オーバーレイエラーを測定するための半導体デバイス、オーバーレイエラーを測定するための方法、リソグラフィ装置、およびデバイス製造方法
【課題】高い精度での電気的測定によるオーバーレイの決定を含むデバイスを製造するための方法を提供する。
【解決手段】半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスは第1および第2のトランジスタを含む。各トランジスタはゲートと関連する2つの拡散領域を含み、各トランジスタの拡散領域は第1の方向に配置されている。第2のトランジスタは第1の方向に垂直な第2の方向において第1のトランジスタに隣接して配置されている。第1および第2のゲートはそれぞれ不同形状を有し、そして、第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で第1のゲートの向きに対して配向されている。
【解決手段】半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスは第1および第2のトランジスタを含む。各トランジスタはゲートと関連する2つの拡散領域を含み、各トランジスタの拡散領域は第1の方向に配置されている。第2のトランジスタは第1の方向に垂直な第2の方向において第1のトランジスタに隣接して配置されている。第1および第2のゲートはそれぞれ不同形状を有し、そして、第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で第1のゲートの向きに対して配向されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイエラーを測定するための半導体デバイス、オーバーレイエラーを測定するための方法、リソグラフィ装置、およびデバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は基板上、通常は基板のターゲット部分上に所望のパターンを照射する機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用することができる。この事例では、代わりにマスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを、ICの個々の層上に形成されるべき回路パターンを生成するために使用することができる。このパターンは基板(例えば、シリコンウェーハ)上の(例えば、ダイの一部、1つのダイ、または、いくつかのダイを含む)ターゲット部分上に転写することができる。パターンの転写は、典型的に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上へのイメージングを介する。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含む。知られているリソグラフィ装置は、一度にターゲット部分上にパターン全体を露光することにより各ターゲット部分が照射される所謂ステッパ、および、特定の方向(「スキャン」方向)において放射ビームを介してパターンがスキャンされる一方、これと同期して、この方向と平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分が照射される所謂スキャナを含む。基板にパターンをインプリントすることによりパターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
集積回路は、上記に説明したように、各々が自身の固有のパターンに従ってパターニングされている複数の個別の層から形成されている。パターン形成された各層は、設計に従った集積回路が形成できることを確実にするために、各層が上に所在している以前のパターニング済みの層との特定の位置合わせまたはオーバーレイを有さなければならない。この理由のために、リソグラフィプロセスは、全てのパターンが互いに関して位置合わせされることを必要とする。位置合わせの正確さのための目安は、連続するパターン間の所謂オーバーレイ、すなわち、先行する作成されたパターン上に重ねられた1つのパターンである。オーバーレイの不整合は一般にオーバーレイエラーと呼ばれる。
【0004】
オーバーレイは、第1のパターニング工程中に第1の層に作成された1つの部分と、後続のパターニング工程中に後続の層に作成された他の部分とを含むオーバーレイマーカーの手段により光学的に測定することができる。この2つの部分の相対位置はオーバーレイのための目安として使用される。この手順は、集積回路の生産段階中に必要な回数だけ繰り返すことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、オーバーレイは、集積回路の生産段階の完了後に、生産高をオーバーレイに基本的に相関付ける電気的測定値の手段により測定することができる。このような電気的測定値は、単純なブール型結果(Boolean results)、すなわち2つの層の間に短絡が存在するか否か、を典型的に提供する。典型的に、従来技術は、特定のオーバーレイエラーに達した際に短絡または断線を作り出す様々な既知変位を伴った構造アレイに対する電気的測定値を適用する。全ての構造は測定されており、かつ、動作中/非動作中の境目がオーバーレイを決定している。オーバーレイエラーは、組み込まれた変位よりも小さな精度では決定できない。この動作方法の短所は、きめ細かい測定が多数の構造と測定値を必要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術の方法と比較して相対的に高い精度での電気的測定によるオーバーレイの決定を含むデバイスを製造するための方法を持つことが望ましい。
【0007】
一態様において、本発明は、半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスであって、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されている、デバイスに関する。
【0008】
有利に、本発明は、上述したようにオーバーレイエラーの離散値の決定のみを可能にする従来技術の方法とは対照的に、連続スケールでのオーバーレイエラーの測定を可能にする。
【0009】
第2の態様において、本発明は、半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスの製造の方法であって、
半導体基板上に第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを設けること、
第1のトランジスタに、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を設けること、
第2のトランジスタに、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を設けること、を含み、
第1および第2のトランジスタをそれぞれ形成するための半導体基板の第1および第2の半導体表面領域を形成すること、
第1の半導体表面領域上に第1のゲート、および第2の半導体表面領域上に第2のゲートを作成すること、をさらに含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されている、方法に関する。
【0010】
第3の態様において、本発明は、半導体基板上のリソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定するための方法であって、リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されている少なくとも1つの半導体デバイスを含み、
方法は、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を決定すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を決定すること、および、第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定する工こと、を含む、方法に関する。
【0011】
第4の態様において、本発明は、リソグラフィ装置であって、放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスサポートと、基板を保持する基板テーブルと、基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
入力ポート、プロセッサ、メモリ、および、出力ポートをさらに含み、
プロセッサは、入力ポート、メモリ、および、出力ポートに接続され、
プロセッサは、入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに電気的に接続するように構成され、
少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含む半導体基板上のオーバーレイエラーを決定し、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向され、
プロセッサは、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信し、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信し、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定し、
デバイスパラメータ差からオーバーレイエラーの値を決定する、リソグラフィ装置に関する。
【0012】
第5の態様において、本発明は、コンピュータによりロードされるコンピュータ読取可能媒体上のコンピュータプログラムであって、コンピュータは、プロセッサ、メモリ、入力ポート、および出力ポートを含み、メモリはプロセッサに接続され、入力ポートおよび出力ポートは各々がプロセッサに接続され、コンピュータはリソグラフィ装置の一部であり、リソグラフィ装置は、放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスと、基板を保持する基板テーブルと、基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
プロセッサは、入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに接続され、
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向され、
ロードされた後のコンピュータプログラムは、プロセッサが、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、を実行することを可能にする、コンピュータプログラムに関する。
【0013】
第6の態様において、本発明は、デバイス製造方法であって、パターニングデバイスから基板上にリソグラフィパターンを転写することを含み、半導体基板上のリソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定することをさらに含み、リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む少なくとも1つの半導体デバイスの一部を含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されており、
方法は、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、および
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、を含む、方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
対応する参照記号が対応する部分を示す付属の該略図を参照して、一例のみとして、本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置の概略を示す図である。この装置は、
放射ビームB(例えば、紫外放射または極紫外放射)を調節するように構成された照射システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、かつ、特定のパラメータによりパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
基板(例えば、レジストコートされたウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ、特定のパラメータにより基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに与えられたパターンを基板Wの(例えば、1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分C上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折型投影レンズシステム)を含む。
【0016】
照射システムは、放射を誘導、整形、または制御するための屈折、反射、磁気、電磁気、静電気、もしくは、他のタイプの光コンポーネント、または、それらのあらゆる組合せなどの様々なタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0017】
サポート構造はパターニングデバイスを支持、すなわち、同デバイスの重量を持ち応える。同構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、例えばパターニングデバイスが真空環境において保持されているか否かなどの他の条件に依存する方法でパターニングデバイスを保持する。サポート構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電的、または、他のクランプ技術を使用することができる。サポート構造は、必要に応じて固定または可動とすることができる、例えばフレームまたはテーブルとすることができる。サポート構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに関して、所望の位置にあることを確実にすることができる。本明細書における用語「レチクル」または「マスク」のいずれの使用も、より全般的な用語「パターニングデバイス」と同義であると考えることができる。
【0018】
本明細書において使用されている用語「パターニングデバイス」は、基板のターゲット部分にパターンを作成するなどのために、放射ビームにその断面にてパターンを与えるために使用できるいずれのデバイスも指すと広く解釈されたい。例えば、パターンが位相シフトフィーチャまたは所謂アシストフィーチャを含む場合など、放射ビームに与えられたパターンが基板のターゲット部分において所望のパターンに正確には対応しない可能性があることにも注意されたい。一般に、放射ビームに与えられたパターンは、集積回路などのターゲット部分に作成されつつあるデバイスにおける特定の機能層に対応している。
【0019】
パターニングデバイスは透過型または反射型とすることができる。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイ、および、プログラマブルLCDパネルを含む。マスクは、リソグラフィにおいて周知であり、かつ、バイナリ、レベレンソン型(alternating)位相シフト、および、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびに、様々な混合マスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの例は、小型ミラーのマトリクス配列を採用しており、同ミラーの各々は、入来する放射ビームを異なった方向に反射するように個別に傾けることができる。傾けられたミラーは、ミラーマトリクスにより反射された放射ビーム内にパターンを与える。
【0020】
本明細書において使用されている用語「投影システム」は、使用されている露光用放射に対して、または、液浸液の使用もしくは真空の使用などの他の要因に対して適切であるような屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁気、および静電気の光学系、または、それらの何らかの組合せを含むいずれのタイプの投影システムも包含するとして広く解釈されたい。本明細書における用語「投影レンズ」のいずれの使用も、より全般的な用語「投影システム」と同義であると考えることができる。
【0021】
本明細書に示されたように、装置は(例えば、透過型マスクを採用している)透過型のものである。代案として、装置は(例えば、上記に言及されたタイプのプログラマブルミラーアレイを採用したか、または、反射型マスクを採用した)反射型のものとすることができる。
【0022】
リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)またはこれより多くの基板テーブル(および/または、2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものとすることができる。このような「マルチステージ」機においては、追加のテーブルは並行して使用することができるか、または、1つまたは複数のテーブルが露光のために使用されている間に、予備工程を1つまたは複数の他のテーブル上で実行することができる。
【0023】
リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすために、基板の少なくとも一部が比較的大きな屈折率を有する液体、例えば水により覆われることが可能なタイプのものとすることもできる。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間などのリソグラフィ装置における他の空間にも適用することができる。液浸技術は投影システムの開口数を大きくするために当技術分野では周知である。本明細書において使用されている用語「液浸」は、基板などの構造体が液体中に沈下していなければならないことを意味するのではなく、むしろ、露光中に液体が投影システムと基板との間に所在することのみを意味している。
【0024】
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受光する。例えば放射源がエキシマレーザであると、放射源およびリソグラフィ装置は別個の実体とすることができる。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成しているとは考えられず、かつ、放射ビームは、例えば適した誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダなどを含むビームデリバリシステムBDの支援を得て、放射源SOからイルミネータILに通過される。他の場合、放射源は、例えば放射源が水銀ランプであると、リソグラフィ装置の一体化された一部とすることができる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要であればビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼ぶことができる。
【0025】
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを含むことができる。一般的に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも(一般にそれぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれる)外側および/または内側半径範囲は調整が可能である。加えて、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの様々な他の構成部分を含むことができる。イルミネータは、放射ビームの断面において所望の均一度および強度分布を有するように、放射ビームを調節するために使用することができる。
【0026】
放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、かつ、パターニングデバイスによりパターニングされる。マスクMAを横切ってから、放射ビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームを合焦させる投影システムPSを通過する。第2のポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または、容量センサ)の支援を得て、基板テーブルWTは、例えば放射ビームBの経路内に異なった各ターゲット部分Cを位置決めするように正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMおよび(図1には明示的に描かれていない)他の位置センサは、例えばマスクライブラリからの機械式取出しの後、または、スキャン中に、放射ビームBの経路に関してマスクMAを正確に位置決めするために使用することができる。全般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)の支援を得て実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現することができる。(スキャナに対抗するものとしての)ステッパの場合、マスクテーブルMTはショートストロークアクチュエータのみに接続することができるか、または、固定することができる。マスクMAおよび基板WはマスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントすることができる。示されているような基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占有しているが、これらのマークはターゲット部分間の各空間(これらの空間はスクライブレーンアライメントマークとして知られている)に所在することができる。同様に、2個以上のダイがマスクMA上に設けられている状況では、マスクアライメントマークはダイ間に所在することができる。
【0027】
示された装置は、以下のモードの少なくとも1つにおいて使用することができる。
【0028】
1.ステップモードにおいて、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTは基本的に静止に保たれる一方、放射ビームに与えられたパターン全体が一度にターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一静止露光)。続いて、基板テーブルWTは、異なったターゲット部分Cを露光することができるようにXおよび/またはY方向に移動される。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズが単一静止露光においてイメージングされるターゲット部分Cのサイズを制限している。
【0029】
2.スキャンモードにおいて、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTは同期してスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTを基準とした基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの拡大(縮小)倍率およびイメージ反転特性により決定することができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズが単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅を制限しているのに対し、スキャン移動の長さはターゲット部分の(スキャン方向における)高さを決定している。
【0030】
3.他のモードにおいて、マスクテーブルMTは基本的に静止に保たれ、プログラマブルパターニングデバイスを保持し、基板テーブルWTは移動されるか、または、スキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影される。このモードにおいて、全般に、パルス放射源が採用され、かつ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの各移動の後に、または、スキャン中の連続した放射パルス間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上記に言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用したマスクレスリソグラフィに直ちに適用することができる。
【0031】
上記に説明した使用のモードまたは完全に異なった使用のモードの組合せおよび/またはそれらへの変形も採用することができる
【0032】
図2は本発明の第1の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【0033】
半導体基板100上において、オーバーレイを測定するための半導体デバイス1は2つの電界効果トランジスタT1およびT2を含んでいる。
【0034】
第1の電界効果トランジスタT1は方向Yにおいて延在し、かつ、第1の拡散領域A1、第2の拡散領域A2、および、第1と第2の拡散領域A1、A2との間に所在する(図示されていない)第1のチャンネル領域R1を含んでいる。
【0035】
第1のチャンネル領域R1の上方に、第1のゲート部分G1および第2のゲート部分G2を含む不同形ゲートG1、G2が所在する。第1のゲート部分G1および第2のゲート部分G2は、第1の拡散領域A1と第2の拡散領域A2との間に互いに平行に延在する。
【0036】
ゲートG1、G2は、第1のゲート部分G1の(方向Yにおける)ゲート長が第2のゲート部分G2のゲート長とは異なることにおいて不同形である。すなわち、チャンネル領域R1上の不同形ゲートの第1のゲート部分G1は長さL1を、すなわち、第1の拡散領域A1から第2の拡散領域A2への方向において有する。第2のゲート部分G2は長さL2を有する。第1のゲート部分G1の長さL1は第2のゲート部分G2の長さL2に比較して小さい。
【0037】
第2の電界効果トランジスタT2は、方向Yに垂直な第2の方向Xにおいて、第1の電界効果トランジスタT1に隣接している。
【0038】
第1および第2のトランジスタは、例えばシャロートレンチアイソレーションSTI(shallow trench isolation)などの隔離領域により方向Xにおいて互いから分離されている。
【0039】
この実施形態において、第2電界効果トランジスタT2は第1の電界効果トランジスタT1と実質的に同様のレイアウトを有する。第2のトランジスタT2のレイアウトは、方向Yにおいて延在しているミラー線Mに関して、第1の電界効果トランジスタT1の鏡像となっている。
【0040】
第2のトランジスタT2は方向Yにおいて延在し、かつ、第3の拡散領域A3、第4の拡散領域A4、および、第3と第4の拡散領域A3、A4との間に所在する(図示されていない)第2のチャンネル領域R2を含んでいる。
【0041】
第2のチャンネル領域R2の上方に、第3のゲート部分G3および第4のゲート部分G4を含む第2の不同形ゲートG3、G4が所在する。
【0042】
第2の電界効果トランジスタT2の第3のゲート部分G3は、ミラー線Mに垂直な接続線CGにより、隣接した第1の電界効果トランジスタT1の第2のゲート部分G2に接続されている。
【0043】
第2の不同形ゲートの第3のゲート部分G3は、第2のゲート部分G2の第2のゲート長L2に実質的に等しい第3のゲート長L3を有する。
【0044】
第4のゲート部分G4は第4のゲート長L4を有する。第4のゲート部分G4の第4のゲート長L4は、第3のゲート部分G3の第3のゲート長L3に比較して小さい。
【0045】
ミラー線Mにおいて鏡像となっている通りの第1および第2のトランジスタT1、T2の対称的な設計により、第2のトランジスタT2の第4のゲート部分G4の第4のゲート長L4は、第1のトランジスタT1の第1のゲート部分G1の第1のゲート長L1と実質的に同一である。
【0046】
同様に、拡散領域A1、A2、A3、A4およびチャンネル領域R1、R2の(方向Xにおける)サイズWは実質的に同一である。
【0047】
各トランジスタT1、T2は自身の拡散領域の一方A1、A3への第1の拡散コンタクトC1、C3、自身の拡散領域の他方A2、A4への第2の拡散コンタクトC2、C4、および、自身の不同形ゲートG1、G2;G3、G4へのゲートコンタクトを含んでいる。
【0048】
第1および第2の電界効果トランジスタは平行な構造体として設計されており、第2の不同形ゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1の不同形ゲートの向きに対して配向されている。
【0049】
この実施形態において、第2の電界効果トランジスタT2は第1の電界効果トランジスタT1と実質的に同一であり、かつ、第1および第2の電界効果トランジスタは実質的に対称的な鏡像レイアウトに設計されている。したがって、第1のトランジスタにおけるオーバーレイエラーの影響の第1の幅は、第2のトランジスタにおけるオーバーレイエラーの影響の第2の幅と実質的に等しくなるが、第1のトランジスタに対する影響は第2のトランジスタに対する影響の符号とは逆の符号を有する。
【0050】
さらなる実施形態においては、ゲートレベル上に接続線G5を設ける代わりに、接続線を、例えば金属−1レベル(metal-1 level)におけるインターコネクトラインとしても実施できる。
【0051】
上述の半導体デバイスは、(例えば、CMOS技術を使用した)標準的なリソグラフィ手順を使用して製造することができる。
【0052】
半導体デバイスの製造は、以下の一連の工程を含むことができる(図2、4、および、5を参照)。
【0053】
半導体基板上において、シャロートレンチアイソレーション領域STIは、一連のリソグラフィ、エッチング、絶縁体(例えば、二酸化シリコン)の堆積、および、化学機械式研磨(CMP chemical mechanical polishing)のシーケンスにより規定される。シャロートレンチアイソレーションSTIは、第1および第2のトランジスタT1、T2が作成されることになる半導体の表面領域の境界を定める。
【0054】
必要であれば、以下の工程においてウェルインプランテーション(well implantation)が行われる。次に、ゲート誘電体Gが基板の半導体表面上に堆積され、ゲート材料の堆積がこれに続く。続いて、第1および第2のトランジスタT1、T2の不同形ゲートG1、G2、G3、G4、ならびに、2つのゲートの間の接続線G5が、リソグラフィおよびエッチングにより規定される。場合により、追加のインプランテーションが(ゲートをマスクとして使用して)行われる。続く工程において、スペーサSPが作成される。続いて、高濃度ドープドレイン(HDD heavily doped drain)プロファイルを得るために、ソース/ドレイン領域A1、A2、A3、A4にインプランテーションが行われる。その後、ソース/ドレイン領域およびゲートは珪化物で覆われうる。次の工程において、ソースドレイン領域への、および、不同形ゲートへのコンタクトが、コンタクト積層物の堆積、積層物のリソグラフィ、コンタクトホールのエッチング、(例えば、タングステンでの)コンタクトホールの充填、および、平坦化(CMP)により形成される。
【0055】
本発明によれば、ゲートの規定は不同形ゲートG1、G2、G3、G4の作成を含む。
【0056】
上述の本発明による半導体デバイスの製造プロセスが説明のためのみのものであり、代案となる実施は当業者により知られている。
【0057】
以下、第1および第2のトランジスタT1、T2の構造が図4および5を参照してより詳細に説明される。
【0058】
図3は第1の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの原理を示している。
【0059】
図3において、第1の実施形態による2つの半導体デバイス1、1’が示されている。
【0060】
半導体デバイス1、1’の手段によるオーバーレイの測定の原理は、1対のトランジスタを整合させるための測定技術に基づいている。実質的に同様である電界効果トランジスタT1、T2などのデバイスは、これらの電界効果トランジスタT1、T2が半導体基板上に比較的に緊密に一緒に間隔を空けられていると、実質的に同じ性能を有する。この状況において、電界効果トランジスタの性能は、トランジスタのオン電流(on-current)、オフ電流(off-current)、または、閾値電圧(threshold voltage)などのデバイスパラメータに関連することができる。
【0061】
基本的電界効果トランジスタ(すなわち、各トランジスタが単一のゲートを有する)の1つまたは複数の性能パラメータを測定するための「整合」測定技術('matching' measurement technique)は、当技術分野においては知られている。このような基本的な電界効果トランジスタに対する測定は、測定されたパラメータ値の分布を備えた結果をもたらす。このような分布は、典型的に、1対の整合している電界効果トランジスタのゼロ差値の周囲に中心を持っている。
【0062】
本発明においては、製造中にゲートの幅の方向において(すなわち、方向Xに沿って)オーバーレイエラーが全く発生しなければ、各電界効果トランジスタが現在この方向Xに沿って不同形のゲートを有するという事実により、整合しているトランジスタの対T1、T2の分布は中心を持つのみとなっている。
【0063】
不同形ゲートは、各電界効果トランジスタT1、T2を、一方のゲート部分G1、G4に対する第1のトランジスタ部分P1、P4と、他方のゲート部分G2、G3に対する第2のトランジスタ部分P2、P3とに効果的に分割する。
【0064】
そのため、例えば第1の電界効果トランジスタT1に対して測定されたデバイスパラメータZは、第1のトランジスタ部分P1に関連した第1のデバイスパラメータ成分ZP1および第2のトランジスタ部分P2に関連した第2のデバイスパラメータ成分ZP2を含む。
【0065】
トランジスタ部分P1、P2の各々の幅を考慮すると、
Z≡ZP1*W1+ZP2*W2 (1)
ここで、W1は第1のトランジスタ部分P1の幅に等しく、かつ、W2は第2のトランジスタ部分の幅に等しい。(第1のトランジスタ部分P1のチャンネル長L1が第2のトランジスタ部分P2のチャンネル長(L2)とは等しくないため、ZP1はZP2と等しくないことに注意されたい。)
【0066】
図3の上部において、オーバーレイエラーが発生していない状態が示されている。この場合、第1のゲート部分の幅は第2のゲート部分の幅、すなわち、2で除されたチャンネル領域の幅、W/2(すなわち、W1=W2=W/2)に等しい。
【0067】
線Mにおいて鏡像関係にあるにしても、第2の電界効果トランジスタT2は第1の電界効果トランジスタT1と同一であるため、第2のトランジスタT2のデバイスパラメータZは、第1のトランジスタT1のものと実質的に同じとなる。
【0068】
整合測定により、第1のトランジスタT1に対して測定されたデバイスパラメータ(例えば、オン電流、オフ電流、または、閾値電圧)と、第2のトランジスタT2に対する同じデバイスパラメータとの間の差を決定することができる。
【0069】
上述のような実質的に等しいサイズの2つの部分への各トランジスタT1、T2のチャンネル領域の幅Wの分割は例に過ぎず、第2の鏡像になったトランジスタにも同じ分割が適用されることを条件として、トランジスタT1、T2の他の分割も適用できる。半導体デバイス1の代案実施形態が図7を参照して以下に示される。
【0070】
トランジスタT1、T2が実質的に同一である(すなわち、第1のトランジスタの不同形ゲートが、オーバーレイエラーなしに第2のトランジスタの不同形ゲートに関して正確に鏡像となっている)という仮定に基づくと、測定されたデバイスパラメータの差は(理想的には)ゼロとなる。
【0071】
図3の下部において、半導体デバイス1’が示されており、同デバイス1’において、方向X、すなわちチャンネル領域の幅に沿って延在するオーバーレイエラーΔが発生している。第1のトランジスタT1’および第2のトランジスタT2’の双方の上において、不同形ゲートは、オーバーレイエラーにより方向Xに沿って距離Δにわたり移動されている。
【0072】
チャンネル領域に比較したゲートのオーバーレイエラーΔにより、第1のトランジスタT1’は幅W/2+Δを持つ第1のゲート部分G1’および幅W/2−Δを持つ第2のゲート部分G2’を示し、ならびに、第2のトランジスタT2’は幅W/2+Δを持つ第3のゲート部分G3’および幅W/2−Δを持つ第4のゲート部分G4’を示す。
【0073】
ゲート部分G1’、G2’、G3’、G4’の異なったオーバーレイを除くと、トランジスタT1’、T2’はさらに実質的に同一であると仮定される。(この点に関しては、半導体デバイス1’において同じ参照番号を持つ実体は、半導体デバイス1の同じ実体を指す。)
【0074】
結果によれば、第1のトランジスタT1’から測定されたデバイスパラメータZ1は、(数式1への類推において)少なくともΔ<<Wに対して、以下に等しくすることができ、
Z1≡ZP1*(W/2+Δ)+ZP2*(W/2−Δ) (2)
かつ、第1のトランジスタT2’から測定されたデバイスパラメータZ2は、少なくともΔ<<Wに対して、以下に等しくすることができ、
Z2≡ZP1*(W/2−Δ)+ZP2*(W/2+Δ) (3)
そして、
Z1−Z2≡(ZP1−ZP2)*2Δ (4)
【0075】
ZP1がZP2とは等しくないため、Z1とZ2との間の差はゼロに等しくはないが、オーバーレイエラーΔに比例する。
【0076】
有利に、本発明による半導体デバイス1は、オーバーレイエラーΔの離散値の決定を可能にするのみである上述した通りの従来技術の方法とは対照的に、連続スケールでのオーバーレイエラーΔの測定を可能にする。
【0077】
各々が固有のかつ既知の設計組み込みオーバーレイエラー(designed-in overlay error)εを持つ数個の半導体デバイス1のアレイを設けることにより、実際のオーバーレイエラーΔを決定するために線形回帰法を使用することができる。設計組み込みの固有のオーバーレイエラーε(に加えて、未知の実際のオーバーレイエラーΔ)の関数としてデバイスパラメータ(すなわち、Z1−Z2)の差が測定される。この差に対する結果は、(上記に提示された数式による)実質的に線形の曲線をもたらす設計組み込みオーバーレイエラーεの関数としてプロットされる。続いて、この曲線の線形回帰係数が決定される。決定された線形回帰係数から、実際のオーバーレイエラーΔを、測定されたデバイスパラメータ差がゼロとなるこの曲線とオーバーレイエラーεの軸との交点から算出することができる。
【0078】
有利に、特定のデバイス世代またはノードについて、線形回帰法の感度はその特定のデバイス世代またはノードに対して、設計組み込みオーバーレイエラーεの一連の値を適合することにより調整することができる。なぜなら、可能なオーバーレイエラーの大きさがそのデバイス世代のクリティカルディメンション(すなわち、半導体デバイスの表面構造体の最小サイズ)に依存して異なることがあるからである。例えば、130nmノードのデバイスにおけるオーバーレイエラーΔの3σ誤差は約20nmであるのに対して、65nmノードに対するオーバーレイエラーΔの3σは約8〜10nmである。
【0079】
半導体デバイスの関連寸法は以下のようにすることができる。拡散領域およびチャンネル領域の幅W=500nm、第1(第4)のゲート長L1(L4)=150nm、および、第2(第3)のゲート長L2(L3)=250nm。
【0080】
設計組み込みオーバーレイエラーεの値は、5nm刻みで一連の5〜30nmの範囲とすることができる。
【0081】
半導体デバイス1は、その特定の方向におけるオーバーレイの測定のために様々な方向に位置合わせできる。例えば、半導体デバイスは、リソグラフィ装置のスキャン方向に沿って、または、垂直に(すなわち、それぞれスキャン方向および非スキャン方向に沿って)のいずれかに配置されている第1のゲート部分G1、第2のゲート部分G2、第3のゲート部分G3、および、第4のゲート部分G4を含む制御ゲート線と位置合わせすることができる。
【0082】
加えて、本発明の半導体デバイス1が標準的なCMOSプロセスのシーケンスにより生産することができるため、半導体デバイス1(または、半導体デバイス1のアレイ)は大型デバイス構造における埋め込み構造として容易に使用することができる。
【0083】
さらに、本発明による半導体1(のアレイ)は、マイクロ電子デバイスに含まれる補正電子デバイスとしても使用することができる。動作中に、このマイクロ電子デバイスは、例えば評価回路による半導体デバイス1の測定を可能にし、かつ、測定された結果からマイクロ電子デバイスの組立て中に発生するオーバーレイエラーを決定可能とすることができる。このことは、オーバーレイエラーに敏感である1つまたは複数の機能ブロックを含むマイクロ電子デバイスに対する内部補正として有用とすることができる。
【0084】
上述の実施形態において、第1のトランジスタの第1のゲートの不同形形状は、鏡像ではあっても第2のトランジスタの第2のゲートの形状と同一である。本発明によれば、第1のトランジスタの第1のゲートの不同形形状は第2のトランジスタの第2のゲートの不同形形状と異なってもよい。トランジスタに対するオーバーレイエラーの影響の大きさは、そのトランジスタのゲートの形状に関連することができる。第1と第2のゲートの形状の差に起因して、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響とは異なる第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響を測定することにより、オーバーレイエラーをやはり決定することができる。当業者は、このことが較正手順および/または追加の数学的解決工程を必要とすることがあることを理解されよう。
【0085】
図4は、図2の線IV−IVに沿ってオーバーレイを測定するための半導体デバイスの第1の領域の断面図である。
【0086】
半導体基板100の表面において、第1および第2の拡散領域A1、A2には、A1とA2の間に所在する第1のチャンネル領域R1が配置されている。
【0087】
薄い誘電体層またはゲート酸化物Gがチャンネル領域R1を覆っている。
【0088】
ゲート酸化物Gの頂部には、第1のゲート部分G1が配置されている。スペーサSPは側壁S1を覆っている。第1のゲート部分G1は方向Yにおいて長さL1を有する。
【0089】
図5は、図2の線V−Vに沿ってオーバーレイを測定するための半導体デバイスの第2の領域の断面図である。
【0090】
半導体基板100の表面において、第1および第2の拡散領域A1、A2には、A1とA2の間に所在する第1のチャンネル領域R1が配置されている。
【0091】
薄い誘電体層またはゲート酸化物Gがチャンネル領域R1を覆っている。
【0092】
ゲート酸化物Gの頂部には、第2のゲート部分G2が配置されている。側壁S1はスペーサSPにより覆われている。第1のゲート部分G2は方向Yにおいて長さL2を有する。
【0093】
半導体デバイス1が装備された特定のマイクロ電子デバイスに対してリソグラフィプロセスにより発生されたオーバーレイエラーΔは、半導体デバイスが自身が電気的に測定可能な状態に達した後に半導体デバイス1のデバイスパラメータの測定により決定することができる。測定の結果は、特定のマイクロ電子デバイスの製造において使用されたリソグラフィ装置に対する補正係数を提供するために使用することができる。
【0094】
図6は、既出の各図に示された半導体デバイスのさらなるレイアウトの平面図である。
【0095】
図6において、同じ参照番号を持つ実体は既出の各図に示された同じ実体を指す。
【0096】
第1および第2のトランジスタT1、T2は金属配線へのコンタクトを有する。当業者には知られているように、金属配線は、半導体基板100の表面に形成されたトランジスタの上方のレベルに典型的に所在する。金属配線のレベルとトランジスタとの間には、この金属配線とトランジスタを電気的に分離している少なくとも1つの絶縁層がある。
【0097】
第1のトランジスタT1は、第1の拡散領域A1を第1の金属線M1に、および、第2の拡散領域A2を第2の金属線M2にそれぞれ接続している複数の第1および第2のコンタクトS1a、S1b、S1c、S2a、S2b、S2cを含んでいる。
【0098】
同様に、第2のトランジスタT2は、第3の拡散領域A3を第3の金属線M3に、および、第4の拡散領域A4を第4の金属線M4にそれぞれ接続している複数の第3および第4のコンタクトS3a、S3b、S3c、S4a、S4b、S4cを含んでいる。
【0099】
各拡散領域上の複数のコンタクトは、同コンタクトの位置が、個々の拡散領域に対応したトランジスタのデバイスパラメータの測定には実質的に影響を及ぼさない方法で構築されている。図6において、拡散領域当り3つの四角形のコンタクトが示されているが、拡散領域には異なった数(すなわち、少なくとも1つ)のコンタクトが使用できる。同様に、拡散領域上の1つまたは複数のコンタクトの形状が同図に示されたものとは異なって、例えば長方形でもよい。
【0100】
図2に示された半導体デバイス1の実施形態において、第1と第2のトランジスタT1、T2の不同形ゲートG1、G2、G3、G4の間の接続線G5は、第5の金属線M5への単一共通コンタクトCCにより接続されている。
【0101】
第1、第2、第3、第4、および、第5の金属線M1、M2、M3、M4、M5は、第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2のデバイスパラメータをそれぞれ測定するために(図示されていない)回路への接続を提供するために、半導体基板上に配列されている。
【0102】
図7は、本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイス10の上面図である。図7において、既出の各図において示された同じ参照番号を持つ実体は既出の各図における対応する実体を指す。
【0103】
既出の各図においては、第1のトランジスタT1の不同形ゲートG1、G2および第2のトランジスタT2の不同形ゲートG3、G4が、半導体デバイスの縦方向Yに関して対称である半導体デバイス1が説明された。
【0104】
図7に示された実施形態において、半導体デバイス10は、個々の不同形ゲートが方向Yに沿って対称的な設計を有する不同形ゲートG1、G2を持つ第1のトランジスタT1および不同形ゲートG3、G4を持つ第2のトランジスタT2を含んでいる。第1のトランジスタT1の不同形ゲートの第1のゲート部分G1は、第1のトランジスタT1の第2のゲート部分G2の側壁13と実質的に一致する縦方向Yにおいて延在する側壁12を有する。
【0105】
同様に、第2のトランジスタT2の不同形ゲートの第4のゲート部分G4は、第2のトランジスタT2の第3のゲート部分G3の側壁13と実質的に一致する縦方向Yにおいて延在する側壁14を有する。
【0106】
この設計により、導電体G1、G2、G3、G4における不連続は低減される。このようにして、ゲート部分G1、G2、G3、G4を介したより均一な電流を、および、その結果としてデバイスのより線形な応答を得ることができる。
【0107】
図8は、本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイス25の上面図である。
【0108】
図8において、既出の各図に示された同じ参照番号を持つ実体は既出の各図に示された対応する実体を指す。
【0109】
トランジスタの電子特性は、デバイスの有効面積、すなわちチャンネルの有効面積とともに変化するとして知られている。Pelgromの法則(Pelgrom's law)は、標準的な変化が有効チャンネル面積の平方根に反比例すると述べている。この実施形態においては、チャンネル面積が比較的拡大されている半導体デバイスが提供されている。トランジスタの有効チャンネル面積を拡大することにより、半導体デバイス間での変化を低減することができる。有効チャンネル面積の拡大は、第1および第2のトランジスタT1、T2の複合体を使用することにより達成される。各複合トランジスタT1、T2はそれぞれグループのトランジスタTG1、TG2を含んでいる。各グループにおいて、トランジスタは、各グループにおいて複数のトランジスタを直列に結合するための中間拡散領域を備えて、それぞれ第1と第2の拡散領域および第3と第4の拡散領域の間の直列接続に配置されている。
【0110】
第1のグループのトランジスタTG1は複数の第1のトランジスタ、ここに示された実施例において3つのトランジスタT1a、T1b、T1cを含んでいる。第2のグループのトランジスタTG2は、第1のグループに対する同じ数のトランジスタ、ここに示された実施例において3つのトランジスタT2a、T2b、T2cを含んでいる。半導体デバイスの電子特性の必要な正確度および許容されている変化に依存して、第1および第2のグループ内でいずれの数のトランジスタも使用することができる。
【0111】
各グループにおけるトランジスタは一列の直列接続に配置されている。第1のグループのトランジスタTG1において、トランジスタT1aは第1の中間拡散領域A1aによりトランジスタT1bに結合され、トランジスタT1bは第2の中間拡散領域A2aによりトランジスタT1cに結合されている。第2のグループのトランジスタTG2において、トランジスタT2aは第3の中間拡散領域A3aによりトランジスタT2bに結合され、トランジスタT2bは第4の中間拡散領域A4aによりトランジスタT2cに結合されている。直列接続は、図9を参照して以下に説明されるように、より詳細に説明される。
【0112】
上記に説明されたように、各グループのトランジスタTG1、TG2において、各トランジスタT1a、T1b、T1c、T2a、T2b、T2cは不同形ゲートG1a、G2a、G1b、G2b、G1c、G2c、G3a、G4a、G3b、G4b、G3c、G4cを有する。各トランジスタのゲートG1a、G2a、G1b、G2b、G1c、G2c、G3a、G4a、G3b、G4b、G3c、G4cは、ゲートが方向Yにおいて、第1のゲート部分の(方向Yにおける)ゲート長が第2のゲート部分のゲート長とは異なっている第1の部分G1a、G1b、G1c、G4a、G4b、G4cと第2のゲート部分G2a、G2b、G2c、G3a、G3b、G3cとに分割されていることにおいて不同形である。
【0113】
この実施形態において、ゲート部分G2a、G2b、G2c、G3a、G3b、G3cは中央ゲート体CGにより相互に接続されている。このようにして、使用中に、全てのトランジスタの全てのゲート部分に同一のゲート電圧をかけることができる。
【0114】
図9は、図8における線IX−IXに沿って示された半導体デバイスの断面図である。半導体基板100の表面において、拡散領域A1、A1a、A2a、A2は、拡散領域A1とA1aとの間に所在するトランジスタT1aの第1のチャンネル領域R1a、拡散領域A1aとA2aとの間のトランジスタT1bの次のチャンネル領域R1b、ならびに、拡散領域A2aとA2との間のトランジスタT1cのさらなるチャンネル領域R1cを備えて配置されている。
【0115】
薄い誘電体層またはゲート酸化物Gは各チャンネル領域R1a、R1b、R1cを覆っている。
【0116】
ゲート酸化物Gの頂部上には、トランジスタT1aのゲート部分G1aがチャンネル領域R1aを覆って配置され、トランジスタT1bのゲート部分G1bがチャンネル領域R1bを覆って配置され、かつ、トランジスタT1cのゲート部分G1cがチャンネル領域R1cを覆って配置されている。各チャンネル領域R1a、R1b、R1cはチャンネル長L1を有する。スペーサSPは各ゲート部分の側壁を覆っている。第1のコンタクトC1は拡散領域A1上に配置され、かつ、第2のコンタクトC2は拡散領域A2上に配置されている。
【0117】
当業者により理解されるように、第1のグループのトランジスタTG1のゲート部分G2a、G2b、G2cは、これらのゲート部分G2a、G2b、G2cの各々の下方のチャンネル長L2がゲート部分G1a、G1b、G1cの各々の下方のチャンネル長L1より長いことを除いて、図9に示されたものと同様の形で配置されている。同様に、第2のグループのトランジスタTG2が第1のグループのトランジスタTG1と同じレイアウトを有している。
【0118】
図10は、本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイス30の上面図である。
【0119】
図10において、既出の各図に示されたものと同じ参照番号を持つ実体は既出の各図における対応する実体を指す。この実施形態において、半導体デバイスは図8および9に示されたものと同じ第1および第2のグループのトランジスタTG1、TG2を含んでいる。ここに示された半導体デバイスの実施形態は、第1および第2のグループのトランジスタの第2のゲート部分G2a、G2b、G2c、G3a、G3b、G3cがそれぞれ、拡散領域A1、A3と拡散領域A2、A4との間に延在する単一の第2のゲート部分G2、G3に結合されていることが、図8および9に示された実施形態と異なる。線XI−XIに沿った第1のグループのトランジスタの断面図は、図11に示されている。第2のグループのトランジスタTG2が第1のトランジスタTG1と同じレイアウトを有している。
【0120】
上述されたような実施形態における半導体デバイスは、デバイスの縦方向に沿った一次元オーバーレイ測定が可能である。XおよびY方向における基板上のオーバーレイを測定するために、上述されたような実施形態の1つによる構造体を、同構造体の縦方向がそれぞれXおよびY方向に沿って基板上に定置する必要がある。以下、2つの直交する方向におけるオーバーレイの組合せ測定を可能にする本発明による組立て済み半導体デバイスの構造が説明される。
【0121】
図12は、本発明の実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図を示している。
【0122】
このような組立て済み半導体デバイスは、第1および第2のトランジスタが第1の方向(例えば、方向X)に沿って位置合わせされている既出の各図に示された半導体デバイスの1つを取り上げ、かつ、その半導体デバイスを、その第1の半導体デバイスを基準として90度にわたり回転された第2の同一の半導体デバイスと組み合わせること、すなわち、第2の半導体デバイスにおいて、個々の第1および第2のトランジスタが第1の方向に垂直な第2の方向に沿って位置合わせされている、により形成することができる。2つの半導体デバイスは、自身の個々の第1および第2のトランジスタの不同形ゲート間の導電体を共有している。
【0123】
組立て済み半導体デバイス40は、不同形ゲートG1、G2を持つ第1のトランジスタT1、不同形ゲートG3、G4を持つ第2のトランジスタT2、不同形ゲートG5、G6を持つ第1の追加トランジスタT3、および、不同形ゲートG7、G8を持つ第2の追加トランジスタT4を含んでいる。
【0124】
4つのトランジスタT1、T2、T3、T4は、全てのトランジスタの不同形ゲートを接続するために共通ゲート体CGを共有している。
【0125】
各トランジスタは2つの拡散領域A間に所在する不同形ゲートの下方のチャンネル領域を含んでいる。
【0126】
第1および第2のトランジスタT1、T2は、第1の方向Xに沿って位置合わせされ、第1および第2の追加トランジスタT3、T4は第1の方向Xに垂直な第2の方向Yに沿って位置合わせされている。
【0127】
第1および第2の追加トランジスタは、第1および第2のトランジスタと同じ形で機能する。
【0128】
図13は、さらなる実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図を示している。
【0129】
図12に示された組立て済み半導体デバイスは、各トランジスタT1、T2、T3、T4を修正されたトランジスタT5、T6、T7、T8と直列に配置することによりさらに延長することができ、ここで、各トランジスタは、修正されたトランジスタと共通の拡散領域Aを有する。修正されたトランジスタは、直列に配置されたトランジスタを基準として、設計組み込みオーバーレイエラーExまたはEyを有する。設計組み込みオーバーレイエラーは、トランジスタおよび修正トランジスタの向きに依存して第1の方向Xまたは第2の方向Yのいずれかにおいて延長する。
【0130】
コンタクトC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8はトランジスタおよび修正トランジスタの各々の拡散領域A、AA上に配置されている。トランジスタおよび付属の修正トランジスタの共通拡散領域上のコンタクトは、トランジスタおよび修正トランジスタにより共有されている。
【0131】
この実施形態において、組立て済み半導体デバイスの各角部の拡散領域AAは、その角部のトランジスタにより共有されている。図14は、本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための組立て済み半導体デバイスの上面図を示している。
【0132】
この実施形態において、図13に示された組立て済み半導体デバイスのトランジスタおよび修正済みトランジスタは各々が、複合トランジスタT51、T52、T53、T54、T55、T56、T57、T58からなる。各複合トランジスタT51、T52、T53、T54、T55、T56、T57、T58は、トランジスタエレメントのグループT51a、T51b、T51c;T52a、T52b、T52c;T53a、T53b、T53c;T54a、T54b、T54c;T55a、T55b、T55c;T56a、T56b、T56c;T57a、T57b、T57c;T58a、T58b、T58cにそれぞれ分割される。
【0133】
複合トランジスタは、水平方向および垂直方向に沿った実質的に直交の構造のエッジ部に沿って対(T51、T53;T55、T57;T52、T54;T56、T58)として配置されている。
【0134】
図9を参照して既に説明されたように、各複合トランジスタの各グループ内に、トランジスタエレメントが直列接続されている。この実施例において、各複合トランジスタは、2つの外側拡散領域AA間で、直列に接続された3つのトランジスタエレメントに分割され、隣接したトランジスタエレメントの各対間には中間拡散領域Aがある。各複合トランジスタは、1つのトランジスタエレメントを含むいずれかの適した数の個別のトランジスタエレメントを含む。
【0135】
各グループにおける各トランジスタエレメントは、第1のゲート部分の下方のチャンネル長が第2のゲート部分の下方のチャンネル長とは異なっている形で配置された第1のゲート部分および第2のゲート部分を持つ不同形ゲートを有する。
【0136】
組立て済み半導体デバイス50の全ての不同形ゲートは共通ゲート体CGに接続されている。
【0137】
直交構造複合トランジスタT51の一方の水平側面には、複合トランジスタT53が直列に配置されている。直交構造複合トランジスタT52の他方の水平側面には、複合トランジスタT54が直列に配置されている。複合トランジスタT51に直接に面した反対側の水平側面上の複合トランジスタT52は、複合トランジスタT51と実質的に同一に設計されている。同様に、複合トランジスタT53に直接に面した反対側の水平側面上の複合トランジスタT54は、複合トランジスタT53と実質的に同一に設計されている。
【0138】
実質的に直交構造複合トランジスタT55の一方の垂直側面には、複合トランジスタT57が直列に配置されている。直交構造複合トランジスタT56の他方の垂直側面には、複合トランジスタT58が直列に配置されている。複合トランジスタT56に直接に面した反対側の垂直側面上の複合トランジスタT55は、複合トランジスタT56と実質的に同一に設計されている。同様に、複合トランジスタT58に直接に面した反対側の垂直側面上の複合トランジスタT57は、複合トランジスタT58と実質的に同一に設計されている。
【0139】
コンタクトC51、C52、C53、C54、C55、C56、C57、および、C58は、各2つの隣接した複合トランジスタの間に(共通の拡散領域上に)配置されている。複合トランジスタT51はコンタクトC51を複合トランジスタT55と共有し、コンタクトC52を複合トランジスタT53と共有している。複合トランジスタT53はコンタクトC53を複合トランジスタT56とさらに共有している。複合トランジスタT56はコンタクトC55を複合トランジスタT58と共有している。複合トランジスタT58はコンタクトC58を複合トランジスタT54とさらに共有している。さらに、複合トランジスタT54はコンタクトC57を複合トランジスタT52と共有している。複合トランジスタT52はコンタクトC56をトランジスタT57と共有し、かつ、複合トランジスタT57はコンタクトC54を複合トランジスタT55と共有している。
【0140】
構造の各側面の中央に所在するコンタクトC52、C54、C55、C57は、(図示されていない)金属線によりインターコネクト、すなわち、相互に接続されている。
【0141】
共通ゲート体CGには、1つまたは複数のゲートコンタクトCG50、CG51、CG52、CG53が設けられている。
【0142】
ゲートコンタクトCG50、CG51、CG52、CG53の数は、半導体デバイスの実際の特徴のサイズおよび各複合トランジスタ内のトランジスタエレメントの実際の数に依存して変化することができる。
【0143】
直交構造の同じ側面上の複合トランジスタ間には、設計組み込みオーバーレイエラーが配置されている。ダッシュ線により示されているように、設計組み込みオーバーレイエラーEyは複合トランジスタT51と複合トランジスタT53との間に存在する。同様に、同じ設計組み込みオーバーレイエラーEyが複合トランジスタT52と複合トランジスタT54との間の直交構造の反対側に存在する。
【0144】
同様に、点線により示されているように、設計組み込みオーバーレイエラーExが複合トランジスタT55と複合トランジスタT57との間に存在する。同様に、同じ設計組み込みオーバーレイエラーExが複合トランジスタT56と複合トランジスタT58との間の直交構造の反対側に存在する。
【0145】
上述の構造において、角部コンタクトC51、C53、C56、C58の各々から構造の各側面の中央に所在する相互に接続された中央コンタクトC52、C54、C55、C57への4つの電流を測定することができる。
【0146】
4つの電流から、複合トランジスタの第1のゲート部分における電流密度、複合トランジスタの第2のゲート部分における電流密度、および、水平および垂直の方向XおよびYにおける実際のオーバーレイΔを計算することができる。
【0147】
代案実施形態において、複合トランジスタの不同形ゲートは図11に示されたものと同じ形で配置され、ここで、各複合トランジスタのトランジスタエレメントの第2のゲート部分は単一の第2のゲート部分として結合されている。
【0148】
図15は、本発明によるリソグラフィ装置の回路を示している。
【0149】
本発明の1つの態様において、リソグラフィ装置には、入力ポートI1、プロセッサCPU、および、メモリMEMを含む回路C1が設けられている。入力I1は、半導体デバイス1により、または、そのような半導体デバイス1のアレイにより、測定され得た、または、上述のいずれかの方法で決定されたオーバーレイエラーΔに関連したオーバーレイエラー信号Oを受信するように構成されている。プロセッサCPUはオーバーレイエラー信号Oを受信するために入力ポートI1に接続されている。同様に、プロセッサCPUはメモリMEMおよび出力ポートO1に接続されている。出力ポートO1はマスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFに(または、マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFをそれぞれ制御するために(鎖線で示された)少なくとも1つの制御部CUに)接続されている。
【0150】
プロセッサCPUは、受信されたオーバーレイエラー信号OからオーバーレイエラーΔを決定するように、かつ、マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFの少なくとも1つ(または、マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFの少なくとも1つの制御部CU)にオーバーレイエラー補正信号OCSを供給するように、さらに構成されている。
【0151】
マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFの少なくとも1つにオーバーレイエラー補正信号OCSを供給することにより、リソグラフィ装置は、例えば生産中に発生する可能性のある同装置の設定の変化またはドリフトを、補正することができる。
【0152】
プロセッサCPUは1つのボックスとして示されているが、プロセッサCPUは、当業者に知られているように、互いから離れて所在することができる並列に機能するか、または、1つのメインプロセッサにより制御されているいくつかの演算部を含むことができる。
【0153】
プロセッサCPUの機能は、上述の機能を実行するためのハードウェアまたはソフトウェア構成部分のいずれかにおいて実施することができる。当業者は、本発明の機能がハードウェアおよびソフトウェア構成部分の組合せによっても達成できることを理解されよう。当業者により知られているように、アナログまたはデジタルのいずれかのハードウェア構成部分はプロセッサCPU内に存在することができるか、プロセッサCPUとインターフェイスされている独立した回路として存在することができる。さらに、ソフトウェア構成部分がプロセッサCPUに接続されたメモリ領域MEM内に存在できることは、当業者により理解されよう。メモリMEMも内蔵メモリとしてプロセッサCPUと一体化することができる。
【0154】
本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に対して特に言及しているかもしれないが、本明細書に説明されているリソグラフィ装置が、集積光学系、磁気ドメインメモリのためのパターンの誘導および検出、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造などの他の実用例を有することができることを理解されたい。当業者は、そのような代案実用例の状況において、本明細書における用語「ウェーハ」または「ダイ」のいずれの使用もより一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」とそれぞれ同義であると考えられることを理解されよう。本明細書において言及された基板は、例えば、トラック(典型的に、基板にレジストの層を塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツールおよび/またはインスペクションツールにおいて、露光の前または後にプロセスすることができる。適用される場合、本明細書における開示はこのような、および他の基板プロセスツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを作成するために、2回以上プロセスすることができ、そのため、本明細書において使用されている用語「基板」はプロセス済みの多数の層を既に含む基板を指すこともできる。
【0155】
光リソグラフィにおける本発明の実施形態の使用に対する特定の言及が上で行われたかもしれないが、本発明が他の実用例、例えば、インプリントリソグラフィなどに使用でき、かつ、状況が許容する場合には光リソグラフィに限定されない。インプリントリソグラフィにおいて、パターニングデバイスにおける微細構造は基板上に作成されるパターンを規定する。パターニングデバイスの微細構造は、基板に供給されたレジストの層内に押圧することができ、その基板上でレジストは、電磁放射、熱、圧力、または、それらの組合せを与えることにより硬化される。パターニングデバイスはレジストから外され、レジストが硬化された後にレジスト内にパターンを残す。
【0156】
本明細書において使用されている用語「放射」および「ビーム」は、(例えば、365、355、248、193、157、または、126nmの、または、その付近の波長を有する)紫外(UV)放射および(例えば、5から20nmの範囲の波長を有する)極端紫外(EUV)放射、ならびに、イオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含めた全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0157】
状況が許容すれば、用語「レンズ」は、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型
、および、静電型の光コンポーネントを含めて様々なタイプの光コンポーネントのいずれか1つまたは組合せを指すことができる。
【0158】
本発明の特定の実施形態が上記に説明された一方、本発明が説明されたもの以外に実施できる。例えば、本発明は、上記に開示された方法を記述した機械読取可能な指令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、または、内部にそのようなコンピュータプログラムを記憶したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁性または光学ディスク)の形態を取ることができる。
【0159】
上記の説明は限定的ではなく例示的であることを意図されている。したがって、当業者には、冒頭に述べられた特許請求の範囲から逸脱せずに、説明された如くの本発明に、修正を行えることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図3】オーバーレイを測定するための半導体デバイスの原理を示す図である。
【図4】オーバーレイを測定するための半導体デバイスの第1の領域の断面図である。
【図5】オーバーレイを測定するための半導体デバイスの第2の領域の断面図である。
【図6】図2に示された半導体デバイスのレイアウトを示す図である。
【図7】本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図9】図8に示された半導体デバイスの断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図11】図10に示された半導体デバイスの断面図である。
【図12】本発明の実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図である。
【図13】さらなる実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図である。
【図14】本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図15】リソグラフィ装置の回路を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイエラーを測定するための半導体デバイス、オーバーレイエラーを測定するための方法、リソグラフィ装置、およびデバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は基板上、通常は基板のターゲット部分上に所望のパターンを照射する機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用することができる。この事例では、代わりにマスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを、ICの個々の層上に形成されるべき回路パターンを生成するために使用することができる。このパターンは基板(例えば、シリコンウェーハ)上の(例えば、ダイの一部、1つのダイ、または、いくつかのダイを含む)ターゲット部分上に転写することができる。パターンの転写は、典型的に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上へのイメージングを介する。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含む。知られているリソグラフィ装置は、一度にターゲット部分上にパターン全体を露光することにより各ターゲット部分が照射される所謂ステッパ、および、特定の方向(「スキャン」方向)において放射ビームを介してパターンがスキャンされる一方、これと同期して、この方向と平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分が照射される所謂スキャナを含む。基板にパターンをインプリントすることによりパターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
集積回路は、上記に説明したように、各々が自身の固有のパターンに従ってパターニングされている複数の個別の層から形成されている。パターン形成された各層は、設計に従った集積回路が形成できることを確実にするために、各層が上に所在している以前のパターニング済みの層との特定の位置合わせまたはオーバーレイを有さなければならない。この理由のために、リソグラフィプロセスは、全てのパターンが互いに関して位置合わせされることを必要とする。位置合わせの正確さのための目安は、連続するパターン間の所謂オーバーレイ、すなわち、先行する作成されたパターン上に重ねられた1つのパターンである。オーバーレイの不整合は一般にオーバーレイエラーと呼ばれる。
【0004】
オーバーレイは、第1のパターニング工程中に第1の層に作成された1つの部分と、後続のパターニング工程中に後続の層に作成された他の部分とを含むオーバーレイマーカーの手段により光学的に測定することができる。この2つの部分の相対位置はオーバーレイのための目安として使用される。この手順は、集積回路の生産段階中に必要な回数だけ繰り返すことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、オーバーレイは、集積回路の生産段階の完了後に、生産高をオーバーレイに基本的に相関付ける電気的測定値の手段により測定することができる。このような電気的測定値は、単純なブール型結果(Boolean results)、すなわち2つの層の間に短絡が存在するか否か、を典型的に提供する。典型的に、従来技術は、特定のオーバーレイエラーに達した際に短絡または断線を作り出す様々な既知変位を伴った構造アレイに対する電気的測定値を適用する。全ての構造は測定されており、かつ、動作中/非動作中の境目がオーバーレイを決定している。オーバーレイエラーは、組み込まれた変位よりも小さな精度では決定できない。この動作方法の短所は、きめ細かい測定が多数の構造と測定値を必要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術の方法と比較して相対的に高い精度での電気的測定によるオーバーレイの決定を含むデバイスを製造するための方法を持つことが望ましい。
【0007】
一態様において、本発明は、半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスであって、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されている、デバイスに関する。
【0008】
有利に、本発明は、上述したようにオーバーレイエラーの離散値の決定のみを可能にする従来技術の方法とは対照的に、連続スケールでのオーバーレイエラーの測定を可能にする。
【0009】
第2の態様において、本発明は、半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスの製造の方法であって、
半導体基板上に第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを設けること、
第1のトランジスタに、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を設けること、
第2のトランジスタに、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を設けること、を含み、
第1および第2のトランジスタをそれぞれ形成するための半導体基板の第1および第2の半導体表面領域を形成すること、
第1の半導体表面領域上に第1のゲート、および第2の半導体表面領域上に第2のゲートを作成すること、をさらに含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されている、方法に関する。
【0010】
第3の態様において、本発明は、半導体基板上のリソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定するための方法であって、リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されている少なくとも1つの半導体デバイスを含み、
方法は、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を決定すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を決定すること、および、第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定する工こと、を含む、方法に関する。
【0011】
第4の態様において、本発明は、リソグラフィ装置であって、放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスサポートと、基板を保持する基板テーブルと、基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
入力ポート、プロセッサ、メモリ、および、出力ポートをさらに含み、
プロセッサは、入力ポート、メモリ、および、出力ポートに接続され、
プロセッサは、入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに電気的に接続するように構成され、
少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含む半導体基板上のオーバーレイエラーを決定し、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向され、
プロセッサは、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信し、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信し、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定し、
デバイスパラメータ差からオーバーレイエラーの値を決定する、リソグラフィ装置に関する。
【0012】
第5の態様において、本発明は、コンピュータによりロードされるコンピュータ読取可能媒体上のコンピュータプログラムであって、コンピュータは、プロセッサ、メモリ、入力ポート、および出力ポートを含み、メモリはプロセッサに接続され、入力ポートおよび出力ポートは各々がプロセッサに接続され、コンピュータはリソグラフィ装置の一部であり、リソグラフィ装置は、放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスと、基板を保持する基板テーブルと、基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
プロセッサは、入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに接続され、
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向され、
ロードされた後のコンピュータプログラムは、プロセッサが、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、を実行することを可能にする、コンピュータプログラムに関する。
【0013】
第6の態様において、本発明は、デバイス製造方法であって、パターニングデバイスから基板上にリソグラフィパターンを転写することを含み、半導体基板上のリソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定することをさらに含み、リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む少なくとも1つの半導体デバイスの一部を含み、第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
第1および第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、第2のゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1のゲートの向きに対して配向されており、
方法は、
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、
少なくとも1つの半導体デバイスの第2のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、および
少なくとも1つの半導体デバイスの第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値と第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、を含む、方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
対応する参照記号が対応する部分を示す付属の該略図を参照して、一例のみとして、本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置の概略を示す図である。この装置は、
放射ビームB(例えば、紫外放射または極紫外放射)を調節するように構成された照射システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、かつ、特定のパラメータによりパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
基板(例えば、レジストコートされたウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ、特定のパラメータにより基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに与えられたパターンを基板Wの(例えば、1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分C上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折型投影レンズシステム)を含む。
【0016】
照射システムは、放射を誘導、整形、または制御するための屈折、反射、磁気、電磁気、静電気、もしくは、他のタイプの光コンポーネント、または、それらのあらゆる組合せなどの様々なタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0017】
サポート構造はパターニングデバイスを支持、すなわち、同デバイスの重量を持ち応える。同構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、例えばパターニングデバイスが真空環境において保持されているか否かなどの他の条件に依存する方法でパターニングデバイスを保持する。サポート構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電的、または、他のクランプ技術を使用することができる。サポート構造は、必要に応じて固定または可動とすることができる、例えばフレームまたはテーブルとすることができる。サポート構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに関して、所望の位置にあることを確実にすることができる。本明細書における用語「レチクル」または「マスク」のいずれの使用も、より全般的な用語「パターニングデバイス」と同義であると考えることができる。
【0018】
本明細書において使用されている用語「パターニングデバイス」は、基板のターゲット部分にパターンを作成するなどのために、放射ビームにその断面にてパターンを与えるために使用できるいずれのデバイスも指すと広く解釈されたい。例えば、パターンが位相シフトフィーチャまたは所謂アシストフィーチャを含む場合など、放射ビームに与えられたパターンが基板のターゲット部分において所望のパターンに正確には対応しない可能性があることにも注意されたい。一般に、放射ビームに与えられたパターンは、集積回路などのターゲット部分に作成されつつあるデバイスにおける特定の機能層に対応している。
【0019】
パターニングデバイスは透過型または反射型とすることができる。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイ、および、プログラマブルLCDパネルを含む。マスクは、リソグラフィにおいて周知であり、かつ、バイナリ、レベレンソン型(alternating)位相シフト、および、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびに、様々な混合マスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの例は、小型ミラーのマトリクス配列を採用しており、同ミラーの各々は、入来する放射ビームを異なった方向に反射するように個別に傾けることができる。傾けられたミラーは、ミラーマトリクスにより反射された放射ビーム内にパターンを与える。
【0020】
本明細書において使用されている用語「投影システム」は、使用されている露光用放射に対して、または、液浸液の使用もしくは真空の使用などの他の要因に対して適切であるような屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁気、および静電気の光学系、または、それらの何らかの組合せを含むいずれのタイプの投影システムも包含するとして広く解釈されたい。本明細書における用語「投影レンズ」のいずれの使用も、より全般的な用語「投影システム」と同義であると考えることができる。
【0021】
本明細書に示されたように、装置は(例えば、透過型マスクを採用している)透過型のものである。代案として、装置は(例えば、上記に言及されたタイプのプログラマブルミラーアレイを採用したか、または、反射型マスクを採用した)反射型のものとすることができる。
【0022】
リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)またはこれより多くの基板テーブル(および/または、2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものとすることができる。このような「マルチステージ」機においては、追加のテーブルは並行して使用することができるか、または、1つまたは複数のテーブルが露光のために使用されている間に、予備工程を1つまたは複数の他のテーブル上で実行することができる。
【0023】
リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすために、基板の少なくとも一部が比較的大きな屈折率を有する液体、例えば水により覆われることが可能なタイプのものとすることもできる。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間などのリソグラフィ装置における他の空間にも適用することができる。液浸技術は投影システムの開口数を大きくするために当技術分野では周知である。本明細書において使用されている用語「液浸」は、基板などの構造体が液体中に沈下していなければならないことを意味するのではなく、むしろ、露光中に液体が投影システムと基板との間に所在することのみを意味している。
【0024】
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受光する。例えば放射源がエキシマレーザであると、放射源およびリソグラフィ装置は別個の実体とすることができる。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成しているとは考えられず、かつ、放射ビームは、例えば適した誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダなどを含むビームデリバリシステムBDの支援を得て、放射源SOからイルミネータILに通過される。他の場合、放射源は、例えば放射源が水銀ランプであると、リソグラフィ装置の一体化された一部とすることができる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要であればビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼ぶことができる。
【0025】
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを含むことができる。一般的に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも(一般にそれぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれる)外側および/または内側半径範囲は調整が可能である。加えて、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの様々な他の構成部分を含むことができる。イルミネータは、放射ビームの断面において所望の均一度および強度分布を有するように、放射ビームを調節するために使用することができる。
【0026】
放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、かつ、パターニングデバイスによりパターニングされる。マスクMAを横切ってから、放射ビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームを合焦させる投影システムPSを通過する。第2のポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または、容量センサ)の支援を得て、基板テーブルWTは、例えば放射ビームBの経路内に異なった各ターゲット部分Cを位置決めするように正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMおよび(図1には明示的に描かれていない)他の位置センサは、例えばマスクライブラリからの機械式取出しの後、または、スキャン中に、放射ビームBの経路に関してマスクMAを正確に位置決めするために使用することができる。全般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)の支援を得て実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現することができる。(スキャナに対抗するものとしての)ステッパの場合、マスクテーブルMTはショートストロークアクチュエータのみに接続することができるか、または、固定することができる。マスクMAおよび基板WはマスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントすることができる。示されているような基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占有しているが、これらのマークはターゲット部分間の各空間(これらの空間はスクライブレーンアライメントマークとして知られている)に所在することができる。同様に、2個以上のダイがマスクMA上に設けられている状況では、マスクアライメントマークはダイ間に所在することができる。
【0027】
示された装置は、以下のモードの少なくとも1つにおいて使用することができる。
【0028】
1.ステップモードにおいて、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTは基本的に静止に保たれる一方、放射ビームに与えられたパターン全体が一度にターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一静止露光)。続いて、基板テーブルWTは、異なったターゲット部分Cを露光することができるようにXおよび/またはY方向に移動される。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズが単一静止露光においてイメージングされるターゲット部分Cのサイズを制限している。
【0029】
2.スキャンモードにおいて、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTは同期してスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTを基準とした基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの拡大(縮小)倍率およびイメージ反転特性により決定することができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズが単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅を制限しているのに対し、スキャン移動の長さはターゲット部分の(スキャン方向における)高さを決定している。
【0030】
3.他のモードにおいて、マスクテーブルMTは基本的に静止に保たれ、プログラマブルパターニングデバイスを保持し、基板テーブルWTは移動されるか、または、スキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影される。このモードにおいて、全般に、パルス放射源が採用され、かつ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの各移動の後に、または、スキャン中の連続した放射パルス間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上記に言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用したマスクレスリソグラフィに直ちに適用することができる。
【0031】
上記に説明した使用のモードまたは完全に異なった使用のモードの組合せおよび/またはそれらへの変形も採用することができる
【0032】
図2は本発明の第1の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【0033】
半導体基板100上において、オーバーレイを測定するための半導体デバイス1は2つの電界効果トランジスタT1およびT2を含んでいる。
【0034】
第1の電界効果トランジスタT1は方向Yにおいて延在し、かつ、第1の拡散領域A1、第2の拡散領域A2、および、第1と第2の拡散領域A1、A2との間に所在する(図示されていない)第1のチャンネル領域R1を含んでいる。
【0035】
第1のチャンネル領域R1の上方に、第1のゲート部分G1および第2のゲート部分G2を含む不同形ゲートG1、G2が所在する。第1のゲート部分G1および第2のゲート部分G2は、第1の拡散領域A1と第2の拡散領域A2との間に互いに平行に延在する。
【0036】
ゲートG1、G2は、第1のゲート部分G1の(方向Yにおける)ゲート長が第2のゲート部分G2のゲート長とは異なることにおいて不同形である。すなわち、チャンネル領域R1上の不同形ゲートの第1のゲート部分G1は長さL1を、すなわち、第1の拡散領域A1から第2の拡散領域A2への方向において有する。第2のゲート部分G2は長さL2を有する。第1のゲート部分G1の長さL1は第2のゲート部分G2の長さL2に比較して小さい。
【0037】
第2の電界効果トランジスタT2は、方向Yに垂直な第2の方向Xにおいて、第1の電界効果トランジスタT1に隣接している。
【0038】
第1および第2のトランジスタは、例えばシャロートレンチアイソレーションSTI(shallow trench isolation)などの隔離領域により方向Xにおいて互いから分離されている。
【0039】
この実施形態において、第2電界効果トランジスタT2は第1の電界効果トランジスタT1と実質的に同様のレイアウトを有する。第2のトランジスタT2のレイアウトは、方向Yにおいて延在しているミラー線Mに関して、第1の電界効果トランジスタT1の鏡像となっている。
【0040】
第2のトランジスタT2は方向Yにおいて延在し、かつ、第3の拡散領域A3、第4の拡散領域A4、および、第3と第4の拡散領域A3、A4との間に所在する(図示されていない)第2のチャンネル領域R2を含んでいる。
【0041】
第2のチャンネル領域R2の上方に、第3のゲート部分G3および第4のゲート部分G4を含む第2の不同形ゲートG3、G4が所在する。
【0042】
第2の電界効果トランジスタT2の第3のゲート部分G3は、ミラー線Mに垂直な接続線CGにより、隣接した第1の電界効果トランジスタT1の第2のゲート部分G2に接続されている。
【0043】
第2の不同形ゲートの第3のゲート部分G3は、第2のゲート部分G2の第2のゲート長L2に実質的に等しい第3のゲート長L3を有する。
【0044】
第4のゲート部分G4は第4のゲート長L4を有する。第4のゲート部分G4の第4のゲート長L4は、第3のゲート部分G3の第3のゲート長L3に比較して小さい。
【0045】
ミラー線Mにおいて鏡像となっている通りの第1および第2のトランジスタT1、T2の対称的な設計により、第2のトランジスタT2の第4のゲート部分G4の第4のゲート長L4は、第1のトランジスタT1の第1のゲート部分G1の第1のゲート長L1と実質的に同一である。
【0046】
同様に、拡散領域A1、A2、A3、A4およびチャンネル領域R1、R2の(方向Xにおける)サイズWは実質的に同一である。
【0047】
各トランジスタT1、T2は自身の拡散領域の一方A1、A3への第1の拡散コンタクトC1、C3、自身の拡散領域の他方A2、A4への第2の拡散コンタクトC2、C4、および、自身の不同形ゲートG1、G2;G3、G4へのゲートコンタクトを含んでいる。
【0048】
第1および第2の電界効果トランジスタは平行な構造体として設計されており、第2の不同形ゲートは、第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、第1の不同形ゲートの向きに対して配向されている。
【0049】
この実施形態において、第2の電界効果トランジスタT2は第1の電界効果トランジスタT1と実質的に同一であり、かつ、第1および第2の電界効果トランジスタは実質的に対称的な鏡像レイアウトに設計されている。したがって、第1のトランジスタにおけるオーバーレイエラーの影響の第1の幅は、第2のトランジスタにおけるオーバーレイエラーの影響の第2の幅と実質的に等しくなるが、第1のトランジスタに対する影響は第2のトランジスタに対する影響の符号とは逆の符号を有する。
【0050】
さらなる実施形態においては、ゲートレベル上に接続線G5を設ける代わりに、接続線を、例えば金属−1レベル(metal-1 level)におけるインターコネクトラインとしても実施できる。
【0051】
上述の半導体デバイスは、(例えば、CMOS技術を使用した)標準的なリソグラフィ手順を使用して製造することができる。
【0052】
半導体デバイスの製造は、以下の一連の工程を含むことができる(図2、4、および、5を参照)。
【0053】
半導体基板上において、シャロートレンチアイソレーション領域STIは、一連のリソグラフィ、エッチング、絶縁体(例えば、二酸化シリコン)の堆積、および、化学機械式研磨(CMP chemical mechanical polishing)のシーケンスにより規定される。シャロートレンチアイソレーションSTIは、第1および第2のトランジスタT1、T2が作成されることになる半導体の表面領域の境界を定める。
【0054】
必要であれば、以下の工程においてウェルインプランテーション(well implantation)が行われる。次に、ゲート誘電体Gが基板の半導体表面上に堆積され、ゲート材料の堆積がこれに続く。続いて、第1および第2のトランジスタT1、T2の不同形ゲートG1、G2、G3、G4、ならびに、2つのゲートの間の接続線G5が、リソグラフィおよびエッチングにより規定される。場合により、追加のインプランテーションが(ゲートをマスクとして使用して)行われる。続く工程において、スペーサSPが作成される。続いて、高濃度ドープドレイン(HDD heavily doped drain)プロファイルを得るために、ソース/ドレイン領域A1、A2、A3、A4にインプランテーションが行われる。その後、ソース/ドレイン領域およびゲートは珪化物で覆われうる。次の工程において、ソースドレイン領域への、および、不同形ゲートへのコンタクトが、コンタクト積層物の堆積、積層物のリソグラフィ、コンタクトホールのエッチング、(例えば、タングステンでの)コンタクトホールの充填、および、平坦化(CMP)により形成される。
【0055】
本発明によれば、ゲートの規定は不同形ゲートG1、G2、G3、G4の作成を含む。
【0056】
上述の本発明による半導体デバイスの製造プロセスが説明のためのみのものであり、代案となる実施は当業者により知られている。
【0057】
以下、第1および第2のトランジスタT1、T2の構造が図4および5を参照してより詳細に説明される。
【0058】
図3は第1の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの原理を示している。
【0059】
図3において、第1の実施形態による2つの半導体デバイス1、1’が示されている。
【0060】
半導体デバイス1、1’の手段によるオーバーレイの測定の原理は、1対のトランジスタを整合させるための測定技術に基づいている。実質的に同様である電界効果トランジスタT1、T2などのデバイスは、これらの電界効果トランジスタT1、T2が半導体基板上に比較的に緊密に一緒に間隔を空けられていると、実質的に同じ性能を有する。この状況において、電界効果トランジスタの性能は、トランジスタのオン電流(on-current)、オフ電流(off-current)、または、閾値電圧(threshold voltage)などのデバイスパラメータに関連することができる。
【0061】
基本的電界効果トランジスタ(すなわち、各トランジスタが単一のゲートを有する)の1つまたは複数の性能パラメータを測定するための「整合」測定技術('matching' measurement technique)は、当技術分野においては知られている。このような基本的な電界効果トランジスタに対する測定は、測定されたパラメータ値の分布を備えた結果をもたらす。このような分布は、典型的に、1対の整合している電界効果トランジスタのゼロ差値の周囲に中心を持っている。
【0062】
本発明においては、製造中にゲートの幅の方向において(すなわち、方向Xに沿って)オーバーレイエラーが全く発生しなければ、各電界効果トランジスタが現在この方向Xに沿って不同形のゲートを有するという事実により、整合しているトランジスタの対T1、T2の分布は中心を持つのみとなっている。
【0063】
不同形ゲートは、各電界効果トランジスタT1、T2を、一方のゲート部分G1、G4に対する第1のトランジスタ部分P1、P4と、他方のゲート部分G2、G3に対する第2のトランジスタ部分P2、P3とに効果的に分割する。
【0064】
そのため、例えば第1の電界効果トランジスタT1に対して測定されたデバイスパラメータZは、第1のトランジスタ部分P1に関連した第1のデバイスパラメータ成分ZP1および第2のトランジスタ部分P2に関連した第2のデバイスパラメータ成分ZP2を含む。
【0065】
トランジスタ部分P1、P2の各々の幅を考慮すると、
Z≡ZP1*W1+ZP2*W2 (1)
ここで、W1は第1のトランジスタ部分P1の幅に等しく、かつ、W2は第2のトランジスタ部分の幅に等しい。(第1のトランジスタ部分P1のチャンネル長L1が第2のトランジスタ部分P2のチャンネル長(L2)とは等しくないため、ZP1はZP2と等しくないことに注意されたい。)
【0066】
図3の上部において、オーバーレイエラーが発生していない状態が示されている。この場合、第1のゲート部分の幅は第2のゲート部分の幅、すなわち、2で除されたチャンネル領域の幅、W/2(すなわち、W1=W2=W/2)に等しい。
【0067】
線Mにおいて鏡像関係にあるにしても、第2の電界効果トランジスタT2は第1の電界効果トランジスタT1と同一であるため、第2のトランジスタT2のデバイスパラメータZは、第1のトランジスタT1のものと実質的に同じとなる。
【0068】
整合測定により、第1のトランジスタT1に対して測定されたデバイスパラメータ(例えば、オン電流、オフ電流、または、閾値電圧)と、第2のトランジスタT2に対する同じデバイスパラメータとの間の差を決定することができる。
【0069】
上述のような実質的に等しいサイズの2つの部分への各トランジスタT1、T2のチャンネル領域の幅Wの分割は例に過ぎず、第2の鏡像になったトランジスタにも同じ分割が適用されることを条件として、トランジスタT1、T2の他の分割も適用できる。半導体デバイス1の代案実施形態が図7を参照して以下に示される。
【0070】
トランジスタT1、T2が実質的に同一である(すなわち、第1のトランジスタの不同形ゲートが、オーバーレイエラーなしに第2のトランジスタの不同形ゲートに関して正確に鏡像となっている)という仮定に基づくと、測定されたデバイスパラメータの差は(理想的には)ゼロとなる。
【0071】
図3の下部において、半導体デバイス1’が示されており、同デバイス1’において、方向X、すなわちチャンネル領域の幅に沿って延在するオーバーレイエラーΔが発生している。第1のトランジスタT1’および第2のトランジスタT2’の双方の上において、不同形ゲートは、オーバーレイエラーにより方向Xに沿って距離Δにわたり移動されている。
【0072】
チャンネル領域に比較したゲートのオーバーレイエラーΔにより、第1のトランジスタT1’は幅W/2+Δを持つ第1のゲート部分G1’および幅W/2−Δを持つ第2のゲート部分G2’を示し、ならびに、第2のトランジスタT2’は幅W/2+Δを持つ第3のゲート部分G3’および幅W/2−Δを持つ第4のゲート部分G4’を示す。
【0073】
ゲート部分G1’、G2’、G3’、G4’の異なったオーバーレイを除くと、トランジスタT1’、T2’はさらに実質的に同一であると仮定される。(この点に関しては、半導体デバイス1’において同じ参照番号を持つ実体は、半導体デバイス1の同じ実体を指す。)
【0074】
結果によれば、第1のトランジスタT1’から測定されたデバイスパラメータZ1は、(数式1への類推において)少なくともΔ<<Wに対して、以下に等しくすることができ、
Z1≡ZP1*(W/2+Δ)+ZP2*(W/2−Δ) (2)
かつ、第1のトランジスタT2’から測定されたデバイスパラメータZ2は、少なくともΔ<<Wに対して、以下に等しくすることができ、
Z2≡ZP1*(W/2−Δ)+ZP2*(W/2+Δ) (3)
そして、
Z1−Z2≡(ZP1−ZP2)*2Δ (4)
【0075】
ZP1がZP2とは等しくないため、Z1とZ2との間の差はゼロに等しくはないが、オーバーレイエラーΔに比例する。
【0076】
有利に、本発明による半導体デバイス1は、オーバーレイエラーΔの離散値の決定を可能にするのみである上述した通りの従来技術の方法とは対照的に、連続スケールでのオーバーレイエラーΔの測定を可能にする。
【0077】
各々が固有のかつ既知の設計組み込みオーバーレイエラー(designed-in overlay error)εを持つ数個の半導体デバイス1のアレイを設けることにより、実際のオーバーレイエラーΔを決定するために線形回帰法を使用することができる。設計組み込みの固有のオーバーレイエラーε(に加えて、未知の実際のオーバーレイエラーΔ)の関数としてデバイスパラメータ(すなわち、Z1−Z2)の差が測定される。この差に対する結果は、(上記に提示された数式による)実質的に線形の曲線をもたらす設計組み込みオーバーレイエラーεの関数としてプロットされる。続いて、この曲線の線形回帰係数が決定される。決定された線形回帰係数から、実際のオーバーレイエラーΔを、測定されたデバイスパラメータ差がゼロとなるこの曲線とオーバーレイエラーεの軸との交点から算出することができる。
【0078】
有利に、特定のデバイス世代またはノードについて、線形回帰法の感度はその特定のデバイス世代またはノードに対して、設計組み込みオーバーレイエラーεの一連の値を適合することにより調整することができる。なぜなら、可能なオーバーレイエラーの大きさがそのデバイス世代のクリティカルディメンション(すなわち、半導体デバイスの表面構造体の最小サイズ)に依存して異なることがあるからである。例えば、130nmノードのデバイスにおけるオーバーレイエラーΔの3σ誤差は約20nmであるのに対して、65nmノードに対するオーバーレイエラーΔの3σは約8〜10nmである。
【0079】
半導体デバイスの関連寸法は以下のようにすることができる。拡散領域およびチャンネル領域の幅W=500nm、第1(第4)のゲート長L1(L4)=150nm、および、第2(第3)のゲート長L2(L3)=250nm。
【0080】
設計組み込みオーバーレイエラーεの値は、5nm刻みで一連の5〜30nmの範囲とすることができる。
【0081】
半導体デバイス1は、その特定の方向におけるオーバーレイの測定のために様々な方向に位置合わせできる。例えば、半導体デバイスは、リソグラフィ装置のスキャン方向に沿って、または、垂直に(すなわち、それぞれスキャン方向および非スキャン方向に沿って)のいずれかに配置されている第1のゲート部分G1、第2のゲート部分G2、第3のゲート部分G3、および、第4のゲート部分G4を含む制御ゲート線と位置合わせすることができる。
【0082】
加えて、本発明の半導体デバイス1が標準的なCMOSプロセスのシーケンスにより生産することができるため、半導体デバイス1(または、半導体デバイス1のアレイ)は大型デバイス構造における埋め込み構造として容易に使用することができる。
【0083】
さらに、本発明による半導体1(のアレイ)は、マイクロ電子デバイスに含まれる補正電子デバイスとしても使用することができる。動作中に、このマイクロ電子デバイスは、例えば評価回路による半導体デバイス1の測定を可能にし、かつ、測定された結果からマイクロ電子デバイスの組立て中に発生するオーバーレイエラーを決定可能とすることができる。このことは、オーバーレイエラーに敏感である1つまたは複数の機能ブロックを含むマイクロ電子デバイスに対する内部補正として有用とすることができる。
【0084】
上述の実施形態において、第1のトランジスタの第1のゲートの不同形形状は、鏡像ではあっても第2のトランジスタの第2のゲートの形状と同一である。本発明によれば、第1のトランジスタの第1のゲートの不同形形状は第2のトランジスタの第2のゲートの不同形形状と異なってもよい。トランジスタに対するオーバーレイエラーの影響の大きさは、そのトランジスタのゲートの形状に関連することができる。第1と第2のゲートの形状の差に起因して、第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響とは異なる第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響を測定することにより、オーバーレイエラーをやはり決定することができる。当業者は、このことが較正手順および/または追加の数学的解決工程を必要とすることがあることを理解されよう。
【0085】
図4は、図2の線IV−IVに沿ってオーバーレイを測定するための半導体デバイスの第1の領域の断面図である。
【0086】
半導体基板100の表面において、第1および第2の拡散領域A1、A2には、A1とA2の間に所在する第1のチャンネル領域R1が配置されている。
【0087】
薄い誘電体層またはゲート酸化物Gがチャンネル領域R1を覆っている。
【0088】
ゲート酸化物Gの頂部には、第1のゲート部分G1が配置されている。スペーサSPは側壁S1を覆っている。第1のゲート部分G1は方向Yにおいて長さL1を有する。
【0089】
図5は、図2の線V−Vに沿ってオーバーレイを測定するための半導体デバイスの第2の領域の断面図である。
【0090】
半導体基板100の表面において、第1および第2の拡散領域A1、A2には、A1とA2の間に所在する第1のチャンネル領域R1が配置されている。
【0091】
薄い誘電体層またはゲート酸化物Gがチャンネル領域R1を覆っている。
【0092】
ゲート酸化物Gの頂部には、第2のゲート部分G2が配置されている。側壁S1はスペーサSPにより覆われている。第1のゲート部分G2は方向Yにおいて長さL2を有する。
【0093】
半導体デバイス1が装備された特定のマイクロ電子デバイスに対してリソグラフィプロセスにより発生されたオーバーレイエラーΔは、半導体デバイスが自身が電気的に測定可能な状態に達した後に半導体デバイス1のデバイスパラメータの測定により決定することができる。測定の結果は、特定のマイクロ電子デバイスの製造において使用されたリソグラフィ装置に対する補正係数を提供するために使用することができる。
【0094】
図6は、既出の各図に示された半導体デバイスのさらなるレイアウトの平面図である。
【0095】
図6において、同じ参照番号を持つ実体は既出の各図に示された同じ実体を指す。
【0096】
第1および第2のトランジスタT1、T2は金属配線へのコンタクトを有する。当業者には知られているように、金属配線は、半導体基板100の表面に形成されたトランジスタの上方のレベルに典型的に所在する。金属配線のレベルとトランジスタとの間には、この金属配線とトランジスタを電気的に分離している少なくとも1つの絶縁層がある。
【0097】
第1のトランジスタT1は、第1の拡散領域A1を第1の金属線M1に、および、第2の拡散領域A2を第2の金属線M2にそれぞれ接続している複数の第1および第2のコンタクトS1a、S1b、S1c、S2a、S2b、S2cを含んでいる。
【0098】
同様に、第2のトランジスタT2は、第3の拡散領域A3を第3の金属線M3に、および、第4の拡散領域A4を第4の金属線M4にそれぞれ接続している複数の第3および第4のコンタクトS3a、S3b、S3c、S4a、S4b、S4cを含んでいる。
【0099】
各拡散領域上の複数のコンタクトは、同コンタクトの位置が、個々の拡散領域に対応したトランジスタのデバイスパラメータの測定には実質的に影響を及ぼさない方法で構築されている。図6において、拡散領域当り3つの四角形のコンタクトが示されているが、拡散領域には異なった数(すなわち、少なくとも1つ)のコンタクトが使用できる。同様に、拡散領域上の1つまたは複数のコンタクトの形状が同図に示されたものとは異なって、例えば長方形でもよい。
【0100】
図2に示された半導体デバイス1の実施形態において、第1と第2のトランジスタT1、T2の不同形ゲートG1、G2、G3、G4の間の接続線G5は、第5の金属線M5への単一共通コンタクトCCにより接続されている。
【0101】
第1、第2、第3、第4、および、第5の金属線M1、M2、M3、M4、M5は、第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2のデバイスパラメータをそれぞれ測定するために(図示されていない)回路への接続を提供するために、半導体基板上に配列されている。
【0102】
図7は、本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイス10の上面図である。図7において、既出の各図において示された同じ参照番号を持つ実体は既出の各図における対応する実体を指す。
【0103】
既出の各図においては、第1のトランジスタT1の不同形ゲートG1、G2および第2のトランジスタT2の不同形ゲートG3、G4が、半導体デバイスの縦方向Yに関して対称である半導体デバイス1が説明された。
【0104】
図7に示された実施形態において、半導体デバイス10は、個々の不同形ゲートが方向Yに沿って対称的な設計を有する不同形ゲートG1、G2を持つ第1のトランジスタT1および不同形ゲートG3、G4を持つ第2のトランジスタT2を含んでいる。第1のトランジスタT1の不同形ゲートの第1のゲート部分G1は、第1のトランジスタT1の第2のゲート部分G2の側壁13と実質的に一致する縦方向Yにおいて延在する側壁12を有する。
【0105】
同様に、第2のトランジスタT2の不同形ゲートの第4のゲート部分G4は、第2のトランジスタT2の第3のゲート部分G3の側壁13と実質的に一致する縦方向Yにおいて延在する側壁14を有する。
【0106】
この設計により、導電体G1、G2、G3、G4における不連続は低減される。このようにして、ゲート部分G1、G2、G3、G4を介したより均一な電流を、および、その結果としてデバイスのより線形な応答を得ることができる。
【0107】
図8は、本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイス25の上面図である。
【0108】
図8において、既出の各図に示された同じ参照番号を持つ実体は既出の各図に示された対応する実体を指す。
【0109】
トランジスタの電子特性は、デバイスの有効面積、すなわちチャンネルの有効面積とともに変化するとして知られている。Pelgromの法則(Pelgrom's law)は、標準的な変化が有効チャンネル面積の平方根に反比例すると述べている。この実施形態においては、チャンネル面積が比較的拡大されている半導体デバイスが提供されている。トランジスタの有効チャンネル面積を拡大することにより、半導体デバイス間での変化を低減することができる。有効チャンネル面積の拡大は、第1および第2のトランジスタT1、T2の複合体を使用することにより達成される。各複合トランジスタT1、T2はそれぞれグループのトランジスタTG1、TG2を含んでいる。各グループにおいて、トランジスタは、各グループにおいて複数のトランジスタを直列に結合するための中間拡散領域を備えて、それぞれ第1と第2の拡散領域および第3と第4の拡散領域の間の直列接続に配置されている。
【0110】
第1のグループのトランジスタTG1は複数の第1のトランジスタ、ここに示された実施例において3つのトランジスタT1a、T1b、T1cを含んでいる。第2のグループのトランジスタTG2は、第1のグループに対する同じ数のトランジスタ、ここに示された実施例において3つのトランジスタT2a、T2b、T2cを含んでいる。半導体デバイスの電子特性の必要な正確度および許容されている変化に依存して、第1および第2のグループ内でいずれの数のトランジスタも使用することができる。
【0111】
各グループにおけるトランジスタは一列の直列接続に配置されている。第1のグループのトランジスタTG1において、トランジスタT1aは第1の中間拡散領域A1aによりトランジスタT1bに結合され、トランジスタT1bは第2の中間拡散領域A2aによりトランジスタT1cに結合されている。第2のグループのトランジスタTG2において、トランジスタT2aは第3の中間拡散領域A3aによりトランジスタT2bに結合され、トランジスタT2bは第4の中間拡散領域A4aによりトランジスタT2cに結合されている。直列接続は、図9を参照して以下に説明されるように、より詳細に説明される。
【0112】
上記に説明されたように、各グループのトランジスタTG1、TG2において、各トランジスタT1a、T1b、T1c、T2a、T2b、T2cは不同形ゲートG1a、G2a、G1b、G2b、G1c、G2c、G3a、G4a、G3b、G4b、G3c、G4cを有する。各トランジスタのゲートG1a、G2a、G1b、G2b、G1c、G2c、G3a、G4a、G3b、G4b、G3c、G4cは、ゲートが方向Yにおいて、第1のゲート部分の(方向Yにおける)ゲート長が第2のゲート部分のゲート長とは異なっている第1の部分G1a、G1b、G1c、G4a、G4b、G4cと第2のゲート部分G2a、G2b、G2c、G3a、G3b、G3cとに分割されていることにおいて不同形である。
【0113】
この実施形態において、ゲート部分G2a、G2b、G2c、G3a、G3b、G3cは中央ゲート体CGにより相互に接続されている。このようにして、使用中に、全てのトランジスタの全てのゲート部分に同一のゲート電圧をかけることができる。
【0114】
図9は、図8における線IX−IXに沿って示された半導体デバイスの断面図である。半導体基板100の表面において、拡散領域A1、A1a、A2a、A2は、拡散領域A1とA1aとの間に所在するトランジスタT1aの第1のチャンネル領域R1a、拡散領域A1aとA2aとの間のトランジスタT1bの次のチャンネル領域R1b、ならびに、拡散領域A2aとA2との間のトランジスタT1cのさらなるチャンネル領域R1cを備えて配置されている。
【0115】
薄い誘電体層またはゲート酸化物Gは各チャンネル領域R1a、R1b、R1cを覆っている。
【0116】
ゲート酸化物Gの頂部上には、トランジスタT1aのゲート部分G1aがチャンネル領域R1aを覆って配置され、トランジスタT1bのゲート部分G1bがチャンネル領域R1bを覆って配置され、かつ、トランジスタT1cのゲート部分G1cがチャンネル領域R1cを覆って配置されている。各チャンネル領域R1a、R1b、R1cはチャンネル長L1を有する。スペーサSPは各ゲート部分の側壁を覆っている。第1のコンタクトC1は拡散領域A1上に配置され、かつ、第2のコンタクトC2は拡散領域A2上に配置されている。
【0117】
当業者により理解されるように、第1のグループのトランジスタTG1のゲート部分G2a、G2b、G2cは、これらのゲート部分G2a、G2b、G2cの各々の下方のチャンネル長L2がゲート部分G1a、G1b、G1cの各々の下方のチャンネル長L1より長いことを除いて、図9に示されたものと同様の形で配置されている。同様に、第2のグループのトランジスタTG2が第1のグループのトランジスタTG1と同じレイアウトを有している。
【0118】
図10は、本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイス30の上面図である。
【0119】
図10において、既出の各図に示されたものと同じ参照番号を持つ実体は既出の各図における対応する実体を指す。この実施形態において、半導体デバイスは図8および9に示されたものと同じ第1および第2のグループのトランジスタTG1、TG2を含んでいる。ここに示された半導体デバイスの実施形態は、第1および第2のグループのトランジスタの第2のゲート部分G2a、G2b、G2c、G3a、G3b、G3cがそれぞれ、拡散領域A1、A3と拡散領域A2、A4との間に延在する単一の第2のゲート部分G2、G3に結合されていることが、図8および9に示された実施形態と異なる。線XI−XIに沿った第1のグループのトランジスタの断面図は、図11に示されている。第2のグループのトランジスタTG2が第1のトランジスタTG1と同じレイアウトを有している。
【0120】
上述されたような実施形態における半導体デバイスは、デバイスの縦方向に沿った一次元オーバーレイ測定が可能である。XおよびY方向における基板上のオーバーレイを測定するために、上述されたような実施形態の1つによる構造体を、同構造体の縦方向がそれぞれXおよびY方向に沿って基板上に定置する必要がある。以下、2つの直交する方向におけるオーバーレイの組合せ測定を可能にする本発明による組立て済み半導体デバイスの構造が説明される。
【0121】
図12は、本発明の実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図を示している。
【0122】
このような組立て済み半導体デバイスは、第1および第2のトランジスタが第1の方向(例えば、方向X)に沿って位置合わせされている既出の各図に示された半導体デバイスの1つを取り上げ、かつ、その半導体デバイスを、その第1の半導体デバイスを基準として90度にわたり回転された第2の同一の半導体デバイスと組み合わせること、すなわち、第2の半導体デバイスにおいて、個々の第1および第2のトランジスタが第1の方向に垂直な第2の方向に沿って位置合わせされている、により形成することができる。2つの半導体デバイスは、自身の個々の第1および第2のトランジスタの不同形ゲート間の導電体を共有している。
【0123】
組立て済み半導体デバイス40は、不同形ゲートG1、G2を持つ第1のトランジスタT1、不同形ゲートG3、G4を持つ第2のトランジスタT2、不同形ゲートG5、G6を持つ第1の追加トランジスタT3、および、不同形ゲートG7、G8を持つ第2の追加トランジスタT4を含んでいる。
【0124】
4つのトランジスタT1、T2、T3、T4は、全てのトランジスタの不同形ゲートを接続するために共通ゲート体CGを共有している。
【0125】
各トランジスタは2つの拡散領域A間に所在する不同形ゲートの下方のチャンネル領域を含んでいる。
【0126】
第1および第2のトランジスタT1、T2は、第1の方向Xに沿って位置合わせされ、第1および第2の追加トランジスタT3、T4は第1の方向Xに垂直な第2の方向Yに沿って位置合わせされている。
【0127】
第1および第2の追加トランジスタは、第1および第2のトランジスタと同じ形で機能する。
【0128】
図13は、さらなる実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図を示している。
【0129】
図12に示された組立て済み半導体デバイスは、各トランジスタT1、T2、T3、T4を修正されたトランジスタT5、T6、T7、T8と直列に配置することによりさらに延長することができ、ここで、各トランジスタは、修正されたトランジスタと共通の拡散領域Aを有する。修正されたトランジスタは、直列に配置されたトランジスタを基準として、設計組み込みオーバーレイエラーExまたはEyを有する。設計組み込みオーバーレイエラーは、トランジスタおよび修正トランジスタの向きに依存して第1の方向Xまたは第2の方向Yのいずれかにおいて延長する。
【0130】
コンタクトC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8はトランジスタおよび修正トランジスタの各々の拡散領域A、AA上に配置されている。トランジスタおよび付属の修正トランジスタの共通拡散領域上のコンタクトは、トランジスタおよび修正トランジスタにより共有されている。
【0131】
この実施形態において、組立て済み半導体デバイスの各角部の拡散領域AAは、その角部のトランジスタにより共有されている。図14は、本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための組立て済み半導体デバイスの上面図を示している。
【0132】
この実施形態において、図13に示された組立て済み半導体デバイスのトランジスタおよび修正済みトランジスタは各々が、複合トランジスタT51、T52、T53、T54、T55、T56、T57、T58からなる。各複合トランジスタT51、T52、T53、T54、T55、T56、T57、T58は、トランジスタエレメントのグループT51a、T51b、T51c;T52a、T52b、T52c;T53a、T53b、T53c;T54a、T54b、T54c;T55a、T55b、T55c;T56a、T56b、T56c;T57a、T57b、T57c;T58a、T58b、T58cにそれぞれ分割される。
【0133】
複合トランジスタは、水平方向および垂直方向に沿った実質的に直交の構造のエッジ部に沿って対(T51、T53;T55、T57;T52、T54;T56、T58)として配置されている。
【0134】
図9を参照して既に説明されたように、各複合トランジスタの各グループ内に、トランジスタエレメントが直列接続されている。この実施例において、各複合トランジスタは、2つの外側拡散領域AA間で、直列に接続された3つのトランジスタエレメントに分割され、隣接したトランジスタエレメントの各対間には中間拡散領域Aがある。各複合トランジスタは、1つのトランジスタエレメントを含むいずれかの適した数の個別のトランジスタエレメントを含む。
【0135】
各グループにおける各トランジスタエレメントは、第1のゲート部分の下方のチャンネル長が第2のゲート部分の下方のチャンネル長とは異なっている形で配置された第1のゲート部分および第2のゲート部分を持つ不同形ゲートを有する。
【0136】
組立て済み半導体デバイス50の全ての不同形ゲートは共通ゲート体CGに接続されている。
【0137】
直交構造複合トランジスタT51の一方の水平側面には、複合トランジスタT53が直列に配置されている。直交構造複合トランジスタT52の他方の水平側面には、複合トランジスタT54が直列に配置されている。複合トランジスタT51に直接に面した反対側の水平側面上の複合トランジスタT52は、複合トランジスタT51と実質的に同一に設計されている。同様に、複合トランジスタT53に直接に面した反対側の水平側面上の複合トランジスタT54は、複合トランジスタT53と実質的に同一に設計されている。
【0138】
実質的に直交構造複合トランジスタT55の一方の垂直側面には、複合トランジスタT57が直列に配置されている。直交構造複合トランジスタT56の他方の垂直側面には、複合トランジスタT58が直列に配置されている。複合トランジスタT56に直接に面した反対側の垂直側面上の複合トランジスタT55は、複合トランジスタT56と実質的に同一に設計されている。同様に、複合トランジスタT58に直接に面した反対側の垂直側面上の複合トランジスタT57は、複合トランジスタT58と実質的に同一に設計されている。
【0139】
コンタクトC51、C52、C53、C54、C55、C56、C57、および、C58は、各2つの隣接した複合トランジスタの間に(共通の拡散領域上に)配置されている。複合トランジスタT51はコンタクトC51を複合トランジスタT55と共有し、コンタクトC52を複合トランジスタT53と共有している。複合トランジスタT53はコンタクトC53を複合トランジスタT56とさらに共有している。複合トランジスタT56はコンタクトC55を複合トランジスタT58と共有している。複合トランジスタT58はコンタクトC58を複合トランジスタT54とさらに共有している。さらに、複合トランジスタT54はコンタクトC57を複合トランジスタT52と共有している。複合トランジスタT52はコンタクトC56をトランジスタT57と共有し、かつ、複合トランジスタT57はコンタクトC54を複合トランジスタT55と共有している。
【0140】
構造の各側面の中央に所在するコンタクトC52、C54、C55、C57は、(図示されていない)金属線によりインターコネクト、すなわち、相互に接続されている。
【0141】
共通ゲート体CGには、1つまたは複数のゲートコンタクトCG50、CG51、CG52、CG53が設けられている。
【0142】
ゲートコンタクトCG50、CG51、CG52、CG53の数は、半導体デバイスの実際の特徴のサイズおよび各複合トランジスタ内のトランジスタエレメントの実際の数に依存して変化することができる。
【0143】
直交構造の同じ側面上の複合トランジスタ間には、設計組み込みオーバーレイエラーが配置されている。ダッシュ線により示されているように、設計組み込みオーバーレイエラーEyは複合トランジスタT51と複合トランジスタT53との間に存在する。同様に、同じ設計組み込みオーバーレイエラーEyが複合トランジスタT52と複合トランジスタT54との間の直交構造の反対側に存在する。
【0144】
同様に、点線により示されているように、設計組み込みオーバーレイエラーExが複合トランジスタT55と複合トランジスタT57との間に存在する。同様に、同じ設計組み込みオーバーレイエラーExが複合トランジスタT56と複合トランジスタT58との間の直交構造の反対側に存在する。
【0145】
上述の構造において、角部コンタクトC51、C53、C56、C58の各々から構造の各側面の中央に所在する相互に接続された中央コンタクトC52、C54、C55、C57への4つの電流を測定することができる。
【0146】
4つの電流から、複合トランジスタの第1のゲート部分における電流密度、複合トランジスタの第2のゲート部分における電流密度、および、水平および垂直の方向XおよびYにおける実際のオーバーレイΔを計算することができる。
【0147】
代案実施形態において、複合トランジスタの不同形ゲートは図11に示されたものと同じ形で配置され、ここで、各複合トランジスタのトランジスタエレメントの第2のゲート部分は単一の第2のゲート部分として結合されている。
【0148】
図15は、本発明によるリソグラフィ装置の回路を示している。
【0149】
本発明の1つの態様において、リソグラフィ装置には、入力ポートI1、プロセッサCPU、および、メモリMEMを含む回路C1が設けられている。入力I1は、半導体デバイス1により、または、そのような半導体デバイス1のアレイにより、測定され得た、または、上述のいずれかの方法で決定されたオーバーレイエラーΔに関連したオーバーレイエラー信号Oを受信するように構成されている。プロセッサCPUはオーバーレイエラー信号Oを受信するために入力ポートI1に接続されている。同様に、プロセッサCPUはメモリMEMおよび出力ポートO1に接続されている。出力ポートO1はマスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFに(または、マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFをそれぞれ制御するために(鎖線で示された)少なくとも1つの制御部CUに)接続されている。
【0150】
プロセッサCPUは、受信されたオーバーレイエラー信号OからオーバーレイエラーΔを決定するように、かつ、マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFの少なくとも1つ(または、マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFの少なくとも1つの制御部CU)にオーバーレイエラー補正信号OCSを供給するように、さらに構成されている。
【0151】
マスクテーブルMT、ウェーハステージWT、および、干渉計デバイスIFの少なくとも1つにオーバーレイエラー補正信号OCSを供給することにより、リソグラフィ装置は、例えば生産中に発生する可能性のある同装置の設定の変化またはドリフトを、補正することができる。
【0152】
プロセッサCPUは1つのボックスとして示されているが、プロセッサCPUは、当業者に知られているように、互いから離れて所在することができる並列に機能するか、または、1つのメインプロセッサにより制御されているいくつかの演算部を含むことができる。
【0153】
プロセッサCPUの機能は、上述の機能を実行するためのハードウェアまたはソフトウェア構成部分のいずれかにおいて実施することができる。当業者は、本発明の機能がハードウェアおよびソフトウェア構成部分の組合せによっても達成できることを理解されよう。当業者により知られているように、アナログまたはデジタルのいずれかのハードウェア構成部分はプロセッサCPU内に存在することができるか、プロセッサCPUとインターフェイスされている独立した回路として存在することができる。さらに、ソフトウェア構成部分がプロセッサCPUに接続されたメモリ領域MEM内に存在できることは、当業者により理解されよう。メモリMEMも内蔵メモリとしてプロセッサCPUと一体化することができる。
【0154】
本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に対して特に言及しているかもしれないが、本明細書に説明されているリソグラフィ装置が、集積光学系、磁気ドメインメモリのためのパターンの誘導および検出、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造などの他の実用例を有することができることを理解されたい。当業者は、そのような代案実用例の状況において、本明細書における用語「ウェーハ」または「ダイ」のいずれの使用もより一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」とそれぞれ同義であると考えられることを理解されよう。本明細書において言及された基板は、例えば、トラック(典型的に、基板にレジストの層を塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツールおよび/またはインスペクションツールにおいて、露光の前または後にプロセスすることができる。適用される場合、本明細書における開示はこのような、および他の基板プロセスツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを作成するために、2回以上プロセスすることができ、そのため、本明細書において使用されている用語「基板」はプロセス済みの多数の層を既に含む基板を指すこともできる。
【0155】
光リソグラフィにおける本発明の実施形態の使用に対する特定の言及が上で行われたかもしれないが、本発明が他の実用例、例えば、インプリントリソグラフィなどに使用でき、かつ、状況が許容する場合には光リソグラフィに限定されない。インプリントリソグラフィにおいて、パターニングデバイスにおける微細構造は基板上に作成されるパターンを規定する。パターニングデバイスの微細構造は、基板に供給されたレジストの層内に押圧することができ、その基板上でレジストは、電磁放射、熱、圧力、または、それらの組合せを与えることにより硬化される。パターニングデバイスはレジストから外され、レジストが硬化された後にレジスト内にパターンを残す。
【0156】
本明細書において使用されている用語「放射」および「ビーム」は、(例えば、365、355、248、193、157、または、126nmの、または、その付近の波長を有する)紫外(UV)放射および(例えば、5から20nmの範囲の波長を有する)極端紫外(EUV)放射、ならびに、イオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含めた全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0157】
状況が許容すれば、用語「レンズ」は、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型
、および、静電型の光コンポーネントを含めて様々なタイプの光コンポーネントのいずれか1つまたは組合せを指すことができる。
【0158】
本発明の特定の実施形態が上記に説明された一方、本発明が説明されたもの以外に実施できる。例えば、本発明は、上記に開示された方法を記述した機械読取可能な指令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、または、内部にそのようなコンピュータプログラムを記憶したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁性または光学ディスク)の形態を取ることができる。
【0159】
上記の説明は限定的ではなく例示的であることを意図されている。したがって、当業者には、冒頭に述べられた特許請求の範囲から逸脱せずに、説明された如くの本発明に、修正を行えることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図3】オーバーレイを測定するための半導体デバイスの原理を示す図である。
【図4】オーバーレイを測定するための半導体デバイスの第1の領域の断面図である。
【図5】オーバーレイを測定するための半導体デバイスの第2の領域の断面図である。
【図6】図2に示された半導体デバイスのレイアウトを示す図である。
【図7】本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図9】図8に示された半導体デバイスの断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図11】図10に示された半導体デバイスの断面図である。
【図12】本発明の実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図である。
【図13】さらなる実施形態による組立て済み半導体デバイスの上面図である。
【図14】本発明のさらなる実施形態によるオーバーレイを測定するための半導体デバイスの上面図である。
【図15】リソグラフィ装置の回路を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスであって、
第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されている、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1のゲートは、第1のゲート部分および第2のゲート部分を含み、前記第1のゲート部分および前記第2のゲート部分は、互いに平行に第1の方向に延在し、前記第1のゲート部分のゲート長は前記第2のゲート部分のゲート長とは異なっており、
前記第2のトランジスタは、前記第1の方向に垂直な第2の方向において前記第1のトランジスタに隣接して配置され、前記第2のゲートは、第3のゲート部分および第4のゲート部分を含み、前記第3のゲート部分および前記第4のゲート部分は、互いに平行に前記第1の方向に延在し、前記第3のゲート部分のゲート長は前記第4のゲート部分のゲート長とは異なっている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第2のゲートの前記第3のゲート部分および前記第4のゲート部分の配置は、前記第1のゲートの前記第1のゲート部分および前記第2のゲート部分の配置に関して鏡像レイアウトである、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1のゲートの前記第1のゲート部分は、前記第1のゲートの前記第2のゲート部分の側壁と実質的に一致する側壁を有し、前記第2のゲートの前記第3のゲート部分は、前記第2のゲートの前記第4のゲート部分の側壁と実質的に一致する側壁を有する、請求項2または3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値および前記第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を決定するための回路をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記デバイスパラメータを測定するための前記回路は、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定する、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記デバイスパラメータは、少なくともオン電流、オフ電流、および、閾値電圧を含むグループからの1つである、請求項5または6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のトランジスタの前記第1のゲートと前記第2のトランジスタの前記第2のゲートは、接続され、かつ共通のゲートコンタクトを共有している、請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1および前記第2のトランジスタは、それぞれ第1および第2の複合トランジスタとして構成され、それぞれ複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントからなる第1および第2のグループを含み、前記第1および前記第2のグループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントは、それぞれ前記第1と前記第2の拡散領域との間に、および前記第3と前記第4の拡散領域との間に直列接続で配置され、それぞれのグループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントを直列に結合するための中間拡散領域を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記複合トランジスタの前記ゲートは、相互に接続され、かつ共通のゲートコンタクトを共有する、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第1のトランジスタエレメントグループの各トランジスタエレメントの前記第2のゲート部分は、前記第1と前記第2の拡散領域の間に延在する単一の第2のゲート部分にて接合され、
前記第2のトランジスタエレメントグループの各トランジスタエレメントの前記第3のゲート部分は、前記第3と前記第4の拡散領域の間に延在する単一の第3のゲート部分にて接合されている、請求項9または10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
第1の追加トランジスタおよび第2の追加トランジスタをさらに含み、前記第1の追加トランジスタは、第1の追加ゲートと関連する第1の追加の、および第2の追加の拡散領域を含み、
前記第2の追加トランジスタは、第2の追加ゲートと関連する第3の追加の、および第4の追加の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2の追加ゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2の追加ゲートは、前記第2の追加のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1の追加トランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1の追加ゲートの向きに対して配向され、前記第1および前記第2の追加トランジスタの各々は、不同形ゲートを有し、
前記第1、前記第2、前記第1の追加、および前記第2の追加トランジスタは、各トランジスタの前記不同形ゲートを接続するための共通導電体を共有し、 前記第1および前記第2のトランジスタは、第1の方向に沿って位置合わせされ、前記第1の追加および前記第2の追加トランジスタは、前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って位置合わせされている、請求項1から11のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記第1、前記第2、前記第1の追加、および前記第2の追加トランジスタは、それぞれ第1、第2、第1の追加、および第2の追加複合トランジスタとして構成され、
それぞれ複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントからなる第1、第2、第1の追加、および第2の追加グループを含み、前記第1、前記第2、前記第1の追加、および前記第2の追加グループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントは、それぞれの複合トランジスタの2つの外側拡散領域間に直列接続に配置され、前記それぞれのグループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントを直列に結合するための中間拡散領域を備える、請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
各トランジスタは、修正トランジスタと直列に配置され、前記トランジスタと前記修正トランジスタとの間には共通拡散領域が配置され、前記修正トランジスタは、直列に配置された前記トランジスタに対する設計組み込みオーバーレイエラーを有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記トランジスタと前記修正トランジスタとの間の前記共通拡散領域上にコンタクトが配置されている、請求項14に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
各トランジスタと修正トランジスタとの間の前記共通拡散領域上のコンタクトは、相互にインターコネクトされている、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスの製造の方法であって、
前記半導体基板上に第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを設けること、
前記第1のトランジスタに、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を与えること、
前記第2のトランジスタに、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を与えること、を含み、
前記第1および前記第2のトランジスタをそれぞれ形成するための半導体基板の第1および第2の半導体表面領域を形成すること、
前記第1の半導体表面領域上に前記第1のゲート、前記第2の半導体表面領域上に前記第2のゲートを作成すること、をさらに含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されている、方法。
【請求項18】
半導体基板上のリソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定するための方法であって、
前記リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む少なくとも1つの半導体デバイスを含み、
前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されており、
前記方法は、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を決定すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの第2の値を決定すること、および
前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定することを含む、方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記デバイスパラメータの前記デバイスパラメータ差からオーバーレイエラー値を決定することを含む、請求項18に記載のオーバーレイエラーを測定するための方法。
【請求項20】
前記リソグラフィパターンは複数の半導体デバイスを含み、前記半導体デバイスの各々は、接続ゲート線の方向に沿った不同形ゲートにおける設計組み込みオーバーレイエラーを有し、
前記方法は、
前記設計組み込みオーバーレイエラーとの関連で前記半導体デバイスの各々の前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間の前記デバイスパラメータ差を決定することを含み、
前記オーバーレイエラー値の前記決定は、前記設計組み込みオーバーレイエラーの関数としての前記デバイスパラメータ差の線形回帰計算を含む、請求項19に記載のオーバーレイエラーを測定するための方法。
【請求項21】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために前記放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスサポートと、基板を保持する基板テーブルと、前記基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
入力ポート、プロセッサ、メモリ、および出力ポートをさらに含み、
前記プロセッサは、前記入力ポート、前記メモリ、および前記出力ポートに接続され、
前記プロセッサは、前記入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに電気的に接続するように構成され、
前記少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含む半導体基板上のオーバーレイエラーを決定し、
前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向され、
前記プロセッサは、
少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信し、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信し、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定し、
前記デバイスパラメータ差からオーバーレイエラーの値を決定する、リソグラフィ装置。
【請求項22】
前記出力ポートは、前記パターニングデバイスサポートと前記基板テーブルの少なくとも1つに個々の制御信号を供給するために、前記パターニングデバイスサポートと前記基板テーブルの少なくとも1つに接続されており、
前記プロセッサは、前記パターニングデバイスサポート、前記基板テーブル、および前記干渉計デバイスの少なくとも1つにオーバーレイエラー補正信号を供給し、前記オーバーレイエラー補正信号は前記決定済みオーバーレイエラー値に基づいている、請求項21に記載のリソグラフィ装置。
【請求項23】
コンピュータによりロードされるコンピュータ読取可能媒体上のコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、プロセッサ、メモリ、入力ポート、および出力ポートを含み、前記メモリは前記プロセッサに接続され、前記入力ポートおよび前記出力ポートはそれぞれ前記プロセッサに接続され、前記コンピュータはリソグラフィ装置の一部であり、前記リソグラフィ装置は、放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために前記放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスサポートと、基板を保持する基板テーブルと、前記基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
前記プロセッサは、前記入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに接続され、
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための前記少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、そして、前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向され、
ロードされた後の前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサが、
少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、
を実行することを可能にする、コンピュータプログラム。
【請求項24】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサが、
前記デバイスパラメータ差からオーバーレイエラー値を決定することを実行することをさらに可能にする、請求項23に記載のコンピュータプログラム。
【請求項25】
デバイス製造方法であって、
パターニングデバイスから基板上にリソグラフィパターンを転写することを含み、半導体基板上の前記リソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定することをさらに含み、前記リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む少なくとも1つの半導体デバイスの一部を含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、そして、前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されており、
前記方法は、
少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、および
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、を含む、方法。
【請求項26】
マイクロ電子デバイスであって、
第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスを含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、そして、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項27】
関数を実行するための機能ブロックをさらに含み、
前記半導体デバイスは、前記オーバーレイエラーに基づいた補正値を供給し、前記補正値は前記関数の補正のための前記機能ブロックにより使用される、請求項26に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項1】
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスであって、
第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されている、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1のゲートは、第1のゲート部分および第2のゲート部分を含み、前記第1のゲート部分および前記第2のゲート部分は、互いに平行に第1の方向に延在し、前記第1のゲート部分のゲート長は前記第2のゲート部分のゲート長とは異なっており、
前記第2のトランジスタは、前記第1の方向に垂直な第2の方向において前記第1のトランジスタに隣接して配置され、前記第2のゲートは、第3のゲート部分および第4のゲート部分を含み、前記第3のゲート部分および前記第4のゲート部分は、互いに平行に前記第1の方向に延在し、前記第3のゲート部分のゲート長は前記第4のゲート部分のゲート長とは異なっている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第2のゲートの前記第3のゲート部分および前記第4のゲート部分の配置は、前記第1のゲートの前記第1のゲート部分および前記第2のゲート部分の配置に関して鏡像レイアウトである、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1のゲートの前記第1のゲート部分は、前記第1のゲートの前記第2のゲート部分の側壁と実質的に一致する側壁を有し、前記第2のゲートの前記第3のゲート部分は、前記第2のゲートの前記第4のゲート部分の側壁と実質的に一致する側壁を有する、請求項2または3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値および前記第2のトランジスタのデバイスパラメータの第2の値を決定するための回路をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記デバイスパラメータを測定するための前記回路は、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定する、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記デバイスパラメータは、少なくともオン電流、オフ電流、および、閾値電圧を含むグループからの1つである、請求項5または6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のトランジスタの前記第1のゲートと前記第2のトランジスタの前記第2のゲートは、接続され、かつ共通のゲートコンタクトを共有している、請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1および前記第2のトランジスタは、それぞれ第1および第2の複合トランジスタとして構成され、それぞれ複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントからなる第1および第2のグループを含み、前記第1および前記第2のグループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントは、それぞれ前記第1と前記第2の拡散領域との間に、および前記第3と前記第4の拡散領域との間に直列接続で配置され、それぞれのグループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントを直列に結合するための中間拡散領域を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記複合トランジスタの前記ゲートは、相互に接続され、かつ共通のゲートコンタクトを共有する、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第1のトランジスタエレメントグループの各トランジスタエレメントの前記第2のゲート部分は、前記第1と前記第2の拡散領域の間に延在する単一の第2のゲート部分にて接合され、
前記第2のトランジスタエレメントグループの各トランジスタエレメントの前記第3のゲート部分は、前記第3と前記第4の拡散領域の間に延在する単一の第3のゲート部分にて接合されている、請求項9または10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
第1の追加トランジスタおよび第2の追加トランジスタをさらに含み、前記第1の追加トランジスタは、第1の追加ゲートと関連する第1の追加の、および第2の追加の拡散領域を含み、
前記第2の追加トランジスタは、第2の追加ゲートと関連する第3の追加の、および第4の追加の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2の追加ゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2の追加ゲートは、前記第2の追加のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1の追加トランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1の追加ゲートの向きに対して配向され、前記第1および前記第2の追加トランジスタの各々は、不同形ゲートを有し、
前記第1、前記第2、前記第1の追加、および前記第2の追加トランジスタは、各トランジスタの前記不同形ゲートを接続するための共通導電体を共有し、 前記第1および前記第2のトランジスタは、第1の方向に沿って位置合わせされ、前記第1の追加および前記第2の追加トランジスタは、前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って位置合わせされている、請求項1から11のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記第1、前記第2、前記第1の追加、および前記第2の追加トランジスタは、それぞれ第1、第2、第1の追加、および第2の追加複合トランジスタとして構成され、
それぞれ複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントからなる第1、第2、第1の追加、および第2の追加グループを含み、前記第1、前記第2、前記第1の追加、および前記第2の追加グループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントは、それぞれの複合トランジスタの2つの外側拡散領域間に直列接続に配置され、前記それぞれのグループ内の前記複数の少なくとも2つのトランジスタエレメントを直列に結合するための中間拡散領域を備える、請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
各トランジスタは、修正トランジスタと直列に配置され、前記トランジスタと前記修正トランジスタとの間には共通拡散領域が配置され、前記修正トランジスタは、直列に配置された前記トランジスタに対する設計組み込みオーバーレイエラーを有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記トランジスタと前記修正トランジスタとの間の前記共通拡散領域上にコンタクトが配置されている、請求項14に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
各トランジスタと修正トランジスタとの間の前記共通拡散領域上のコンタクトは、相互にインターコネクトされている、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスの製造の方法であって、
前記半導体基板上に第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを設けること、
前記第1のトランジスタに、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を与えること、
前記第2のトランジスタに、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を与えること、を含み、
前記第1および前記第2のトランジスタをそれぞれ形成するための半導体基板の第1および第2の半導体表面領域を形成すること、
前記第1の半導体表面領域上に前記第1のゲート、前記第2の半導体表面領域上に前記第2のゲートを作成すること、をさらに含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されている、方法。
【請求項18】
半導体基板上のリソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定するための方法であって、
前記リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む少なくとも1つの半導体デバイスを含み、
前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されており、
前記方法は、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を決定すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの第2の値を決定すること、および
前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定することを含む、方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記デバイスパラメータの前記デバイスパラメータ差からオーバーレイエラー値を決定することを含む、請求項18に記載のオーバーレイエラーを測定するための方法。
【請求項20】
前記リソグラフィパターンは複数の半導体デバイスを含み、前記半導体デバイスの各々は、接続ゲート線の方向に沿った不同形ゲートにおける設計組み込みオーバーレイエラーを有し、
前記方法は、
前記設計組み込みオーバーレイエラーとの関連で前記半導体デバイスの各々の前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間の前記デバイスパラメータ差を決定することを含み、
前記オーバーレイエラー値の前記決定は、前記設計組み込みオーバーレイエラーの関数としての前記デバイスパラメータ差の線形回帰計算を含む、請求項19に記載のオーバーレイエラーを測定するための方法。
【請求項21】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために前記放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスサポートと、基板を保持する基板テーブルと、前記基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
入力ポート、プロセッサ、メモリ、および出力ポートをさらに含み、
前記プロセッサは、前記入力ポート、前記メモリ、および前記出力ポートに接続され、
前記プロセッサは、前記入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに電気的に接続するように構成され、
前記少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含む半導体基板上のオーバーレイエラーを決定し、
前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向され、
前記プロセッサは、
少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信し、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信し、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定し、
前記デバイスパラメータ差からオーバーレイエラーの値を決定する、リソグラフィ装置。
【請求項22】
前記出力ポートは、前記パターニングデバイスサポートと前記基板テーブルの少なくとも1つに個々の制御信号を供給するために、前記パターニングデバイスサポートと前記基板テーブルの少なくとも1つに接続されており、
前記プロセッサは、前記パターニングデバイスサポート、前記基板テーブル、および前記干渉計デバイスの少なくとも1つにオーバーレイエラー補正信号を供給し、前記オーバーレイエラー補正信号は前記決定済みオーバーレイエラー値に基づいている、請求項21に記載のリソグラフィ装置。
【請求項23】
コンピュータによりロードされるコンピュータ読取可能媒体上のコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、プロセッサ、メモリ、入力ポート、および出力ポートを含み、前記メモリは前記プロセッサに接続され、前記入力ポートおよび前記出力ポートはそれぞれ前記プロセッサに接続され、前記コンピュータはリソグラフィ装置の一部であり、前記リソグラフィ装置は、放射ビームを調節する照射システムと、パターン付き放射ビームを形成するために前記放射ビームにその断面にてパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するパターニングデバイスサポートと、基板を保持する基板テーブルと、前記基板テーブルの位置を決定するための干渉計デバイスと、前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を含み、
前記プロセッサは、前記入力ポートを介して少なくとも1つの半導体デバイスに接続され、
半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための前記少なくとも1つの半導体デバイスは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、そして、前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタのデバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向され、
ロードされた後の前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサが、
少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタのデバイスパラメータの第1の値を含む第1の信号を受信すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの第2の値を含む第2の信号を受信すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、
を実行することを可能にする、コンピュータプログラム。
【請求項24】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサが、
前記デバイスパラメータ差からオーバーレイエラー値を決定することを実行することをさらに可能にする、請求項23に記載のコンピュータプログラム。
【請求項25】
デバイス製造方法であって、
パターニングデバイスから基板上にリソグラフィパターンを転写することを含み、半導体基板上の前記リソグラフィパターンのオーバーレイエラーを測定することをさらに含み、前記リソグラフィパターンは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む少なくとも1つの半導体デバイスの一部を含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、そして、前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されており、
前記方法は、
少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第2のトランジスタのデバイスパラメータを決定すること、および
前記少なくとも1つの半導体デバイスの前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第1の値と前記第2のトランジスタの前記デバイスパラメータの前記第2の値との間のデバイスパラメータ差を決定すること、を含む、方法。
【請求項26】
マイクロ電子デバイスであって、
第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む半導体基板上のオーバーレイエラーを決定するための半導体デバイスを含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲートと関連する第1および第2の拡散領域を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のゲートと関連する第3および第4の拡散領域を含み、
前記第1および前記第2のゲートは、それぞれ不同形な形状を有し、そして、
前記第2のゲートは、前記第2のトランジスタのデバイスパラメータに対するオーバーレイエラーの影響が、前記第1のトランジスタの前記デバイスパラメータに対する前記オーバーレイエラーの影響に比較して逆の符号を有する形で、前記第1のゲートの向きに対して配向されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項27】
関数を実行するための機能ブロックをさらに含み、
前記半導体デバイスは、前記オーバーレイエラーに基づいた補正値を供給し、前記補正値は前記関数の補正のための前記機能ブロックにより使用される、請求項26に記載のマイクロ電子デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−66728(P2008−66728A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−228801(P2007−228801)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228801(P2007−228801)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]