説明

カム動作機、そのような機械の組立て方法とそのような機械が据え付けられる織機

【課題】
カムがその駆動軸のしっかり固定され得るカム動作機を提供すること。
【解決手段】
このカム動作機は、従動ローラ用の少なくとも一つの走行軌道(20A,20B)を形成する幾つかのカム(20)から成る。各カムは駆動軸(22)上に心合せリーマ通しを備えており、この駆動軸と平行な締付け力を加える手段が設けられて非円形断面(22C,22D)を備えている。少なくとも一つの座金スペーサ(26)は、内縁が非円形(26C,26D)であって軸(22)に沿う軸方向変位でき且つ且つ回転中に前記座金スペーサと軸を固定するように設計されていて、少なくとも一つのカムと接触してこの軸受の周りに配置されている。座金スペーサ(26)は付着力によりカム(20)に固定され、それぞれに軸(22)と座金スペーサ(26)に設けた補足的突起(22C,22D,26C,26D)による形状の共働により軸(22)に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カム動作機に関する。さらに、この発明は、そのような機械の座金スペーサとカムに、そのような機械が据え付けられる織機に且つそのような機械の組立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
織機の分野において、カム動作機は一連の振動レバーから成り、各ヘドルフレーム用の一つのレバーは織機に据え付けられる。各振動レバーは、そのレバーがフレームの一つのに連結でき且つ機械に共通する軸によって回転駆動される補充的カムの二つの軌道と共働する二つのローラを備えるように設計されている。カムは駆動軸に据え付けられなければならなく、これらカムが必要な機械の機能として互いに関して特殊な角度であるように調整された後に、それらカムは適当な締付け手段によって加えられた軸方向力の影響の下で付着力によって回転中に固定されている。
【0003】
付着力によるそのような連結は時々その駆動軸に関してカムをしっかり固定するのには不十分である。最近のカム動作機に必要な性能を考慮すると、これらの回転速度は、カム上の従動ローラによって加えられたトルクがこの軸上にカムの角度を片寄せできる範囲にまで著しく高い、そのカム角度の片寄せは機械の適応障害を生じ、繊維の製造品質を低下させる。
【特許文献1】英国特許第764462号明細書
【特許文献2】米国特許第3804128号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は特に、カムがその駆動軸のしっかり固定され得るカム動作機を提供することによってこれらの欠点を克服することを企図されている。
【0005】
この思想によると、この発明は織機用のカム動作機であって、前記機械が従動ローラ用の少なくとも一つの走行軌道を形成する幾つかのカムから成り、各カムが駆動軸上に心合せリーマ通しを備えており、前記駆動軸と平行な締付け力を加える手段が設けられている。この機械は、軸の断面が非円形であり、少なくとも一つの座金スペーサが少なくとも一つのカムと接触して軸受の周りに配置されていて、そのスペーサの内縁が非円形であって軸に沿って軸方向変位でき且つ回転中に前記座金スペーサと軸を固定するように設計されていることを特徴とする。
【0006】
そのような機械では、座金スペーサは軸方向締付け力によるカムに関する付着力によって回転中に固定されており、その間に座金スペーサの内縁と駆動軸の非円形周辺面との共働が形状の共働により回転中に十分に座金を軸に固定する。
【0007】
この発明の有益であるが、非強制的な態様によると、そのような機械は、任意に技術的に受け入れられる組合せを考慮した次の特性の一つ或いは幾つかを組み込み得る:
−座金スペーサは締付け力の影響の下で二つのカム間に圧縮されている。
−座金スペーサが支持されるカムの一つは、走行軌道に垂直な側面の一方においてこの座金スペーサが適合する凹所を備えている。この場合には、各カムが凹所を備えており、その間に軸の周りに係合した座金スペーサが各凹所に置かれている。この座金が配置される凹所において座金スペーサとカムとから形成された組立体は12mmの厚さである。さらに、凹所の適当な位置における座金スペーサの面は好ましくはカムの中線平面から6mmの距離まで延びている。
【0008】
−心合せリーマ通しは少なくとも部分的に円形であり、一方、駆動軸の断面はカムの中央リーマ通しの半径より僅かに小さい半径をもつ円形外被内に記載されおり、それは軸に対するカムの角度位置の調整ができる。この場合には、駆動軸はこの円形外被に関してくぼみになった少なくとも一つの領域を備えていて、一方、座金の内縁はこのくぼみになった領域に係合できる少なくとも一つの突起を備えている。この突起の少なくとも一縁はこのくぼみになった領域の底縁におよそ補足的である。
【0009】
この発明はさらに上述のようなカム動作機に適合した織機に関する。そのような織機はたとえ織機が高速で作業できるときさえ、そのカムの角度位置が固定されている範囲まで、さらに信頼できる。
【0010】
同じ全体的発明概念の関係において、この発明は織機用のカム動作機の座金スペーサに関し、この座金は一定厚さにより平らであって、機械のカムの駆動軸に沿って軸方向変位でき且つこの軸と一緒に回転中に座金スペーサを固定するように設計された非円形内縁を備えており、この座金はさらにこの軸と平行な締付け力の影響の下で機械の少なくとも一つのカムと接触して押し込まれるように設計されている。
【0011】
同じ全体的発明概念をさらに考慮すると、この発明はさらに織機用のカム動作機のカムに関し、このカムが駆動軸に心合せリーマ通しを備えながら従動ローラ用の少なくとも一つの走行軌道を形成する。このカムは走行軌道と垂直な側面の少なくとも一方にはその中央リーマ通しの縁に沿って走行し且つこのリーマ通しに開口する凹所を備えており、この凹所はカムがこの軸に据え付けられるときに駆動軸の周りに配置された前記のような座金スペーサを保持するように設計されている。
【0012】
このカムは、座金と駆動軸の間の結合により且つ形状の共働により回転中にカムと座金を有効に固定するように使用された凹所内に座金を保持しながら、カム動作機用の駆動軸の周りに配置され得る。
【0013】
有益には、カムは走行軌道と垂直な側面の少なくとも一方にみぞを備えており、その中央リーマ通しの正反対方向に沿って全体的に延びている。
【0014】
最終的に、この発明は、各カムがそれが前記軸に沿っておよそ平らな位置に達するまで前記軸に沿って摺動される組立て方法に関する。この方法は、a)カムの少なくとも一つに接近した軸の周りに少なくとも一つの座金スペーサを置く工程と;
b)駆動軸に関して各カムを配向させる工程と;
c)軸と平行にカムと座金スペーサの締付け力を加えることによって、駆動軸に関してと他のものに関してカムを適切な位置に固定する工程と
から成ることを特徴とする。
【0015】
この方法の一つの有益な態様によると、追加的工程が設けられて、
d)少なくとも一つのカムの側面の一方に形成されたみぞ内にゲージを係合させ、その走行軌道から半径方向外方に突き出させる工程、
e)一方、工程b中にみぞを備えた各カムは、みぞに係合させたゲージを固定ストッパと接触して支持させることにより配向させる工程から成ることを特徴とする。
【0016】
この方法は、カムの位置がゲージを対応する固定ストッパと接触させなければならないことを知る操作者がにより容易に見出され得るカムの角度調整を容易とする。工程a)とd)の順序は逆転され得る。
【0017】
有益には、座金スペーサが二つのカムの間に配置されたときに、これらカムの一つのみぞに係合したゲージが他のゲージの反対の面からある距離にあり、座金スペーサが無い場合にはゲージが締付け力の影響の下で反対面と接触して支持される。ゲージが係合されるみぞから軸方向に突き出すゲージの一部の厚さは、凹所がないときに対応する凹所或いは座金の全厚さから軸方向に突き出す一部の厚さより薄い。それで、座金が適当な位置にあるときに、ゲージはカムの角度位置の調整の終わりに引き出され得る。他方、座金スペーサが組立て中に忘れ去ったならば、ゲージは二つの隣接したカム間に締付けられ、ゲージを引き出すことを阻止する、或いはゲージを引き出すことを極めて困難にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明は、カム動作機、座金スペーサ、カム、織機とその原理に一致する方法の二つの実施例を単に例として与えられ添付図を参照しながら読んだ後に、より良く理解され、他の利点がより明らかになる。
【実施例】
【0019】
図1に示された織機Mは幾つかのヘドルフレームから成り、その内の一つのみが参考1としてこの図に示されている。織機Mの異なるフレームは二重矢印F1 により表され且つカム動作機或いは機構10により制御される縦振動運動によって駆動され、その動作機構の出力レバー11は互いに連結されたクランクレバー13と連結ロッド14を介してフレームと連動される連結ロッド12と接触している。
【0020】
設けられたレバー11の数は、ヘドルフレーム1の数と同じであり、それらレバーは機械10のフレーム16によって支持された共通軸15の長手方向軸線X15を中心とする二重矢印F1 により示されるように揺動するよう据え付けられている。機械10はまた幾つかの補足的カム20から成り、レバー11により対に支持されて、各カムがローラ21A,21Bが支持される二つの軌道20A,20Bを形成する。
【0021】
カム20はフレーム16によって支持される共通軸22に据え付けられ、その軸の第一端22Aは長手方向軸線X22を中心として軸22を駆動する減速歯車を形成する傘大歯車24と共働するように設計された傘大歯車23を支持する。
【0022】
二つの軸受25Aと25Bはフレーム16が端部22Aとカム20の間の軸22を支持でき、軸22の反対の端部22Bに接近できる。
【0023】
カム20は軸22の周りを摺動され、これを達成するために、カムは、カムが軸22に据え付けられるときに軸線X22と一致するX20に心合せした円形断面をもつ中央リーマ通し20Cを備えている。
【0024】
リーマ通し22Cは部分的に円形であって、言い換えると、それらは幾つかの非隣接円形アークから形成された縁を有し得る。
【0025】
特に図7において明らかであるように、軸22はその軸線X22に心合せした全体的に円形断面を有し、カム20が適合される部分22Eの長さにわたり延びている二つの長手方向みぞ22Cと22Dを備えている。部分22Eの円形ベースをもつ円筒状外被の表面はC22で示され、この表面の半径はR22で示される。リーマ通し20Cの半径はR20で示される。半径R20の値は半径R22より僅かに大きく、各カム20が軸22の部分22E上を摺動できる。
【0026】
リーマ通し20Cは部分的に円形であるときに、円の円弧に沿う一部の半径は半径R20で上記のように選択される。
【0027】
各カム20はカム20の側面20E、言い換えれば、軌道20Aと20Bと垂直な面に形成された凹所20Dを備えている。この凹所は同様に円形であり、軸線X20に心合せされる。その外径はR’20で示される。各カム20の凹所20Dはこのカムのリーマ通し20Cに開口されている。
【0028】
凹所20Dは縁20Fに隣接してみぞとして形成されて、その外周縁20Fに接近する隙間20Gを備えている。
【0029】
座金スペーサ26は各凹所20Dに配置されて、特に図5において可視でき、その外縁26Aが半径R’20より小さい半径R26をもつ円形である。座金26の内縁26Bは半径R26より僅かに大きい半径R’26をもつ二つの円形部分を有し、二つの歯26Cと26Dはそれらが図4に示されるようにそれぞれみぞ22Cと22Dに入るのに適した寸法をもつ。
【0030】
歯26Cと26Dの側面26Fはみぞ22Cと22Dの縁22Fにおよそ補足てきであり、一方、歯26Cと26Dは軸線X22と平行にみぞ22Cと22Dに沿って摺動できる。
【0031】
そこで、座金26はカム20の凹所20Dの適切な場所に置かれ、一方、その歯26Cと26Dはみぞ22Cと22Dに係合される。カムが互いに接触しない限り、座金26は凹所20D内で摺動するのが自由であり、軸22に回転中に固定されるので、カムの角度位置が調整され得る。
【0032】
トルクは縁26Fと側面22Fの間の共働によって軸22から各座金26まで伝達され得る。
【0033】
特に図5において明らかであるように、各座金スペーサ26は平らであり、一定厚さを有する。
【0034】
座金26の厚さe26は座金が置かれる凹所20Dの深さP20より大きいので、座金26が対応する凹所20Dに位置されるときに、座金はこの凹所が形成されているカム20の面20Eからカム20の幅に比べて比較的小さい零でない幅lにわたり突き出す。
【0035】
それで、凹所20D内の座金スペーサ26の付加は、カムのみの厚さに比べて、図3においてe20で示された座金26と連動カム20により形成された組立体の厚さを著しく増加する。実際には、組立体20+26の厚さが12mmである。カム20の軌道20Aと20Bの中線平面、言い換えれば、これら軌道から等距離の平面がPで示される。このカムの凹所20D内に置かれた座金26の側面は26Gで示され、この面26Gは凹所の底20Hと反対にある。面26Gは6mmに等しい軸線X22と平行に測定された平面Pから或る距離に配置される。平面Pと凹所20Dと反対のカム20の面20Iの間のX22軸線と平行に測定された距離bは6mmに等しい。座金26に面する面20Iの一部においてカム20の厚さにわたり僅かであり、それはこの面と座金との間に明らかな接触を与えて、隣接カムの面20Eと干渉しない。
【0036】
距離aとb及び厚さe20の値は、カム20が図2においてそれらの内の二つだけ示される如く、その平面Pを中心に旋回され得る。
【0037】
座金スペーサ26を介して接触していないそれら部品の隣接カム20間の隙間はJで示される。この距離は、凹所20Dの半径方向外側に、互いに面する面20Eと20Jの間の距離に等しい。
【0038】
各凹所20Dに設けられた隙間20Gは凹所の底20Hと対応する座金スペーサ26間で明らかな接触ができて、リボンがこの座金の縁26Aを押し出す危険がない。
【0039】
実際には、軸22に適合した各カム20は凹所20Dを備えており、その凹所に座金スペーサ26が置かれている。しかしながら、これは強制されなく、機械を想像することができ、幾つかのカムのみが凹所と座金を備えている。
【0040】
リング27は軸受25Aと要素20と26の間で軸22の周りに配置され、軸受25Aは軸の肩部22Gと接触している。他のリング28は要素20と26と軸22の端部22Bの間に配置され、一方、締付け装置29がこの端部に設けられる。装置29のねじ29Aを締付けることにより、X22軸線と平行に、言い換えれば、軸22に関して軸方向に、リング27と28の間に締付け力F3 を加えることができる。図3に示される如く、この軸方向力の効果が座金26を凹所20Dの底20Hと接触させ、そして隣接カム20の面20Iと接触させる。
【0041】
座金26は隣接カムの面20Iの全厚さと接触して支持されるので、その結果は隣接カムの面20Iと凹所20Dの底20Hと座金26の側面26Gと26Hに付着力或いは結合によってしっかり固定する。それで、要素20と26は回転中に固定されている。さらに、歯26Cと26D及びみぞ22Cと22Dの形状の間の共働によって、軸22は座金26と同時に軸22とカム20により回転中に有効に固定されている。それ故に、要素22C、22D、26Cと26Dは回転中に軸22と座金スペーサ26を一緒に固定し且つそられの間でトルク伝動できる補足的浮出部を形成する。
【0042】
それで、軸22に関する一つ或いは幾つかのカム20の角度変位の恐れは力F3 が加えられる限り避けられる。
【0043】
異なる座金26は凹所20Dがある各カムにおいて力F3 による固定トルクの一種の「二次抵抗」を可能とする。先行技術による機械と比較して、二つのカム間で接着による固定トルクはカムの数により分割された軸方向締付け力による全接着トルクとおよそ等しく、回転中に軸22に固定された二つの座金26の間に配置されたカムにおいて、軸方向締付け力による全トルクとおよそ等しい固定力を得ることができる。
【0044】
各カム20は軸線X20から半径方向に沿って全体的に延びる表面20E上にみぞ20Jを備えていて、ゲージ30は図8に示される如くそのみぞに適合される。みぞ20Jは円形カム断面をもつ全厚さ20Dに形成され、凹所20Dへの接近からこの全厚さの外縁まで延びている。
【0045】
機械10の組立中に各カム20が軸22の周りに配置され、次にゲージ30が対応するみぞ20Jに適切な場所に置かれていて、座金26はこれら突起の幾何学形状により可能であるみぞ22Cと22Dに歯26Cと26Dを摺動することによりカム20の凹所20Dに据え付けられいる。次に、カム20の軌道20Aと20Bから半径方向に突き出すゲージ30の一部は軸22とカム20の位置決めテンプレート50の一つ或いは幾つかのストッパ52形成部分と接触される。ゲージ30はストッパ52と接触されるときに、ゲージは対応するみぞ20J内の適切な場所にある間に、カム20が矢印F4 により示される如くX22軸線の周りに揺動されるので、カムが軸22に関して配向され得る。異なるカム20のゲージ30が一方を他方の後に一方のストッパ52と接触される事実は、必要なハーネス運動の関数として互いに関するカム20の相対配向を調整する手段を備える。
【0046】
一つゲージ30のみが図8に示され、図面をより明確にする。実際には、各カム用の一つゲージがある。
【0047】
異なるカム20が軸22に沿って適切な位置に置かれて、それらカムが対応するゲージを一つのストッパ52と接触させることによって角度を調整されたときに、これらカムは、装置29を適切な場所に置いてそのねじを締付けて前述のようにカムをしっかりと固定する力F3 を加えることによって、軸22に関して且つ互いに関して固定されている。ゲージ30は、X20とX22軸線を中心に半径方向に対応するみぞ20Jからゲージを引き出すことによって取り除かれる。ゲージ30の厚さは、各ゲージ30が、座金26が凹所20Dに置かれるときに隙間Jより少ない高さhにわたる表面20E上に、挿入されるみぞ20Jの外側に僅かに突き出すように選択されている。
【0048】
図9は一点鎖線にて、図8のゲージが適合されるカムに重なったカム20を示す。面20Eと平行に且つみぞ20Jの底と反対であるゲージ30の面30Aと隣接カムの面20Iの間の距離はdで示される。隙間Jはdとhの和に等しい。カム20の幾何学形状は、座金スペーサ26がなくそして力F3 が加えられるときに、隙間Jが高さhより少ない値J’に等しくなるように選定される。
【0049】
それで、座金スペーサ26が対応するカム20の凹所に挿入されるならば、ゲージ30は隣接カムの表面20Iと接触していなく、それで、みぞ20Jの長手方向に沿って摺動することにより、一度力F3 が加えられたときさえ、ゲージ30を引き出し得る。他方では、操作者が座金26を忘れたならば、F3 はゲージ30を隣接カムの表面20Iとしっかりと接触させる効果を有し、それはゲージ30を動かなくする効果を有する。次に、操作者は直ちに一つの座金スペーサ26が足りないことを検出できる。
【0050】
図2に示されるように、二つの隣接カム20の面Eは互いに向かい合って配置され得て、その凹所20Dと連動座金スペーサが互いに向かい合う。次に、これら座金26が互いに接触して支持され、力F3 の影響の下で回転中に固定される。
【0051】
凹所20Dは連結された各カムの面Eを機械加工することによって形成される。この凹所はカムが成形されているときに形成され得る。一つの態様として、鋳造時に凹所の空所が形成され、そして凹所成形面、即ち底20Hと縁20Fはカムが仕上げられるときに機械加工される。
【0052】
図10に示された発明の第二実施例では、第一実施例における要素と類似の要素は同じ符号によりマークされている。この図において部分的に示されたカム20は任意の凹所を備えていなく、座金スペーサ26がこれらカムの対向面20Eと20Iの間の軸方向締付け力F3 によって圧縮される。示された例では、表面20Eと20Iは各々がリング26の外径より僅かに小さい外径をもつ環状全厚さを備えている。しかしながら、これは強制されなく、面20Eと20Iは完全に平面である。
【0053】
上述の如く、軸22からの駆動トルクは座金26に伝達される、なぜならば一つが符号26Cでマークされる歯は一つが符号22Cでマークされる軸22のみぞに係合されている。トルクは、座金26の側面26Gと26Hとカム20の対応する面20Eと20Iの間を接着させて力F3 の影響の下で接触して支持することによって、座金スペーサ26からカム20まで伝達される。
【0054】
機械の組立中にゲージ30のようなゲージが使用され、各カム20はみぞ20Jと同じタイプのみぞを備えている。カム上に凹所がないならば、みぞから突き出すこれらゲージの一部の厚さが対応する座金スペーサ26の厚さe26より小さいことを保証するように考慮される。
【0055】
この発明は記載された実施例に限定されていなく、添付請求項により定義された範囲内に改良或いは修正され得る。例えば、凹所はカムの各側面に設けられ得る。みぞ20Jは凹所が適合される面と反対の面に形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】発明に適合する織機の原理を例示する図式的部分図であり、機械の一部が引き裂かれて図面がさらに容易に理解できる。
【図2】織機の原理を例示する図1の線II−IIを沿う部分断面である。
【図3】図2の細部IIIの拡大図である。
【図4】図2の線IVを沿う断面である。
【図5】この発明による機械の座金スペーサの拡大正面図である。
【図6】この発明による機械に使用されたこの発明によるカムの正面図である。
【図7】織機の原理を例示する図2の線IV−IVにおいて軸22を示す図5と同じ大きさの横断面図である。
【図8】組立中の先行図における機械の斜視図を示す。
【図9】図8の線IX−IXを沿う拡大部分断面図である。
【図10】この発明の第二実施例による機械の図3と同様な図である。
【符号の説明】
【0057】
1.....ヘドルフレーム
10.....カム動作機
11.....出力レバー
12.....連結ロッド
13.....クランクレバー
14.....連結ロッド
15.....共通軸
16.....フレーム
20.....カム
20A,B...軌道
22.....駆動軸
23,24...傘大歯車
25A,B...軸受
26.....座金スペーサ
30.....ゲージ
M.....織機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織機用のカム動作機であって、前記機械が従動ローラ(21A,21B)用の少なくとも一つの走行軌道(20A,20B)を形成する幾つかのカム(20)から成り、各カムは駆動軸(22)上に心合せリーマ通し(20C)を備えており、前記駆動軸と平行な締付け力を加える手段(27−29)が設けられている機械において、前記軸(22)の断面が非円形であり、少なくとも一つの座金スペーサ(26)は少なくとも一つの前記カム(20)と接触して前記軸受の周りに配置されていて、そのスペーサの内縁(26B)が非円形であって前記軸(22)に沿って軸方向変位でき且つ回転中に前記座金スペーサと軸を固定するように設計されていることを特徴とする機械。
【請求項2】
前記座金スペーサ(26)は二つのカム(20)の間で力(F3 )の影響の下で圧縮されることを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記座金スペーサで支持されている一つの前記カム(20)は、走行軌道(20A,20B)と垂直な側面の少なくとも一方(20E)に、この座金スペーサが適合する凹所を備えていることを特徴とする前記請求項1或いは2に記載の機械。
【請求項4】
座金が位置されている凹所(20D)内のカム(20)と座金スペーサ(26)から形成された組立体(20+26)は12mmの厚さ(e20)であることを特徴とする請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記凹所(20D)内の適切な位置にある座金スペーサの面(26G)は前記カムの中線面(P)から6mmの距離まで延びていることを特徴とする請求項4に記載の機械。
【請求項6】
各カム(20)は凹所(20D)を備えおり、前記軸(22)の周りに係合された座金スペーサ(26)が各凹所に置かれていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
前記中央リーマ通し(20C)は少なくとも部分的に円形であり、前記駆動軸の断面は前記リーマ通しの半径(R20)より小さい半径(R22)をもつ円形外被(C22)に内接されていて、前記駆動軸(22)は前記円形外被(C22)に関してくぼみになった少なくとも一つの領域(22C,22D)を備えていて、内縁(26B)はこのくぼみ領域に係合できる少なくとも一つの突起(26C,26D)を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記突起(26C,26D)の少なくとも一縁(26F)は前記くぼみ領域(22C,22D)の一縁(22F)におよそ補足的であることを特徴とする請求項7に記載の機械。
【請求項9】
請求項3乃至8のいずれか一項に記載のカム動作機(10)を備えた織機(M)。
【請求項10】
織機(M)用のカム動作機(10)の座金スペーサ(26)であって、前記座金は一定の厚さ(e26)をもって平らであり、前記機械のカム(20)の駆動軸(22)に沿って軸方向変位でき且つ前記軸と回転中に前記座金スペーサを固定するように設計された非円形内縁(26B)を備えており、さらに、この座金は前記軸と平行に締付け力(F3 )の影響の下で前記機械の少なくとも一つのカム(20)と接触して押し込まれるように設計されていることを特徴とする座金スペーサ。
【請求項11】
織機用のカム動作機のカムであって、前記カム(20)が駆動軸(22)に心合せリーマ通し(20C)を備えながら従動ローラ(21A,21B)用の少なくとも一つの走行軌道(20A,20B)を形成するカムにおいて、前記カムは前記走行軌道に垂直な側面の少なくとも一方(20E)には、リーマ通しの縁に沿って走行し且つ前記リーマ通しにまで開口する凹所(20D)を備えており、前記凹所は、前記カムが前記軸に据え付けられるときに前記駆動軸の周りに配置された座金スペーサ(26)を保持するように設計されていることを特徴とするカム。
【請求項12】
カムは、前記リーマ通し(20C)の正反対の方向に方向に沿って全体的に延びている前記走行軌道に垂直な側面の少なくとも一方(20E)にみぞ(20J)を備えていることを特徴とする請求項11に記載のカム。
【請求項13】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカム動作機或いは請求項10に記載の座金スペーサと請求項11或いは12に記載のカムの組立て方法であって、各カム(20)はそれが前記軸に沿っておよそ平らな位置に達するまで前記軸に沿って摺動される組立て方法において;
a)前記カムの少なくとも一つに接近した前記軸の周りに少なくとも一つの座金スペーサ(26)を置く工程と;
b)前記軸に関して各カム(20)を配向させる(F4 )工程と;
c)前記軸と平行にカムと前記座金スペーサの締付け力(F3 )を加えることによって、軸に関してと他のものに関して前記カムを適切な位置に固定する工程と
から成ることを特徴とする組立て方法。
【請求項14】
d)少なくとも一つのカムの側面の一方(20E)に形成されたみぞ(20J)内にゲージ(30)を係合させ、その走行軌道(20A,20B)から半径方向外方に突き出させる工程、
e)一方、工程b中にみぞを備えた各カムは、みぞ(20J)に係合させたゲージ(30)を固定ストッパ(52)と接触して支持させることにより配向させる(F4 )工程から成ることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
スペーサ(26)が隣接したカム(20)間に配置され、これらカムの一つのみぞ(20J)に係合させたゲージ(30)が他のカムと反対に面(20I)から距離(d)にあり、一方、座金スペーサがないときには、前記ゲージ(30)が前記締付け力(F3 )の影響の下で反対面(20I)と接触して支持されることを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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