説明

カプセルボディへの錠剤充填方法及び該充填方法を用いたカプセルへの錠剤充填装置

【解決手段】収容穴211の下端部で最下位置の扁平錠剤tの周縁部を挟持することにより、複数個の扁平錠剤を収容穴内に保持し、上記最下位置錠剤tの挟持状態を解除することにより、下方に配置されたカプセルボディm内に上記複数の扁平錠剤tを平伏状態で落とし込むように構成した。
【効果】立位状態の扁平錠剤が生じることを効果的に防止して、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で確実にカプセルボディへと充填することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定個数の扁平形状の錠剤(以下、「扁平錠剤」という)を平伏状態でカプセルボディに充填する方法、及び、その充填方法によりカプセルボディに扁平錠剤を充填するカプセルへの錠剤充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キャップとボディとからなるハードカプセルに薬剤を充填したカプセル剤としては、粉末状、顆粒状又は液状の薬剤を充填したカプセル剤が一般的であるが、場合によってはキャップとボディとからなるカプセル内に所定数量の錠剤を充填して、錠剤充填カプセル剤とすることも行われている。
【0003】
即ち、薬剤によっては、通常、患者の症状や年齢、その他の条件等に応じて1回の投与量を変更しなければならないものもあり、この場合薬剤を所定単位量の錠剤とし、服用個数を患者に応じて変えることが容易である。しかしながら、このように服用する錠剤の個数で投与量を調整する場合、患者が服用時に一々錠剤を数えて自分の年齢や症状に応じた個数の錠剤を服用しなければならず非常に面倒であり、また患者によっては非常に多くの個数の錠剤を服用しなければならないケースも生じる。そこで、所定単位量の有効成分を含む錠剤を予め患者の年齢や症状に合わせてカプセル内に充填したカプセル剤とし、これを服用することにより、服用時の患者の負担を軽減することができる。また、複数種の薬剤を組み合わせて服用する場合には、疾患や症状などに応じて複数種類の錠剤を1つのカプセル内に充填して、各種疾患や症状などに応じた複合薬をカプセル剤として調製することができる。
【0004】
ここで、粉末状や顆粒状の薬剤を充填したカプセル剤は、カプセル充填機によって粉末状又は顆粒状の薬剤をカプセルに自動充填することにより製造されているが、同様に錠剤をカプセルに自動充填するカプセルへの錠剤自動充填機も提案されている。この場合、カプセル剤の大きさをできるだけ小さくして服用時の患者の負担を軽減する観点から、一般的な扁平錠剤を充填する場合には、複数個の扁平錠剤を平伏状態で積重した状態でカプセルに充填することが行われる。
【0005】
ここで、本明細書において、平伏状態の扁平錠剤とは、径方向を水平(横方向)にし、厚さ方向を鉛直方向(縦方向)に向けた状態をいい、後述する立位状態の扁平錠剤とは、径方向を鉛直方向(縦方向)又は斜めにした状態をいう。
【0006】
扁平錠剤をカプセルへと充填する充填機として具体的には、特開平5−170201号公報(特許文献1)に開示された錠剤充填装置を例示することができる。この錠剤充填装置は、図20(A)に示されるように、図示しない錠剤供給ホッパーから第1錠剤案内シュートaの第1ガイド穴bに錠剤tを供給して該第1ガイド穴b内に錠剤tを一列に収容すると共に、各第1ガイド穴bに収容された錠剤tの一番下の錠剤を計数板cの計数穴dに収容し、図20(B)に示されるように、計数板cをスライドさせて上記第1錠剤案内シュートaの第1ガイド穴bと変位して配置された錠剤保持ブロックeの錠剤保持穴fに投入し、この計数板cの往復スライド運動を所定回数行って錠剤保持穴fに所定個数の錠剤tを収容保持し、次いで図20(C)に示されるように、錠剤保持ブロックeの下に配置されたシャッター板gを移動させて該シャッター板gの挿通穴hと上記錠剤保持穴fとを一致させて錠剤保持穴fの下端面を開放し、各錠剤保持穴f内に収容された錠剤tを第2錠剤案内シュートiの第2ガイド穴jを通過させて、第2案内シュートiの下側に配置されたカプセル保持ブロックkに保持されたカプセルボディmにその錠剤tを投入することにより、カプセルボディmに所定数量の錠剤tを充填するものである。
【0007】
しかしながら、この従来の充填機を用いてカプセルボディに扁平錠剤を充填する場合、カプセルボディに投入された扁平錠剤が立位状態となって、所定個数の錠剤をカプセルボディに投入することができなくなる不都合を生じやすい。
【0008】
即ち、上記錠剤保持ブロックeの錠剤保持穴fからカプセル保持ブロックkに保持されたカプセルボディmに扁平錠剤tを落とし込む際に、上記シャッター板gがスライドして錠剤保持穴fの下端面が開放するように構成されているため、錠剤保持穴fの下端面が一側方から徐々に開いていく状態となり、このため錠剤保持穴fの最下部に平伏状態で収容された扁平錠剤が一側方から斜めになりながら転がり落ちるように落下する場合があり、これにより径方向を縦又は斜めにした立位状態で扁平錠剤tがカプセルボディm内に落下し、カプセルボディm内に立位状態の扁平錠剤tが生じる場合がある。また、上記シャッター板gがスライドする際の摩擦によって錠剤保持穴f最下部の錠剤が立位状態になる場合もある。
【0009】
更に、錠剤保持穴fからカプセル保持ブロックkに保持されたカプセルボディmに各錠剤tが落下する際に、穴の内周面や該内周面と段差になったカプセルボディの開口縁に、錠剤tの一部が接触して該錠剤tが回転し立位状態となる場合もある。
【0010】
このようにしてカプセルボディm内に立位状態の錠剤が生じると、立位錠剤がカプセルボディm内で縦方向に大きなスペースを占めることになり、所定個数の錠剤tがカプセルボディm内に収容し得なくなってしまう。また、収容しきれずにカプセル保持ブロックkからはみ出した錠剤が錠剤の通過経路を閉塞し、後続の扁平錠剤を連鎖的に詰まらせることになり、上記シャッター板gの動作などによって錠剤が破損して、細かい破損片が各部を詰まらせるなどの大きなトラブルになることもある。
【0011】
【特許文献1】特開平5−170201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、所定個数の扁平錠剤を平伏状態でカプセルボディに充填する際に、該扁平錠剤が立位状態になる不都合を可及的に防止して、確実かつ安定的に扁平錠剤の充填作業を行うことができるカプセルボディへの錠剤充填方法及び該充填方法を用いたカプセルへの錠剤充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するため、平伏状態で鉛直方向に沿って積重した状態に整列した所定個数の扁平錠剤を、下方に配置したカプセルボディ内に落とし込んで、該カプセルボディ内に所定個数の扁平錠剤を充填するカプセルボディへの錠剤充填方法において、
鉛直方向に沿った軸心を有する収容穴に、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で同軸上に積重した状態に収容すると共に、該収容穴の下端部に配設した錠剤保持手段で最下位置の扁平錠剤の周縁部を支持することにより、これらの扁平錠剤を上記平伏積重状態で上記収容穴内に保持し、この状態で該収容穴の直下にカプセルボディを配置して上記錠剤保持手段による最下位置錠剤の支持状態を解除することにより、上記複数の扁平錠剤が平伏状態で積重した扁平錠剤群を上記収容穴からカプセルボディ内に落とし込むことを特徴とするカプセルボディへの錠剤充填方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記本発明の錠剤充填方法により扁平錠剤をカプセルに充填する装置として、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で鉛直方向に沿って積重した状態に整列させ、この所定個数の扁平錠剤をカプセルボディに投入充填する錠剤充填装置において、鉛直方向に沿った軸心を有し、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で鉛直方向に沿って積重した扁平錠剤群を収容する収容穴と、上記収容穴に所定個数の扁平錠剤を供給して、上記扁平錠剤群を上記収容穴内に形成する錠剤供給機構部と、上記扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を支持して、該扁平錠剤群を上記収容穴内に保持する錠剤保持手段と、上記収容穴の直下にカプセルボディを配置するカプセルボディ配置機構部とを具備し、上記錠剤保持手段によって支持された扁平錠剤群の最下位置の錠剤の支持状態を解除して、該扁平錠剤群を上記収容穴から上記カプセルボディ内に落とし込むことを特徴とするカプセルへの錠剤充填装置を提供する。
【0015】
即ち、本発明の錠剤充填方法は、上述のように、上記収容穴内に所定個数の扁平錠剤を平伏状態で収容し、所定個数の扁平錠剤が平伏状態で積重した扁平錠剤群を上記収容穴内に形成すると共に、該扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を錠剤保持手段で挟持するなどして該錠剤の周縁部を支持することにより、上記扁平錠剤群を上記収容穴内に保持し、この状態で該収容穴の直下にカプセルボディを配置して、上記錠剤保持手段による扁平錠剤群最下位置の錠剤の支持状態を解除することにより、該扁平錠剤群を収容穴の下端面から落下排出して、カプセルボディに落とし込むものである。
【0016】
また、本発明の錠剤充填装置は、上記錠剤供給機構部により扁平錠剤を上記収容穴に供給して、該収容穴内に所定個数の扁平錠剤が平伏状態で積重した扁平錠剤群を形成し、該扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を上記錠剤保持手段で支持し、該扁平錠剤群を一旦収容穴内に保持し、この収容穴の直下に上記カプセルボディ配置機構部によりカプセルボディを配置して、上記錠剤保持手段による上記最下位置の錠剤の支持状態を解除し、上記扁平錠剤群を収容穴の下端面から落下排出して、カプセルボディに落とし込むものである。
【0017】
このように、本発明では、収容穴の下端部に設けた錠剤保持手段により該扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を挟持するなどして該錠剤の周縁部を支持して該扁平錠剤群を収容穴内に保持し、またこの錠剤保持手段による上記最下位置の錠剤周縁部の支持状態を解除して、扁平錠剤群をカプセルボディに落とし込むようになっている。このため、扁平錠剤を収容した穴状の収容部下端面をスライド運動するシャッター板により開閉する従来装置の場合のように、下端面が一側方から徐々に開いていく開放動作とは異なり、周縁部が挟持されるなどの手段により周縁部が支持されて保持されていた扁平錠剤のその支持状態が一時に解除されて保持状態が解除されるため、この最下位置の錠剤に回転させるような力が作用することなく、またシャッター板開閉時のように摩擦による回転力が作用することもなく、平伏状態のまま確実に扁平錠剤の保持状態を解除してカプセルボディへと落とし込むことができるものである。
【0018】
また、本発明は好適な実施態様として、上記収容穴内に収容された扁平錠剤群の最上位置の錠剤に上から充填時錠剤押えピンを当接させて上記扁平錠剤群を所定の力で下方へと押え、この状態で上記錠剤保持手段による最下位置の錠剤の支持状態を解除して、上記扁平錠剤群を上記充填時錠剤押えピンと共に下方へと落下させ、上記充填時錠剤押えピンで上記扁平錠剤群を上から押えながらカプセルボディ内に落とし込むことにより、該押えピンによって上記扁平錠剤群を構成する各扁平錠剤の平伏状態を保持しつつカプセルボディ内に扁平錠剤を充填するように構成した請求項1記載のカプセルボディへの錠剤充填方法、及び、
上記収容穴内に上方から進入して、該収容穴内に収容された上記扁平錠剤群の最上位置の錠剤に当接し、上記扁平錠剤群を所定の圧力で下方へと押え、該扁平錠剤群がカプセルボディへと落とし込まれる際に、該扁平錠剤群と共に下方へと降下する充填時錠剤押えピンを具備する上記本発明のカプセルへの錠剤充填装置を提供する。
【0019】
即ち、この実施態様の充填方法及び充填装置では、上記収容穴内に保持された扁平錠剤群をカプセルボディへと落とし込む際に、上下動可能に配設された充填時錠剤押えピンを扁平錠剤群の最上位置の錠剤に上から当接させ、該充填時錠剤押えピンで上記扁平錠剤群を所定の力で下方へと押えながら、この充填時錠剤押えピンと共に扁平錠剤群を下方へと落下させて、カプセルボディへと落とし込むようにしたものである。
【0020】
このため、収容穴から下方のカプセルボディへと落下する扁平錠剤群は、上記充填時錠剤押えピンで上から押えられながらカプセルボディへと落下することになり、扁平錠剤群を構成する各扁平錠剤の平伏姿勢が充填時錠剤押えピンにより良好に保持されながら、カプセルボディへと落とし込まれるものである。よって、落下時に収容穴の内周面やカプセルボディの上端縁に扁平錠剤の周縁部が接触しても各扁平錠剤は良好に平伏状態を維持したままカプセルボディへと充填され、立位状態の扁平錠剤を生じさせることなく、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で確実にカプセルボディへと充填することができるものである。
【発明の効果】
【0021】
上述のように、本発明のカプセルボディへの錠剤充填方法、及びカプセルへの錠剤充填装置によれば、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で確実にカプセルボディへと充填することができ、立位状態の扁平錠剤が生じることによる不都合の発生を可及的に防止して、錠剤を充填したカプセル剤を良好に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態及び実施例】
【0022】
以下実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
図1,2は、本発明の充填方法により扁平錠剤をカプセルボディへと充填するように構成したカプセルへの錠剤充填装置を示すもので、錠剤供給機構部1と、錠剤充填部2と、カプセル分離/結合部3(カプセルボディ配置機構部)とを具備しており、上記錠剤供給機構部1で、複数種(本例では4種類)の扁平錠剤を所定個数ずつ(本例では1個ずつ)纏めた扁平錠剤群を形成して錠剤充填部2へと供給すると共に、上記カプセル分離/結合部3でキャップとボディとを仮結合した空カプセルをキャップとボディとに分離し、そのカプセルボディに上記錠剤充填部2で本発明の充填方法により所定個数の扁平錠剤からなる上記扁平錠剤群を充填し、カプセル分離/結合部3でこのカプセルボディとキャップとを再び結合させて、所定個数の扁平錠剤が充填されたカプセル剤を製するものである。
【0023】
上記錠剤供給部1は、図1,2に示されているように、間歇回転する計数ディスク11と、4つの錠剤定数供給部12a〜12dとを具備している。図2に示されているように、上記計数ディスク11の周縁部には、30度ずつ変位して12箇所に、一列5個の計数孔111が3列平行に並設された計数孔群が形成されており、図2中反時計方向に30度ずつ所定速度で間歇回転するようになっている。
【0024】
この計数ディスク11の下側には、上記4つの錠剤定数供給部12a〜12dの配設位置に対応して、それぞれ図3,4に示した錠剤保持ピン112が上記計数孔111に対応して5本一列で3列の合計15本配設されており、この錠剤保持ピン112は、図示しない駆動源により昇降運動する基台113(図3参照)上に立設されており、上昇することによって上記計数孔111の底壁に形成された貫通孔114を通って上記計数孔111内に進入し、また最下点まで降下することにより(図3に一点鎖線で示した状態)、上記計数孔111及び貫通孔114から完全に退去するようになっている。なお、図3,4は、一の錠剤定数供給部12bを示すものであるが、後述する錠剤保持ピン112の上昇高さ以外は、他の錠剤定数供給部12a,12c,12dも同様の構成を有している。
【0025】
ここで、上記計数孔111は、図3,4に示されているように、いずれも上端面が開放し、下端面には貫通孔114を有する底壁が形成されており、充填対象の扁平錠剤tの直径よりもやや大きな内径を有し、該扁平錠剤tを平伏状態で収容し得るようになっている。
【0026】
また、上記錠剤保持ピン112は、上述のように、4つの錠剤定数供給部12a〜12dにそれぞれ対応して4箇所に配設されているが、その配設箇所に応じてそれぞれ上昇時の最上点が異なっている。即ち、計数ディスク11の回転方向に沿って最も上流側の錠剤定数供給部12a配設位置(図2参照)では、図12(A),(B)に示されているように、各錠剤保持ピン112の先端が計数ディスク11の上面とほぼ一致する位置まで上昇し、錠剤定数供給部12から供給される扁平錠剤tを計数孔11の上端部分で受け止めるようになっており、また計数ディスク11の回転方向に沿った2番目の錠剤定数供給部12b配設位置(図2参照)では、図13(A),(B)に示されているように、計数孔111内に収容された1個の錠剤tを計数ディスク11の上面とほぼ一致する高さに押し上げる位置まで上昇し、この錠剤tにより錠剤定数供給部12から供給される扁平錠剤tを計数孔11の上端部分で受け止めるようになっており、計数ディスク11の回転方向に沿った3番目の錠剤定数供給部12c配設位置(図2参照)では、図14(A),(B)に示されているように、計数孔111内に収容された2個の錠剤tを上側の錠剤が計数ディスク11の上面とほぼ一致する高さに押し上げる位置まで上昇し、この上側の錠剤tにより錠剤定数供給部12から供給される扁平錠剤tを計数孔11の上端部分で受け止めるようになっており、更に計数ディスク11の回転方向に沿って4番目の錠剤定数供給部12d配設位置(図2参照)では、図15(A),(B)に示されているように、計数孔111内に収容された3個の錠剤tを最上位置の錠剤が計数ディスク11の上面とほぼ一致する高さに押し上げる位置まで上昇し、この最上位置の錠剤tにより錠剤定数供給部12から供給される扁平錠剤tを計数孔11の上端部分で受け止めるようになっている。
【0027】
上記計数ディスク11は、図1,2に示されているように、その周縁部の一部(上記錠剤定数供給部12aと12dとの間部分)が、上記錠剤充填部2を構成する充填ディスク21の下側に重なった状態となっており、この部分で上記計数孔111内の扁平錠剤tを錠剤充填部2の充填ディスク21に供給するようになっている。
【0028】
この計数ディスク11と充填ディスク21との重なり合い部分には、図8に示されているように、上記計数ディスク11の下側に存して、錠剤排出ピン115が上記計数孔111に対応して5本一列で3列の合計15本配設されており、この錠剤排出ピン115は、図示しない駆動源により昇降運動する基台116上に立設されており、上昇することによって上記計数孔111の底壁に形成された貫通孔114を通って上記計数孔111内に進入し、また最下点まで降下することにより、上記計数孔111及び貫通孔から完全に退去するようになっている。
【0029】
次に、この錠剤供給機構部1を構成する上記錠剤定数供給部12a〜12dは、いずれも同様の構成を有しており、図1に示されているように、姿勢変換ブロック13、定数供給機14、ボウルフィーダ15及びホッパー16を具備している。
【0030】
上記姿勢変換ブロック13には、図3,4に示されているように、上記計数ディスク11に形成された計数孔111の配列に対応して、一列5本の姿勢変換通路131が3列並設されて、合計15本の姿勢変換通路131が形成されている。この姿勢変換通路131は、充填対象の扁平錠剤tの直径よりもやや大きな二辺と扁平錠剤tの厚さよりもやや大きな二辺を有する略長四角形の断面を有する貫通穴路であり、図4に示されているように、上部から中間部がほぼ垂直で、下部がほぼ90度まで湾曲する曲線部となっており、下端開後面は、上記扁平錠剤tよりもやや大きな開口に形成されている。
【0031】
そして、この姿勢変換ブロック13は、図3,4に示されているように、下端面を上記計数ディスク11の上面に近接させた状態に配設されており、上方に配設された定数供給機14から径方向を上下にした直立状態の扁平錠剤tが上記各姿勢変換通路131に投入され、図4に示されているように、この扁平錠剤tを下部の曲線部で平伏状態に姿勢変換して、上記計数ディスク11の各計数孔111上に平伏状態の扁平錠剤tを供給するようになっている。なお、図3及び図12〜15中の参照符号132は、上記各姿勢変換通路131の上記曲線部の上部に設けられた圧空噴射ノズルであり、この圧空噴射ノズル132から上記姿勢変換通路131の上記曲線部に下方へと向けて圧空を噴射し、扁平錠剤tの送行が滞りやすい曲線部に下方へと流れる気流を形成して、扁平錠剤tをスムーズに姿勢変換すると共に、この曲線部をスムーズに通過させるようになっている。
【0032】
次に、上記定数供給機14は、5本の錠剤整列路142を有するシュートブロック141を有している。このシュートブロック141に形成された上記錠剤整列路142は、上記姿勢変換通路と同様に扁平錠剤tの直径よりもやや大きな二辺と扁平錠剤tの厚さよりもやや大きな二辺を有する略長四角形の断面を有する貫通穴路であり、図3,4に示されているように、上端開口から連続的に投入される扁平錠剤tを径方向を上下にした直立状態で鉛直方向に沿って一列に整列させた状態で収容し、下端開口から排出するようになっている。
【0033】
このシュートブロック14の下側には、該シュートブロック14の下端面に近接して移送プレート143がスライド運動可能に配設されている。この移送プレート143には、上記姿勢変換ブロック13の姿勢変換通路131に対応して15個の錠剤保持穴144が整列形成されており、この各錠剤保持穴144に上記錠剤整列路142の下端から直立状態の扁平錠剤tを収容して保持し、この移送プレート143のスライド運動により15個の扁平錠剤tを直立状態で上記姿勢変換ブロック13の各姿勢変換通路131上に移動させるようになっている。
【0034】
この移送プレート143の下側には、上記各錠剤保持穴144の下端面を開閉するシャッター板145が配設されており、図3に一点鎖線で示されているように、図示しない駆動源によりこの移送プレート143とシャッター板145が一体的にスライド運動して、上記のように扁平錠剤tを上記姿勢変換通路131上に移動させるようになっている。また、上記シャッター板145は図示しないエアーシリンダーにより駆動されてスライドすることにより、上記錠剤保持穴144の下端面を開閉するようになっている。
【0035】
なお、図3中の参照符号146は、色差により異種錠剤の混入を検出するセンサーであり、また参照符号147は一時的に扁平錠剤tの落下を停止させるストッパである。
【0036】
上記ボウルフィーダ15は、図5,6に示されているように、略皿状の錠剤収容部151と、該錠剤収容部151に極小さく往復回動運動する微振動を与える振動器154とを具備しており、ホッパー16から錠剤収容部151上に連続的に供給される扁平錠剤を振動器154による微振動によって、図6中時計回り(図中矢印方向)に移動させ、錠剤収容部151上に形成された5つの姿勢制御溝152で扁平錠剤を直立姿勢に姿勢制御して、コイルホース153(図5及び図3,4参照)を通して上記シュートブロック14の各錠剤整列路142に連続的に送るようになっている。
【0037】
上記姿勢制御溝152は、図7に示されているように、扁平錠剤tの移動方向(図中矢印方向)に沿って、底壁の一側方が徐々に上方へと傾斜していくと共に、溝の幅が漸次狭くなるように形成されており、この姿勢制御溝152内を移動する扁平錠剤tは、図7a〜dに順次示されているように、徐々に平伏姿勢から直立姿勢に姿勢制御され、姿勢制御溝152の終端部底壁に形成された排出穴152aから直立姿勢で下方へと排出されるようになっている。そして、この姿勢制御溝152の排出穴152aと上記シュートブロック141の錠剤整列路142上端面とがコイルホース153で連絡されており、上記シュートブロック141の錠剤整列路142に扁平錠剤tが直立姿勢で連続的に供給されるようになっている。
【0038】
なお、図5,6中の参照符号161は、上記ボウルフィーダ15の錠剤収容部151上を流れる扁平錠剤の上面を検出して過剰供給を検知するセンサーであり、このセンサー161で過剰供給が検知された際には、ホッパー16からの錠剤供給が一時的に停止するようになっている。
【0039】
次いで、上記錠剤充填部2は、図1,2,8に示されているように、所定速度で間歇回転する充填ディスク21を具備しており、この充填ディスク21の周縁部には、図2に示されているように、上記計数孔111と同様に5個一例で3列に整列した合計15個の収容穴211で構成された収容穴群からなる収容穴部が、90度ずつ変位して4箇所に形成されている。
【0040】
この充填ディスク21は、図8〜11に示されているように、間歇回転するディスク本体22と、該ディスク本体22の周縁部に嵌着固定された収容穴形成部材23と、該収容穴形成部材23と上記ディスク本体22との間に配設された錠剤保持部材24とで構成されている。そして、これらディスク本体22、収容穴形成部材23及び錠剤保持部材24により上記各収容穴211が形成されている。
【0041】
上記ディスク本体22は、図示しない駆動源により間歇回転する円板状の部材であり、その周縁部上面には、図10(A)及び図11に示された収容穴部形成用凹部221が90度ずつ変位して4箇所に形成されている。この収容穴部形成用凹部221は、図10(A)及び図11に示されているように、略四角形の凹部本体221aがディスク周縁に開放した状態に形成されていると共に、この凹部本体221aの両側縁部に段差を介して底浅の形成部材取付け部221bが形成されており、更に後端縁部にはやはり段差を介して底浅のエアーシリンダー取付け部221cが形成されている。また、上記凹部本体221aの底壁には、1列5個の貫通穴222が3列に整列して形成されており、更に上記形成部材取付け部221b及びエアーシリンダー取付け部221cには、それぞれ収容穴形成部材23及びエアーシリンダーを固定するためのネジ穴が設けられている。
【0042】
また、上記収容穴形成部材23は、図10(B)及び図11に示されているように、1列5個の貫通穴231が3列に整列して形成された厚肉板状の部材であり、上記収容穴部形成用凹部221に嵌入され、両側縁部を上記形成部材取付け部221bにねじ止めすることにより、固定されている。この収容穴形成部材23の下面には、断面C字状の小突起が上記各貫通穴231と連通した状態に突設されており、この小突起が上記凹部本体221aの貫通穴222と連通した状態で、該凹部本体221aの底面に当接した状態となっている。これにより、収容穴形成部材の貫通穴231と凹部本体221a底壁の貫通穴222とが上記断面C字状の小突起を介して連通し、図11に示されているように、これら両貫通穴231と222とで上記収容穴211が形成されている。そして、上記収容穴形成部材23下面と凹部本体221a底面との間には、空間部が形成されていると共に、上記収容穴形成部材23下面に突設された上記C字状小突起の切欠部分は、この空間部と上記収容穴211とを貫通する貫通窓212となっている。
【0043】
次に、上記錠剤保持部材24は、図10(C),(D)に示されているように、略変形四角形の挟持孔241が一列に5個ずつ3列に整列して形成された板状の部材であり、エアーシリンダー25に取り付けられたアーム板242に支持柱243,243を介して支持されたものである。この錠剤保持部材24は、図11に示されているように、上記収容穴形成部材23下面と凹部本体221a底面との間に形成された上記空間部にスライド可能に配置され、上記エアーシリンダー25がスペーサ252を介して上記エアーシリンダー取付け部221cに固定されることにより、収容穴部形成用凹部221に取り付けられている。ここで、この錠剤保持部材24は、図11に示されているように、上記各挟持孔241が上記各収容穴211を囲うように上記空間部に配置される。
【0044】
ここで、上記錠剤保持部材24は、2枚の板状部材を張り合わせて形成されていると共に、両板状部材間にはシリコーンゴムが挟み込まれており、そのシリコーンゴムが部分的に上記各挟持孔241内に突出し、このシリコーンゴム突出部が扁平錠剤を挟持する挟持部244となっている(図10(c)及び図11(A)参照)。そして、この挟持部244は、図11(A)に示されているように、上記収容穴211に形成された上記貫通窓212に挿入され、この貫通窓212を通して収容穴211内に臨む状態となっている。
【0045】
この錠剤保持部材24は、上記エアーシリンダー25に駆動されてスライド運動するようになっており、一方向にスライドすることによって上記各挟持孔241の挟持部244が上記貫通窓212から各収容穴211内に進入し、各収容穴211内に収容された扁平錠剤tを挟持するようになっており、また逆方向にスライドすることにより、上記各挟持部244が上記各収容穴211から退去するようになっている。なお、図8,9及び図10(C)(D)中の参照符号251は、上記エアーシリンダー25に圧空を供給するエアーパイプであり、各エアーパイプ251の他端は、特に図示していないが、充填ディスク21を支持している支柱29に設けられた市販の「配管回転部用多回路ブロック」(図示せず)に接続されている。
【0046】
本実施例充填装置の上記充填部2を構成する上記充填ディスク21には、上述のように、上記収容穴211が一列5個で3列に整列して形成された収容穴群からなる収容穴部が90度ずつ変位して4箇所に形成されており(図9参照)、この充填ディスク21が所定速度で90度ずつ間歇回転するようになっている。そして図8に示されているように、該充填ディスク22は、その周縁部の一部が上記計数ディスク11の周縁部の上に重なり合うように配設されていると共に、この部分と180度変位した位置でも上記カプセル分離/結合部3のボディディスク32の上に重なり合うように配設されている。そして、回転動作が間歇的に停止したとき、上記計数ディスク11との重なり合い部分では、充填ディスク21の上記収容穴211と計数ディスク11の上記計数穴111とが一致した連通状態となり、また上記ボディディスク32との重なり合い部分では、充填ディスク21の上記収容穴211とボディディスク32のボディ保持穴321とが一致した連通状態となるようになっている。
【0047】
また、上記計数ディスク11と充填ディスク21との重なり合い部分では、充填ディスク21の上方に、上記収容穴211と同様に配列された15本の供給時錠剤押えピン26が上下動可能に配設されていると共に、上記ボディディスク32と充填ディスク21との重なり合い部分にも、充填ディスク21の上方に、上記収容穴211と同様に配列された15本の充填時錠剤押えピン27が上下動可能に配設されている。
【0048】
これら供給時錠剤押えピン26と充填時錠剤押えピン27は、いずれも図示しない駆動源により上下動するアーム体28に支持されて上下動するようになっており、降下することにより、充填ディスク21の収容穴211内に進入し、また上昇することにより該収容穴211から上方に退去するようになっている。更に、これら供給時錠剤押えピン26及び充填時錠剤押えピン27は、いずれも上下動自在に上記アーム体28に支持されており、このアーム体28に対しても所定の範囲で自由に上下動し得るようになっている。
【0049】
なお、この充填部2には、特に図示していないが、上記収容穴211内に収容された扁平錠剤tの上面を上から検出するレーザ式高精度変位センサーが配設されており、この変位センサーによって各収容穴211内に収容された扁平錠剤tの高さを測定し、各収容穴211内に所定個数(本例では4個)の扁平錠剤tが収容されているかを確認するようになっている。
【0050】
次に、上記カプセル分離/結合部3は、図1に示されているように、互いに所定間隔離間して平行に配設されたキャップディスク31,ボディディスク32の2枚のディスクと、3器のドラム331,332,333からなるカプセル供給部と、ホッパー34とを具備している。
【0051】
このカプセル分離/結合部3は、キャップとボディとを仮結合した空カプセルを一旦キャップとボディとに分離してそのカプセルボディを上記充填部2に搬送し、該充填部2で錠剤が充填されたカプセルボディを再びキャップと結合させて錠剤が充填されたカプセル剤とするものである。
【0052】
即ち、上記空カプセルを上記ホッパー34から連続的に供給し、この空カプセルを上記3つのドラム331,332,333の外周面に形成されたポケットに収容して、各ドラム331,332,333間で受け渡しを行いながら下方へと搬送し、この各ドラム331,332,333での搬送中に全部の空カプセルをキャップを上にした正立状態に姿勢制御し、この空カプセルを下方のキャップディスク31へと送る。そして、カプセル分離機構部35(図2参照)で所定の手段により空カプセルをキャップとボディとに分離してキャップを上記キャップディスク31のキャップ保持孔311(図2参照)に保持して搬送すると共に、カプセルボディを上記ボディディスク32のボディ保持穴321に保持して上記充填ディスク21の下側へと搬送し(図8参照)、ここで所定個数の錠剤tが充填されたカプセルボディを更に搬送してカプセル結合部36(図2参照)で所定の手段によりカプセルボディとキャップとを結合して錠剤が充填されたカプセル剤とし、キャップディスク31の上側に排出して排出シュート37(図1,2参照)を通して回収するものである。
【0053】
ここで、上記ボディディスク32は、図8に示されているように、その周縁部の一部が、上述のように上記充填ディスク21の下側に重なり合った状態となっており、この部分でボディディスク32の各ボディ保持穴321と充填ディスク21の上記各収容穴211とが一致して互いに連通した状態となる。そして、この重なり部分には、上記ボディディスク32の下側に、ボディ保持ピン322が上下動可能に配設されており、このボディ保持ピン322は図示しない駆動源により上昇して上記ボディ保持穴321内に進入し、該ボディ保持穴321内に収容されたカプセルボディmをボディ保持穴321の上端縁部まで持ち上げ、また降下することにより、上記ボディ保持穴321から退去するようになっている。
【0054】
次に、本実施例の錠剤充填装置を用いてカプセルに扁平錠剤を充填する際の動作について説明する。
本実施例の錠剤充填装置は、4種類の扁平錠剤をそれぞれ1つずつ合計4個の扁平錠剤を一のカプセルに充填して、異なる4種類の扁平錠剤が充填されたカプセル剤を製するものであり、上記4つの錠剤定数供給部12a〜12dの各ホッパー16にそれぞれ異なる扁平錠剤tを投入する。この場合、各扁平錠剤はそれぞれ異なる薬種のものであっても全て同一の形状及び大きさに成形されている。
【0055】
この状態で装置を起動すると、上記錠剤定数供給部12a〜12dが錠剤供給動作を行うと共に、上記計数ディスク11が所定速度で間歇回転し、上記各錠剤定数供給部12a〜12dの配設箇所で上記計数ディスク11の計数孔111に各扁平錠剤tが順次投入され、各計数孔111内に4個の扁平錠剤が平伏状態で積重した状態に収容される。このときの、上記錠剤定数供給部12a〜12dによる錠剤投入動作は、次の通りである。
【0056】
まず、ホッパー16(図1,5参照)にランダムに投入された扁平錠剤tがボウルフィーダ15の錠剤収容部151上に連続的に供給され、その扁平錠剤tが微振動により錠剤収容部151上を図6中の矢印方向に移動して、順次錠剤収容部151上に形成された上記姿勢制御溝152内に進入し、図7に示されているように、この姿勢制御溝152内を進行しながら、直立姿勢に姿勢制御され、直立姿勢でコイルホース153内へと連側的に落下していく。
【0057】
このコイルホース153内を落下した扁平錠剤tは、図3に示されているように、シュートブロック141の錠剤整列路142内に直立姿勢のまま投入され、該錠剤整列路142の下端で上記移送プレート143の各錠剤保持穴144に収容され、この移送プレート143がスライドして扁平錠剤tが直立姿勢で上記姿勢変換ブロック13の各姿勢変換通路131の直上に配置される。
【0058】
そして、最上流側の錠剤定数供給部12aでは、図12(A)に示されているように、まず計数ディスク11の下側に配設された上記錠剤保持ピン112が上昇して各計数孔111内に進入し、その先端が計数ディスク11の上面とほぼ一致する位置で停止する。この状態で、図12(B)に示されているように、図示しない駆動源により移送プレート143下面のシャッター板145がスライドして各錠剤保持穴144の下端面が開放し、各扁平錠剤tが直立状態で上記姿勢変換ブロック13の各姿勢変換通路131内に投入され、該姿勢変換通路131内を落下し上記曲線部(図4参照)で平伏状態に姿勢変換して上記各計数孔111の直上に送られ、上記錠剤保持ピン122に受け止められる。次いで、図12(C)に示されているように、上記錠剤保持ピン112が降下して錠剤tが平伏状態で計数孔111の底部に保持されると共に、錠剤保持ピン112が計数孔111から退去し、この状態で、計数ディスク11が間歇回転して、この錠剤tが収容された各計数孔111が次の錠剤定数供給部12bの配設箇所へと搬送される。
【0059】
ここで、上記シュートブロック141の錠剤整列路142から上記移送プレート143を介して上記姿勢変換ブロック13の姿勢変換通路131へと扁平錠剤tを投入する際の詳細な動作は、次の通りである。
まず、扁平錠剤tを上記姿勢変換通路131に投入して各錠剤保持穴144が空の状態になっている上記移送プレート143が、シャッター板145で各錠剤保持穴144を閉じた状態で後方へとスライドし、図3に一点鎖線で示した位置へと移動する。このとき、上記ストッパ147で上記錠剤整列路142内の最下位置に収容されている扁平錠剤を押圧してロックした状態で、上記移送プレート143を後方へとスライドされると共に、該移送プレート143は後端部が厚くなったテーパ状に形成されているため、後方へとスライドする上記移送プレート143上面と上記錠剤整列路142最下位置の錠剤とは離間した状態となり、扁平錠剤が削れるような不都合なく移送プレート143が後退するようになっている。このように移送プレート143が後退した後、上記ストッパ147による最下位置錠剤のロック状態が解除され、上記移送プレート143が前方へとスライドし、各錠剤保持穴144に上記錠剤整列路142から扁平錠剤tが収容され、前方へと運ばれて、上記姿勢変換通路131の直上に配置される。そして、上述のように、シャッター板145がスライドして各錠剤保持穴144の下端面が開放し、各扁平錠剤tが上記各姿勢変換通路131内に投入される。
【0060】
次に、2番目の錠剤定数供給部12bでは、図13(A)に示されているように、まず錠剤保持ピン112が上昇して各計数孔111内に進入し、各計数孔111内に収容された先行扁平錠剤tを計数ディスク11の上面とほぼ一致する位置まで持ち上げて停止する。この状態で、図13(B)に示されているように、上記錠剤定数供給部12aと同様にシャッター板145をスライドさせて各錠剤保持穴144の下端面を開放し、各扁平錠剤tを各姿勢変換通路131を通して平伏状態に姿勢変換すると共に、上記各計数孔111の直上に送り、この各扁平錠剤tが上記計数孔111の上端面上で上記先行扁平錠剤上に受け止められる。次いで、図13(C)に示されているように、上記錠剤定数供給部12aと同様に、上記錠剤保持ピン112が降下して計数孔111から退去し、2個の扁平錠剤tが各計数孔111の底部に保持された状態で計数ディスク11が間歇回転し、2個の扁平錠剤tが収容された各計数孔111が次の錠剤定数供給部12cの配設箇所へと搬送される。
【0061】
3番目の錠剤定数供給部12cでは、図14(A)に示されているように、まず錠剤保持ピン112が上昇して各計数孔111内に進入し、各計数孔111内に収容された2個の先行扁平錠剤tを上方に持ち上げ、最上位置の先行扁平錠剤tが計数ディスク11の上面とほぼ一致する位置で停止する。この状態で、図14(B)に示されているように、上記錠剤定数供給部12a,12bと同様にシャッター板145をスライドさせて各錠剤保持穴144の下端面を開放し、各扁平錠剤tを各姿勢変換通路131を通して平伏状態に姿勢変換すると共に、上記各計数孔111の直上に送り、この各扁平錠剤tが上記計数孔111の上端面上で上記最上位置の先行扁平錠剤t上に受け止められる。次いで、図14(C)に示されているように、上記錠剤定数供給部12a,12bと同様に、上記錠剤保持ピン112が降下して計数孔111から退去し、3個の扁平錠剤tが各計数孔111の底部に保持された状態で計数ディスク11が間歇回転し、3個の扁平錠剤tが収容された各計数孔111が次の錠剤定数供給部12dの配設箇所へと搬送される。
【0062】
次いで、4番目の錠剤定数供給部12cでは、図15(A)に示されているように、錠剤保持ピン112が上昇して各計数孔111内に進入し、各計数孔111内に収容された3個の先行扁平錠剤tを上方に持ち上げ、最上位置の先行扁平錠剤tが計数ディスク11の上面とほぼ一致する位置で停止する。この状態で、図15(B)に示されているように、上記錠剤定数供給部12a〜12cと同様にシャッター板145をスライドさせて各錠剤保持穴144の下端面を開放し、各扁平錠剤tを各姿勢変換通路131を通して平伏状態に姿勢変換すると共に、上記各計数孔111の直上に送り、この各扁平錠剤tが上記計数孔111の上端面上で上記最上位置の先行扁平錠剤t上に受け止められる。次いで、図15(C)に示されているように、上記錠剤定数供給部12a〜12cと同様に、上記錠剤保持ピン112が降下して計数孔111から退去し、4個の扁平錠剤tが各計数孔111の底部に保持された状態となる。
【0063】
このようにして、4種類の扁平錠剤が1個ずつ平伏状態で鉛直方向に沿って積重した扁平錠剤群が各計数孔111内に形成され、保持される。そして、計数ディスク11の間歇回転により、該計数ディスク11と上記充填ディスク21とが重なり合った位置に搬送され、この位置で上記扁平錠剤群が計数ディスク11の各計数孔111から上記充填ディスク21の各収容穴211に移し替えられる。この移し替え動作は、次の通りである。
【0064】
図16(A)に示されているように、まず上記アーム体28が降下して該アーム体28に支持された上記各供給時錠剤押えピン26が充填ディスク21の各収容穴211内に上方から進入し各供給時錠剤押えピン26の先端が各収容穴211の下部に位置した状態となる。それとほぼ同時に、計数ディスク11の下側に配設された錠剤排出ピン115が上昇して上記各計数孔111内に下から進入し、図16(B)に示されているように、各計数孔111内に保持された上記扁平錠剤群を上方へと押し上げ、計数孔111から上方へと排出すると共に、上記充填ディスク21の各収容穴211に下側から送入する。
【0065】
このとき、各収容穴211内に進入した上記各供給時錠剤押えピン26の先端が各扁平錠剤群の最上位置の扁平錠剤tに当接し、各供給時錠剤押えピン26が自重によって各扁平錠剤群を上から押さえ、この状態のまま各扁平錠剤群は各供給時錠剤押えピン26を押し上げながら、上記各収容穴221内に送入され、最下位置の扁平錠剤が上記錠剤保持部材24配設位置に達したところで、この最下位置の錠剤が該錠剤保持部材24により挟持され、各扁平錠剤群が収容穴211内に保持される。
【0066】
即ち、図17(A)に示されているように、錠剤排出ピン115により収容穴211内に送入された扁平錠剤群の最下位置の錠剤tが錠剤保持部材24の配設位置に達すると、上記エアーシリンダー25(図9などを参照)が作動して該錠剤保持部材24を一方向にスライドさせ、錠剤保持部材24の上記各挟持部244が各貫通窓212から各収容穴211内に進入し、この挟持部244が上記最下位置の扁平錠剤tの周縁部を水平方向に押圧して、該挟持部244と収容穴211の内周面とで上記最下位置の扁平錠剤の周縁部が挟持され、上記扁平錠剤群が各収容穴211内に保持される。
【0067】
この状態で、図16(C)及び図17(B)に示されているように、上記錠剤排出ピン115が下降して上記計数孔111から退去すると共に、上記アーム体28が上昇して供給時錠剤押えピン26の先端が扁平錠剤群の最上位置錠剤から離間する。そして、充填ディスク21及び計数ディスク11が間歇回転し、各収容穴211に保持された各扁平錠剤群が上記ボディディスク32との重なり位置に搬送されると共に、計数孔111には再び錠剤定数供給部12a〜12dにより扁平錠剤が投入される。
【0068】
上記収容穴211内に保持されて上記ボディディスク32上に搬送された各扁平錠剤群は、ボディディスク32のボディ保持穴321内に保持された各カプセルボディm内に投入され充填される。その動作は次の通りである。
【0069】
上記充填ディスク21とボディディスク32との重なり合い部分では、図8に示されているように、各収容穴211と各ボディ保持穴321とが一致して連通した状態で、両ディスク21,32が間歇的に停止する。この状態で、図18(A)に示されているように、まずボディディスク32の下方に配設された上記ボディ保持ピン322が上昇して上記ボディ保持穴321内に下から進入し、該ボディ保持穴321内のカプセルボディmを上方へと押し上げ、カプセルボディmの上端開口部がボディディスク32上面とほぼ一致した状態となる。
【0070】
これとほぼ同時に、図18(B)に示されているように、上記アーム体28が降下して該アーム体28に支持された上記充填時錠剤押えピン27が下降し、その先端が上記収容穴211内に保持された扁平錠剤群の最上位置の錠剤tに当接して、該充填時錠剤押えピン27の自重により扁平錠剤群が上から押えられた状態となる。即ち、図19(A)に示されているように、充填ディスク21の各収容穴211に収容保持された各扁平錠剤群は、最上位置の錠剤tに上記充填時錠剤押えピン27が当接し、この充填時錠剤押えピン27の自重によって扁平錠剤群が上から押えられた状態となっており、この状態で最下位置の錠剤tが上記錠剤保持部材24の挟持部244で挟持され、収容穴211内に保持されている。
【0071】
この状態で、上記エアーシリンダー25が作動して上記錠剤保持部材24を逆方向にスライドさせ、該錠剤保持部材24の上記挟持部244を上記収容穴211から退去させ、上記最下位置の扁平錠剤tの挟持状態を解除する。これにより、図18(C)及び図19(B)に示されているように、各収容穴211内の扁平錠剤群が下方へと落下して直下に配置された各カプセルボディm内に落とし込まれる。このとき、各扁平錠剤群と共に上記各充填時錠剤押えピン27も自重により落下し、扁平錠剤群はこの充填時錠剤押えピン27により上から押えられながら、下方へと落下して上記カプセルボディm内へと落とし込まれる。
【0072】
そして、図18(D)に示されているように、上記ボディ保持ピン322が降下して上記ボディ保持穴321から退去すると共に、上記アーム体28が上昇して上記充填時錠剤押えピン27が持ち上げられ、上記各収容穴211から退去する。
【0073】
次いで、上記ボディ保持穴321内に保持された錠剤が充填されたカプセルボディは、ボディディスク32の間歇回転により搬送され、カプセル分離/結合部3のカプセル結合部36(図2参照)でキャップと連結されてカプセル剤に製され、排出シュート37(図1,2参照)から装置外へと排出され回収される。また、空になった上記収容穴211には、上記計数ディスク11から再び扁平錠剤群が供給される。
【0074】
そして、上記一連の動作が連続的に繰り返され、4種類の扁平錠剤が平伏状態で積重した状態に充填されたカプセル剤を自動的に製造することができるものである。
【0075】
このように、本実施例のカプセルへの錠剤充填装置では、収容穴211の下端部に配設した錠剤保持部材24(錠剤保持手段)の挟持部244で、4個の扁平錠剤tが平伏状態で積重した扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を挟持して該扁平錠剤群を収容穴111内に保持し、またこの錠剤保持部材24による上記最下位置の錠剤周縁部の挟持状態を解除して、扁平錠剤群をカプセルボディmに落とし込むようになっている。このため、図20に示した従来の装置のように、即ち扁平錠剤tを収容した穴状の収容部f下端面をスライド運動するシャッター板gにより開閉する場合のように、下端面が一側方から徐々に開いていく開放動作とは異なり、本実施例の装置では、周縁部が挟持されて保持されていた扁平錠剤tがその挟持状態が一時に解除されて保持状態が解除されるため、この最下位置の錠剤tに回転させるような力が作用することなく、またシャッター板開閉時のように摩擦による回転力が作用することもなく、平伏状態のまま確実に扁平錠剤tの保持状態を解除してカプセルボディmへと落とし込むことができるものである。
【0076】
また、本実施例では、上記収容穴211内に保持された扁平錠剤群をカプセルボディmへと落とし込む際に、上下動自在に配設された充填時錠剤押えピン27を扁平錠剤群の最上位置の錠剤tに上から当接させ、該充填時錠剤押えピン27で上記扁平錠剤群を所定の力で下方へと押えながら、この充填時錠剤押えピン27と共に扁平錠剤群を下方へと落下させて、カプセルボディmへと落とし込むようになっている。このため、収容穴211から下方のカプセルボディmへと落下する扁平錠剤群は、上記充填時錠剤押えピン27で上から押えられながらカプセルボディmへと落下することになり、扁平錠剤群を構成する各扁平錠剤tの平伏姿勢が充填時錠剤押えピン27により良好に保持されながら、カプセルボディmへと落とし込まれるものである。よって、落下時に収容穴211の内周面やカプセルボディmの上端縁に扁平錠剤tの周縁部が接触しても各扁平錠剤tは良好に平伏状態を維持したままカプセルボディmへと充填され、立位状態の扁平錠剤tを生じさせることなく、所定個数の扁平錠剤tを平伏状態で確実にカプセルボディmへと充填することができるものである。
【0077】
更に、上記計数ディスク11から充填ディスク21へと扁平錠剤群を移送する際には、下側に配置された計数ディスク11の計数孔111から上側に配置された充填ディスク21の収容穴211へと扁平錠剤群を下から持ち上げて移送するように構成されており、またその際に上記供給時錠剤押えピン26で扁平錠剤群を上から押えながら上方へと持ち上げるようになっているため、計数ディスク11から充填ディスク22へと扁平錠剤群が移送される際にも、扁平錠剤tが立位状態となることが可及的に防止される。
【0078】
また更に、上記各錠剤定数供給部12a〜12dから計数ディスク11の計数孔111に扁平錠剤tを供給する際にも、上記計数孔111内に下から進入した錠剤保持ピン112の先端又は該錠剤保持ピン112に支持された先行錠剤により、計数孔111の入り口で平伏状態の扁平錠剤tを受け止め、上記錠剤保持ピン112の降下によって計数孔111内に扁平錠剤tを収容するようになっているため、計数孔111内に扁平錠剤tを供給する際にも、立位状態の扁平錠剤が生じることを可及的に防止することができるものである。
【0079】
このように、本実施例の充填装置によれば、所定個数の扁平錠剤tを平伏状態で確実にカプセルボディへと充填することができ、立位状態の扁平錠剤が生じることによる不都合の発生を可及的に防止して、錠剤を充填したカプセル剤を良好に製造することができるものである。
【0080】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、各部の構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して差し支えない。例えば、上記実施例では、図12〜図15を参照して説明したように、錠剤保持ピン112の上昇高さを上昇幅を変えることにより変更するようにしているが、各錠剤定数供給部12a〜12dの配設位置に応じて錠剤保持ピン112の長さを変更し、上昇幅を一定としてもよい。また、上記カプセル分離/結合部3は、分離したカプセルボディmを充填ディスク21の各収容穴211の直下に配置することができるものであれば、どのような機構であってもよく、3つの搬送ドラム331〜333、キャップディスク31及びボディディスク32を用いた機構以外のものでもよく、公知のカプセル分離/結合機構を適宜選択して用いることができる。更に、上記実施例では、4箇所の錠剤定数供給部12a〜12dを設け、各錠剤定数供給部12a〜12dから異種の扁平錠剤を1つずつ供給して4種類の扁平錠剤を1つずつ合計4個の扁平錠剤をカプセルボディに充填するようにしたが、錠剤定数供給部の数や各錠剤定数供給部での供給個数は、適宜設定することができ、例えば1箇所の錠剤定数供給部で、上記移送プレート143の往復動作を所定回数繰り返して所定個数の扁平錠剤を供給し、同種の扁平錠剤を所定個数計数して上記計数ディスク111に収容するようにしてもよい。また更に、その他の構成についても本発明の要旨の範囲内で種々変更して差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施例にかかる錠剤充填装置を示す概略立面図である。
【図2】同錠剤充填装置を示す概略平面図である。
【図3】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部の下部を示す一部を断面とした概略図である。
【図4】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部の中間部を示す一部を断面とした概略図である。
【図5】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部の上部を示す一部を断面とした概略図である。
【図6】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部のボウルフィーダを示す概略平面図である。
【図7】同ボウルフィーダに設けられた姿勢制御溝の形状及び作用を説明する説明図である。
【図8】同錠剤充填装置を構成する充填部を示す一部を断面とした概略図である。
【図9】同錠剤充填装置を構成する充填部の充填ディスクを示す概略平面図である。
【図10】同充填ディスクを構成する部品を示すもので、(A)はディスク本体の一部を示す概略平面図、(B)は収容穴形成部材を示す平面図、(C)は錠剤保持部材を示す平面図、(D)は同錠剤保持部材を示す側面図である。
【図11】同充填ディスクの収容穴形成部分を示す断面図であり、(A)は横断面図、(B)は縦断面図である。
【図12】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部12aの配設箇所における錠剤供給の動作を説明する説明図である。
【図13】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部12bの配設箇所における錠剤供給の動作を説明する説明図である。
【図14】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部12cの配設箇所における錠剤供給の動作を説明する説明図である。
【図15】同錠剤充填装置を構成する錠剤定数供給部12dの配設箇所における錠剤供給の動作を説明する説明図である。
【図16】同錠剤充填装置において、計数ディスクから充填ディスクに扁平錠剤を移送する際の動作を説明する説明図である。
【図17】同錠剤充填装置において、計数ディスクから充填ディスクに扁平錠剤を移送する際の動作を説明する拡大断面図である。
【図18】同錠剤充填装置において、充填ディスクの収容穴から扁平錠剤をカプセルボディに充填する際の動作を説明する説明図である。
【図19】同錠剤充填装置において、充填ディスクの収容穴から扁平錠剤をカプセルボディに充填する際の動作を説明する拡大断面図である。
【図20】従来の錠剤充填装置における充填動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0082】
1 錠剤供給部(錠剤供給機構部)
11 計数ディスク
112 錠剤保持ピン
115 錠剤排出ピン
12a〜12d 錠剤定数供給部
2 充填部
21 充填ディスク
211 収容穴
22 ディスク本体
221 収容穴部形成用凹部
23 収容穴形成部材
24 錠剤保持部材(錠剤保持手段)
241 挟持孔
244 挟持部
25 エアーシリンダー(スライド駆動源)
26 供給時錠剤押えピン
27 充填時錠剤押えピン
3 カプセル分離/結合部(カプセルボディ配置機構部)
t 扁平錠剤
m カプセルボディ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平伏状態で鉛直方向に沿って積重した状態に整列した所定個数の扁平錠剤を、下方に配置したカプセルボディ内に落とし込んで、該カプセルボディ内に所定個数の扁平錠剤を充填するカプセルボディへの錠剤充填方法において、
鉛直方向に沿った軸心を有する収容穴に、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で同軸上に積重した状態に収容すると共に、該収容穴の下端部に配設した錠剤保持手段で最下位置の扁平錠剤の周縁部を支持することにより、これらの扁平錠剤を上記平伏積重状態で上記収容穴内に保持し、この状態で該収容穴の直下にカプセルボディを配置して上記錠剤保持手段による最下位置錠剤の支持状態を解除することにより、上記複数の扁平錠剤が平伏状態で積重した扁平錠剤群を上記収容穴からカプセルボディ内に落とし込むことを特徴とするカプセルボディへの錠剤充填方法。
【請求項2】
上記収容穴内に収容された扁平錠剤群の最上位置の錠剤に上から充填時錠剤押えピンを当接させて上記扁平錠剤群を所定の力で下方へと押え、この状態で上記錠剤保持手段による最下位置の錠剤の支持状態を解除して、上記扁平錠剤群を上記充填時錠剤押えピンと共に下方へと落下させ、上記充填時錠剤押えピンで上記扁平錠剤群を上から押えながらカプセルボディ内に落とし込むことにより、該押えピンによって上記扁平錠剤群を構成する各扁平錠剤の平伏状態を保持しつつカプセルボディ内に扁平錠剤を充填するようにした請求項1記載のカプセルボディへの錠剤充填方法。
【請求項3】
上記充填時錠剤押えピンを、鉛直方向に沿って上下動自在な状態で上記収容穴の直上位置に配置し、該充填時錠剤押えピンの自重によって上記扁平錠剤群を上から押えることにより、上記扁平錠剤群がこの充填時錠剤押えピンと共に自由落下して、該扁平錠剤群がカプセルボディ内に落ち込むようにした請求項2記載のカプセルボディへの錠剤充填方法。
【請求項4】
上記錠剤保持手段が、上記収容穴の下端部周面の一部に設けられた貫通窓と、該貫通窓に上記収容穴内を臨んで挿入された挟持部を有する錠剤保持部材とを具備し、該錠剤保持部材の挟持部で上記扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を水平方向に押圧して、該挟持部と上記収容穴の内周面とで錠剤周縁部を挟持することにより、上記扁平錠剤群を上記収容穴内に保持するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセルボディへの錠剤充填方法。
【請求項5】
所定個数の扁平錠剤を平伏状態で鉛直方向に沿って積重した状態に整列させ、この所定個数の扁平錠剤をカプセルボディに投入充填する錠剤充填装置において、
鉛直方向に沿った軸心を有し、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で鉛直方向に沿って積重した扁平錠剤群を収容する収容穴と、
上記収容穴に所定個数の扁平錠剤を供給して、上記扁平錠剤群を上記収容穴内に形成する錠剤供給機構部と、
上記扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を支持して、該扁平錠剤群を上記収容穴内に保持する錠剤保持手段と、
上記収容穴の直下にカプセルボディを配置するカプセルボディ配置機構部とを具備し、
上記錠剤保持手段によって支持された扁平錠剤群の最下位置の錠剤の支持状態を解除して、該扁平錠剤群を上記収容穴から上記カプセルボディ内に落とし込むことを特徴とするカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項6】
上記錠剤保持手段が、上記収容穴の下端部周面の一部に設けられた貫通窓と、該貫通窓に上記収容穴内を臨んで挿入された挟持部を有する錠剤保持部材とを具備し、該錠剤保持部材の上記挟持部で上記扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を水平方向に押圧して、該挟持部と上記収容穴の内周面とで錠剤周縁部を挟持することにより、上記扁平錠剤群を上記収容穴内に保持するようにした請求項5記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項7】
複数個の上記収容穴が整列形成された収容穴群からなる収容穴部が、複数箇所に形成された間歇回転する充填ディスクを具備し、所定の回転角度位置で、該充填ディスクの上記収容穴部の各収容穴に上記錠剤供給機構部から扁平錠剤を供給して収容し、これを充填ディスクの回転により所定位置に搬送し、該充填ディスクの所定の回転角度位置で、上記カプセルボディ配置機構部により上記収容穴部の各収容穴の直下に配置されたカプセルボディに各収容穴内の扁平錠剤群を落とし込むように構成された請求項5又は6記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項8】
上記充填ディスクが、
間歇回転する円板状のディスク本体と、
複数の貫通穴が形成された板状又はブロック状の部材であり、上記ディスク本体の周縁部上面に設けられた収容穴部形成用凹部に嵌合固定され、上記各貫通穴と該収容穴部形成用凹部に設けられた複数の貫通孔とが連通した状態となって上記収容穴を形成する、収容穴形成部材と、
上記収容穴よりもやや大径の挟持孔が複数成形された薄肉板状の部材であり、上記収容穴形成部材と上記収容穴部形成用凹部の底面との間にスライド可能に配設されていると共に、上記各挟持孔が上記各収容穴を囲うように配置され、各挟持孔内周縁部の一部が各収容穴の下端部に形成された貫通窓に挿入されて収容穴内を臨む挟持部となっている錠剤保持部材と、
該錠剤保持部材をスライド運動させて、上記各挟持孔の上記挟持部を上記貫通窓から上記収容穴内に進退させるスライド駆動源とを具備してなり、
上記スライド駆動源よって上記錠剤保持部材をスライドさせて上記挟持部を上記貫通窓から上記収容穴内に進入させ、該挟持部で上記各収容穴内に収容された上記扁平錠剤群の最下位置の錠剤の周縁部を水平方向に押圧して、該挟持部と上記収容穴の内周面とで錠剤周縁部を挟持することにより、上記各扁平錠剤群を上記各収容穴内に保持し、また上記スライド駆動源によって上記錠剤保持部材を逆方向にスライドさせて、各扁平錠剤群の最下位置の錠剤の挟持状態を解除して、各扁平錠剤群を各収容穴の下端面から下方へと落下させて各収容穴の直下に配置された各カプセルボディ内へと落とし込むように構成された請求項7記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項9】
上記収容穴内に上方から進入して、該収容穴内に収容された上記扁平錠剤群の最上位置の錠剤に当接し、上記扁平錠剤群を所定の圧力で下方へと押え、該扁平錠剤群がカプセルボディへと落とし込まれる際に、該扁平錠剤群と共に下方へと降下する充填時錠剤押えピンを具備する請求項5〜8のいずれか1項に記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項10】
上記錠剤供給機構部が、
所定個数の扁平錠剤が収容される計数孔が形成されていると共に、上面の一部が上記収容穴の下端面に近接するように配置された間歇回転する計数ディスクと、
該計数ディスクの上面に接触又は近接して配設された1又は複数の錠剤定数供給部と、
上記計数孔の底壁に形成された貫通孔を通して該計数孔内に下側から進入し、該計数孔内に収容された扁平錠剤を上方へと押し出す錠剤排出ピンとを具備してなり、
上記各錠剤定数供給部から上記計数ディスクの計数孔に所定個数の扁平錠剤を平伏状態で投入して、該計数孔内に所定個数の扁平錠剤が平伏状態で積重された扁平錠剤群を形成し、これを計数ディスクの間歇回転により上記収容穴の直下に搬送し、上記錠剤排出ピンを計数孔内に進入させて上記扁平錠剤群を計数孔から上方へと押し出すと共に上記収容穴へ下から送入して、所定個数の扁平錠剤を平伏状態で積重した扁平錠剤群の状態で上記収容穴に供給するように構成した請求項5〜9のいずれか1項に記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項11】
上記計数孔から収容穴へと扁平錠剤群が送入される錠剤供給位置で、上記収容穴の直上に上下動可能に配置され、上記収容穴に上側から進入し、上記計数穴から該収容穴に送入される上記扁平錠剤群の最上位置の錠剤に当接して、該扁平錠剤群を上から所定の圧力で押え、この状態で上記計数孔から上記収容穴に送入される扁平錠剤群と共に上昇する供給時錠剤押えピンを具備する請求項10記載のカプセルへの錠剤充填装置。
【請求項12】
上記各錠剤定数供給部から上記各計数孔への錠剤供給位置に対応して配設され、上記計数孔底壁の貫通孔を通して下側から該計数孔内に進入し、上記錠剤定数供給部から各計数孔に投入される扁平錠剤を支持する上下動可能な錠剤保持ピンを具備し、各錠剤定数供給部から計数孔へと投入される扁平錠剤を、該錠剤保持ピン又は該錠剤保持ピンに支持された先行錠剤により計数孔の上端部分で受け止めるように構成した請求項10又は11記載のカプセルへの錠剤充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−308145(P2007−308145A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136819(P2006−136819)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000228110)クオリカプス株式会社 (22)
【Fターム(参考)】