R2はC1〜C10アルキルまたはC6〜C20アリール基であり;より好ましくは、R2は、メチル、エチル、プロピル、フェニルまたはナフチル基である]
を有する。
【0023】
式(III)の有機金属化合物において、Mtは、好ましくはBまたはAlであり、より好ましくはBであり;置換基R1は、互いに同一または異なって、C65、C64H、C632、C63(CF3)2、ペルフルオロ−ビフェニル、へプタフルオロ−ナフチル、ヘキサフルオロ−ナフチルおよびペンタフルオロ−ナフチルであり;さらにより好ましくはR1はC65である。
【0024】
式(III)の有機金属化合物の好ましいサブクラスは、式(V):
【化5】

【0025】
[式中、
Bは、ホウ素原子であり;
置換基R1、R2およびR3は、上で報告した意味を有し、置換基R6は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2以上の隣接する置換基R6は、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成し;好ましくはR6は、水素原子、ハロゲン原子、および直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のC1〜C10アルキルからなる群より選択される]
のものである。
【0026】
クラス(2)
クラス(2)に属する有機金属化合物は、次式(IV):
を有する;
【化6】

【0027】
[式中、
MtおよびR1は上記のように定義され;
置換基R3'、R4'およびR5'は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2以上の隣接する置換基R3'、R4'およびR5'は、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成し;この環は脂肪族であることができるか、または任意に二重結合を含むことができ;
【0028】
2'は、O、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の、C1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか;またはR2'は、R5'と一緒になってC4〜C7環を形成することができ;好ましくはR2'は、C1〜C10アルキルまたはC6〜C20アリール基であり;より好ましくはR2'は、メチル、エチル、プロピル、tertブチル、フェニルまたはナフチル基である]
を有する。
【0029】
好ましくは置換基R3'、R4'およびR5'は、水素原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしく分岐状の、飽和もしくは不飽和の、C1〜C10アルキルであるか、または2以上の隣接する置換基R3'、R4'およびR5'は、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成し;この環は脂肪族であることができるか、または任意に二重結合を含むことができ、ただし、この環は芳香族ではない。
【0030】
式(IV)の有機金属化合物の好ましいサブクラスは、式(VI):
【化7】

【0031】
[式中、
置換基R1およびR2'は上記の意味を有し、置換基R5'は、C1〜C10アルキル基であり;好ましくはR5'は、メチルまたはエチル基である]
のものである。
【0032】
本発明の有機金属化合物は、ほぼ化学量論的量で、式(I):
【化8】

(式中、Ra、Rb、Rc、RdおよびReは上に記載されている)
を有する化合物を、式(II):
MtR13 (II)
(式中、MtおよびR1は上に記載されている)
のルイス酸と反応させることにより容易に製造される。
【0033】
このルイス酸と式(I)の化合物との間の反応は、好ましくは非プロトン性溶媒中、さらにより好ましくは(トルエン、ジエチルエーテルまたはCH2Cl2のような)極性非プロトン性溶媒中で、室温にて行われ、この反応は、少量の、好ましくはそのルイス酸に対して1モル当量未満の水の存在下でも行なうことができる。
【0034】
本発明のさらなる目的は、
a)上記のような式(I)を有する化合物;
b)上記のような式(II)のルイス酸;および
c)式KRf3の化合物[式中、Kは窒素(N)またはリン(P)原子であり;好ましくはKは窒素であり;Rfは、互いに同一または異なって、O、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和の、C1〜C30アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルおよびC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2つのRfは、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1つのC4〜C7環を形成することができ;好ましくはRfは、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のC1〜C30アルキルからなる群より選択される]
を任意の順序で接触させることにより得ることができる塩である。
【0035】
この塩は、オレフィン重合用の助触媒として使用することができる。
好ましい塩化合物は、それぞれ式(VII)および(VIII)を有する次の2つのクラス(3)および(4)に属するものである。
【0036】
クラス(3)
クラス(3)に属する塩は式(VII):
【化9】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Mt、KおよびRfは、上記の意味を有する)
を有する。
【0037】
式(VII)の塩の好ましいサブクラスは、式(IX):
【化10】

(式中、R1、R2、R3、R6、B、KおよびRfは上記の意味を有する)
のものである。
【0038】
クラス(4)
クラス(4)に属する塩は、式(VIII):
【化11】

(式中、R1、R2'、R3'、R4'、R5'、Mt、KおよびRfは上記の意味を有する)
を有する。
【0039】
式(VIII)の塩の好ましいサブクラスは、式(X):
【化12】

(式中、R1、R2'、R5'、Mt、KおよびRfは上記の意味を有する)
のものである。
【0040】
上記の塩の製造方法は、以下の工程:
a)少なくとも1当量の式(I)の化合物と1当量の式(II)のルイス酸とを接触させる工程(式(I)および(II)の化合物は上に記載されている);および
b)任意に、工程a)の反応生成物を分離し、次いで少なくとも1当量の式KRf3(式中、KおよびRfは上に記載されている)の化合物を添加する工程
を含む。
【0041】
上記の2つの工程は、工程a)で形成された中間生成物を、一般的には溶媒の濾過もしくは蒸発により分離することによってか、または中間生成物を分離することなく“ワンポット”を実施するかの両方で行なうことができる;この反応は、好ましくは非プロトン性溶媒中で、さらにより好ましくは(トルエン、ジエチルエーテルまたはCH2Cl2のような)極性非プロトン性溶媒中で、室温にて行われる。この反応は、少量の、好ましくはそのルイス酸に対して1モル当量以下の水の存在下でも行なうことができる。最終生成物は、一般に、溶媒の濾過または蒸発によって分離される。
【0042】
上記の塩を製造するための代替の方法は、式(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物を、少なくとも1当量の式KRf3(式中、KおよびRfは上に記載されている)の化合物と接触させる工程を含む。
【0043】
式(I)に属する化合物の非限定的な例は:
N−メチル−ピロール;N−メチル−2−エチルピロール;N−メチル−2,4−ジメチルピロール;N−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール;N−メチル−2,4−ジメチル−3−エチルピロール;N−メチル−インドール;N−メチル−3−メチルインドール;N−メチル−4−メチルインドール;N−メチル−5−メチルインドール;N−メチル−6−メチルインドール;N−メチル−7−メチルインドール;N−メチル−5−フルオロインドール;N−メチル−4−クロロインドール;N−メチル−5−クロロインドール;N−メチル−6−クロロインドール;N−メチル−5−ブロモインドール;N−メチル−5−メトキシインドール;N−メチル−4−メトキシインドール;N−メチル−5,6−ジメトキシインドール;N−メチル−5−ベンジルオキシインドール;ならびに対応するN−エチル、N−プロピル、N−フェニルおよびN−ナフチル化合物である。
【0044】
式(II)のルイス酸の例は:
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン;トリス(へプタフルオロナフチル)ボラン;トリス(2,3,5,6,7,8−ヘキサフルオロナフチル)ボラン;トリス(2,4,5,6,7,8−ヘキサフルオロナフチル)ボラン;トリス(3,4,5,6,7,8−ヘキサフルオロナフチル)ボラン;トリス(2,3,4,6,7,8−ヘキサフルオロナフチル)ボラン;トリス(2,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロナフチル)ボラン;トリス(2,3,5,6,7,8−ヘキサフルオロ−4−メチルナフチル)ボラン;トリス(2,4,5,6,7,8−ヘキサフルオロ−3−メチルナフチル)ボラン;トリス(3,4,5,6,7,8−ヘキサフルオロ−2−メチルナフチル)ボラン;トリス(2,3,4,6,7,8−ヘキサフルオロ−5−メチルナフチル)ボラン;トリス(2,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロ−6−メチルナフチル)ボラン;トリス(ノナフルオロビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(3,3’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,3,3’,4,4’,5,5’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(3,3’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−オクタフルオロ−5,5’−メチルビフェニル)ボラン; トリス(2,2’,3,3’,4,4’,5,5’−オクタフルオロ−6,6’−メチルビフェニル)ボラン; トリス(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−4,4’−ビフェニル)ボラン;トリス(3,3’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−2,2’−ビフェニル)ボラン;トリス(2,2’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−3,3’−ビフェニル)ボラン;トリス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボラン;トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン;トリス(2,3,5−トリフルオロフェニル)ボラン;トリス(2,3,6−トリフルオロフェニル)ボラン;トリス(1,3−ジフルオロフェニル)ボラン;トリス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル)ボラン;トリス(2,3,4,6−テトラフルオロ−5−メチルフェニル)ボラン;トリス(2,6−ジフルオロ−3−メチルフェニル)ボラン;トリス(2,4−ジフルオロ−5−メチルフェニル)ボラン;トリス(3,5−ジフルオロ−2−メチルフェニル)ボラン;フルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン;クロロビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン;ジクロロ(ペンタフルオロフェニル)ボラン;ジフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ボラン;9−クロロ−9−ボロペルフルオロフルオレン;9−メチル−9−ボロペルフルオロフルオレン;9−ペンタフルオロフェニル−9−ボロペルフルオロフルオレンおよび9−ブロモ−9−ボロペルフルオロフルオレンである。
【0045】
本発明の別の目的は、
(A)少なくとも1つの遷移金属有機金属化合物、および
(B)a)次式(I):
【化13】

(式中、Ra、Rb、RcおよびRdは上記の意味を有する)を有する化合物、
b)式(II):
MtR13 (II);
(式中、MtおよびR1は上記の意味を有する)のルイス酸;および
c)任意に、式KRf3(式中、KおよびRfは上記の意味を有する)の化合物
を接触させることにより得ることができる有機金属化合物
を接触させることによって得られる生成物を含むオレフィン重合用触媒系である。
【0046】
この触媒系は、任意にアルキル化剤をさらに含むことができる。
【0047】
好ましくは、オレフィン重合用の本発明の触媒系は、
(A)少なくとも1つの遷移金属有機金属化合物;
(B)上記のようなクラス(1)(式(III)もしくは(V)の化合物)またはクラス(2)(式(IV)もしくは(VI)の化合物)に属する有機金属化合物、またはクラス(3)(式(VII)もしくは(IX)の塩)またはクラス(4)(式(VIII)もしくは(X)の塩)に属する塩
を接触させることにより得られる生成物を含む。
【0048】
この触媒系は、任意にアルキル化剤をさらに含むことができる。
【0049】
本発明による触媒系で使用するための遷移金属有機金属化合物は、配位または挿入重合によるオレフィン重合触媒として好適な化合物である。このクラスには、伝統的なチーグラー−ナッタ配位重合で有用な公知の遷移金属化合物、メタロセン化合物および配位重合で有用であることが公知の遷移金属化合物が含まれる。これらには、典型的には、少なくとも1つの金属配位子を触媒活性化剤により引き抜くことができる4〜10族の遷移金属化合物が含まれる。原則として、その配位子が、水素であるか、または任意にケイ素原子を含有してもよい1〜20の炭素原子を含む炭化水素基である場合には、遷移金属有機金属触媒化合物はそのまま使用することができ、そうでなければその触媒をアルキル化するためにアルキル化剤を使用しなければならない。アルキル化は、別途の工程かまたはその場で行なうことができる。
【0050】
アルキル化剤は、遷移金属有機金属触媒化合物と反応することができ、かつ引き抜かれ得る配位子をアルキル基と交換することができる化合物である。好ましくは、このアルキル化剤は、R10Li、R10Na、R10K、R10MgUもしくはAlR103-zzまたはアルモキサンからなる群より選択される[式中、R10は、任意に1以上のSiまたはGe原子を含有する、C1〜C10アルキル、アルケニルまたはアルキルアリール基であり、zは、0、1もしくは2または0〜2の範囲の整数でない数であり;Uは、塩素、臭素またはヨウ素であり、Wは、水素、塩素、臭素またはヨウ素原子であり;R10の限定的ではない例は、メチル、エチル、ブチルおよびベンジルであり;AlR103-zz化合物の限定的でない例は、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリス(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2−メチル−プロピル)アルミニウム(TIBA)、トリス(2,3,3−トリメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ペンチル)アルミニウムおよびトリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウムである]。アルモキサンの限定的でない例は;メチルアルモキサン(MAO)、テトラ−(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ−(2,3−ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)およびテトラ−(2,3,3−トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。
【0051】
WO99/64476で開示された触媒系とは異なり、本発明の触媒系は、安定であり、そして分離することができる。
【0052】
好ましいクラスの遷移金属有機金属化合物は、次式(XI):
(Cp)(ZR7m)n(A)rMLp (XI)
[式中、(ZR7m)nは、CpとAを橋架けする二価の基であり;Zは、C、Si、Ge、NまたはPであり、R7基は、互いに同一または異なって、水素、または直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールもしくはC7〜C20アリールアルキル基であるか、あるいは2つのR7は、脂肪族または芳香族のC4〜C7環を形成することができ;
【0053】
pは、任意に1以上のヘテロ原子を含有する、4〜6の炭素原子を含む置換または未置換の、飽和、不飽和または芳香族の1以上の環に任意に縮合していてもよい、置換または未置換のシクロペンタジエニル基であり;
【0054】
Aは、O、S、NR8、PR8(式中、R8は、水素、または直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールもしくはC7〜C20アリールアルキルである)であるか、またはAはCpと同じ意味を有し;
【0055】
Mは、元素の周期律表(IUPAC版)の4、5族またはランタニドもしくはアクチニド族に属する遷移金属であり;
【0056】
置換基Lは、互いに同一または異なって、水素、ハロゲン、R9、OR9、OCOR9、SR9、NR92およびPR92(式中、R9は、1以上のSiまたはGe原子を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基である)からなる群より選択される単アニオン性(monoanionic)のシグマ配位子であり;好ましくは置換基Lは同一であり;
【0057】
mは、1または2であり、より具体的にはZがNまたはPのときは1であり、ZがC、SiまたはGeのときは2であり;
nは、0〜4の範囲の整数であり;
rは、0、1または2であり;好ましくは0または1であり;rが0のときnは0であり;
pは、金属Mの酸化状態−(r+1)〔すなわち、r=2のとき−3、r=1のとき−2、そしてr=0のとき−1〕に等しい整数であり、1〜4の範囲にある]
に属するメタロセン化合物である。
【0058】
式(XI)のメタロセン化合物において、二価の橋架け(ZR7m)nは、好ましくは、CR72、(CR72)2、(CR72)3、SiR72、GeR72、NR7およびPR7[R7は上で報告した意味を有する]からなる群より選択され;より好ましくは、この二価の橋架けは、Si(CH3)2、SiPh2、CH2、(CH2)2、(CH2)3またはC(CH3)2である。
【0059】
変数mは、好ましくは1または2であり;変数nは、好ましくは0〜4の範囲であり、n>1のとき、原子Zは、二価の橋架けCH2−O、CH2−SおよびCH2−Si(CH3)2中のように、互いに同一かまたは異なることができる。
【0060】
配位子Cpは、前記金属Mにπ結合しており、好ましくは、シクロペンタジエニル、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−メチルシクロペンタジエニル;4−tブチル−シクロペンタジエニル;4−アダマンチル−シクロペンタジエニル;インデニル;モノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−メチルインデニル;2−メチルインデニル、3−tブチル−インデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、2−メチル−4,5ベンゾインデニル;3−トリメチルシリル−インデニル;4,5,6,7−テトラヒドロインデニル;フルオレニル;5,10−ジヒドロインデノ[1,2−b]インドール−10−イル;N−メチル−またはN−フェニル−5,10−ジヒドロインデノ[1,2−b]インドール−10−イル;5,6−ジヒドロインデノ[2,1−b]インドール−6−イル;N−メチル−またはN−フェニル−5,6−ジヒドロインデノ[2,1−b]インドール−6−イル;アザペンタレン−4−イル;チアペンタレン−4−イル;アザペンタレン−6−イル;チアペンタレン−6−イル;モノ−、ジ−およびトリ−メチル−アザペンタレン−4−イル、2,5−ジメチル−シクロペンタ[1,2−b:4,3−b’]−ジチオフェンからなる群より選択される。
【0061】
基Aは、O、S、N(R8)(式中、R8は、水素、または直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールもしくはC7〜C20アリールアルキルであり、好ましくはR8は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、p−n−ブチル−フェニル、ベンジル、シクロヘキシルおよびシクロドデシルであり;より好ましくはR8は、t−ブチルである)であるか;またはAは、Cpと同じ意味を有する。
【0062】
式(XI)に属する化合物の限定的でない例は、次の化合物(それらのメソもしくはラセミ異性体のいずれかまたはそれらの混合体が可能である場合):
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル;
ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル;
ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル;
ビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル;
(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル;
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル;
(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル;
(フルオレニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
【0063】
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2,4,6−トリメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス(2,5,6−トリメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
メチル(フェニル)シランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジメチル、
メチル(フェニル)シランジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)−ジルコニウムジメチル、
【0064】
1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
1,2−エチレンビス(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
1,2−エチレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
1,4−ブタンジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
1,2−エチレンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジメチル、
1,4−ブタンジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジメチル、
1,4−ブタンジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、
1,2−エチレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、
[4−(η5−シクロペンタジエニル)−4,6,6−トリメチル(η5−4,5−テトラヒドロ−ペンタレン)]ジメチルジルコニウム、
[4−(η5−3’−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)−4,6,6−トリメチル(η5−4,5−テトラヒドロペンタレン)]ジメチルジルコニウム、
【0065】
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタン−ジメチルチタニウム、
(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシリル−ジメチルチタニウム、
(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジメチルチタニウム、
(tertブチルアミド)−(2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエン−1−イル)ジメチルシリル−ジメチルチタニウム、
【0066】
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
メチレン(3−メチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
メチレン(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
メチレン(2,4−ジメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
メチレン(2,3,5−トリメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
メチレン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチルおよびジメチル;
メチレン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジトリメチルシリルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
メチレン−1−(3−イソプロピル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
メチレン−1−(2−メチル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
メチレン−1−(テトラヒドロインデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
【0067】
メチレン(2,4−ジメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジオキサゾール)ジルコニウムジメチル;
メチレン(2,3,5−トリメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジオキサゾール)ジルコニウムジメチル;
メチレン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジオキサゾール)ジルコニウムジメチルおよびジメチル;
【0068】
イソプロピリデン(3−メチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
イソプロピリデン(2,4−ジメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
イソプロピリデン(2,4−ジエチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
イソプロピリデン(2,3,5−トリメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
イソプロピリデン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
イソプロピリデン−1−(2−メチル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ジルコニウムジメチル;
【0069】
ジメチルシランジイル−1−(2−メチル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−[1,2−b:4,3−b’]ジチオフェン)ハフニウムジメチル;
ジメチルシランジイル(3−tert−ブチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイル(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイル(3−メチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイル(3−エチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
【0070】
1,2−エタン(3−tert−ブチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
1,2−エタン(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
1,2−エタン(3−メチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
1,2−エタン(3−エチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
【0071】
ジメチルシランジイルビス−6−(3−メチルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(4−メチルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(4−イソプロピルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(4−ter−ブチルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(3−イソプロピルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
【0072】
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジメチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−[2,5−ジメチル−3−(2−メチルフェニル)シクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン]ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)シクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン]ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−[2,5−ジメチル−3−メシチレンシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン]ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(2,4,5−トリメチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジエチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジter−ブチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジトリメチルシリル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−チオフェン)ジルコニウムジメチル;
【0073】
ジメチルシランジイルビス−6−(3−メチルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール(silole))ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(3−イソプロピルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジメチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール)ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−[2,5−ジメチル−3−(2−メチルフェニル)シクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール]ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)シクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール]ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−[2,5−ジメチル−3−メシチレンシクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール]ジルコニウムジメチル;
ジメチルシランジイルビス−6−(2,4,5−トリメチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−[1,2−b]−シロール)ジルコニウムジメチル;
【0074】
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(N−メチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(6−メチル−N−メチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(6−メトキシ−N−メチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(N−エチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(N−フェニル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(6−メチル−N−フェニル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(6−メトキシ−N−フェニル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(N−メチル−3,4−ジメチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(N−エチル−3,4−ジメチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
[ジメチルシリル(tert−ブチルアミド)][(N−フェニル−3,4−ジメチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ[2,1−b]インドール−2−イル)]チタニウムジメチル;
同様に対応するジクロロ、ヒドロクロロおよびジヒドロ化合物および対応するη4-ブタジエン化合物
である。
【0075】
AがN(R8)の場合、本発明の触媒錯体において使用するためのメタロセン錯体(A)の好適なクラスは、EP−A−0416815、EP−A−0420436、EP−A−0671404、EP−A−0643066およびWO−A−91/04257に記載されているような公知の制約された幾何学形状の触媒を含む。
【0076】
さらに好ましい遷移金属有機金属触媒化合物のクラスは、式(XII)または(XIII):
aaaa (XII) Laaa (XIII)
[式中、
aは、元素の周期律表(新IUPAC表記)の8、9、10または11族に属する金属であり;
【0077】
aは、式(XIV):
【化14】

【0078】
(式中、
Qは、周期律表の13〜17族に属する1以上の原子を任意に含有する、E1とE2を連結するC1〜C50の橋架基であり;
1およびE2は、互いに同一または異なって、周期律表の15または16族に属する元素であって、前記金属Maに結合しており;
【0079】
置換基Ra1は、互いに同一または異なって、水素、ならびに元素の周期律表の13〜17族に属する1以上の原子(例えば、B、Al、Si、Ge、N、P、O、S、FおよびCl原子)を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC7〜C20アリールアルキル基からなる群より選択されるか;または同じ原子E1またはE2に結びついた2つのRa1置換基は、4〜20の炭素原子を有する、飽和、不飽和もしくは芳香族のC4〜C7環を形成し;
【0080】
aおよびnaは、E1およびE2の原子価数を満足するように、E1およびE2の原子価に依存して、独立して0、1または2であり;qaは、Maapa,sまたはMaaの酸化状態を満足し、かつ化合物(XII)または(XIII)が全体として中性であるような2座または3座の配位子の電荷である)
の2座または3座の配位子であり;
【0081】
aは、互いに同一または異なって、水素、ハロゲン、Ra、ORa、OSO2CF3、OCORa、SRa、−NRa2およびPRa2基(式中、Ra置換基は、例えば、B、N、P、Al、Si、Ge、O、SおよびF原子のような元素の周期律表(新IUPAC表記)の13〜17族に属する1以上の原子を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基である)からなる群より選択される単アニオン性のシグマ配位子であるか;または2つのXa基は、3〜20の炭素原子を含むメタロ環状(metallacycle)の環を形成し;置換基Xaは、好ましくは同一であり;
【0082】
aは、最終化合物(XII)または(XIII)が全体として中性であるように、0〜3の範囲の整数であり;
aは、π−アリルまたはπ−ベンジル基である]
の後期(late)遷移金属錯体である。
【0083】
後期遷移金属錯体の限定的でない例は、WO96/23010、WO97/02298、WO98/40374ならびにJ.Am.Chem.Soc.120:4049-4050,1998、Brookhartら,J.Am.Chem.Soc.1995,117,6414およびBrookhartら,J.Am.Chem.Soc.,1996,118,267、Brookhartら,J.Am.Chem.Soc.1998,120,4049、Gibsonら,Chem.Commun.1998,849、WO96/27439およびChem.Ber./Recl.(1997),130(3),399-403に記載されているものである。
【0084】
本発明による有機金属化合物およびその塩は、オレフィン重合方法において助触媒として良好な活性を発揮し;さらに、それらは製造が容易であり、メタロセン活性化の後に望まない副生物の放出を導かない。さらにそれらは安定であり、重合条件下で安定な触媒組成物を生成する。
【0085】
成分(B)と遷移金属有機金属化合物(A)との間のモル比は、ルイス酸の金属Mtと遷移金属有機金属触媒化合物の金属との間のモル比として計算され、好ましくは10:1〜1:10の範囲であり、より好ましくは2:1〜1:2であり、さらにより好ましくは約1:1である。
【0086】
本発明によれば、触媒系の成分(B)は、本発明の2以上の有機金属化合物または塩の混合物を好適に含むことができる。さらに、成分(B)は、アルモキサン化合物のような、当該分野の技術水準で公知の他の両立し得る助触媒と組み合わせて使用できる。
【0087】
本発明の触媒系はまた、スカベンジャーとして作用する1以上の式AlR103-zz[式中、R10は、1以上のSiまたはGe原子を任意に含有する、C1〜C10アルキル、アルケニルまたはアルキルアリール基であることができ、zは、0、1もしくは2または0〜2の範囲の整数ではない数であり;Wは、水素、塩素、臭素またはヨウ素である]のアルミニウム化合物を含んでもよく、アルミニウム化合物の限定的でない例は、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリス(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2−メチル−プロピル)アルミニウム(TIBA)、トリス(2,3,3−トリメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ペンチル)アルミニウムおよびトリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウムである。
【0088】
スカベンジャーとして作用することができる化合物の他の例は、タイプ:
【化15】

(式中、R11置換基は、同一であっても異なっていてもよく、上に記載されている)
の少なくとも1つの基を含むアルモキサン化合物である。
【0089】
特に、式:
【化16】

(式中、n1は0または1〜40の整数であり、R11置換基は上記のように定義される)のアルモキサンは、直鎖状化合物の場合に使用することができ、あるいは式:
【0090】
【化17】

(式中、n2は、2〜40の整数であり、R11置換基は上記のように定義される)のアルモキサンは、環状化合物の場合に使用することができる。
【0091】
本発明によるスカベンジャーとして好適なアルモキサンの例は、メチルアルモキサン(MAO)、テトラ−(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ−(2,3−ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)およびテトラ−(2,3,3−トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。
特に興味深いアルモキサンは、WO99/21899に開示されたものである。
【0092】
本発明の触媒系は、上記の成分(A)、(B)および任意にアルキル化剤を接触させることにより、重合反応器中への導入の前に生成されてもよいし、または反応器中でその場で生成されてもよい。
【0093】
本発明の実施形態によれば、成分(A)、(B)および任意にアルキル化剤をまず接触させ、次いで、別途、アルミニウム化合物AlR103-zzまたはアルモキサンが導入されている反応器中に導入する。あるいは、成分(A)、(B)および任意にアルキル化剤と前記アルミニウム化合物AlR103-zzまたは前記アルモキサンを、反応器中への導入前に共に接触させてもよい。
【0094】
本発明の触媒系は、不活性支持体上で使用できる。このことは、前記遷移金属有機金属触媒化合物(A)、またはこれと成分(B)との反応生成物、または成分(B)続いて前記遷移金属有機金属化合物を、前記アルキル化剤での随意の処理の前または後に、シリカ、アルミナ、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレンのような不活性担持体上に堆積させることにより達成される。
【0095】
このようにして得られた固体化合物は、気相重合において好適に使用することができる。
本発明の触媒は、オレフィンの重合反応において使用できる。
したがって、さらなる目的によれば、本発明は、上記のような触媒系の存在下に重合条件下で1以上のオレフィンを接触させることを含む1以上のオレフィンの重合方法を提供する。
本発明の方法で重合させることができるオレフィンは、例えば、式CH2=CHR(式中、Rは水素またはC1〜C20アルキル基である)のα−オレフィンである。
【0096】
本発明による触媒は、エチレンのホモ重合において、特にHDPEの製造に、およびエチレンの共重合において、特にLLDPEの製造に好適に使用できる。エチレンコポリマーにおける好適なコモノマーは、式CH2=CHR’(式中、R’は、直鎖状、分岐状もしくは環状のC1〜C20アルキル基である)のα−オレフィンまたはシクロオレフィンである。このようなオレフィンの例は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、アリル−シクロへキサン、シクロペンテン、シクロへキセン、ノルボルネンおよび4,6−ジメチル−1−ヘプテンである。
【0097】
前記エチレンコポリマーにおけるさらに好適なコモノマーは、ポリエン、特に、例えば、1,4−ヘキサジエン、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエンおよび1,6−ヘプタジエンのような、共役または非共役の、直鎖状または環状のジエンである。
【0098】
本発明の触媒は、プロピレンホモ重合または共重合において、特にアイソタクチックポリプロピレンの製造に好適に使用することができる。
【0099】
さらに、本発明の触媒は、エチレンと、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンのような、式CH2=CHR”(式中、R”はC1〜C10アルキル基である)のα−オレフィンとのエラストマーコポリマーの製造に好適に使用することができ;前記コポリマーは、任意に、少ない比率の、ポリエンから誘導される単位を含んでもよい。
【0100】
さらなる実施形態によれば、本発明による触媒は、シクロオレフィンポリマーの製造において使用される。単環または多環式オレフィンモノマーは、ホモ重合されるか、または共重合されるか(直鎖状オレフィンモノマーとも)のいずれかができる。
【0101】
本発明の重合方法は、任意に不活性炭化水素溶媒の存在下であってもよい液相でか、または気相で行なうことができる。この炭化水素溶媒は、芳香族(例えば、トルエン)か脂肪族(例えば、プロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、シクロへキサンおよび2,2,4−トリメチルペンタン)のいずれかであることができる。
【0102】
重合温度は、好ましくは0℃〜250℃の範囲であり;HDPEおよびLLDPEの製造においては、好ましくは20℃と150℃の間、より好ましくは40℃と90℃の間であり;エラストマーコポリマーの製造においては、好ましくは0℃と200℃の間、より好ましくは20℃と100℃の間である。
【0103】
ポリマーの分子量は、重合温度、触媒成分のタイプもしくは濃度を変化させることにより、または水素のような分子量調節剤を使用することにより、簡単に変化させることができる。
【0104】
分子量分布は、異なるメタロセン錯体の混合物を使用することにより、または重合温度および/もしくは分子量調節剤の濃度が異なるいくつかの段階で重合を行なうことにより、変化させることができる。
【0105】
重合収率は、触媒中の遷移金属有機金属触媒化合物(A)の純度に依存し、したがって、前記化合物はそのまま使用することができるか、または使用前に精製処理に付すことができる。
【0106】
以下の実施例は、説明のために提供するのであって、限定目的ではない。
【0107】
一般的手順および特徴付け
全ての操作を、通常のシュレンク−ライン技法を使用して窒素下で行なった。N2で脱気し、かつ活性化(8時間、N2パージ、300℃)されたAl23上を通過させることによって溶媒を精製し、窒素下で貯蔵した。インドール(Aldrich、純度98%、またはFluka、純度99%)、N−メチルインドール(Aldrich、純度97%)、N−メチルピロール(Aldrich、純度99%)、NEt3(Aldrich、純度99.5%)およびB(C65)3(Boulder Scientific Company)は入手したままを使用した。
【0108】
1H−NMRおよび13C−NMR
化合物のプロトンおよび炭素スペクトルは、室温にてそれぞれ200.13MHzおよび50.33MHzでフーリエ変換モードで動作するBruker DPX 200スペクトロメータを使用して得た。サンプルは、CD2Cl2またはC66中に溶解した。参照として、1Hスペクトル中のCHDCl2またはC6HD5の残存ピーク(それぞれ、5.35ppmと7.15ppm)および13Cスペクトル中の溶媒のピーク(CD2Cl2については53.80ppmおよびC66については128.00ppm)を使用した。プロトンスペクトルは、15°パルスおよび2秒のパルス間遅延で得られ;各スペクトルについて32トランジェント(transient)を蓄えた。炭素スペクトルは、45°パルスおよび6秒のパルス間遅延で取得され;各スペクトルについて約512トランジェントを蓄えた。CD2Cl2(Aldrich、99.8%原子D)は入手したままを使用し、一方C66(Aldrich、99%原子D)は、使用前に活性化された4Å分子ふるい上で乾燥させた。サンプルの調製は、標準的な不活性雰囲気技法を使用して窒素下で行なった。
【0109】
有機金属ホウ素化合物の合成
実施例1
2−[トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン]−3H−1−メチルインドール[A−1]の合成
【化18】

【0110】
10mlのジクロロメタン中の1−メチルインドール(97%、0.78g、MW=131.18、5.8ミリモル)の黄色溶液を、25mLのシュレンクフラスコにおいて、10mlのジクロロメタン中のB(C65)3(99.4%、2.97g、MW=511.99、5.8ミリモル)の白色懸濁物に室温で添加した。得られオレンジ色溶液を、室温で10日間撹拌し、異なる時間で1H NMRにより分析した。この間、溶液の色はオレンジ色から暗えんじ色に変わり;NMR分析により、出発物質の1−メチルインドールの生成物への緩慢な変換が示された。溶媒を真空下で蒸発させ、得られた固体を9/1のペンタン/ジクロロメタン混合物中に懸濁し、濾過した。フリット(frit)上の残渣は明赤紫色の固体であった(3.27g、収率87.8%)。
【0111】
この生成物を、1H NMR、13C NMR、DEPT(Distorsionless Enhancement by Polarization Transfer)、NOESY(Nuclear Overhauser Enhancement Spectroscopy)、COSY(Correlation Spectroscopy)、HSQC(Heteronuclear Single Quantum Coherence)およびHMBC(Heteronuclear Multiple Bond Correlation)分析により完全に特徴付けた。
【0112】
【数1】

【0113】
実施例2
トリス(ペンタフルオロフェニル)−(1−メチルインドール−2−イル)−ボレート(1−)トリエチルアンモニウム[A−2]の合成
【化19】

【0114】
トリエチルアミン(99.5%、0.167g、MW=101.19、1.6ミリモル)の無色溶液(ジクロロメタン、6mL)を、10mLのシュレンクフラスコにおいて2−[トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン]−3H−1−メチルインドール(1.048g、MW=643.16、1.6ミリモル)のえんじ色溶液(ジクロロメタン、4mL)に室温で添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、その色は最初のオレンジ色から黄色に変化した。次いで溶媒を真空下で除去して生成物として黄色固体(1.11g、収率93.2%)を得た。
【0115】
【数2】

【0116】
実施例3
2−[トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン]−5H−1−メチルピロール[A−3]の合成
【化20】

【0117】
1−メチルピロール(99%、0.503g、MW=81.12、6.1ミリモル)の明黄色溶液(ジクロロメタン、10mL)を、B(C65)3(99.4%、3.18g、MW=511.99、6.2ミリモル)の白−灰色懸濁物(ジクロロメタン、10mL)に室温で添加した。得られたオレンジ色の濁った溶液を室温で3日間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。得られたオレンジ色粉末を、1/2のジクロロメタン/ペンタン混合物で懸濁し、濾過した。濾液は暗ピンク色の固体(未同定種と共に所望の生成物)であり、一方フリット上の残渣は、極めて明るい黄色の粉末(2.42gの所望の生成物、収率66.5%)であった。
【0118】
【数3】

【0119】
実施例4
トリス(ペンタフルオロフェニル)−(1−メチルピロール−2−イル)−ボレート(1−)トリエチルアンモニウム[A−4]の合成
【化21】

【0120】
トリエチルアミン(99.5%、0.167g、MW=101.19、1.6ミリモル)の無色溶液(ジクロロメタン、6mL)を、25mLのシュレンクフラスコにおいて2−[トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン]−5H−1−メチルピロール[A−3](1.048g、MW=643.16、1.6ミリモル)のオレンジ色溶液(ジクロロメタン、6mL)に、室温で添加した。得られた明黄色溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去して、生成物として白−灰色の固体(0.892g、収率97.9%)を得た。
【0121】
【数4】

【0122】
ビス(インデニル)ジルコニウムジメチルの合成
Et2O中のMeLi 1.6M(47.4ミリモル)の29.6mLの溶液を、30mLのEt2O中の3gのインデン(23.7ミリモル、Aldrich、91.8%)の溶液に室温にて約5分の期間にわたって添加した(発熱反応)。この混合物を30分間撹拌してオレンジ色溶液を得た。
【0123】
2.76gのZrCl4(11.84ミリモル)を、30mLのペンタン中でスラリーにした。ペンタン中のZrCl4スラリーを、Et2O中のLi塩溶液に素早く添加した(発熱反応)。得られた反応混合物を2時間撹拌し、次いで減圧下で乾燥させた。得られた明茶色の固体を100mLのペンタンで抽出(Soxhlet、4.5時間)し、次いで濾液を減圧下で蒸発させて乾燥させ、3.2g(77%収率)の明黄色の固体を得た。これを、1H NMRによって、純粋Ind2ZrMe2として特徴付けた。
【0124】
【数5】

【0125】
触媒系の調製
上で報告されたように調製した0.1マイクロモルのビス(インデニル)ジルコニウムジメチルを、窒素雰囲気下の10mLのシュレンクにおいて2mLのトルエンに溶解し、次いで2mLトルエン中の表1に示した助触媒を素早く添加した(Zr/助触媒のモル比1:1.1)。
【0126】
重合実施例5〜8
エチレン重合
エチレン重合は、マグネチックスターラー、熱電対およびモノマー用供給ラインを備え、窒素で純化され、そして恒温槽中に保持された260mLのBuchiガラスオートクレーブ中で行った。エチレンパージ下で、ヘプタン(100mL)およびAl(i−Bu)3(0.1ミリモル)を導入し、温度を80℃にし、反応器を通気させて残留窒素を除去し、次いでエチレンで0.5バール−gまで加圧した。上記のように調製した触媒系を、テフロン(登録商標)カニューレにより反応器中に吸い上げ、エチレン分圧を4バール−gまで上昇させた。重合は、一定のエチレン分圧に維持することにより、80℃で15分間行ない、次いで反応器を脱気しそして2mLのメタノールを添加することによって停止させた。ポリマーを200mLのアセトンで沈殿させ、濾過し、アセトンで洗浄し、そして減圧下、60℃で一晩乾燥させた。重合結果を表1に報告する。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)次式(I):
【化1】

[式中、
aは、O、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルまたはC7〜C20アルキルアリール基であるか;またはRaは、Rdと一緒になってC4〜C7環を形成することができ;
b、RcおよびRdは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2以上の隣接する置換基Rb、RcおよびRdは、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成する]を有する化合物と;
b)式(II):
MtR13 (II)
[式中、Mtは、元素の周期律表の13族に属する金属であり;R1は、互いに同一または異なって、ハロゲン原子、ハロゲン化C6〜C20アリールおよびハロゲン化C7〜C20アルキルアリール基であり;2つのR1基は、金属Mtと1つの縮合環を形成することができる]のルイス酸とを接触させることによって得ることができる有機金属化合物。
【請求項2】
Mtが、BまたはAlであり;かつ置換基R1が、C65、C64H、C632、C63(CF3)2、ペルフルオロ−ビフェニル、へプタフルオロ−ナフチル、ヘキサフルオロ−ナフチルまたはペンタフルオロ−ナフチルである請求項1による有機金属化合物。
【請求項3】
式(III):
【化2】

[式中、
Mtは、元素の周期律表(IUPAC)の13族に属する金属であり;R1は、互いに同一または異なって、ハロゲン原子、ハロゲン化C6〜C20アリールまたはハロゲン化C7〜C20アルキルアリール基であるか;または2つのR1基は、金属Mtと1つの縮合環を形成することができ;置換基R5、R4およびR3は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の、C1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、あるいは2以上の隣接する置換基R3、R4およびR5は、O、S、N、PまたはSiを任意に含有する、1以上のC4〜C7環を形成し;
2は、O、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、またはR2は、R5と一緒になってC4〜C7環を形成することができる]
を有する請求項1による有機金属化合物。
【請求項4】
Mtが、BまたはAlであり;かつ置換基R1が、互いに同一または異なって、C65、C64H、C632、C63(CF3)2、ペルフルオロ−ビフェニル、へプタフルオロ−ナフチル、ヘキサフルオロ−ナフチルまたはペンタフルオロ−ナフチルであり;R4およびR5が、O、S、NまたはP原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1つのC5〜C6芳香環を形成し;R2が、C1〜C10アルキルまたはC6〜C20アリール基であり;R3が、水素である請求項3による有機金属化合物。
【請求項5】
式(V):
【化3】

[式中、
Bは、ホウ素原子であり;
置換基R1、R2およびR3は、請求項3または4に記載の意味を有し、置換基R6は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2以上の隣接する置換基R6は、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成する]
を有する請求項3または4による有機金属化合物。
【請求項6】
式(IV):
【化4】

[式中、
MtおよびR1は、請求項1のように定義され;
置換基R3'、R4'およびR5'は、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2以上の隣接する置換基R3'、R4'およびR5'は、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成し;この環は脂肪族であることができるか、または任意に二重結合を含むことができ;ただし、該環は芳香族ではなく;
2'は、O、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の、C1〜C10アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルもしくはC7〜C20アルキルアリール基であるか;またはR2'は、R5'と一緒になってC4〜C7環を形成することができる]
を有する請求項1による有機金属化合物。
【請求項7】
2'が、C1〜C10アルキルまたはC6〜C20アリール基であり、置換基R3'、R4'およびR5'が、互いに同一または異なって、水素原子、またはO、S、N、P、Siもしくはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキルであるか、あるいは2以上の隣接する置換基R3'、R4'およびR5'が、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1以上のC4〜C7環を形成し;該環は脂肪族であることができるか、または任意に二重結合を含むことができ、ただし、該環は芳香族ではない請求項6による有機金属化合物。
【請求項8】
式(VI):
【化5】

[式中、置換基R1およびR2'は、上記請求項6または7に記載の意味を有し、置換基R5'はC1〜C10アルキル基である]
を有する請求項6または7による有機金属化合物。
【請求項9】
a)請求項1に記載の式(I)を有する化合物;
b)請求項1に記載の式(II)のルイス酸;および
c)式KRf3[式中、Kは、窒素(N)またはリン(P)原子であり;Rfは、互いに同一または異なって、O、S、N、P、Siまたはハロゲン原子を任意に含有する、直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和の、C1〜C30アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アリールアルキルおよびC7〜C20アルキルアリール基であるか、または2つのRfは、O、S、N、PまたはSi原子を任意に含有する、置換基を担うことができる1つのC4〜C7環を形成することができる]の化合物
を任意の順序で接触させることにより得ることができる塩。
【請求項10】
Kが、窒素であり;Rfが直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のC1〜C30アルキルからなる群より選択される請求項9による塩。
【請求項11】
式(VII):
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5は請求項3に記載され;Mt、KおよびRfは請求項9に記載される)
を有する請求項9による塩。
【請求項12】
式(IX):
【化7】

(式中、R1、R2、R3、R6、B、KおよびRfは請求項11に記載の意味を有する)
を有する請求項11による塩。
【請求項13】
式(VIII):
【化8】

(式中、R1、R2'、R3'、R4'、R5'は請求項6に記載され、Mt、KおよびRfは請求項9に記載される)
を有する請求項9による塩。
【請求項14】
式(X):
【化9】

(式中、R1、R2'、R5'、B、KおよびRfは請求項13に記載の意味を有する)
を有する請求項13による塩。
【請求項15】
(A)少なくとも1つの遷移金属有機金属化合物、および
(B)a)次式(I):
【化10】

(式中、Ra、Rb、RcおよびRdは請求項1に記載される)を有する化合物;
b)式(II):
MtR13 (II);
(式中、MtおよびR1は請求項1に記載される)のルイス酸;および
c)任意に、式KRf3(式中、KおよびRfは請求項9に記載される)の化合物
を接触させることにより得ることができる有機金属化合物
を接触させることにより得られる生成物を含むオレフィン重合用触媒系。
【請求項16】
アルキル化剤をさらに含む請求項15による触媒系。
【請求項17】
有機金属化合物B)が、式(III)(V)(IV)(VI)(VII)(IX)(VIII)または(X)(ここで、これらの化合物は請求項2〜17に記載される)を有する請求項15または16のいずれか1つによる触媒系。
【請求項18】
遷移金属有機金属化合物が、次式(XI):
(Cp)(ZR7m)n(A)rMLp (XI)
[式中、(ZR7m)nは、CpとAを橋架けする二価の基であり;Zは、C、Si、Ge、NまたはPであり、R7基は、互いに同一または異なって、水素、または直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールもしくはC7〜C20アリールアルキル基であるか、あるいは2つのR7は、脂肪族または芳香族のC4〜C7環を形成することができ;
pは、任意に1以上のヘテロ原子を含有する、4〜6の炭素原子を含む置換または未置換の、飽和、不飽和または芳香族の1以上の環に任意に縮合していてもよい、置換または未置換のシクロペンタジエニル基であり;
Aは、O、S、NR8、PR8(式中、R8は、水素、または直鎖状もしくは分岐状の、飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールもしくはC7〜C20アリールアルキルである)であるか、またはAはCpと同じ意味を有し;
Mは、元素の周期律表の4、5族またはランタニドもしくはアクチニド族に属する遷移金属であり;
置換基Lは、互いに同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、R9、OR9、OCOR9、SR9、NR92およびPR92(式中、R9は、1以上のSiまたはGe原子を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基である)からなる群より選択される単アニオン性のシグマ配位子であり;
mは、1または2であり、より具体的にはZがNまたはPのときは1であり、ZがC、SiまたはGeのときは2であり;
nは、0〜4の範囲の整数であり;
rは、0、1または2であり;rが0のときnは0であり;
pは、金属Mの酸化状態−(r+1)に等しい整数である]
に属するメタロセン化合物である請求項15〜17のいずれか1つによる触媒系。
【請求項19】
遷移金属有機金属化合物が、式(XII)または(XIII):
aaaa (XII) Laaa (XIII)
[式中、
aは、元素の周期律表の8、9、10または11族に属する金属であり;
aは、式(XIV):
【化11】

(式中、
Qは、周期律表の13〜17族に属する1以上の原子を任意に含有する、E1とE2を連結するC1〜C50の橋架基であり;
1およびE2は、互いに同一または異なって、周期律表の15または16族に属する元素であって、前記金属Maに結合しており;
置換基Ra1は、互いに同一または異なって、水素、ならびに元素の周期律表の13〜17族に属する1以上の原子を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC7〜C20アリールアルキル基からなる群より選択されるか;または同じ原子E1もしくはE2に結びついた2つのRa1置換基は、4〜20の炭素原子を有する、飽和、不飽和もしくは芳香族のC4〜C7環を形成し;
aおよびnaは、E1およびE2の原子価数を満足するように、E1およびE2の原子価に依存して、独立して0、1または2であり;qaは、Maapa,sまたはMaaの酸化状態を満足し、かつ化合物(XII)または(XIII)が全体として中性であるような2座または3座の配位子の電荷である)
の2座または3座の配位子であり;
aは、互いに同一または異なって、水素、ハロゲン、Ra、ORa、OSO2CF3、OCORa、SRa、−NRa2およびPRa2基(式中、Ra置換基は、元素の周期律表の13〜17族に属する1以上の原子を任意に含有する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基である)からなる群より選択される単アニオン性のシグマ配位子であるか;または2つのXa基は、3〜20の炭素原子を含むメタロ環状の環を形成し;
aは、最終化合物(XII)または(XIII)が全体として中性であるように、0〜3の範囲の整数であり;
aは、π−アリルまたはπ−ベンジル基である]
の後期遷移金属錯体である請求項15〜17のいずれか1つによる触媒系。
【請求項20】
請求項15に記載の触媒系の存在下に重合条件下で1以上のオレフィンを接触させることを含む、1以上のオレフィンの重合方法。

【公表番号】特表2006−508903(P2006−508903A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−518769(P2004−518769)
【出願日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/007485
【国際公開番号】WO2004/005360
【国際公開日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【出願人】(502303902)バセル ポリオレフィン ジーエムビーエイチ (19)
【氏名又は名称原語表記】BASELL POLYOLEFINE GMBH
【住所又は居所原語表記】Bruhler Strasse 60,50389 Wesseling,Germany
【Fターム(参考)】