カスタム眼鏡の製造方法
【課題】眼鏡フレーム及び補正レンズの正確な調整システム及び方法の提供。
【解決手段】カメラによって撮影された対象者の眼鏡フレームの2以上の画像が記録され、補正レンズの光学中心をフレームの正しい位置に配置できるように、フレームの特定点と対象者の眼の関係を同定する自動画像処理技術を用いて解析される。
【解決手段】カメラによって撮影された対象者の眼鏡フレームの2以上の画像が記録され、補正レンズの光学中心をフレームの正しい位置に配置できるように、フレームの特定点と対象者の眼の関係を同定する自動画像処理技術を用いて解析される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2001年10月25日出願で係属中のアメリカ合衆国出願番号10/046,656、表題「カスタム眼鏡の製造方法」の一部継続出願であり、その利益を主張し、ここに全体として組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的に眼鏡の適合ないし調整(fitting)装置及び方法に関する。特に、本発明は眼鏡フレーム及びレンズの自動測定及び調整システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の眼鏡製造技術では、患者の波面収差を精密に補正するレンズを製造することはできない。しかし、患者の波面収差に適合する異なる屈折率に硬化されるエポキシ樹脂を使用する新しい製造技術は、製造方法に新しい挑戦の道を開く。特に、患者の光軸に眼鏡を調整することは、球、円柱及び軸収差以外の収差を補正する眼鏡レンズの製造にあたって、最も重要なことである。このような精密な調整を確実にするために、角膜頂点からレンズまでの距離、瞳間距離及び患者の瞳(又は視軸)に合わせた眼鏡レンズの光軸の中心合わせを正確に測定する必要がある。
【0004】
歴史的に、眼をケアする専門家は、眼鏡フレームに対する眼の位置決めには比較的簡単な方法しか用いてこなかった。専門家は、通常、2つの瞳の間の距離(「瞳間距離」という)と、瞳の中心から眼鏡フレーム又はレンズの底部までの高さを測定する。この後者の距離は「SEG高さ」という。この情報がレンズの光軸を両目の軸に合わせて調整するために試験室から要求される。
【0005】
これまで用いられてきた1つの技術は、単にレンズの上の瞳の中心にアイボーリング(eye balling、視覚的な分析)によって油脂色鉛筆で印を付け、定規で瞳間距離(PD)及びSEG高さを測るものであった。近年、瞳計及びデジタル瞳計が用いられるようになり、PDの測定精度が改善されてきた。しかし、瞳計は眼鏡レンズの後ろの位置でのPD測定に関するものではないし、また他の重要なパラメータであるSEG高さ、頂点間距離あるいはパントスコピック傾斜(全視野ないし全体的傾斜、pantoscopic tilt)も測定できない。累進屈折レンズの出現やより高次の補正ゾーンの発達により、これらのパラメータの正確な測定がますます重要になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デュカルージ(Ducarouge)らの合衆国特許第5,617,155号は、画像を用いて被験者の眼と関連した眼鏡フレームの位置を測定する方法を教示する。特にこの特許は、瞳がある領域の輝度勾配及びフレーム接線たる水平線及び垂直線の位置を分析することにより、フレームと眼の位置を自動的に検出する技術を記載している。この技術は、1台のカメラを利用しており、頂点間距離やフレームの視線からの傾斜のような、側面からのメトリクス(設計法、metrics)は提供しない。
【0007】
モーゼス(Mothes)の合衆国特許第6,659,609号は、好ましくは3mの距離に配置した1台のカメラシステムを記載している。この装置は、画像のスケールを決めるための空間的な比較対照となる、眼鏡フレームにクリップ留めされた校正用標識を用いる必要がある。また、特許中に記載されているように、患者は装置を見通すのではなく、鏡の中の自分自身を見る。
【0008】
ノートン(Norton)らの合衆国特許第5,592,248号は、眼鏡を製造するための情報を得るために異なる角度からいくつかの画像を撮ることを記載している。この特許では、1台のカメラを使うことがクレームされ、3次元的再構成に必要な画像を得るために必要な位置に移動させている。複数のカメラを用いることがテキストで議論されているが、複数の画像をどのように連携して用いるか、又は複数のカメラを互いに空間的にどのように配向させるかが記載されていないので、この特許では複数のカメラの使用は実施不能である。さらに、対象者の瞳の位置を自動的に決定する画像解析及び基準マークは使用しておらず、単に画像上の相互的ソフトウェア定規によって測定している。
【0009】
アビトボル(Abitbol)らの合衆国特許出願公開第2003-0123026号は、デジタル表示された対象者が着用する眼鏡フレームを、デジタル的にモデル化し表示することを主な目的とする3次元カメラシステムを記載している。しかし患者を3次元的に再構成することは時間がかかり、また眼鏡フレーム調整のために必要とされる基礎的測定値には不必要である。さらに、市販されている3Dカメラの精度は、高次補正ゾーンの正確な位置決めに通常必要とされる0.5mm未満の位置決め精度には不十分である。
【0010】
【特許文献1】合衆国特許第5,617,155号
【特許文献2】合衆国特許第6,659,609号
【特許文献3】合衆国特許第5,592,248号
【特許文献4】合衆国特許出願公開第2003-0123026号
【課題を解決するための手段】
【0011】
フレームの調整システム及び方法が開示される。1以上の撮像装置が、対象者が着用した眼鏡フレームの2以上の画像を撮影する。画像は、フレーム上の関心点(複数、specific points of interest)と対象(者)のそれぞれの眼の位置との関係を同定するために、自動画像処理技術を用いて解析され、レンズの光学中心をフレームの正しい位置に配置することが可能となる。画像処理装置は、画像から瞳間距離と瞳中心を決定する。フレーム配置装置は、1以上のレンズフレームの位置を受け取るか、又は1以上のレンズフレームの位置を決定することができる。画像処理装置は、所望の眼鏡フレームに入れて調整・取付する補正レンズの瞳中心及びSEG高さを正確に決定できる。
【0012】
本発明の構造及び操作についての新規な特徴は、本発明自体と同様、詳細な説明に関連する添付図面によって最も良く理解されるであろう。その中では、似た部分は似た参照数字が用いられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は波面測定システムであり、一般的に100で示す。図1では、波面測定システム100はスリット102を有する主ハウジング101を含み、主ハウジングはスリット102によって患者(図示せず)の前面を撮影するための1又は2台のカメラ(図示せず)を設置することができるが、患者は仮想の、又は真の固定標的を見ることができる。さらに、それぞれ主ハウジング101から伸び、カメラ(図示せず)用の開口部108を有する右ハウジング104及び左ハウジング106を有する。
【0014】
図2では、図1の波面測定システムの側面図が200で示されている。図2では、患者202が波面測定システムの主ハウジング101とスロット102に相対している。右ハウジング104に設置されたカメラ(図示せず)は、患者202の耳204、鼻206を含む側頭部を撮影する。スロット102に設置されたカメラ(1台又は複数)は、患者202の眼208、そして特に瞳210を撮影する。
【0015】
図3は、既知の寸法の眼鏡フレーム304を着用した患者302を示す。フレーム304には、鼻モールディング306と耳モールディング308が付いている。鼻モールディング306と耳モールディング308が硬化する前に、それぞれの上に登録標識310,312を付けておく。フレーム304を着用した患者302の画像が波面測定システム100により撮影され、波面測定システム100はテストフレーム304、登録標識310、312又はその両方を、その後の眼鏡調整のため、患者302の頭部及び顔面をより正確に数値化するために使用する。
【0016】
図4は、患者の右側面の画像であり、400で示す。図4では、右の鼻モールディング404に付けられた右レンズ開口部402がある。画像中には、患者の右角膜頂点406及び右耳モールディング408も見える。右鼻モールディング404の登録標識410及び右耳モールディング408の登録標識412は、コンピュータが右鼻モールディング404及び右耳モールディング408の正確な位置を、互いの関係と患者の右角膜頂点406との関係を考慮して決定するのに役立つ。
【0017】
図5は患者の右側の正面画像であり、420で示す。図5では、患者の右の瞳426、右のレンズ開口部402、右鼻モールディング404及び登録標識410が画像中に見える。
【0018】
図6は患者の左側の正面画像であり、430で示す。図6では、患者の左の瞳427、左のレンズ開口部403、左鼻モールディング405及び登録標識411が画像中に見える。
【0019】
図7は、患者の左側面の画像であり、440で示す。図7では、左の鼻モールディング405に付けられた左レンズ開口部403がある。画像中には、患者の左角膜頂点407及び左耳モールディング409も見える。左鼻モールディング405の登録標識411及び左耳モールディング409の登録標識413は、コンピュータが左鼻モールディング405及び左耳モールディング409の正確な位置を、互いの関係と患者の左角膜頂点407との関係を考慮して決定するのに役立つ。
【0020】
患者の撮影後、コンピュータは、可塑性鼻パッド306と可塑性耳パッド308を含む、左右の側面画像及びテストフレーム304を着用した2つの正面画像を、波面測定システムから検査されるとともに、保存する。画像から、可塑性鼻パッド306と可塑性耳パッド308の正確な位置が、互いの関係と患者の瞳426,427、角膜頂点406,407及びテストフレーム304との関係を考慮して、決定される。
【0021】
図8は、患者の顔の正面画像であり、450で示す。図8では、顔を撮影するのに1台のカメラを使っており、そのため画像内にレンズ開口部402,403、鼻モールディング404,405、瞳426,427の各双方を含んでいる。
【0022】
図9は、カスタム眼鏡の製造ステップの手順を示すフローチャートであり、500で示す。ステップ502では、画像の撮影のため、患者が波面測定装置を覗き込む。図2のように患者が適切な位置に配置されると、ステップ504で複数のカメラが患者の顔の正面と両側面を撮影するように指示される。カメラの位置は患者の両側面と正面の撮影の必要性にのみ制限されるものであるから、図2に示す配置に限られない。ステップ506は、患者の眼のいろいろな注視角で撮影する必要があることを示す。高次の収差を補正する場合、全ての注視角の光学的アライメントは重要な要請となる。従ってステップ506は、カスタム眼鏡の機能を適切に確保するよう実行されなければならない。追加的にステップ507では、ステップ506で撮影された画像のそれぞれごとに波面測定が要求される。ステップ508では、コンピュータが情報を処理し、出力をステップ510に返す。出力は患者の瞳の位置、瞳中心、瞳間距離、顔の幅、耳の位置、波面測定装置から角膜頂点までの距離、耳から角膜頂点までの距離、及び眼鏡の調整のための患者の頭部と顔の測定に必要な他のパラメータである。この情報、まとめてレンズ装着パラメータと称する、を用いて、ステップ512に示すようにカスタム眼鏡が製造される。
【0023】
図10はカスタム眼鏡の製造ステップの代替的手順を示すフローチャートであり、600で示す。ステップ602では、図3に示すように、可塑性の材料が患者の鼻のまわりと耳のまわりの領域に適用される。可塑性材料は、患者の鼻及び耳の周りの正確な表面形状(プロフィール)を得るためのより従来的な方法を可能にする。モールディングを波面測定装置と関係付けるため、ステップ604ではモールディングが硬化する前に登録標識を付けることを要求する。登録標識により、波面測定装置は患者の顔と関連したモールドの計測をすることができる。ステップ606では、既知の寸法のテストフレームを硬化前の可塑性材料に取り付ける。ステップ604の登録標識は、ステップ606でフレームに付けてもいいし、付けなくても良い。ステップ606のフレーム、ステップ602のモールディングは、604の登録標識とともに図3に見える。ステップ608では、図9のステップ502と同様、患者が波面測定装置を覗き込む。ステップ610では、コンピュータが左右の側面画像、及び可塑性パッドを含むテストフレームを着用した患者の1又は2枚の正面画像を保存する。ステップ612で、コンピュータは図9のステップ510に示すパラメータと全く同じ出力を返すが、さらにテストフレームとモールディングに関する情報も加わっている。最後に、ステップ614で、モールディングが複製又は変換(transform)されて、従来型フレームのためのカスタム眼鏡用ヒンジと鼻パッドが作られる。
【0024】
好適な実施形態において、種々のモールディングがシリコーンで作られる。しかし、人の頭部に合わせられる任意の材料はこのシステムに適していることが理解される。
【0025】
図11は、眼鏡測定システムの好適な実施形態であり、700で示す。システム700は、間に人の頭部706が入るスペースがある右側ハウジング704と左側ハウジング(この図では図示せず)を持つ主ハウジング702を含む。患者の耳708は両側のハウジングの間に位置し、患者の眼710は主ハウジング702のスロット711の直前に位置する。
【0026】
示すように、患者は光軸714に沿って現実の固定標的712を見る。光軸714上に、角度可変の2色光線分割器716が配置され、これは患者の眼710からの光の一部を第2の軸718に分割する。第2の軸に沿って通過する光は、1対の結像レンズ720及び722を通過し、ハルトマン−シャックセンサーのような波面センサー724に到達する。
【0027】
第2の軸718の形成に加えて、光軸上の光の一部を分割して第3の軸730を作るための追加光線分割器726を光軸上に配置することもできる。第3の軸に沿った光は結像レンズ732を通過して、電荷結合素子(CCD)カメラのような撮像装置に到達する。
【0028】
眼の分析のために異なる焦点距離で焦点合わせをする場合、第2の光軸740上に仮想の第2の標的742が提供される。第2の光軸を通過する光の一部を波面センサー724に到達させるため、光線分割器716は角度744で軸回転し、また(矢視)746の方向に移動して、分割器716が第2の光軸740上に適切に配置される(点線748で示す)。
【0029】
眼鏡測定システム700を用いることにより、方法600による眼鏡の製造が容易化される。2つの異なる注視角又は光軸に必要な光学補正を測定するための単一の測定システムを提供することにより、患者のニーズに正確に合った補正レンズを製造できる。
【0030】
レンズによる補正の利益を患者が最適に受けるためには、補正レンズは眼鏡フレームに適切に調整して取り付けなければならない。図12は、自動フレーム調整システム1200の機能的ブロックダイアグラムである。システム1200は、個々の患者とその眼鏡フレームに関して瞳間距離(PD)及びSEG高さを正確に決定する。このような測定値は、たとえば眼鏡フレーム内での補正レンズの正確な位置決めに用いられる。
【0031】
システム1200は補正レンズを調整することを所望する眼鏡フレームを着用した患者の1以上の画像を撮影するように構成しうる。得られた画像は、例えば、患者とその眼鏡フレームに関する瞳間距離及びSEG高さといった、レンズをフレームに取り付けるための情報を決定するように処理される。
【0032】
システム1200は、患者の頭部を所定の視野におおよそ配置するように構成される患者の位置決め装置1202を含む。位置決め装置1202は、例えばあご乗せ、額当て、耳当て、鼻ブリッジのようなもの又は他の位置決め装置あるいはそれらの組合せでありうる。位置決め装置1202は単に機械的位置決め装置に限らず、音響的、視覚的、又は他の電気的位置決め装置のようなタイプを含み得る。
【0033】
撮像装置1210は、眼鏡フレームと患者の頭部の一部との関係を示す、患者の頭部の1以上の画像を撮影するように構成できる。照明装置1220は、患者の頭部を照明し、撮影した画像に基準マークを提供又は創出するように構成できる。撮像装置1210と結合した画像処理装置1230は、撮影した画像を解析する。画像処理装置1230は、撮影した画像を検査し、瞳間距離、SEG高さ及び眼鏡フレームのパントスコピック傾斜を決定するように構成される。パントスコピック傾斜とは、フレームの垂直線に対する角度である。それぞれの角膜からレンズまでの距離は通常頂点間距離(vertex distance)といわれるが、これも決定できる。
【0034】
撮影した画像と測定結果は、ディスプレイ1260又は他の、例えば、プリンターや磁気カードライターのような出力装置に出力される。メモリー1250と連絡する処理装置1240は、患者の位置決め装置1202、撮像装置1210、照明装置1220、画像処理装置1230、及びディスプレイ1260に関する機能の一部又は全部を制御できる。さらに、システム1200内の種々の機能ブロックによって実行される機能の一部又は全部は、メモリー1250内に、処理装置が読み取り可能な1以上の指令として保存され、処理装置1240により実行される。例えば、1つの実施形態として、画像処理機能はメモリー1250にソフトウェアとして保存され、画像処理ソフトウェアを実行する処理装置1240により実行される。
【0035】
撮像装置1210は1以上のカメラ又は他の撮像機器を含む。カメラはカラーでもモノクロでもありうる。さらに、1以上のカメラはテレセントリックレンズで構成しうる。例えば、撮像装置1210は1以上のカメラ、CMOSカメラ、電荷結合装置、感光性装置等、又は他の撮像装置を含み得る。同様に、照明装置1220は、1以上の光源を含み、1以上の光フィルターを含み得る。例えば、1以上の光源は白熱光源、蛍光光源、ハロゲン光源、キセノン光源、LED光源、ガス放電光源、放射光光源、レーザー光源等、又は他の光源を含みうる。照明装置1220は、白色光源、着色光源、可視光源、不可視光源、又は光源の組合せを含み得る。フィルターは、光学フィルター、傾斜フィルター、偏光フィルター等、又は他のタイプのフィルターを含み得る。1つの実施形態において、処理装置1240は照明装置1220からの照明の時間と強さを制御する。他の実施形態において、1以上の照明装置は1以上の光源を含み得る。いくつかの光源からの光は、光源からの光を着色するために光学フィルターを用いてフィルターされうる。その場合、画像処理装置は、一部は色を検出することで特徴を捉えるように構成されうる。
【0036】
図13Aは、図12に示すフレーム調整システムの1つの実施形態である。図13Aは、フレーム調整システム1300と眼鏡フレーム1306を着用した患者1308との関係を示す。患者1308は、額支持具1304を用いて画像撮像装置に相対できる。
【0037】
システム内の撮像装置は、眼鏡フレーム1306を着用した患者ないし対象者1308の画像を撮影する2つのカメラ1310,1312を使用している。カメラ1310,1312は例えば、CMOSカメラでありうる。
【0038】
第1のカメラ1310は、眼の間の軸を通り対象者の眼に水平な平面での対象者1308の正面画像を撮影するように配置される。第1のカメラ1310は、実質45°に配置された光線分割器1330を通して患者1308を撮影することが望ましい。光線分割器1330により、患者1308はカメラ1310を見ることなく、遠くの物体に焦点を合わせて見ることができる。光線分割器1330を用いることにより、有利にも対象者が装置の外を見て、視野内にある1以上の距離及び/又は位置に置かれた1以上の現実の又は固定された標的に焦点を合わせることができる。種々の距離及び/又は位置にある現実の又は固定された標的を用いることにより、このシステムはいろいろな眼の向きでの瞳の位置を捉え、測定することができる。例えば、第1の瞳判別は、対象者が通常の読書用距離で通常の読書用角度に配置された標的に焦点を合わせている時に撮影された第1の画像セットを用いて決定される。第2の瞳判別は、対象者が遠くの物体に焦点を合わせている時に撮影された第2の画像セットを用いて決定される。
【0039】
光線分割器1330は、代替的に部分銀鏡、2色フィルター、又は他の光線分割装置でありうる。対象者1308は、このシステムによって第1のカメラ1310で画面を遮られることなく遠くの物体に焦点を合わせることができる。これによって、対象者の眼の配置が近くの視野にある物体によって影響されることがない。そのような近くの視野にある物体は、例えば瞳間距離の決定の正確さに影響を与える。
【0040】
第2のカメラ1312は、第1のカメラ1310によって撮影される画像と実質垂直な画像を撮影するように配置される。第2のカメラ1312は、患者1308の側面画像を撮影するように構成しうる。第2のカメラ1312は、およそ患者の角膜の線上にカメラの軸が来るように配置しうる。
【0041】
任意の第3のカメラ(図示せず)を、患者の両眼の間と一致する垂直線に沿って見下ろすように、上部に設置することができる。1310,1312のいずれのカメラも患者1308の画像を同時に撮影するように構成できる。或いは、1310,1312のカメラは、患者1308の画像を順番に撮影するように構成できる。例えば、1310,1312のカメラがもし順番に画像を撮影する場合、連続画像の間隔は、患者1308の画像間での動きを最小化するよう調整しうる。連続撮影の1つの実施形態として、カメラは毎秒約15コマの速さで撮影を繰り返すことができる。
【0042】
1つの他の実施形態において、1台のカメラが複数の画像を撮影できる。例えば、1台のカメラを所定の画像を撮影する前に移動させるのである。或いは、フィルター及び反射板、及び/又は異なる波長の照明源を用いることにより、1台のカメラで同時に複数の画像を撮影できる。例えば、図13Aに示すシステムでは、1台の広角カメラにより、2つの波長依存性光線分割器と2つの異なる波長の照明を用いて患者1308の正面及び側面画像を同時に撮影できる。1台のカメラでの代替的実施形態が図13Bに示されている。
【0043】
フレームの患者1308での位置と角度を決定するために、画像処理装置(図示せず)を用いて画像分析されうる。例えば、カメラ1310で撮影された対象者がソフトウェアのなかで3次元的に配置、測定されるように、較正手順によって複数のカメラの位置、画像取りが規定される。較正手順は、例えばカメラ1310,1312の視野に、例えば較正物や較正用付属品のようなものを配置して撮影することを含み得る。画像処理装置は、撮影されたその較正用付属品の画像を用いて較正される。
【0044】
システム内のどのカメラも、他のカメラと関連して較正されるように較正物が撮影される。較正手続は3次元的空間的構成付属品を用いて行われる。カメラの較正によって、各画像に撮影された項目の空間的関係が画像処理装置で決定できる。
【0045】
較正用付属品は例えば、既知の寸法の方眼を書いた面を持ちうる。カメラで撮影された画像は、その方眼の寸法で較正される。1つの実施形態において、較正用付属品は既知の寸法の方眼を書いた面を持つ立方体でありうる。立方体の面が第1、第2のカメラ1310、1312の軸に対して約45度の角度になるように置かれる。第2の実施形態として、較正物は既知の寸法を持つ方眼を書いた平面である。この平面は、第1、第2のカメラ1310、1312の軸に対して約45度の角度になるように置かれる。他の実施形態として、較正物は既知の寸法のマークを持つスケールである。このスケールは、第1、第2のカメラ1310、1312の軸に対して約45度の角度になるように置かれる。
【0046】
各カメラで撮影された患者1308の画像は画像認識ソフトウェアを用いて解析され、各画像中でのフレーム1306の輪郭と患者の瞳の位置が確定される。画像処理装置は、目に対するフレーム1306の位置を決定し、正面画像から瞳間距離とSEG高さ、側面画像から頂点間距離とパントスコピック傾斜の座標を与える。上部カメラ(図示せず)は、患者1308が第1、第2のカメラ1310、1312との間で位置調整されていることの確認に用いられうる。もしも画像処理装置が、患者1308がカメラに対して位置調整されていないと判断した場合、画像処理装置は、一部上部カメラ画像に基づき、カメラと眼の光軸との角度ずれによる測定値を補正するための追加情報を提供できる。
【0047】
画像処理機能を簡単にするため、このシステムは制御された照明を用いることができる。この制御された照明の目的は2つある。一様な間接照明は、画像処理手順をよりうまくいくようにフレーム1306と顔面を照明できる。患者1308の瞳を識別する画像処理アルゴリズム能力をさらに高めるため、指向性点状光源または基準マークが所定の位置に追加される。点状光源は、特別なパターンで角膜を反射するように構成されうる。パターン認識を用いて、画像処理装置又は画像処理ソフトウェアは各画像中の特別なパターンを探すことができる。例えば、決められたパターンは、正面画像での瞳の外側の2以上の点であり、側面画像での1つの反射光源である。点状光源は、画像中で分光学的特徴により容易に区別できるように特定の色を持ちうる。或いは、光源からの光の色又はスペクトルを変えるため、1以上の光源の前にフィルターを置くこともできる。
【0048】
さらに、図12の処理装置1240などでコンピュータ制御し、画像のコマごとに光の点滅を行うこともできる。照明を繰り返すことで1つの画像を照明ONの状態で撮影できる。1以上の照明を、瞳を検知するための画像に映り込まないように、次の画像に行く前に消灯させることもできる。画像間の動きができるだけ小さく、実質的にゼロになるように短時間で連続画像を撮影できる。2つの画像が、光源からの瞳反射マークを判断するため、重ね合わされ又は比較される。
【0049】
代替的に、点状光源を使わずに均一な光源を用いることができる。図13Aにおいて、第1の光源1342は患者1308の顔の片側に沿って配置されている。第2の光源1344が患者1308の顔の反対側に沿って配置されている。各光源は例えば、LED光源の配列又は白熱ランプでありうる。角膜は光源1342、1344からの光を反射する。球形の角膜は、実質的に均一な光源からでも実質的に局在化した光源からの光を角膜上に反射する。従って、光源、例えば1342,1344は患者1308の各角膜に反射光を生ずる。各反射光は角膜上で実質上点として局在化される。
【0050】
画像処理装置(図示せず)は、撮影された画像から角膜上の反射点を検知できる。例えば、画像処理装置は画像中の高輝度の点を探すことができる。一度画像中のこれらの角膜上の点が特定されると、今度は画像処理装置は反射の特定領域内にある瞳の暗い円を探す。画像処理装置は瞳を見分けるのに例えば、連続性(connectivity)又はブロブ(blob、かたまり)解析を用いることができる。画像処理装置は、瞳を探すために画像の2次元検索が行えることが好ましい。こうして画像処理装置は瞳の中心を決定する。
【0051】
1つの実施形態において、対象者1308はまず眼鏡フレーム1306を着用しないで撮影し、次いで眼鏡フレーム1306を着用して撮影できる。この両画像セットは両画像に共通の特徴又は目印を用いて重ね合わされる。画像処理装置は2枚の画像の違いを検出し、画像からフレーム1306を抽出できる。この技術は、眼鏡(フレーム)1306が様式化した特徴を持つ場合又は画像中に基準マークを作れないデザインの場合に特に有用である。
【0052】
瞳の位置決めに加えて、画像処理装置は左右のフレーム枠(box)を決定する。眼鏡フレーム枠は、例えばSEG高さを決めるのに用いられる。1つの実施形態において、眼鏡フレームの決定がフィルター及びエッジ検出アルゴリズムを用いて自動的に行われうる。或いは、眼鏡フレームの決定は、ユーザーインターフェイスを通じてオペレータが眼鏡フレーム像の外枠がレンズフレームの4辺の端部に接するように画面上をドラッグするか、描くことで行うことができる。例えば、そのシステムはオペレータが患者1308の画像を見て、マウスまたはその他の入力装置を用いて各レンズフレームの周囲に外枠を描くことができる。
【0053】
図13Bは1台のカメラ1310を用いる代替的フレーム調整器の実施形態1300の機能的ブロックダイアグラムである。この機能的ブロックダイアグラムは、患者又は対象者1308と1台のカメラによるフレーム調整器1300との上から見た位置関係を示す。
【0054】
カメラ1310は、患者1308がカメラ1310を視界に入れることなく遠くに焦点を合わせることができるようにするために用いる複数の2色光線分割器1352、1354及び広波長帯光線分割器1330を通して、患者1308を撮影するよう構成される。カメラ1310は、患者1308の視軸と実質平行な視軸に合わせて配置される。カメラ1310は、カメラ1310の視野内に置かれた第1の2色光線分割器1352を用いて患者1308の側面画像を撮影できる。第1の2色光線分割器1352は、例えばカメラの視軸に対して実質45度の角度で配置されうる。第1の2色光線分割器1352はまた、患者の頭部の側面から患者の視軸に対して実質垂直に伸びる軸におおよそ沿って配置されうる。
【0055】
第2の2色光線分割器1354は、カメラ1310の視軸に対して約45度の角度で配置され、第1の2色光線分割器1352の背後に配置される。患者1308の正面画像は、患者1308の前面に置かれた広波長帯光線分割器1330で反射される。広波長帯光線分割器1330からの正面画像は、第2の2色光線分割器1354で反射され、第1の2色光線分割器1352を通過してカメラ1310で撮影される。
【0056】
患者1308を照明するため、2つの光源1346,1348が用いられる。1つの実施形態において、第1の光源1348は着色光である。ここで、着色光とは、白色光源よりも限られた波長帯(スペクトル)の光を意味する。第1の光源1348は、例えば、患者1308を実質赤色波長内の光スペクトルで照明する赤色光源又は実質赤色光を発する光源でありうる。第1の2色光線分割器1352は、光源1348中のスペクトルに対応するスペクトル光をフィルター、反射し、所定の波長よりも長い又は短い波長の光を通過する。従って、例えば、第1の2色光線分割器1352は、赤色光を反射し緑色光を通過する赤色光線分割器で構成される。こうしてカメラ1310は、2色光線分割器1352、1354と連携して光源の波長に対応した画像のみを撮影する。
【0057】
同様に第2の光源1346も、緑色光源又は実質緑色光を発する光源のような着色光源でありうる。第2の2色光線分割器1354は、光源1346中のスペクトルに対応する緑色光のみを反射するように構成される緑色光線分割器でありうる。第2の2色光線分割器1354は他の全ての波長の光を通過するように構成される。
【0058】
光源1346、1348は緑と赤の光源である必要はなく、どのようなタイプの着色光源、あるいは可視スペクトル、不可視スペクトル又はこれらの組合せの光を発する狭い波長帯の光源でも良い。
【0059】
こうしてカメラ1310は、赤色光線分割器1352で反射された側面画像と緑色光線分割器1354で反射された正面画像との合成物である画像を撮影する。画像処理装置(図示せず)は撮影された画像のスペクトルに一部基づいて画像処理するように構成されうる。従って、画像の赤色部分を分析することにより、画像処理装置は側面画像を分離することができる。同様に、緑色画像を分析することにより、画像処理装置(図示せず)は正面画像を分析できる。或いは、正面画像と側面画像は順番に撮影され、別々の画像として分析することもできる。
【0060】
さらに、カメラ1310は2つの画像を連続して撮影できる。最初は赤色光源1348のみで照明し、赤色光線分割器1352で反射され、カメラ1310は側面画像を撮影する。2番目の画像は緑色光源1346を用いて緑色光線分割器1354で反射された正面画像をカメラ1310で撮影する。こうして連続撮影法は白黒カメラのみならずカラーカメラでも利用できる。
【0061】
図14から16は、撮影された画像と、所望の情報を得るための画像解析プロセスを示す。図では画面に映した撮影画像を示しているが、画像はオペレータに表示する必要はなく、システムは画像を表示することなく画像解析を行うことができる。
【0062】
図14は、図13に示すフレーム調整システムを用いて撮影された対象者の側面画像1402と正面画像1404の表示画面を示す。画面には、画像処理装置が瞳の位置を決定する時に加えた基準マークを含む。さらに、画像には瞳と決定した領域を示す輝点が含まれる。基準マークと輝点は画像処理装置によって加えられたものであり、撮影した画像の一部ではない。
【0063】
正面画像1404には画像処理装置によって加えられた基準マークと、瞳と同定された範囲が示されている。画像処理装置は、画像中の第1の光源からの反射を解析して、対象者の右目中にある第1の基準マーク1412の位置を決定する。画像処理装置は、例えば対象者の角膜の光源反射に相当する光の強度ピークを探知することができる。同様に、画像処理装置は対象者の角膜上の第2の光源の反射に相当する第2の基準マーク1414の位置を決定できる。画像処理装置は基準マークを右目の瞳1420を決定するのに用いることができる。例えば、画像処理装置は、基準マークを暗い瞳1420の範囲を探すための連続性又はブロブ解析を始めるインデックスとして用いることができる。右の瞳1420は対象者の右目の中の高輝度範囲(highlighted area)として示されている。
【0064】
同様に、画像処理装置は対象者の左目の中の基準マークの位置を探すことができる。画像処理装置は、左の角膜上の第1の光源の反射に相当する第1の基準マーク1432を決定する。画像処理装置はまた、左の角膜上の第2の光源の反射に相当する第2の基準マーク1434を決定する。2つの基準マーク1432,1434は、画像処理装置が左の瞳1440を決定するために用いられる。左の瞳1440は対象者の左目の中の高輝度範囲として示されている。
【0065】
画像処理装置は側面画像1402についても同様に解析を行う。画像処理装置は、角膜上の光源反射に相当する基準マーク1452,1454の位置を決定する。画像処理装置は、瞳と角膜1456の縁を決定するために基準マーク1452,1454を用いる。
【0066】
図15は、フレーム配置器により決定されたフレームの輪郭を含む正面画像の画面図である。フレーム配置器は例えば、図12の画像処理装置の一部でありうる。
【0067】
正面画像1502は、所望のフレーム1510を着用した対象者の像を含む。フレームの位置は、フレーム中の補正レンズの位置決めの一部として配置される。1つの実施形態において、画像処理装置が左右のレンズフレームの位置を決定する。画像処理装置はフレームの位置を、例えば、ソーベル(Sobel)又はロバーツ(Roberts)タイプのエッジ検出フィルターを用いて連続性又はブロブ解析とともに、決定できる。画像処理装置は、例えば対象者の鼻柱の近くの画像部分にある、高レベルのコントラストを決定できる。画像処理装置は、フレームのその他の部分を決定するため、エッジ検出フィルター及び連続性又はブロブ解析を使用できる。一度画像処理装置がフレームの輪郭を決定すると、今度は各レンズフレームを輪郭付ける枠1530の位置を決定できる。画像処理装置は、レンズフレームの各側面に接する辺1532,1534,1536,1538を持つ枠1530を決定する。画像処理装置は、例えば、フレームのブロブ解析に一部基づいたエッジ検出を使用できる。
【0068】
例えば、画像処理装置は左目の補正レンズのレンズフレームの位置を決定できる。画像処理装置は、レンズフレームの中心部の内側の端を決定することで、枠1530の左端1536を決定する。同様にして、画像処理装置は枠1530の上端1532、下端1534、右端1538を決定できる。次いで画像処理装置は右目の補正レンズフレームについても同じプロセスを繰り返す。
【0069】
代替的実施形態において、対象者の2枚の正面画像が撮影される。最初は眼鏡フレームを着用しない対象者が撮影される。2枚目は所望の眼鏡フレームを着用した対象者が撮影される。画像処理装置は2枚の撮影画像を例えば相関解析を用いて心合わせ配列(align)する。次いで画像処理装置は、2枚の画像の違いを取り出して眼鏡フレーム像を抽出する。こうして画像処理装置は上記のプロセスを経てレンズフレームの位置を決定できる。
【0070】
さらに別の実施形態において、撮影された正面画像1502はオペレータに表示される。レンズフレームの位置はオペレータからの入力で同定される。フレーム調整(適合)システムはオペレータからレンズフレームの位置を同定する入力を受け取ることになる。1つの実施形態において、オペレータはレンズフレームに接する辺を持つ枠1530をドラッグするマウスを用いる。オペレータは左右のレンズフレームの入力を繰り返す。
【0071】
図16は所望の眼鏡フレームを着用した対象者の側面画像1602を表示した画面である。1つの実施形態において、画像処理装置はフレームのパントスコピック傾斜を自動的に決定する。これまでと同様、画像処理装置は1以上の撮影画像を解析してパントスコピック傾斜を自動的に決定できるのである。
【0072】
1つの実施形態において、画像処理装置は画像中の眼鏡フレームを同定するためにエッジ検出フィルター及び連続性又はブロブ解析を用いる。そして画像処理装置は、フレームの前面の接線と垂直からの角度を測定してフレームのパントスコピック傾斜を決定する。
【0073】
第2の実施形態において、眼鏡フレームを着用した画像と着用しない画像の2枚の対象者の側面画像が撮影される。2枚の画像は調整配列され、眼鏡フレームを同定するために画像の違いが決定される。画像処理装置はエッジ検出及びブロブ解析を用いてフレームの輪郭を同定し、パントスコピック傾斜を規定する接線を決定する。
【0074】
さらに他の実施形態において、フレーム調整システムは側面画像1602をオペレータに表示する。オペレータはコンピュータマウスなどの入力装置を用いてフレームの接線を引くか又は位置調整する。接線はパントスコピック傾斜を規定する。フレーム調整システムはパントスコピック傾斜を決定するための線に対応するデータを受け取る。
【0075】
図17は、図12のフレーム調整システムが行うフレーム調整プロセス1700のフローチャートである。プロセス1700は、所望の眼鏡フレームを着用した対象者の正面及び側面画像を撮影することから始まる。図12及び13に示すシステムでは、1台以上のカメラが対象者の正面及び側面画像を撮影するために、処理装置又は制御装置で制御されうる。処理装置は撮影中に照明器の1以上の光源も制御できる。
【0076】
正面及び側面画像が撮影されると、プロセス1700はブロック1710に進み、フレーム、特に左右のレンズフレームの位置が決められる。図12のシステムでは、フレーム配置器は画像処理装置の中に統合されている。フレーム配置器は左右のレンズフレームを決定し、またフレームのパントスコピック傾斜も決定する。
【0077】
フレームが位置決めされると、画像処理装置はブロック1720に進み、画像中の瞳の位置を決める。次に画像処理装置はブロック1730に進み、瞳間距離及びSEG高さといったフレーム調整情報が決定される。情報はオペレータに報告又は表示されうる。
【0078】
1つの実施形態において、画像撮影、画像処理及びパラメータ決定は例えば独立したユニットにおいて、対象者と同一の場所で実行される。他の実施形態において、画像撮影は対象者と同じ場所で行い、画像処理、パラメータ決定及び報告は対象者とは離れた場所で行われる。この離れた実施形態において、撮影は検眼士の事務所で行い、画像処理はレンズが製造され眼鏡に組み立てられる、離れた場所で実施することができる。
【0079】
図18は画像処理装置が行う瞳位置決めプロセス1720の詳細なフローチャートである。プロセス1720は、画像処理装置が1以上の所定のしきい値に対して撮影画像を比較するブロック1802に始まる。カラー画像システムでは、画像処理装置は赤、緑、青のピクセルを1以上の所定のしきい値と比較し、明ピクセルの存在を決定する。所定のしきい値を超えるピクセルは、明ピクセルと決定される。
【0080】
次いで画像処理装置はブロック1810に進み、連続性又はブロブ解析が画像中の明点を決定するために行われる。画像処理装置は、所定のしきい値を超える各ピクセルについて連続性解析を行うことができる。画像処理装置は連続性解析に基づき、1以上のブロブを生成する。
【0081】
画像処理装置は次にブロック1820に進み、同定されたブロブが寸法及び形状の特徴に基づき分別される。1以上の光源の位置が既知であるので、角膜上の反射のおよその形状と位置は既知である。分別基準にあてはまらない形状及び位置のブロブは、対象者の角膜からの反射光に対応しないとして除去される。
【0082】
次に画像処理装置はブロック1830に進み、暗ピクセルのしきい値分別を行う。先と同様、カラー画像であれば赤、緑、青のピクセルを1以上の所定の暗度しきい値と比較する。
【0083】
画像処理装置は次にブロック1840に進み、同定された暗ピクセルについて連続性又はブロブ解析が行われる。各暗ピクセルは暗ブロブを規定する。1以上の暗ピクセルが同一の暗ブロブに属しうる。
【0084】
暗ブロブの規定後、画像処理装置はブロック1850に進み、暗ブロブを、例えば寸法、形状の特徴によって分別する。画像処理装置は、瞳を画像中の所定の領域に見られる、大体暗い円形をしたものとして同定する。そのような基準に該当しない暗ブロブは除かれる。
【0085】
ブロック1860に進み、画像処理装置は明ブロブ解析と暗ブロブ解析に基づき、瞳の位置を決定する。明点は光源の反射に対応する。同様に暗点は瞳に対応する。角膜の球形状と、対象者に対する光源の配置から、明点反射が瞳領域の近傍に来るようになる。画像処理装置は、瞳を同定するために明るい光反射を基準マークとして用いることができる。こうして画像処理装置は、瞳位置を決定するために基準マークに加えて2次元形状解析を用いることができる。瞳が同定されると、プロセス1720は1890で終了となる。
【0086】
図17,18のフローチャートは、特定の順番での操作ステップを示している。しかし、そのようなステップの順はフローチャートに示す順に必ずしも限定されるわけではないことが理解される。例えば、フレーム位置決めステップ1710と瞳位置決めステップ1720はこの順で行う必要はなく、逆の順でも良い。さらに、明暗ブロブ解析は図18に示す順でなくとも可能である。図17,18に示すフローチャートは順番の変更、追加、削除を含む変形が可能である。
【0087】
こうして、眼鏡フレーム調整のためのフレーム調整システム及び方法が開示される。このシステムは所望の眼鏡フレームを着用した対象者の1以上の正面及び側面画像を撮影する。このシステムは、対象者の瞳位置を同定するための2次元画像処理アルゴリズムを用いる画像処理装置を用いる。さらに、画像処理装置は、レンズフレームとフレームのパントスコピック傾斜を同定する2次元画像処理技術を用いる。このシステムは、フレームにレンズを適切に調整するために、特定の眼鏡フレーム内のレンズのSEG高さと瞳間距離を決定できる。
【0088】
これまで述べたように、フレーム調整システム及びその方法は詳細に開示され、十分機能できるものであるが、記述内容は本発明の実施形態の単なる例示であり、添付の請求項に記載した内容とは別に、ここに示した構造や設計の具体例に限定することを意図したものではないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】波面測定システムの好ましい実施形態の鳥瞰図である。
【図2】波面測定システムの側面図である。
【図3】テストフレームとモールディングを着用した患者の側面図である。
【図4】テストフレームとモールディングを着用した患者の右側面図である。
【図5】テストフレームとモールディングを着用した患者の右正面図である。
【図6】テストフレームとモールディングを着用した患者の左正面図である。
【図7】テストフレームとモールディングを着用した患者の左側面図である。
【図8】テストフレームとモールディングを着用した患者の正面図である。
【図9】カスタム眼鏡の製造ステップの手順を示すフローチャートである。
【図10】カスタム眼鏡の製造ステップの代替手順を示すフローチャートである。
【図11】システム内部の測定装置を示した波面測定システムの側面図である。
【図12】フレーム調整システムの機能的ブロックダイアグラムである。
【図13A】フレーム調整システムの実施形態の機能的ブロックダイアグラムである。
【図13B】フレーム調整システムの実施形態の機能的ブロックダイアグラムである。
【図14】撮影された側面及び正面画像の表示画面である。
【図15】撮影された正面画像にフレーム配置器を表示した画面である。
【図16】撮影された側面画像にフレーム配置器を表示した画面である。
【図17】フレーム調整方法のフローチャートである。
【図18】瞳位置決め画像処理方法のフローチャートである。
【関連出願】
【0001】
本出願は、2001年10月25日出願で係属中のアメリカ合衆国出願番号10/046,656、表題「カスタム眼鏡の製造方法」の一部継続出願であり、その利益を主張し、ここに全体として組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的に眼鏡の適合ないし調整(fitting)装置及び方法に関する。特に、本発明は眼鏡フレーム及びレンズの自動測定及び調整システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の眼鏡製造技術では、患者の波面収差を精密に補正するレンズを製造することはできない。しかし、患者の波面収差に適合する異なる屈折率に硬化されるエポキシ樹脂を使用する新しい製造技術は、製造方法に新しい挑戦の道を開く。特に、患者の光軸に眼鏡を調整することは、球、円柱及び軸収差以外の収差を補正する眼鏡レンズの製造にあたって、最も重要なことである。このような精密な調整を確実にするために、角膜頂点からレンズまでの距離、瞳間距離及び患者の瞳(又は視軸)に合わせた眼鏡レンズの光軸の中心合わせを正確に測定する必要がある。
【0004】
歴史的に、眼をケアする専門家は、眼鏡フレームに対する眼の位置決めには比較的簡単な方法しか用いてこなかった。専門家は、通常、2つの瞳の間の距離(「瞳間距離」という)と、瞳の中心から眼鏡フレーム又はレンズの底部までの高さを測定する。この後者の距離は「SEG高さ」という。この情報がレンズの光軸を両目の軸に合わせて調整するために試験室から要求される。
【0005】
これまで用いられてきた1つの技術は、単にレンズの上の瞳の中心にアイボーリング(eye balling、視覚的な分析)によって油脂色鉛筆で印を付け、定規で瞳間距離(PD)及びSEG高さを測るものであった。近年、瞳計及びデジタル瞳計が用いられるようになり、PDの測定精度が改善されてきた。しかし、瞳計は眼鏡レンズの後ろの位置でのPD測定に関するものではないし、また他の重要なパラメータであるSEG高さ、頂点間距離あるいはパントスコピック傾斜(全視野ないし全体的傾斜、pantoscopic tilt)も測定できない。累進屈折レンズの出現やより高次の補正ゾーンの発達により、これらのパラメータの正確な測定がますます重要になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デュカルージ(Ducarouge)らの合衆国特許第5,617,155号は、画像を用いて被験者の眼と関連した眼鏡フレームの位置を測定する方法を教示する。特にこの特許は、瞳がある領域の輝度勾配及びフレーム接線たる水平線及び垂直線の位置を分析することにより、フレームと眼の位置を自動的に検出する技術を記載している。この技術は、1台のカメラを利用しており、頂点間距離やフレームの視線からの傾斜のような、側面からのメトリクス(設計法、metrics)は提供しない。
【0007】
モーゼス(Mothes)の合衆国特許第6,659,609号は、好ましくは3mの距離に配置した1台のカメラシステムを記載している。この装置は、画像のスケールを決めるための空間的な比較対照となる、眼鏡フレームにクリップ留めされた校正用標識を用いる必要がある。また、特許中に記載されているように、患者は装置を見通すのではなく、鏡の中の自分自身を見る。
【0008】
ノートン(Norton)らの合衆国特許第5,592,248号は、眼鏡を製造するための情報を得るために異なる角度からいくつかの画像を撮ることを記載している。この特許では、1台のカメラを使うことがクレームされ、3次元的再構成に必要な画像を得るために必要な位置に移動させている。複数のカメラを用いることがテキストで議論されているが、複数の画像をどのように連携して用いるか、又は複数のカメラを互いに空間的にどのように配向させるかが記載されていないので、この特許では複数のカメラの使用は実施不能である。さらに、対象者の瞳の位置を自動的に決定する画像解析及び基準マークは使用しておらず、単に画像上の相互的ソフトウェア定規によって測定している。
【0009】
アビトボル(Abitbol)らの合衆国特許出願公開第2003-0123026号は、デジタル表示された対象者が着用する眼鏡フレームを、デジタル的にモデル化し表示することを主な目的とする3次元カメラシステムを記載している。しかし患者を3次元的に再構成することは時間がかかり、また眼鏡フレーム調整のために必要とされる基礎的測定値には不必要である。さらに、市販されている3Dカメラの精度は、高次補正ゾーンの正確な位置決めに通常必要とされる0.5mm未満の位置決め精度には不十分である。
【0010】
【特許文献1】合衆国特許第5,617,155号
【特許文献2】合衆国特許第6,659,609号
【特許文献3】合衆国特許第5,592,248号
【特許文献4】合衆国特許出願公開第2003-0123026号
【課題を解決するための手段】
【0011】
フレームの調整システム及び方法が開示される。1以上の撮像装置が、対象者が着用した眼鏡フレームの2以上の画像を撮影する。画像は、フレーム上の関心点(複数、specific points of interest)と対象(者)のそれぞれの眼の位置との関係を同定するために、自動画像処理技術を用いて解析され、レンズの光学中心をフレームの正しい位置に配置することが可能となる。画像処理装置は、画像から瞳間距離と瞳中心を決定する。フレーム配置装置は、1以上のレンズフレームの位置を受け取るか、又は1以上のレンズフレームの位置を決定することができる。画像処理装置は、所望の眼鏡フレームに入れて調整・取付する補正レンズの瞳中心及びSEG高さを正確に決定できる。
【0012】
本発明の構造及び操作についての新規な特徴は、本発明自体と同様、詳細な説明に関連する添付図面によって最も良く理解されるであろう。その中では、似た部分は似た参照数字が用いられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は波面測定システムであり、一般的に100で示す。図1では、波面測定システム100はスリット102を有する主ハウジング101を含み、主ハウジングはスリット102によって患者(図示せず)の前面を撮影するための1又は2台のカメラ(図示せず)を設置することができるが、患者は仮想の、又は真の固定標的を見ることができる。さらに、それぞれ主ハウジング101から伸び、カメラ(図示せず)用の開口部108を有する右ハウジング104及び左ハウジング106を有する。
【0014】
図2では、図1の波面測定システムの側面図が200で示されている。図2では、患者202が波面測定システムの主ハウジング101とスロット102に相対している。右ハウジング104に設置されたカメラ(図示せず)は、患者202の耳204、鼻206を含む側頭部を撮影する。スロット102に設置されたカメラ(1台又は複数)は、患者202の眼208、そして特に瞳210を撮影する。
【0015】
図3は、既知の寸法の眼鏡フレーム304を着用した患者302を示す。フレーム304には、鼻モールディング306と耳モールディング308が付いている。鼻モールディング306と耳モールディング308が硬化する前に、それぞれの上に登録標識310,312を付けておく。フレーム304を着用した患者302の画像が波面測定システム100により撮影され、波面測定システム100はテストフレーム304、登録標識310、312又はその両方を、その後の眼鏡調整のため、患者302の頭部及び顔面をより正確に数値化するために使用する。
【0016】
図4は、患者の右側面の画像であり、400で示す。図4では、右の鼻モールディング404に付けられた右レンズ開口部402がある。画像中には、患者の右角膜頂点406及び右耳モールディング408も見える。右鼻モールディング404の登録標識410及び右耳モールディング408の登録標識412は、コンピュータが右鼻モールディング404及び右耳モールディング408の正確な位置を、互いの関係と患者の右角膜頂点406との関係を考慮して決定するのに役立つ。
【0017】
図5は患者の右側の正面画像であり、420で示す。図5では、患者の右の瞳426、右のレンズ開口部402、右鼻モールディング404及び登録標識410が画像中に見える。
【0018】
図6は患者の左側の正面画像であり、430で示す。図6では、患者の左の瞳427、左のレンズ開口部403、左鼻モールディング405及び登録標識411が画像中に見える。
【0019】
図7は、患者の左側面の画像であり、440で示す。図7では、左の鼻モールディング405に付けられた左レンズ開口部403がある。画像中には、患者の左角膜頂点407及び左耳モールディング409も見える。左鼻モールディング405の登録標識411及び左耳モールディング409の登録標識413は、コンピュータが左鼻モールディング405及び左耳モールディング409の正確な位置を、互いの関係と患者の左角膜頂点407との関係を考慮して決定するのに役立つ。
【0020】
患者の撮影後、コンピュータは、可塑性鼻パッド306と可塑性耳パッド308を含む、左右の側面画像及びテストフレーム304を着用した2つの正面画像を、波面測定システムから検査されるとともに、保存する。画像から、可塑性鼻パッド306と可塑性耳パッド308の正確な位置が、互いの関係と患者の瞳426,427、角膜頂点406,407及びテストフレーム304との関係を考慮して、決定される。
【0021】
図8は、患者の顔の正面画像であり、450で示す。図8では、顔を撮影するのに1台のカメラを使っており、そのため画像内にレンズ開口部402,403、鼻モールディング404,405、瞳426,427の各双方を含んでいる。
【0022】
図9は、カスタム眼鏡の製造ステップの手順を示すフローチャートであり、500で示す。ステップ502では、画像の撮影のため、患者が波面測定装置を覗き込む。図2のように患者が適切な位置に配置されると、ステップ504で複数のカメラが患者の顔の正面と両側面を撮影するように指示される。カメラの位置は患者の両側面と正面の撮影の必要性にのみ制限されるものであるから、図2に示す配置に限られない。ステップ506は、患者の眼のいろいろな注視角で撮影する必要があることを示す。高次の収差を補正する場合、全ての注視角の光学的アライメントは重要な要請となる。従ってステップ506は、カスタム眼鏡の機能を適切に確保するよう実行されなければならない。追加的にステップ507では、ステップ506で撮影された画像のそれぞれごとに波面測定が要求される。ステップ508では、コンピュータが情報を処理し、出力をステップ510に返す。出力は患者の瞳の位置、瞳中心、瞳間距離、顔の幅、耳の位置、波面測定装置から角膜頂点までの距離、耳から角膜頂点までの距離、及び眼鏡の調整のための患者の頭部と顔の測定に必要な他のパラメータである。この情報、まとめてレンズ装着パラメータと称する、を用いて、ステップ512に示すようにカスタム眼鏡が製造される。
【0023】
図10はカスタム眼鏡の製造ステップの代替的手順を示すフローチャートであり、600で示す。ステップ602では、図3に示すように、可塑性の材料が患者の鼻のまわりと耳のまわりの領域に適用される。可塑性材料は、患者の鼻及び耳の周りの正確な表面形状(プロフィール)を得るためのより従来的な方法を可能にする。モールディングを波面測定装置と関係付けるため、ステップ604ではモールディングが硬化する前に登録標識を付けることを要求する。登録標識により、波面測定装置は患者の顔と関連したモールドの計測をすることができる。ステップ606では、既知の寸法のテストフレームを硬化前の可塑性材料に取り付ける。ステップ604の登録標識は、ステップ606でフレームに付けてもいいし、付けなくても良い。ステップ606のフレーム、ステップ602のモールディングは、604の登録標識とともに図3に見える。ステップ608では、図9のステップ502と同様、患者が波面測定装置を覗き込む。ステップ610では、コンピュータが左右の側面画像、及び可塑性パッドを含むテストフレームを着用した患者の1又は2枚の正面画像を保存する。ステップ612で、コンピュータは図9のステップ510に示すパラメータと全く同じ出力を返すが、さらにテストフレームとモールディングに関する情報も加わっている。最後に、ステップ614で、モールディングが複製又は変換(transform)されて、従来型フレームのためのカスタム眼鏡用ヒンジと鼻パッドが作られる。
【0024】
好適な実施形態において、種々のモールディングがシリコーンで作られる。しかし、人の頭部に合わせられる任意の材料はこのシステムに適していることが理解される。
【0025】
図11は、眼鏡測定システムの好適な実施形態であり、700で示す。システム700は、間に人の頭部706が入るスペースがある右側ハウジング704と左側ハウジング(この図では図示せず)を持つ主ハウジング702を含む。患者の耳708は両側のハウジングの間に位置し、患者の眼710は主ハウジング702のスロット711の直前に位置する。
【0026】
示すように、患者は光軸714に沿って現実の固定標的712を見る。光軸714上に、角度可変の2色光線分割器716が配置され、これは患者の眼710からの光の一部を第2の軸718に分割する。第2の軸に沿って通過する光は、1対の結像レンズ720及び722を通過し、ハルトマン−シャックセンサーのような波面センサー724に到達する。
【0027】
第2の軸718の形成に加えて、光軸上の光の一部を分割して第3の軸730を作るための追加光線分割器726を光軸上に配置することもできる。第3の軸に沿った光は結像レンズ732を通過して、電荷結合素子(CCD)カメラのような撮像装置に到達する。
【0028】
眼の分析のために異なる焦点距離で焦点合わせをする場合、第2の光軸740上に仮想の第2の標的742が提供される。第2の光軸を通過する光の一部を波面センサー724に到達させるため、光線分割器716は角度744で軸回転し、また(矢視)746の方向に移動して、分割器716が第2の光軸740上に適切に配置される(点線748で示す)。
【0029】
眼鏡測定システム700を用いることにより、方法600による眼鏡の製造が容易化される。2つの異なる注視角又は光軸に必要な光学補正を測定するための単一の測定システムを提供することにより、患者のニーズに正確に合った補正レンズを製造できる。
【0030】
レンズによる補正の利益を患者が最適に受けるためには、補正レンズは眼鏡フレームに適切に調整して取り付けなければならない。図12は、自動フレーム調整システム1200の機能的ブロックダイアグラムである。システム1200は、個々の患者とその眼鏡フレームに関して瞳間距離(PD)及びSEG高さを正確に決定する。このような測定値は、たとえば眼鏡フレーム内での補正レンズの正確な位置決めに用いられる。
【0031】
システム1200は補正レンズを調整することを所望する眼鏡フレームを着用した患者の1以上の画像を撮影するように構成しうる。得られた画像は、例えば、患者とその眼鏡フレームに関する瞳間距離及びSEG高さといった、レンズをフレームに取り付けるための情報を決定するように処理される。
【0032】
システム1200は、患者の頭部を所定の視野におおよそ配置するように構成される患者の位置決め装置1202を含む。位置決め装置1202は、例えばあご乗せ、額当て、耳当て、鼻ブリッジのようなもの又は他の位置決め装置あるいはそれらの組合せでありうる。位置決め装置1202は単に機械的位置決め装置に限らず、音響的、視覚的、又は他の電気的位置決め装置のようなタイプを含み得る。
【0033】
撮像装置1210は、眼鏡フレームと患者の頭部の一部との関係を示す、患者の頭部の1以上の画像を撮影するように構成できる。照明装置1220は、患者の頭部を照明し、撮影した画像に基準マークを提供又は創出するように構成できる。撮像装置1210と結合した画像処理装置1230は、撮影した画像を解析する。画像処理装置1230は、撮影した画像を検査し、瞳間距離、SEG高さ及び眼鏡フレームのパントスコピック傾斜を決定するように構成される。パントスコピック傾斜とは、フレームの垂直線に対する角度である。それぞれの角膜からレンズまでの距離は通常頂点間距離(vertex distance)といわれるが、これも決定できる。
【0034】
撮影した画像と測定結果は、ディスプレイ1260又は他の、例えば、プリンターや磁気カードライターのような出力装置に出力される。メモリー1250と連絡する処理装置1240は、患者の位置決め装置1202、撮像装置1210、照明装置1220、画像処理装置1230、及びディスプレイ1260に関する機能の一部又は全部を制御できる。さらに、システム1200内の種々の機能ブロックによって実行される機能の一部又は全部は、メモリー1250内に、処理装置が読み取り可能な1以上の指令として保存され、処理装置1240により実行される。例えば、1つの実施形態として、画像処理機能はメモリー1250にソフトウェアとして保存され、画像処理ソフトウェアを実行する処理装置1240により実行される。
【0035】
撮像装置1210は1以上のカメラ又は他の撮像機器を含む。カメラはカラーでもモノクロでもありうる。さらに、1以上のカメラはテレセントリックレンズで構成しうる。例えば、撮像装置1210は1以上のカメラ、CMOSカメラ、電荷結合装置、感光性装置等、又は他の撮像装置を含み得る。同様に、照明装置1220は、1以上の光源を含み、1以上の光フィルターを含み得る。例えば、1以上の光源は白熱光源、蛍光光源、ハロゲン光源、キセノン光源、LED光源、ガス放電光源、放射光光源、レーザー光源等、又は他の光源を含みうる。照明装置1220は、白色光源、着色光源、可視光源、不可視光源、又は光源の組合せを含み得る。フィルターは、光学フィルター、傾斜フィルター、偏光フィルター等、又は他のタイプのフィルターを含み得る。1つの実施形態において、処理装置1240は照明装置1220からの照明の時間と強さを制御する。他の実施形態において、1以上の照明装置は1以上の光源を含み得る。いくつかの光源からの光は、光源からの光を着色するために光学フィルターを用いてフィルターされうる。その場合、画像処理装置は、一部は色を検出することで特徴を捉えるように構成されうる。
【0036】
図13Aは、図12に示すフレーム調整システムの1つの実施形態である。図13Aは、フレーム調整システム1300と眼鏡フレーム1306を着用した患者1308との関係を示す。患者1308は、額支持具1304を用いて画像撮像装置に相対できる。
【0037】
システム内の撮像装置は、眼鏡フレーム1306を着用した患者ないし対象者1308の画像を撮影する2つのカメラ1310,1312を使用している。カメラ1310,1312は例えば、CMOSカメラでありうる。
【0038】
第1のカメラ1310は、眼の間の軸を通り対象者の眼に水平な平面での対象者1308の正面画像を撮影するように配置される。第1のカメラ1310は、実質45°に配置された光線分割器1330を通して患者1308を撮影することが望ましい。光線分割器1330により、患者1308はカメラ1310を見ることなく、遠くの物体に焦点を合わせて見ることができる。光線分割器1330を用いることにより、有利にも対象者が装置の外を見て、視野内にある1以上の距離及び/又は位置に置かれた1以上の現実の又は固定された標的に焦点を合わせることができる。種々の距離及び/又は位置にある現実の又は固定された標的を用いることにより、このシステムはいろいろな眼の向きでの瞳の位置を捉え、測定することができる。例えば、第1の瞳判別は、対象者が通常の読書用距離で通常の読書用角度に配置された標的に焦点を合わせている時に撮影された第1の画像セットを用いて決定される。第2の瞳判別は、対象者が遠くの物体に焦点を合わせている時に撮影された第2の画像セットを用いて決定される。
【0039】
光線分割器1330は、代替的に部分銀鏡、2色フィルター、又は他の光線分割装置でありうる。対象者1308は、このシステムによって第1のカメラ1310で画面を遮られることなく遠くの物体に焦点を合わせることができる。これによって、対象者の眼の配置が近くの視野にある物体によって影響されることがない。そのような近くの視野にある物体は、例えば瞳間距離の決定の正確さに影響を与える。
【0040】
第2のカメラ1312は、第1のカメラ1310によって撮影される画像と実質垂直な画像を撮影するように配置される。第2のカメラ1312は、患者1308の側面画像を撮影するように構成しうる。第2のカメラ1312は、およそ患者の角膜の線上にカメラの軸が来るように配置しうる。
【0041】
任意の第3のカメラ(図示せず)を、患者の両眼の間と一致する垂直線に沿って見下ろすように、上部に設置することができる。1310,1312のいずれのカメラも患者1308の画像を同時に撮影するように構成できる。或いは、1310,1312のカメラは、患者1308の画像を順番に撮影するように構成できる。例えば、1310,1312のカメラがもし順番に画像を撮影する場合、連続画像の間隔は、患者1308の画像間での動きを最小化するよう調整しうる。連続撮影の1つの実施形態として、カメラは毎秒約15コマの速さで撮影を繰り返すことができる。
【0042】
1つの他の実施形態において、1台のカメラが複数の画像を撮影できる。例えば、1台のカメラを所定の画像を撮影する前に移動させるのである。或いは、フィルター及び反射板、及び/又は異なる波長の照明源を用いることにより、1台のカメラで同時に複数の画像を撮影できる。例えば、図13Aに示すシステムでは、1台の広角カメラにより、2つの波長依存性光線分割器と2つの異なる波長の照明を用いて患者1308の正面及び側面画像を同時に撮影できる。1台のカメラでの代替的実施形態が図13Bに示されている。
【0043】
フレームの患者1308での位置と角度を決定するために、画像処理装置(図示せず)を用いて画像分析されうる。例えば、カメラ1310で撮影された対象者がソフトウェアのなかで3次元的に配置、測定されるように、較正手順によって複数のカメラの位置、画像取りが規定される。較正手順は、例えばカメラ1310,1312の視野に、例えば較正物や較正用付属品のようなものを配置して撮影することを含み得る。画像処理装置は、撮影されたその較正用付属品の画像を用いて較正される。
【0044】
システム内のどのカメラも、他のカメラと関連して較正されるように較正物が撮影される。較正手続は3次元的空間的構成付属品を用いて行われる。カメラの較正によって、各画像に撮影された項目の空間的関係が画像処理装置で決定できる。
【0045】
較正用付属品は例えば、既知の寸法の方眼を書いた面を持ちうる。カメラで撮影された画像は、その方眼の寸法で較正される。1つの実施形態において、較正用付属品は既知の寸法の方眼を書いた面を持つ立方体でありうる。立方体の面が第1、第2のカメラ1310、1312の軸に対して約45度の角度になるように置かれる。第2の実施形態として、較正物は既知の寸法を持つ方眼を書いた平面である。この平面は、第1、第2のカメラ1310、1312の軸に対して約45度の角度になるように置かれる。他の実施形態として、較正物は既知の寸法のマークを持つスケールである。このスケールは、第1、第2のカメラ1310、1312の軸に対して約45度の角度になるように置かれる。
【0046】
各カメラで撮影された患者1308の画像は画像認識ソフトウェアを用いて解析され、各画像中でのフレーム1306の輪郭と患者の瞳の位置が確定される。画像処理装置は、目に対するフレーム1306の位置を決定し、正面画像から瞳間距離とSEG高さ、側面画像から頂点間距離とパントスコピック傾斜の座標を与える。上部カメラ(図示せず)は、患者1308が第1、第2のカメラ1310、1312との間で位置調整されていることの確認に用いられうる。もしも画像処理装置が、患者1308がカメラに対して位置調整されていないと判断した場合、画像処理装置は、一部上部カメラ画像に基づき、カメラと眼の光軸との角度ずれによる測定値を補正するための追加情報を提供できる。
【0047】
画像処理機能を簡単にするため、このシステムは制御された照明を用いることができる。この制御された照明の目的は2つある。一様な間接照明は、画像処理手順をよりうまくいくようにフレーム1306と顔面を照明できる。患者1308の瞳を識別する画像処理アルゴリズム能力をさらに高めるため、指向性点状光源または基準マークが所定の位置に追加される。点状光源は、特別なパターンで角膜を反射するように構成されうる。パターン認識を用いて、画像処理装置又は画像処理ソフトウェアは各画像中の特別なパターンを探すことができる。例えば、決められたパターンは、正面画像での瞳の外側の2以上の点であり、側面画像での1つの反射光源である。点状光源は、画像中で分光学的特徴により容易に区別できるように特定の色を持ちうる。或いは、光源からの光の色又はスペクトルを変えるため、1以上の光源の前にフィルターを置くこともできる。
【0048】
さらに、図12の処理装置1240などでコンピュータ制御し、画像のコマごとに光の点滅を行うこともできる。照明を繰り返すことで1つの画像を照明ONの状態で撮影できる。1以上の照明を、瞳を検知するための画像に映り込まないように、次の画像に行く前に消灯させることもできる。画像間の動きができるだけ小さく、実質的にゼロになるように短時間で連続画像を撮影できる。2つの画像が、光源からの瞳反射マークを判断するため、重ね合わされ又は比較される。
【0049】
代替的に、点状光源を使わずに均一な光源を用いることができる。図13Aにおいて、第1の光源1342は患者1308の顔の片側に沿って配置されている。第2の光源1344が患者1308の顔の反対側に沿って配置されている。各光源は例えば、LED光源の配列又は白熱ランプでありうる。角膜は光源1342、1344からの光を反射する。球形の角膜は、実質的に均一な光源からでも実質的に局在化した光源からの光を角膜上に反射する。従って、光源、例えば1342,1344は患者1308の各角膜に反射光を生ずる。各反射光は角膜上で実質上点として局在化される。
【0050】
画像処理装置(図示せず)は、撮影された画像から角膜上の反射点を検知できる。例えば、画像処理装置は画像中の高輝度の点を探すことができる。一度画像中のこれらの角膜上の点が特定されると、今度は画像処理装置は反射の特定領域内にある瞳の暗い円を探す。画像処理装置は瞳を見分けるのに例えば、連続性(connectivity)又はブロブ(blob、かたまり)解析を用いることができる。画像処理装置は、瞳を探すために画像の2次元検索が行えることが好ましい。こうして画像処理装置は瞳の中心を決定する。
【0051】
1つの実施形態において、対象者1308はまず眼鏡フレーム1306を着用しないで撮影し、次いで眼鏡フレーム1306を着用して撮影できる。この両画像セットは両画像に共通の特徴又は目印を用いて重ね合わされる。画像処理装置は2枚の画像の違いを検出し、画像からフレーム1306を抽出できる。この技術は、眼鏡(フレーム)1306が様式化した特徴を持つ場合又は画像中に基準マークを作れないデザインの場合に特に有用である。
【0052】
瞳の位置決めに加えて、画像処理装置は左右のフレーム枠(box)を決定する。眼鏡フレーム枠は、例えばSEG高さを決めるのに用いられる。1つの実施形態において、眼鏡フレームの決定がフィルター及びエッジ検出アルゴリズムを用いて自動的に行われうる。或いは、眼鏡フレームの決定は、ユーザーインターフェイスを通じてオペレータが眼鏡フレーム像の外枠がレンズフレームの4辺の端部に接するように画面上をドラッグするか、描くことで行うことができる。例えば、そのシステムはオペレータが患者1308の画像を見て、マウスまたはその他の入力装置を用いて各レンズフレームの周囲に外枠を描くことができる。
【0053】
図13Bは1台のカメラ1310を用いる代替的フレーム調整器の実施形態1300の機能的ブロックダイアグラムである。この機能的ブロックダイアグラムは、患者又は対象者1308と1台のカメラによるフレーム調整器1300との上から見た位置関係を示す。
【0054】
カメラ1310は、患者1308がカメラ1310を視界に入れることなく遠くに焦点を合わせることができるようにするために用いる複数の2色光線分割器1352、1354及び広波長帯光線分割器1330を通して、患者1308を撮影するよう構成される。カメラ1310は、患者1308の視軸と実質平行な視軸に合わせて配置される。カメラ1310は、カメラ1310の視野内に置かれた第1の2色光線分割器1352を用いて患者1308の側面画像を撮影できる。第1の2色光線分割器1352は、例えばカメラの視軸に対して実質45度の角度で配置されうる。第1の2色光線分割器1352はまた、患者の頭部の側面から患者の視軸に対して実質垂直に伸びる軸におおよそ沿って配置されうる。
【0055】
第2の2色光線分割器1354は、カメラ1310の視軸に対して約45度の角度で配置され、第1の2色光線分割器1352の背後に配置される。患者1308の正面画像は、患者1308の前面に置かれた広波長帯光線分割器1330で反射される。広波長帯光線分割器1330からの正面画像は、第2の2色光線分割器1354で反射され、第1の2色光線分割器1352を通過してカメラ1310で撮影される。
【0056】
患者1308を照明するため、2つの光源1346,1348が用いられる。1つの実施形態において、第1の光源1348は着色光である。ここで、着色光とは、白色光源よりも限られた波長帯(スペクトル)の光を意味する。第1の光源1348は、例えば、患者1308を実質赤色波長内の光スペクトルで照明する赤色光源又は実質赤色光を発する光源でありうる。第1の2色光線分割器1352は、光源1348中のスペクトルに対応するスペクトル光をフィルター、反射し、所定の波長よりも長い又は短い波長の光を通過する。従って、例えば、第1の2色光線分割器1352は、赤色光を反射し緑色光を通過する赤色光線分割器で構成される。こうしてカメラ1310は、2色光線分割器1352、1354と連携して光源の波長に対応した画像のみを撮影する。
【0057】
同様に第2の光源1346も、緑色光源又は実質緑色光を発する光源のような着色光源でありうる。第2の2色光線分割器1354は、光源1346中のスペクトルに対応する緑色光のみを反射するように構成される緑色光線分割器でありうる。第2の2色光線分割器1354は他の全ての波長の光を通過するように構成される。
【0058】
光源1346、1348は緑と赤の光源である必要はなく、どのようなタイプの着色光源、あるいは可視スペクトル、不可視スペクトル又はこれらの組合せの光を発する狭い波長帯の光源でも良い。
【0059】
こうしてカメラ1310は、赤色光線分割器1352で反射された側面画像と緑色光線分割器1354で反射された正面画像との合成物である画像を撮影する。画像処理装置(図示せず)は撮影された画像のスペクトルに一部基づいて画像処理するように構成されうる。従って、画像の赤色部分を分析することにより、画像処理装置は側面画像を分離することができる。同様に、緑色画像を分析することにより、画像処理装置(図示せず)は正面画像を分析できる。或いは、正面画像と側面画像は順番に撮影され、別々の画像として分析することもできる。
【0060】
さらに、カメラ1310は2つの画像を連続して撮影できる。最初は赤色光源1348のみで照明し、赤色光線分割器1352で反射され、カメラ1310は側面画像を撮影する。2番目の画像は緑色光源1346を用いて緑色光線分割器1354で反射された正面画像をカメラ1310で撮影する。こうして連続撮影法は白黒カメラのみならずカラーカメラでも利用できる。
【0061】
図14から16は、撮影された画像と、所望の情報を得るための画像解析プロセスを示す。図では画面に映した撮影画像を示しているが、画像はオペレータに表示する必要はなく、システムは画像を表示することなく画像解析を行うことができる。
【0062】
図14は、図13に示すフレーム調整システムを用いて撮影された対象者の側面画像1402と正面画像1404の表示画面を示す。画面には、画像処理装置が瞳の位置を決定する時に加えた基準マークを含む。さらに、画像には瞳と決定した領域を示す輝点が含まれる。基準マークと輝点は画像処理装置によって加えられたものであり、撮影した画像の一部ではない。
【0063】
正面画像1404には画像処理装置によって加えられた基準マークと、瞳と同定された範囲が示されている。画像処理装置は、画像中の第1の光源からの反射を解析して、対象者の右目中にある第1の基準マーク1412の位置を決定する。画像処理装置は、例えば対象者の角膜の光源反射に相当する光の強度ピークを探知することができる。同様に、画像処理装置は対象者の角膜上の第2の光源の反射に相当する第2の基準マーク1414の位置を決定できる。画像処理装置は基準マークを右目の瞳1420を決定するのに用いることができる。例えば、画像処理装置は、基準マークを暗い瞳1420の範囲を探すための連続性又はブロブ解析を始めるインデックスとして用いることができる。右の瞳1420は対象者の右目の中の高輝度範囲(highlighted area)として示されている。
【0064】
同様に、画像処理装置は対象者の左目の中の基準マークの位置を探すことができる。画像処理装置は、左の角膜上の第1の光源の反射に相当する第1の基準マーク1432を決定する。画像処理装置はまた、左の角膜上の第2の光源の反射に相当する第2の基準マーク1434を決定する。2つの基準マーク1432,1434は、画像処理装置が左の瞳1440を決定するために用いられる。左の瞳1440は対象者の左目の中の高輝度範囲として示されている。
【0065】
画像処理装置は側面画像1402についても同様に解析を行う。画像処理装置は、角膜上の光源反射に相当する基準マーク1452,1454の位置を決定する。画像処理装置は、瞳と角膜1456の縁を決定するために基準マーク1452,1454を用いる。
【0066】
図15は、フレーム配置器により決定されたフレームの輪郭を含む正面画像の画面図である。フレーム配置器は例えば、図12の画像処理装置の一部でありうる。
【0067】
正面画像1502は、所望のフレーム1510を着用した対象者の像を含む。フレームの位置は、フレーム中の補正レンズの位置決めの一部として配置される。1つの実施形態において、画像処理装置が左右のレンズフレームの位置を決定する。画像処理装置はフレームの位置を、例えば、ソーベル(Sobel)又はロバーツ(Roberts)タイプのエッジ検出フィルターを用いて連続性又はブロブ解析とともに、決定できる。画像処理装置は、例えば対象者の鼻柱の近くの画像部分にある、高レベルのコントラストを決定できる。画像処理装置は、フレームのその他の部分を決定するため、エッジ検出フィルター及び連続性又はブロブ解析を使用できる。一度画像処理装置がフレームの輪郭を決定すると、今度は各レンズフレームを輪郭付ける枠1530の位置を決定できる。画像処理装置は、レンズフレームの各側面に接する辺1532,1534,1536,1538を持つ枠1530を決定する。画像処理装置は、例えば、フレームのブロブ解析に一部基づいたエッジ検出を使用できる。
【0068】
例えば、画像処理装置は左目の補正レンズのレンズフレームの位置を決定できる。画像処理装置は、レンズフレームの中心部の内側の端を決定することで、枠1530の左端1536を決定する。同様にして、画像処理装置は枠1530の上端1532、下端1534、右端1538を決定できる。次いで画像処理装置は右目の補正レンズフレームについても同じプロセスを繰り返す。
【0069】
代替的実施形態において、対象者の2枚の正面画像が撮影される。最初は眼鏡フレームを着用しない対象者が撮影される。2枚目は所望の眼鏡フレームを着用した対象者が撮影される。画像処理装置は2枚の撮影画像を例えば相関解析を用いて心合わせ配列(align)する。次いで画像処理装置は、2枚の画像の違いを取り出して眼鏡フレーム像を抽出する。こうして画像処理装置は上記のプロセスを経てレンズフレームの位置を決定できる。
【0070】
さらに別の実施形態において、撮影された正面画像1502はオペレータに表示される。レンズフレームの位置はオペレータからの入力で同定される。フレーム調整(適合)システムはオペレータからレンズフレームの位置を同定する入力を受け取ることになる。1つの実施形態において、オペレータはレンズフレームに接する辺を持つ枠1530をドラッグするマウスを用いる。オペレータは左右のレンズフレームの入力を繰り返す。
【0071】
図16は所望の眼鏡フレームを着用した対象者の側面画像1602を表示した画面である。1つの実施形態において、画像処理装置はフレームのパントスコピック傾斜を自動的に決定する。これまでと同様、画像処理装置は1以上の撮影画像を解析してパントスコピック傾斜を自動的に決定できるのである。
【0072】
1つの実施形態において、画像処理装置は画像中の眼鏡フレームを同定するためにエッジ検出フィルター及び連続性又はブロブ解析を用いる。そして画像処理装置は、フレームの前面の接線と垂直からの角度を測定してフレームのパントスコピック傾斜を決定する。
【0073】
第2の実施形態において、眼鏡フレームを着用した画像と着用しない画像の2枚の対象者の側面画像が撮影される。2枚の画像は調整配列され、眼鏡フレームを同定するために画像の違いが決定される。画像処理装置はエッジ検出及びブロブ解析を用いてフレームの輪郭を同定し、パントスコピック傾斜を規定する接線を決定する。
【0074】
さらに他の実施形態において、フレーム調整システムは側面画像1602をオペレータに表示する。オペレータはコンピュータマウスなどの入力装置を用いてフレームの接線を引くか又は位置調整する。接線はパントスコピック傾斜を規定する。フレーム調整システムはパントスコピック傾斜を決定するための線に対応するデータを受け取る。
【0075】
図17は、図12のフレーム調整システムが行うフレーム調整プロセス1700のフローチャートである。プロセス1700は、所望の眼鏡フレームを着用した対象者の正面及び側面画像を撮影することから始まる。図12及び13に示すシステムでは、1台以上のカメラが対象者の正面及び側面画像を撮影するために、処理装置又は制御装置で制御されうる。処理装置は撮影中に照明器の1以上の光源も制御できる。
【0076】
正面及び側面画像が撮影されると、プロセス1700はブロック1710に進み、フレーム、特に左右のレンズフレームの位置が決められる。図12のシステムでは、フレーム配置器は画像処理装置の中に統合されている。フレーム配置器は左右のレンズフレームを決定し、またフレームのパントスコピック傾斜も決定する。
【0077】
フレームが位置決めされると、画像処理装置はブロック1720に進み、画像中の瞳の位置を決める。次に画像処理装置はブロック1730に進み、瞳間距離及びSEG高さといったフレーム調整情報が決定される。情報はオペレータに報告又は表示されうる。
【0078】
1つの実施形態において、画像撮影、画像処理及びパラメータ決定は例えば独立したユニットにおいて、対象者と同一の場所で実行される。他の実施形態において、画像撮影は対象者と同じ場所で行い、画像処理、パラメータ決定及び報告は対象者とは離れた場所で行われる。この離れた実施形態において、撮影は検眼士の事務所で行い、画像処理はレンズが製造され眼鏡に組み立てられる、離れた場所で実施することができる。
【0079】
図18は画像処理装置が行う瞳位置決めプロセス1720の詳細なフローチャートである。プロセス1720は、画像処理装置が1以上の所定のしきい値に対して撮影画像を比較するブロック1802に始まる。カラー画像システムでは、画像処理装置は赤、緑、青のピクセルを1以上の所定のしきい値と比較し、明ピクセルの存在を決定する。所定のしきい値を超えるピクセルは、明ピクセルと決定される。
【0080】
次いで画像処理装置はブロック1810に進み、連続性又はブロブ解析が画像中の明点を決定するために行われる。画像処理装置は、所定のしきい値を超える各ピクセルについて連続性解析を行うことができる。画像処理装置は連続性解析に基づき、1以上のブロブを生成する。
【0081】
画像処理装置は次にブロック1820に進み、同定されたブロブが寸法及び形状の特徴に基づき分別される。1以上の光源の位置が既知であるので、角膜上の反射のおよその形状と位置は既知である。分別基準にあてはまらない形状及び位置のブロブは、対象者の角膜からの反射光に対応しないとして除去される。
【0082】
次に画像処理装置はブロック1830に進み、暗ピクセルのしきい値分別を行う。先と同様、カラー画像であれば赤、緑、青のピクセルを1以上の所定の暗度しきい値と比較する。
【0083】
画像処理装置は次にブロック1840に進み、同定された暗ピクセルについて連続性又はブロブ解析が行われる。各暗ピクセルは暗ブロブを規定する。1以上の暗ピクセルが同一の暗ブロブに属しうる。
【0084】
暗ブロブの規定後、画像処理装置はブロック1850に進み、暗ブロブを、例えば寸法、形状の特徴によって分別する。画像処理装置は、瞳を画像中の所定の領域に見られる、大体暗い円形をしたものとして同定する。そのような基準に該当しない暗ブロブは除かれる。
【0085】
ブロック1860に進み、画像処理装置は明ブロブ解析と暗ブロブ解析に基づき、瞳の位置を決定する。明点は光源の反射に対応する。同様に暗点は瞳に対応する。角膜の球形状と、対象者に対する光源の配置から、明点反射が瞳領域の近傍に来るようになる。画像処理装置は、瞳を同定するために明るい光反射を基準マークとして用いることができる。こうして画像処理装置は、瞳位置を決定するために基準マークに加えて2次元形状解析を用いることができる。瞳が同定されると、プロセス1720は1890で終了となる。
【0086】
図17,18のフローチャートは、特定の順番での操作ステップを示している。しかし、そのようなステップの順はフローチャートに示す順に必ずしも限定されるわけではないことが理解される。例えば、フレーム位置決めステップ1710と瞳位置決めステップ1720はこの順で行う必要はなく、逆の順でも良い。さらに、明暗ブロブ解析は図18に示す順でなくとも可能である。図17,18に示すフローチャートは順番の変更、追加、削除を含む変形が可能である。
【0087】
こうして、眼鏡フレーム調整のためのフレーム調整システム及び方法が開示される。このシステムは所望の眼鏡フレームを着用した対象者の1以上の正面及び側面画像を撮影する。このシステムは、対象者の瞳位置を同定するための2次元画像処理アルゴリズムを用いる画像処理装置を用いる。さらに、画像処理装置は、レンズフレームとフレームのパントスコピック傾斜を同定する2次元画像処理技術を用いる。このシステムは、フレームにレンズを適切に調整するために、特定の眼鏡フレーム内のレンズのSEG高さと瞳間距離を決定できる。
【0088】
これまで述べたように、フレーム調整システム及びその方法は詳細に開示され、十分機能できるものであるが、記述内容は本発明の実施形態の単なる例示であり、添付の請求項に記載した内容とは別に、ここに示した構造や設計の具体例に限定することを意図したものではないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】波面測定システムの好ましい実施形態の鳥瞰図である。
【図2】波面測定システムの側面図である。
【図3】テストフレームとモールディングを着用した患者の側面図である。
【図4】テストフレームとモールディングを着用した患者の右側面図である。
【図5】テストフレームとモールディングを着用した患者の右正面図である。
【図6】テストフレームとモールディングを着用した患者の左正面図である。
【図7】テストフレームとモールディングを着用した患者の左側面図である。
【図8】テストフレームとモールディングを着用した患者の正面図である。
【図9】カスタム眼鏡の製造ステップの手順を示すフローチャートである。
【図10】カスタム眼鏡の製造ステップの代替手順を示すフローチャートである。
【図11】システム内部の測定装置を示した波面測定システムの側面図である。
【図12】フレーム調整システムの機能的ブロックダイアグラムである。
【図13A】フレーム調整システムの実施形態の機能的ブロックダイアグラムである。
【図13B】フレーム調整システムの実施形態の機能的ブロックダイアグラムである。
【図14】撮影された側面及び正面画像の表示画面である。
【図15】撮影された正面画像にフレーム配置器を表示した画面である。
【図16】撮影された側面画像にフレーム配置器を表示した画面である。
【図17】フレーム調整方法のフローチャートである。
【図18】瞳位置決め画像処理方法のフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡フレームの調整システムであって;
対象フィールドの正面及び側面画像を撮影するように構成される撮像装置と;
該正面及び側面画像中に撮影された眼鏡フレームに関連する瞳の位置を決定するため、該正面及び側面画像を受け取り解析するよう構成される画像処理装置と;
を含むシステム。
【請求項2】
前記対象フィールド内の、前記眼鏡フレームを着用した対象の位置を決めるように構成される位置決め装置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記正面画像の軸内に配置され、前記正面画像を、前記正面画像の軸外に配置した前記撮像装置に向かって反射するよう構成される光線分割器をさらに含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光線分割器は前記正面画像の前記軸に対して実質45度の角度に配置され、前記正面画像の前記軸から約90度の角度に撮像軸を持つ前記撮像装置に向かって前記正面画像を反射するよう構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記撮像装置は、前記正面画像を撮影するように構成される第1のカメラと、前記側面画像を撮影するように構成される第2のカメラを含む、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のカメラと前記第2のカメラは実質平行な撮像軸を持ち、前記正面画像を該第1カメラの撮像軸の方向に反射する光線分割器をさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記撮像装置が前記正面画像と前記側面画像を撮影する時に前記対象を照明するように構成される照明器をさらに含む、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記照明器は、前記対象フィールド内に位置する対象の角膜上に、所定のパターンを形成するように構成される複数の光源を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、前記所定のパターンに一部基づいて前記瞳の位置を決定する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記照明器は、1以上の着色光源を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記照明器は、選択的にオン又はオフを制御される1以上の光源を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記画像処理装置は、前記正面画像の中の空間的距離を決定するように構成される、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記画像処理装置は、前記側面画像の中の空間的距離を決定するように構成される、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記画像処理装置は、画像しきい値分別及び連続性解析を用いて前記瞳の位置を決定する、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項15】
前記画像処理装置は、前記正面画像のエッジ解析を用いて前記眼鏡フレーム内のレンズフレームを決定する、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項16】
前記画像処理装置は、前記側面画像のエッジ解析に基づきパントスコピック傾斜を決定する、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項17】
眼鏡フレームの調整システムであって;
対象フィールドの正面及び側面画像を撮影するように構成される撮像装置と;
該対象フィールド内で角膜上に所定のパターンを形成するように構成される複数の光源と;
該正面及び側面画像中に撮影された眼鏡フレームに関連した瞳の位置を、該所定のパターンに一部基づいて決定するため、該正面及び側面画像を解析するように構成される画像処理装置と;
を含むシステム。
【請求項18】
1以上の前記複数の光源が消灯している間に、前記撮像装置が追加の正面画像を撮影するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
補正レンズを眼鏡フレームに調整する方法であって;
該眼鏡フレームを着用した対象の正面画像の撮影と;
該眼鏡フレームを着用した該対象の側面画像の撮影と;
該撮影画像からのレンズフレームの位置の決定と;
該撮影画像からの該対象の少なくとも片方の瞳の位置の決定と;
該レンズフレームの位置及び該瞳の位置に一部基づく該補正レンズの瞳中心の決定と;
を含む方法。
【請求項20】
前記レンズフレームの位置の決定は、エッジ検出を用いて前記撮影された正面画像内の前記レンズフレームを決定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記レンズフレームの位置の決定は、前記レンズフレームの端と接する1以上の辺を持つ枠(box)を規定する情報を受け取る事を含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記対象の前記正面画像の撮影には;
前記対象の少なくとも片方の角膜上にパターンを形成する複数の光源による前記対象の照明と;
該複数の光源が照明されている間の前記正面画像の撮影と;
を含む請求項19から21のいずれか1に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも片方の瞳の位置の決定には;
前記対象の角膜画像の1以上の明ピクセルの同定と;
該角膜画像の1以上の暗ピクセルの同定と;
該1以上の明ピクセルと該1以上の暗ピクセルとの相対関係に一部基づく前記瞳の同定と;
を含む請求項19から22のいずれか1に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも片方の瞳の位置の決定には;
明ピクセルを同定するための、前記撮影された正面画像と所定の明しきい値との比較と;
明ブロブを形成するための該明ピクセルの連続性解析の実行と;
該明ブロブの寸法に一部基づく該明ブロブの分別と;
前記撮影された正面画像と所定の暗しきい値との比較と;
1以上の暗ブロブを形成するための該暗ピクセルの連続性解析の実行と;
該ブロブの寸法に基づく該1以上の暗ブロブの分別と;
分別された該暗ブロブの位置及び該明ブロブの位置とに一部基づく前記瞳の位置の決定と;
を含む請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記眼鏡フレームを着用しない前記対象の正面画像の撮影と;
差画像を作成するための、前記眼鏡フレームを着用した前記対象の前記正面画像から、前記眼鏡フレームを着用しない前記対象の前記正面画像の減算とをさらに含み;
前記レンズフレームの位置の決定には、該差画像から前記レンズフレームの位置を決定することを含む;
請求項19から24のいずれか1に記載の方法。
【請求項26】
眼鏡フレームの調整システムであって;
対象フィールドの正面及び側面画像を撮影するように構成される撮像装置と;
該対象フィールドの少なくとも一部を照明するように構成される複数の着色光源と;
該正面及び側面画像中に撮影された眼鏡フレームに関連した瞳の位置を、所定のパターンに一部基づいて決定するため、該正面及び側面画像を解析するよう構成される画像処理装置と;
を含むシステム。
【請求項27】
1以上の前記着色光源は前記対象フィールド内に基準マークを形成するように構成され、前記画像処理装置は該基準マークに一部基づき前記正面画像を解析する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記対象フィールドの前記側面画像を前記撮像装置に反射するように構成される第1の2色光線分割器と;
前記対象フィールドの前記正面画像を前記撮像装置に反射するように構成される第2の2色光線分割器と;
をさらに含む、請求項26又は27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の2色光線分割器は、前記第2の2色光線分割器が通す光の波長とは異なる波長の光を通す、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記複数の着色光源は第1の着色光源と第2の着色光源を含み、前記第1の2色光線分割器は該第1の着色光源に対応する波長を反射し、前記第2の2色光線分割器は該第2の着色光源に対応する波長を反射する、請求項28又は29に記載のシステム。
【請求項31】
前記撮像装置は連続的な画像を撮影し、各画像の照明は前記複数の着色光源の1つが対応している、請求項30に記載のシステム。
【請求項1】
眼鏡フレームの調整システムであって;
対象フィールドの正面及び側面画像を撮影するように構成される撮像装置と;
該正面及び側面画像中に撮影された眼鏡フレームに関連する瞳の位置を決定するため、該正面及び側面画像を受け取り解析するよう構成される画像処理装置と;
を含むシステム。
【請求項2】
前記対象フィールド内の、前記眼鏡フレームを着用した対象の位置を決めるように構成される位置決め装置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記正面画像の軸内に配置され、前記正面画像を、前記正面画像の軸外に配置した前記撮像装置に向かって反射するよう構成される光線分割器をさらに含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光線分割器は前記正面画像の前記軸に対して実質45度の角度に配置され、前記正面画像の前記軸から約90度の角度に撮像軸を持つ前記撮像装置に向かって前記正面画像を反射するよう構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記撮像装置は、前記正面画像を撮影するように構成される第1のカメラと、前記側面画像を撮影するように構成される第2のカメラを含む、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のカメラと前記第2のカメラは実質平行な撮像軸を持ち、前記正面画像を該第1カメラの撮像軸の方向に反射する光線分割器をさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記撮像装置が前記正面画像と前記側面画像を撮影する時に前記対象を照明するように構成される照明器をさらに含む、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記照明器は、前記対象フィールド内に位置する対象の角膜上に、所定のパターンを形成するように構成される複数の光源を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、前記所定のパターンに一部基づいて前記瞳の位置を決定する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記照明器は、1以上の着色光源を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記照明器は、選択的にオン又はオフを制御される1以上の光源を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記画像処理装置は、前記正面画像の中の空間的距離を決定するように構成される、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記画像処理装置は、前記側面画像の中の空間的距離を決定するように構成される、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記画像処理装置は、画像しきい値分別及び連続性解析を用いて前記瞳の位置を決定する、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項15】
前記画像処理装置は、前記正面画像のエッジ解析を用いて前記眼鏡フレーム内のレンズフレームを決定する、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項16】
前記画像処理装置は、前記側面画像のエッジ解析に基づきパントスコピック傾斜を決定する、上記いずれか1の請求項に記載のシステム。
【請求項17】
眼鏡フレームの調整システムであって;
対象フィールドの正面及び側面画像を撮影するように構成される撮像装置と;
該対象フィールド内で角膜上に所定のパターンを形成するように構成される複数の光源と;
該正面及び側面画像中に撮影された眼鏡フレームに関連した瞳の位置を、該所定のパターンに一部基づいて決定するため、該正面及び側面画像を解析するように構成される画像処理装置と;
を含むシステム。
【請求項18】
1以上の前記複数の光源が消灯している間に、前記撮像装置が追加の正面画像を撮影するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
補正レンズを眼鏡フレームに調整する方法であって;
該眼鏡フレームを着用した対象の正面画像の撮影と;
該眼鏡フレームを着用した該対象の側面画像の撮影と;
該撮影画像からのレンズフレームの位置の決定と;
該撮影画像からの該対象の少なくとも片方の瞳の位置の決定と;
該レンズフレームの位置及び該瞳の位置に一部基づく該補正レンズの瞳中心の決定と;
を含む方法。
【請求項20】
前記レンズフレームの位置の決定は、エッジ検出を用いて前記撮影された正面画像内の前記レンズフレームを決定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記レンズフレームの位置の決定は、前記レンズフレームの端と接する1以上の辺を持つ枠(box)を規定する情報を受け取る事を含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記対象の前記正面画像の撮影には;
前記対象の少なくとも片方の角膜上にパターンを形成する複数の光源による前記対象の照明と;
該複数の光源が照明されている間の前記正面画像の撮影と;
を含む請求項19から21のいずれか1に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも片方の瞳の位置の決定には;
前記対象の角膜画像の1以上の明ピクセルの同定と;
該角膜画像の1以上の暗ピクセルの同定と;
該1以上の明ピクセルと該1以上の暗ピクセルとの相対関係に一部基づく前記瞳の同定と;
を含む請求項19から22のいずれか1に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも片方の瞳の位置の決定には;
明ピクセルを同定するための、前記撮影された正面画像と所定の明しきい値との比較と;
明ブロブを形成するための該明ピクセルの連続性解析の実行と;
該明ブロブの寸法に一部基づく該明ブロブの分別と;
前記撮影された正面画像と所定の暗しきい値との比較と;
1以上の暗ブロブを形成するための該暗ピクセルの連続性解析の実行と;
該ブロブの寸法に基づく該1以上の暗ブロブの分別と;
分別された該暗ブロブの位置及び該明ブロブの位置とに一部基づく前記瞳の位置の決定と;
を含む請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記眼鏡フレームを着用しない前記対象の正面画像の撮影と;
差画像を作成するための、前記眼鏡フレームを着用した前記対象の前記正面画像から、前記眼鏡フレームを着用しない前記対象の前記正面画像の減算とをさらに含み;
前記レンズフレームの位置の決定には、該差画像から前記レンズフレームの位置を決定することを含む;
請求項19から24のいずれか1に記載の方法。
【請求項26】
眼鏡フレームの調整システムであって;
対象フィールドの正面及び側面画像を撮影するように構成される撮像装置と;
該対象フィールドの少なくとも一部を照明するように構成される複数の着色光源と;
該正面及び側面画像中に撮影された眼鏡フレームに関連した瞳の位置を、所定のパターンに一部基づいて決定するため、該正面及び側面画像を解析するよう構成される画像処理装置と;
を含むシステム。
【請求項27】
1以上の前記着色光源は前記対象フィールド内に基準マークを形成するように構成され、前記画像処理装置は該基準マークに一部基づき前記正面画像を解析する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記対象フィールドの前記側面画像を前記撮像装置に反射するように構成される第1の2色光線分割器と;
前記対象フィールドの前記正面画像を前記撮像装置に反射するように構成される第2の2色光線分割器と;
をさらに含む、請求項26又は27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の2色光線分割器は、前記第2の2色光線分割器が通す光の波長とは異なる波長の光を通す、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記複数の着色光源は第1の着色光源と第2の着色光源を含み、前記第1の2色光線分割器は該第1の着色光源に対応する波長を反射し、前記第2の2色光線分割器は該第2の着色光源に対応する波長を反射する、請求項28又は29に記載のシステム。
【請求項31】
前記撮像装置は連続的な画像を撮影し、各画像の照明は前記複数の着色光源の1つが対応している、請求項30に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2007−522496(P2007−522496A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549287(P2006−549287)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/041977
【国際公開番号】WO2005/071468
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(504159981)オフソニックス・インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/041977
【国際公開番号】WO2005/071468
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(504159981)オフソニックス・インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】
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