説明

カップ

底部及び隣接するシェルを有するカップであって、シェルについて、底部に対するその反対端にマウスロールを設けることと、単一層または多層で構成することと、が可能であり、シェルの少なくとも1層は、紙もしくはボール紙または類似の材料から作られ、シェルの少なくとも1層は、その高さ全体及び少なくともおよそ全周にほぼわたって隆起部及び/または凹部を設け、最大の隆起部または凹部と材料層または凹部もしくは隆起部との間の深さの差は、シェルの高さにわたって且つ/または外周にわたって変化し、マウスロールを内側層または層だけと一体的に形成することが可能である、カップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部及び隣接するシェルを有するカップであって、シェルについて、底部に対するその反対端にマウスロールを設けることと、単一層または多層を有して構成することと、が可能であり、シェルの少なくとも1層が紙もしくはボール紙または類似の材料から作られる、カップに関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の非常に多数のさまざまなカップが知られている。単一壁型のまたは多重壁型のカップは、しばしば使用される。多重壁型のカップは、とりわけ熱い、または冷たい飲み物の場合に使われており、これは、これらの場合において単一壁型のカップが触ることがしばしば不快であるためである。
【0003】
しかし、すべてのカップの変形例において、それらを把持するだけで不快であるという問題がある。この問題は、とりわけ波状層が設けられたカップの場合に起こる。さらに、カップの外側は内容物次第で不快に熱い、または不快に冷たい、という問題もしばしばある。
【0004】
その上、この種類のカップは、情報及び広告がただ不完全に印刷される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、カップの構造を提案する目的に基づいており、このカップの構造は、十分な断熱性に加えて、十分な感触性も有し、さらに容易に情報及び/または広告を設けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、この目的は、シェルの少なくとも1層に、その高さ全体に且つ少なくとも大体その全周にほぼわたって隆起部及び/または凹部を設け、最大の隆起部または凹部と材料層または凹部もしくは隆起部との間の深さの差がシェルの高さ及び/または外周にわたって変化するという事実と、マウスロールが内側層または単一層と一体的に形成される事実と、によって達成される。
【0007】
結果として、把持している間において、カップは手の中で非常に満足に落ち着く。それは、しっかりと把持される。それにもかかわらず、積み重ねる性能は、悪影響を受けない。さらに、非常に十分な断熱は、多層型のカップの場合において保証される。
【0008】
2つの隣設する隆起部または凹部間の間隔がシェルの高さにわたって変化すると、本明細書で非常に有利であることが分かる。
【0009】
これは、好ましくないしわを作ることなく、カップの外形に非常に十分な調節をもたらす。
【0010】
本発明によると、隆起部及び/または凹部をエンボス加工形成部として形成すると、非常に有利である。
【0011】
エンボス加工形成部は、隆起部及び凹部の設計において非常に大きな自由をもたらす。
【0012】
加工した要素として構成される複数の個々のエンボス加工形成部がシェルにわたって分配され、且つともに隆起部及び凹部を形成すると、さらに非常に有利である。
【0013】
結果として、シェルは非常に魅力的に設計され、外形、模様及び広告をこれらのエンボス加工形成部として表すことも考えられる。
【0014】
本発明のさらなる非常に有利な改良は、隆起部及び凹部が線の形態で配置されると、同様に示す。
【0015】
多層型のシェルの場合において、空気経路は線の使用によって作られ、その結果、シェルの少なくとも外側は対流によって環境温度に一様に保たれる。しかし、単一層型のシェルの場合において、この種の改良によって使用者の手への接触面積を減らすことも考えられる。
【0016】
本発明によると、隆起部及び凹部を波線の形態で配置すると、さらに非常に有利である。
【0017】
カップは、この種類の波線の使用によって、よりいっそう満足に手の中に位置する。
【0018】
線が少なくともおよそシェルの高さ方向で延びると、同様に非常に有利である。
【0019】
結果として、発生する対流は、シェルの外側においてだけでなく補助される。
【0020】
発明のさらなる改良によると、隆起部及び凹部の深さが、線に沿ってまたはシェルの高さ方向で変化すると、非常に有利である。
【0021】
このようにしてシェルは設計されており、このシェルは、例えば隆起部及び凹部を減少させた上縁及び/または下縁において平坦な形状からなる、または、このシェルにおいて、隆起部及び凹部は、内部領域における低減した形状からなり、したがって改良された把持を保証する。
【0022】
本発明によると、カップの内面と外面との間で接触面積が減少した形状からなると、同様に非常に有利である。
【0023】
内側と外側との間の熱移動は、減少した接触面積によって減少される。
【0024】
それは、少なくとも把持領域において、内側を向く接触面積は、外側を向く隆起部のそれよりも小さくなるように隆起部を構成すると、本明細書で非常に有利であることが分かる。
【0025】
これは、十分な且つ快適な取り扱いを保証する。それにもかかわらず、非常に十分な断熱は、低い熱移動とともに保証される。
【0026】
本発明のさらなる非常に有利な改良は、把持領域において少なくとも、内側を向く接触面積は、外側を向く隆起部のそれよりも大きくなるように隆起部を構成すると、示す。
【0027】
これは、手とカップとの接触面積における大幅な減少を同様に達成し、これの結果として、低い熱移動が起こる。したがって、たとえカップが単一層型の形状からなっていても、カップは、非常に熱いまたは非常に冷たい内容物の場合において問題なく保持される。
【0028】
これに関連して、内側の接触面積と外面との間の比が1:2であると、非常に有利であることが分かる。
【0029】
これは、特に低い熱移動及び非常に十分な断熱作用を達成する。
【0030】
本発明によると、シェルがほぼ平滑な形状からなる少なくとも1つの領域を有すると、非常に有利であることが分かる。
【0031】
ここで、情報事項を平滑領域に設けると、非常に有利であることが分かる。
【0032】
エンボス加工形成部を平滑領域に設けると、同様に、さらに有利である。
【0033】
この平滑領域において、広告あるいは情報事項は、インク塗布によって及び/またはエンボス加工形成部によって設けられる。
【0034】
本発明の1つの非常に有利な進展は、多層で構成されるシェルが少なくとも2つのエンボス加工された層を有すると、同様に示す。
【0035】
ここで、層におけるエンボス加工形成部を互いに逆に向けると、非常に有利であることが分かる。
【0036】
これは、シェルにおける非常に十分な断熱を達成する。
【0037】
本発明によると、層におけるエンボス加工形成部が互いに接触支持すると、同様に非常に有利である。
【0038】
結果として、エンボス加工する深さが低い場合において、比較的大きな間隔は、設けられる。さらに、この種類のエンボス加工形成部は、非常に安定である。
【0039】
しかし、多層で構成されるシェルが平滑層を有すると、同様に非常に有利である。
【0040】
平滑層を外側に向けると、非常に十分な印刷適正を達成する。
【0041】
ここで、平滑層をシェルの内側層として設け、且つそれをそれ自身及び底部に密封して結合すると、非常に有利であることがわかる。
【0042】
結果として、カップの内容物は、エンボス加工形成部上にたまることができない。
【0043】
本発明による非常に有利であるさらなる改良は、層をそれらの上部及び/または下縁において互いに密封して結合すると、示す。
【0044】
結果として、層間での液体の浸透、よごれ、ほこりまたは同様のものを防ぐ。
【0045】
シェル及び/または層を、それ自身/それら自身に接着結合すると、同様に非常に有利である。
【0046】
外側シェルまたは層は、その後にカップの表面に非常に容易に押し付けられるように設けられる。
【0047】
本発明による非常に有利であるさらなる進展は、シェルが重なる形状からなり、且つシェルの第2の外側端が、外側端に関して後退して配置される接着結合部を備えると、示す。
【0048】
これは、シェルの端縁で接着剤が漏れ出る可能性を回避する。後退する距離は同様にとても大きく、第2端における接着結合は、内側シェルとともに行われる。
【0049】
その上、マウスロールを内側層と一体的に形成すると、非常に有利であることがわかる。
【0050】
これは、カップを使用するときに、より大きい心地よさをもたらす。
【0051】
さらに、本発明におけるさらなる進展により、外側層が異なる高さの隆起部によって設けられる滑り止め手段を有すると、非常に有利であることがわかる。
【0052】
これは、この場合も同様に、カップの取り扱いを改良する。予想外に滑り落ちることは、回避される。さらに、カップは、使用者の手の中で非常に快適に落ち着く。
【0053】
本発明におけるさらなる非常に有利な改良は、外側層が少なくとも1つの厚化部分を有すると、同様に示す。
【0054】
ここで、厚化部分をカップにおける中央の垂直領域に設けると、非常に有利であることがわかる。
【0055】
これは、カップにおける非常に十分な把持及び滑り止め保護を同様にもたらす。
【0056】
本発明における非常に有利であるさらなる進展は、少なくとも1つの目打ちをシェルに設けると、同様に存在する。
【0057】
ここで、目打ちを外側シェルに設けると、非常に有利であることがわかる。
【0058】
この種類の改良は、多くの別の設計方法をもたらす。
【0059】
目打ちをシェルにおける上部及び下端に設けると、本発明により非常に有利である。
【0060】
これは、空気が少なくともおよそカップの高さ方向に延びる経路内を流れることを保証する。カップの内容物が外界よりも暖かい間は、空気はカップの下端から流入し、また一方で、カップの上端から流出する。流れは、対流によって作り出される。その他の方向を向く流れは、カップの中身が冷たい場合においてさらに考えられる。
【0061】
目打ちによって残りのシェルから画定されたところにクーポン券を設けると、同様に非常に有利である。
【0062】
このようにして、例えば割引券またはその他の広告を、カップに添付することができる。
【0063】
本発明における非常に有利であるさらなる改良は、外側シェルがカップの高さの一部を覆うと、同様に表す。
【0064】
このようにして、外側、断熱シェルは、把持領域に設けられる。
【0065】
外側シェルが引込部(recess)を有すると、同様に非常に有利である。
【0066】
例えば、内側シェルあるいは充填製品を見せる窓を見ることは、この引込部の使用によって作り出される。
【0067】
以下の文章において、本発明は、それぞれの例となる実施形態を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】平滑内側シェルと波状の隆起部及び凹部が設けられた外側シェルとを有する二重壁型のカップを示す。
【図2】カップにおけるシェルを通る断面図を示す。
【図3】平滑内側シェルと直線の形態での隆起部及び凹部が設けられた外側シェルとを有する二重壁型のカップを示す。
【図4】平滑内側シェルと特定の目的のための隆起部及び凹部が設けられた外側シェルとを有する二重壁型のカップを示す。
【図5】シェルが波線の形態での隆起部及び凹部が設けられた単一壁型のカップを示す。
【図6】エンボス加工された内側及び外側層を有する二重壁型のカップを通る断面図を示す。
【図7】外側シェルを有するカップを通る断面図であって、外面が内側カップ上の外側シェルの接触面積よりも小さい、断面図を示す。
【図8】外側シェルを有するカップを通る断面図であって、外面が内側カップ上の外側シェルの接触面積よりも大きい、断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1において、符号1は、カップを示し、このカップは、底部2とシェル3とを有し、紙またはボール紙から作られる。外側に巻きつけられ、且つカップ1の開口部を覆うマウスロール4は、底部2から離れて向くシェル3のその端に取り付けられる。
【0070】
第1の例となる実施形態において、カップ1のシェル3は、二重壁型の形状からなり、平滑な材料から作られる内側シェル3aと構造体5が設けられ且つ内側シェル3aの周囲に設置された外側シェル3bとを備える。本実施形態において、外側シェル3bの第1端は、端に関して後退して配置される接着継ぎ目6によって、高さ方向に沿って内側シェル3aに結合される。本実施形態において、接着継ぎ目6は、好ましくは1mmから8mmの間で後退されており、接着継ぎ目6のために使用される接着剤が端で漏れ出ることを回避する。接着継ぎ目6は、個々の点またはその他の幾何学的模様で作り出されてもよい。非常に幅広い種類のホットメルト接着剤、低温接着剤またはそのほかの分散接着剤は、使用される素材及びカップ1の所望の用途に応じて、接着継ぎ目6に使用されてもよい。
【0071】
外側シェル3bの第2端は、第1端に重なり、且つ第1端の領域でさらなる接着継ぎ目7によって留められる。
【0072】
外側シェル3bの2つの端は、互いに重なる。重なりは、1mmから10mmの間であることが考えられる。しかし、端が互いに当接するだけ、または互いから1mmを超えないわずかな間隔をあけるようにすることも考えられる。
【0073】
本実施形態において、外側シェル3bは、まず第1に、第1端で接着結合され、その後内側シェル3aの周りに巻きつけられる。
【0074】
接着継ぎ目7は、第2端を外側シェル3bの第1端あるいは内側シェル3aに留める。同じ接着剤を接着継ぎ目6として使用してもよい。
【0075】
接着継ぎ目7は、同様に、端から後退して配置され、その結果、第1端と重なるにもかかわらず、外側シェル3bの第2端を内側シェル3aに直接、接着結合する選択肢もある。
【0076】
内側シェル3aは、その端で重なり、密封して接着結合される。
【0077】
外側シェル3bには、シェル3の高さ方向において十分に広がり、且つ構造体5を形成する波線8が設けられる。本実施形態において、波線8は、隆起部9及び凹部10を形成する。しかし、本実施形態において、隆起部9及び凹部10の符号は、それらが零点位置に関していずれの場合にも隆起されているまたは凹んでいることを示す必要はなく、この零点位置は、例えば元の紙面によって定義される。むしろ、隆起部9及び凹部10は、互いに関する隆起部及び凹部を表す。
【0078】
隆起部9及び凹部10の高さは、シェルの高さにわたって変化する。この例となる実施形態において、隆起部9及び凹部10の形状があまり明白でない複数の領域11は、外側シェル3bの周りに延びて配置される。その他の配置を考えてもよい。
【0079】
この領域11の結果として、外側シェル3bを把持することがより容易になる。さらに、予想外に滑ることを防止する滑り止め手段が形成される。それにもかかわらず、この改良は、複数のカップ1を互いに積み重ねる機能を妨げない。
【0080】
さらに、印刷されたあるいはエンボス加工された情報事項を担持する平滑領域12が設けられる。それは、ロゴマークまたは同様のものをこの領域12に配置することも可能にする。領域12は、例えばロゴマークを支持する若干くぼんだ円形領域を呈する。
【0081】
経路は、外側シェル3bの構造体5によって形成され、この経路は、シェルの少なくともおよそ高さ方向に延び、内側シェル3aによって閉鎖され、閉じた経路はここで終わり、それらの端で開口している。
【0082】
経路に含まれる空気は、非常に十分な断熱作用を保証する。例えば、熱い、または冷たい飲み物をカップ1に入れると、外側シェル3bの外側が飲み物の高いまたは低い温度を帯びないので、カップ1は、それにもかかわらず非常に満足に持つことができる。外界との飲み物の温度均等化は、同様に軽減される。
【0083】
経路がそれらの端で開口していると、冷却効果も空気の対流によって同様に果たされ、この空気の対流は、例えばコーヒーまたは同様のものなどの熱い飲み物について、経路にわたって生じ、飲むことへの助けとなる温度まで飲み物をより速く冷やす。
【0084】
目打ち開口部13を外側シェル3bの上縁及び下縁に設けることも考えられ、この目打ち開口部13は、経路からの空気のスムーズな流入及び流出を可能にする。
【0085】
その上、外側シェル3bは、とても高い固有の剛性を有し、それが、所定の領域、好ましくは上縁及び/または下縁のみにおいて、内側カップ3aを当接支持し、その他の点では内側カップ3aから間隔をあけており、この結果として、よりいっそう十分な断熱作用が達成されることが考えられる。
【0086】
外側シェル3bそれ自身を多層で構成することも考えられる。ここで、平滑層は、構造化された層に付けられ、且つそれに結合される。平滑層は、内側か外側のいずれかに配置されてもよい。
【0087】
カップ1がプラスチックまたはその他の所望の材料からなり、外側シェル3bのみを紙またはボール紙から作ることも考えられる。
【0088】
外側シェル3bは、同様にカップ1とは別に作られ、続いてカップ上に押しつけられる。ここで、静止摩擦は、たいてい十分である。接着結合が考えられる。
【0089】
上述した接着結合は、同様に、カップ1の外周上にさらなる接着位置を有する。例えば接着結合をカップ1の外周に沿って行うことも考えられる。ここで、1以上の接着点または接着線を設けてもよい。
【0090】
図2は、カップ1のシェル3を通る断面図を示し、その結果、隆起部9及び凹部10から形成される経路が示される。
【0091】
2つの隣接した隆起部9または凹部10間の間隔14は、シェル3の高さにわたって変化する。第1の例となる実施形態において、間隔14は、シェル3の下方の領域においてよりもシェル3の上部の領域において大きい。この間隔の違いは、利用できる材料に関して補償をもたらし、この補償は、カップ1の高さにわたって異なる直径に応じて調節をもたらす。この調節は、外側シェル3bにおけるしわまたは同様のものを回避する。
【0092】
結果として、外側シェル3bのために若干伸縮する紙またはボール紙だけを状況次第で使用する選択肢もある。
【0093】
図3は、本発明のさらなる改良を示す。本実施形態に示すカップは、符号31で示される。本実施形態において、平行線38で形成される構造体35は、波線8から形成される構造体5の替わりに設けられる。
【0094】
外側シェル3bは、中央部32において膨出部を有する。これは、外側シェルにおける外周厚化部分をもたらす。この厚化部分は、この領域において線38の間隔33を大きくすることによって作られる。より大きい間隔33は、隆起部9及び凹部10の高さをより高くすることによって生じる。
【0095】
図4は、本発明のさらなる改良を示す。本実施形態において、個々のエンボス加工形成部48が設けられ、それら複数は、互いに組み合わさって構造体45を形成する。
【0096】
第1の例となる実施形態におけるように、エンボス加工形成部の高さは、この例となる実施形態において変化してもよい。例えば、ロゴマークまたは同様のものがエンボス加工形成部48として使用される。
【0097】
これらすべての多層型の改良において、クーポン券として切り離されるシェル領域47を取り囲むミシン目46を設けることを考えてもよい。
【0098】
しかし、単一層型のシェル構造も考えられる。図5は、1つの改良を示し、この改良はこの種類のシェル53を示し、このシェルは構造化された外側シェル3bからだけで形成される。
【0099】
前と同じように、シェル53は、シェル53の高さにわたって深さが変化する構造体55を有する。この例において、構造体55は、シェル53の上縁及び下縁に向かって減少し、その結果、マウスロール4は非常に容易に配置され、底部2への密封された接続部が設けられる。
【0100】
しかし、本実施形態において深さも同様に大きい規模で変化することも考えられる。
【0101】
構造化における非常に幅広い種類のエンボス加工形成部は、単一層型の改良においても考えられる。
【0102】
1つの例となる実施形態において、構造体の深さは、0.1mmから2.5mmの範囲の間にあり、隣接する隆起部9または凹部10の間の間隔は、0.1mmから3mmの間である。隆起部9及び凹部10の間の半径の移行は、0.5mmから1.25mmの間の範囲である。
【0103】
シェル3bは、それが、例えば景色またはその他の描写を表すように構造化される。本実施形態において、構造体は、さらに同様の着色によって強調される。ここで、着色はエンボス加工形成部に位置合わせされる。
【0104】
個々のエンボス加工形成部48は、ロゴマーク、イメージ要素またはその他の所望の描写されたもの、例えば同様に文章要素、を備え、これらは、その後ともにシェル3bの構造体を形成する。
【0105】
本発明によると、外側シェル3bがカップの高さの一部のみを占める場合も考えられる。したがって、外側シェルは、例えば把持領域に制限される。外側シェル3bのための追加の材料は、断熱を必要としない領域に残されている。外側シェル3bは、安定化を必要とする定義される領域に制限されてもよい。
【0106】
これに関して、外側シェル3bは引込部を有してもよい。これらの引込部は、例えば内側シェル3aの視界を開く、または内側シェルが透明である場合に、カップの内容物の視界を開く。外側シェル3bのための材料は、この変形例において同様に残される。
【0107】
図6に示されるように、外側シェル3b及び内側シェル3aの両方を、構造化またはエンボス加工することも考えられる。
【0108】
2つの層3a及び3bのエンボス加工形成部4は、少なくとも部分的に互いに逆に向けられ、この結果として、層の間隔を増大させる。
【0109】
内側シェル3aを向く面積が外側を向く面積よりも大きくなるように構造体5を構成することも考えられる。
【0110】
この改良の結果として、カップ1と使用者の手との間の熱移動は、減らされる。したがって、非常に熱い、または非常に冷たい充填製品を含むカップ製品は、同様に保持される。図示される例において、面積間の比は、約1:2である。
【0111】
ここで、外側を向く面積は同様に、内側を向く面積の50%よりも小さい、または大きくてもよい。
【0112】
この種類の改良は、図7に示されるように、多層型のカップの場合だけでなく、とりわけ単一層型のカップの場合においても、非常に効果的であることが分かる。
【0113】
図8に示されるように、外側に向けられた面積が内側に向けられた面積よりも大きいことも考えられる。
【0114】
これは、とりわけ多層構造の場合において可能である。より広い外側面積は、快適な取り扱いを保証し、それにもかかわらず非常に十分な断熱作用を達成する。
【0115】
この改良にもかかわらず、カップ1は非常に快適に保持される。特に、不快な圧力点が作られない。これは、とりわけ構造体の深さが変化することに起因する。
【符号の説明】
【0116】
1 カップ、2 底部、3 シェル、3a 内側シェル、3b 外側シェル、4 マウスロール、8 波線、9 隆起部、10 凹部、12 平滑領域、13 目打ち、14 間隔、31 カップ、32 中央部、33 間隔、48 エンボス加工形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部及び隣接するシェルを有し、
前記シェルについて、前記底部に対するその反対端にマウスロールを設けることと、単一層でまたは多層で構成することと、が可能であり、
前記シェルの少なくとも1層が、紙もしくはボール紙または類似の材料から作られる、カップであって、
前記シェルの少なくとも1層には、その高さ全体且つ少なくともおよそ全周にほぼわたって隆起部及び/または凹部が設けられ、
最大の前記隆起部または前記凹部と材料層または前記凹部もしくは前記隆起部との間の深さの差が、前記シェルの高さにわたって且つ/または周囲にわたって変化し、
前記マウスロールが、内側層または前記単一層と一体的に形成されていることを特徴とするカップ。
【請求項2】
2つの隣接する前記隆起部または前記凹部間の間隔は、前記シェルの高さにわたって変化することを特徴とする請求項1に記載のカップ。
【請求項3】
前記隆起部及び/または前記凹部は、エンボス加工形成部として形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のカップ。
【請求項4】
加工した要素として構成される複数の個々の前記エンボス加工形成部は、前記シェルにわたって分配され、且つともに前記隆起部及び前記凹部を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項5】
前記隆起部及び/または前記凹部は、直線の形態または波線の形態で配置され、且つ少なくともおよそ前記シェルの高さ方向に延びることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項6】
カップにおける内面と外面との間の接触面積は、減少した形状からなり、
少なくとも把持領域において、少なくとも内側を向く前記接触面積が外側を向く前記隆起部の接触面積よりも小さくなるように前記隆起部を構成することが可能であり、または、
少なくとも把持領域において、少なくとも内側を向く前記接触面積が外側を向く前記隆起部の接触面積よりも大きくなるように前記隆起部を構成することが可能であり、
両方の場合において、内側の前記接触面積と外面との間の比が1:2であることが可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項7】
前記シェルは、少なくとも1つのほぼ平滑形状からなる領域を有し、
情報事項及び/または前記エンボス加工形成部を平滑領域に設けることが可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項8】
多層を有して構成される前記シェルは、少なくとも2つのエンボス加工された層を有し、
前記層における前記エンボス加工形成部を互いに逆に向けることが可能であり、且つ/または、
前記層における前記エンボス加工形成部が互いに接触支持することが可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項9】
多層を有して構成される前記シェルは、平滑層を有し、
平滑層を前記シェルの前記内側層として設け、前記内側層はそれ自身及び前記底部に密封して結合されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項10】
前記層は、その上部及び/または下端において互いに密封して結合されることを特徴とする請求項8または9に記載のカップ。
【請求項11】
前記シェル及び/または前記層は、それら自身/それ自身に接着結合されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項12】
前記シェルは、重なる形状からなり、
前記シェルの第2の外側端には、該外側端に関して後退して配置される接着結合部が設けられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項13】
外側層は、異なる高さの前記隆起部によって設けられる滑り止め手段を有し、且つ/または、
前記外側層または前記単一層は、少なくとも1つの厚化部分を有し、
前記厚化部分を前記シェルの高さにおける中央部に設けることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項14】
少なくとも1つの目打ちを前記シェルに設け、
前記目打ちを外側シェルに設けることが可能であり、
前記目打ちを前記シェルの上部及び/または下端に設けることが可能であり、
前記目打ちによって残りの前記シェルから画定されるところにクーポン券を設けることが可能であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のカップ。
【請求項15】
前記外側シェルがカップの高さの一部を覆い、且つ/または、
前記外側シェルが引込部を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のカップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−509819(P2012−509819A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536891(P2011−536891)
【出願日】平成21年11月23日(2009.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065673
【国際公開番号】WO2010/058016
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(511125087)
【Fターム(参考)】