説明

カチオン性桂皮誘導体およびそのための適応

本発明は、cassia toraおよびcassia obtusifoliaから得られるカチオン的に誘導体化されたポリガラクトマンナンに関し、また、パーソナルケア、家庭ケアおよび工業ケア組成物でのそれらの使用に関する。これらのカチオン的に誘導体化されたガラクトマンナン重合体は、化学的および生理学的に活性な成分の効力、堆積および送達を高めるための増粘剤、安定剤、乳化剤、展着助剤および担体として、使用できる。それに加えて、これらの重合体は、それらが含まれる化粧品の感覚的および審美的な特性を向上させるのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年6月19日に出願された米国特許出願第60/479,793号から優先権を主張している。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、ポリガラクトマンナン誘導体に関する。さらに特定すると、本発明は、Cassia toraおよびCassia obtusifoliaから得られるカチオン的に誘導体化されたガラクトマンナン重合体、およびパーソナルケア、ヘルスケア、家庭、業務および工業製品でのそれらの使用に関する。これらのカチオン的に誘導体化されたガラクトマンナン重合体は、化学的および生理学的に活性な成分の効力、堆積および送達を高めるための増粘剤、安定剤、乳化剤、展着助剤および担体として、使用できる。それに加えて、これらの重合体は、それらが含まれる化粧品の感覚的および審美的な特性を向上させるのに有用である。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ポリガラクトマンナンは、マメ科植物(例えば、Cyamopsis tetragonoloba(グアールガム)、Cesalpinia spinosa(タラガム)、Ceratonia siliqua(イナゴマメガム)、およびマメ科の他の構成要素から得られる種の内胚乳物質で見られる。ポリガラクトマンナンは、1→4−連結されたβ−D−マンノピラノシル単位から構成され、これらの単位は、反復1→6−連結されたα−D−ガラクトシル側鎖を備え、これらの側鎖は、その骨格内のマンノピラノシル残基の6番の炭素から分枝している。異なるマメ科種のガラクトマンナン重合体は、そのポリマンノピラノース骨格から分枝しているガラクトシル側鎖単位の出現頻度の点で、互いに異なる。グアーガムに含有されているポリガラクトマンナン中のD−マンノシル単位:D−ガラクトシル単位の比は、約2:1であり、タラガムについては、約3:1であり、イナゴマメガムについては、約4:1である。ポリガラクトマンナンの他の重要な原料には、Cassia toraおよびCassia obtusifolia(これらは、総称的に、カシアガムとして知られている)がある。
【0004】
カシアガムから得られるポリガラクトマンナンは、図式的には、以下の構造で表わされる:
【0005】
【化2】

ここで、nは、約15〜約35の整数を表わす。他の実施態様では、nは、約20〜約30の整数を表わす。本発明のさらに他の実施態様では、本発明のポリガラクトマンナンは、約200,000〜約300,000の範囲の数平均分子量(ポリスチレン標準を使用するGPC方法)を有する。
【0006】
ポリガラクトマンナンは、親水コロイドであり、これらは、水に対して高い親和性を有する。それらは、食品、被覆剤、パーソナルケア組成物および油井破砕液のような多様な用途において、懸濁剤、増粘剤、乳化剤およびゲル化剤として、広く使用されている。これらの重合体の使用は、大きな成功を収めているものの、天然形態で使用されるポリガラクトマンナンは、水溶性の観点から、いくつかの欠点がある。非置換ポリマンノース骨格は、水に完全に不溶である。ポリマンノース骨格の反復マンノース残基にあるC−6原子へのガラクトース側鎖単位の結合は、特に、冷水(すなわち、室温以下)において、その重合体の水溶性を高める。ガラクトース側鎖単位の置換が大きいほど、ポリガラクトマンナンの冷水溶解性が大きくなる。結果的に、ポリガラクトマンナン中のD−マンノシル単位とD−ガラクトシル単位との比が低いと、冷水溶解性が良好となる。例えば、グアーガムに含有されているポリガラクトマンナン(D−マンノシル:D−ガラクトシルの平均した比は、2:1)は、冷水に溶解性であるのに対して、カシアガムから得られるポリガラクトマンナン(D−マンノシル:D−ガラクトシルの平均した比は、5:1)は、冷水および温水に難溶性である。
【0007】
Bayerlein et al.の米国特許第4,753,659号は、特に、ポリガラクトマンナンを化学的に変性することにより、カシアガムに冷水溶解性を与えることができることを開示している。カシアガムポリガラクトマンナンと選定試薬との反応でC−6置換誘導体を得ることが開示されている。代表的な反応生成物には、C−6置換および非置換アルキルエーテル、C−6置換リン酸エステルおよびC−6置換四級アンモニウム化合物が挙げられる。これらの化学的に変性されたカシアガムポリガラクトマンナンの開示された用途には、織物印刷用途、油井穿孔助剤、採鉱および爆薬用途が挙げられる。
【0008】
Chowdhary et al.の米国特許第5,733,854号は、化学的に変性されたグアーガムおよびその調製方法を開示している。Chowdhary et al.によれば、カチオン的に誘導体化されたグアーガムのポリガラクトマンナンは、水性溶媒または有機溶媒に分散すると、無色透明な溶液を生成する。カチオン的に誘導体化されたグアーガムの開示された用途には、ヒトおよび家庭用途のための清浄剤組成物への混合が挙げられる。開示された他の用途には、パーソナルケア用途および化粧品用途が挙げられる。カチオン的に誘導体化されたカシアガムを、パーソナルケア、医薬、ホームケアまたは化粧品処方に使用することは、述べられていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
カチオン的に誘導体化されたグアーガムのポリガラクトマンナンに固有の欠点は、そのポリマンノース骨格に含有されているガラクトース側鎖単位の割合が高いことにある。ガラクトース側鎖単位は、マンノース骨格のC−6原子に含有されている水酸基が誘導試薬にアクセスすることから遮断する。大ていは、ガラクトース側鎖単位のC−6水酸基だけが、誘導体化試薬による官能化にアクセス可能である。結果的に、グアーガムのポリガラクトマンナンでのカチオン性基置換度は、比較的に低い。
【0010】
従って、分子置換度が高い誘導体化ポリガラクトマンナンが必要とされており、これは、化学的および生理学的に活性な成分の効力、堆積および送達を高めるための増粘剤、安定剤、乳化剤、展着助剤および担体用途で使用するのに適当である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(代表的な実施態様の説明)
本発明に従った代表的な実施態様を記述する。本明細書中で記述されたこのような代表的な実施態様の種々の改良、適応および変更は、それらが開示されているように、当業者に明らかとなる。このような改良、適応および変更の全ては、本発明の教示に依存しており、それによって、これらの教示が技術を進歩させたが、これらは、本発明の範囲および精神の範囲内に入ると見なされることが分かる。
【0012】
1局面では、本発明の実施態様は、従来のポリガラクトマンナン組成物よりも高い程度の分子置換まで誘導体化されたポリガラクトマンナン組成物に関する。本発明の一部の実施態様では、Cassia toraおよびCassia obtusifolia(カシアガム)の種の内胚乳から単離されたポリガラクトマンナンは、非イオン性、アニオン性およびカチオン性の反復ペンダント部分を含有するように、後官能化される。本発明に従った一部の代表的な実施態様は、カチオン的に変性されたカシアガムポリガラクトマンナンに関する。他の実施態様は、分子的に置換されたカシアガムポリガラクトマンナンに関し、これらは、化学的および生理学的に活性な成分の効力、堆積および送達を高めるための増粘剤、安定剤、乳化剤、展着助剤および担体として使用するように、改造されている。さらに他のこのような実施態様は、分子的に置換されたカシアガムポリガラクトマンナンを含有するパーソナルケア、ホームケア、食品および工業組成物に関する。
【0013】
ここでおよび本明細書全体にわたって使用されるように、分子的に置換されたおよび分子置換との用語は、カシアガム誘導ポリガラクトマンナンのガラクトース側鎖単位のC−6炭素原子および/またはマンノース繰り返し骨格単位のC−6炭素原子に、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性含有部分を付加することを意味する。これらの部分を含有する官能化試薬は、このカシアガム誘導ポリガラクトマンナンを構成するガラクトースおよびマンノース残基のC−6炭素原子に結合された水酸基と共に反応される。言い換えれば、ヒドロキシル水素は、この官能化試薬から誘導された部分で、置き換えられる。1実施態様では、このC−6炭素原子上のヒドロキシル水素は、この官能化試薬から誘導された部分で、置き換えられる。この反応は、概略的に、以下で表わされる:
【0014】
【化3】

本発明の一部の実施態様では、Rは、別個に、水素、非イオン性基、アニオン性基、カチオン性基および両性基を表わすが、但し、全てのR基は、同時に水素ではあり得ない。他の実施態様では、Rは、別個に、次式から選択される:
−AR
ここで、Aは、1個〜6個の炭素原子を含有するアルキレンスペーサ基であり、そしてRは、非イオン性置換基、アニオン性置換基、カチオン性置換基および両性置換基を表わす。他の実施態様では、このアルキレン基は、2個、3個、4個または5個の炭素原子を含有する。このアルキレンスペーサは、必要に応じて、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、ハロゲン(臭素、塩素、フッ素およびヨウ素)およびそれらの組み合わせから選択される基で、一置換または多置換されている。代表的な非イオン性R置換基には、−OHがある。−ARで定義される例証的な非イオン性基は、次式で表わすことができる:
−アルキレン−OH
ここで、このアルキレンスペーサは、上で定義されている。代表的な非イオン性基には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
代表的なアニオン性R置換基には、−COOH、−SOH、−OP(O)(OH)(OH)および−P(O)(OH)(OH)がある。−ARで定義される例証的なアニオン性基は、次式で表わすことができる:
−アルキレン−COOH
−アルキレン−SO
−アルキレン−OP(O)(OH)(OH)
−アルキレン−P(O)(OH)(OH)
ここで、このアルキレンスペーサは、先に定義したとおりである。代表的なアニオン性基には、カルボキシメチル、カルボキシエチルおよびカルボキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
の代表的なカチオン性置換基には、以下が挙げられる:以下のラジカルで表わされる1、2および3アミン:−N(R;および以下のラジカルで表わされる四級アンモニウム、スルホニウムおよびホスホニウム誘導体:−N(R、−S(R、−P(Rであって、ここで、Rは、別個に、水素、直鎖および分枝C〜Cアルキル、フェニルおよびベンジルを表わす;Rは、別個に、C〜C24アルキル、ベンジルおよびフェニルを表わす;そしてXは、該オニウムカチオン上の電荷と均衡する任意の適当なアニオンである。1実施態様では、Xは臭素、塩素、フッ素およびヨウ素から選択されるハロゲン化物アニオンである。RおよびRで定義されたアルキル、ベンジルおよびフェニル置換基は、C〜Cアルキル、ヒドロキシル、ハロゲン(臭素、塩素、フッ素およびヨウ素)およびそれらの組み合わせから選択される基で、一置換または多置換されている。−ARで定義される例証的なカチオン性基は、次式で表わすことができる:
−アルキレン−N(R
−アルキレン−N(R
−アルキレン−S(R
−アルキレン−P(R
ここで、アルキレン、R、RおよびXは、先に定義したとおりである。−ARの代表的なカチオン性基には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
【0017】
【化4】

ここで、Rは、メチル、デシル、ドデシル、ブタデシル、コゴアルキル、ドデシルおよびオクタデシルから選択され、そしてRは、水素および塩素から選択される。
【0018】
これらの両性置換基は、正電荷および負電荷の両方を含む任意のラジカルまたは残基から選択できる。代表的な両性置換基には、ベタイン、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチドおよびポリペプチドが挙げられる。
【0019】
非誘導体化カシアガムまたはフラワーは、Diagumの商標で、Noveon,Inc.から市販されている。上述のように、カシアガムポリガラクトマンナンの誘導体化は、ガラクトース側鎖単位および/または骨格マンノース繰り返し単位のC−6水酸基で起こる。このガラクトース側鎖単位の立体障害は、ポリガラクトマンナンのC−6水酸基で起こり得る置換の量を制御する。カシアガムポリガラクトマンナンは、カシアの構造からC−6ヒドロキシル反応部位にアクセスし易く(すなわち、立体障害が少ない)、その結果、高い程度の官能基置換が生じるので、C−6水酸基での置換度の点で、他のポリガラクトマンナンとは異なる。イオン性基の置換が起こる本発明の実施態様では、この誘導体化カシアガムポリガラクトマンナンは、従来の類似の誘導体化ポリガラクトマンナンと比較して、広範囲の電荷密度を有する。本発明の一部の実施態様では、四級アンモニウムカチオン性置換度は、60%まで、およびそれ以上の範囲であり得る。「置換度」との用語は、ポリガラクトマンナン繰り返し単位(これは、上記の括弧内の繰り返し単位構造で表わされる)1個あたり、変性置換基で変性された利用可能なC−6水酸基の割合を意味する(例えば、5個の利用可能なC−6水酸基のうちの3個が変性される)。対照的に、従来の誘導体化グアーポリガラクトマンナンは、33%の置換度しか示さない。
【0020】
カシアポリガラクトマンナンC−6水酸基の誘導体化は、当業者に周知の方法により、達成できる。一般的に言えば、このC−6水酸基は、それと共に反応する任意の官能化試薬と反応できる。例えば、このC−6水酸基を本発明の非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性置換基で官能化するためには、カシアガムポリガラクトマンナン上のC−6水酸基は、各個の非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性置換基および官能性部分(これは、このC−6水酸基と共に反応性である)と反応される。この官能化反応は、適当な溶媒中にて、適当な温度で、行われる。このポリガラクトマンナンのC−6ヒドロキシル原子上の官能基置換の量(置換度)は、そのポリガラクトマンナンに加えられる官能化試薬の化学量論量を調節することにより、制御できる。カシアガムポリガラクトマンナンの官能化方法は、米国特許第4,753,659号で開示されており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。ポリガラクトマンナンを誘導体化する追加方法は、米国特許第5,733,854号で述べられている。
【0021】
代表的な反応では、カシアガムポリガラクトマンナンは、共反応性四級アンモニウム化合物(これは、エポキシ基またはハロヒドリン基を含有する)で二官能化できる。このような1実施態様では、カシアポリガラクトマンナンは、約52℃の温度で、アルカリ水性媒体中の塩化グリジジルトリメチルアンモニウム(75%水溶液)と反応でき、所望の2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロピルカシアガラクトマンナンクロライド生成物が得られる。この反応は、化学的に、以下で表わされる:
【0022】
【化5】

カシアガムを化学変性すると、この骨格に、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性部分、およびそれらの組み合わせが取り込まれる。この化学変性により、種々の物理的特性の変化が生じる。例えば、誘導体化カシアガムは、冷水溶解性または改良された冷水溶解性を示す。それは、冷水中で水和でき、そして冷水でコロイド状チクソトロープ分散を形成することにより、粘度を確立する。
【0023】
本発明の一部の実施態様は、パーソナルケア、ヘルスケア、家庭、業務および工業製品などでの多官能性重合体成分としてのカチオン性カシア誘導体の使用に関する。これらのカチオン性カシア重合体は、化学的および生理学的に活性な成分および化粧品材料の効力、堆積および送達を高めるための乳化剤、展着助剤および担体として、また、それらが含まれる処方の感覚的および審美的な特性を向上させるビヒクルとして、使用できる。本明細書中で使用する「パーソナルケア製品」との用語には、ヒトおよび動物の皮膚、髪、頭皮および爪に適用される化粧品、洗面品、薬用化粧品、美容品、個人衛生品および洗浄品が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する「ヘルスケア製品」との用語には、医薬品、医薬化粧品、オーラルケア製品(口、歯)、眼ケア製品、耳ケア製品および店頭製品および器具(例えば、パッチ、硬膏剤、包帯など)が挙げられるが、これらに限定されない。この用語はまた、健康に関連した状態または病気を改善するためにヒトおよび動物の体に外部からまたは体内に適用される医療用具を含む。「体」との用語は、角質(髪、爪)および全身の非角質皮膚領域(顔、胴体、肢、手および足)、身体開口部の組織および目を含む。「皮膚」との用語は、頭皮および粘膜を含む。本明細書中で使用する「家庭ケア製品」との用語には、台所および浴室において衛生状態を維持するための表面保護および/または洗浄で使用される製品(殺菌洗浄製品を含めて)および織物洗浄用の洗濯製品などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する「業務および工業製品」との用語には、工業環境および業務環境(病院および医療機関を含めて)における衛生状態を維持するための保護および/または洗浄で使用される製品などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
所定の組成物または用途では、本発明のカチオン性カシア誘導体は、1つより多い機能(例えば、増粘剤およびコンディショナー、フィルム形成剤および担体または堆積助剤など)を果たすことができるが、そうする必要はない。使用できるカチオン性カシア誘導体の量は、それらを処方に含有させる目的に依存しており、処方技術の当業者により決定できる。それゆえ、物理化学特性および官能性が達成される限り、全組成物の重量基準で有用なの量のカチオン性カシア誘導体は、典型的には、約0.01%〜約25%の範囲で変えることができるが、それに限定されない。
【0025】
カチオン性カシア誘導体を含有する組成物は、包装でき、そして容器(例えば、ビン、チューブ、スプレー、拭い、回転塗布、スティックなどがあるが、これらに限定されない)から調剤できる。これらの誘導体を取り込むことができる製品の形状に関しては、その製品を使用する目的が達成される限り、制限がない。例えば、カチオン性カシア誘導体を含有するパーソナルおよびヘルスケア製品は、制限なしで、ゲル、スプレー(液体または泡状)、乳濁液(クリーム、ローション、ペースト)、液体(リンス、シャンプー)、スティック、軟膏、座剤などの形状で、皮膚、髪、頭皮および爪に、または硬質表面または洗濯用織物に適用できる。
【0026】
本発明のカチオン性カシア誘導体は、パーソナルケア(化粧品、洗面品、薬用化粧品)および局所ヘルスケア製品を調製するのに適当であり、これらには、ヘアケア製品(シャンプー、配合シャンプー(例えば、「ツーインワン」コンディショニングシャンプー)、シャンプー後リンス、セットおよびスタイル維持剤(セット助剤(例えば、ゲルおよびスプレー)、整髪助剤(例えば、ポマード、コンディショナー、パーマ、リラクサ、髪平滑化製品など)を含めて))、スキンケア製品(顔面、胴体、手、頭皮および足)(例えば、クリーム、ローションおよび洗浄製品、にきび防止製品、老化防止製品(剥離剤、角質溶解薬、セリュライト防止剤、皺防止剤など))、皮膚保護剤(サンケア製品(例えば、日焼け止め剤、アンブロック、バリアクリーム、オイル、シリコーンなど))、皮膚着色製品(漂白剤、色薄化剤、日光なし日焼け促進剤など)、染髪剤(毛髪染料、ヘアカラーリンス、ハイライター、漂白剤など)、顔料化皮膚着色剤(顔面および身体のメーキャップ、ファンデーションクリーム、マスカラ、口紅、口唇製品など)、浴室およびシャワー製品(身体洗浄剤、身体洗浄液、シャワーゲル、液状石鹸、棒状石鹸、棒状合成洗剤、コンディショニング液状浴剤、泡立て入浴剤、バスパウダーなど)、ネイルケア製品(マニキュア液、マニキュア剥離剤、強化剤、伸長剤、硬化剤、角質除去剤、軟化剤など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
カチオン性カシア誘導体を含有する洗面品および健康および美容助剤には、脱毛製品(ひげそり用クリームおよびローション、脱毛剤、ひげそり後皮膚コンディショナーなど);脱臭剤および制汗剤;オーラルケア製品(口、歯、歯茎)(例えば、うがい薬、歯磨剤(例えば、練り歯磨き、歯磨き粉、歯光沢剤、歯漂白剤、呼気清涼剤、義歯接着剤など));髭および体毛漂白剤などを挙げることができるが、これらに限定されない。カチオン性カシア誘導体を含有できる他の健康および美容助剤には、人工日焼け促進剤を含有する日光なし日焼け用途(例えば、ジヒドロキシアセトン(DHA)、チロシン、チロシンエステルなど);コウジ酸、ヒドロキノン、アルブチン、フルーツタル、野菜および植物抽出物(レモン皮抽出物、カミツレ、緑茶、ペーパーマルベリー抽出物のような活性成分を含有する皮膚脱色、白化および色薄化処方);フットケア製品(例えば、角質溶解コーンおよびたこ除去剤、フットソーク、フットパウダー(薬用であって、例えば、抗真菌性の水虫パウダー、軟膏、噴霧剤など)、制汗パウダーまたは非薬用吸湿パウダー、液状フットスプレー(非薬用であって、例えば、冷却および脱臭スプレーなど)、および足および足爪コンディショナー(ローション、クリーム、爪軟化剤など))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
局所健康および美容助剤には、展着助剤およびフィルム形成剤としてのカチオン性カシア誘導体を挙げることができ、これには、皮膚保護スプレー、ローション、ゲル、スティック、粉末製品(例えば、防虫剤、かゆみ止め、防腐剤、消毒剤、日焼け防止剤、日焼け止め剤、皮膚引き締めおよび調色ミルクおよびローション、疣除去組成物など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
カチオン性カシア誘導体は、微粒子、微小研磨剤および研磨剤を含有する皮膚製品(例えば、シャワーゲル、マスクおよび皮膚洗浄剤(これは、剥脱性スクラブ剤を含有する))に適当にする微粒子用懸濁液として、特に有用である。典型的な微粒子には、殻、種子および石の顆粒(例えば、アーモンド、アンズ(種子、核粉末、殻)、アボガド、ココナッツ、コーンコブ、オリーブ、桃、バラの実の種子、クルミ殻など)、ケイ酸アルミニウム、ホホバ(ワックス、種子粉末)、牡蠣殻粉末、ポリエチレン(顆粒、球体)、ポリエチレン(および)ヒドロキシセルロース顆粒、微結晶セルロース、ポリスチレン、ポリスチレン(および)タルク顆粒、粉砕した軽石、粉砕したヘチマ、粉砕した海草、米、オート麦ぬか、シリカ(水和、コロイドなど)、粉砕した卵殻、粉砕した青色ケシ種子、塩(例えば、塩化ナトリウム、死海塩など)およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
カチオン性カシア誘導体は、老化、乾燥、光損傷、にきびなどにより引き起こされる皮膚の状態を局所的に改善する種々の皮膚科学的薬用化粧品組成物(これは、コンディショナー、加湿剤、酸化防止剤、剥離剤、角質溶解薬、ビタミンなどを含有する)において、増粘剤およびフィルム形成剤として、有用である。カチオン性カシア誘導体は、活性皮膚処理ローションおよびクリーム(これは、例えば、活性成分、酸性老化防止剤、セリュライト防止剤およびにきび防止剤(例えば、α−ヒドロキシ酸(AHA)、β−ヒドロキシ酸(BHA)、α−アミノ酸、α−ケト酸(AKA)およびそれらの混合物)を含有する)用の増粘剤として、使用できる。このような化粧品では、AHAには、乳酸、グリコール酸、果実酸(例えば、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸)、AHAを含有する天然化合物の抽出物(例えば、リンゴ抽出物、アンズ抽出物など)、蜂蜜抽出物、2−ヒドロキシオクタン酸、グリセリン酸(ジヒドロキシプロピオン酸)、タルトロン酸(ヒドロキシプロパンジオン酸)、グルコン酸、マンデル酸、ベンジル酸、アゼライン酸、酢酸、α−ロピオン酸、サリチル酸、AHA塩および誘導体(例えば、グリコール酸アルギニン、乳酸アンモニウム、乳酸ナトリウム、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、アトロ乳酸など)などを挙げることができるが、これらに限定されない。BHAには、3−ヒドロキシプロパン酸、β−ヒドロキシ酪酸、β−フェニル乳酸、β−フェニルピルビン酸などを挙げることができるが、これらに限定されない。α−アミノ酸には、α−アミノジカルボン酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸など)およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されず、それらは、時には、果実酸と併用される。AKAには、ピルビン酸が挙げられる。一部の老化防止組成物では、その酸性活性剤は、レチノイン酸、ハロカルボン酸(例えば、トリクロロ酢酸)、酸性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、鉱酸、フィチン酸、リゾホスファチジン酸)などであり得る。一部のにきび防止剤には、例えば、サリチル酸、サリチル酸誘導体(例えば、5−オクタノサリチル酸、レチノイン酸およびその誘導体)を挙げることができる。
【0031】
カチオン性カシア誘導体が含有できる他のヘルスケア製品には、医療品(例えば、局所および非局所医薬および装置)がある。医薬処方では、カチオン性カシア誘導体は、以下のような製品(それらに限定されない)において、増粘剤および/または潤滑剤として、使用できる:クリーム、ポマード、ゲル、ペースト、軟膏、錠剤、ゲルカプセル、下剤液(浣腸、催吐薬、結腸洗浄薬など)、座剤、抗真菌泡剤、眼用製品(眼科用製品(例えば、点眼薬、人工涙液、緑内障薬剤送達点眼薬、コンタクトレンズ洗浄剤など))、イヤー製品(耳垢軟化剤、耳垢除去剤、耳炎薬剤送達点耳薬など)、鼻用製品(点鼻薬、軟膏、スプレーなど)、創傷ケア(液状絆創膏、創傷包帯、抗生物質クリーム、軟膏など)。
【0032】
これらのカチオン性カシア誘導体は、特に、「クリング−オン表面」を通る効率を向上させるために、または消毒薬、抗生物質処方の効力を高めるために、そして伝統的な織物軟化剤と組み合わせた織物軟化有効性を相乗的に高めるために、レオロジー調節剤、織物コンディショニング剤として、家庭、業務および工業用途で使用できる。カチオン性カシア誘導体を含有し得る典型的な家庭および業務・工業製品には、洗濯および織物ケア製品(例えば、洗剤、織物軟化剤(液体またはシート)、アイロンかけスプレー、ドライクリーニング助剤、皺防止スプレー、染み取り剤など);台所および浴室およびそこで使用されるか位置している電気・ガス・水道設備および器具(例えば、便器ゲル、浴槽およびシャワー洗浄剤、壁洗浄剤、床およびクロム建具光沢剤、アルカリ剥離ビニル床材洗浄剤、大理石およびセラミック洗浄剤、空気清浄スプレーゲル、食器用液状洗剤など);消毒洗浄剤(例えば、便器およびビデ洗浄剤、消毒用手洗い石鹸、室内脱臭剤など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
これらのカチオン性カシア誘導体は、以下において、レオロジー調節剤、分散剤、安定剤、促進剤などとして、使用できる:工業製品用途(例えば、繊維加工、仕上げ、印刷および染色補助、保護的に洗濯可能な表面塗装、不織布などの飽和による合成皮革の製造、織布および不織布および天然繊維または合成繊維の製造);水処理(排水、冷却水、飲用浄水など):化学薬品漏れの閉じ込め(酸漏れ吸収剤など);皮革類(加工補助、仕上げ、エンボス加工など);紙および製紙(表面塗装(例えば、顔料化塗装、静電塗装など)、パルプ結合剤、表面サイジング、乾燥および湿潤強度向上剤、合成繊維(例えば、不織布、湿潤フェルトなど)の製造):印刷(インク、ウィッキング防止インクジェットプリンタのインク、アクリル織物を印刷するためのカチオン染料を含有するインク処方用の増粘剤など);塗料(顔料および研磨添加剤、エポキシラテックス乳濁液用の架橋剤、粘土用や顔料用の微粒子懸濁助剤など);工場廃液処理(製紙工場廃液中のフェノール類用の凝集剤);金属加工(酸エッチング洗浄剤、低pH金属塗装、冷間圧延鋼の加工における酸洗い剤);木材防腐:およびビルおよび道路用の産業建設製品(セメント可塑剤、低pHでのアスファルト乳濁液安定剤、セメント用の酸エッチング、コンクリート、モルタル、パテの稠度調節剤など)。これらのカチオン性カシア誘導体はまた、錆除去剤、酸トラック洗浄剤、鱗屑除去剤などとして、また、微粒子(例えば、粘土、顔料(二酸化チタン、炭酸カルシウムおよび他の鉱物)、研磨剤など−これらは、種々の前述の工業用途および泥穿孔および油井破砕液で使用される)を含有する製品の分散安定剤として、有用である。
【0034】
前述の製品は、典型的には、当該技術分野で公知の種々の通常の添加剤および補助剤を含有し、それらの一部は、その製品の目的および性質と共に変わり、処方技術の当業者により、また、文献から、容易に決定できる。
【0035】
パーソナルケアおよび局所、皮膚科学、ヘルスケア用に処方された組成物(これらは、洗浄または鎮静するために、皮膚および粘膜に適用される)は、同じまたは類似の生理学的に耐容性がある成分の多くと配合され、そして同じまたは類似の製品形態で処方されるが、これらは、医薬および薬学的に受容される化合物の存在により、また、製品を製造し得る制御した条件により、主に、選択される成分の純度等級の点で異なることが知られている。同様に、家庭および業務・工業製品で使用される成分の多くは、前述のものと同じまたは類似しているが、主に、使用される物質の量および等級の点で異なる。成分の選択および許容量はまた、全国、地域、地方および国際レベルでの政府の規制を受け得ることも知られている。それゆえ、パーソナルケアおよびヘルスケア製品の種々の有用な成分の本明細書中での論述は、家庭および業務・工業製品および工業用途に適用され得る。
【0036】
カチオン性カシア誘導体重合体を含有する処方組成物中の成分の選択および量は、当業者に公知であるように、製品およびその機能に依存して、変わる。パーソナルケアおよび局所ヘルスケア製品用の処方成分には、典型的には、溶媒、界面活性剤(洗浄剤、乳化剤、発泡推進剤、屈水性誘発物質、可溶化剤および懸濁剤)、非界面活性懸濁剤、乳化剤、皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化薬、加湿剤など)、毛髪コンディショニング剤(シリコーンおよびシリコーン得イルを含めて)、毛髪固定剤、フィルム形成剤、皮膚保護剤、結合剤、キレート化剤、抗菌剤、抗真菌剤、フケ防止剤、研磨剤、接着剤、吸収剤、着色剤、脱臭剤、制汗剤、湿潤剤、不透明化剤および真珠光沢剤、酸化防止剤、防腐剤、推進剤、展着剤、日焼け止め剤、日光なし日焼け促進剤、紫外光吸収剤、pH調節剤、植物剤、染髪剤、酸化剤、還元剤、皮膚漂白剤、顔料、生理活性剤、抗炎症薬、局所麻酔薬、芳香および芳香溶解剤などだけでなく、ここでは現れないが先に記述した成分を挙げることができるが、これらに限定されない。オーラルケア製品は、例えば、界面活性剤、研磨剤、湿潤剤、充填剤および香味剤に加えて、虫歯防止剤、歯石防止剤および/または歯垢防止剤を含有できる。物質およびそれらの通常の機能および製品の範疇の広範囲にわたる列挙は、一般に、CFTA Dictionary、特に、Vol 2、section 4および5で見られる。
【0037】
カチオン性カシア誘導体は、それが水膨潤性であるために、しばしば、水系のゲル化剤として使用される。例えば、カチオン性カシア誘導体は、ゲルから連続的に揮発性空気処理剤を放出するように設計された空気処理ゲル用のゲル化剤として、使用できる。これらの揮発性空気処理成分には、空気清浄成分(例えば、消毒薬、殺菌剤、殺虫剤、殺真菌剤、脱臭剤、駆虫剤、芳香物質およびそれらの混合物)を挙げることができる。芳香物質には、バラのオイル、ライムのオイル、レモンのオイル、スペアミントのオイル、冬緑樹のオイル、杉材のオイル、カナダモミのオイルなどが挙げられる。これらのオイルは、芳香剤(例えば、芳香族エステル、アルデヒド、ケトン、および芳香剤ブレンド技術の当業者に公知の他の化合物)と併用され得る。このゲル化剤のレベルは、1実施態様では、約0.5〜約25重量%、他の実施態様では、約0.75〜約15重量%、さらに他の実施態様では、約1〜5重量%の範囲であり、ここで、この重量パーセントは、この組成物の全重量を基準にしている。
【0038】
カチオン性カシア誘導体はまた、創傷包帯および医療用具のための親水コロイドゲルを形成するのに使用できる。創傷(例えば、傷害、手術などから生じる創傷)の治癒は、使用する包帯に大きく依存している。通常の包帯では、しばしば、最適な結果が得られない。特別な圧力緩和または減少手段もまた、施すべきである。湿った包帯もまた、しばしば、有益であり、これにより、脱水した組織の再水和、血管形成(新血管の増殖)の増加、最小限の細菌成長、物理的な保護、および酸素の放出を刺激しタンパク質分解酵素をより効率的に働かせるのに適当なpHの維持が得られる。
【0039】
親水コロイドゲルを形成する注ぎ可能な水ベースの天然または合成水溶性または水膨潤性ゲルは、創傷包帯に使用できる。それらは、最初は、創傷上に注ぐか展開するのに十分に流動性であるが、適用後、湿潤固形弾性保護ゲルを形成でき、これは、重合体親水コロイド水和状態のままとなる。
【0040】
体内に移植して体液の流れを促進するか血管移植片として働くか他の目的に役立つように適合された医療用具が開発されている。典型的には、これらの用具には、ステント、カテーテルまたはカニューレ、プラグ、コンストリクター、組織または生物カプセル化剤などが挙げられる。移植片として使用される用具の多くは、耐久性で分解しないプラスチック材料(例えば、ポリウレタン、ポリアクリレートおよびシリコーン重合体など)から製造される。ある場合には、それらは、生物分解性重合体から製造され、これらは、インビボにて、一定時間安定のままであるが、最終的には、小分子に分解し、それらは、体内から容易に排泄される。カチオン変性カシアガムポリガラクトマンナンから製造された架橋ヒドロゲルは、このような医療用具に使用することが考慮されている。それらは、しばしば、優れた生体適合性を与え、そして血栓症、瘡蓋および炎症を誘発する傾向を少なくすることが明らかとなっている。これらの用途では、創傷治癒または移植片に使用される親水コロイド重合体ゲルは、このカチオン性カシア誘導体である。それらのカチオン性カシア含有組成物は、水と混合されて、架橋剤と共にまたはそれなしで、固形温度非可逆性弾性ゲル(すなわち、可撓性ゲル)を形成して、非流体系の形成を助ける。典型的なゲルは、3〜15重量%のカチオン性カシア誘導体を含有する。重合体および架橋剤の量が多いと、より固形のゲル、すなわち、良好な物理的および機械的特性(弾性率、降伏応力、強度)を示すゲルが得られる。このゲルを創傷に注ぐか展開するか、移植片の場合、内視鏡によってゲルを体内に挿入するのに必要な初期流動性を与えるのに十分な水が存在すべきである。次いで、このゲルを固化して架橋密度(すなわち、ゲルの最終的な機械的および物理的特性)を制御するために、イオン性および非イオン性架橋剤が使用される。殆どの用途には、これらの架橋剤は、0〜8重量%、さらに好ましくは、0.1〜5重量%で存在している。任意の適当な非毒性架橋剤が使用でき、これには、ガラクトース、マンノース、オリゴ糖類(これらは、マンノースおよびガラクトースのいずれかまたは両方を含有する)、ホウ砂、有機チタネート、ホウ酸、ジエポキシド、ポリカルボン酸、グルタルアルデヒド、ジヒドロキシアルミニウム、炭酸ナトリウム、クエン酸、およびカルシウム、マグネシウムおよびアルミニウムのカチオンのいずれかの可溶原料が挙げられる。移植片の場合、これらのイオン性架橋剤は、移植装置を体内に移植した後、インビボで容易かつ選択的に位置をずらすことができ、その結果、その装置が体内で膨潤し軟化して、患者の快適性を高める。この装置は、崩壊することなく、その最初の外形を保持する。もし望ましいなら、その組成物には、以下のいずれかの物質を含有させることができる:医薬および消毒薬、創傷治癒向上剤(例えば、ビタミン)、血液凝固薬、抗生物質、酸素源など。
【0041】
カチオン性重合体は、しばしば、皮膚および/または髪組成物において、コンディショナーとして、使用される。コンバビリティーを促進するために、シャンプーおよびコンディショナーでは、四級化重合体が使用される。正に荷電した窒素は、負に荷電した髪繊維と結合して、フィルムを形成する。それらはまた、あまり蓄積させずに、髪を柔らかく手触りを滑らかにする。カチオン性カシア誘導体は、コンディショニング洗浄剤処方(これは、髪に対して洗浄、湿潤時の絡み解消、乾燥時の絡み解消および管理可能性を与えるだけでなく、比較的に非刺激性である)において、カチオン性重合体コンディショナーの一部として、使用できる。それゆえ、この組成物は、幼児、および皮膚や目が敏感な大人が使用するのに適当である。
【0042】
スキンケア処方では、カチオン性カシア誘導体は、超温和皮膚洗浄組成物または加湿組成物において、重合体皮膚感触および皮膚刺激緩和助剤として、使用できる。カチオン性カシア誘導体は、皮膚のコンディショニング、皮膚の刺激緩和および加湿を与える。カチオン性カシア誘導体はまた、複数回の使用後に、皮膚を過度に脱脂または過剰乾燥することによる少ない皮膚刺激を回避することにより、望ましい絹のような柔らかい滑らかな使用感を示す。それは、粘着性および油性を減らし平滑性を改善することにより、皮膚に対する感覚を向上させる。
【0043】
本発明のカチオン性カシア誘導体は、乳濁液中にて、レオロジー調節剤または乳濁液安定剤として、使用できる。本発明のカチオン性カシア誘導体は、発泡乳濁液組成物に対して、良好な乳濁液安定性を与える。良好な皮膚科学的適合性を有する皮膚洗浄剤組成物の要求が高まっている。特に、非イオン性界面活性剤としてアルキルオリゴグリコシドを使用することは、好ましい発泡および洗浄特性、生物分解性および皮膚科学的適合性があるために、好ましいことが発見されている。しかしながら、このようなアルキルオリゴグリコシド含有乳濁液は、皮膚に容易には吸収されず、皮膚に塗布すると、クリーム状の微小な泡を形成する代わりに、粗く大きい泡を形成する。カチオン性重合体(例えば、カチオン性カシア誘導体)を含有する処方では、豊富なクリーム状の微小な泡が形成され、これは、皮膚に容易に吸収されて、高い洗浄および脱脂特性を備えている。
【0044】
良好なコンディショニングおよび泡立ち特性を示す洗浄組成物は、非常に望ましい。これは、アニオン性界面活性剤(これは、他の界面活性剤と比較して、高い泡立ちと共に、優れた洗浄性を示す)とカチオン性重合体(これは、コンディショニング特性を与え、および/または皮膚または髪への治療薬の堆積を助ける)との間に固有の非相溶性があるために、達成するのが困難である。洗浄組成物にこのようなアニオン性界面活性剤が存在すると、また、このような組成物がオイル、グリースおよびゴミおよび微粒子物を髪から除去するように設計されているので、治療薬の堆積を妨害する。パーソナルケア用途では、本発明のカチオン性カシア誘導体は、界面活性剤、水溶性試薬(例えば、シリコーン)と併用でき、治療薬、コンディショナー、加湿剤などの送達システムを向上させる。治療薬の例には、絡み解消/湿潤櫛梳き剤、湿潤剤、にきび防止剤、脱毛防止剤、発毛阻害剤、ハーブエキスなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
このような製品で洗浄される表面に所望の残留特性を与える目的のために、洗浄組成物には、種々の水不溶性微粒子(オイル乳濁液の固形または液状粒子)が混合されている。例えば、微粒子フケ防止剤を含有するシャンプー組成物は、このような薬剤がリンスに続いて髪および頭皮に堆積し保持されないなら、機能できない。微粒子抗菌剤もまた、織物および髪および皮膚表面に残留抗菌活性を与えるために、種々の洗濯用洗剤およびパーソナルケア身体用石鹸で使用されている。種々の他の水不溶性または難溶性微粒子物質(例えば、日焼け止め剤、織物軟化剤、織物光沢剤、織物漂白剤など)もまた、洗浄組成物で使用されている。それらの活性は、洗浄される基質(皮膚、髪、織物など)での粒子の堆積および保持に依存している。その当然の性質によって、有効な洗浄組成物は、洗浄される表面での微粒子物の保持を最小にする傾向がある。結果的に、その基質表面の洗浄およびリンス後には、洗浄組成物中に存在している活性剤のうちの比較的に少ない部分だけが、実際に保持される。この活性成分の活性は、この表面に堆積され保持された粒子の量に依存しているので、活性剤の堆積および保持を高める手段が非常に望ましい。本発明のカチオン性カシア誘導体は、このような目的に適当である。
【0046】
スタイリングシャンプーでは、水不溶性スタイリング重合体の堆積を高める堆積助剤として本発明のカチオン性カシア誘導体を使用すると、髪のスタイリング性能(コンディショニング、カール保持、優れた髪の感触)が改善される。本発明のカチオン性カシア誘導体は、堆積助剤として、(メタ)アクリレート共重合体およびシリコーングラフト化(メタ)アクリレートの群から選択される水不溶性髪スタイリング重合体と併用できる。例には、アクリル酸t−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、アクリル酸t−ブチル/メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、アクリル酸t−ブチル/メタクリル酸2−エチルヘキシル/ポリジメチルシロキサンマクロマーおよびメタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸2−エチルヘキシル/ポリジメチルシロキサンマクロマー共重合体、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0047】
上述のように、洗浄組成物では、種々の他の水不溶性または難溶性微粒子物質(例えば、日焼け止め剤、織物軟化剤、織物光沢剤、織物漂白剤、殺生物剤など)が使用される。それらの活性は、洗浄される系での粒子の堆積および保持に依存している。その当然の性質によって、有効な洗浄組成物は、洗浄される表面での微粒子物の保持を最小にする傾向がある。それゆえ、その表面の洗浄およびリンス後には、このような洗浄組成物中に存在している薬剤のうちの比較的に少ない部分だけが、実際に保持される。この機能剤の活性は、この表面に堆積され保持された粒子の量に依存しているので、堆積を高める手段が非常に望ましい。カチオン性カシア誘導体は、これらの微粒子物質の堆積助剤として、使用できる:例えば、洗濯過程中において織物表面にて織物軟化剤を堆積するため、または浄化中において硬質表面にて殺生物剤を堆積するため。例えば、通常の洗剤成分(例えば、界面活性剤、ビルダー)と共にカチオン性カシア誘導体を使用すると、表面での織物軟化剤の堆積が良好となるために軟化特性が改善され、また、著しく高い保存安定性が得られる。その全組成物の約0.05〜約5重量%は、堆積助剤としてのカチオン性カシア誘導体に使用される。界面活性剤を含有する組成物で使用するときの本発明の1局面では、カチオン性カシアと界面活性剤との比は、約10:1〜約1:10(重量:重量基準)の範囲であり得る。
【0048】
カチオン性カシア誘導体はまた、洗剤組成物での汚れ解放剤として、使用できる。洗濯操作中にて、これらの重合体は、洗浄液に含浸された織物の表面に吸収される。吸収された重合体は、親水層を形成し、これは、洗浄液から除去され乾燥された後も織物に残り、それにより、洗濯している織物に対する汚れ解放特性を与える。低レベルのカチオン性カシア誘導体(0.3〜5重量%)は、典型的な織物軟化剤と組み合わせて、繰り返し使用しても織物の白さに悪影響を与えることなく、汚れ解放特性を与えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリガラクトマンナンを含有するパーソナルケア組成物であって、該ポリガラクトマンナンは、5:1のD−マンノシル:D−ガラクトシル残基比を含む繰り返し単位を有し、ここで、該マンノシルおよびガラクトシル残基上の、ペンダントヒドロキシ置換基上の水素基の一部は、次式により表わされる基で置換されている:
−AR
ここで、Aは、1個〜6個の炭素原子を含有する置換または非置換アルキレン基であり、そしてRは、別個に、−OH、−COOH、−SOH、−OP(O)(OH)(OH)、−P(O)(OH)(OH)、−N(R、−N(R、−S(Rおよび−P(Rから選択される基であり、ここで、Rは、別個に、水素、置換および非置換の直鎖および分枝C〜Cアルキル、置換および非置換フェニル、および置換および非置換ベンジルを表わす;Rは、別個に、置換および非置換C〜C24アルキル、置換および非置換ベンジル、および置換および非置換フェニルを表わす;そしてXは、該オニウムカチオン上の電荷と均衡する任意の適当なアニオンである、
組成物。
【請求項2】
前記アルキル、アルキレン、フェニルおよびベンジル基が、C〜Cアルキル、ヒドロキシルおよびハロゲンから選択される基で一置換されているか、または別個に、多置換されている、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
Xが、ハロゲン化物である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
少なくとも1個のC−6ヒドロキシル水素が、前記−AR置換基で置換されている、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記ポリガラクトマンナンが、約200,000〜約300,000の範囲の数平均分子量を有する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記ポリガラクトマンナン繰り返し単位が、次式により表わされる、請求項1に記載のパーソナルケア組成物:
【化1】

ここで、Rは、別個に、水素および−ARを表わし、ここで、−ARは、上で定義したとおりである、
組成物。
【請求項7】
nが、約15〜約35の範囲の整数を表わす、請求項6に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
さらに、水、溶媒、界面活性剤、非界面活性懸濁剤、乳化剤、皮膚軟化薬、加湿剤、毛髪コンディショニング剤、毛髪固定剤、フィルム形成剤、皮膚保護剤、結合剤、キレート化剤、消毒剤、殺虫剤、殺真菌剤、脱臭剤、害虫忌避薬、芳香物質、抗菌剤、抗真菌剤、抗生物質、フケ防止剤、研磨剤、接着剤、吸収剤、着色剤、脱臭剤、制汗剤、湿潤剤、不透明化剤および真珠光沢剤、酸化防止剤、防腐剤、推進剤、展着剤、剥離剤、角質溶解薬、血液凝固薬、ビタミン、日焼け止め剤、人工日焼け促進剤、紫外光吸収剤、pH調節剤、植物剤、染髪剤、酸化剤、還元剤、皮膚漂白剤、顔料、抗炎症薬、局所麻酔薬、芳香および芳香溶解剤、微粒子、微小研磨剤、研磨剤、およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する、請求項1または2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
さらに、酸性老化防止剤、セリュライト防止剤およびにきび防止剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する、請求項8に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
さらに、架橋剤を含有する、請求項8に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
さらに、虫歯防止剤、歯石防止剤、歯垢防止剤、香味剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する、請求項8に記載のパーソナルケア組成物。

【公表番号】特表2007−521270(P2007−521270A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517362(P2006−517362)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019426
【国際公開番号】WO2004/112733
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(506347528)ノベオン, インコーポレイテッド (74)
【Fターム(参考)】