オートクレーブの容積利用率を最適化する方法
【課題】オートクレーブの容積利用率を最適化する。
【解決手段】オートクレーブ10のプロセスパラメータを決定するステップと、オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及びオートクレーブ内の乱流強度分布を決定するためにオートクレーブ構成をモデリングするステップと、オートクレーブ内の気流パターンを変更するために機器の変更を加えてオートクレーブ構成を修正するステップとを含む。更に、オートクレーブ内の修正された気流パターンと、オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と修正された乱流強度分布とを決定するために修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、部材の所定の硬化特性を満たすオートクレーブ内の部材の数を最大にする部材配置を決定するために、修正されたオートクレーブ構成内で硬化される部材24を用いて、修正されたオートクレーブ構成をモデリングする。
【解決手段】オートクレーブ10のプロセスパラメータを決定するステップと、オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及びオートクレーブ内の乱流強度分布を決定するためにオートクレーブ構成をモデリングするステップと、オートクレーブ内の気流パターンを変更するために機器の変更を加えてオートクレーブ構成を修正するステップとを含む。更に、オートクレーブ内の修正された気流パターンと、オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と修正された乱流強度分布とを決定するために修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、部材の所定の硬化特性を満たすオートクレーブ内の部材の数を最大にする部材配置を決定するために、修正されたオートクレーブ構成内で硬化される部材24を用いて、修正されたオートクレーブ構成をモデリングする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオートクレーブに関し、より具体的には、品質に敏感な高性能複合材料部材に使用されるオートクレーブの容積利用率の最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料には、航空機から、自動車、タービン、コンピュータ部材に至る多種多様な商業及び工業用途がある。複合材料には、様々な産業でそれらを魅力的にさせる数多くの利点がある。例えば、複合材料は熱伝達を低減し、導電性に抵抗することができ、可撓性であるが強靭であり、製造時に複雑な形状に簡単に成形できる。商業用の用途の例には、金属材料では形成が困難なある種の自動車、航空機、船舶及びタービンの複雑な形状が含まれる。
【0003】
オートクレーブ内での高品質ポリマーマトリクス複合材料部品の硬化は慣用されている。オートクレーブは高品質部材を製造するための硬化温度と高圧能力とをもたらす。しかし、オートクレーブには、1つの圧力、温度及び真空サイクルで制御されるという固有の問題がある。オートクレーブ内の熱変化によって、オートクレーブ内の様々な位置にある部材の硬化は、品質基準から外れることがある。オートクレーブ内の温度が均一ではないため、部材は一般に低温又は高温すぎる領域には配置されず、そのためオートクレーブの使用可能な容積が制限される。また、オートクレーブは通常、高温及び高圧で稼働するので、硬化サイクル中に気流に起きていることを極めて容易に観察又は検知することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第6872918号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、オートクレーブの容積利用率を最適化する方法を提供する。方法は、オートクレーブのプロセスパラメータを決定するステップと、オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及びオートクレーブ内の乱流強度分布を決定するためにオートクレーブ構成をモデリングするステップと、オートクレーブ内の気流パターンを変更するためにオートクレーブに機器の変更を加えてオートクレーブ構成を修正するステップとを含む。方法は更に、オートクレーブ内の修正された気流パターンと、オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と、オートクレーブ内の修正された乱流強度領域とを決定するために修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、部材の所定の硬化特性を満たすオートクレーブ内の部材数を最大にする部材配置を決定するために、修正されたオートクレーブ構成内で硬化される部材を用いて、修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップとを含む。
【0006】
別の態様では、オートクレーブの容積利用率を最適化する方法を提供する。方法は、オートクレーブのプロセスパラメータを決定するステップと、オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及びオートクレーブ内の乱流強度分布を決定するためにオートクレーブ構成をモデリングするステップと、オートクレーブ内の気流パターンを変更するためにオートクレーブ内に拡散スクリーンを配置することによってオートクレーブ構成を変更するステップとを含む。方法は更に、オートクレーブ内の修正された気流パターンと、オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と、オートクレーブ内の修正された乱流強度領域とを決定するために、修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、部材の所定の硬化特性を満たすオートクレーブ内の部材数を最大にする部材配置を決定するために、修正されたオートクレーブ構成内で硬化される部材を用いて、修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示的なオートクレーブの三次元概略図である。
【図2】図1に示すオートクレーブのY−Z面での速度パターンを表す図である。
【図3】図1に示すオートクレーブのY−Z面での乱流強度パターンを表す図である。
【図4】図1に示すオートクレーブのY−Z面での乱流粘度パターンを表す図である。
【図5】温度と乱流強度との相関を示すグラフである。
【図6】乱流強度と加熱速度との相関を示すグラフである。
【図7】拡散スクリーンの三次元図である。
【図8】拡散スクリーンがない、図1に示すオートクレーブ内の乱流強度パターンを表す三次元図である。
【図9】拡散スクリーンで修正した、図1に示すオートクレーブ内の乱流強度パターンを表す三次元図である。
【図10】スクリーンがないオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【図11】4×4の拡散スクリーンを有するオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【図12】ファン速度を50%低減したオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【図13】対称の入口を有するオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
オートクレーブの容積利用率を最適化する方法を、以下に詳細に記載する。容積を最適化することによってオートクレーブの硬化容量が高まり、その結果、ポリマーマトリクス複合材料部材又は部品の製造コストが低下する。オートクレーブ全体にわたる温度変化により、部材はオートクレーブの低温又は高温領域(所望の硬化温度未満、又は以上の温度)には配置されず、従って、オートクレーブの利用可能な容積全体は使用されない。この方法によって、一度に硬化される品質基準を満たす部材数が増大し、オートクレーブの収量が向上し、コストは削減され、容量が高まり、そのため高コストの資本投下が避けられよう。また、既存のオートクレーブに設計された機器の変更を加えることができ、それによっても新規のオートクレーブへの資本投下が避けられよう。
【0009】
図面を参照すると、図1は、オートクレーブ10の概略平面図である。例示的実施形態では、オートクレーブ10は円筒形の加熱容器12を含む。円筒形容器12の一端に端壁14が配置され、ドア16が円筒形容器12の反対端に配置される。端壁14は空気流出口18を含み、ドア16は、ドア16の周囲に複数の空気流入口20を含む。高温空気が空気流入口20を通って円筒形容器12に流入し、流出口18を通って流出する。ファン(図示せず)を使用して、空気流入口20を通る高温空気を移動させる。部材を装填し、部材を取出し、保守を行うために作業員が円筒形容器12内を歩けるように、キャットウォーク22が円筒形容器12の底部に配置される。図1は更に、工具及び部分構造26によって支持され、円筒形加熱容器12の容積28内に配置される部材24も示す。
【0010】
オートクレーブ10の容積利用率を最適化するため、モデリングプログラムを使用してオートクレーブ10の構成をモデリングする。例示的実施形態では、三次元計算数値力学(CFD)モデリングプログラムを使用してオートクレーブ10をモデリングし、気流パターン、円筒形容器12全体にわたる温度変化、及び円筒形容器12内の乱流強度パターンのモデルを生成する。オートクレーブ10をモデリングするため、オートクレーブ10のプロセスパラメータが決定され、CFDモデリングプログラムで使用される。それらに限定されないが、プロセスパラメータには、円筒形容器12の直径、円筒形容器12の長さ、空気流入口20の直径、ファン速度、動作圧、空気温度、流入流量などが含まれる。図2は、オートクレーブ10のY−Z面での速度パターンの図を示し、図3は、オートクレーブ10のY−Z面での乱流強度パターン図を示し、図4は、オートクレーブ10のY−Z面での乱流粘度パターン図を示す。
【0011】
流入流量は、簡単な流量測定器を使用して開いたオートクレーブで取得できる。測定は流入口の複数の位置で行われ、適宜の乱流境界条件に変換される。この方法は、CFDモデルの忠実度を高めるために使用できる。
【0012】
定常状態のモデル運転からの乱流強度を、温度変化の良好な指標として利用できる。図5は、温度と乱流強度とのグラフである。線50はオートクレーブ10内の異なる位置での温度を示し、線51と52は、オートクレーブ10内の同じ位置での乱流強度を示す。図5のグラフは、温度と乱流強度との相関を示し、且つ定常状態と過渡解析との間で乱流強度がそれほど変化しないことを示す。それに加え、乱流強度は更に、オートクレーブ10内の加熱速度を追跡する。図6は、乱流強度と加熱速度との相関を示す乱流強度と加熱速度との対比グラフである。
【0013】
流入速度も、オートクレーブ10を通る流れをモデリングする際の重要なプロセスパラメータである。ある実施例では、流入速度は各々の流入位置で測定される。流入口でのレイノルズ数が下記の方程式で計算される。
Re=ρvL/μ、式中、
L=ダクト径=0.0635m(2.5インチ)、
ρ=窒素密度=1.138kg/m3、
Vmax=測定された最高流入速度=8.3312m/s(1640fpm)、
Vmin=測定された最低流入速度=0.4064m/s(80fpm)、
Remax=36,200、
Remin=1,765である。
【0014】
完全に発達したダクト流の芯部での乱流強度(I)は、パイプ流での経験的相関から導出した以下の公式から概算できる。I=0.16(Re)-1/8。最大乱流強度、Imax、Remaxを計算するため、上記の数値が用いられる。従って、Imaxは0.0431、すなわち4.31%であると計算される。また、乱流強度から乱流運動エネルギを概算できる。乱流運動エネルギKと乱流強度Imaxとの関係は、公式、K=3/2(VmaxImax)2によって計算される。上記のように計算したVmaxとImaxとを用いて、Kは0.1934m2/s2であると計算される。
【0015】
乱流長さスケールlは、乱流内にエネルギを含む大形渦のサイズに関連する物理量である。完全に発達したダクト流では、乱流の渦がダクトよりも大きくなることはないので、lはダクトのサイズによって制限される。lとダクトの物理的サイズとの近似関係式は、l=0.07Lである。上記のダクト径Lを用いて、乱流長さスケールlは、0.004445mと計算される。乱流散逸率(ε)は、長さスケールl、関係式ε=(Cμ)3/4(K3/2)/lから概算され、式中、Cμは約0.09である経験的定数である。上記のように計算した乱流運動エネルギKと乱流長さスケールlとを用いて、εは3.1441m2/s2であると計算される。
【0016】
図7を参照すると、オートクレーブ10は、気流パターンと熱強度パターンとを変更するために機器の変更により改良される。改良例には、それらに限定されないが、円筒形加熱容器12の空気流入口20と内部容積28との間に拡散スクリーン30を追加し、オートクレーブ内にバッフルを追加し、工具の構成を変更し、部材と工具との間に絶縁体を追加し、ファン速度を変更するなどが含まれる。例示的実施形態では、拡散スクリーン30は、オートクレーブ10内の円筒形加熱容器12の空気流入口20と内部容積28との間に配置される。拡散スクリーン30は、複数の方形開口部34、又は複数の多角形開口部を有するスクリーン格子32を含む。スクリーン格子32は三次元であり、周辺長・奥行比は約1.5:1〜約2:1である。例えば、各辺が4インチで、奥行が8インチの複数の方形開口部を有するスクリーン格子の場合、周辺長・奥行比は2:1となる。
【0017】
拡散スクリーン30を追加したオートクレーブ10は、修正された気流パターン、円筒形容器12全体にわたる修正された温度変化、及び円筒形容器12内の修正された乱流強度パターンのモデルを生成するために、CFDモデリングプログラムで再びモデリングされる。図8は、拡散スクリーン30がないオートクレーブ10内の乱流強度パターンの三次元図を示し、図9は、拡散スクリーン30を含むオートクレーブ10内の乱流強度パターンの三次元図を示す。図9の高乱流強度パターン40は、図8の高乱流強度パターン42よりも大きい。高乱流強度パターン40の領域がより大きいことで、部材を配置できる円筒形加熱容器12の容積部分がより大きくなり、そこでの温度は高乱流強度パターン40の外側に位置する部材により近くなる。オートクレーブ10は、気流パターン、円筒形容器12全体にわたる温度変化、及び円筒形容器12内の乱流強度パターンのモデルを生成するために、オートクレーブ10内に部材を配置してCFDモデリングプログラムで再びモデリングされる。気流パターン、温度変化、及び乱流強度パターンのモデルは、オートクレーブ10内の各部材の形状及びサイズを考慮に入れ、所望の硬化特性を満たす部材数を最大にするために各部材の最良の位置を決定することを可能にする。
【0018】
気流パターン、温度変化、及び乱流強度パターンのモデルは、経験的数値設計(DOE)技術を使用してオートクレーブ10内で運転試験をすることによって妥当性検査をしてもよい。1つの試験は、実際の部材のシミュレーションとして熱電対を取付けた金属ブロックを使用することを含む。金属ブロックがオートクレーブ10内に配置され、通常の硬化サイクル中に各ブロックの温度を監視する。硬化サイクル中の各ブロックの温度は、各位置での加熱速度、及び各ポイントでの所望の温度の継続時間を示す。モデルの妥当性を確認するため、試験結果はモデルでの結果と比較される。
【0019】
別の試験は、実際の部材をオートクレーブ10内に配置し、硬化サイクルを実行し、各部材の温度を監視することを含む。試験結果はオートクレーブ10のCFDモデルの妥当性検査に用いられる。モデルの妥当性が確認されると、オートクレーブ10内に配置される部材を最大にするため、オートクレーブ10内の部材の様々な配置を解析する。例えば、オートクレーブ10内の部材数を最大にするために部材の配置を最適化する試験が、16個のタービンブレードを使用して実施された。ブレードをオートクレーブ10の全体にわたって配置し、硬化サイクルを実行し、硬化サイクル中の各ブレードの温度を監視した。運転ごとにブレードを再配置して、複数の解析運転が行われた。ブレードは、経験的数値設計が示すように、各硬化サイクルについて前後、上下に再配置された。DOE試験の結果は、オートクレーブ10内の最適化されたブレード配置を示した。結果は、ブレードの翼根の温度が互いに近接し、低温と高温との最大差が約25.4°Fであることを示した。また、翼端の温度が互いに近接し、翼端の温度の低温と高温との最大差が約16.4°Fであることを示した。容積利用率を最適化するために、機器改修を行わずに、先ず空のオートクレーブをモデリングし、乱流強度と速度分布とを三次元で評価して部材配置の選択肢を査定し、次いで概念開発を行うことによって、オートクレーブを査定する一般的な方法が開発された。
【0020】
オートクレーブ10に拡散スクリーン30を追加することの他に別の構想を用いてもよい。例えば、ファン速度を50%、又は別の幾らかのパーセンテージだけ低減し、対称の流入口を設けることである。図10は、スクリーンがないオートクレーブ(ベースライン)での乱流強度が60%の等値面を示す。図11は、4×4の拡散スクリーンを有するオートクレーブでの乱流強度が60%の等値面を示す。図12は、ファン速度を50%低減したオートクレーブでの乱流強度が60%の等値面を示す。図13は、対称の流入口を有するオートクレーブでの乱流強度が60%の等値面を示す。オートクレーブ全体にわたる温度を監視するため、オートクレーブ内にスチール製ブロックを配置する。ファン速度を50%低減すると、60%の乱流強度パターンはベースラインのオートクレーブの60%の乱流強度パターンよりも大幅に小さく、その結果、ブロックの低温と高温との差がより小さくなった。対称の流入口については、流れを対称にするためにオートクレーブの上部流入口を閉鎖した。流入口を対称にする概念での60%の乱流強度パターンでは、容積の前面の容積の領域が大きかった。ブロックの低温と高温との差は極めて大きかった。スクリーンを設ける概念での60%の乱流強度パターンは、ベースラインのオートクレーブよりも大きいが、強度パターンによりオートクレーブの長さが延長した。ブロックの低温と高温との差はベースラインのオートクレーブでの差より小さいが、ファン速度を50%低減する概念での差よりは大きかった。
【0021】
本明細書は、実施例を用いて、最良の態様を含む本発明を開示し、当業者がいかなる装置又はシステムを製造し、使用し、組み込まれた方法を実行することを含めて本発明を実施できるようにするためのものである。本発明の特許可能な範囲は請求項によって定義され、当業者が想到し得る別の実施例を含み得る。このような別の実施例は、請求項の文字言語と相違しない構成要素を有する場合、又は請求項の文字言語と非実質的な相違しか有していない等価な構成要素を含む場合は、請求項の範囲内にあることを意図するものである。
【符号の説明】
【0022】
10 オートクレーブ
12 円筒形の加熱容器
14 端壁
16 ドア
18 空気流出口
20 空気流入口
22 キャットウォーク
24 部材
26 工具及び部分構造
28 内部容積
30 拡散スクリーン
32 スクリーン格子
34 開口部
40 高乱流強度パターン
42 高乱流強度パターン
50 線
51 線
52 線
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオートクレーブに関し、より具体的には、品質に敏感な高性能複合材料部材に使用されるオートクレーブの容積利用率の最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料には、航空機から、自動車、タービン、コンピュータ部材に至る多種多様な商業及び工業用途がある。複合材料には、様々な産業でそれらを魅力的にさせる数多くの利点がある。例えば、複合材料は熱伝達を低減し、導電性に抵抗することができ、可撓性であるが強靭であり、製造時に複雑な形状に簡単に成形できる。商業用の用途の例には、金属材料では形成が困難なある種の自動車、航空機、船舶及びタービンの複雑な形状が含まれる。
【0003】
オートクレーブ内での高品質ポリマーマトリクス複合材料部品の硬化は慣用されている。オートクレーブは高品質部材を製造するための硬化温度と高圧能力とをもたらす。しかし、オートクレーブには、1つの圧力、温度及び真空サイクルで制御されるという固有の問題がある。オートクレーブ内の熱変化によって、オートクレーブ内の様々な位置にある部材の硬化は、品質基準から外れることがある。オートクレーブ内の温度が均一ではないため、部材は一般に低温又は高温すぎる領域には配置されず、そのためオートクレーブの使用可能な容積が制限される。また、オートクレーブは通常、高温及び高圧で稼働するので、硬化サイクル中に気流に起きていることを極めて容易に観察又は検知することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第6872918号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、オートクレーブの容積利用率を最適化する方法を提供する。方法は、オートクレーブのプロセスパラメータを決定するステップと、オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及びオートクレーブ内の乱流強度分布を決定するためにオートクレーブ構成をモデリングするステップと、オートクレーブ内の気流パターンを変更するためにオートクレーブに機器の変更を加えてオートクレーブ構成を修正するステップとを含む。方法は更に、オートクレーブ内の修正された気流パターンと、オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と、オートクレーブ内の修正された乱流強度領域とを決定するために修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、部材の所定の硬化特性を満たすオートクレーブ内の部材数を最大にする部材配置を決定するために、修正されたオートクレーブ構成内で硬化される部材を用いて、修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップとを含む。
【0006】
別の態様では、オートクレーブの容積利用率を最適化する方法を提供する。方法は、オートクレーブのプロセスパラメータを決定するステップと、オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及びオートクレーブ内の乱流強度分布を決定するためにオートクレーブ構成をモデリングするステップと、オートクレーブ内の気流パターンを変更するためにオートクレーブ内に拡散スクリーンを配置することによってオートクレーブ構成を変更するステップとを含む。方法は更に、オートクレーブ内の修正された気流パターンと、オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と、オートクレーブ内の修正された乱流強度領域とを決定するために、修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、部材の所定の硬化特性を満たすオートクレーブ内の部材数を最大にする部材配置を決定するために、修正されたオートクレーブ構成内で硬化される部材を用いて、修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示的なオートクレーブの三次元概略図である。
【図2】図1に示すオートクレーブのY−Z面での速度パターンを表す図である。
【図3】図1に示すオートクレーブのY−Z面での乱流強度パターンを表す図である。
【図4】図1に示すオートクレーブのY−Z面での乱流粘度パターンを表す図である。
【図5】温度と乱流強度との相関を示すグラフである。
【図6】乱流強度と加熱速度との相関を示すグラフである。
【図7】拡散スクリーンの三次元図である。
【図8】拡散スクリーンがない、図1に示すオートクレーブ内の乱流強度パターンを表す三次元図である。
【図9】拡散スクリーンで修正した、図1に示すオートクレーブ内の乱流強度パターンを表す三次元図である。
【図10】スクリーンがないオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【図11】4×4の拡散スクリーンを有するオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【図12】ファン速度を50%低減したオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【図13】対称の入口を有するオートクレーブの乱流強度が60%の等値面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
オートクレーブの容積利用率を最適化する方法を、以下に詳細に記載する。容積を最適化することによってオートクレーブの硬化容量が高まり、その結果、ポリマーマトリクス複合材料部材又は部品の製造コストが低下する。オートクレーブ全体にわたる温度変化により、部材はオートクレーブの低温又は高温領域(所望の硬化温度未満、又は以上の温度)には配置されず、従って、オートクレーブの利用可能な容積全体は使用されない。この方法によって、一度に硬化される品質基準を満たす部材数が増大し、オートクレーブの収量が向上し、コストは削減され、容量が高まり、そのため高コストの資本投下が避けられよう。また、既存のオートクレーブに設計された機器の変更を加えることができ、それによっても新規のオートクレーブへの資本投下が避けられよう。
【0009】
図面を参照すると、図1は、オートクレーブ10の概略平面図である。例示的実施形態では、オートクレーブ10は円筒形の加熱容器12を含む。円筒形容器12の一端に端壁14が配置され、ドア16が円筒形容器12の反対端に配置される。端壁14は空気流出口18を含み、ドア16は、ドア16の周囲に複数の空気流入口20を含む。高温空気が空気流入口20を通って円筒形容器12に流入し、流出口18を通って流出する。ファン(図示せず)を使用して、空気流入口20を通る高温空気を移動させる。部材を装填し、部材を取出し、保守を行うために作業員が円筒形容器12内を歩けるように、キャットウォーク22が円筒形容器12の底部に配置される。図1は更に、工具及び部分構造26によって支持され、円筒形加熱容器12の容積28内に配置される部材24も示す。
【0010】
オートクレーブ10の容積利用率を最適化するため、モデリングプログラムを使用してオートクレーブ10の構成をモデリングする。例示的実施形態では、三次元計算数値力学(CFD)モデリングプログラムを使用してオートクレーブ10をモデリングし、気流パターン、円筒形容器12全体にわたる温度変化、及び円筒形容器12内の乱流強度パターンのモデルを生成する。オートクレーブ10をモデリングするため、オートクレーブ10のプロセスパラメータが決定され、CFDモデリングプログラムで使用される。それらに限定されないが、プロセスパラメータには、円筒形容器12の直径、円筒形容器12の長さ、空気流入口20の直径、ファン速度、動作圧、空気温度、流入流量などが含まれる。図2は、オートクレーブ10のY−Z面での速度パターンの図を示し、図3は、オートクレーブ10のY−Z面での乱流強度パターン図を示し、図4は、オートクレーブ10のY−Z面での乱流粘度パターン図を示す。
【0011】
流入流量は、簡単な流量測定器を使用して開いたオートクレーブで取得できる。測定は流入口の複数の位置で行われ、適宜の乱流境界条件に変換される。この方法は、CFDモデルの忠実度を高めるために使用できる。
【0012】
定常状態のモデル運転からの乱流強度を、温度変化の良好な指標として利用できる。図5は、温度と乱流強度とのグラフである。線50はオートクレーブ10内の異なる位置での温度を示し、線51と52は、オートクレーブ10内の同じ位置での乱流強度を示す。図5のグラフは、温度と乱流強度との相関を示し、且つ定常状態と過渡解析との間で乱流強度がそれほど変化しないことを示す。それに加え、乱流強度は更に、オートクレーブ10内の加熱速度を追跡する。図6は、乱流強度と加熱速度との相関を示す乱流強度と加熱速度との対比グラフである。
【0013】
流入速度も、オートクレーブ10を通る流れをモデリングする際の重要なプロセスパラメータである。ある実施例では、流入速度は各々の流入位置で測定される。流入口でのレイノルズ数が下記の方程式で計算される。
Re=ρvL/μ、式中、
L=ダクト径=0.0635m(2.5インチ)、
ρ=窒素密度=1.138kg/m3、
Vmax=測定された最高流入速度=8.3312m/s(1640fpm)、
Vmin=測定された最低流入速度=0.4064m/s(80fpm)、
Remax=36,200、
Remin=1,765である。
【0014】
完全に発達したダクト流の芯部での乱流強度(I)は、パイプ流での経験的相関から導出した以下の公式から概算できる。I=0.16(Re)-1/8。最大乱流強度、Imax、Remaxを計算するため、上記の数値が用いられる。従って、Imaxは0.0431、すなわち4.31%であると計算される。また、乱流強度から乱流運動エネルギを概算できる。乱流運動エネルギKと乱流強度Imaxとの関係は、公式、K=3/2(VmaxImax)2によって計算される。上記のように計算したVmaxとImaxとを用いて、Kは0.1934m2/s2であると計算される。
【0015】
乱流長さスケールlは、乱流内にエネルギを含む大形渦のサイズに関連する物理量である。完全に発達したダクト流では、乱流の渦がダクトよりも大きくなることはないので、lはダクトのサイズによって制限される。lとダクトの物理的サイズとの近似関係式は、l=0.07Lである。上記のダクト径Lを用いて、乱流長さスケールlは、0.004445mと計算される。乱流散逸率(ε)は、長さスケールl、関係式ε=(Cμ)3/4(K3/2)/lから概算され、式中、Cμは約0.09である経験的定数である。上記のように計算した乱流運動エネルギKと乱流長さスケールlとを用いて、εは3.1441m2/s2であると計算される。
【0016】
図7を参照すると、オートクレーブ10は、気流パターンと熱強度パターンとを変更するために機器の変更により改良される。改良例には、それらに限定されないが、円筒形加熱容器12の空気流入口20と内部容積28との間に拡散スクリーン30を追加し、オートクレーブ内にバッフルを追加し、工具の構成を変更し、部材と工具との間に絶縁体を追加し、ファン速度を変更するなどが含まれる。例示的実施形態では、拡散スクリーン30は、オートクレーブ10内の円筒形加熱容器12の空気流入口20と内部容積28との間に配置される。拡散スクリーン30は、複数の方形開口部34、又は複数の多角形開口部を有するスクリーン格子32を含む。スクリーン格子32は三次元であり、周辺長・奥行比は約1.5:1〜約2:1である。例えば、各辺が4インチで、奥行が8インチの複数の方形開口部を有するスクリーン格子の場合、周辺長・奥行比は2:1となる。
【0017】
拡散スクリーン30を追加したオートクレーブ10は、修正された気流パターン、円筒形容器12全体にわたる修正された温度変化、及び円筒形容器12内の修正された乱流強度パターンのモデルを生成するために、CFDモデリングプログラムで再びモデリングされる。図8は、拡散スクリーン30がないオートクレーブ10内の乱流強度パターンの三次元図を示し、図9は、拡散スクリーン30を含むオートクレーブ10内の乱流強度パターンの三次元図を示す。図9の高乱流強度パターン40は、図8の高乱流強度パターン42よりも大きい。高乱流強度パターン40の領域がより大きいことで、部材を配置できる円筒形加熱容器12の容積部分がより大きくなり、そこでの温度は高乱流強度パターン40の外側に位置する部材により近くなる。オートクレーブ10は、気流パターン、円筒形容器12全体にわたる温度変化、及び円筒形容器12内の乱流強度パターンのモデルを生成するために、オートクレーブ10内に部材を配置してCFDモデリングプログラムで再びモデリングされる。気流パターン、温度変化、及び乱流強度パターンのモデルは、オートクレーブ10内の各部材の形状及びサイズを考慮に入れ、所望の硬化特性を満たす部材数を最大にするために各部材の最良の位置を決定することを可能にする。
【0018】
気流パターン、温度変化、及び乱流強度パターンのモデルは、経験的数値設計(DOE)技術を使用してオートクレーブ10内で運転試験をすることによって妥当性検査をしてもよい。1つの試験は、実際の部材のシミュレーションとして熱電対を取付けた金属ブロックを使用することを含む。金属ブロックがオートクレーブ10内に配置され、通常の硬化サイクル中に各ブロックの温度を監視する。硬化サイクル中の各ブロックの温度は、各位置での加熱速度、及び各ポイントでの所望の温度の継続時間を示す。モデルの妥当性を確認するため、試験結果はモデルでの結果と比較される。
【0019】
別の試験は、実際の部材をオートクレーブ10内に配置し、硬化サイクルを実行し、各部材の温度を監視することを含む。試験結果はオートクレーブ10のCFDモデルの妥当性検査に用いられる。モデルの妥当性が確認されると、オートクレーブ10内に配置される部材を最大にするため、オートクレーブ10内の部材の様々な配置を解析する。例えば、オートクレーブ10内の部材数を最大にするために部材の配置を最適化する試験が、16個のタービンブレードを使用して実施された。ブレードをオートクレーブ10の全体にわたって配置し、硬化サイクルを実行し、硬化サイクル中の各ブレードの温度を監視した。運転ごとにブレードを再配置して、複数の解析運転が行われた。ブレードは、経験的数値設計が示すように、各硬化サイクルについて前後、上下に再配置された。DOE試験の結果は、オートクレーブ10内の最適化されたブレード配置を示した。結果は、ブレードの翼根の温度が互いに近接し、低温と高温との最大差が約25.4°Fであることを示した。また、翼端の温度が互いに近接し、翼端の温度の低温と高温との最大差が約16.4°Fであることを示した。容積利用率を最適化するために、機器改修を行わずに、先ず空のオートクレーブをモデリングし、乱流強度と速度分布とを三次元で評価して部材配置の選択肢を査定し、次いで概念開発を行うことによって、オートクレーブを査定する一般的な方法が開発された。
【0020】
オートクレーブ10に拡散スクリーン30を追加することの他に別の構想を用いてもよい。例えば、ファン速度を50%、又は別の幾らかのパーセンテージだけ低減し、対称の流入口を設けることである。図10は、スクリーンがないオートクレーブ(ベースライン)での乱流強度が60%の等値面を示す。図11は、4×4の拡散スクリーンを有するオートクレーブでの乱流強度が60%の等値面を示す。図12は、ファン速度を50%低減したオートクレーブでの乱流強度が60%の等値面を示す。図13は、対称の流入口を有するオートクレーブでの乱流強度が60%の等値面を示す。オートクレーブ全体にわたる温度を監視するため、オートクレーブ内にスチール製ブロックを配置する。ファン速度を50%低減すると、60%の乱流強度パターンはベースラインのオートクレーブの60%の乱流強度パターンよりも大幅に小さく、その結果、ブロックの低温と高温との差がより小さくなった。対称の流入口については、流れを対称にするためにオートクレーブの上部流入口を閉鎖した。流入口を対称にする概念での60%の乱流強度パターンでは、容積の前面の容積の領域が大きかった。ブロックの低温と高温との差は極めて大きかった。スクリーンを設ける概念での60%の乱流強度パターンは、ベースラインのオートクレーブよりも大きいが、強度パターンによりオートクレーブの長さが延長した。ブロックの低温と高温との差はベースラインのオートクレーブでの差より小さいが、ファン速度を50%低減する概念での差よりは大きかった。
【0021】
本明細書は、実施例を用いて、最良の態様を含む本発明を開示し、当業者がいかなる装置又はシステムを製造し、使用し、組み込まれた方法を実行することを含めて本発明を実施できるようにするためのものである。本発明の特許可能な範囲は請求項によって定義され、当業者が想到し得る別の実施例を含み得る。このような別の実施例は、請求項の文字言語と相違しない構成要素を有する場合、又は請求項の文字言語と非実質的な相違しか有していない等価な構成要素を含む場合は、請求項の範囲内にあることを意図するものである。
【符号の説明】
【0022】
10 オートクレーブ
12 円筒形の加熱容器
14 端壁
16 ドア
18 空気流出口
20 空気流入口
22 キャットウォーク
24 部材
26 工具及び部分構造
28 内部容積
30 拡散スクリーン
32 スクリーン格子
34 開口部
40 高乱流強度パターン
42 高乱流強度パターン
50 線
51 線
52 線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートクレーブの容積利用率を最適化する方法であって、
オートクレーブ(10)のプロセスパラメータを決定するステップと、
前記オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及び前記オートクレーブ内の乱流強度分布を決定するために、オートクレーブ構成をモデリングするステップと、
前記オートクレーブ内の前記気流パターンを変更するために、前記オートクレーブに機器の変更を加えて前記オートクレーブ構成を修正するステップと、
前記オートクレーブ内の修正された気流パターンと、前記オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と、前記オートクレーブ内の前記修正された乱流強度分布とを決定するために前記修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、
部材の所定の硬化特性を満たす前記オートクレーブ内の前記部材の数を最大にする部材配置を決定するために、前記修正されたオートクレーブ構成内で硬化される前記部材(24)を用いて、前記修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと
を含む方法。
【請求項2】
プロセスパラメータを決定するステップが、前記オートクレーブ(10)のプロセスパラメータを決定するステップを含み、前記パラメータが、オートクレーブの直径、オートクレーブの長さ、気流入口径、流入流量、流入速度、動作圧及び空気温度の少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記オートクレーブ(10)の構成を修正するステップが、空気流入口(20)に拡散スクリーン(30)を追加し、オートクレーブ内にバッフルを追加し、工具構成を変更し、部材(24)と工具(26)との間に絶縁体を追加し、ファン速度を変更することを含む機器の変更によって、前記オートクレーブ構成を修正するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記オートクレーブ(10)の構成を修正するステップが、空気流入口(20)に拡散スクリーン(30)を追加することによって前記オートクレーブ構成を修正するステップを含み、前記拡散スクリーンが方形スクリーン格子(32)と多角形スクリーン格子の一方を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記拡散スクリーン格子(32)の周辺長・奥行比が約1.5:1〜約2:1である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
経験的数値設計(DOE)技術を用いて、前記修正された気流パターンの妥当性検査を行うステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記DOE技術が、前記オートクレーブ内の様々な位置に複数の金属ブロックを配置するステップを含み、各金属ブロックが前記金属ブロックの温度を監視するために取り付けられた熱電対を備える、請求項6記載の方法。
【請求項8】
DOE技術を用いて前記部材の配置の妥当性検査を行うステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記DOE技術が、前記オートクレーブ(10)内の様々な位置に複数の部材(24)を配置し、硬化サイクルを実行し、各部材の温度を監視するステップを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記部材(24)がポリマーマトリクス複合材料部材からなる、請求項1記載の方法。
【請求項1】
オートクレーブの容積利用率を最適化する方法であって、
オートクレーブ(10)のプロセスパラメータを決定するステップと、
前記オートクレーブ内の気流パターン、オートクレーブ全体にわたる温度変化、及び前記オートクレーブ内の乱流強度分布を決定するために、オートクレーブ構成をモデリングするステップと、
前記オートクレーブ内の前記気流パターンを変更するために、前記オートクレーブに機器の変更を加えて前記オートクレーブ構成を修正するステップと、
前記オートクレーブ内の修正された気流パターンと、前記オートクレーブ全体にわたる修正された温度変化と、前記オートクレーブ内の前記修正された乱流強度分布とを決定するために前記修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと、
部材の所定の硬化特性を満たす前記オートクレーブ内の前記部材の数を最大にする部材配置を決定するために、前記修正されたオートクレーブ構成内で硬化される前記部材(24)を用いて、前記修正されたオートクレーブ構成をモデリングするステップと
を含む方法。
【請求項2】
プロセスパラメータを決定するステップが、前記オートクレーブ(10)のプロセスパラメータを決定するステップを含み、前記パラメータが、オートクレーブの直径、オートクレーブの長さ、気流入口径、流入流量、流入速度、動作圧及び空気温度の少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記オートクレーブ(10)の構成を修正するステップが、空気流入口(20)に拡散スクリーン(30)を追加し、オートクレーブ内にバッフルを追加し、工具構成を変更し、部材(24)と工具(26)との間に絶縁体を追加し、ファン速度を変更することを含む機器の変更によって、前記オートクレーブ構成を修正するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記オートクレーブ(10)の構成を修正するステップが、空気流入口(20)に拡散スクリーン(30)を追加することによって前記オートクレーブ構成を修正するステップを含み、前記拡散スクリーンが方形スクリーン格子(32)と多角形スクリーン格子の一方を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記拡散スクリーン格子(32)の周辺長・奥行比が約1.5:1〜約2:1である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
経験的数値設計(DOE)技術を用いて、前記修正された気流パターンの妥当性検査を行うステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記DOE技術が、前記オートクレーブ内の様々な位置に複数の金属ブロックを配置するステップを含み、各金属ブロックが前記金属ブロックの温度を監視するために取り付けられた熱電対を備える、請求項6記載の方法。
【請求項8】
DOE技術を用いて前記部材の配置の妥当性検査を行うステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記DOE技術が、前記オートクレーブ(10)内の様々な位置に複数の部材(24)を配置し、硬化サイクルを実行し、各部材の温度を監視するステップを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記部材(24)がポリマーマトリクス複合材料部材からなる、請求項1記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−140004(P2012−140004A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−280632(P2011−280632)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280632(P2011−280632)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
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