説明

オーバースプレイした塗料を分離する装置

塗装用ブースのオーバースプレイを含んだ空気から塗料のオーバースプレイを分離する装置(1)は、ハウジング(2)内に少なくとも1つの分離部材(4)を備え、この表面は電気的に伝導性があり、高電圧源(14)の一方の極と接続されている。分離部材(4)に、電極(12)が対向されており、この電極が高電圧源(14)の他方の極と接続されている。ブースの空気は、オーバースプレイした粒子がイオン化され、分離部材(4)の表面に堆積するように、分離部材(4)と電極(12)に接して通過するように案内される。分離部材(4)は、連続的又は間欠的に走行され、この場合掻き取り装置(10)が分離部材(4)の表面にあるオーバースプレイを掻き取る。このオーバースプレイは、次に、適切な移送装置(3)によって、廃棄又は再利用のために排出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装用ブースの空気から、オーバースプレイした塗料を分離する装置に関するものであって、この装置は、
a)ハウジングと、
b)ハウジング内に配置された少なくとも1つの分離部材であって、ハウジングの表面に沿ってブースの空気を導くことができ、この結果、オーバースプレイした粒子がハウジングの表面に付着し、部分的に又は完全にきれいにされた空気が流れる、分離部材と、
c)分離されたオーバースプレイを、この分離部材の表面から除去する装置と、
を有している。
【背景技術】
【0002】
自動車分野においては、従来は、水性塗料のオーバースプレイ又は油性塗料のオーバースプレイを効率的に集めて分離するために、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されているような、湿式洗浄とも称される、湿式分離がもっぱら使用されている。
【0003】
一般に、この種の湿式分離機は、ブースのグレーチング式の床の下に、ブースの中央へ向かって傾斜した2枚のパネルを有し、パネルの上に、ブースの床の端部から水が流れる。水は、上から来るブースの空気と共に、2枚のパネルの内側端部の間の開口部を通って流れ、そこから空気の流れを加速するノズル内へ入る。
【0004】
このノズル内で、貫流する空気が、水と混合される。このプロセスにおいて、オーバースプレイした粒子の多くが、水内へ移行し、空気は洗浄されて水分離機から離れ、オーバースプレイした粒子は水内に残る。次に、水からオーバースプレイした粒子を回収し、又は廃棄することができる。
【0005】
この湿式分離機の主要な作用は、すでに述べたように、空気と水の混合に基づいており、下方の床パネルの上を流れる水は、流れ去る空気から、ある比率で、オーバースプレイした粒子も吸収し、従ってパネルは、上述した主旨において「分離部材」と称することができる。しかし、この効果は、主要効果に対して小さなものである。
【0006】
この既知の湿式分離機は、作動上の問題がなく、洗浄性能が良いという利点を有している。しかし、この利点に対して、様々な欠点もある。例えば、比較的大量の水を循環させるため、また、流れの狭い箇所、特に加速ノズルにおける圧力損失によって、極めて多くのエネルギを必要とする。洗浄水の浄化は、塗料を結合し脱接着する化学薬品の大量の使用と、塗料汚泥の廃棄とによって、コストが過大となる。更に、空気は、洗浄水と激しく接触することによって大量の水分を吸収し、この結果、循環運転において、再度空気浄化のために多くのエネルギを消費する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許公報EP0740576B1
【特許文献2】独国特許公報DE4401741
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、特にエネルギ消費を低減する、冒頭で挙げた種類の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明によって、
d)分離部材の表面が、電気的に伝導性があり、高電圧源の一方の端子と接続され、
e)分離部材が、空気流れ内に配置された電極に対向されており、この電極が高電圧源の他方の端子と接続され、
f)分離部材を連続的又は間欠的に動かすことができる装置が設けられ、
g)分離部材が、掻き取り装置に対向されており、掻き取り装置が、分離部材と掻き取り装置との間の相対運動を利用して、分離部材の表面のオーバースプレイを掻き取る、
ことによって解決される。
【0010】
従って本発明は、空気流と混合される大量の水によって、空気からオーバースプレイした粒子を除去する、という基本的考えを捨て、分離は「乾燥した」やり方で行われる。これによって、上で詳細に説明し、水の使用と結びついているすべての欠点がなくなる。乾燥分離は、分離部材の電気的に伝導性のある表面で行われる。この分離は、オーバースプレイした粒子のイオン化によってより効率化され、イオン化によって、オーバースプレイした粒子は、分離部材の伝導性のある表面へ静電的に引きつけられる。装置の連続運転を確実にするために、分離部材は移動可能であり、場合によっては掻き取り装置も移動可能であるので、空気は常に表面の比較的きれいな領域を通過することができ、一方、他の表面領域は、掻き取り装置によって、堆積したオーバースプレイを除去される。
【0011】
分離装置は、少なくとも1つのエンドレスに回転するバンドを有している。この種のバンドは、大きな分離面を、安価に提供することができる。欠点としては、バンドを囲む空間が、分離作用に寄与しない「デッドスペース」となることである。
【0012】
複数のエンドレスに回転するバンドが、並んで配置されていると、特に効果的である。このようにして更に大きな表面が、オーバースプレイの分離のために提供され、更に大量の空気流が扱われる。
【0013】
エンドレスに回転するバンドの走行は、垂直方向にすることができる。この理由は、空気と空気によって運ばれるオーバースプレイした粒子とが分離部材の領域内にある時間が比較的長く、従って、オーバースプレイした粒子が、静電的な力によってバンドの表面に堆積する率が、高くなることである。更に、このように配置されたバンドにおける空気の流れの圧力損失は、比較的わずかである。
【0014】
或いは、エンドレスに回転するバンドの2つの走行を、水平にすることもできる。これによって絞り作用は幾分高められるが、走行面は、空気の流れ方向に対して垂直になるので、この面が衝突面となり、これが、付着による純粋に機械的な堆積を増加させる。
【0015】
利点と欠点の間の妥協は、エンドレスに回転するバンドの2つの走行が、水平方向に対して0°でも90°でもない角度に合わされていることによって得られる。
【0016】
エンドレスに回転するバンドが、複数の重なり合った層に配置されていると、分離作用に関して、特に効果的である。
【0017】
これは、重なり合った層内のバンドの平行な走行が、水平方向に対して互いに反対の方向に傾斜していると、更に効果的である。
【0018】
少なくとも1つの分離部材は、回転可能なローラであってもよい。ローラは、比較的安価な部品である。ここでもまた欠点は、ローラ内部の容積が、分離作用に何ら寄与しないことである。
【0019】
平行な軸を有する複数のローラが、並んで又は重なって配置されていると、効果的である。この手段もまた、分離表面を拡大し、分離容量を増大させるために用いられる。
【0020】
各ローラの軸は、水平に延びることができる。この結果、垂直に延びるブースの空気流が、ローラの外表面に当接し、このようにしてこの外表面が衝突プレートとしての作用を有し、これが分離効率に関して効果的である。
【0021】
或いは、各ローラの軸は、垂直に延びることができる。この場合、これは、ローラが空気流に与える「衝突面積」が減少されることを意味するが、ローラと電極との間の電場内のオーバースプレイした粒子の滞留時間を増加させることになる。
【0022】
ここでもまた、各ローラの軸が、水平方向に対して0°でも90°でもない斜めの角度で延びれば、妥協することができる。この斜めの角度が小さくなるほど、ローラ外表面の「衝突作用」が強く表れ、角度が90°に近づくほど、オーバースプレイした粒子が電場内に滞留する時間が長くなる。
【0023】
分離部材の形態の他の可能性は、回転ディスクとしての形態である。この種のディスクは、バンド又はローラよりも更にコスト的に好ましく、「デッドスペース」が特に小さいという更なる利点を有している。
【0024】
分離表面を拡大するためには、複数のディスクを共通の軸上に互いに対して平行に配置することが好ましい。
【0025】
各ディスクの軸は、垂直に延びることができる。この場合、ディスクの主要面全体が、上述した主旨における衝突部材として作用する。
【0026】
或いは、上でローラについてすでに説明したように、各ディスクの軸は水平に延びることもでき、オーバースプレイした粒子が電場内に滞留する時間を延長することができる。
【0027】
ここでも、2つの、望ましいが排他的な作用の間で、各ディスクの軸が水平方向に対して0°でも90°でもない斜めの角度で延びることによって、妥協が得られる。
【0028】
本発明の有利な実施形態では、少なくとも1つの分離部材が、回転可能なスクリュー状の部材の形状を有している。この形態によって、軸方向に対する分離部材の移送作用が得られる。
【0029】
この場合、スクリュー状の部材の両側の面に当接する2つの調整ブレードを備えた調整ブレード装置が設けられていると、効果的である。
【0030】
この種の調整ブレード装置が、ガイドレール上で摺動可能に案内されている場合、この調整ブレード装置は、スクリュー状の部材が回動する際に連動されるので、極端な場合においては、スクリュー状の部材全体に対して調整ブレード装置1つで十分である。
【0031】
一般的に、電気的に並列に接続された複数の電極が設けられ、これが、分離部材の間の間隙内、又は分離部材とハウジングの壁との間の間隙内へ、嵌り込む。電極の数と密度は、オーバースプレイした粒子のできる限り完全なイオン化が得られるように、選択される。
【0032】
電極は、直線状のワイヤ又はバーの形状を有することができる。この簡単な形状が、低い価格を確実にする。
【0033】
電極は、1つの平面内で何回か前後に曲げられたワイヤ又はバーの形状を有することもできる。このようにして電極は、平面に似た特徴を獲得し、これが電極配置と通過する空気流れとの間の相互作用を増大させる。
【0034】
電極は、相互に離れる方向を向いた複数の電極尖端を有することもできる。既知のように、尖端には、特に強い電場が生じ、これがイオン化には特に有利である。更に、この種の電極は、細いワイヤ又はバーからなるものよりも、所定の運転時間後に容易に清掃することもできる。
【0035】
この種の電極は、ブース内の空気流れの中に、分離部材の前に配置することができ、この場合は特に保守目的のための接近が容易である。
【0036】
特に好ましい実施形態においては、空気供給装置は、少なくとも1つの電極が、ブースの空気とは別のイオン化用の空気流が供給されるように、設けられている。この場合、ブース内の空気とこれによって運ばれるオーバースプレイした粒子のイオン化は、まず別に送られた空気流がイオン化され、次にこの空気流から、ブース内の空気とオーバースプレイした粒子とにイオン化が伝達されることによって、少なくとも部分的に間接的に行われる。
【0037】
別の空気流が湿潤されていると、特に効果的である。というのは、この種の湿潤された空気流は、乾燥した空気よりも容易にイオン化されるからである。
【0038】
少なくとも1つの掻き取り装置は、調整ブレードとすることができ、この調整ブレードが、少なくとも1つの分離部材の表面から、オーバースプレイを掻き取る。オーバースプレイを表面から除去するこの機械的な手段は、特に確実であり、問題を生じない。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、分離部材の表面に湿潤液を供給することができる、少なくとも1つの装置を設けることができる。この湿潤液は、冒頭で説明した湿式分離機の場合の水とは異なり、少量しか使用されず、分離部材の表面を湿すだけである。湿潤液としては、例えば、オーバースプレイした粒子の表面上への堆積を促進する機能のみを有する、吸着剤が考えられる。分離部材の表面に堆積したオーバースプレイが早期に固まり、すぐに除去できなくなるのを防止するために、湿潤液として、溶剤又は場合によっては新鮮な塗料を、使用することも可能である。
【0040】
オーバースプレイした粒子をイオン化するためには、高電圧パルスを発生できる高電圧源が、利用できる。
【0041】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】オーバースプレイの分離装置の第1の実施形態の垂直断面を示した図である。
【図2】図1の分離装置を、前側の壁を取り去って示した斜視図である。
【図3】オーバースプレイの分離装置の第2の実施形態を、図1と同様の断面で示した図である。
【図4】図3の分離装置を、図2と同様に示す斜視図である。
【図5】オーバースプレイの分離装置の第3の実施形態を、図1及び3と同様の断面で示した図である。
【図6】図5の分離装置を示す、図2及び4と同様の斜視図である。
【図7】オーバースプレイの分離装置の第4の実施形態を、図1、3及び5と同様の断面で示した図である。
【図8】図7の分離装置を示す、図2、4及び6と同様の斜視図である。
【図9】オーバースプレイの分離装置の第5の実施形態を、図1、3、5及び7と同様の断面で示した図である。
【図10】図9の詳細を、拡大して示す断面図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿った断面図である。
【図12】図10と11の詳細を、更に拡大して示す斜視図である。
【図13】オーバースプレイの分離装置の第6の実施形態を、図1、3、5、7及び9と同様の断面で示した図である。
【図14】図13の分離装置を、図2、4、6及び8と同様に示す斜視図である。
【図15】オーバースプレイの分離装置の第7の実施形態を、図1、3、5、7、9及び13と同様の断面で示した図である。
【図16】図15の分離装置を、図2、4、6、8及び14と同様に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
まず、図1と2を参照する。ここに図示され、全体を参照符号1で示されるオーバースプレイの分離装置は、ハウジング2を有し、このハウジングは、この上方の領域においては矩形の断面と垂直の側壁を有し、下方の領域においては、斜め下方へ変化する2つの側壁2b、2cと、2つの垂直の前側の壁2d(図1と2には、1つのみが図示されている)によって画成されている。このようにして、ハウジング2の下方の領域は、漏斗状に形成されている。
【0044】
ハウジングの壁2b、2c及び2dの下方の端部によって画成される、「漏斗」の流出開口部2eの下方に、移送装置3が配置されている。移送装置3は、エンドレスコンベアベルト3aを有し、これが2つの方向変換ローラ3bを介して案内されている。図1と2では、この方向変換ローラ3bの1つだけが示されており、2つの方向変換ローラ3bの1つは、公知の態様で駆動されている。
【0045】
ハウジング2の、上方の直方体形状の領域2a内に、多数のエンドレススチールバンド4が相互に並んで配置されている。すべてのスチールバンド4は、相互に垂直方向上下に配置された2つの方向変換ローラ5又は6を介して、平行な走行が垂直方向に延びるように、案内されている。上方の方向変換ローラ5は、それぞれモータ7によって駆動されており、このモータは、ハウジング2の図中右側の側壁に取り付けられたボックス8内に矩形で図式的に示されている。モータ7と方向変換ローラ5との間の駆動の結合は、図式的に直線9で示されている。この駆動の結合9は、任意の手段で、例えばベルト、チェーン、駆動軸、歯車等を介して行うことができる。
【0046】
スチールバンド4のそれぞれ右側の走行の下方の領域の外側に、斜めに配置された調整ブレード10が当接している。同様な調整ブレードは、スチールバンド4の内側に取り付けることもできる(図示せず)。
【0047】
スチールバンド4の下方の端部と、ここに配置された方向変換ローラ6とは、それぞれ溝形状の、下方へ向かうと閉じ、上方へ向かうと開く、樋11内に沈んでいる。樋11には、処理される塗料に応じて、液状の吸着剤、溶剤、洗浄剤又は新鮮な塗料を供給することができる。
【0048】
隣接するスチールバンド4の垂直方向の走行に対して平行に、それぞれ電極12が延びており、この電極は、図示の実施形態では、何回も約180°曲げられたワイヤを備え、スチールバンド4のそれぞれの垂直方向の走行の高さと奥行き全体にわたって延びている。この態様が、特に図2に示されている。
【0049】
すべての電極12は、導線13を介して高圧電源14と接続されており、この高圧電源も同様に、ハウジング2の外側に設けられたボックス8内に収容されている。
【0050】
スチールバンド4の下方には、下方へ変化する、図1の図面平面に対して垂直方向に延びる2つの空気案内パネル15、16が配置されている。2つの斜めに延びる下方のハウジングの壁2bと2cの上方の端部と、この上に位置する、上方のハウジング領域2aの垂直方向のハウジングの壁の下方の端部と、の間に、それぞれ空気出口スリット17、18が設けられている。
【0051】
ハウジング2の上側は、部分的に、歩くことができ、側方へ移動可能な、グレーチング19によって形成されている。
【0052】
上述したオーバースプレイの分離装置1は、以下のように作動する。
【0053】
オーバースプレイした粒子を含んだブースの空気が、ハウジング2の内部へ、上方から矢印20の方向に、グレーチング19を通して供給される。このオーバースプレイした粒子は、まだ液状又は粘着性であるが、すでにある程度固まっている場合もある。この空気はまた、隣接するスチールバンド4の、垂直方向に延びる走行の間の領域に流入し、又は一番外側の2つのスチールバンド4の場合には、それぞれ外側に位置する走行と、隣接するハウジング2の壁と、の間の領域に流入する。高圧電源14は、すべての電極配置12に対し、通過する空気内のオーバースプレイした粒子をイオン化するのに十分な高電圧を印加する。
【0054】
これに対して、スチールバンド4は、アースに接続され、スチールバンドは、モータ7によって動かされる。この場合スチールバンドは、方向変換ローラ6の領域内で、溝状の樋11内の湿潤液内に沈んでいる。オーバースプレイした粒子は、スチールバンド4を通過する場合にスチールバンド4の外側の表面に堆積するので、必要に応じて湿潤液を用い、オーバースプレイのスチールバンド4からの除去を妨げる、スチールバンド4上での急激な固化を防止する。従って、動いているスチールバンド4に堆積したオーバースプレイを、調整ブレード10を用いて掻き取ることが、容易にできる。このオーバースプレイは、次に下方へ落下して、ハウジングの壁2b、2cによって移送装置3へ案内され、そこから、廃棄又は再処理のために、搬出される。
【0055】
スチールバンド4の間を通過する際にオーバースプレイを除去された空気は、空気案内パネル15と16によって一部は矢印21に示すように上方へ案内され、次に空気案内パネル15又は16の上方の端部と、隣接するハウジング2の垂直方向の壁と、の間の各間隙23を通して、再び下方へ案内される。空気流れのこの部分は、次に、空気出口スリット17、18を介して流出する。
【0056】
各スチールバンド4を通過した空気流れの他の部分は、矢印22の方向に、空気案内パネル15、16の下方の端部の下方を通過し、次に空気出口スリット17、18を通って流出する。浄化された空気は、次に−場合によっては特定の調整処理の後に−再びスプレイブースに供給される。調整処理は、特に温度又は空気湿度の再調整であり、場合によっては溶剤の除去を含む。
【0057】
図3と4に図示され、全体を参照符号101で示されている、オーバースプレイの分離装置の実施形態は、上述で図1と2を用いて説明したものに類似する。従って、対応する部分は、同じ参照符号に100を加えたものによって示されている。
【0058】
2つの実施形態において同一であるのは、下方へ向かって収斂する下方のハウジングの壁2b、2cと、102b、102c、上方のグレーチング19と119、及び空気出口スリット18と118、の形態である。
【0059】
2つの実施形態の間の主要な差異は、動かされる分離部材の形式にある。図1と2の実施形態のエンドレススチールバンド4の代わりに、図3と4の実施形態では、多数の重なり合い、かつ並んで配置された、スチール製の外表面を有するローラ104を備え、この軸が水平に延びており、かつ4つの重なり合った水平の平面内に位置している。これらの各平面内に、複数のローラ104が同じ高さで設けられている。この場合、配置は、隣接する平面内のローラ104が、互いに側方にオフセットするようにされ、下側に位置する平面内では、ローラ104は、上側に位置する平面の2つのローラ104の間の隙間の下方に、取り付けられている。
【0060】
すべてのローラ104は、歯付きベルトドライブ109を介してモータ107によって駆動され、このモータは、この実施形態においても、高圧電源107と同様に、図中では右側の、ハウジング102の側壁に設けられたボックス108内に収容されている。
【0061】
各ローラ104に、調整ブレード110が対向されており、この調整ブレードは、ローラ104の長さ全体にわたって水平方向に延びている。
【0062】
ローラの平面の間に電極112が延びており、この電極は、図1の実施形態の場合と同様に、それぞれ多数の個別ワイヤを備え、これがローラ104の軸に対して平行に延びている。電極112は、高圧電源107と電気的に接続されている。
【0063】
図1と2の図面左の空気出口スリット17は、図3と4においては省略されている。その代わりに、空気の一部は下方の流出開口部102eを介してハウジング102の下方の領域から離れ、次に、ハウジングの壁102bの外側に沿って上方へ向かって空気通路163内へ案内される。空気の他の部分は、第1の実施形態の場合と同様に空気出口スリット118を通過してそこで第2の空気通路164内へ到達する。2つの空気通路163と164は、合流して、外部へ又は空気浄化設備内へ通じている。
【0064】
移送システム103は、流出開口部102eのすぐ下に取り付けられた捕捉プレート160と、この隣に配置された溝162と、を有し、この溝内では例えばスクレーパーコンベアが動いている(図示せず)。空気圧で操作されるスライド装置161は、捕捉プレート160上に集まったオーバースプレイを、ときどき隣接する溝162内へ押しやるために用いられる。
【0065】
オーバースプレイの分離装置101の作動は、以下のとおりである。
【0066】
オーバースプレイした粒子を含んだ空気が、矢印120の示すように、グレーチング119を通ってハウジング102の室内へ流入する。この空気の大部分は、一番上の列の回転するローラ104の外表面に衝突し、このようにしてこの外表面は、「衝突面」として用いられる。これによって、ローラ104の外表面にオーバースプレイの大部分が堆積する。次に、空気が、ローラ104の外表面に沿って、一番上のローラの平面の隣接するローラ104間にあるスリット内へ流入し、そこで、上から供給される空気のうち、ローラ外表面上で直接跳ね返らない成分と合流する。
【0067】
一番上のローラの平面を通過した空気は、今度は上から2番目の平面のローラ10に衝突する。2つの平面におけるローラ104の配置は、上述したように互いにオフセットしているので、この空気流は上から2番目の平面内のローラ104の外表面に衝突する。次に、空気流が、上から2番目のローラの平面から下に、一番下のローラ104の平面を通過するまで、同じプロセスが繰り返される。
【0068】
ローラ104にオーバースプレイした粒子が堆積する効率は、静電的な手段で更に強化される。というのは、オーバースプレイした粒子は、電極配置112を通過する際にイオン化され、ローラ104のアースされた金属の外表面によって引きつけられるからである。
【0069】
ローラ表面に堆積したオーバースプレイは、調整ブレード110を用いて掻き取られ、図1と2の実施形態におけるのと同様に下方へ落下し、下方のハウジングの壁102b、102cによって移送システム103へ供給され、捕捉プレート160上へ落下する。そこから、オーバースプレイは、間欠的にスライダ161を用いて溝162内へ押しやられ、そこでスクレーパーコンベア等によって搬出される。
【0070】
浄化された空気は、流出開口部102eを介して空気通路163内へ、そして空気出口スリット118を介して空気通路164内へ流出する。
【0071】
図5と6に示すオーバースプレイの分離装置201の第3の実施形態も、上述した2つの実施形態と同様である。従って対応する部分は、第1の実施形態に対して200を加えた参照符号を有している。
【0072】
下方へ収斂する下方のハウジングの壁202b、202c、上方のグレーチング219、空気出口スリット217、218及び移送システム203を有するハウジング202は、上述した実施形態と完全に同一である。
【0073】
図3と4の第2の実施形態においては、水平方向に延びる軸を有する多数のローラ104が設けられていたが、図5と6の実施形態においては、マトリクス形状に配置された多数のローラ204が設けられており、ローラ204の軸は垂直方向に方向付けされている。すべてのローラ204は、歯付きベルトドライブ209を介してモータ207によって駆動される。ここでもまた、各ローラ204の母線に対して調整ブレード210が当接している。
【0074】
ローラ204の間の間隙に、多数の電極212が設けられており、この実施形態において、この電極は、直線状のワイヤ又はバーを備えて。すべての電極212は、高電圧装置207と電気的に接続されている。
【0075】
オーバースプレイの分離装置201のこの第3の実施形態の作動は、走行する分離部材の幾何学配置が異なることによる空気の詳細な流れの相違は別にして、上述した実施形態の作動と同一である。すなわち、図5と6の実施形態においては、矢印220に示すようにグレーチング219を通ってハウジング202の室内へ達する空気は、垂直に立つローラ204の間の間隙を垂直方向に流れる。オーバースプレイした粒子は、電極212によってイオン化され、ローラ204の、アースされた金属製の、特にスチール製の、外表面上に引きつけられる。そこで堆積したオーバースプレイは、調整ブレード210を用いて掻き取られ、ハウジング202の下方の領域内へ、そして最終的には移送装置203のコンベアベルト上へ落下する。
【0076】
浄化された空気は、上述した実施形態の場合と同様に、空気出口スリット217、218を介してオーバースプレイの分離装置から流出する。
【0077】
図7と8に示す、オーバースプレイの分離装置301の第4の実施形態は、走行する分離部材の態様が、上述した実施形態とは異なっている。図7と8に示す実施形態の、第1の実施形態の態様に対応する部分には、同じ参照符号に300を加えたものが付されている。
【0078】
エンドレスのスチールバンド又は水平又は垂直に配置されたローラの代わりに、実施形態301は、多数の円形のディスク304を備え、ディスクの両側の主要面が、分離表面として機能する。すべてのディスク304は、共通の軸330上に取り付けられており、この軸がモータ307によって回転される。モータ307と軸330の間の結合は、図面には詳細には示されていない。
【0079】
個々のディスク304間に、これに対して平行に、電極312が設けられており、この電極は、この場合おいてはU字状に曲げられた複数のワイヤの形状を有している。
【0080】
各ディスク304に、2つの調整ブレード310が対向されており、この調整ブレードがそれぞれのディスク304の両側の主要面に当接している。
【0081】
図7と8のオーバースプレイの分離装置301の作動は、ここでも同じである。
【0082】
矢印320の方向に供給され、グレーチング319を貫流する空気が、回転するディスク304間の間隙内へ流入する。これらのディスク304が垂直方向に対して斜めにされていることに基づいて、空気の大部分は単純にディスク304の主要面に接して通過するのではなく、この主要面上に衝突して、そこで方向変換されるので、ディスク304が同時に衝突パネルとして作用する。水平に延びるローラ104を有する実施形態の場合と同様に、このように空気流が衝突することによって、オーバースプレイの一部が、空気流の衝突するディスクの主要面に堆積する。分離作用が、更に改良されており、電極配置312が、オーバースプレイした粒子をイオン化し、イオン化した粒子が次に、アースされたディスク304に吸着される。
【0083】
ディスク304の主要面上に堆積したオーバースプレイは、調整ブレード310によって掻き取られ、下方へ落下するので、最終的に移送システム303によって除去することができる。
【0084】
浄化された空気は、空気出口スリット317、318を介してオーバースプレイの分離装置301のハウジング302から排出される。
【0085】
図9から12に示すオーバースプレイの分離装置401の実施形態は、図3と4に示す実施形態とは、ローラ104と404の方向付けと、電極配置112と412のみが異なる。これは特に、2つの実施形態がハウジング102と402、グレーチング119と419、空気出口スリット117、118と、417、418、移送システム103と403、及び調整ブレード110と410、の形態に関して完全に一致していることを意味している。
【0086】
図9のローラ404の軸は、図3のローラ104の軸に対して垂直に延びている。更に、図9には、ローラ軸が配置された5つの平面がある。ただし、この5つの平面のうち、3つしか図示されていない。見やすくするために、図面では、中間に位置する2つの平面は省略されている。
【0087】
しかし、図9の実施形態においては、ローラ404間に延びるまっすぐな、又は曲げられたワイヤの代わりに、ローラ404の一番上の平面の上方に配置された、イオン化装置450が使用されている。このイオン化装置450は、水平の平面内に平行に延びる多数のパイプ440を備え、このパイプには、規則的な軸方向間隔で、下方へ向いた流出短管441が設けられている。空気は、送風機443によって、導管442を介して、パイプ440の内部に供給される。
【0088】
この空気は、ブースの空気であり、又は調整処理された、特に湿潤された空気とすることができる。
【0089】
パイプ440の内部に、中央の領域内で軸に対して平行に、それぞれ支柱444が延びており、これに多数の電極412が固定されている。支柱444は、絶縁体445によってパイプ440に保持されている(図11を参照)。各電極412は、垂直に延びる支持パイプ412aを備え、この支持パイプの上方の領域が、例えば、ねじ結合によって、支柱444と結合されている。
【0090】
各支持パイプ412aの内部に、高電圧源414が収容されており、これが図10と11に矩形で図式的に示されている。比較的低い電圧が、別々の支柱444と支持パイプ412aを通って延びる導管(図示せず)を介して、すべての高電圧源414に供給されている。高電圧源414は、これらの供給電圧から高電圧を発生させる。高電圧源414の出力は、星状に配置された、下方へ向かって分岐する電極尖端412bと接続されており、これらが支持パイプ412aの下方の端部に取り付けられている。
【0091】
支持パイプ412aの外表面の下方の領域は、特に図12に明らかなように、多数の空気案内羽根446を支持している。
【0092】
図9から12に示すオーバースプレイの分離装置401の実施形態の作用を説明するためには、案内される空気とオーバースプレイした粒子のイオン化の特性の違いを説明すれば十分である。イオン化は、以下のように行われる。
【0093】
グレーチング419を通ってハウジング402の内部へ到達した、オーバースプレイした粒子を含んだ空気は、イオン化装置412のパイプ440の間を通り抜け、次に、パイプ440の流出短管441から流出してくる適切に調整処理された空気と、混合される。特にこの調整処理された空気は、電極尖端412bにおいてイオン化され、イオン化は、流出短管441から流出する空気が、パイプ440の間を通り抜けてくる空気と混合される際に、パイプ440の間を通り抜けてくる空気に伝達される。次に、イオン化されたオーバースプレイした粒子が、この下に位置するローラ404を通過するときに、図3と4の実施形態と同様に堆積する。
【0094】
いま説明した実施形態404のイオン化装置450の、他の実施形態の電極12、112、212及び312に対する利点は、清掃の改良ができることである。
【0095】
図13と14に示す分離装置の実施形態は、分離部材、掻き取り装置及び電極以外は、すべての構成要素に関して、図1と2の実施形態と一致する。図13と14において、対応する部分は、図1と2の参照符号と同じ参照符号に500を加えて示されている。
【0096】
図13と14の分離装置501の分離部材は、軸530の回りに巻かれたスクリュー状の部材504によって形成されている。スクリュー状の部材504は、スチールパネルを備え、複数のねじ山を有し、かつモータ507によって駆動されることが好ましい。調整ブレード装置510は、スクリュー状の部材504の両面に当接する2つの調整ブレード510a、510bを有している。調整ブレード装置は、水平のガイドレール570上で摺動可能である。電極512は、多数のまっすぐなワイヤ又はバーを備え、これらは、スクリュー状の部材504の軸530に対して平行に延びており、スクリュー状の部材504の軸と同軸の円筒の表面の上に位置している。
【0097】
運転中に、スクリュー状の部材504の両側の面上にオーバースプレイが堆積した場合に、このオーバースプレイは、スクリュー状の部材504が回転することによって、2つの調整ブレード510aと510bとによって、掻き取ることができる。この場合、調整ブレード装置510は、スクリュー状の部材504が回転する間、受動的に連動され、ガイドレール510上を走行する。スクリュー状の部材504の回転は、連続的に又は間欠的に行うことができる。
【0098】
図15と16に示す最後の実施形態は、分離部材の構造に関して、図1と2の実施形態に似ており、ハウジングと移送システムの構造に関しては、図3と4の実施形態に似ている。図15と16において対応する部分は、図1と2におけるのと同じ参照符号に600を加えて示されている。
【0099】
図15と16における分離部材は、ここでも回転するエンドレスのスチールバンド604である。これらは、ここでは重なり合った2つの「層」604aと604b内に配置されている。下方の層のスチールバンド604aは、上方の層のスチールバンド604bに対して側方へオフセットしており、下方のスチールバンド604aの上方の方向変換ローラ605aは、上方のスチールバンド604bの下方の方向変換ローラ606bの間であって下側の、隙間に位置している。上方のスチールバンド604bと下方のスチールバンド606aの平行の走行は、垂直方向に対して反対方向に傾斜しているので、図15の側面図において、一種のヘリンボーンパターンが生じる。この配置によって、オーバースプレイを含む粒子が、スチールバンド604a、604bの走行を簡単に通過することができず、確実に衝突し、方向変換させられる。
【0100】
すべての実施形態において、運転の目的が達成される限りにおいて、移送システム、空気ガイド及び電極の種類は、任意に変更することができる。移送システムの上に配置された、下方へ向かって開放されたハウジングの漏斗の代わりに、樋の中でスクレーパー装置が堆積したオーバースプレイを除去する、閉じた樋を設けることもできる。
【0101】
電極には、一定値の直流電流の代わりに、パルス状の直流電流を印加することもできる。
【0102】
上述したすべての実施形態において、空気は上から下へ垂直方向に流れる。しかし、空気の流れ方向が水平方向の分離装置も考えることができる。この場合おいては、上述した分離装置は、方向の記載「垂直」を「水平」に、方向の記載「水平」を「垂直」に、90°回転させて利用することができる。90°とは異なる角度だけ回転させることもまた、考えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装用ブースの、塗料のオーバースプレイを含んだ空気から、オーバースプレイを分離する装置であって、
a)ハウジングと、
b)ハウジング内に配置された少なくとも1つの分離部材であって、前記分離部材の表面に沿ってブースの空気を案内することができ、この結果、オーバースプレイした粒子が前記分離部材の表面上に付着し、空気が、部分的に又は完全に浄化されて流れる、前記分離部材と、
c)分離されたオーバースプレイを、前記分離部材の表面から除去する装置と、
を備え、
d)前記分離部材(4;104;204;304;404;504;604)の表面が、電気的に伝導性があり、高電圧源(14;114;214;314;414;514;614)の一方の端子に接続されており、
e)前記分離部材(4;104;204;304;404;504;604)が、空気流内に配置された電極(12;112;212;312;412;512;612)に対向し、前記電極が高電圧源(14;114;214;314;414;514;614)のもう一方の端子に接続されており、
f)前記分離部材(4;104;204;304;404;504;604)を連続的又は間欠的に動かすことができる装置(7;107;207;307;407;507;607)が設けられており、
g)前記分離部材(4;104;204;304;404;504;604)が、掻き取り装置(10;110;210;310;410;510;610)に対向し、前記掻き取り装置が、前記分離部材(4;104;204;304;404;504;604)と前記掻き取り装置(10;110;210;310;410;510;610)との間の相対運動を利用して、前記分離部材(4;104;204;304;404;504;604)の表面上のオーバースプレイを掻き取る、
ことを特徴とする、塗料のオーバースプレイを分離する装置。
【請求項2】
少なくとも1つの分離部材が、エンドレスに回転するバンド(4)であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
複数のエンドレスに回転するバンド(4)が、並んで配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
エンドレスに回転するバンド(4)の、2つの走行が、垂直方向に方向づけされていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
エンドレスに回転するバンドの、2つの走行が、水平方向に方向付けされていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項6】
エンドレスに回転するバンド(604)の、2つの走行が、水平方向に対して0°でも90°でもない角度で方向づけされていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項7】
エンドレスに回転するバンド(604a、604b)が、複数の相互に重なり合った層に配置されていることを特徴とする、請求項2から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
重なり合った層のバンド(604a、604b)の平行な走行が、水平方向に対して反対方向に傾斜していることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの分離部材が、回転可能なローラ(104;204;404)であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
平行な軸を有する複数のローラ(104;204;404)が、隣同士並んで又は上下に重なって配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
各ローラ(104;404)の軸が、水平方向に延びていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
各ローラ(204)の軸が、垂直方向に延びていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項13】
各ローラの軸が、水平方向に対して0°でも90°でもない、斜めの角度で延びていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの分離部材が、回転ディスク(304)であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
複数のディスク(304)が、共通の軸(330)上に互いに平行に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
各ディスクの軸が、垂直方向に延びていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
各ディスクの軸が、水平方向に延びていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項18】
各ディスク(304)の軸(330)が、水平方向に対して、0°でも90°でもない斜めの角度で延びていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つの分離部材(604)が、回動可能なスクリュー状の部材であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、前記装置が、調整ブレード装置(510)を有し、前記調整ブレード装置が、スクリュー状の部材(504)の両面に当接する、2つの調整ブレード(510a、510b)を有していることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記調整ブレード装置(510)が、ガイドレール(570)上で摺動可能に案内されていることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
電気的に並列に接続された複数の電極(12;112;212;312)が設けられており、前記電極が、分離部材(4;104;204;304)間の間隙又は分離部材(4;104;204;304)とハウジング(2;102;202;302)の壁との間の間隙内へ嵌り込むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも1つの電極(112;212)が、直線状のワイヤ又はバーの形状を有していることを特徴とする、請求項1から22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
少なくとも1つの電極(12;312)が、必要に応じて何回も、平面内で前後に曲げられた、ワイヤ又はバーの形状を有していることを特徴とする、請求項1から23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの電極(412)が、互いに離れる方向を向いた、多数の電極尖端(412b)を有していることを特徴とする、請求項1から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記電極(412)が、ブース内の空気流れの中で、前記分離部材(404)の上流に配置されていることを特徴とする、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
空気供給装置(440、441、442、443)が設けられ、前記空気供給装置によって、少なくとも1つの電極(412)が、ブース内の空気とは無関係な、イオン化するための別の空気流を供給されることを特徴とする、請求項1から26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記別の空気流が、湿潤されていることを特徴とする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
少なくとも1つの掻き取り装置が、調整ブレード(10;110;210;310:410)であって、前記調整ブレードが、少なくとも1つの分離部材(4;104;204;304;404)の表面からオーバースプレイを掻き取ることを特徴とする、請求項1から28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記分離部材(4)の表面に湿潤液を供給することができる、少なくとも1つの装置(11)が設けられている、請求項1から29のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記高電圧源(14;114;214;314;414:514;614)が、高圧パルスを発生させることができることを特徴とする、請求項1から30のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−534123(P2010−534123A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517289(P2010−517289)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005620
【国際公開番号】WO2009/012892
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(500509117)アイゼンマン アンラゲンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (3)
【Fターム(参考)】