説明

カチオン性香料ポリマー粒子を含む洗い流し型パーソナルケア組成物

香料原料(「PRM」)の送達系として有用である、香料ポリマー粒子を含む洗い流し型パーソナルケア組成物、こうしたパーソナルケア組成物を製造するための方法、並びに皮膚及び/又は毛髪のような基材をこうしたパーソナルケア組成物により処置する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料ポリマー粒子を含む洗い流し型パーソナルケア組成物に関し、これは香料原料(「PRM」)の送達系として有用であり、こうしたパーソナルケア組成物を製造するための方法、並びに皮膚及び/又は毛髪のような基材をこうしたパーソナルケア組成物により処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多様な基材、例えば皮膚の表面を、香料、香味剤、薬剤、及び/又は殺生物剤、殺虫剤、カビ駆除剤などを含む生体制御剤のような有益剤により処置することは、望ましく又は有利であることが多い。こうした処置の目的は一般に、基材表面に付与された利益が残留するように、基材の表面上に十分な有益剤を沈積させたままにすることである。
【0003】
多くの消費者製品において、香料、特に香料原料が長期にわたってゆっくりと放出されることが望ましい。「トップノート」及び「ミドルノート」と呼ばれる、最も揮発性である香料原料が、消費者が経験する「新鮮な感じ」の原因であるためにより多くの揮発性のトップノートがゆっくりと制御された方式で放出されることが望ましい。
【0004】
トップノートは、通常、蒸発及び/又は水性媒質への溶解によって失われるため、配合者は、水の存在下においてさえ並びに/又は基材が続いて水及び/若しくは水分に暴露される場合でさえもトップノート及びミドルノートの基材上への沈積を強化する技術を探ることによってトップ及びミドルノートの損失を最小限にしようと試みてきた。
【0005】
配合者は、トップノートを基材上に能率的に沈積させることに成功していない。先行技術の試みには、香料、特に香料原料をポリマー粒子へ重合することが挙げられる。その他の試みでは、香料をポリマー粒子中に吸収することが試された。これらの先行技術の試みは、トップノート及びミドルノート、特にトップノートを選択的に吸収/吸着するポリマー粒子を教示することに失敗している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に、基材上に付着し及び/又は基材から放出する香料原料の濃度を強化/増加する、PRMのトップ及びミドルノートを選択的に吸収/吸着する香料ポリマー粒子を含む洗い流し型パーソナルケア組成物、こうしたパーソナルケア組成物を製造するためのプロセス、及びPRMトップノートを基材、特に皮膚及び/又は毛髪に送達するための方法への要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、香料原料(PRM)のトップノート及び/又はミドルノートを含む香料ポリマー粒子を含むパーソナルケア組成物、こうしたパーソナルケア組成物を製造するためのプロセス、及びPRMトップノート及び/又はミドルノートをヒトの皮膚及び/又はヒトの毛髪並びに/若しくはペットの毛に送達するための方法を提供することにより、上記の要求をかなえる。
【0008】
本発明の1つの態様では、パーソナルケア組成物であって:
a)次のものを含む香料ポリマー粒子:
i)カチオン性モノマーを含むカチオン性ポリマー;並びに
ii)約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料を含む香料;並びに
b)パーソナルケア添加物成分を含み;
好ましくは、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume Deposition & Delivery Test
Protocol)Iにより測定される場合に、香料原料がポリマーと香料ポリマー粒子の形態に結合する場合は、香料原料がポリマーと香料ポリマー粒子の形態に結合しない場合より、多くの香料原料が、基材上に沈積し及び/又は基材から放出するパーソナルケア組成物が提供される。
【0009】
本発明の別の態様では、カチオン性モノマーを包含するカチオン性ポリマーを含むカチオン性ポリマー粒子、及びパーソナルケア添加物成分を含むパーソナルケア組成物であって、カチオン性ポリマーが、本明細書に記載される、香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料に対して、他の香料原料より大きい親和性を示すパーソナルケア組成物が提供される。
【0010】
本発明の別の態様では、カチオン性モノマーを含むカチオン性ポリマーを含むカチオン性ポリマー粒子、及びパーソナルケア添加物成分を含むパーソナルケア組成物であって、カチオン性ポリマーが、本明細書に記載される、香料原料沈積試験プロトコル(Perfume
Raw Material Deposition Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric Particle
Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1500未満のDB−5上のコバット指数(Kovats Index)を有する香料原料に対して、約1700を超えるDB−5上のコバット指数(Kovats
Index)を有する他の香料原料より大きい親和性を示すパーソナルケア組成物が提供される。
【0011】
本発明の別の態様では、カチオン性モノマーを含むカチオン性ポリマーを含むカチオン性ポリマー粒子、及びパーソナルケア添加物成分を含むパーソナルケア組成物であって、カチオン性ポリマーが、本明細書に記載される、香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5上のコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料に対して、約1700を超えるDB−5上のコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より少なくとも1.2x大きい親和性を示すパーソナルケア組成物が提供される。
【0012】
本発明の更に別の態様では、皮膚及び/又は毛髪上の強化された香り強度を長期にわたって示す本発明のパーソナルケア組成物を製造するための方法であって、本発明によるカチオン性ポリマー粒子を、約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料を含む香料と混合することを含む方法が提供される。混合工程は、パーソナルケア添加物成分及び/又はパーソナルケア製剤に添加する前に生じてもよい。あるいは混合工程は、添加物成分及び/又はパーソナルケア製剤の存在下で生じてもよいし、及び/又は混合は順番に生じてもよく、それによりポリマー粒子及び香料原料が添加物成分及び/又はパーソナルケア製剤中に他方に先だって存在してもよい。
【0013】
本発明の更に別の態様では、本発明によるパーソナルケア組成物を製造するための方法は、本発明による香料ポリマー粒子をパーソナルケア添加物成分に添加することを含む方法が提供される。
本発明のなお更に別の態様では、処置が必要なヒトの皮膚並びに/又はヒトの毛髪及び/若しくはペットの毛を処置するための方法であって、ヒトの皮膚並びに/又はヒトの毛髪及び/若しくはペットの毛に、本発明の香料ポリマー粒子及び/又はパーソナルケア組成物により接触する工程;及びヒトの皮膚並びに/又はヒトの毛髪及び/若しくはペットの毛が処置されるように、任意にパーソナルケア組成物を洗い流す工程を含む方法が提供される。
【0014】
本発明のなお更に別の態様では、本発明の方法により処置された基材が提供される。
本発明のなおまた更に別の態様では、本発明による2以上の香料ポリマー粒子、及びパーソナルケア添加物成分を含むパーソナルケア組成物であって、2以上の香料ポリマー粒子が、少なくとも1つの異なるモノマーを含むパーソナルケア組成物が提供される。これに制限されないが一例として、香料ポリマー粒子の1つを構成する1つのポリマー粒子はカチオン性ポリマー粒子であってもよく、その他のポリマー粒子はアニオン性及び/又は非イオン性及び/又は双性イオン性ポリマー粒子であってもよい。
【0015】
本発明のもう1つの態様では、本発明による2以上のポリマー粒子、及びパーソナルケア添加物成分を含むパーソナルケア組成物であって、2以上のポリマー粒子が少なくとも1つの異なるモノマー;及び約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料を含む香料を含むパーソナルケア組成物が提供される。これに制限されないが一例として、1つのポリマー粒子はカチオン性ポリマー粒子であってもよく、その他のポリマー粒子はアニオン性及び/又は非イオン性及び/又は双性イオン性ポリマー粒子であってもよい。
【0016】
本発明の更にもう1つの態様では、本発明による香料ポリマー粒子;本発明によるポリマー粒子;及び約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料を含む香料を含むパーソナルケア組成物が提供される。
【0017】
それ故に本発明は、香料ポリマー粒子を含むパーソナルケア組成物、パーソナルケア組成物を製造するための方法、及びヒトの皮膚並びに/又はヒトの毛髪及び/若しくはペットの毛を、香料ポリマー粒子及び/又はパーソナルケア組成物により処置するための方法を提供する。
【0018】
本発明の1つの実施形態は、ポリマー;及び次の特徴:約200未満の分子量;約250℃未満の沸点;約3未満のClogP;又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値の1以上を有する香料原料を含む香料を含む香料ポリマー粒子に関し;香料ポリマー粒子の反応因子(Response factor)(RF)は少なくとも約1.6である。
【0019】
本発明の別の実施形態は、香料ポリマー粒子であって、次のもの:ポリマー、及び1を超えるLKI香料原料(各々が約1000〜約1400のコバット指数(Kovats
Index)値を有し、LKI香料原料は集合的に第1の平均応答因(ARFLKI)を提供する);及び1を超えるHKI香料原料(各々が約1700を超えるコバット指数(Kovats
Index)値を有し、HKI香料原料は集合的に第2の平均応答因子(Average Response Factor)(ARFHKI)を提供する)を含む香料;を含む香料ポリマー粒子に関し、この香料ポリマー粒子は、少なくとも約1.2のARFLKI/ARFHKIの比を示す。
本発明はまた、上記の実施形態による香料ポリマー粒子を含む組成物、及び香料ポリマー粒子及びそれらを含有する組成物を製造するための方法に関する。
【0020】
百分率、部及び比率はすべて、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。このようなすべての重量は、記載される成分に関する限り活性物質濃度に基づくものであり、そのため特に指定されない限り、市販材料に包含される場合がある溶媒又は副産物は含まれない。
特に指定されない限り、本明細書で使用する時分子量はすべて、g/molとして表される重量数分子量である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(定義)
本明細書で使用する時、「非重合的に結合された」とは、ポリマーが形成された後で、香料がポリマーに吸収される及び/又はポリマーに吸着される及び/又は別の方法でポリマーに結合されることを意味する。換言すれば、香料は、ポリマーの重合中及び/又は融解中はポリマーと共に存在しない。別の言い方をすると、香料は予備形成されたポリマー粒子と混合されて、本発明による香料ポリマー粒子を生成する。本発明の目的上、この定義は封入(ポリマーが香料を封入する)を除外する。好ましくは香料ポリマー粒子は、予備形成された香料を装填された基質系ではない。
【0022】
本明細書で使用する時「個別付加」は、ポリマー又は香料が、系形成基質を含む1以上の添加物成分と混合された後にのみ、香料がポリマーに吸収される及び/又はポリマーに吸着される及び/又は別の方法でポリマーに結合されることを意味する。別の言い方をすると、香料は予備形成されたポリマー粒子と、添加物成分の存在下で混合されるか、又はポリマー粒子は香料と、添加物成分の存在下で混合されて、系形成基質の存在下で香料ポリマー粒子を生成する。本発明の目的上、個別付加の定義は封入(ポリマーが香料を封入する)を除外するが、本発明のポリマー粒子は、香料原料でない材料を封入する機能を果す封入物質を含んでもよい。
【0023】
本明細書で使用する時「添加物成分」は、有益剤ポリマー送達系を調製するためのプロセスに用いられる成分を意味する。例えばこうした送達系には、パーソナルケア/洗浄製品、毛髪製品などが挙げられる。添加物成分はまた、製品処方成分とも呼ばれる。
【0024】
本明細書で使用する時、「有益剤送達系」は、前記基材が前記有益剤送達系に暴露された後いずれの時点でも、有益剤の基材上への沈積及び/又は有益剤の基材からの放出を強化又は増加するような方式と組み合わされた、有益剤、ポリマー粒子、及び任意に添加物成分を含む製品組成物を指す。有益剤送達系には、パーソナルケア/洗浄製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書で使用する時、「直接適用される」、「直接適用」、又は「直接送達する」とは、有益剤により提供される利益が、その後の希釈の前に又はその後の希釈なしに認識及び/又は認知されるように、有益剤が基材に有益剤送達系を介して適用されることを意味する。即ちこの種類の利益送達系は、つけたまま型製品として配合されることができ、これは基材に希釈又は洗い流しなしに適用される。例えば有益剤は、希釈溶液(即ち洗浄液)から基材上に有益剤を間接に接触又は沈積させるのではなく、基材上に噴霧及び/又は基材上に塗付される。非限定例には、ファイン・フレグランス(fine
fragrance)香料の用途又は製品、美容ケア製品、例えばクリーム、ローション、防臭剤、制汗剤、及びその他の局所適用組成物;ヘアケア製品、例えばヘアスプレー、リーブインコンデイショナーなどが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用する時、「間接適用される」、「間接適用」、又は「間接に適用される」とは、基材が有益剤送達系の希釈溶液、例えばこうした有益剤送達系の水溶液又は分散液により接触されることを意味する。本発明の目的上、送達系の「希釈溶液」は、こうした希釈前における送達系中の有益剤の濃度より少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも約50%低い有益剤の濃度を含有する溶液である。こうした希釈溶液又は分散液は、送達系又は送達系を含有する最終製品を水で希釈することにより形成することができる。非限定例は、固形石鹸である。
【0027】
本発明の目的上、送達系の水溶液又は分散液は、約5000ppm以下、好ましくは約500ppm以下、更により好ましくは約50ppm以下、及び最も好ましくは約10ppm以下、及び更に時には約1ppm以下の有益剤を含有するものである。
【0028】
(香料)
香料は、香料原料(「PRMs」)を含む。PRMsは、それらの沸点(B.P.)、及び/又はそれらのオクタノール/水分配係数(P)(別の方法ではlogPとして既知であり、及び計算される場合にはClogPとして既知である)、及び/又は分子量、及び/又はコバット指数(Kovats
index)を特徴とすることができる。PRMのオクタノール/水分配係数は、オクタノール中及び水中のその平衡濃度間の比である。本発明の香料成分の分配係数は高い値を有するため、それらは10を底とするそれらの対数、logPの形でより簡便に表される。したがって本発明の香料成分は、約3未満のlogPを有する。本発明のパーソナルケア組成物は、好ましくは、少なくとも約0.1%の1以上の香料原料を含む。
【0029】
多くの香料成分の沸点は、例えば、著者、ステファン・アークタンダー(Steffen Arctander)により1969年に出版された「香料及び香味剤化学(Perfume
and Flavor Chemicals)(アロマケミカルズ(Aroma Chemicals))」に示されており、本明細書に参考として組み込まれる。
多くの香料成分のlogPが報告されている;例えば、カリフォルニア州アーヴィン(Irvine)のデイライト・ケミカル・インフォメーション・システムズ社(Daylight
Chemical Information Systems,Inc.)(デイライト CIS(Daylight CIS))より入手可能なポモナ92データベース(Pomona92
database)は、元の文献の引用と共に多くのものを含有している。しかし、logP値は、最も簡便には、同様にデイライト(Daylight)CISから入手可能な「CLOGP」プログラムにより計算される。このプログラムはまた、ポモナ92データベースにある実験的なlogP値も一覧にしている。「logPの計算値」(ClogP値)は、ハンシュ(Hansch)及びレオ(Leo)のフラグメント手法により求められる(参考として本明細書に組み込まれる、A.レオ、「総括医薬品化学(Comprehensive
Medicinal Chemistry)」、第4巻、C.ハンシュ(C.Hansch)、P.G.サメンス(P.G.Sammens)、J.B. テイラー(J.B.Taylor)、及びC.A.ラムスデン(C.A.Ramsden)編、295頁、パーガモン出版、1990年を参照)。この分画法は、各香料成分の化学構造を基にして、原子の数と種類、原子の結合性、及び化学結合を考慮に入れている。ClogP値は、最も信頼でき、物理化学的特性の評価に広く用いられており、好ましくは、本発明で有用な香料成分の選択においてlogPの実験値の代わりに用いられる。
【0030】
ClogP値に加えて、KI値(コバット指数(Kovats Index))も香料原料を同定するために用いられてもよい。バット保持指数(Kovats
Retention Index)系は、研究室間の物質同定のためのガスクロマトグラフデータを報告する正確な方法である。それは、GCによるピーク同定の保持相関関係への器具パラメータの影響を除外するために用いられる。多くの香料成分のコバット指数(Kovats
Index)値が報告されており、又は次の等式から計算することができる。
【0031】
【数1】

式中nはより小さいアルケン中の炭素原子の数であり;Nはより大きいアルケン中の炭素原子の数であり;t’r(n)は、より小さいアルケンの調整された保持時間であり;及びt’r(N)はより大きいアルケンの調整された保持時間である。この等式はGCカラム中の特定の固定相に適用されることを注記する。上記の等式に基づくと、直鎖アルカンのコバット指数(Kovats
Index)は、炭素原子数の100倍に等しい。例えばオクタンは800のKI値を有し、及びデカンは1000のKI値を有する。別の例では、オクタノールは特定相について826のKI値を有し、及びヘキサデカノールは1626のKI値を有する。本明細書において用いられるKI値は、ポリジメチルシロキサンをカラム中の非極性固定相として用いて(「DB−5カラム」と呼ばれる)測定される。
【0032】
この定義は、直鎖アルカンのコバット指数(Kovats Index)(KI)又は(RI)を炭素原子数の100倍に等しくする。オクタンについてはI=800であり、及びデカンについてはI=1000である。例えば特定相についてオクタノールは826であってもよく、及びヘキサデカノールは、KIが1626であると推定される。
【0033】
本発明のポリマー粒子と結合する香料は、約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点(通常の、標準圧力で測定される)、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有するPRMsを含む。こうしたPRMsは多くの場合「トップノート」と呼ばれる。
【0034】
本発明で使用される時、香料組成物は、好ましくは少なくとも約25重量%のトップ及びミドルノート、より好ましくは少なくとも約50重量%のトップ及びミドルノート、及び更により好ましくは少なくとも75重量%のトップ及びミドルノートを含み、トップ及びミドルノートは、約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有するPRMsである。
【0035】
本発明で使用される時、香料組成物はより好ましくは少なくとも約25重量%のトップノート、より好ましくは少なくとも約50重量%のトップノート、及び更により好ましくは少なくとも75重量%のトップノートを含み、トップノートは、約1400未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有するPRMsである。
【0036】
約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogPを有する好適なPRMsの非限定例には、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、左旋性カルボン、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール、シス−ジャスモン、リナロール、ネロール、フェニルエチルアルコール、α−テルピネオール、オイゲノール、インドール、メチルシンナメート、メチル−N−メチルアンスラニレート、バニリン、イソボルニルアセテート、カルバクロール、α−シトロネロール、シトロネロール、アニスアルデヒド、リナリルアセテート、メチルアンスラニレート、フロールアセテート(flor
acetate)、及びジヒドロミルセノールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
1つの実施形態では、約200未満の分子量及び/又は約250℃未満の沸点及び/又は約3未満のClogPを有するPRMsは:ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、左旋性カルボン、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール、シス−ジャスモン、リナロール、ネロール、フェニルエチルアルコール、α−テルピネオール、ジヒドロミルセノール、シトロネロール、アニスアルデヒド、リナリルアセテート、メチルアンスラニレート、フロールアセテート(flor
acetate)、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0038】
本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な追加的PRMsは、以下に記載されるKIの表において同定される。
【0039】
代表的なPRMsが本明細書に記載されるKIの表において同定される。
【0040】
【表1−1】

【0041】
【表1−2】

本発明及び本明細書に記載される試験プロトコルの目的上、低いKIのPRMs(「トップノート」)は、約1400未満のコバット指数(Kovats Index)値を有するPRMsを指し、及び高いKIのPRMs(「ベースノート」)は、約1700を超えるコバット指数(Kovats
Index)値を有するPRMsを指し、及び中程度のKIのPRMs(「ミドルノート」)は、約1400〜約1700のコバット指数(Kovats Index)値を有するPRMsを指す。
【0042】
プロトコルI 香料沈積及び送達試験(Perfume Deposition & Delivery Test)
本発明の香料組成物に有用な香料ポリマー粒子は、基材上に沈積する及び/又は基材から放出する香料原料の濃度を強化/増加する香料ポリマー粒子を含む。
【0043】
香料ポリマー粒子が、基材上への沈積及び/又は基材からの放出を強化/増加するか否かを決定するために次の試験プロトコルが提供される。水性媒質中の布地物品が、これらの試験プロトコルの目的のために基材として用いられる。香料沈積及び送達試験(The
Perfume Deposition & Delivery Test)を用いて、香料ポリマー粒子が本発明の範囲内に入るか否かを決定することができる。次の試験プロトコルのすべてがそう示す場合には、香料ポリマー粒子は、本発明の範囲には入らない。
【0044】
プロトコルIA(香料原料送達又は寿命試験I(Perfume Raw Material Delivery or Longevity Test I)):
香料原料及びポリマー粒子を含む各有益剤送達系がプロトコルIAに従って試験される。香料中に一般的に見出される各香料原料(PRM)が、各ポリマー粒子(PP)と共に試験されて、組み合わせ(PRM−PP)が、送達されるPRMの濃度の強化及び/若しくは増加、並びに/又はPRM単独で得られるものより大きい寿命を示すか否かを決定する。
こうした組み合わせによって分析測定(例えばクロマトグラフィー)が脅かされない限り、複数のPRMsが共に、単一の又は複数のポリマー粒子(PPs)の存在下で、同時に試験されてもよい。
【0045】
例えば、3つのPRMsを含有するPRM送達系、及び単一のポリマー粒子(PP1)は、次の単一変数試験を必要とする:PRM1−PP1、PRM2−PP1、及びPRM3−PP1を含有する試料が、PRM1、PRM2、及びPRM3を含有する対照と比較されるが、但し前記PRMsは、各PRMの量が他のものの存在下で測定できるようにクロマトグラフ的に分離できることを条件とする。クロマトグラフ的に互いに分離できない香料原料は、別々の試験で実行されなければならない。
【0046】
PRM1及びPRM3が分離できない別の例では、次の試験の内の1つが必要になる:
I.試料(PRM1−PP1及びPRM2−PP1)対、対照(PRM1及びPRM2)、並びに試料(PRM3−PP1)対、対照(PRM3);又は
II.試料(PRM2−PP1及びPRM3−PP1)対、対照(PRM2及びPRM3)、並びに試料(PRM1−PP1)対、対照(PRM1);又は
III.試料(PRM1−PP1)対、対照(PRM1)、試料(PRM2−PP1)対、対照(PRM2)、及び試料(PRM3−PP1)対、対照(PRM3)。
【0047】
いずれの試験においてもPRMは、同じ試験における別のPRMの濃度より、結果に影響する(即ちPRMsが別々に試験される場合と著しく異なる結果を生じる)ほど、はるかに高い濃度で存在するべきでない。典型的にはPRMsの濃度が因数10の範囲内である場合には、結果は同じ試験における他のPRMsの存在によって影響を受けないように見える。試験が影響を受けるように見える場合は、PRMsについて別々の試験が必要である。
【0048】
a)試料濃度
寿命試験(Longevity Test)(LT)に用いられるPRMs及びPPの濃度は、TS0に基づく一連の溶液の中で最低濃度であり、その濃度で試験溶液中の各PRMは、1以上の指定された時点で、処置される基材から収集されたヘッドスペース試料中に検出される。この条件がTS0によって満たされない場合には、試験溶液中のPRMs及びPPの濃度は2倍にされ、新しい溶液(TS1)が同じ方式によって試験される。このプロセスは上記のPRM検出条件が満たされるまで繰り返される。上記のPRM検出条件を満たす試験溶液(TSn)中のPRMs及びPPの濃度は、次の等式によってTS0中のPRMs及びPPの濃度に関連する:
[PRM,PP](TSn中)=2n[PRM,PP](TS0中);その場合n=0、1、2、3...
場合によっては、濃度を2倍にするプロセスが、PRMs及びPPの両方の濃度が試験溶液の5重量%を超えるまで繰り返されるが、上記のPRM検出条件はなお満たされない。その場合は、次の代わりの方法が試験を行う際に用いられてもよい。(i)上記のPRM検出条件が満たされるまで、又は(ii)香料の0.1重量%を超える濃度を有する個々のPRMに関して、次の2つの代わりの条件内の少なくとも1つが満たされるまで、基材上に移されるTSnのアリコートが、1.0mL〜3mL、次には10mLまで増加される。
【0049】
(1)試験溶液中の低いKIのPRMsの少なくとも80%、及び試験溶液中の高いKIのPRMsの少なくとも80%が、1以上の指定された時点で、処置される基材から収集されるヘッドスペース試料中に検出される;又は
(2)試験溶液中の低いKIのPRMsの少なくとも10、及び試験溶液中の高いKIのPRMsの少なくとも5が、1以上の指定された時点で、処置される基材から収集されたヘッドスペース試料中に検出される。
【0050】
b)試験手順
試験溶液は、共に試験されるPRM(複数)及びPP(複数)を、消費者製品中に用いられる濃度と等しい濃度で組成物中に溶解及び/又は混合することにより調製される。例えば消費者製品中のPRM(複数)及びPP(複数)の各濃度は、2.0%及び4.0%であってもよい。溶液は大気に対して密閉され、及び24時間室温で熟成されて、TS0と指定される初期試験溶液が得られる。
【0051】
0.45〜0.65g重量の、4cm直径の円形布地が86/14の綿/ポリのテリー織の洗い布(45237オハイオ州シンシナティ、レインフォールド・ドライブ7616のEMCより得られる)から切断され、及び試験基材として用いられる。所与の試験中における基材の重量は、互いに±0.02g以内であることが必要である。TS0の1.0mLのアリコートが、基材の中央近くに向けたピペットを用いて、基材上に移される。次に、脱イオン化(DI)水の1.0mLのアリコートが同じ方式により基材に添加される。基材は、ニトリル製手袋をした手のひらで1分間擦ることにより泡立てられる。基材は次に40mLの35℃のDI水を含有する瓶中に設置され;瓶は蓋をされ、30秒間振盪される。基材は次にピンセットを用いて取り出され、過剰の水を取り除くために、ペーパータオル上で静かに拭き取られる。上記の工程(試験溶液の装填、希釈、泡立て/洗浄及びすすぎを含む)により処置された基材を、空気乾燥するために周囲条件下で指定期間、大気に開放する。続いて基材は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HSGC)を介して分析されて、次の各時間:2、6、及び24時間でのヘッドスペース中の各香料原料の量を測定される。香料は、ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)により分析される。
【0052】
c)ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HSGC)
好適な機器がS.マエノ(S.Maeno)及びP.A.ロドリゲス(P.A.Rodriguez)によりクロマトグラフィー誌(J.Chromatography)、A731巻(1996年)201〜215ページに記載されている。機器は次のものを含む:
1)基材(上記のように処置され及び空気乾燥されている)を含有し、PRM(複数)をヘッドスペース中に分配し及び平衡に到達させるヘッドスペース収集器;
2)多孔性ポリマーを含有するトラップであって、これは芳香物質を保持する能力を有する;
3)閉じ込められたヘッドスペース蒸気を定量分析のためにGC上に移す移動装置;及び
4)ヘッドスペース検出能力を有し、ヘリウムを移動相として用いるGC−MS。
【0053】
上記のように処置され及び指定期間の間空気乾燥された基材が、ヘッドスペース収集器中に設置され、及び分配し、平衡に到達させられるが、これは約2時間かかる。平衡後、芳香物質を保持する能力を有する多孔性ポリマーを含有するトラップ、好ましくはテナックス(Tenax)(登録商標)TA35/60メッシュ(メリーランド州ボルティモアのゲステル社(Gerstel,Inc.)より入手可能)が平衡化したヘッドスペース蒸気を捕捉するためにヘッドスペース収集器に動作可能に接続される。移動装置を用いて、香料原料を含有する閉じ込められたヘッドスペース蒸気を定量分析のためにGC上に移動する。この装置は収集されたヘッドスペース蒸気を含有する多孔性ポリマートラップを加熱することができ、蒸気を約−100℃未満に冷却された(一般に液体窒素による)冷却トラップに移動する。冷却トラップへの完全な移動に続いて、冷却トラップは短期間、典型的には約1分、約280℃の温度まで急速加熱され、結果としてヘッドスペース蒸気のキャピラリーGCカラム上への直接移動をもたらす。
【0054】
典型的カラムは、直径0.18〜0.32mmを有する、長さ30〜60mで、固定相(例えば100%ジメチルポリシロキサン又は約5%フェニルを含有するフェニルメチルポリシロキサン)を有する。GC−MSは、アルデヒド又はケトン型のPRMsを同定及び定量化する能力を有する。同定は質量分析を介して達成され、定量化は別の検出器、例えばFID(炎イオン化)検出器又はPID(光イオン化)検出器を用いて実行される。具体的なGC/MS条件は以下に記載される。
【0055】
香料構成成分は、DB−5カラム(ジメチルシロキサン、60mx0.32mm、0.25μm)上でスプリットモードでMS(同定用)及びFID(定量化用)の両方に分けられる。GC条件は次のようである:試料はオーブン温度約35℃で2分間保持され、次にGCは200℃まで4℃/分で増加するようにプログラムされ、続いて325℃まで10℃/分で増加される。注入口圧力は一定に94.5kPa(13.7psi(9.45N/m2))に保持されたが、これは約2.4mL/分の不活性ガス(例えばヘリウム)流量と等価である。MS条件は次のようである:走査範囲35〜400amu(原子単位)。移動ラインは、約250℃で保持される。
【0056】
定量測定は、実行の平均の20%以内で再現可能であることが必要である。所与の実行の結果が前記範囲内でない場合は、前記実行のデータは廃棄され試験が繰り返されることが必要である。少なくとも3回の満足のいく実行の平均が報告される。
【0057】
d)代表的な結果
上記のPRM検出条件又は代わりの条件(複数)を満たす所与の試験溶液TSnが調製される。第2の試験溶液TScが、ポリマー粒子が含有されないことを除いて、TSnのすべての構成成分を、TSn中と同じ濃度で含有して調製される。同等の手順が、ポリマー粒子(PPs)を含有しない溶液(TSc)を用いて実行される。溶液TScは、試験において参照溶液としての機能を果す。同等の試験条件で、上記のような試験溶液の所与の組み(TSc及びTSn)についてデータが集められ、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HSGC)を介して分析され、次の各3つの指定時間:2、6、及び24時間におけるヘッドスペース中の各PRMの量が測定される。次の表は寿命試験(Longevity
Test)Iから得られる結果の型を示している。
【0058】
【表2】

RFは応答因子(Response Factor)を意味し、これは指定時点においてTSn試料から収集されたヘッドスペース中の有益剤(例えば香料原料)の量を、同じ時点でのTScから収集されたヘッドスペース中の同じ有益剤の量と比べた比であり;ARF値は平均応答因子(Average
Response Factor)値であり、これは試験溶液中のすべての測定されたPRMsからのRFsの平均である。
【0059】
特定のPRMのRFが3つの指定時点のいずれか1つにおいて、少なくとも約1.2であり、好ましくは少なくとも約1.6であり、より好ましくは少なくとも約2であり、更により好ましくは少なくとも約3であり、更により好ましくは少なくとも約5であり、なお更により好ましくは少なくとも約10である場合は、香料ポリマー粒子の寿命の利益が特定のPRMについて確認される。寿命の利益が確認される場合は、香料ポリマー粒子は本発明の範囲内に入る。
【0060】
例えば上記の表中のデータは、24時間に等しい空気乾燥時間において、PRM/PPの両方が、TScのものより大きい、TSnからのHSGC面積数値を示すため、PRM1及びPRM3のPP1の存在下での寿命の利益を確認する。
【0061】
更に、寿命の利益がPRMの混合物について確認される場合は、香料ポリマー粒子は本発明の範囲内に入る。RFs又はARFが3つの指定時点のいずれか1つにおいて、次の要件の1以上を満たす場合は、寿命の利益がPRMの混合物について確認される。
【0062】
1.1以上のLKI(トップノート)香料原料について観測される反応因子(Response Factor)が、いずれかのHKI香料原料について観測される反応因子(Response
Factor)より大きい場合;又は
2.1以上のLKI香料原料について観測される反応因子(Response Factor)が、HKI香料原料について観測される平均反応因子(Response
Factor)より大きい場合;又は
3.すべての測定された低いコバット指数(Low Kovats Index)(LKI)香料原料(PRMs)について観測される平均反応因子(Average
Response Factor)(ARF)が、すべての測定された高いコバット指数(High Kovats Index)(HKI)香料原料(PRMs)について観測されるARFより大きい場合。
例えば上記の表中のデータは、PRM混合物(PRM16を含有する)及びPP1の香料ポリマー粒子についての寿命の利益を確認する。
【0063】
4.すべての測定されたLKIのPRMsについて観測される平均反応因子(Average Response Factor)(ARF)が、すべての測定されたHKIのPRMsについて観測されるARFより、少なくとも約1.2、好ましくは少なくとも約1.6、より好ましくは少なくとも約2、更により好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約5、及びなお更により好ましくは少なくとも約10大きい場合。具体的には、ARFLKI値/ARFHKI値の比はまた選択比とも呼ばれるが、少なくとも約1.2、好ましくは少なくとも約1.6、好ましくは少なくとも約2、より好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約5、なお更により好ましくは少なくとも約10である。更に、理論に束縛されるものではないが、この選択比はまた、高いKIのPRMsより低いKIのPRMsへの、ポリマー粒子の選択性又は親和性を示す。
【0064】
プロトコルIB(香料アコード送達又は寿命試験II(Perfume Accord Delivery or Longevity Test II)):
ポリマー粒子を含む各有益剤送達系がプロトコルIBに従って試験され、その中で香料原料のアコードが各ポリマー粒子(PP)に関して試験され、PRMsとPP(複数)の組み合わせが、PRM単独で得られるものと比べて、基材に送達される又は基材から放出されるPRM(複数)の濃度の強化若しくは増加、又は持続放出性を示すか否かを決定する。
【0065】
プロトコルIBのもとで、合計20のPRMs(1000〜1400のコバット指数(Kovats Index)値を有する10のPRMs及び1700を超えるコバット指数(Kovats
Index)値を有する10のPRMsを含み、これらのすべてが、本明細書の上記の代表的なPRMsの表から選択される)が、TSn及び次の変更を有するTScについて上記の寿命試験(Longevity
Test)で記載されるように香料ポリマー粒子中で評価されなければならない。
【0066】
寿命試験(Longevity Test)で用いられる20のPRMsの混合物中の各PRMの相対濃度は、試験溶液中の20のPRMsの少なくとも18が指定時点(2、6、又は24時間)の少なくとも1つにおいてHGSCにより検出される濃度である。この条件がTS0によって満たされない場合には、試験溶液中のPRMの全体濃度は2倍にされ、新しい溶液(TS1)が同じ方式によって試験される。プロセスは条件が満たされるまで繰り返されるが、試験溶液中のPRMsの全体濃度は5%を超えてはならない。TS中の20のPRMsの内の18未満が指定時点の少なくとも1つにおいてHSGCにより検出される場合は、20のPRMsの相対濃度は、HSGCにより検出されないPRMsの濃度を増加することにより調整される必要がある。評価される有益剤送達系について条件がなお満たされない場合には、検出されないPRM(複数)は、本明細書の上記の代表的な表から選択された代わりのPRM(複数)により置き換えることが必要である。
【0067】
加えて20のPRMsのいずれかについて、TSnのHSGC面積数値が、TScのHSGC面積数値より少ない場合には、こうしたPRM(複数)の応答因子(Response
Factor)値は1.0xとして定義されなければならない。
【0068】
加えて、TSc中の低いコバット指数(Kovats Index)のPRMについてのHSGC面積数値が0である場合、例えばそのHSGC面積数値が機器の検出限界より小さく、及びTSn中の同じ低いコバット指数(Kovats
Index)のPRMについてのHSGC面積数値がゼロでない場合には、HSGC面積数値のゼロでない値を得るために、上記のように新しい試験溶液を調製してTSn及びTScの両方の中のPRM濃度を増加することが必要である。こうした工程がTSc中のPRMについてのゼロでない値を提供しない場合には、こうしたPRM(複数)についての応答因子(Response
Factor)値は10xに定義されなければならない。
【0069】
同様に、TSn中の高いコバット指数(Kovats Index)のPRMについてのHSGC面積数値が0である場合、例えばそのHSGC面積数値が機器の検出限界より小さく、及びTSc中の高いコバット指数(Kovats
Index)のPRMについてのHSGC面積数値がゼロでない場合には、ゼロでない値を得るために、上記のような工程を採用して、TSn及びTScの両方の中のPRM濃度を増加することが必要である。こうした工程が、TSn中のPRMについてゼロでない値を提供しない場合には、PRMは、TSn及びTScの両方中の応答因子(Response
Factor)について負でない値が得られるように、表中の代わりのPRMにより置き換えられなければならない。
【0070】
次の表は寿命試験(Longevity Test)IIから得られる結果の型を示している。
【0071】
【表3】

ND=検出されず
低いコバット指数(Low Kovats Index)(LKI)のPRMsの内の10について観測されたARFが、高いコバット指数(High Kovats
Index)(HKI)のPRMsの内の10について観測されたARFより大きい場合は、ポリマー粒子は本発明の範囲に入る。具体的には、ARFLKI値/ARFHKI値の比はまた選択比とも呼ばれるが、少なくとも約1.2、好ましくは少なくとも約1.6、好ましくは少なくとも約2、より好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約5、なお更により好ましくは少なくとも約10である。更にこの選択比はまた、高いKIのPRMsより低いKIのPRMsについてのポリマー粒子の選択性又は親和性を示す。
【0072】
(ポリマー粒子の親和性試験(Polymeric Particle Affinity Test))
本発明のパーソナルケア組成物に有用なポリマー粒子は、約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料に対して、他の香料原料より大きい親和性を示すカチオン性ポリマーを含むカチオン性ポリマー粒子を含む。カチオン性ポリマー粒子が本発明の範囲内に入るか否かを決定するために、次のポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIが提供されている。
【0073】
ポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric Particle Affinity Test Protocol)II
ポリマー粒子の水性分散液が香料油と完全に混合され、次いで4,189rad/s(40,000rpm)で16時間の超遠心分離を介して分離される。遠心分離後、内容物は識別可能な層、例えば香料油(最上部)、水性層(中間部)、及び粒子層(最下部)に分離する。各層からの試料が好適な有機溶媒(例えばアセトン)により抽出され、上記に与えられた機器条件を用いて香料同定のためにGC/MSを介して分析される。本発明の特性を示すポリマー粒子物質は、約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する粒子層に含有される香料原料に選択性を示す。
【0074】
(カチオン性ポリマー粒子(PP))
カチオン性ポリマー粒子は少なくとも1つのカチオン性モノマー、及び任意で1以上の非カチオン性モノマー、好ましくはまた架橋モノマーから重合される。重合プロセスは、乳化及び/又は懸濁及び/又はミニエマルション重合のような当該技術分野において既知のいずれの好適なプロセスであってもよい。重合の間に乳化剤及び/又は安定剤が、ポリマー粒子が凝固しないように及び/又はポリマー粒子が形成されている水溶液から飛び出さないようにするために存在してもよい。
【0075】
ポリマー粒子は、以下に定義されるように正のゼータ電位を有する場合には、カチオン性であるとして定義される。ゼータ電位は、ブルックヘブン・ゼータ・プラス(Brookhaven
Zeta Plus)ゼータ電位分析器を用いて測定される。粒子の希薄懸濁液(25gの脱イオン(DI)水中に0.1gの粒子)を最初に調製し、続いてこの懸濁液1〜2滴を10mMのKCl中で希釈させる。系のpHは調整されない。ゼータ電位分析は、このKClで希釈された試料で実施される。本発明の目的で、粒子は、10回の測定結果の平均がカチオン性のゼータ電位となる場合にカチオン性と定義される。
【0076】
ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、約200未満の分子量、約250℃未満の沸点、及び約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料について親和性を有するように選択されてもよい。
【0077】
別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積試験プロトコル(Perfume
Deposition Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric Particle Affinity
Test Protocol)IIにより測定される場合に、約800〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する他の香料原料より大きい親和性を示すように選択されてもよい。
【0078】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積試験プロトコル(Perfume
Deposition Test Protoco)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric Particle Affinity Test
Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する他の香料原料より大きい親和性を示すように選択されてもよい。
【0079】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より1.2xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0080】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はIIにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より1.2xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0081】
なお更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)Iにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する少なくとも4つの香料原料について、約1600を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する少なくとも4つの香料原料より1.6xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0082】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より1.6xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0083】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はIIにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より1.6xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0084】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はIIにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より2xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0085】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より2xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0086】
なお更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)Iにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する少なくとも4つの香料原料について、約1600を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する少なくとも4つの香料原料より2xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0087】
なお更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)Iにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する少なくとも4つの香料原料について、約1600を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する少なくとも4つの香料原料より3xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0088】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より3xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0089】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はIIにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より3xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0090】
なお更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)Iにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する少なくとも4つの香料原料について、約1600を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する少なくとも4つの香料原料より5xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0091】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より5xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0092】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はIIにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より5xの親和性の選択比を示すように選択されてもよい。
【0093】
なお更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)Iにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する少なくとも4つの香料原料について、約1600を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する少なくとも4つの香料原料より10xの親和性を示すように選択されてもよい。
【0094】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はIIにより測定される場合に、約1000〜1400のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より10xの親和性を示すように選択されてもよい。
【0095】
更に別の実施形態では、ポリマー粒子のモノマーは、結果として得られるカチオン性ポリマー粒子が、本明細書に記載される香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume
Deposition & Delivery Test Protocol)I及び/又はポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric
Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、約1000〜1500のDB−5についてのコバット指数(Kovats
Index)を有する香料原料について、約1700を超えるDB−5についてのコバット指数(Kovats Index)を有する他の香料原料より10xの親和性を示すように選択されてもよい。
【0096】
ポリマー粒子は、約50重量%〜約99.9重量%、及び/又は約60重量%〜約95重量%の非カチオン性モノマー、約0.1重量%〜約50重量%、及び/又は約1重量%〜約10重量%のカチオン性モノマー、並びに約0重量%〜約25重量%、及び/又は約1重量%〜約10重量%の架橋モノマーから得ることができる。
【0097】
ポリマー粒子を形成するために重合されるモノマーは、約10:0.02:0〜約5:2.5:1の非カチオン性モノマー:カチオン性モノマー:架橋モノマーの重量比で用いられてもよい。
1つの実施形態では、ポリマー粒子は約100nm〜約39μmの平均粒径を有してもよい。
別の実施形態では、ポリマー粒子は約3μm〜約39μm及び/又は約5μm〜約20μm及び/又は約5μm〜約12μmの平均粒径を有してもよい。
更に別の実施形態では、ポリマー粒子は約100nm〜約1μm及び/又は約200nm〜約900nm及び/又は約700nm〜約900nmの平均粒径を有してもよい。
1つの実施形態では、ポリマー粒子は約50℃〜約150℃、好ましくは約80℃〜約120℃のガラス転移温度を有する。
1つの実施形態では、ポリマー粒子はモノマーの重合後、単一のポリマーを含んでもよい。モノマーの重合中に、乳化剤及び/又は安定剤が結果として得られるポリマー粒子にグラフト化されてもよい。
【0098】
別の実施形態では、ポリマー粒子は2以上のポリマーを含んでもよい。例えばポリマー粒子は、モノマーの重合の結果として得られる第1のポリマー、及び第1のポリマーと結合する第2のポリマー、例えば乳化剤及び/又は安定剤(即ちポリビニルアルコール(PVA))を含んでもよい。ポリマー粒子が2以上のポリマーを含む場合は、各ポリマーの濃度はパーソナルケア組成物の、好ましくは少なくとも約0.01重量%、より好ましくは少なくとも約0.1重量%、更により好ましくは少なくとも約0.25重量%である。
【0099】
ポリマー粒子が水性分散液中で安定であることは望ましい。ポリマー粒子の安定性は、結果として得られるポリマー粒子の平均粒径及び/又は結果として得られるポリマー粒子の正味電荷により影響され得る。
1つの実施形態では、ポリマー粒子は、ブルックヘブン・ゼータ電位分析器により測定する場合に、好ましくは約20mV〜約80mV、及び/又は約30mV〜約50mV、及び/又は約35mV〜約45mVの正味のカチオン電荷を有する。
加えてポリマー粒子は、パーソナルケア組成物、特に本発明によるボディウォッシュ及びヘアケア組成物のような製品処方中で安定であることが望ましい。
【0100】
水性分散液中及び/又はパーソナルケア組成物のような製品処方中でポリマー粒子を安定化する助けをするために、コロイド安定剤としても知られる安定剤が、水性分散液及び/又は製品処方に添加されてもよい。コロイド安定剤が水性分散液中及び/又は製品処方中のその他の成分と適合性があることは望ましい。
【0101】
ポリマー粒子は非水溶性であってもよい。換言すれば、水に添加される場合、ポリマー粒子は添加後5分以内で水から物理的に分離する(即ち沈殿、凝集、浮遊する)が、一方「水溶性」である物質は添加後5分以内で水から物理的に分離しない。本発明の目的上、非水溶性物質を表す別の方法は、非水溶性物質は、蒸留(又は等価の)水に25℃で、約5重量%を超える、及び/又は約3重量%を超える、及び/又は約1重量%を超える濃度で可溶性でない(水プラスポリマー粒子の重量に基づいて計算される)という事実である。
【0102】
ポリマー粒子は、約0.0017(1,000)〜約3.32(2,000,000)、好ましくは約0.008(5,000)〜約1.66(1,000,000)、より好ましくは約0.017(10,000)〜約1.24(750,000)、より好ましくは約0.033(20,000)〜約0.83ag(500,000ダルトン)の分子量を有してもよい。ポリマー粒子の分子量は、従来のゲル浸透クロマトグラフィー又は当業者に既知のいずれかのその他の好適な手順を介して測定されることができる。
【0103】
1つの実施形態では、香料ポリマー粒子は、約200未満の分子量、約250℃未満の沸点、及び約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料原料を、香料の50重量%を超えて含む香料を含む。
本発明のポリマー粒子はカチオン性ポリマー粒子であるが、アニオン電荷及び/又は双性イオン電荷を有するモノマーを、カチオン性モノマー(複数)と共に用いてカチオン性ポリマー粒子を形成することができる。
【0104】
本発明の追加的特徴は、ポリマー粒子及び香料原料がパーソナルケア組成物に別々に添加されることである。本発明の目的上、1つの実施形態では、ポリマー粒子及び香料原料は、これらの構成成分の全体量が別々の構成成分として基質と組み合わされる場合は、系形成基質に別々に添加される。特に、これらの2物質が基質と組み合わされる前には、これらの2物質間に本質的にいずれの化学的相互作用もないようにしなければならない。したがってポリマー粒子及び香料原料は基質に、別々の時に及び/又は別々の容器から及び/又は別々の保持若しくは送達手段により添加されてもよい。ポリマー粒子及び香料原料は、系形成基質とのそれらの接触前に、これらの物質間にいずれの化学的相互作用も実質的に生じない限り、系形成基質との組み合わせの前に共に混合されてもよい。
【0105】
(非カチオン性モノマー)
非カチオン性モノマーは、疎水基含有モノマーであってもよい。疎水基は、非ヒドロキシル基、非カチオン性基、非アニオン性基、非カルボニル基、及び/又は非水素結合基から成る群から選択されてもよく、より好ましくはアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。非カチオン性モノマーは、ヒドロキシル含有モノマーであってもよい。非カチオン性モノマーは、アニオン性基含有モノマーであってもよい。
【0106】
好適な非カチオン性モノマーの非限定例には、これらに限定されないが、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソ−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、PEGアクリレート、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアセテート、ビニルフェノール、アシルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホネート、ビニルプロピオネート、メチルアリルスルホン酸、及びN−ビニルホルムアミドが挙げられる。
【0107】
(カチオン性モノマー)
本発明のカチオン性モノマーは、カチオン単位を含む。本発明の目的上、「カチオン単位」という用語は、本発明のポリマー粒子の構造中に組み込まれる場合には、約2〜約8のpH範囲内でカチオン電荷を保持できる部分として定義される。カチオン単位は、約2〜約8の範囲内のすべてのpH値においてプロトン化する必要はない。カチオン部分を含む単位の非限定例には、次の式を有するカチオン単位が挙げられる:
【0108】
【化1】

但し、R1、R2、及びR3の各々は、水素、C1〜C6アルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され、好ましくは水素、C1〜C3アルキルから成る群から独立して選択され、より好ましくは水素又はメチルから成る群から独立して選択される。Tはアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、複素環、シリル、ニトロ、ハロ、シアノ、スルホナト、アルコキシ、ケト、エステル、エーテル、カルボニル、アミド、アミノ、グリシジル、カルバナト、カルバメート、カルボキシリック、及びカルボアルコキシ基、及びこれらの混合物から成る群から選択される、置換又は非置換、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝基から成る群から選択される。Zは:−(CH2)−、(CH2−CH=CH)−、−(CH2−CHOH)−、(CH2−CHNR4)−、−(CH2−CHR5−O)−、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは−(CH2)−である。R4、及びR5は、水素、C1〜C6アルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは水素、メチル、エチル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;zは約0〜約12、好ましくは約2〜約10、より好ましくは約2〜約6から選択される整数である。Aは、NR67、又はNR678であり、式中、R6、R7、及びR8の各々は、存在する場合、H、C1〜C8直鎖又は分枝アルキル、次の式を有するアルキレンオキシから成る群から独立して選択され:
【0109】
【化2】

式中、R9は、C2〜C4直鎖又は分枝アルキレン、及びこれらの混合物であり;R10は、水素、C1〜C4アルキル、及びこれらの混合物であり;yは1〜約10である。好ましくはR6、R7、及びR8は、存在する場合、独立して水素、C1〜C4アルキルである。あるいはNR67、又はNR678は、4個〜7個の炭素原子を含有し、任意に追加のヘテロ原子を含有し、任意にベンゼン環に縮合し、任意にC1〜C8ヒドロカルビル、及び/又はアセテートにより置換される複素環を形成することができる。置換及び非置換の両方の好適な複素環の例は、インドリル、イソインドリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル(imidazolinyl)、ピペリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル(pyrazolinyl)、ピリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピロリジニル、グアニジノ、アミジノ、クイニジニル(quinidinyl)、チアゾリニル(thiazolinyl)、モルホリン、及びこれらの混合物であり、モルホリノ及びピペラジニルが好ましい。
【0110】
本発明に好適なカチオン性モノマーの非限定例には、これらに限定されないが、ジメチルアミノアルキルアクリレート、特にジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾイル、ジアルキルアミノ基を有するビニルエーテル、ビニルピリジン、アルキルアクリルアミド、及びジアルキルアミノアルキルアクリルアミドが挙げられる。
【0111】
(架橋モノマー)
架橋モノマーは、本発明のポリマー粒子中に存在してもよい。好適な架橋モノマーの非限定例には、これらに限定されないがジアクリレート、ジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリアリルスクロース、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルトルエン、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレアート、トリアリルマレアート、及び1,4−ブタンジオールジアクリレート、トリアリルマレアート、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。
【0112】
(乳化剤及び/又はコロイド安定剤)
本発明に用いるのに好適な乳化剤及び/又はコロイド安定剤(stablizers)は、当該技術分野において既知である。こうした乳化剤及び/又はコロイド安定剤の非限定例には、これらに限定されないがリシノールアミドプロピルトリメチル−アンモニウムメトサルフェート(ricinolyamidopropyltrimethyl-ammoniummetho
sulfate)、ココペンチルエトキシメチル−アンモニウムメトサルフェート、ココビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロライド、グリセリルステアレート、ステアラドアミドエチルジエチルアミン(stearadamidoethyl
diethylamine)、エトキシル化オレイルアミン、エトキシル化脂肪族アミン、エトキシル化四級化(quaternised)脂肪族アミン、エトキシル化脂肪族アルコール、ソルビタンステアレート、ポリソルベート、ステアレート、ドデシル硫酸ナトリウム、アンモニウムノノキシノールサルフェート、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ゼラチン、ポリビニルアルコール、アミノメチル化デンプン、ポリ(ビニルアルコール−コ−ビニルアセテート)コポリマー、修飾セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンコポリマー、ポリエーテル修飾ジメチコン及びポリエーテル−アルキル−ジメチコンコポリマー、カチオン性シリコーン及びポリイミドが挙げられる。
【0113】
コロイド安定剤は、粒子の、特により大きなサイズの粒子の分散安定性を保持するために用いられてもよい。好適なコロイド安定剤には、これらに限定されないが、プロピレンオキシド−エチレンオキシドコポリマー、又はエチレンオキシド−プロピレンオキシドグラフト化ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレン(X)イソオクチルフェニルエーテルであって、この場合Xは20〜80の整数であり、脂肪族アルコールエトキシレート、ポリエトキシル化ポリテレフタレートブロックコポリマー ポリビニルピロリドン ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドンを含有するコポリマーが挙げられる。
【0114】
(反応開始剤)
本発明の重合プロセスに用いるのに好適な反応開始剤は、当該技術分野において既知である。例には、これらに限定されないが、過硫酸ナトリウム、及びアゾ反応開始剤、例えば2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)−ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4ジメチルバレロニトリル、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリルが挙げられる。
【0115】
(ポリマー粒子の合成実施例)
本発明のポリマー粒子を製造するためのプロセスの非限定実施例が以下に記載される。
【実施例】
【0116】
(実施例1)
蒸留した脱イオン水(467.09g,25.921mol)及び37%の塩酸(1.75g、0.018mol)を、加熱マントル、いかり型攪拌機、内部温度計、還流冷却器、及びアルゴン注入口を取り付けた1000mLの三口丸底フラスコ中に設置する。2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(2.63g,0.0017mol)を攪拌しながら添加する。セチルピリジニウムクロライド一水和物(5.56g、0.016mol)、メチルメタクリレート(50.00g、0.499mol)、エチレングリコールジメタクリレート(0.14g、0.71mmol)、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオナミド)ジヒドロクロライド(0.53g、1.95mmol)を攪拌しながら添加する。攪拌しながら熱を適用し、及び1時間後に75℃の温度に到達させる。混合物を70℃で16時間にわたって攪拌する。減圧回転蒸発器を用いて生成物を25%ポリマー活性の白色のラテックスエマルションに濃縮する。
【0117】
(パーソナルケア組成物)
本発明の香料ポリマー粒子は、1以上のパーソナルケア添加物成分と共に組み込まれてパーソナルケア組成物を形成してもよい。
本発明のパーソナルケア組成物は、いずれかの好適な形態、例えば液体、ゲル、フォーム、ペースト、バー、錠剤、粉末、及び粒剤であってもよい。本発明の好ましい形態は液体である。
パーソナルケア組成物の製品形態には、ボディウォッシュ製品、シャンプー、ヘア及び/又はボディコンディショナー、ペットの毛用シャンプー及び/又はコンディショナーを含んでもよい。
更に、例えば本発明の焦点である洗い流し型の用途に加えて、つけたまま型の用途にも、本発明のポリマー粒子及び/又は香料ポリマー粒子を組み込んでもよい。好ましいのは、10重量%を超える水分(水)を含有する製品であってもよい。
【0118】
プロトコルIII(直接適用):
TS0のアリコートを水で希釈せず又はすすがないことを除いて間接適用に関するのと同じ手順に従う。寿命の利益は、特定のポリマー粒子(PP)について、指定時点のいずれか1つにおける、TSnからのヘッドスペース中のいずれかのPRMの定量的量が、対応する時点におけるTScからのヘッドスペース中の同じPRMの量より大きい場合に確認される。直接添加適用について、ポリマー粒子は、香料送達系中に存在する場合は、香料原料の放出特性を「平らにする」機能を果すことができる。これは、PPが存在する場合のPRMの初期のヘッドスペースの数値を、PPが存在しない場合のPRMのヘッドスペースの数値より低くする結果をもたらし得る。しかしながら、初期の又はその後の時点で、寿命の利益が観測される。好ましくは本発明のポリマー粒子は、1700未満のコバット指数(Kovat
Index)を有するPRMsの寿命を増加し、及びより好ましくは1500未満のコバット指数(Kovat Index)を有するPRMsの寿命を、1700を超えるコバット指数(Kovat
Index)を有するPRMsよりも大きい範囲にまで増加する。
【0119】
次の表は直接適用による寿命試験(Longevity Test)から得られる結果の型を示している。データは、ポリマー粒子(PP)の存在下で、PRM1(t=6h、TSnからの面積数値>Tsc)及びPRM2(t=2及び6h、TSnからの面積数値>TSc)について寿命の利益を確認する。
【0120】
【表4】

ND=検出されず
更に、例えば本発明の焦点である洗い流し型の用途に加えて、つけたまま型の用途にも、本発明のポリマー粒子及び/又は香料ポリマー粒子を組み込んでもよい。
【0121】
好ましいのは、10重量%を超える水分(水)を含有する製品であってもよい。香料ポリマー粒子は、パーソナルケア組成物中にいずれかの好適な濃度で存在してもよく、典型的にはパーソナルケア組成物の少なくとも0.1重量%、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の濃度で存在する。香料ポリマー粒子に加えて、別の水溶性の荷電ポリマー構成成分を組み込むことは望ましい。ポリマーは、少なくとも約0.4meq/gm及び約7meq/gm未満の電荷密度を有することが更に好ましい。
【0122】
加えて、本明細書に記載されるようなパーソナルケア組成物を皮膚、毛髪及び/又は爪に適用する工程、及び洗い流す工程を含む、ヒトの皮膚、毛髪又は爪の上に香料ポリマー粒子を沈積させる方法も提供される。
本発明は、洗い流し型パーソナルケア組成物であってもよく、これは約200未満の分子量、及び/又は約250℃未満の沸点、及び/又は約3未満のClogP、及び/又は約1700未満のコバット指数(Kovats
Index)値を有する香料をヒトの皮膚並びに/又はヒトの毛髪及び/若しくはペットの毛の上に有効に沈積する。
本発明のパーソナルケア組成物は、本発明による香料ポリマー粒子に加えて、カチオン性及び/又はアニオン性ポリマー、好ましくは沈積強化ポリマー、及び/又は従来のパーソナルケア添加物成分を含んでもよい。
【0123】
本明細書で使用する時、「ヒトの皮膚への適用に好適な」という用語は、そのように記載される組成物又はその構成成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトの皮膚と接触させて使用するのに好適であることを意味する。
【0124】
本明細書で使用する時、「水溶性」という用語は、ポリマーが本組成物中の水に可溶性であることを意味する。一般に、ポリマーは、25℃で、水溶媒の0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは5重量%、最も好ましくは15重量%の濃度で可溶であることが必要である。
【0125】
(パーソナルケア添加物成分)
(沈積ポリマー)
本発明のパーソナルケア組成物は、香料ポリマー粒子の沈積を促進する場合がある沈積ポリマーを含んでもよい。これらの沈積ポリマーは、アニオン性、カチオン性、非イオン性、及び/又は双性イオン性であってもよい。
【0126】
本明細書に記載されるパーソナル洗浄組成物に用いる好適な沈積ポリマーは、以下に記載する凝集/沈澱試験によって測定される場合、好ましくは、沈積ポリマーを添加しない同じ組成物の沈澱時間よりも短い沈澱時間を有する。
【0127】
(凝集/沈殿試験)
生のままの製品4グラムを50mlの円錐底遠心管(コーニング(Corning)部品番号430304又は類似品)に入れ、36グラムの蒸留水で希釈する。続いて、該遠心管にフタをし、製品がすべて分散するまで激しく振盪する。これを初期時間とみなす。次に管を垂直に立てる。ポリマー粒子を含有する製品については、ポリマー粒子の懸濁のために系は不透明である。ポリマー系及び特定の添加の順番を審査するため、ポリマー有り及びなしのバッチ、又は異なる添加方法を介して製造されたバッチが作られ、この試験において比べられる。好ましいポリマー及び添加の順番は、一般に約30分未満の迅速な時間規模で粒子の凝集を結果としてもたらすが、ポリマーなしの同じ組成物又は異なる添加方法を介して製造された組成物の凝集時間より少ない、いずれの凝集時間も、好適なポリマー又は添加の順番であることを示す。ポリマー粒子が凝集し及び初めはほとんど均一に不透明である懸濁液から取り除かれるために、希釈された試料中に透明領域が形成することにより凝集は観測できる。これが目に付く程度に起きるためにかかる時間を、凝集時間と考える。
【0128】
(洗浄界面活性剤)
本発明のパーソナルケア組成物は、毛髪又は皮膚への適用に好適な界面活性剤を含んでもよい。本明細書で用いるのに好適な界面活性剤には、毛髪又は皮膚への適用に好適ないずれかの既知の又はそうでなければ有効なケア界面活性剤が含まれ、この界面活性剤はそうでなければ組成物中の他の必須成分と適合性がある。好適な洗浄界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双性イオン性若しくは両性の界面活性剤、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のパーソナルケア組成物は、好ましくは、組成物の約0.1重量%〜約50重量%、より好ましくは約4重量%〜約30重量%、更により好ましくは約5重量%〜約25重量%の洗浄界面活性剤を含む。
【0129】
パーソナルケア組成物に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤には、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられる。これらの物質は、それぞれ式ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは、約8個〜約24個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム又はトリエタノールアミンのような水溶性カチオンである。アルキルエーテルサルフェートは、典型的にはエチレンオキシドと約8個〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合生成物として作られる。好ましくは、Rはアルキル及びアルキルエーテルサルフェートの両方において約10個〜約18個の炭素原子を有する。アルコールは、例えばココヤシ油若しくは獣脂等の脂肪から誘導、又は合成することができる。ココヤシ油から誘導されたラウリルアルコール及び直鎖アルコールが、本明細書において好ましい。このようなアルコールを、モル比が約1〜約10、好ましくは約3〜約5、特に約3のエチレンオキシドと反応させ、得られた分子種の混合物、例えばアルコール1モルにつき平均3モルのエチレンオキシドを有する混合物を、硫酸化及び中和させる。
【0130】
パーソナルケア組成物に用いてもよいアルキルエーテルサルフェートの具体例には、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、タローアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート及びタローアルキルヘキサオキシエチレンサルフェートのナトリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。非常に好ましいアルキルエーテルサルフェートは、個々の化合物の混合物を含むものであり、前記混合物は約10個〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長、及び約1〜約4モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化の程度を有する。
【0131】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、一般式[R1-SO3−M]に従う有機硫酸反応生成物の水溶性塩が挙げられ、式中、R1は約8個〜約24個、好ましくは約10個〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基から成る群から選択され、Mはカチオンである。好ましい例として、約8個〜約24個の炭素原子、好ましくは約10個〜約18個の炭素原子を有するイソ−、ネオ−、インエソ−、及びn−パラフィンを包含するメタン系炭化水素と、漂白及び加水分解を包含する既知のスルホン化法に従って得られる、例えばSO3、H2SO4、発煙硫酸などのスルホン化剤との有機硫酸反応生成物の塩が挙げられる。好ましいのは、アルカリ金属及びアンモニウムスルホン化C10〜18n−パラフィンである。
【0132】
好適なアニオン性界面活性剤のその他の例は、イセチオン酸でエステル化し、水酸化ナトリウムで中和した脂肪酸の反応生成物(ここで、例えば、脂肪酸はココヤシ油から誘導される)であり、例えば脂肪酸がココヤシ油から誘導されるメチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム塩又はカリウム塩である。この種の他の好適なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、米国特許第2,486,922号、及び米国特許第2,396,278号に記載されており、これらの記載は、参考として本明細書に組み込まれる。
【0133】
更に別の好適なアニオン性界面活性剤はスクシンナメート類であり、その例には、N−オクタデシルスルホスクシンナメート二ナトリウム、ラウリルスルホスクシンナメート二アンモニウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホスクシンナメート四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルが挙げられる。
【0134】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、約12個〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。「オレフィンスルホネート」という用語は、非錯体型の三酸化イオウによってα−オレフィンをスルホン化し、その後に酸反応混合物を、反応中に形成されたいずれかのスルホンが加水分解されて、対応するヒドロキシ−アルカンスルホネートを生じるような条件で中和することによって生成され得る化合物を意味するために本明細書で用いられる。三酸化イオウは液状若しくはガス状であることができ、必須ではないが通常は、不活性希釈剤、例えば、液体状態で使用される時は、液体SO2、塩素化された炭化水素など、又はガス状態で使用される時は、空気、窒素、ガス状のSO2などによって希釈される。
【0135】
オレフィンスルホネートの元となるα−オレフィンは、約12個から約24個の炭素原子、好ましくは約14個から約16個の炭素原子を有するモノオレフィンである。好ましくは、それらは直鎖オレフィンである。
純粋なアルケンスルホネート及びある割合のヒドロキシ−アルカンスルホネートに加えて、オレフィンスルホネートには、例えば、アルケンジスルホネートのような他の物質が少量含まれ得るが、これは、反応条件、反応物質の割合、出発物質のオレフィンの性質、並びにオレフィンストック中の不純物及びスルホン化プロセス中の副反応によって決まる。
【0136】
本発明のパーソナルケア組成物に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤の別の種類は、次の式に従うα−アルキルオキシアルカンスルホネートである:
【0137】
【化3】

式中、R1は、約6個〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、R2は、約1個〜3個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Mは水溶性カチオンである。
【0138】
本明細書のパーソナルケア組成物に用いるのに好適なその他の界面活性剤は、マカッチャン(McCutcheon)の乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and
Detergents)、1989年年鑑、M.C.出版社(M.C.Publishing Co.)により出版、及び米国特許第3,929,678号に記載され、これらの記載は参考として本明細書に組み込まれる。
【0139】
本明細書のパーソナルケア組成物に用いるのに好ましいアニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0140】
本明細書のパーソナルケア組成物に用いるのに好適な両性界面活性剤には、脂肪族第二級アミン及び脂肪族第三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、その中の脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であることができ、及び脂肪族の置換基の1つは約8個〜約18個の炭素原子を含有し、及び1つはアニオン性の水溶性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する。このような界面活性剤の非限定例には、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従いドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることにより調製されるようなN‐アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って調製されるようなN‐高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載されている生成物が挙げられ、これらの教示及び記載は、本明細書に参考として組み込まれる。
【0141】
その他の好適な両性界面活性剤には、ココアンホ酢酸、ココアンホ二酢酸、ココアンホプロピオン酸、ココアンホジプロピオン酸、ラウロアンホ酢酸又はココアンホ酢酸のようなアンホ酢酸、及びこれらの混合物のアルカリ塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、及びトリアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。石鹸−脂肪酸の一価及び二価の塩も好適である。
カチオン性界面活性剤も本明細書のパーソナルケア組成物に使用できるが、一般にはあまり好ましくなく、及び好ましくは組成物の約5重量%未満に相当する。
【0142】
本明細書のパーソナルケア組成物に用いるのに好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシド基と有機疎水性化合物との縮合生成物が挙げられ、これは事実上脂肪族でもアルキル芳香族でもよい。好ましい種類の非イオン性界面活性剤は、次のものが挙げられる:
1)アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、例えば直鎖又は分枝鎖構造のいずれかで約6個〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物であって、エチレンオキシドがアルキルフェノール1モル当たり約10〜約60モルのエチレンオキシドに相当する量で存在する縮合生成物;
2)エチレンオキシドと、プロピレンオキシドとエチレンジアミン生成物との反応から得られる生成物との縮合から誘導される非イオン性界面活性剤;
3)直鎖又は分枝鎖構造のいずれかで約8個〜約18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばココナッツアルコール1モル当たり約10〜約30モルのエチレンオキシドを有するココナッツアルコールエチレンオキシド縮合物であって、ココナッツアルコール部分が約10個〜約14個の炭素原子を有するもの;
4)次の一般式に相当するような長鎖第三級アミンオキシド:
【0143】
【化4】

式中、R1は約8〜約18個の炭素原子、0〜約10のエチレンオキシド部分、及び0〜約1のグリセリル部分を有するアルキル、アルケニル又はモノヒドロキシアルキル基を含有し、R2及びR3は、約1〜約3個の炭素原子及び0〜約1個のヒドロキシ基、例えばメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、又はヒドロキシプロピル基を含有する。
5)次の一般式に相当するような長鎖第三級ホスフィンオキシド:
【0144】
【化5】

式中、Rは約8〜約18個の炭素原子鎖長、0〜約10のエチレンオキシド部分、0〜約1のグリセリル部分を有するアルキル、アルケニル又はモノヒドロキシアルキル基を含有し、R’及びR’’はそれぞれ、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基又はモノヒドロキシアルキル基である。
6)約1個〜約3個の炭素原子の1つの短鎖アルキル又はヒドロキシアルキル基(通常メチル)並びに約8個〜約20個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、又はケトアルキル基、0〜約10のエチレンオキシド部分及び0〜約1のグリセリル部分を包含する1つの疎水性長鎖を含有する長鎖ジアルキルスルホキシド;
7)米国特許第4,565,647号に記載されているように、アルキルポリグリコシドのようなアルキル多糖類(APS)界面活性剤であって、約6個〜約30個の炭素原子を有する疎水性基、及び親水基としての多糖類(例えば、ポリグリコシド)を有し、また任意に該疎水性部分と親水性部分とを結合するポリアルキレンオキシド基を有し、該アルキル基(即ち、疎水性部分)が飽和又は不飽和、分枝状又は非分枝状、及び非置換又は置換(例えば、ヒドロキシ又は環式環で)であることができるもの;
8)式R(O)OCH2CH(OH)CH2(OCH2CH2nOHであるもののようなポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪族エステルであって、式中、nが約5〜約200、好ましくは約20〜約100であり、Rが約8個〜約20個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビルであるもの。
【0145】
本明細書のパーソナルケア組成物に用いるのに好適な双性イオン性界面活性剤としては、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、その脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つは約8個〜約18個の炭素原子を含有し、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。これらの双性イオン性界面活性剤には、次の式で表されるものが挙げられる:
【0146】
【化6】

式中、R2は約8個〜約18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル基、0〜約10のエチレンオキシド部分及び0〜約1のグリセリル部分を含有し;Yは窒素、リン、及びイオウ原子から成る群から選択され;R3は約1個〜約3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Xは、Yがイオウ原子のとき1であり、及びYが窒素又はリン原子のとき2であり;R4は約1個〜約4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zはカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、及びホスフェート基から成る群から選択される基である。
【0147】
本明細書のパーソナルケア組成物に用いるのに好適なその他の双性イオン性界面活性剤には、高級アルキルベタイン、例えばココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルα−カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタインを包含するベタインが挙げられる。スルホベタインは、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタインなどで代表されてもよく、RCONH(CH23基がベタインの窒素原子に結合しているアミドベタイン及びアミドスルホベタインも本発明で有用である。
【0148】
(従来のパーソナルケア添加物成分)
本発明のパーソナルケア組成物は、組成物の物理的、化学的、美容的、又は審美的特徴を修正する場合がある、又は皮膚に沈積された際に、追加的な「活性」構成成分としての機能を果す場合があるその他のパーソナルケア添加物成分を更に含んでもよい。組成物は、不活性添加物成分を更に含んでもよい。このような添加物成分の多くは、パーソナルケア組成物への使用が知られているが、このような添加物物質が本明細書に記載されている必須物質と適合性があるか、そうでなければ製品性能を大きく損なうものではない場合には、本明細書の局所適用組成物にも使用されてもよい。
【0149】
このような添加物成分は、最も典型的には、化粧品での使用が認められている物質で、CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic
Ingredient Handbook)、第2版、米国化粧品工業会(The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance
Association,Inc.)、1988年、1992年などの参考文献に記載されているものである。このような添加物成分の非限定例としては、防腐剤(プロピルパラベンなど)、防臭剤、抗菌剤、芳香剤、防臭芳香剤、着色剤又は染料、増粘剤、感覚剤、日焼け止め剤、界面活性剤又は乳化剤、ゲル化剤又はその他の懸濁剤、pH調節剤、共溶媒又はその他の追加溶媒、皮膚軟化剤、薬用活性物質、ビタミン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0150】
本発明のパーソナルケア組成物は、任意に1以上のこうした添加物成分を含有してもよい。これらの成分の種類の例としては:酵素;研磨剤;皮膚剥離剤;吸収剤;香水、顔料、着色剤/着色料、精油、皮膚への刺激剤、収斂剤等の審美的構成成分(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、マンサク属の留出物);抗ニキビ剤(例えば、レソルシノール、イオウ、サリチル酸、エリスロマイシン、亜鉛など);固化防止剤;消泡剤;追加的抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカーバメート);酸化防止剤;結合剤;生物学的添加物;緩衝剤;充填剤;キレート剤;化学的添加物;着色料;化粧用収斂剤;化粧用殺生物剤;変性剤;薬用収斂剤;外用鎮痛剤;皮膜形成剤又は材料、例えば、上記組成物の皮膜形成性及び直接染色性を補助するポリマー(例えば、エイコセン及びビニルピロリドンのコポリマー);保湿剤;乳白剤;pH調整剤;噴射剤;還元剤;金属イオン封鎖剤;スキンブリーチング剤(又はライトニング剤)(例えば、ヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、マグネシウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルグルコサミン);スキンコンディショニング剤(その他の及び閉鎖性のものを含む保湿剤);皮膚鎮静剤及び/又は治療剤(例えば、パンテノール及び誘導体(例えば、エチルパンテノール)、アロエ・ベラ、パントテン酸及びその誘導体、アラントイン、ビサボロール、及びグリチルリチン酸2カリウム);皮膚のしわの防止剤、遅延剤、阻止剤、及び/又は回復剤を含む皮膚処置剤(例えば、乳酸及びグリコール酸等のα−ヒドロキシ酸、及びサリチル酸等のβ−ヒドロキシ酸);増粘剤;ヒドロコロイド;特定のゼオライト、及びビタミン及びそれらの誘導体(例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、β−カロチン、レチノイン酸、レチノール、レチノイド、レチニルパルミテート、ナイアシン、ニコチン酸アミド等)が挙げられる。本発明のパーソナルケア組成物は、当該技術分野において既知であるようなキャリア構成成分を含んでもよい。このようなキャリアは、皮膚又は毛髪に適用するのに好適な、1以上の適合する液体又は固体の増量希釈剤又はビヒクルを包含し得る。
【0151】
本発明のパーソナルケア組成物は任意に1以上のこうした添加物成分を含有してもよい。好ましいパーソナルケア組成物は、ビタミン化合物、コンディショニング剤、皮膚処置剤、抗ニキビ活性物質、抗しわ活性物質、抗皮膚萎縮活性物質、抗炎症活性物質、局所麻酔剤、人工日焼け活性物質及び日焼け促進剤、抗微生物活性物質、抗カビ活性物質、日焼け止め活性物質、酸化防止剤、皮膚剥離剤、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、治療的有益剤を含む、安全且つ有効な量の治療的有益構成成分を任意に含有する。本明細書で用いる「安全且つ有効な量」とは、明白な効果又は利益を有意に引き起こすのに十分ではあるが、重篤な副作用(例えば、過度の毒性又はアレルギー反応)を避けるのに十分に少ない、即ち、適切な医学的良識の範囲内で危険率に対して妥当な利益を提供する、化合物又は構成成分の量を意味する。
【0152】
本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物中で分散された形態において粒子又はその他の非水溶性物質を安定化するのに、又は組成物の粘度を調節するのに有効な濃度で安定剤を更に含んでもよい。このような濃度は、パーソナルケア組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.3重量%〜約5.0重量%の範囲にある。
【0153】
本明細書で有用な安定剤には、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーが挙げられる。本明細書においては、ビニルポリマー、例えばCTFA名カルボマー(Carbomer)を有する架橋アクリル酸ポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、硫酸セルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカント、ガラクタン、カロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子(Cydonia oblonga Mill)、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えばデキストラン、サクシノグルカン、プレラン、デンプン系ポリマー、例えばカルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えばベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸が有用である。
【0154】
本発明においては約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが有用である。次の一般式を有するものが有用である。
【0155】
【化7】

式中、R95は、H、メチル、及びこれらの混合物から成る群より選択される。R95がHであるとき、これらの物質は、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン、及びポリエチレングリコールとしても既知である、エチレンオキシドのポリマーである。R95がメチルであるとき、これらの物質は、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシプロピレン、及びポリプロピレングリコールとしても既知である、プロピレンオキシドのポリマーである。R95がメチルであるとき、得られるポリマーの種々の位置異性体が存在し得るということも認識されている。上記構造において、x3は約1,500〜約25,000、好ましくは約2,500〜約20,000、及びより好ましくは約3,500〜約15,000の平均値を有する。他の有用なポリマー類には、ポリプロピレングリコール類及び混合ポリエチレン−ポリプロピレングリコール類、又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーポリマー類が挙げられる。本明細書において有用なポリエチレングリコールポリマーは、R95がHであり、x3が約2,000の平均値を有しているPEG−2M(PEG−2Mは、ユニオン・カーバイド(Union
Carbide))より入手可能なポリオックス(Polyox)WSR(登録商標)N−10及びPEG−2,000としても既知である);R95がHであり、x3が約5,000の平均値を有するPEG−5M(PEG−5Mは、共にユニオン・カーバイドより入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000としても既知である);R95がHであり、x3が約7,000の平均値を有するPEG−7M(PEG−7Mは、ユニオン・カーバイドより入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−750としても既知である);R95がHであり、x3が約9,000の平均値を有するPEG−9M(PEG−9Mは、ユニオン・カーバイドより入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても既知である);並びにR95がHであり、x3が約14,000の平均値を有するPEG−14M(PEG−14Mは、ユニオン・カーバイドより入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても既知である)である。
【0156】
本明細書において非常に有用な市販の粘度変性剤には、すべてB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)から入手可能な、商品名カーボポール(Carbopol)934、カーボポール(Carbopol)940、カーボポール(Carbopol)950、カーボポール(Carbopol)980、及びカーボポール(Carbopol)981を有するカルボマー(Carbomer)、ローム・アンド・ハース(Rohm
and Hass)から入手可能な商品名アクリソル(ACRYSOLL)22を有するアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、アマコール(Amerchol)から入手可能な商品名アマーセル(AMERCELL)ポリマーHM−1500を有するノノキシニルヒドロキシエチルセルロース、すべてハーキュレス(Hercules)から供給される商品名ベネセル(BENECEL)を有するメチルセルロース、商品名ナトロゾル(NATROSOL)を有するヒドロキシエチルセルロース、商品名クルセル(KLUCEL)を有するヒドロキシプロピルセルロース、商品名ポリサーフ67(POLYSURF
67)を有するセチルヒドロキシエチルセルロース、すべてアマコール(Amerchol)から供給される、商品名カーボワックス(CARBOWAX)PEG、ポリオックスWASR、及びウコン液(UCON
FLUIDS)を有するエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド系ポリマーが挙げられる。
【0157】
その他の添加物安定剤には、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物として分類できる結晶性安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、米国特許第4,741,855号に記載されており、この記載は、本明細書に参考として組み込まれる。これらの好ましい安定剤には、好ましくは約16個〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。より好ましいのは、モノステアレート及びジステアレート両方のエチレングリコールステアレートであるが、特に約7%未満のモノステアレートを含有するジステアレートが好ましい。他の好適な安定剤には、好ましくは約16個〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16個〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが挙げられ、その好ましい例には、ステアリンモノエタノールアミド、ステアリンジエタノールアミド、ステアリンモノイソプロパノールアミド、及びステアリンモノエタノールアミドステアレートが挙げられる。その他の長鎖アシル誘導体には、長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、セチルパルミテートなど);長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアラミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレート);及びグリセリルエステル(例えば、グリセリルジステアレート、トリヒドロキシステアリン、トリベヘニン)が挙げられ、その市販例はレオックス社(Rheox,Inc.)より入手可能なチキシン(Thixin)Rである。長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド、及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドは、上記に列挙した好ましい物質に加えて、安定剤として用いられてもよい。
【0158】
安定剤として用いられるのに好適なその他の長鎖アシル誘導体には、N,N−ジヒドロカルビルアミド安息香酸及びそれらの可溶性の塩(例えば、Na、K)が挙げられ、特にこの系統のN,N−ジ(水素添加)C16、C18及びタローアミド安息香酸の種類が挙げられ、ステパン社(Stepan
Company)(米国、イリノイ州ノースフィールド)より市販されている。
安定剤として用いられるのに好適な長鎖アミンオキシドの例には、アルキル(C16〜C22)ジメチルアミンオキシド、例えばステアリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0159】
他の好適な安定剤には、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪酸アルキル部分を有する第一級アミンが挙げられ、その例にはパルミタミン(palmitamine)又はステアラミンが挙げられ、また、それぞれ少なくとも約12個の炭素原子を有する2つの脂肪酸アルキル部分を有する第二級アミンが挙げられ、その例には、ジパルミトイルアミン又はジ(水素添加タロー)アミンが挙げられる。更に他の好適な安定剤には、ジ(水素添加タロー)フタル酸アミド、及び架橋無水マレイン酸−メチルビニルエーテルコポリマーが挙げられる。
【0160】
その他の好適な安定剤には、結晶性のヒドロキシル含有安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル、又は脂肪石鹸非水溶性ワックス様物質等であることができる。存在する場合、結晶性のヒドロキシル含有安定剤は、本明細書の組成物の約0.5重量%〜約10重量%、好ましくは約0.75重量%〜約8重量%、より好ましくは約1.25重量%〜約5重量%で含まれてもよい。前記安定剤は周囲条件又はそれに近い条件では水に不溶性である。
【0161】
好適な結晶性のヒドロキシル含有安定剤には、次のものが挙げられる:
【0162】
【化8】

式中
【0163】
【化9】

2はR1又はHであり;R3はR1又はHであり;R4はC0〜20アルキルであり;R5はC0〜20アルキルであり;R6はC0〜20アルキルであり;R4+R56=C10〜22テ゛アリ;及び式中、1≦x+y≦4であり;
【0164】
【化10】

式中
7は−R4(COH)x5(COH)y6であり;及びMはNa+、K+若しくはMg++、又はHである。
【0165】
好ましいヒドロキシル含有安定剤の一部には、12−ヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、トリ−9,10−ジヒドロキシステアリン、及びトリ−12−ヒドロキシステアリン(硬化ヒマシ油は大部分がトリ−12−ヒドロキシステアリン)が挙げられる。トリ−12−ヒドロキシステアリンが、本明細書における組成物に用いるのに最も好ましい。
【0166】
しかし、本明細書で特に記載又は定義のない限り、本明細書に記載の添加物成分には必須成分又は必須物質が含まれないものとする。しかしながら本発明による組成物は、香料ポリマー粒子及び/又はポリマー粒子とプレミックスされてもよい沈積ポリマーとは別の添加物成分として追加のポリマーを含有してもよいことを、理解することが必要である。
【0167】
(使用方法)
本発明のパーソナルケア組成物は、毛髪及び/又は皮膚のケア、並びに固体粒子の強化された沈積及び本発明のその他の利益を提供するために従来の方式で用いられる。毛髪又は皮膚のケアのための有効量の組成物を、好ましくは水で湿らせた毛髪又は皮膚に適用し、次いで洗い流す。こうした有効量は、一般に約1g〜約50g、好ましくは約1g〜約20gの範囲である。
【0168】
毛髪及び皮膚をケアする/洗浄するための本方法は:
a)毛髪及び/又は皮膚を水で濡らす工程、b)パーソナルケア組成物の有効量を毛髪及び/又は皮膚に適用する工程、及びc)水を用いて毛髪及び/又は皮膚から組成物を洗い流す工程を含む。望ましいケア及び粒子沈積の利益を達成するために、望むだけ何回でもこれらの工程を繰返すことができる。
【0169】
次の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態について更に詳しく説明し、実証するものである。これらの実施例は単に例示を目的とするだけであって、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形形態が可能であるため、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0170】
【表5】

【0171】
(上記の実施例の製造方法)
界面活性剤(1〜4)、EDTA(12)、トリヒドロキシステアリン(13)、及びラウリン酸(14)を容器中で混合し、及び88℃(190°F)まで加熱し、及び冷却させる。温度が60℃(140°F)未満に下がったら、グライダント(6)をその中に混合する。
【0172】
別の容器中で、溶液が透明及び粘稠になるまで、カチオン性沈積ポリマー(7、8)を水(9)中で完全に水和する。次にアリアンズ(Allianz)OPT(5)を混合物に添加し、及び均一になるまで混合する。次に芳香剤(15)を容器に添加し、及び混合する。この工程に続いて、工程1からの予備作成された界面活性剤混合物を容器に添加し、及び滑らかになるまで全バッチをよく混合する。次にpHを6.3に調整し、及び硫酸ナトリウムを用いて粘度を7Pa・s(7000cps)〜10Pa・s(10,000cps)に調整する。
【0173】
(比較の製造方法)
上記の方式により界面活性剤混合物を調製する。また前述のようにカチオン性沈積ポリマーを水和する。水和された沈積ポリマーに界面活性剤を添加し、その後芳香剤を添加し、及びよく混合させる。次にアリアンズ(Allianz)OPTを混合物に添加する。次にpHを6.3に調整し、及び硫酸ナトリウムを用いて粘度を7Pa・s(7000cps)〜10Pa・s(10,000cps)に調整する。
【0174】
発明を実施するための最良の形態で引用されたすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが;いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア添加物成分を含むパーソナルケア組成物であって;
前記組成物は、前記パーソナルケア組成物が、次のものを含むカチオン性香料ポリマー粒子を更に含むことを特徴とし:
i)カチオン性モノマーを含むカチオン性ポリマー;及び
ii)次の特徴の1以上を有する1以上の香料原料を含む香料;
a)200未満の数分子量;
b)250℃未満の沸点;
c)3未満のClogP;
d)1700未満のコバット指数(Kovats Index)値;並びに
該香料ポリマー粒子の応答因子(Response factor)(RF)が少なくとも1.6である、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
少なくとも0.1重量%の1以上の香料原料を更に含み、前記香料原料の少なくとも25重量%が1700未満のコバット指数(Kovats Index)値を有することを特徴とする、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記カチオン性モノマーが窒素原子を含み、前記カチオン性モノマーが次の式を有するカチオン性単位を含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物:
【化1】

式中、R1、R2、及びR3の各々は、水素、C1〜C6アルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;Tはアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、複素環、シリル、ニトロ、ハロ、シアノ、スルホナト、アルコキシ、ケト、エステル、エーテル、カルボニル、アミド、アミノ、グリシジル、カルバナト(carbanato)、カルバメート、カルボキシリック、及びカルボアルコキシ基、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、置換又は非置換、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝基ら成る群から選択され;Zは:−(CH2)−、(CH2−CH=CH)−、−(CH2−CHOH)−、(CH2−CHNR4)−、−(CH2−CHR5−O)−、及びこれらの混合物から成る群から選択され;R4、及びR5は、水素、C1〜C6アルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;zは0〜12から選択される整数であり;Aは、NR67、NR678、及びこれらの混合物から成る群から選択され;
式中、R6、R7、及びR8の各々は、存在する場合、H、C1〜C8直鎖又は分枝アルキル、次の式を有するアルキレンオキシ及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され:
【化2】

式中、R9は、C2〜C4直鎖、分枝アルキレン、カルボニルアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;R10は、水素、C1〜C4アルキルカルボニルアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;yは1〜10である。
【請求項4】
該ポリマーが更に非カチオン性モノマーを含み、該非カチオン性モノマーが:非ヒドロキシル基、非カチオン性基、非アニオン性基、非カルボニル基、非H結合基、及びこれらの混合物から成る群から選択される疎水基を含み;該疎水基が、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;該非カチオン性モノマーが、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソ−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、PEGアクリレート、アシルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホネート、ビニルプロピオネート、メチルアリルスルホン酸、N−ビニルホルムアミド、及びN−ビニルピロリドン、並びにこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーが、非水溶性ポリマーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
該組成物が、アニオン性ポリマーを更に含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
該香料ポリマー粒子が、少なくとも1.2のARFLKI/ARFHKIの選択比を有する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
寿命試験(Longevity Test)Iの値が、ARFHKIの値の1.6倍以上であるARFLKIを提供することを特徴とする、請求項7に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
寿命試験(Longevity Test)IIの値が、ARFHKIの値の1.6倍以上であるARFLKIを提供することを特徴とする、請求項7に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
皮膚及び毛髪上の強化された香り強度を長期にわたって示す、パーソナルケア組成物を製造するための方法であって、次の工程を含む方法;
a)カチオン性モノマーを包含するカチオン性ポリマーを含むカチオン性ポリマー粒子を形成する工程であって、該カチオン性ポリマーが、香料沈積及び送達試験プロトコル(Perfume Deposition & Delivery Test Protocol)I、及びポリマー粒子親和性試験プロトコル(Polymeric Particle Affinity Test Protocol)IIにより測定される場合に、次の特徴の1以上を有する香料原料に対して、他の香料原料より大きい親和性を示す工程;
i)200未満の数分子量;
ii)250℃未満の沸点;
iii)3未満のClogP;
iv)1700未満のコバット指数(Kovats Index)値;
b)該カチオン性ポリマー粒子を、次の特徴の1以上を有する香料原料を含む香料と混合することにより香料ポリマー粒子を形成する工程;
i)200未満の分子量;
ii)250℃未満の沸点;
iii)3未満のClogP;及び
iv)1700未満のコバット指数(Kovats Index)値;並びに
c)該香料ポリマー粒子をパーソナルケア添加物成分と接触して、該パーソナルケア組成物を形成する工程。
【請求項11】
次のものを含むカチオン性香料ポリマー粒子をパーソナルケア添加物成分に添加して、パーソナルケア組成物を形成する工程を含むことを特徴とする、パーソナルケア組成物を製造するための方法:
i)カチオン性モノマーを含むカチオン性ポリマー;及び
ii)次の特徴の1以上を有する香料原料を含む香料;
a)200未満の数分子量;
b)250℃未満の沸点;
c)3未満のClogP;
d)1700未満のコバット指数(Kovats Index)値。
【請求項12】
処置が必要なヒト及び/又はペット対象の皮膚及び/又は毛髪を処置するための方法であって、次の工程を含むことを特徴とする方法:
a)該対象の該皮膚及び/又は毛髪に、次のものを含む香料ポリマー粒子により接触する工程:
i)カチオン性モノマーを含むカチオン性ポリマー;及び
ii)次の特徴の1以上を有する1以上の香料原料を含む香料:
a)200未満の数分子量;
b)250℃未満の沸点;
c)3未満のClogP;
d)1700未満のコバット指数(Kovats Index)値;並びに
b)任意に該パーソナルケア組成物を洗い流す工程。
【請求項13】
a.2以上の異なるポリマー粒子;
b.次の特徴の1以上を有する香料原料を含む香料;
i)200未満の数分子量;
ii)250℃未満の沸点;
iii)3未満のClogP;
iv)1700未満のコバット指数(Kovats Index)値;及び
c.パーソナルケア添加物成分
を含むパーソナルケア組成物であり、
寿命試験(Longevity Test)IIの値が、ARFHKIの値の1.2倍以上であるARFLKIを提供し;その際、前記組成物が、少なくとも0.01重量%の前記ポリマー粒子を更に含むことを特徴とする、パーソナルケア組成物。


【公表番号】特表2006−511503(P2006−511503A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550503(P2004−550503)
【出願日】平成15年11月3日(2003.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/035221
【国際公開番号】WO2004/041222
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】