説明

オーディオ再生装置及びコンピュータプログラム

【課題】ユーザがその時々の気分に応じた楽曲を面白みを持って聴くことできるように、推奨する楽曲を選定する「オーディオ再生装置及びコンピュータプログラム」を提供する。
【解決手段】再生中のオーディオファイルやアルバムに関連付けられた画像4102と類似性を有する画像が関連付けられた各アルバムを登録したレコメンドプレイリストを作成し、レコメンドプレイリストに登録されている各アルバムに関連付けられた画像の一覧4201を表示する。そして、レコメンドプレイリストの再生が指示されたならば、レコメンドプレイリストに登録されている各アルバムを順次再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録した楽曲の再生を行うオーディオ再生装置において、ユーザの嗜好に合う楽曲を選定し再生する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記録した楽曲の再生を行うオーディオ再生装置において、ユーザの嗜好に合う楽曲を選定し再生する技術としては、ユーザの楽曲再生の履歴からユーザの楽曲の好みを推定し、推定された好みに合致する楽曲のプレイリストを推奨プレイリストとして生成してユーザの利用に供する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
一方、本発明に関連する技術としては、画像に予め附与したキーワードの共通性や、画像の色の共通性より、画像の類似性を算定する技術が知られている(たとえば、特許文献2、3)。
【特許文献1】特表2007-528038号公報
【特許文献2】特開平06-158999号公報
【特許文献3】特開平05-089176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1記載の技術によれば、推奨プレイリストに含められる楽曲は、毎回、同じような楽曲となるが、ユーザが聴きたいと思う楽曲の傾向は、その時々の気分で異なるものであるため、当該推奨プレイリストは、常には、ユーザの楽曲の好みに合致したものとはならない。
また、前記特許文献1記載の技術によれば、推奨プレイリストに含められる楽曲は、おおよそ似通った楽曲となるので、意外性に欠けた面白みの無いものとなってしまう。
一方で、ランダムに楽曲を推奨することとすれば、推奨される楽曲が、あまりにも大きくユーザの嗜好から乖離してしまう蓋然性が大きい。
そこで、本発明は、ユーザが簡易に、その時々の気分に応じた楽曲を面白みを持って聴くことできるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題達成のために、本発明は、楽曲と、楽曲に関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置に、前記記憶装置に記憶されている楽曲のうちから、再生中の楽曲に関連付けられている画像と類似する画像が関連付けられている楽曲をレコメンド楽曲として抽出するレコメンド楽曲抽出手段と、ユーザから、レコメンド楽曲の再生が指示されたときに、各レコメンド楽曲を順次再生するレコメンド楽曲再生手段とを備えたものである。ここで、このようなオーディオ再生装置には、前記レコメンド楽曲抽出手段がレコメンド楽曲として抽出した各楽曲に関連付けられている画像を一覧表示するレコメンド楽曲関連画像表示手段を設けることも好ましい。
【0006】
また、前記課題達成のために、本発明は、楽曲のアルバムと、アルバムに関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置に、前記記憶装置に記憶されているアルバムのうちから、再生中の楽曲またはアルバムに関連付けられている画像と類似する画像が関連付けられているアルバムをレコメンドアルバムとして抽出するレコメンド楽曲抽出手段と、ユーザから、レコメンドアルバムの再生が指示されたときに、各レコメンドアルバムを順次再生するレコメンドアルバム再生手段とを備えたものである。ここで、このようなオーディオ再生装置には、前記レコメンドアルバム抽出手段がレコメンド楽曲として抽出した各アルバムに関連付けられている画像を一覧表示するレコメンドアルバム関連画像表示手段を設けることが好ましい。
【0007】
これらのようなオーディオ再生装置によれば、レコメンド楽曲やレコメンドアルバムは、再生中の楽曲やアルバムに関連付けられている画像と類似する画像が関連付けられたものとなる。そして、これらのレコメンド楽曲やレコメンドアルバムは、関連付けられている画像と印象が近いものであり、したがって、再生中の楽曲やアルバムと印象が近いものである蓋然性が大きい。一方で、これらのレコメンド楽曲やレコメンドアルバムに含まれる楽曲の全てが、必ずしも、関連付けられている画像と印象が近いものとは限らず、関連付けられている画像に対して意外な印象を持つ楽曲が含まれ得る。よって、本オーディオ再生装置によれば、ユーザは、その時の気分に合致した楽曲やアルバムが再生されている時に、レコメンド楽曲やレコメンドアルバムの再生を指示するだけで、簡易に、その気分に応じた楽曲を面白みを持って聴くことができるようなる。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、楽曲と、楽曲に関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置に、予め定めた複数の画像を表示し、ユーザの表示した画像の内からの画像の選択を受け付け、前記記憶装置に記憶されている楽曲のうちから、選択を受け付けた画像と類似する画像が関連付けられている楽曲をレコメンド楽曲として抽出するレコメンド楽曲抽出手段と、ユーザから、レコメンド楽曲の再生が指示されたときに、各レコメンド楽曲を順次再生するレコメンド楽曲再生手段とを備えたものである。
【0009】
また、本発明は、前記課題達成のために、楽曲のアルバムと、アルバムに関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置に、予め定めた複数の画像を表示し、ユーザの表示した画像の内からの画像の選択を受け付け、前記記憶装置に記憶されているアルバムのうちから、選択を受け付けた画像と類似する画像が関連付けられているアルバムをレコメンド楽曲として抽出するレコメンドアルバム抽出手段と、ユーザから、レコメンドアルバムの再生が指示されたときに、各レコメンドアルバムを順次再生するレコメンド楽曲再生手段とを備えたものである。
【0010】
これらのオーディオ再生装置によれば、ユーザは表示された画像の内から、その時の気分に合う画像を選択するだけで、当該画像に類似する画像が関連付けられた楽曲やアルバムが再生される。ここで、これらの再生される楽曲やアルバムは、関連付けられている画像と印象が近いものであり、したがって、ユーザ選択した画像と印象が近いものである蓋然性が大きい。一方で、これらの楽曲やアルバムに含まれる楽曲の全てが、必ずしも、関連付けられている画像と印象が近いものとは限らず、関連付けられている画像に対して意外な印象の楽曲が含まれ得る。よって、本オーディオ再生装置によれば、ユーザは表示された画像の内から、その時の気分に合う画像を選択するだけで、簡易に、その気分に応じた楽曲を面白みを持って聴くことができるようになる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、ユーザが簡易に、その時々の気分に応じた楽曲を面白みを持って聴くことできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、車載のオーディオ再生装置への適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るオーディオ再生装置の構成を示す。
図示するように、本実施形態に係るオーディオ記再生装置は、オーディオ処理装置1、表示装置2、スピーカやオーディオアンプ装置などのオーディオ出力装置3、HDD4、ポータブルHDDやポータブルミュージックプレイヤなどの脱着可能にオーディオ再生装置に装着される記憶装置であるリムーバブルドライブ5、メモリカードやCDやDVDなどの脱着可能に装着される記憶媒体であるリムーバブルメディアからのデータの読み出しを行うリムーバブルメディアドライブ6、入力装置7、移動体通信網を介した通信を行う通信装置8とを備えている。
【0013】
そして、オーディオ処理装置1は、CPU11、メモリ12、表示装置2に接続する表示インタフェース13、オーディオ出力装置3に接続するオーディオ出力インタフェース14、HDD4に接続するHDDインタフェース15、リムーバブルドライブ5が選択的に接続されるリムーバブルドライブインタフェース16、リムーバブルメディアドライブ6に接続するリムーバブルメディアドライブインタフェース17、入力装置7に接続する入力インタフェース18、通信装置8に接続する通信インタフェース19と、以上の各部を接続するバス21とを備えている。ここで、表示インタフェース13、オーディオ出力インタフェース14、HDDインタフェース15、リムーバブルドライブインタフェース16、リムーバブルメディアドライブインタフェース17、入力インタフェース18、通信インタフェース19は、各々接続する装置と、データ処理装置1との間との入出力を処理するものである。
【0014】
ここで、HDD4には、各種プログラムやデータと共に、オーディオファイル管理テーブルと、プレイリストと、楽曲のオーディオデータを格納したオーディオファイルと、画像データを格納した画像ファイルが記録されている。
オーディオファイル管理テーブルは、HDD4上に記録された全てのオーディオファイルを管理するテーブルであり、図2aに示すように、各オーディオファイル毎のエントリを有し、各エントリには、オーディオファイルに与えた識別子である楽曲ID、オーディオファイルのHDD4上のロケーションを示すオーディオファイルパス、オーディオファイルの楽曲が属するアルバムのアルバム名や、オーディオファイルの楽曲のアルバム内の曲順や、タイトルや、アーティスト名などの属性情報であるオーディオメタ情報、オーディオファイルに関連付けられた画像ファイルのHDD4上のロケーションを示す画像ファイルパス、オーディオファイルに関連付けられた画像ファイルの画像の属性情報である画像メタ情報とが登録される。ここで画像メタ情報には、画像に写っている主題となる被写体の種別(男性、女性、子供、犬)と、画像に写っている背景となる被写体の種別(海、青空、草原、都市等)と、画像の全体的な色彩(鮮やかな赤、沈んだ緑など)と、画像の印象の調子(寂しい、悲しい、楽しい等)が登録される。また、オーディオファイルに関連付けられた画像ファイルは、通常、そのオーディオファイルの楽曲が属するアルバムのジャケットカバーの画像であり、この場合には、同じアルバムの楽曲のオーディオファイルには同じ画像ファイルが関連付けられる。
【0015】
次に、プレイリストは、図2bに示すように、オーディオファイルのリストであり、プレイリストの名称であるプレイリスト名称が記述される。また、プレイリストには、当該プレイリストに登録された各オーディオファイルの楽曲IDが、標準の再生順に登録される。
【0016】
次に、オーディオファイルは、図2cに示すように、楽曲のオーディオデータを格納したファイルであり、オーディオファイルには、オーディオデータと共に、オーディオファイル管理テーブルに登録されるオーディオメタ情報が登録されている。
そして、画像ファイルは、図2dに示すように、画像データを格納したファイルであり、画像ファイルには、画像データと共にオーディオファイル管理テーブルに登録される画像メタ情報が登録されている。
ただし、オーディオファイルとしては、図2eに示すように、オーディオデータと共に、メタ情報として、オーディオメタ情報と、当該オーディオファイルに関連付けられた画像の画像データと画像メタ情報が登録されているオーディオファイルも用いることができる。
【0017】
さて、このような構成において、CPU11は、HDD4に予め記憶されたプログラムの実行により、図1に示すように、オーディオファイル格納処理と、プレイリスト作成処理と、オーディオファイル再生処理と、自動レコメンド処理とを行う。
まず、オーディオファイル格納処理では、ユーザ操作に応じて、リムーバブルドライブ5やリムーバブルメディアドライブ6に装着されたリムーバブルメディアに記録されているオーディオファイルを読み出しHDD4に格納する。また、リムーバブルドライブ5やリムーバブルメディアドライブ6に装着されたリムーバブルメディアに記録されている所定の管理情報によって、当該オーディオファイルに関連付けられている画像ファイルが、リムーバブルドライブ5やリムーバブルメディアドライブ6に装着されたリムーバブルメディア上に存在する場合には、当該画像ファイルを併せて読み出しHDD4に格納する。
【0018】
そして、オーディオファイル管理テーブルに、HDD4に格納する各オーディオファイルのエントリを作成し、当該エントリに、当該オーディオファイルのファイルパスであるオーディオファイルパスやオーディオメタ情報や、当該オーディオファイルに関連する画像ファイルのパスである画像ファイルパスや当該関連する画像データの画像メタ情報を登録する。ただし、オーディオファイルが図2eに示したようにメタ情報に関連画像データを含むものである場合には、画像ファイルパスとして当該オーディオファイルのパスを記述すると共に、当該関連画像データの画像メタ情報を登録するようにする。
【0019】
なお、リムーバブルドライブ5やリムーバブルメディアドライブ6から読み出したオーディオファイルがオーディオメタ情報を含まなかったり、関連する画像ファイルが存在しないものである場合には、このオーディオファイルのオーディオメタ情報や関連する画像ファイルを、通信装置8を介してアクセスしたインターネット上のサーバから取得するようにしてもよい。
【0020】
また、HDD4に格納する、オーディオファイルも通信装置8を介してアクセスしたインターネット上のサーバからダウンロードしたものとしてもよい。
次に、プレイリスト作成処理では、ユーザが選択したオーディオファイルを登録したプレイリストを作成する。
また、このプレイリスト作成処理では、HDD4にオーディオファイルが新たに記録されたり削除される度に、オーディオメタ情報に含まれるアルバム名が等しいHDD4上のオーディオファイルをオーディオメタ情報に含まれる曲順に従って登録したプレイリストであるアルバムプレイリストや、オーディオメタ情報に含まれるアーティストが等しいHDD4上のオーディオファイルをタイトル順に従って登録したプレイリストであるアーティストプレイリストを、自動的に作成/更新する処理を行う。
【0021】
次に、オーディオファイル再生処理では、適当なGUI上で、ユーザから指定されたオーディオファイルやユーザから指定されたプレイリストに登録された各オーディオファイルを読み出して、オーディオデータをオーディオ出力装置3から出力する再生処理を行う。
【0022】
ここで、オーディオファイル再生処理は、オーディオファイルの再生中、表示装置2に、図4aに示すような再生制御ウインドウを表示し、再生情報ウインドウの再生中楽曲情報エリア410に、オーディオファイル管理テーブルの再生中のオーディオファイルのエントリを参照して求まる、再生中のオーディオファイルのオーディオメタ情報(アーティスト、タイトル、アルバム名等)4101と、再生中のオーディオファイルと関連付けられた画像ファイルの画像4102を表示する。また、オーディオファイル再生処理は、この再生制御ウインドウに、ユーザから、再生一時停止や再生開始や再生スキップなどの再生制御操作や、ボリューム変更操作を受け付けるためのボタン群420を表示し、これらのボタン群420の操作に応じて、オーディオファイルの再生状態を制御する処理も行う。
【0023】
そして、最後に、自動レコメンド処理ではオーディオファイル再生処理によるオーディオファイルの再生処理中、次に、再生するオーディオファイルを推奨する処理を行う。
図3に、この自動レコメンド処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、オーディオファイル管理テーブルの、オーディオファイル再生処理によって再生中のオーディオファイルのエントリに登録されている当該オーディオファイルに関連付けられた画像の画像メタ情報を取得する(ステップ302)。ただし、ステップ302では、オーディオファイル管理テーブルの、再生中のオーディオファイルの属するアルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルのエントリに登録されている当該オーディオファイルに関連付けられた画像の画像メタ情報を取得するようにしてもよい。
【0024】
そして、予め定めた各レコメンドキーの各々について(ステップ304、310、318)、ステップ306-308の処理を行う。但し、レコメンドキーとは、画像メタ情報の項目の内から、推奨する楽曲選定のキーとする項目として予め選択した1または複数の項目である。
【0025】
次に、アルバム毎に作成されているアルバムプレイリストの内、オーディオファイル管理テーブルの、アルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルのエントリに、レコメンドキーの内容がステップ302で取得した画像メタ情報と一致する画像メタ情報が登録されているアルバムプレイリストを全て抽出する(ステップ306)。すなわち、本実施形態では、アルバムプレイリストの先頭のオーディオファイルに関連付けられている画像を、当該アルバムに関連付けられている画像とする。そして、このステップ306では、アルバムに関連付けられている画像が、再生中のオーディオファイルまたはアルバムに関連付けられている画像と類似するアルバムのアルバムプレイリストを抽出する。
【0026】
そして、抽出したアルバムプレイリストのプレイリスト名称を登録した。図2fに示すようなレコメンドプレイリストを作成する(ステップ308)。
そして、全てのレコメンドキーについてステップ308-308の処理を行ったならば、作成した各レコメンドプレイリスト毎に、レコメンドプレイリストにプレイリスト名称が登録されている各アルバムプレイリストのアルバムに関連付けられている画像(アルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像)を表示する(ステップ312)。なお、オーディオファイルに関連付けられている画像ファイルは、オーディオファイル管理テーブルの当該オーディオファイルのエントリの画像ファイルパスより求めることができる。
【0027】
ここで、各レコメンドプレイリスト毎の、レコメンドプレイリストに登録されている各アルバムプレイリストのアルバムに関連付けられている画像(アルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像)の表示は、たとえば、次のように行う。
【0028】
すなわち、図4aに示すように再生制御ウインドウに設けたレコメンド情報エリア420に、各レコメンドプレイリストに対応するレコメンドプレイリストアルバム画像表示領域4201を設け、各レコメンドプレイリストアルバム画像表示領域4201に、対応するレコメンドプレイリストに登録されている各アルバムプレイリストのアルバムに関連付けられている画像(アルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像)をレコメンドプレイリストに登録されているアルバムリストの順に配置する。
【0029】
ここで、各アルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像が、アルバムプレイリストに対応するアルバムのジャケットカバーの画像である場合には、レコメンドプレイリストアルバム画像表示領域4202には、対応するレコメンドプレイリストに登録されている各アルバムプレイリストのアルバムのジャケットカバーの画像が並べて配置されることになる。
【0030】
また、各レコメンドプレイリストアルバム画像表示領域4202に表示される各画像は、再生中のオーディオファイルまたはアルバムに関連付けられた画像ファイルの画像と、対応するレコメンドプレイリストに対応するレコメンドキーが表す項目についての類似性または共通性を有するものとなる。
【0031】
すなわち、各アルバムプレイリストの各オーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像が、アルバムプレイリストに対応するアルバムのジャケットカバーの画像であるものとし、レコメンドキーとして画像メタ情報の、主題となる被写体の種別の項目と、背景となる被写体の種別の項目とが設定されており、再生中のオーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像が、図4aの画像4102のように、主題となる被写体として犬を、背景となる被写体として青空を含んでいる場合には、次のようになる。
【0032】
すなわち、この場合には、各レコメンドキーに対応して二つのレコメンドプレイリストが作成される。そして、図4aの二つのレコメンドプレイリストアルバム画像表示領域4201で示されるように、一番目のレコメンドプレイリストは、主題となる被写体として犬を含んだジャケットカバーの画像のアルバムのアルバムプレイリストが登録されたものとなり、2番目のレコメンドプレイリストは背景となる被写体として青空を含んだジャケットカバーの画像のアルバムのアルバムプレイリストが登録されたものとなる。
【0033】
さて、図3に戻り、以上のようにして各レコメンドプレイリスト毎の画像を表示したならば(ステップ312)、次に、ユーザからのレコメンドプレイリストの選択の発生と(ステップ314)、オーディオファイル再生処理によって再生されているオーディオファイルの変化の発生と(ステップ316)とを監視し、ユーザからのレコメンドプレイリストの選択が発生したならば(ステップ314)、オーディオファイル再生処理に選択されたレコメンドプレイリストの再生を指示し(ステップ320)、ステップ314、316の監視に戻る。一方、オーディオファイル再生処理によって再生されているオーディオファイルの変化が発生した場合には(ステップ316)、ステップ302からの処理に戻る。
【0034】
なお、ユーザからのレコメンドプレイリストの選択は、たとえば、図4aに示すように、各レコメンドプレイリストのレコメンドプレイリストアルバム画像表示領域毎に設けた選択ボタン4202によって受け付ける。
ここで、オーディオファイル再生処理は、自動レコメンド処理からレコメンドプレイリストの再生を指示されると、レコメンドプレイリストに基づく再生処理を行う。すなわち、再生を指示されたレコメンドプレイリストに登録されている各アルバムプレイリストを順次再生の対象としながら、再生対象となっているアルバムプレイリストに登録されている各オーディオファイルを順次再生する。そして、この結果、再生中のオーディオファイルに関連付けられた画像ファイルの画像と類似する画像が関連付けられたアルバム(再生中のオーディオファイルに関連付けられた画像ファイルの画像と類似する画像が先頭オーディオファイルに関連付けられたアルバム)が順次再生されることになる。すなわち、各オーディオファイルにジャケットカバーの画像が関連付けられている場合には、再生中のアルバムとジャケットカバーの画像が類似するアルバムが順次再生されることになる。
【0035】
ここで、オーディオファイル再生処理は、レコメンドプレイリストに基づく再生処理を行っているときには、再生中楽曲情報エリア410に、再生中レコメンドプレイリストアルバム画像表示領域4203を生成し、再生中レコメンドプレイリストアルバム画像表示領域4203に、再生中のレコメンドプレイリストに登録されている各アルバムプレイリストのアルバムに関連付けられている画像(アルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像)をレコメンドプレイリストに登録されているアルバムリストの順に、再生中のオーディオファイルが登録されているアルバムプレイリストに対応する画像を識別可能に配置する。
【0036】
なお、自動レコメンド処理が、オーディオファイル再生処理に選択されたレコメンドプレイリストの再生を指示すると(ステップ320)オーディオファイル再生処理によって再生されるオーディオファイルの変化が発生し(ステップ316)、自動レコメンド処理はステップ302の処理に戻ることになる。
【0037】
以上、自動レコメンド処理について説明した。
ところで、以上のようなオーディオ再生装置は、さらに、CPU11において、オーディオ再生装置の起動時や、ユーザからレコメンド要求が発行されたときに図5に示すレコメンド処理を、HDD4に記憶されたプログラムに従って行うようにしてもよい。
図示するように、この処理では、まず、予めHDD4にレコメンド処理用に記憶しておいた、複数の画像ファイルの画像を、たとえば、図4bに示すように表示する(ステップ502)。ここで、このレコメンド処理用に記憶する複数の画像ファイルは、画像メタ情報の各項目の内容が様々な内容となるように作成する。すなわち、たとえば、このレコメンド処理用に記憶する複数の画像ファイルの画像中に、様々な全体的な色彩を有する画像や、様々な印象の調子を有する画像が含まれるようにする。
【0038】
そして、表示した画像のうちからの画像の選択を受け付け(ステップ504)、受け付けた画像の画像ファイルの画像メタ情報を取得する(ステップ506)。
そして、選択された画像と類似する画像が関連付けられたアルバムのプレイリスト、すなわち、アルバム毎に作成されているアルバムプレイリストの内、オーディオファイル管理テーブルの、アルバムプレイリストの先頭に登録されているオーディオファイルのエントリに、ステップ506で取得した画像メタ情報との類似度が所定レベル以上大きい画像メタ情報が登録されているアルバムプレイリストを全て抽出する(ステップ508)。
【0039】
そして、抽出したアルバムプレイリストのプレイリスト名称を登録したレコメンドプレイリストを作成し(ステップ510)、作成したレコメンドプレイリストの再生を、オーディオファイル再生処理に選択されたレコメンドプレイリストの再生を指示し(ステップ512)、処理を終了する。
【0040】
また、以上の各実施形態は、各画像ファイルの画像の画像メタ情報を、オーディオ再生装置において、画像データが示す画像を解析して作成するように構成してもよい。たとえば、画像の全体的な色彩や、画像の印象の調子は、画像の色分布(たとえば、全体的な色彩については、各色相色の領域面積と平均明度/彩度等より、画像の印象の調子については、平均明度やコントラスト等より)より定めるようにすることができる。また、主題となる被写体の種別や背景となる被写体の種別も、それら種別を認識する適当な画像認識処理を適用することにより定めることができる。
【0041】
また、以上の実施形態では、アルバムの先頭オーディオファイルに関連付けられた画像ファイルの画像を、アルバムに関連付けられた画像としたが、これは、アルバム内の任意のオーディオファイルに関連付けられた画像ファイルの画像を、アルバムに関連付けられた画像とするようにしてもよい。また、アルバムに対して直接画像ファイルを関連付ける情報がHDD4に記憶されている場合には、当該情報によってアルバムに関連付けられている画像ファイルの画像を、アルバムに関連付けられた画像とするようにしてよい。
【0042】
また、以上の実施形態ではアルバムを単位としてレコメンドプレイリストで再生するオーディオファイルを選定したが、これはオーディオファイルを単位としてレコメンドプレイリストで再生するオーディオファイルを選定するようにしてもよい。
すなわち、この場合には、自動レコメンド処理の、ステップ306において、オーディオファイル管理テーブルのエントリに、レコメンドキーの内容がステップ302で取得した画像メタ情報と一致する画像メタ情報が登録されているオーディオファイルを全て抽出し、ステップ308において、抽出したオーディオファイルを登録したレコメンドプレイリストを作成し、ステップ312において、レコメンドプレイリスト毎に、レコメンドプレイリストに登録されている各オーディオファイルに関連付けられている画像ファイルの画像を表示する。そして、オーディオファイル再生処理において、自動レコメンド処理から再生を指示されたレコメンドプレイリストに登録されている各オーディオファイルを順次再生する。
【0043】
また、レコメンド処理では、ステップ508で、オーディオファイル管理テーブルのエントリに、ステップ506で取得した画像メタ情報との類似度が所定レベル以上大きい画像メタ情報が登録されているオーディオファイルを全て抽出し、ステップ510で抽出したオーディオファイルを登録したレコメンドプレイリストを作成する。そして、オーディオファイル再生処理において、自動レコメンド処理から再生を指示されたレコメンドプレイリストに登録されている各オーディオファイルを順次再生する。
【0044】
以上のように本実施形態に係る自動レコメンド処理によれば、レコメンドプレイリストは、再生中のオーディオファイルやアルバムと類似する画像が関連付けられているアルバムが含まれたものとなる。ここで、各オーディオファイルやアルバムの楽曲は、関連付けられている画像と印象が類似するものである蓋然性が高い。一方で、レコメンドプレイリストによって再生されるオーディオファイルの楽曲の全てが、必ずしも、当該オーディオファイルや当該オーディオファイルの属するアルバムに関連付けられている画像と印象が近いものとは限らず、関連付けられている画像に対して意外な印象を持つ楽曲が含まれ得る。よって、本自動レコメンド処理によれば、ユーザは、その時の気分に合致したオーディオファイルやアルバムが再生されている時に、レコメンドプレイリストを選択して再生させるだけで、簡易に、その気分に応じたアルバムやオーディオファイルを面白みを持って聴くことができるようなる。
【0045】
また、同様に、本実施形態に係るレコメンド処理によれば、ユーザは表示された画像の内から、その時の気分に合う画像を選択するだけで、簡易に、その気分に応じたアルバムやオーディオファイルを面白みを持って聴くことができるようなる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係るオーディオ再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るオーディオ再生装置のHDDの記憶内容を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動レコメンド処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るオーディオ再生装置の表示画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るレコメンド処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1…オーディオ処理装置、2…表示装置、3…オーディオ出力装置、4…HDD、5…リムーバブルドライブ、6…リムーバブルメディアドライブ、7…入力装置、8…通信装置、11…CPU、12…メモリ、13…表示インタフェース、14…オーディオ出力インタフェース、15…HDDインタフェース、16…リムーバブルドライブインタフェース、17…リムーバブルメディアドライブインタフェース、18…入力インタフェース、19…通信インタフェース、21…バス、410…再生中楽曲情報エリア、420…レコメンド情報エリア、4202…レコメンドプレイリストアルバム画像表示領域、4203…再生中レコメンドプレイリストアルバム画像表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲と、楽曲に関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、
前記記憶装置に記憶されている楽曲のうちから、再生中の楽曲に関連付けられている画像と類似する画像が関連付けられている楽曲をレコメンド楽曲として抽出するレコメンド楽曲抽出手段と、
ユーザから、レコメンド楽曲の再生が指示されたときに、各レコメンド楽曲を順次再生するレコメンド楽曲再生手段とを有することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項2】
請求項1記載のオーディオ再生装置であって、
前記レコメンド楽曲抽出手段がレコメンド楽曲として抽出した各楽曲に関連付けられている画像を一覧表示するレコメンド楽曲関連画像表示手段を有することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項3】
楽曲のアルバムと、アルバムに関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、
前記記憶装置に記憶されているアルバムのうちから、再生中の楽曲またはアルバムに関連付けられている画像と類似する画像が関連付けられているアルバムをレコメンドアルバムとして抽出するレコメンド楽曲抽出手段と、
ユーザから、レコメンドアルバムの再生が指示されたときに、各レコメンドアルバムを順次再生するレコメンドアルバム再生手段とを有することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項4】
請求項3記載のオーディオ再生装置であって、
前記レコメンドアルバム抽出手段がレコメンド楽曲として抽出した各アルバムに関連付けられている画像を一覧表示するレコメンドアルバム関連画像表示手段を有することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項5】
楽曲と、楽曲に関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、
予め定めた複数の画像を表示し、ユーザの表示した画像の内からの画像の選択を受け付け、前記記憶装置に記憶されている楽曲のうちから、選択を受け付けた画像と類似する画像が関連付けられている楽曲をレコメンド楽曲として抽出するレコメンド楽曲抽出手段と、
ユーザから、レコメンド楽曲の再生が指示されたときに、各レコメンド楽曲を順次再生するレコメンド楽曲再生手段とを有することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項6】
楽曲のアルバムと、アルバムに関連付けられた画像とを記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、
予め定めた複数の画像を表示し、ユーザの表示した画像の内からの画像の選択を受け付け、前記記憶装置に記憶されているアルバムのうちから、選択を受け付けた画像と類似する画像が関連付けられているアルバムをレコメンド楽曲として抽出するレコメンドアルバム抽出手段と、
ユーザから、レコメンドアルバムの再生が指示されたときに、各レコメンドアルバムを順次再生するレコメンド楽曲再生手段とを有することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項7】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
楽曲のアルバムと、アルバムに関連付けられた画像とを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生する再生手段と、
前記記憶装置に記憶されているアルバムのうちから、再生中の楽曲またはアルバムに関連付けられている画像と類似する画像が関連付けられているアルバムをレコメンドアルバムとして抽出するレコメンド楽曲抽出手段と、
ユーザから、レコメンドアルバムの再生が指示されたときに、各レコメンドアルバムを順次再生するレコメンドアルバム再生手段とを有するオーディオ再生装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
楽曲のアルバムと、アルバムに関連付けられた画像とを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された、楽曲を再生する再生手段と、
予め定めた複数の画像を表示し、ユーザの表示した画像の内からの画像の選択を受け付け、前記記憶装置に記憶されているアルバムのうちから、選択を受け付けた画像と類似する画像が関連付けられているアルバムをレコメンド楽曲として抽出するレコメンドアルバム抽出手段と、
ユーザから、レコメンドアルバムの再生が指示されたときに、各レコメンドアルバムを順次再生するレコメンド楽曲再生手段とを有するオーディオ再生装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−181644(P2009−181644A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20400(P2008−20400)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】