説明

カプセルおよびそれを含有する化粧料

【課題】有効成分を安定保持することができるとともに、使用感、外観に優れたカプセルと、そのカプセルを含有する化粧料の提供。
【解決手段】淡水性藍藻類であるスイゼンジノリを由来とするスイゼンジノリ多糖体のゲル状金属塩を外皮とすることを特徴とするカプセルであり、さらに水溶性成分の水溶液、油溶性成分化合物もしくは油溶性成分混合物、あるいは水溶性成分と油溶性成分のエマルションのいずれかを内包することを特徴とするカプセルを含有した化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容液、化粧水、洗顔剤、サンスクリーン剤などに代表されるスキンケア化粧料、ファンデーションなどのメークアップ化粧料に配合して好適なカプセルおよびそれを含有する化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、内部に有効成分を安定に含有できることや、使用感の良さ、固形物または液状物を特定の用量で配合できるなどの特徴を有することから、球状のカプセルを化粧料に配合することが注目を浴びている。
【0003】
従来、カプセルの皮膜主成分としてはゼラチンが最も良く用いられている。しかしながら、ゼラチンは動物由来のタンパク質であるため近年敬遠される傾向にある。また、ゼラチンを主成分にした皮膜を形成するカプセル内部に水溶性の有効成分を充填すると、水分が皮膜に移行して皮膜の崩壊や膨潤を起こすため製品としての流通に耐えがたいという問題点がある。
【0004】
このため、近年動物由来のゼラチンなどを用いない植物由来の多糖類由来の原料を用いたカプセルが提案されている。例えばアルギン酸、寒天、ペクチン、キサンタンガム、キトサンなどが挙げられる。しかしながら、これらの原料を用いたものでは、充分に有効性分を内包するためには皮膜が厚くなり、使用時に皮膜残渣が皮膚上に残り外観上見苦しかったり、感触が悪くなったりするという問題点がある。一方、使用感を損なわない程度の皮膜にした時には、皮膜の強度が充分でないために有効成分を内部に安定して内包できないという問題点が発生する。
【0005】
このように、有効成分をカプセル内に安定に内包でき、さらに使用感、外観に優れたカプセルが存在しないことから、有効成分を安定保持することができて使用感や外観に優れたカプセルの提供が求められている。
【0006】
ところで、淡水性藍藻類スイゼンジノリを由来とする多糖体は、近年、その抽出方法が、北陸先端大学の金子らにより開発され、化粧料や、医薬品などへの応用が検討されている(特許文献1参照)。その理由は、その保湿効果や、正、負の両イオンを分子内に待つことによる希少金属イオンの吸着効果などによるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4066443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、有効成分を安定保持することができるとともに、使用感、外観に優れたカプセルを提供し、併せてそのカプセルを含有する化粧料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、第1発明によるカプセルは、淡水性藍藻類であるスイゼンジノリ(Aphanothece sacrum)を由来とするスイゼンジノリ多糖体のゲル状金属塩を外皮とすることを特徴とするものである。
ここで、上記スイゼンジノリ多糖体は、前記特許文献1に記載の方法にて抽出されたものであって、ヘキソース構造をもつ糖構造体およびペントース構造を持つ糖構造体がα−グリコシド結合またはβ−グリコシド結合により直鎖状または分岐鎖状に連結した糖鎖ユニットの繰り返し構造を持ち、前記糖鎖ユニットが糖構造体として乳酸化された硫酸化糖を含み、かつ、前記糖鎖ユニットにおいては、水酸基100個あたり2.7個以上の水酸基が硫酸化され、あるいは全元素中で硫黄元素が1.5質量%以上を占めることを特徴としている。
【0010】
ここで、スイゼンジノリ多糖体金属塩を皮膜として用いた時の濃度は、0.01〜2.0質量%、好ましくは0.1〜1.0質量%の範囲が適当である(参考文献1:M.K.Okajima,et.al.,Macromolecules 42,3057(2009)参照)。また、北陸先端大学の金子らは、下記の多価金属イオンでスイゼンジノリ多糖体がゲル化することを報告している(参考文献2:M.K.Okajima,et.al.,Langmuir 25(12),8526(2009)参照)。
多価金属イオン:Al、Se、Ti、V、Cr、Fe、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Hg、Pr、Bi、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびU
このため、受液としてこれら多価金属イオンを含む塩水溶液を準備し、スイゼンジノリ多糖体水溶液を滴下することにより、容易にカプセル化できる。化粧料として使用する場合は、安全性の観点から、Al、Fe、Baイオンを含む塩化物水溶液などが適当である。より好ましくは、Alイオンである。Al、Feあるいは、Baイオンで使用される水溶液は、塩化アルミニウム、塩化鉄あるいは塩化バリウム水溶液である。この時の金属塩化物水溶液の濃度も0.1〜3.0質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%に設定するのが良い。
【0011】
次に、第2発明によるカプセルは、前記第1発明において、水溶性成分の水溶液を内包することを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、例えば以下の水溶性成分の水溶液を内包したカプセルである。
・アスコルビン酸およびそのナトリウムなどの塩等のビタミンC類
・アスコルビン酸エチルエーテルなどのアスコルビン酸アルキルエーテル、アスコルビン酸−2−グルコシドなどのアスコルビン酸グルコシドおよびその脂肪酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩およびアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、パルミトイルアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、リン酸トコフェリルアスコルビンなどのアスコルビン酸リン酸エステル塩などのアスコルビン酸誘導体
・チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン類、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類、コリン類などのビタミンB群類
・パントテン酸、パンテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチンなどのその他ビタミン類
・トコフェノールリン酸エステルなどの水溶性ビタミンE類
・アルブミン、α−アルブチンなどのヒドロキノン配糖体およびそのエステル類
・コウジ酸、エラグ酸塩、トラネキサム酸塩およびその誘導体、フェルラ酸塩およびその誘導体、プラセンタエキス、グルタチオン、グリチルリチン酸およびその誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、グアイアズレン、アラントイン、インドメタシン、カフェイン、α−リポ酸、ルチンおよび配糖体などの誘導体
・ヘスペリジン、および配糖体などの誘導体:ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド等の蛋白ペプチド類および誘導体
・パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチドなどのアシル化ペプチド類
・ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、シスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチンなどのアミノ酸類およびその塩並びに誘導体
・18−メチルエイコサン酸塩、分岐脂肪酸(12〜31)塩、ラノリン脂肪酸塩、エチル硫酸18−メチルエイコサン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸長鎖分岐脂肪酸(12〜31)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどの18−メチルエイコサン酸およびアンテイソ脂肪酸誘導体
・糖セラミドなどの水溶性スフィンゴ脂質:各種植物エキス、その他の保湿効果を示す物質である1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール類、ヒアルロン酸類など
これらの中でも特に低分子である物質は外皮膜がスイゼンジノリ多糖体ゲルである場合、外皮膜を通過して外に放出されることが少なく、ゲル化膜も非常に安定である。特に内包する水溶性成分がビタミン類の場合、ゲル化スイゼンジノリ多糖体金属塩を外皮膜とした場合、ビタミン類がほとんど溶出することがなく安定なカプセルを得ることができるとともに、ビタミン類の光や熱による劣化を防ぐことができる。
【0012】
また、第3発明によるカプセルは、前記第1発明において、油溶性成分化合物もしくは油溶性成分混合物を内包することを特徴とするものである。
ここで、油溶性の有効成分としては、化粧料に使用可能な薬剤、例えば、脂溶性ビタミンおよびその類縁体(トコフェノール、トコトリエノール、レチノール、カルシフェノールなど)、ステロール類(コレステロール、フィトステロールなど)、ユビキノン(CoQ10など)、さらにはスフィンゴ脂質、セラミド、オリザノール、1−メントール、ヒノキチオール、エストタジオール、オリーブ油、グリチルレチン酸、エチニルカロテノイドなど、およびこれらの誘導体などが挙げられ、カルテノイドとしては、アクチニオエリストロール、アスタキサンチン、ビキシン、カンタキサンチン、カプサンチン、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、β−クリプトキサンチン、ルテイン、リコピン、ビオレリトリン、ゼアキサンチン、フコキサンチンおよびその誘導体などが挙げられる。また、内包油溶液の溶媒油としては、スクワラン、種々の植物性油、シリコン類や流動パラフィン系の合成油など特に規定されるものではないが、以下に挙げられるものが好ましい。例えば、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチン、ラウリル酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ油、ヤシ油、バーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。また、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコンRTVゴム等のシリコン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フッ素化シリコンレジン等のフッ素化合物が挙げられる。このようないずれの油系溶媒を使用した場合でも、ゲル化スイゼンジノリ多糖体金属塩の外皮膜は、強固で、外皮膜を通過することがほとんどなく、安定なカプセルを調製することができ、さらには、スイゼンジノリ多糖体自体が水性の保湿剤的な働きを示すので、油溶性有効成分との相乗効果が期待できる。
【0013】
さらに、第4発明は、第1発明において、内包されるものが、水溶性有効成分を含んだ水溶液と油溶性有効成分を含んだ油溶性溶液とのエマルションであることを特徴とするものである。
ここで、水溶性有効成分、油溶性有効成分としては、それぞれ、前記第2発明または第3発明によるものを使用することができる。また、エマルションのシステムは、水中油型、油中水型のいずれであっても良い。また、エマルション調製時にエマルションを安定化させる目的で種々の界面活性剤を使用しても良い。この界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、べタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0014】
また、第5発明は、前記第4発明において、前記油溶性成分を含む油溶液中に粉体顔料粒子を含むことを特徴とするものである。さらに、第6発明は、前記第4発明において、前記エマルション中に粉体顔料粒子を含むことを特徴とするものである。また、第7発明は、第5発明または第6発明において、前記粉体顔料粒子が疎水性を示す有機化合物、例えば、ポリシロキサン類や、アルキルシラン、アルキルチタネート系化合物、フッ素系化合物、その他疎水性を与えるアミノ酸系化合物で表面被覆されていることを特徴とするものである。
ここで、粉体顔料粒子としては、化粧料に使用される粉体が好ましく、無機顔料粉体、有機顔料色素粉体、高分子系粉体粒子などが挙げられる。具体的には、無機粉体としては、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青などの無機有色顔料粉体、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの白色顔料粉体、タルク、マイカ、セリサイト、カオリンなどの体質顔料粉体、雲母チタンなどのパール顔料粉体、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどの金属塩、シリカ、アルミナなどの無機粉体、微粒子酸化チタン、微粒子酸化鉄、ベントナイト、スメクタイトなどが挙げられ、有機顔料色素粉体としては、たとえば、赤色104号、赤色201号、赤色202号、赤色226号、黄色4号アルミニウムレーキ、青色1号アルミニウムレーキなどが挙げられ、高分子系粉体粒子としては、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロンパウダー、シリコンパウダー、セルロースパウダー、シリコンエラストマーパウダーなどが挙げられる。これらの粉体粒子の形状、大きさに特に制限はない。また、これらの粉体粒子に種々の表面被覆がされていてもかまわない。
【0015】
本発明のカプセルを製造する方法は、例えば、皮膜成分と内包成分を受液中にノズルを用いて滴下する方法がある。このとき受液は撹拌しておくことが望ましい。ノズルとしては、単筒式ノズルのほか、二重式ノズル、三重式ノズルなどの多重ノズルを用いることも可能である。特に、内包されるものが、油性物、エマルションである場合、二重式ノズル、三重式ノズルを使用することが好ましい。もちろん、目的のカプセルによって用いるノズルを変更することが出来る。
【0016】
次に、第8発明による化粧料は、第1発明〜第7発明のいずれかのカプセルを含有してなることを特徴とするものである。
本発明において、カプセルがファンデーションやサンスクリーン剤として利用される場合、皮膚に塗布したあと、耐水性が必要となるため、混合される粉体粒子をあらかじめ有機化合物、たとえば、シリコン系、アルキルシラン系、アルキルチタネート系、フッ素系の化合物にて、疎水化処理が施される。このようにして疎水化された粉体粒子は、内包される油溶化物、あるいは、エマルションの油性成分中に分散されることは言うまでもない。粉体粒子に疎水性を付与するために用いられる具体的は表面被覆有機化合物としては、特に限定されるものではないが、以下のようなものが好ましい。すなわち、シリコン系化合物としては、メチルハイドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アクリルシリコン共重合体、アルキルシラン系としては、n−オクチルトリエトキシシラン、アルキルチタネート系としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、フッ素系としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエトキシシランなどが挙げられる。もちろん、これら疎水性を示す表面被覆剤を2種以上同時に被覆処理してもかまわない。
また、化粧料の形態は特に限定されないが、ファンデーション、サンスクリーン、美容液、化粧水、口紅、美容クリーム、洗顔剤、香水、口内清涼剤、口臭予防剤、うがい剤、歯磨き、入浴剤、制汗剤、石鹸、シャンプー、リンス、ボディーソープ、ボディーローション、デオドラント剤、ヘアクリーム剤、色白剤、美肌剤、育毛剤などが挙げられる。また、本発明のカプセルが配合される化粧料においては、そのカプセル以外に、通常の化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を同時に配合することができる。ここで、前記粉体としては、例えば、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロンパウダー、シリコンパウダー、セルロースパウダー、シリコンエラストマー等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素等の無機粉体、微粒子酸化チタン、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化チタン、シリカ処理微粒子酸化チタン、ベントナイト、スメクタイト等が挙げられる。これらの粉体の形状、大きさに特に制限はない。また、これらの粉体は従来公知の各種の表面処理が施されていてもいなくても構わない。表面処理の例としては、例えばアクリルシリコーン処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、オクチルトリエトキシシラン処理、N−アシル化リジン処理、有機チタネート処理、シリカ処理、アルミナ処理、セルロース処理、パーフルオロポリエーテル処理、フッ素化シリコーンレジン処理など親水性、親油性、撥水性の各種の処理を用いることが可能である。前記油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチン、ラウリル酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ油、ヤシ油、バーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。また、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコンRTVゴム等のシリコン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フッ素化シリコーンレジン等のフッ素化合物が挙げられる。また、前記界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、べタイン型界面活性剤を用いることができる。前記溶媒としては、精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、パーフルオロポリエーテル、代替フロン、揮発性シリコン等が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
第1発明においては、前述のAl、Se、Ti、・・・等の多価金属イオンを有する塩水溶液とスイゼンジノリ多糖体を接触させゲル化させたものをカプセルの外皮膜としており、また、スイゼンジノリ多糖体は重量平均分子量が2,000,000以上と超高分子量であり、かつ、スイゼンジノリ多糖体分子が棒状(棒状らせん状)となっており、外皮膜で分子は配向していると推測されるため、外皮膜の強度が上がり、一般に用いられている皮膜剤よりも低い濃度にて安定したカプセルが得られ、内包した有効成分や、油剤や、色材が外皮膜を通過して外に溶出することのないカプセルを調製することができる。また、皮膚に塗布したときの感触が良く、塗布したあとに外皮膜残渣が残らない。さらには、スイゼンジノリ多糖体自体が、水分保持率が高いため、保湿効果に優れるという性質を持ち、ヒアルロン酸系化合物に匹敵する水分保持率を示すので、外皮膜自体が保湿効果を与えうる。このため、外皮膜自体も皮膚に塗布した場合、保湿効果を示すという相乗効果を生み出すことができる。上記多価金属イオンの中で、化粧料として適当と考えられるものは、Al、Fe、Baイオンであるが、この中でAlイオンがもっとも好ましく、スイゼンジノリ多糖体水溶液の受液として塩化アルミニウム水溶液を使用するのがもっとも好ましい。これにより、安全性に優れ、更に外皮膜がソフトで強固であり、安定なカプセル体を調製することができる。
【0018】
スイゼンジノリ多糖体分子が棒状(棒状らせん状)であることは、スイゼンジノリ多糖体水溶液が、0.2質量%付近で、液晶構造をとることで証明される。液晶構造の発現の確認は、直交偏光系で光をあてることにより複屈折カラーを示すことで簡単に立証できる。Floryの格子理論から導かれる下記理論式(1)により、その軸比(棒状の部分の長さ/直径)が非常に大きくなることでさらに確認できる。
Φ=8/X(1―2/X)・・・・・・(1)
(ここで、Φは、液晶相が発現する臨界体積分率、Xは、軸比である。)
金子らの実験では、重量平均分子量が約16,000,000のスイゼンジノリ多糖体で、0.2質量%付近で液晶構造をとることを確認されているが、上記の式(1)に当てはめると、その軸比は、約3,000となり、非常に大きな値を示すことから、スイゼンジノリ多糖体分子はほぼ完全に棒状(棒状らせん状)であると言える。また、分子が棒状(棒状らせん状)であるため、皮膜濃度が高くなっても皮膚に塗布したときの剪断力が少なくてすみ、皮膚上での皮膜残渣が感じられにくい。
【0019】
第2発明によれば、ゲル化スイゼンジノリ多糖体金属塩が外皮膜として用いられているので、使用感に優れ安定で強固なカプセルが得られるため、水溶性の有効成分の水溶液を内包しても内包物が外皮を通過して溶出されることが少なく、さらには、アルギン酸金属塩などの化合物を外皮膜として使用したときのように外皮膜が、水や内包物によって、その構造が壊されることなく非常に安定である。特に、水溶性のビタミン類は外皮膜を通過したり、外皮膜中に溶出することにより外皮膜の強度を弱めたりすることがあったが、ゲル化スイゼンジノリ多糖体金属塩を外皮膜とした場合、水溶性ビタミン類は、水溶液として安定的に内包される。さらには、水溶性ビタミン類は、熱や光に弱く、すぐに分解されるが、ゲル化スイゼンジノリ多糖体金属塩を外皮膜に使用した場合、水溶性ビタミン類は熱や光に対して安定して内包されている。
【0020】
第3発明では、前記第2発明と同様な効果が、内包物として油溶性成分を使用したときにも発現する。
【0021】
第4発明によれば、上述したのと同様の理由により、ゲル化スイゼンジノリ多糖体金属塩の外皮膜は、非常に安定で強固である。また、いかなる界面活性剤を使用してもゲル化スイゼンジノリ多糖体金属塩の外皮膜が破壊されるようなことはない。
【0022】
第5発明、第6発明および第7発明のように内包物中に粉体顔料粒子成分を混合させ、内包させることにより、粉体自体に有効性のあるもの、粉体粒子により着色すること、粉体粒子によって皮膚に塗布したときの感触を改良できることなどの利点を付与することができる。
【0023】
第8発明によれば、調製されたカプセルをファンデーション用、サンスクリーン用として使用すると、スイゼンジノリ多糖体自身の持つ保湿性を付与でき、皮膚に塗布したあと、耐水性を有する化粧料となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明によるカプセルおよびそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
【0025】
第2発明のように、内包される物質が水溶液の場合には、内包される有効成分を含む水溶液にスイゼンジノリ多糖体を同時に完全に溶解させる。この混合溶液を単筒ノズルにて塩化アルミニウム、塩化第2鉄、あるいは塩化バリウム水溶液中に滴下し、1時間撹拌後、水洗濾過する。
【0026】
一方、第3発明〜第6発明のように、内包される物質が水溶液でない場合には、二重あるいは三重ノズルを用いなければならない。内側ノズルからは、内包される物質を、最外ノズルからは、スイゼンジノリ多糖体水溶液を同時に押し出し、塩化アルミニウム、塩化第2鉄、あるいは、塩化バリウム水溶液中にゆっくりと滴下する。滴下後、約1時間撹拌することにより、スイゼンジノリ多糖体ゲルを皮膜とするカプセルを得ることができる。
【0027】
また、第7発明のように、内包される物質が顔料粉体の油分散体である場合、その顔料粉体は、公知の方法にて、ポリシロキサン、アルキルシラン、アルキルチタネートなどのような、顔料粉体に親油性を付与する有機化合物にて表面被覆したのち、油に分散させる。この場合、顔料粉体の分散性は飛躍的に良好となる。
【0028】
第8発明の化粧料において、配合されるカプセルの配合量としては、化粧料の総量に対して、0.1〜80質量%が好ましく、より好ましくは1〜60質量%である。なお、抗酸化剤の配合量としては0.001〜10質量%が好ましい。また、配合の方法はその化粧料の剤型により、装置を選別しなければならない。
【実施例】
【0029】
次に、本発明によるカプセルおよびそれを含有する化粧料の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。以下、カプセルを調製する実施例を「製造実施例」と称し、このカプセルを用いて化粧料を調製する実施例を単に「実施例」と称することとする。
【0030】
(製造実施例1)
ビーカーに水93.0gを仕込み、そこに、ヒアルロン酸ナトリウム0.5g(水溶性有効成分)、ビタミンC(アスコルビン酸ナトリウム)0.05g、1,3−ブチレングリコール6.0g、メチルパラベン0.15g(防腐剤)を投入し、完全に溶解するまで撹拌する。その水溶液中に皮膜成分となるスイゼンジノリ多糖体0.3gを撹拌しながら投入し完全に溶解するまで撹拌した。
次いで、受液としてカプセルとなる上記水溶液の5倍量の1質量%塩化アルミニウム溶液を調製した。この1質量%塩化アルミニウム溶液に向けてカプセル成分となる水溶液を単筒ノズルにて滴下し、これを撹拌することによってカプセルを得た。滴下終了後1時間撹拌を行い形成されたカプセルを掬い上げ、水にて水洗することにより、粒径が1.0〜3.0mm程度のスイゼンジノリ多糖体を0.3質量%の皮膜成分としたカプセルを得た。
【0031】
(製造実施例2)
皮膜成分として、ビーカーに水49.5gを仕込み、そこに、スイゼンジノリ多糖体0.3g、メチルパラベン0.2g(防腐剤)を投入し、完全に溶解するまで撹拌する。
次いで、内包される油溶成分として、ビーカーにスクワラン49.85gを仕込み、そこにビタミンA(レチノール)0.05g、ビタミンE(トコフェロール)0.05%、β−カロテン0.05gを投入し撹拌する。
受液としてカプセルの外皮層と内包される油溶成分の総量の5倍量の1質量%塩化アルミニウム溶液を調製した。この1質量%塩化アルミニウム溶液に向けて、二重ノズルを用いて外皮成分と内包成分を滴下し、これを撹拌することによってカプセルを得た。滴下終了後1時間撹拌を行い、形成されたカプセルを掬い上げ、水にて水洗することにより、粒径が1.0〜3.0mm程度の油溶性の有効成分を50質量%を内包し、スイゼンジノリ多糖体0.3質量%を皮膜成分としたカプセルを得た。
【0032】
(製造実施例3)
皮膜成分として、ビーカーに水49.5gを仕込み、そこに、スイゼンジノリ多糖体0.3g、メチルパラベン0.2g(防腐剤)を投入し、完全に溶解するまで撹拌する。
次いで、内包されるW/Oエマルションを次の配合および操作によって調製した。まず、A相として、イソノナン酸イソトリデシル1.5g、メチルフェニルシリコーンオイル0.5g、球状セルロース末1.5g、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー0.5g、シクロメチコン15g、シリコン処理微粒子亜酸化亜鉛12.5gを混合した。B相として、精製水14.8g、1,3−ブチレングリコール3.0g、塩化ナトリウム0.5g、メチルパラベン0.2gを混合した。A相を80℃に加温し、ホモミキサーで撹拌しながらゆっくりとB相をA相に滴下し、良く撹拌した後40℃まで冷却し、W/O型エマルションを調製した。
受液としてカプセルの外皮層と内包されるエマルションの総量の5倍量の1質量%塩化アルミニウム溶液を調製した。この1質量%塩化アルミニウム溶液に向けて、二重ノズルを用いて外皮成分と内包成分(W/Oエマルション)を滴下し、これを撹拌することによってカプセルを得た。滴下終了後1時間撹拌を行い、形成されたカプセルを掬い上げ、水にて水洗することにより、粒径が1.0〜3.0mm程度のW/Oエマルション50質量%を内包し、スイゼンジノリ多糖体0.3質量%を皮膜成分としたカプセルを得た。
【0033】
(製造比較例1)
製造実施例1の皮膜成分としてスイゼンジノリ多糖体の代わりにアルギン酸ナトリウムを使用し、受液として1質量%塩化カルシウム溶液にした以外は製造実施例1と同様の方法にてカプセルを調製した。
【0034】
(製造比較例2)
製造実施例2の皮膜成分としてスイゼンジノリ多糖体の代わりにアルギン酸ナトリウムを使用し、受液として1質量%塩化カルシウム溶液にした以外は製造実施例2と同様の方法にてカプセルを調製した。
【0035】
(製造比較例3)
製造実施例3の皮膜成分としてスイゼンジノリ多糖体のかわりにアルギン酸ナトリウムを使用し、受液として1質量%塩化カルシウム溶液にした以外は製造実施例3と同様の方法にてカプセルを調製した。
【0036】
(実施例1〜3)
製造実施例1〜3で得られたカプセルを用いて以下の配合にて美容液を調製した。
初めに美容液ベースを以下の配合にて調製した。
<美容液ベース配合>
水 残 量
グリセリン 8.0
安息香酸 0.15
アラントイン 0.1
PCAナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.25
メチルパラベン 0.1
合計100.0
上記美容液ベースと製造実施例1〜3で得られたカプセルをそれぞれの比率が50%になるように配合してカプセル配合美容液を得た。
【0037】
(比較例1〜3)
製造比較例1〜3で得られたカプセルを用いて、以下の配合にて美容液を調製した。
初めに美容液ベースを以下の配合にて調製した。
<美容液ベース配合>
水 残 量
グリセリン 8.0
安息香酸 0.15
アラントイン 0.1
PCAナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.25
メチルパラベン 0.1
合計100.0
上記美容液ベースと製造比較例1〜3で得られたカプセルをそれぞれの比率が50%になるように配合してカプセル配合美容液を得た。
【0038】
上記製造実施例1、2および3、製造比較例1、2および3にて準備されたカプセルのつぶれ易さとカプセルの使用感、カプセルの安定性について評価を行った。その結果が表1に示されている。つぶれやすさの評価点としては、手の甲にカプセルを3粒置き、指でカプセルをつぶした時のつぶれやすさと使用感について以下の評価点に基づき評価を行った。
つぶれやすい :5点
ややつぶれやすい :4点
どちらともいえない:3点
ややつぶれにくい :2点
つぶれにくい :1点
カプセルの安定性については、カプセルを硝子容器の中に入れ、軽く5回上下にシェイクした時の安定性を以下の評価点に基づき評価した。その評価結果が表1に示されている。
安定している :5点
やや安定している :4点
どちらともいえない:3点
やや崩壊している :2点
崩壊している :1点
【0039】
【表1】

【0040】
表1から分かるように、スイゼンジノリ多糖体水溶液を皮膜成分としたカプセルでは、つぶれやすさ、使用感、安定性ともに優れていた。
【0041】
次に、実施例1〜3および比較例1〜3のように美容液化粧料に配合した時の評価を行った。実施例1〜3のものは、美容液化粧料として配合してもカプセルは安定しており、皮膚に塗布したとき、カプセルはスムースに指による軽い摩擦により破壊され、外皮のゲル化膜は完全に消失し、感触も良かった。これに対し、比較例1〜3の美容液化粧料では、カプセルは非常に安定しているものの皮膚に塗布するときカプセル外皮のゲル化膜が厚く、堅いので、スムースに破壊されず、完全にゲル化された外皮が消失しないので非常に感触の悪いものとなった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のカプセルは、特にスキンケア化粧料に配合することにより安定したカプセルの配合が可能であり、また有効成分も安定にカプセルに封入することが出来るため、化粧料に有効成分を容易に配合できる。また、スイゼンジノリ多糖体は超高分子の植物由来多糖類であり、保湿性に優れているため、化粧料に配合した時に肌にしっとり感を与える化粧料の提供が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
淡水性藍藻類であるスイゼンジノリを由来とするスイゼンジノリ多糖体のゲル状金属塩を外皮とすることを特徴とするカプセル。
【請求項2】
水溶性成分の水溶液を内包することを特徴とする請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
油溶性成分化合物もしくは油溶性成分混合物を内包することを特徴とする請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
水溶性成分と油溶性成分のエマルションを内包することを特徴とする請求項1に記載のカプセル。
【請求項5】
前記油溶性成分を含む油溶液中に粉体顔料粒子を含むことを特徴とする請求項4に記載のカプセル。
【請求項6】
前記エマルション中に粉体顔料粒子を含むことを特徴とする請求項4に記載のカプセル。
【請求項7】
前記粉体顔料粒子が疎水性を示す有機化合物で表面被覆されていることを特徴とする請求項5または6に記載のカプセル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のカプセルを含有してなることを特徴とする化粧料。

【公開番号】特開2011−74002(P2011−74002A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226167(P2009−226167)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(391015373)大東化成工業株式会社 (97)
【Fターム(参考)】