説明

オーディオの信号線及び音声再生装置

【課題】本発明は、オーディオの信号線及び該オーディオの信号線を利用した音声再生装置に関する。
【解決手段】本発明のオーディオの信号線は、第一極線及び第二極線を含む。前記第一極線及び前記第二極線が、それぞれ少なくとも一本のリード線を含み、前記第一極線又は前記第二極線における各々の前記リード線の外側に絶縁層が被覆される。前記第一極線及び/または前記第二極線が、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含む。また、本発明は、音声再生装置を提供する。該音声再生装置は、前記オーディオの信号線と、該オーディオの信号線の一端と電気的に接続されたスピーカーと、該オーディオの信号線の他端と電気的に接続された信号発生器と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオの信号線及び該オーディオの信号線を利用した音声再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
音声再生装置として、例えば信号発生器及びイヤホーンを備えている。該イヤホーンは、オーディオの信号線、該オーディオの信号線の一端と電気的に接続されたコネクター及び、前記オーディオの信号線の他端と電気的に接続されたスピーカーを含む。前記オーディオの信号線は、正極コード、負極コード及び前記正極コードと負極コードとを被覆している保護層を含む。前記正極コード及び負極コードは、例えば、銅又はアルミニウムなどの優れた電気伝導率を有する金属材料からなる。前記銅又はアルミニウムなどの優れた電気伝導率を有する金属材料は強靭性が優れておらず、前記オーディオの信号線が使用される過程において、外界の引張力及び自身の重力を受けたり、繰り返して折られたりすると、前記正極コード及び負極コードは、断裂しやすくなり、前記イヤホーンは使用できなくなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記オーディオの信号線が故障すると、前記コネクター及び前記スピーカーが正常であっても、前記イヤホーンは使用できなくなる。これは、大きな浪費をもたらし、環境保護に悪い影響を与える。
【0005】
従って、本発明は、高い引っ張り強さ及び高い抗折強度を有するオーディオの信号線及び該オーディオの信号線を利用した音声再生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
オーディオの信号線は、第一極線及び第二極線を含む。前記第一極線及び前記第二極線が、それぞれ少なくとも一本のリード線を含み、前記第一極線又は前記第二極線における各々の前記リード線の外側に絶縁層が被覆される。前記第一極線及び/または前記第二極線が、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含む。
【0007】
音声再生装置が、前記オーディオの信号線、該オーディオの信号線の一端と電気的に接続されたスピーカーと、該オーディオの信号線の他端と電気的に接続された信号発生器を含む。
【発明の効果】
【0008】
カーボンナノチューブワイヤは高い引っ張り強さ及び高い抗折強度を有するので、前記カーボンナノチューブワイヤを含むオーディオの信号線の引っ張り強さ及び抗折強度は高められる。従って、該オーディオの信号線の損傷率を低下させ、前記音声再生装置の寿命が高められる。また、前記カーボンナノチューブワイヤは、そのほかの材料からなる構造と比べて、直径が同じである場合、該カーボンナノチューブワイヤの方が、高い引っ張り強さを有する。従って、同じ引っ張り強さを有するオーディオの信号線と比べると、前記カーボンナノチューブワイヤを含むオーディオの信号線は、直径を小さくできる。前記カーボンナノチューブワイヤの密度は小さいので、前記カーボンナノチューブワイヤを含むオーディオの信号線の重さは軽い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係るイヤホーンの構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係るイヤホーンにおけるオーディオの信号線が一組の極線を含む時の断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係るイヤホーンにおけるオーディオの信号線の一本の第一リード線がカーボンナノチューブワイヤに巻き付いた構造を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に係るドローン構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図5】図3中のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを引き出す見取り図である。
【図6】ドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブセグメントの構造を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係る非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図8】本発明の実施例に係るねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図9】本発明の実施例1に係るイヤホーンにおけるオーディオの信号線が複数組の極線を含む時の断面図である。
【図10】本発明の実施例2に係るイヤホーンにおけるオーディオの信号線の断面図である。
【図11】本発明の実施例2に係るイヤホーンにおけるオーディオの信号線のカーボンナノチューブワイヤの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(実施例1)
本発明は、音声再生装置を提供する。該音声再生装置は、信号発生器と、該信号発生器と電気的に接続されたイヤホーンと、を備えている。図1を参照すると、該イヤホーン100は、オーディオの信号線10と、該オーディオの信号線10の一端と電気的に接続されたスピーカー11と、前記オーディオの信号線10の他端と電気的に接続されたコネクター12と、を含む。
【0012】
前記コネクター12は、携帯電話、MP3、MP4などの信号発生器(図示せず)に接続される。前記オーディオの信号線10により、前記信号発生器からの電気信号を前記スピーカー11に伝送する。該スピーカー11は、前記信号発生器からの電気信号を音声信号に転換できる。前記スピーカー11は、コイル(図示せず)及び該コイルに接着された振動フィルム(図示せず)を含む。電気信号が前記オーディオの信号線10によって前記コイルに伝送されると、該コイルが繰り返して運動すると、該コイルに接着された振動フィルムが繰り返して振動する。これにより、該振動フィルムが発声できる。本実施例において、前記イヤホーン100は、二つの前記スピーカー11及び二つの前記オーディオの信号線10を含む。
【0013】
図2を参照すると、前記オーディオの信号線10は、第一極線101と、第二極線102と、前記第一極線101及び前記第二極線102の外側を被覆する保護層103と、を含む。
【0014】
前記第一極線101は、複数の第一リード線104及び、少なくとも一つのカーボンナノチューブワイヤ105を含む。前記第一リード線104は、前記カーボンナノチューブワイヤ105に平行して配列してもよく、該カーボンナノチューブワイヤ105に巻き付いてもよい。前記第一リード線104が該カーボンナノチューブワイヤ105に巻き付く場合、前記オーディオの信号線10の抗折強度を高めることができる。前記第二極線102は、複数の第二リード線106を含む。
【0015】
図3は、一本の前記第一リード線104が前記カーボンナノチューブワイヤ105に巻き付く構造を示す図である。前記第一極線101が複数の前記第一リード線104を含む場合、前記複数の第一リード線104の一部が前記カーボンナノチューブワイヤ105に巻き付いてもよく、前記第一リード線104の全てが前記カーボンナノチューブワイヤ105に巻き付いてもよい。本実施例において、複数の前記第一リード線104及び前記カーボンナノチューブワイヤ105は、平行して配列される。
【0016】
前記第一リード線104及び第二リード線106は、銅、アルミニウム、金などの優れた電気伝導率を有する金属材料からなる。前記第一極線101及び前記第二極線102のショートを防止するために、前記第一リード線104又は前記第二極線の外側に絶縁塗料を塗布することができる。前記絶縁塗料は、プラスチック、ゴム、高分子材料及びエナメル(enamel)のいずれか一種である。本実施例において、前記第一リード線104及び第二リード線106は、銅からなる。前記第一リード線104の外側にプラスチックの絶縁塗料が塗布される。前記カーボンナノチューブワイヤ105の外側も前記絶縁塗料を塗布することもできる。
【0017】
前記カーボンナノチューブワイヤ105は、外部の引張力、前記オーディオの信号線10自身の重力、又は、前記オーディオの信号線10が湾曲される時発生する力を受ける。前記カーボンナノチューブワイヤ105も優れた導電性を有するので、前記第一リード線104が切断されても、該カーボンナノチューブワイヤ105によって導電できる。従って、前記イヤホーン100の寿命を高めることができる。
【0018】
前記カーボンナノチューブワイヤ105は、複数のカーボンナノチューブからなる非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ又はねじれ状カーボンナノチューブワイヤである。該カーボンナノチューブワイヤの直径は4.5ナノメートル〜100マイクロメートルである。
【0019】
前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムを、有機溶剤で処理して形成したものである。前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの製造方法は、次のステップを含む。
【0020】
第一ステップでは、カーボンナノチューブアレイを提供する。該カーボンナノチューブアレイは、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1を参照)であり、該超配列カーボンナノチューブアレイの製造方法は、化学気相堆積法を採用する。
【0021】
前記製造方法は、次のステップを含む。ステップ(a)では、平らな基材を提供し、該基材はP型のシリコン基材、N型のシリコン基材及び酸化層が形成されたシリコン基材のいずれか一種である。本実施例において、4インチのシリコン基材を選択することが好ましい。ステップ(b)では、前記基材の表面に、均一的に触媒層を形成する。該触媒層の材料は鉄、コバルト、ニッケル及びその2種以上の合金のいずれか一種である。ステップ(c)では、前記触媒層が形成された基材を700℃〜900℃の空気で30分〜90分間アニーリングする。ステップ(d)では、アニーリングされた基材を反応炉に置き、保護ガスで500℃〜740℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して、5分〜30分間反応を行って、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1)を成長させることができる。
【0022】
前記カーボンナノチューブアレイの高さは100マイクロメートル以上である。該カーボンナノチューブアレイは、互いに平行し、基材に垂直に生長する複数のカーボンナノチューブからなる。該カーボンナノチューブは、長さが長いため、部分的にカーボンナノチューブが互いに絡み合っている。生長の条件を制御することによって、前記カーボンナノチューブアレイは、例えば、アモルファスカーボン及び残存する触媒である金属粒子などの不純物を含まなくなる。
【0023】
本実施例において、前記カーボンを含むガスとしては、例えば、アセチレン、エチレン、メタンなどの活性な炭化水素が選択され、エチレンを選択することが好ましい。保護ガスは窒素ガスまたは不活性ガスであり、アルゴンガスが好ましい。
【0024】
本実施例により提供されたカーボンナノチューブアレイは、前記の製造方法により製造されることに制限されず、アーク放電法またはレーザー蒸発法で製造してもよい。
【0025】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブアレイから、少なくとも一枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを引き伸ばす。まず、ピンセットなどの工具を利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。例えば、一定の幅を有するテープを利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。次に、所定の速度で前記複数のカーボンナノチューブを引き出し、複数のカーボンナノチューブ束からなる連続のドローン構造カーボンナノチューブフィルム(図4を参照)を形成する。
【0026】
前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ前記基材から脱離すると、分子間力で前記カーボンナノチューブ束が端と端で接合され、連続的なドローン構造カーボンナノチューブフィルムが形成される(図5を参照)。
【0027】
図4を参照すると、単一の前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルム143aは、自立構造を有したものである。単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aにおいて、前記複数のカーボンナノチューブの大部分は、前記カーボンナノチューブフィルムの表面に平行に、カーボンナノチューブフィルムを引き出す方向に沿って、且つ、同じ方向に沿って配列されている。前記複数のカーボンナノチューブは、分子間力で端と端が接続されている。
【0028】
微視的には、前記カーボンナノチューブフィルム143aにおいて、前記同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブ以外に、該同じ方向に沿っておらずランダムな方向を向いたカーボンナノチューブも存在している。ここで、該ランダムな方向を向いたカーボンナノチューブは、前記同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブと比べて、割合は小さい。
【0029】
図6を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、複数のカーボンナノチューブセグメント143bを含む。前記複数のカーボンナノチューブセグメント143bは、長さ方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143bは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。単一の前記カーボンナノチューブセグメント143bにおいて、前記複数のカーボンナノチューブ145の長さは実質的に同じである。
【0030】
前記カーボンナノチューブフィルム143aを、有機溶剤で処理することにより、前記カーボンナノチューブフィルム143aをカーボンナノチューブワイヤに形成させる。
【0031】
具体的には、有機溶剤を前記カーボンナノチューブフィルム143aの表面に滴下し、該有機溶剤を前記カーボンナノチューブフィルム143aに浸漬させる。前記有機溶剤は、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの揮発性有機溶剤である。本実施例において、前記有機溶剤は、エタノールである。これにより、前記有機溶剤の表面張力によって、前記カーボンナノチューブフィルム143aにおける複数のカーボンナノチューブを縮ませて、該カーボンナノチューブワイヤが形成される。
【0032】
図7を参照すると、前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、該カーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列され、端と端が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。該非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。各々の前記カーボンナノチューブセグメントは、該カーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列され、端と端が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、直径が0.5ナノメートル〜100マイクロメートルである。
【0033】
前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、機械外力で前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルム143aを処理して形成されたものである。具体的には、前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルム143aの両端を異なる方向に沿って絞る。該ドローン構造カーボンナノチューブフィルム143aが接着性を有するので、該カーボンナノチューブフィルム143aがねじれ状カーボンナノチューブワイヤに形成される。
【0034】
図8を参照すると、前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、該カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列された複数のカーボンナノチューブを含む。前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。各々の前記カーボンナノチューブセグメントは、分子間力で端と端が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、直径が0.5ナノメートル〜100マイクロメートルである。
【0035】
さらに、有機溶剤で前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを処理することができる。前記有機溶剤の表面張力によって、処理された前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤにおける隣接するカーボンナノチューブが分子間力で緊密に結合するので、該ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、直径及び比表面積が小さくなり、その密度及び強度が高まれる。
【0036】
前記カーボンナノチューブワイヤ105におけるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブの一種又は多種である。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径は0.5ナノメートル〜50ナノメートルであり、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径は1.0ナノメートル〜50ナノメートルであり、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径は1.5ナノメートル〜50ナノメートルである。
【0037】
本実施例において、前記カーボンナノチューブワイヤ105は、図7に示すような非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤである。前記第一リード線104及び前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ105は、平行して配列される。
【0038】
前記スピーカー11へ安定に電気信号を伝送するために、前記第一極線101及び前記第二極線102の抵抗は同じであることが好ましい。
【0039】
前記コネクター12は、正極(図示せず)及び負極(図示せず)を含む。電気信号を伝送するために、前記第一極線101及び前記第二極線102は、それぞれ前記正極及び前記負極と電気的に接続される。前記第一極線101、前記コネクター12及び前記第二極線102は直列接続しており、前記第一極線101、前記スピーカー11及び前記第二極線102は直列接続しているので、該第一極線101、該コネクター12、該第二極線102及び該スピーカー11は、直列回路に形成される。本実施例において、前記オーディオの信号線10における第一極線101は、前記コネクター12の正極と電気的に接続され、前記オーディオの信号線10における第二極線102は、前記コネクター12の負極と電気的に接続される。
【0040】
前記保護層103は、前記第一極線101及び前記第二極線102を被覆して設置される。該保護層103は、オーディオの信号線10、特に前記第一リード線104及び前記第二リード線106の外側に塗布された絶縁塗料を保護することに用いられる。該保護層103の材料は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル、ポリプロピレンなどの一種又は多種である。本実施例において、前記保護層103は、ポリ塩化ビニルである。
【0041】
前記第一極線101及び該第二極線102が円柱形である場合、該第一極線101及び該第二極線102と前記保護層103との間に充填物(図示せず)を添加することができ、前記オーディオの信号線10を円柱形にすることができる。該オーディオの信号線10が円柱形であると、その構造が一定で、丈夫になり、包装が便利になる。
【0042】
前記オーディオの信号線10は、さらに、電磁妨害層(EMI)107を含む。該電磁妨害層107は、前記保護層103と、前記第一極線101及び該第二極線102との間に設置され、前記オーディオの信号線10が外部の電磁界からの妨害を受けることを防止することができる。
【0043】
図9を参照すると、前記オーディオの信号線10は、第一極線101及び第二極線102の組を複数含む場合、一組の第一極線101及び第二極線102と、他の第一極線101及び第二極線102との間の電磁界による妨害を減少するために、前記一組の第一極線101及び第二極線102と、他の第一極線101及び第二極線102との間に、前記電磁妨害層107を設置することもできる。また、前記オーディオの信号線10を円柱形にするため、該オーディオの信号線10の構造を一定で、丈夫にするため、そして、包装を便利にするために、前記一組の第一極線101及び前記第二極線102と、他の組の前記第一極線101及び前記第二極線102との間に充填物14を添加することができる。
【0044】
(実施例2)
本実施例は、音声再生装置のイヤホーンを提供する。該イヤホーンは、オーディオの信号線20と、該オーディオの信号線20の一端と電気的に接続されたスピーカーと、該オーディオの信号線20の他端と電気的に接続されたコネクターを含む。
【0045】
図10を参照すると、本実施例のオーディオの信号線20は、第一極線201と、第二極線202と、前記第一極線201及び前記第二極線202の外側を被覆する保護層203と、を含む。前記第一極線201及び前記第二極線202は、同じ構造及び作動原理を有する。次に、前記第一極線201及び前記第二極線202の構造及び作動原理を説明する。
【0046】
前記第一極線201は、複数の第一リード線204及び、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ205を含む。前記第二極線202は、複数の第二リード線206及び、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ205を含む。本実施例において、前記第一極線201及び前記第二極線202は、それぞれ、二つのカーボンナノチューブワイヤ205を含む。前記カーボンナノチューブワイヤ205と前記第一リード線204又は前記第二リード線206とが平行して配列される。前記第一リード線204及び前記第二リード線206の構造及び作動原理は、前記実施例1における第一リード線104の構造及び作動原理と同じである。
【0047】
図11を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤ205は、その外側が絶縁層208で塗布されたカーボンナノチューブワイヤである。該カーボンナノチューブワイヤ205は、図7に示すようなカーボンナノチューブワイヤである。具体的には、前記カーボンナノチューブワイヤ205は、複数のカーボンナノチューブ209を含む。該複数のカーボンナノチューブ209は、該カーボンナノチューブワイヤ205の中心軸に平行に配列され、端と端が接続される。
【0048】
また、前記音声再生装置は、前記イヤホーンを含む装置に制限されず、例えば家庭用音響などの音響装置であってもよい。前記音響装置は、信号発生器と、該信号発生器と電気的に接続されたオーディオの信号線と、該オーディオの信号線と電気的に接続されたスピーカーと、を含む。前記オーディオの信号線により、前記信号発生器からの電気信号を前記スピーカーに伝送する。該スピーカーは、前記信号発生器からの電気信号を音声信号に変換できる。前記オーディオの信号線は、前記実施例1又は実施例2におけるオーディオの信号線を採用することができる。
【0049】
前記カーボンナノチューブは高い引っ張り強さ及び高い抗折強度を有するので、該複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブワイヤも高い引っ張り強さ及び高い抗折強度を有する。従って、前記カーボンナノチューブワイヤを含むオーディオの信号線の引っ張り強さ及び抗折強度が高められるので、該オーディオの信号線の損傷率を低下させ、前記音声再生装置の寿命を高められる。また、前記カーボンナノチューブワイヤは、そのほかの材料からなる構造と比べて、直径が同じである場合、該カーボンナノチューブワイヤの方が、高い引っ張り強さを有する。従って、同じ引っ張り強さを有するオーディオの信号線と比べると、前記カーボンナノチューブワイヤを含むオーディオの信号線は、直径を小さくできる。前記カーボンナノチューブの密度は小さいので、該複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブワイヤの密度も小さい。従って、前記カーボンナノチューブワイヤを含むオーディオの信号線の重さは軽い。
【符号の説明】
【0050】
100 イヤホーン
10、20 オーディオの信号線
11 スピーカー
12 コネクター
101、201 第一極線
102、202 第二極線
103、203 保護層
104、204 第一リード線
105、205 カーボンナノチューブワイヤ
106、206 第二リード線
107、207 電磁妨害層
14 充填物
208 絶縁層
145、209 カーボンナノチューブ
143a カーボンナノチューブフィルム
143b カーボンナノチューブセグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一極線及び第二極線を含むオーディオの信号線において、
前記第一極線及び前記第二極線が、それぞれ少なくとも一本のリード線を含み、
前記第一極線又は前記第二極線における各々の前記リード線の外側に絶縁層が被覆され、
前記第一極線及び/または前記第二極線が、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含むことを特徴とするオーディオの信号線。
【請求項2】
請求項1に記載のオーディオの信号線と、該オーディオの信号線の一端と電気的に接続されたスピーカーと、該オーディオの信号線の他端と電気的に接続された信号発生器と、を含むことを特徴とする音声再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−49169(P2011−49169A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188263(P2010−188263)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】