説明

オンライン対戦型メンコゲーム機

【課題】従来のメンコは、同じ場所に対戦者が居なければ対戦できなかった。また、メンコを使用したコンピュータゲームがなかった。また、メンコ等の玩具(アナログ玩具)とテレビゲームのような玩具(デジタル玩具)が融合した玩具がなかった。
【解決手段】メンコ対戦中に発生する力をデジタル化して、エアーコンプレッサ等の機械によって再現し、ネットワーク化することで、コンピュータ対戦・オンライン対戦が可能となり、対戦者がその場に居なくても対戦することができる。対戦マットに圧力センサが組み込まれており、メンコが叩きつけられた時に生じる圧力を圧力情報として検出する。ネットワークを介して、圧力情報とメンコが保持している情報を送信する。このデータを基にエアーコンプレッサを利用し、エアー噴出し口から空気を放出することでメンコを裏返させる力を加える。対戦者のメンコはプロジェクタを使用し対戦マットに投影することとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンコをネットワークを介して遠隔地の者同士が対戦することが出来る。また、メンコを対戦マットに叩きつけた圧力の強さの情報をデジタル化し、その情報を基に実際にメンコを裏返し、対戦相手のメンコの状態を対戦マットに表示する機能を盛り込み、対戦の臨場感を楽しむことができる。また、デジタル化することでコンピュータとの対戦も可能とする。
【背景技術】
【0002】
従来は、コンピュータ対戦、オンライン対戦可能なメンコゲーム機がなかった。
【0003】
テレビゲームの登場以来、テレビゲームのような玩具(デジタル玩具)を使った遊びが普及している。しかし、メンコ等、昔に遊びで使っていたような玩具(アナログ玩具)は利用される機会が減少している。このように、メンコをデジタル化させ、デジタル玩具とアナログ玩具が融合した遊びがなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のメンコは、対戦者がその場に居なければ対戦ができないという難点があった。本発明は、この課題を解消するためになされたものである。
【0005】
デジタル玩具の普及で、アナログ玩具の面白さや良さを体験する機会が減少している。本発明は、アナログ玩具をデジタル化し、この課題を解消するためになされたものである。
【0006】
デジタル玩具の普及に伴い、昔のように体を動かして遊ぶことが少なくなってきている。本発明は、この課題を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ネットワークを介しデータ通信を行い、ネットワークで繋がっている対戦相手とマッチングが行われることで、好きなときにゲームを楽しむことが出来る。
【0008】
圧力センサを搭載する対戦マットを設け、メンコを叩きつけることで圧力がかかっている位置を検出する。各位置における圧力の強さの情報をデジタル化し、対戦マットにデジタル化したデータを保持させる。
【0009】
ホストコンピュータとメンコ対戦マットをネットワークで接続することにより、対戦マットが保持しているデータをホストコンピュータに送信する。
【0010】
ホストコンピュータが受信したデータを対戦相手の対戦マットに送信し、そのデータを基にメンコに裏返すための力を与える。これにより、オンライン対戦が可能となる。
【0011】
メンコに与えられた裏返すための力で実際にメンコを裏返させる機能として、エアーコンプレッサを制御し、位置データに対して圧力データ分のエアーを対戦マット裏面の機構部分から上部へ放出する。または、位置データに対して圧力データ分の強さでピンを上部に突き出す。
【0012】
対戦マットが保持する情報は図4のような格子状になっており、格子の交差する部分に穴が開いている。そこから、エアーを放出またはピンを突き出す。
【0013】
対戦マットの遊戯の有効範囲を決めることで、フィールド(四角、ドーナツ型等)を作ることが出来る。これにより、裏返すだけでなく、メンコをフィールド外へ出したと判断させ勝敗を決定することも出来る。
【0014】
対戦相手のメンコは、対戦マットに映像として映し出される。映像は対戦相手からホストコンピュータに送信された位置データを基にプロジェクタで投影し、映し出す。
【0015】
次に、メンコの機能としてゲームに使用するメンコを対戦マットに叩きつけているかを識別するためにメンコ自身がデジタル情報を持っている。そのために、対戦マットにメンコのデジタル情報を読み取る機能も搭載している。これは、人の体重等、メンコ以外のもので対戦マットに圧力をかけられた場合、メンコでかける圧力より大きなデジタル情報でゲームが行なわれることを防止するためである。
【0016】
メンコが保持するデータは、メンコ自身のID、属性、攻撃力、防御力等である。実際の、メンコでは裏返らない場合でも、属性の相性、実際の圧力+攻撃力の強さなどでデータを加工できる機能もある。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、ネットワークを使い情報をデジタル化することで、実際にメンコを叩きつける従来の遊び方のまま、あたかもその場で対戦をしているような臨場感を味わえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0019】
図2または図5において、プレイヤーがメンコ9を対戦マット3に打ちつけると、圧力センサ5によって圧力を検知し、圧力情報からメンコ9の位置情報を抽出し、カメラ4によって対戦マット3を撮影し、メンコ9に印刷されたQRコードの情報を読み取る。または、ICリーダ12によってメンコ9に埋め込まれたICタグの情報を読み取る。
【0020】
図3または図6において、メンコの情報、圧力情報、位置情報をホストコンピュータを通じて対戦相手側に送信し、メンコの表示位置、エアーの放出位置、放出強度を演算し、決定する。または、メンコの表示位置、ピンの突出位置、突出速度を演算し、決定する。それによってエアーを放出またはピンを突出した後、カメラ4によって対戦マット3を撮影する。これによって対戦相手のメンコ9が裏返ったかどうかを、判定し、裏返っていた場合、勝利となり、裏返っていない場合、攻守交替する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 装置全体の構成を示す外観図。
【図2】 メンコ情報保持にQRコード、メンコを裏返す方法にエアーを用いた場合の装置内部の構成を示す図1におけるA−A断面図。
【図3】 エアーを用いて対戦相手のメンコを裏返す方法を示す図1におけるA−A断面図。
【図4】 エアーを用いる場合の対戦マット表面の放出穴を示す外観図。
【図5】 メンコ情報保持にICタグ、メンコを裏返す方法にピンを用いた場合の装置内部の構成を示す図1におけるA−A断面図。
【図6】 ピンを用いて対戦相手のメンコを裏返す方法を示す図1におけるA−A断面図。
【図7】 メンコの構成を示す外観図。
【符号の説明】
【0022】
1 プロジェクタ
2 ディスプレイ
3 対戦マット
4 カメラ
5 圧力センサ
6 エアーコンプレッサ
7 制御部
8 空気放出穴
9 メンコ
10 メンコ表面
11 メンコ裏面
12 ICリーダ
13 ピン突上装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークでの接続によりオンラインで対戦できることを特徴とする、オンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項2】
ネットワークを介してホストコンピュータと接続されていることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項3】
対戦に使用するメンコの表裏にQRコードを備え、対戦マット上部に設置したカメラによりQRコードの読み取りを可能とし、また読み取った情報から使用するメンコを識別することを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項4】
対戦に使用するメンコにICタグを備え、対戦マット内部からの読み取り装置によりICタグを電気的に読み取りを可能とし、読み取った情報から使用するメンコを識別することを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項5】
対戦マット上部にはプロジェクターを備え、対戦相手側に設置されたカメラにより撮影されている状況をプロジェクターを通し、自身の対戦マットに投影可能であることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項6】
対戦マットは、内部に圧力センサを備え、対戦マット上面に加えられた力を元に制御部により演算を行い、デジタル化することを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項7】
メンコゲーム機内部でデジタル化した情報を保持できる機能を備えることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項8】
メンコゲーム機内部でデジタル化した情報を、ネットワークを介してホストコンピュータへデジタル化情報を送信できることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項9】
対戦マットの遊戯の有効範囲は、対戦開始前に使用者がメンコゲーム機に備わるつまみ等により可変設定が可能であることを特徴する、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項10】
対戦マットは、対戦マット裏面にエアーコンプレッサからのエアー吹き出し口を備え、対戦相手側のメンコゲーム機からホストコンピュータを経由して受信したデジタル化情報を元に、エアーコンプレッサのエアーの吹き出し方の制御を行えることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項11】
エアーコンプレッサのエアー吹き出し口は、2軸方向に移動可能なローラを持つことにより、ホストコンピュータから受信したデジタル化情報を元に適切な位置まで移動できることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項12】
圧力センサ部で読み取った圧力情報から対戦マット上でメンコが叩きつけられた位置を抽出する機能を備えることにより、対戦相手側のエアー吹き出し口は抽出した位置にのみエアーを放出することを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項13】
対戦マットは、マット裏面から表面へのエアーを通す穴を備え、エアーコンプレッサのエアー吹き出し口から放出されたエアーは、穴を通りメンコに力を加えることを可能とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項14】
エアーコンプレッサは、ホストコンピュータから受信したデジタル化情報を元に制御部により演算を行い、放出するエアーの強度を可変できる機能を備えることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項15】
対戦マットは、対戦マット裏面にピンを突き出す機構を備え、対戦相手側のメンコゲーム機からホストコンピュータを経由して受信したデジタル化情報を元に、ピンを突き出す機構の制御を行えることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項16】
ピンを突き出す機構は、2軸方向に移動可能なローラを持つことにより、ホストコンピュータから受信したデジタル化情報を元に適切な位置まで移動できることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項17】
圧力センサ部で読み取った圧力情報から対戦マット上でメンコが叩きつけられた位置を抽出する機能を備えることにより、対戦相手側のピンを突き出す機構は抽出した位置にのみピンを突き出すことを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項18】
対戦マットは、マット裏面から表面へのピンを通す穴を備え、ピンの突き出し機構から突き出したピンは、穴を通りメンコに力を加えることを可能とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項19】
ピンの突き出し機構は、ホストコンピュータから受信したデジタル化情報を元に制御部より演算を行って、突き出すピンの速度を可変できる機能を備えることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。
【請求項20】
メンコは、自身にメンコ情報を持つことで、自身のID、属性、攻撃力、防御力のパラメータ機能を備えることにより使用するメンコとの属性の相性が発生し、その影響でエアーの放出強度が可変にできる機能を備えることを特徴とする、請求項1記載のオンライン対戦型メンコゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−237864(P2008−237864A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114824(P2007−114824)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(503447759)エイジシステム株式会社 (5)
【Fターム(参考)】