説明

カスパーゼ−14特異的モノクローナル抗体

【課題】カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体の提供。
【解決手段】本発明は、カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体であって、ハイブリドーマNITE P−749、NITE P−750、NITE P−751及びNITE P−752からなる群から選ばれるハイブリドーマ株によって生産されるモノクローナル抗体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体を提供する。
【背景技術】
【0002】
表皮の顆粒層のケラチン線維は、角化する際にフィラグリンと呼ばれるタンパク質に結合して凝集し、“ケラチンパターン”と称される特異的な形態をつくる。顆粒細胞内のケラトヒアリン顆粒にはフィラグリンの前駆物質であるプロフィラグリン(フィラグリン単位が10乃至12個縦に並んだもの)が多量に存在し、角化するときに脱リン酸化とペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)というプロテアーゼの作用によって脱イミノ化され、その後フィラグリンに分解される。遊離されたフィラグリンは角質細胞の細胞質内でケラチン線維を凝集させたのち、角層上層でアミノ酸などに分解される。これらのアミノ酸は天然保湿因子と呼ばれ、角層水分量の保持に重要な役割を担い、また紫外線吸収能をもつことで知られる[(Blank I.H. J.I. Dermatol., 18, 433 (1952)(非特許文献1); Blank I.H. J.I. Dermatol., 21, 259 (1953)(非特許文献2)]。
【0003】
NMFの主成分であるアミノ酸がフィグラリンに由来することが明らかになって以来、乾燥肌を呈する病態とフィグラリンの関連性についての研究が進められている。特に、フィグラリンのプロセシング異状が起きている場合、それにバリアー機能障害が伴い、アトピーや魚鱗癬の一部はフィラグリンの遺伝子異状が原因であるとの報告がある。このように、NMFは皮膚の保湿機能、ひいては皮膚のバリアー機能に重要な役割を担い、フィラグリンがどのような過程を経てNMFにまで分解されるかを知ることは皮膚科学または化粧学上、あるいは皮膚のバリアー機能を改善させる薬剤を見つける上で重要である。
【0004】
最近の研究結果から、カスパーゼ−14ノックアウトマウスでフィラグリンのプロセシング異状が起きていることが明らかとされた(J Biol Chem, 284(19) 12829-36 (2009) (非特許文献3);Nat Cell Biol., (6) 666-74 (2007)(非特許文献4))。カスパーゼ−14がフィラグリンのプロセシングに関与し、ひいては皮膚の正常なバリアー機能の保持に重要な役割を担うことが示唆され、皮膚の正常なバリアー機能のメカニズムの解明のための新たな切り口として、カスパーゼ−14の機能の解明が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2000-507812号公報
【特許文献2】特表2001-521730号公報
【特許文献3】特表2002-534958号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Blank I.H. J.I. Dermatol., 18, 433 (1952)
【非特許文献2】Blank I.H. J.I. Dermatol., 21, 259 (1953)
【非特許文献3】J Biol Chem, 284(19) 12829-36 (2009)
【非特許文献4】Nat Cell Biol., (6) 666-74 (2007)
【非特許文献5】J. Immunology, 174:4485-4494 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カスパーゼ−14は皮膚に特異的に発現するカスパーゼであることが報告されているが、その活性化の機構及び機能に関しては未だ十分には解明されていない。カスパーゼ−14の活性化の機構及び機能の解明を目的に、免疫染色を用いて生体内分布を調べたり、ELISA系を作製してカスパーゼ−14を定量化するための特異的な抗体の利用は不可欠である。従って、本発明者はカスパーゼ−14に特異的に結合するモノクローナル抗体の作製を検討した。その結果、カスパーゼ−14特異的モノクローナル抗体を産生するいくつかのハブリドーマ株を得ることに成功した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本願は以下の発明を包含する。
(1)カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体であって、ハイブリドーマNITE P−749、NITE P−750、NITE P−751及びNITE P−752からなる群から選ばれるハイブリドーマ株によって生産されるモノクローナル抗体。
(2)活性化カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体であって、ハイブリドーマNITE P−749、NITE P−750、NITE P−751及びNITE P−752からなる群から選ばれるハイブリドーマ株によって生産されるモノクローナル抗体が結合するエピトープと結合するモノクローナル抗体。
(3)前記ハイブリドーマ株がNITE P−749である、(1)又は(2)のモノクローナル抗体。
(4)前記ハイブリドーマ株がNITE P−750である、(1)又は(2)のモノクローナル抗体。
(5)前記ハイブリドーマ株がNITE P−751である、(1)又は(2)のモノクローナル抗体。
(6)前記ハイブリドーマ株がNITE P−752である、(1)又は(2)のモノクローナル抗体。
(7)活性化カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマヒ株であって、ハイブリドーマNITE P−749、NITE P−750、NITE P−751及びNITE P−752からなる群から選ばれるハイブリドーマ株。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法により、皮膚の性状、すなわちNMFによる皮膚バリアー機能状態に関与する重要な因子であるカスパーゼ−14を組織学的、生化学的レベルで判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ウェスタンブロットによる一次スクリーニング。
【図2】合成基質WEHD-MCAを用いてカスパーゼ−14抗体を加えた際のカスパーゼ−14活性の測定結果。
【図3】各クローンによる免疫染色の結果を示す。
【図4】NITE P−752(クローン3)を用いたELISA法によるカスパーゼ−14の定量。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ヒトカスパーゼ−14の全長配列やそれをコードする核酸配列についてはhttp://www-personal.umich.edu/~ino/List/31919.htmや、特表2000-507812号公報、特表2001-521730号公報、特表2002-534958号公報に記載されている。
【0012】
本発明に係るカスパーゼ−14特異的モノクローナル抗体は、慣用の方法で作製することができる。例えば、カスパーゼ−14抗原を好ましくは適当な担体に結合させることで形成した抗原複合体を、哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。好ましくは、モノクローナル抗体の作製に適した動物、例えばGanp遺伝子トラオンスジェニックマウス[Sakaguchi et al., J. Immunology, 2005, 174:4485-4494(非特許文献3)]が使用される。マウス抗原の動物1匹当たりの投与量は、例えばアジュバントを用いないときは0.1〜100mgであり、アジュバントを用いるときは1〜100μgであるが、それらに限定されることはない。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下又は腹腔内等に注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終の免疫日から1〜60日後、好ましくは1〜14日後に抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
【0013】
細胞融合ハイブリドーマを得るため、抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞として、マウスなどの動物の一般に入手可能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ細胞としては、例えば X63Ag.8.653、NSI/1-Ag4-1、NS0/1などのマウスミエローマ細胞株、YB 2/0などのラットミエローマ細胞株が挙げられる。
【0014】
次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI-1640培地などの動物細胞培養用培地中で、適当な比率、例えば1×106〜1×107個/mlの抗体産生細胞と2×105〜2×106個/mlのミエローマ細胞とを混合し(抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞比2:1〜3:1が好ましい)、細胞融合促進剤存在のもとで融合反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量1000〜6000ダルトンのポリエチレングリコール等を使用することができる。また、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
【0015】
ハイブリドーマの選別及びクローニング細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎児血清含有RPMI-1640培地などで適当に希釈後、マイクロタイタープレート上にまき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。その結果、選択培地で培養開始後、14日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
【0016】
次に、増殖してきたハイブリドーマの培養上清中に、活性型カスパーゼ−14に特異的な抗体が存在するか否かをスクリーニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法、放射性免疫測定法等によってスクリーニングすることができる。融合細胞のクローニングは、限界希釈法等により行う。そして、最終的に、カスパーゼ−14とは反応するモノクローナル抗体を産生する細胞であるハイブリドーマを樹立する。
【0017】
モノクローナル抗体の採取樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を採用することができる。細胞培養法においては、ハイブリドーマを10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM培地又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5% CO2濃度)で7〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜2週間後に腹水を採取する。上記抗体の採取方法において抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィーなどの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組み合わせることにより精製することができる。
【0018】
以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
実施例1
リコンビナントカスパーゼ−14の作製
リコンビナントプロカスパーゼ−14は以下のとおりにして作成した。下記のPCRプライマーを用いてRT−PCR増幅したヒトカスパーゼ−14全長コード配列をpGEX−6P1(GE ヘルスケア)にクローニングし、GST(グルタチオントランスフェラーゼ)融合タンパク質として大腸菌(BL21)に形質転換した。グルタチオン・アガロースカラムで精製後、PreScission Protease (GE ヘルスケア)にてGSTを切断後、得られたリコンビナントカスパーゼ−14をさらにMonoQ FPLCシステム(アマシャム社)によるクロマトグラフィーにかけることで精製し、抗原として用いた。
【0020】
活性化カスパーゼ−14の作製
Reverse genetics 法により、活性化体カスパーゼ−14のリコンビナントを作製した。
ヒト表皮角層から、活性化カスパーゼ−14を精製し、その一次構造を決定した。その結果、活性化に必要な切断部位として、Asp146を同定し、かつIle152とLys153との間でさらに分解されlinker peptideが失われることにより、Large subunitとsmall subunitのヘテロダイマーを形成し、活性化体となることを明らかにした。この情報に基づき、small subunitをN末側におきこれにlarge subunitを融合させ、C末がAsp146で終わるコンストラクトを作製し、pET Vectorに組み込んだ。大腸菌にトランスフォーメーションし、所定の方法で蛋白を誘導、Ni-agaroseカラムを用いてリコンビナント蛋白の精製を行った。
【0021】
2.酵素活性の検討
10μlのリコンビナントカスパーゼ−14を5μg/mlになるようにDTTを含まないアッセイバッファー(PBS)で希釈し、室温で1時間インキュベートした。これに80μlのアッセイバッファー(DTT入り)を加え、15分室温に置いた後、カスパーゼ−14の基質として公知の蛍光基質(WEHD-MCA(0.1 mM), ペプチド研究所)20μlを加え、37oCで30分インキュベートし、excitation:355 nm、emission:460 nmで蛍光強度の変化を測定した。コントロールとしてヒト角層から精製したカスパーゼ−14の酵素活性を同様に測定した。測定には、フルオロスキャンアセントFL(Labsystems)を用いた。その結果、リコンビナントカスパーゼ−14はヒト角層から精製したカスパーゼ−14と同様の性質を認めた(データーは示さない)。
【0022】
3.モノクローナル抗体の作製
PCRクローニングしたヒトカスパーゼ−14遺伝子をpGEX−6P1ベクター(アマシャムバイオサイエンス)に導入し、GST(グルタチオントランスフェラーゼ)融合タンパク質として大腸菌に発現させた。グルタチオンアガロースカラムで精製後、PreScission Protease(GE ヘルスケア)にてGSTと切断後、リコンビナントカスパーゼ−14をさらにMonoQイオン交換クロマトグラフィーにて精製し、抗原として用いた。
この抗原を用い、Ganp遺伝子トランスジェニックマウス(J. Immunology, 174: 4485-4494(2005):非特許文献5)を用い、抗体産生ハイブリドーマ細胞を作製した。その結果、抗カスパーゼ−14抗体を賛成するクローンとして、クローン6(NITE P−749;識別表示6B2)、クローン2(NITE P−750;識別表示7D4)、クローン10(NITE P−751;識別表示7H4)及びクローン3(NITE P−752;8A8))が得られた。
【0023】
4.抗体の一次スクリーニング
ウェスタンブロットによる確認
カスパーゼ−14に対するモノクローナル抗体がカスパーゼ−14活性体のうちの大サブユニット(17kDa)又は小サブユニット(11kDa)のいずれを認識しているのか、濃度を一定ににし、デキストリン抽出物及び角層抽出液を用いて確認した。コントロールとして市販のポリクローナル抗体H-99抗体(Santa Cruz Biotechnology Inc)(17kDaに特異的)及びC-20抗体(Santa Cruz Biotechnology Inc)((11kDaに特異的)を用いた。
その結果を図1に示す。クローン2(NITE P−750)、クローン3(NITE P−752)及びクローン6(NITE P−749)は大サブユニットを、そしてクローン10(NITE P−751)は小サブユニットを認識するとの結果が得られた。
【0024】
5.抗体によるカスパーゼ−14活性中和能の測定
アッセイバッファー:50 mM HEPES (pH 7.5) +0.1% CHAPS + 60 mM NaCl + 1.5 M Na-citrate (クエン酸ナトリウム)+ 5 mM DTT
・モノクローナル抗体ストック:1 mg/ml in PBS
・リコンビナントカスパーゼ−14ストック: 2.5 mg/ml
【0025】
10 μlのカスパーゼ−14を5μg/mlになるようにDTTを含まないアッセイバッファーで希釈し、適当な濃度の抗体溶液(1/10〜1/80, PBSで希釈)5μlと反応させ、室温で1時間インキュベートした。これに80 μlのアッセイバッファー(DTT入り)を加え、15分室温に置いた後、0.1 mMの蛍光基質(WEHD-MCA, ペプチド研究所)20 μlを加え、37oCで30分インキュベートし、excitation:355 nm、emission:460 nmで蛍光強度の変化を測定した。コントロールには抗体を含まないPBSを用いた。測定には、フルオロスキャンアセントFL(Labsystems)を用いた。その結果、ヒト角層から精製したカスパーゼ−14と同様の性質を認めた。
【0026】
その結果を図2に示す。クローン2(NITE P−750)では活性化カスパーゼ−14の活性は完全にブランクのレベルにまで抑制され、濃度依存性の傾向の認められる強い中和活性があった。クローン6(NITE P−749)及びクローン10(NITE P−751)については、弱いながらも活性化カスパーゼ−14の活性を抑制する作用が認められた。クローン3(NITE P−752)については中和抗体としての作用はほとんどなかった。
【0027】
6.カスパーゼ−14特異的抗体による免疫染色
カスパーゼ−14特異的抗体によるヒト表皮細胞の免疫組織化学染色
ヒト皮膚切片を4%のPFA(パラホルムアルデヒド)で室温、20分固定し、浸透化液(0.1%のクエン酸ナトリウム、0.1%のTriton X-100/PBS)中で、4℃、2分処理した。次に、10%のヤギ正常血清(ヒストファインブロッキング試薬:ニチレイ社製)で室温、2時間ブロッキング処理し、上記4種のカスパーゼ−14特異的抗体(1/200)と4℃、一晩反応させた後、PBSで室温にて15分×3回、余剰抗体を洗浄した。次に抗ウサギTexas Red標識二次抗体(VECTOR社製)と室温で1時間反応させ、再度PBSで室温にて15分×3回洗浄し、余剰抗体を洗浄した。その結果を図3に示す。上記抗体いずれによっても免疫染色が可能であった。したがって、例えばマウス以外の種由来の抗カスパーゼ−14抗体と組み合わせれば、本発明の各抗体はカスパーゼ−14の二重染色に使用できる。
【0028】
クローン3(NITE P−752)によるELISA系の構築
固相抗体としてクローン3(NITE P−752)モノクローナル抗体、一次抗体としてH-99抗体(ヒトカスパーゼ−14のアミノ酸24-122に対応するペプチドに対し生起された抗体)、二次抗体としてロバ由来のECL抗ウサギIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ結合F(ab’)フラグメントを用いELISAサンドイッチ系を構築し、カスパーゼ−14の定量を行った。それにより作製した検量線を図4に示す。その結果、0〜1.2μg/mlといった広い濃度範囲において検量線に直線性が示され、クローン3(NITE P−752)モノクローナル抗体はカスパーゼ−14の定量に有用であることがわかった。
【受託番号】
【0029】
1.マウス骨髄細胞株、マウスB細胞(6B2)
(1)微生物の表示:6B2
(2)受託番号:NITE P−749
(3)受領日:2009年5月14日
(4)寄託機関:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
2.マウス骨髄細胞株、マウスB細胞(7D4)
(1)微生物の表示:7D4
(2)受託番号:NITE P−750
(3)受領日:2009年5月14日
(4)寄託機関:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
3.マウス骨髄細胞株、マウスB細胞(7H4)
(1)微生物の表示:7H4
(2)受託番号:NITE P−751
(3)受領日:2009年5月14日
(4)寄託機関:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
4.マウス骨髄細胞株、マウスB細胞(クローン3)
(1)微生物の表示:Clone 3
(2)受託番号:NITE P−752
(3)受領日:2009年5月14日
(4)寄託機関:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体であって、ハイブリドーマNITE P−749、NITE P−750、NITE P−751及びNITE P−752からなる群から選ばれるハイブリドーマ株によって生産されるモノクローナル抗体。
【請求項2】
カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体であって、ハイブリドーマNITE P−749、NITE P−750、NITE P−751及びNITE P−752からなる群から選ばれるハイブリドーマ株によって生産されるモノクローナル抗体が結合するエピトープと結合するモノクローナル抗体。
【請求項3】
前記ハイブリドーマ株がNITE P−749である、請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体。
【請求項4】
前記ハイブリドーマ株がNITE P−750である、請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体。
【請求項5】
前記ハイブリドーマ株がNITE P−751である、請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体。
【請求項6】
前記ハイブリドーマ株がNITE P−752である、請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体。
【請求項7】
カスパーゼ−14に特異的なモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ株であって、ハイブリドーマNITE P−749、NITE P−750、NITE P−751及びNITE P−752からなる群から選ばれるハイブリドーマ株。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−32190(P2011−32190A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178402(P2009−178402)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】