説明

カム式の動力伝達機構および製氷装置

【課題】コンパクトなカム式の動力伝達機構を搭載した製氷装置を提案すること。
【解決手段】カム式の駆動力伝達機構29は、掻き出し部材4が取り付けられたカム歯車21、カム歯車21の第1カム面41に従動する軸状部材23、カム歯車21の第2カム面44に従動するスイッチレバー26、スイッチレバー26によって操作されるスイッチ25を有する。軸状部材23には氷量検出用レバー10が取り付けられている。軸状部材23とスイッチレバー26とスイッチ25は、軸状部材揺動中心線L2の方向に並んで配置されており、軸状部材23の胴部232とスイッチレバー26の軸部261とは所定の角度をなしている。よって、カム式の駆動力伝達機構29は、回転中心線L1の方向、および回転中心線L1と直交する方向のいずれにおいても狭いスペース内に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸の端面に形成したカム面と、揺動軸から半径方向に突出しているカムフォロワーを2組配置した構成のカム機構を有するカム式の動力伝達機構に関する。また、このようなカム式の動力伝達機構により、製氷皿から氷を掻き出す掻き出し部材と、貯氷部の氷量を確認する氷量検出用レバーと、氷量確認用の信号を得るための被駆動部材を操作する製氷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの回転力をカム式の動力伝達機構を介して伝達して、貯氷部の氷量を検出するための氷量検出用レバーおよび氷量確認用の信号を得るための被駆動部材を操作する製氷装置は、特許文献1に記載されている。カム式の動力伝達機構は、モータによって回転させられるカム歯車などの回転軸の回転運動を、カム機構を介して、氷量検出用レバーを駆動する軸状部材の揺動運動と、被駆動部材をオンオフするスイッチレバーの揺動運動とに変換するものであり、カム機構としては、回転軸の円形端面に形成したカム面と、揺動軸から突出するカムフォロワーを2組配置した構成のものが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−304733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カム式の動力伝達機構の構成部品は、回転軸におけるカム面が形成されている端面に隣接する部位において、相互に干渉しないように配置する必要がある。このため、回転軸の端面と直交する方向、および、端面と平行な方向において、設置スペースを多く必要とする。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて、狭いスペース内において、コンパクトに配置することのできるカム式の動力伝達機構を提供することにある。また、このようなカム式の動力伝達機構を利用して、製氷皿から氷を掻き出す掻き出し部材と、貯氷部の氷量を確認する氷量検出用レバーと、氷量検出用レバーの位置を検出する信号を得るための被駆動部材とを駆動する製氷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のカム式の動力伝達機構は、
回転軸と、
前記回転軸の軸線の方向の一方の端面に平行に対峙し、第1被駆動部材を駆動させる第1揺動軸と、
前記端面に平行に対峙し、第2被駆動部材を駆動させる第2揺動軸と、
前記回転軸には、半径方向の内側または外側を向くように形成した第1カム面を備えるとともに、前記第1揺動軸には、前記第1カム面に当接する第1カムフォロワーを備え、当該第1カムフォロワーが前記第1カム面に摺動して、前記回転軸の回転運動を前記第1揺動軸の軸線回りの揺動運動に変換する第1変換機構と、
前記回転軸には、半径方向の内側または外側を向くように形成した第2カム面を備えるとともに、前記第2揺動軸には、前記第2カム面に当接する第2カムフォロワーを備え、当該第2カムフォロワーが前記第2カム面に摺動して、前記回転軸の回転運動を前記第2揺動軸の軸線回りの揺動運動に変換する第2変換機構と、
前記第2揺動軸には、前記第2被駆動部材を駆動するための操作レバーとを有しており、
前記第2被駆動部材は、一端に前記第1被駆動部材が連結される前記第1揺動軸の他端側に対して、前記第1揺動軸の軸線方向にオフセットした位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第1揺動軸と第2揺動軸とは回転軸の端面に平行に対峙しているので、第1揺動軸、第2揺動軸を、回転軸の端面の近傍の狭いスペース内に配置できる。また、第2被駆動部材は、一端に第1被駆動部材が連結される第1揺動軸の他端側に対して、第1揺動軸の軸線方向にオフセットした位置に配置されており、第2被駆動部材を、第1揺動軸の軸線方向の異なる位置であって、第1揺動軸の軸線と重なる位置に配列することが可能となる。従って、第1揺動軸、第2被駆動部材を、第1揺動軸の軸線方向と直交する方向において狭いスペース内にまとめて配置できる。故に、輪列等の他の構成要素を配置するためのスペース効率が向上し、ひいては装置の小型化を実現することができる。ここで、第1揺動軸の他端側に対して第1揺動軸の軸線方向にオフセットした位置とは、第1揺動軸の軸線方向の異なる位置であって、第1揺動軸の軸線方向から見た場合に、第1揺動軸と重なる位置のことである。
【0008】
本発明において、前記第1カムフォロワーが前記第1カム面に摺接する第1摺接位置と、前記第2カムフォロワーが前記第2カム面に摺接する第2摺接位置とは、前記回転軸の軸線回りに90°の角度範囲内にあることが望ましい。このようにすれば、第1摺動位置と第2摺動位置とが近接するため、第1揺動軸と第2揺動軸とを近接して配置することができる。故に、第1揺動軸の軸線方向と直交する方向において狭いスペース内に第2揺動軸まとめて配置できる。従って、輪列等の他の構成要素を配置するためのスペース効率が向上し、ひいては装置の小型化を実現することができる。
【0009】
本発明において、前記第1カム面は、前記回転軸の前記端面に形成した第1凹部の内周面に形成されており、前記第2カム面は、前記回転軸の前記端面に形成した第2凹部の内周面に形成されており、前記第2揺動軸は、前記第1揺動軸に対して、当該第1揺動軸の軸線方向にオフセットした位置であって、前記第1揺動軸と前記第2被駆動部材との間に配置されるとともに、前記第1揺動軸、第2揺動軸、および第2被駆動部材は、前記回転軸の前記端面に直交する方向から見た場合に、前記第1揺動軸の軸線方向と直交する方向における前記回転軸の直径の範囲内に配設されていることが望ましい。このようにすれば、第1揺動軸と第2揺動軸と第2被駆動部材は、回転軸の端面に直交する方向から見た場合に、第1揺動軸の軸線方向と直交する方向における回転軸の直径の範囲内に配置することができるので、第1揺動軸、第2揺動軸および第2被駆動部材は、第1揺動軸の軸線方向と直交する方向において狭いスペース内に配置できる。
【0010】
本発明において、前記回転軸の前記端面と対峙する対峙板部分を備えているケースを有し、前記ケースは、前記対峙板部分から前記回転軸の側に突出する軸受用突起部を備えており、前記軸受用突起部には、前記第1揺動軸の前記第2揺動軸側の端部分を揺動可能に支持している第1軸受と、前記第2揺動軸の一方の端部分を揺動可能に支持している第2軸受が形成されており、前記第1揺動軸の軸線と前記第2揺動軸の軸線とは、前記回転軸の前記端面からの距離が同一であり、前記第1軸受は、前記軸受用突起部に形成された凸部および凹部のいずれか一方であり、前記第2軸受は、前記軸受用突起部に形成された凸部および凹部のいずれか他方であることが望ましい。このようにすれば、第1揺動軸と第2揺動軸のそれぞれを揺動可能に支持する軸受部をケースに設けた1つの軸受用突起部の近接した位置に構成できる。従って、第1揺動軸と第2揺動軸を近接配置できる。
【0011】
本発明において、第2揺動軸による被駆動部材の操作を第1揺動軸の揺動に連携させるためには、前記第1揺動軸が当該第1揺動軸の軸線回りの所定の角度に位置したときに前記第2揺動軸の揺動を規制して前記被駆動部材の操作を阻止する連携機構を有することが望ましい。
【0012】
この場合には、前記連携機構は、前記回転軸の軸線に直交する揺動中心線回りに揺動可能に支持された連携部材と、前記第1揺動軸の前記胴部の外周面から突出しており、前記第1揺動軸が前記第1揺動軸の軸線回りの所定の角度に位置したときに前記連携部材の側を向く規制用突部とを備えており、前記連携部材は、前記揺動中心線を挟んだ一方の側に、前記第1揺動軸が前記第1揺動軸の軸線回りの所定の角度に位置したときに前記規制用突部と当接可能な第1当接部を備え、他方の側に、前記操作レバーに当接可能な第2当接部を備え、前記第1当接部が前記規制用突部に当接すると、前記連携部材が前記揺動中心線回りに揺動して前記第2当接部が前記操作レバーに干渉し、前記第2揺動軸による前記被駆動部材の操作を阻止するように構成することができる。
【0013】
また、この場合には、前記連携部材は、前記第1当接部および前記第2当接部の間に前記揺動中心線と交差する貫通孔を備えており、前記貫通孔に前記軸受用突起部が挿入された状態で、前記ケースに揺動可能に支持されていることが望ましい。このようにすれば、連携部材を第1揺動軸および第2揺動軸に近接配置できるので、連結部材を小型にすることができる。
【0014】
この場合において、前記軸受用突起部は、その先端部分が前記貫通孔を通過して前記連携部材より前記回転軸側に位置しており、前記先端部分に前記第1軸受および前記第2軸受を備えていることが望ましい。このようにすれば、連結部材、第1揺動軸および第2揺動軸を近接配置できる。また、連結部材を揺動可能に支持する軸受、第1揺動軸の第1軸受、および第2揺動軸の第2軸受が2つの部材に分かれて形成されている場合には、これら連結部材、第1揺動軸および第2揺動軸の3部材を組み込む際の作業性が悪いが、このような構成によれば、一つの部材であるケースに連結部材を揺動可能に支持する軸受、第1揺動軸の第1軸受および第2揺動軸の第2軸受軸が形成されるので、これら3部材を組み込む際の作業性が向上する。
【0015】
この場合において、前記軸受用突起部の外周面部分は、前記貫通孔の内周面が当接して前記連携部材の揺動をガイドするガイド部となっていることが望ましい。このようにすれば、第1当接部が規制用突部に当接したときに、第2当接部を操作レバーに確実に干渉させることができる。
【0016】
また、この場合において、前記連携部材は、前記貫通孔の周囲が連続していることが望ましい。このようにすれば、連結部材の剛性を高めることができる。
【0017】
次に、本発明の製氷装置は、
製氷皿と、
前記製氷皿から氷を掻き出して貯氷部に移動させる掻き出し部材と、
前記貯氷部内の氷に当接可能であり、前記貯氷部の氷量を検出するために前記貯氷部に向かって揺動駆動される氷量検出用レバーと、
氷量確認用の信号を得るためのスイッチと、
上記のカム式の動力伝達機構とを有しており、
前記回転軸には、前記掻き出し部材が一体に回転するように取り付けられており、
前記第1被駆動部材は、前記氷量検出用レバーであり、
前記第2被駆動部材は、前記スイッチであり、前記操作レバーによって操作されることによりオンおよびオフに切り替わることを特徴とする。
【0018】
この場合において、前記氷量検出用レバーは、前記第1揺動軸の一端に連結されており、前記スイッチは、前記第1揺動軸の他端側に配置されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第1揺動軸と第2揺動軸とは回転軸の端面に平行に対峙しているので、第1揺動軸、第2揺動軸を、回転軸の端面の近傍の狭いスペース内に配置できる。また、第2被駆動部材は、第1揺動軸の軸線方向にオフセットした位置に配置されており、第2揺動軸は、第2被駆動部材を駆動するための操作レバーを第2揺動軸から端面および被駆動部材の間に突出させているので、第2揺動軸を第1揺動軸の軸線方向に配列することが可能となる。従って、第1揺動軸、第2揺動軸および被駆動部材を、回転軸の端面と平行で、且つ、第1揺動軸の軸線方向と直交する方向において狭いスペース内に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用した製氷装置を示す斜視図である。
【図2】外側ケースを取り外した駆動ユニットの側面図である。
【図3】内側ケースを取り外した駆動ユニットを製氷皿の側から見た側面図である。
【図4】図3においてカム歯車を取り外した状態を示す駆動ユニットの側面図である。
【図5】上側ケースを内側から見た側面図である。
【図6】(a)はカム歯車、軸状部材、スイッチレバー、スイッチおよび連携部材の側面図であり、(b)はその平面図である。
【図7】カム歯車、軸状部材、スイッチレバー、スイッチおよび連携部材の分解斜視図である。
【図8】カム歯車を反出力側から見た端面図である。
【図9】製氷装置の製氷動作を示すフローチャートである。
【図10】(a)は初期化動作を示すカムチャートであり、(b)は氷量不足時の動作を示すカムチャートであり、(c)は貯氷部が満杯時の動作を示すカムチャートであり、(d)は検氷軸の回転動作を示すカムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した製氷装置について説明する。
【0022】
(全体構成)
図1は本発明を適用した製氷装置を示す斜視図である。製氷装置1は、冷蔵庫内あるいは冷凍庫内において氷を連続して製造するとともに、製造した氷を下方に配置された貯氷部2に落下させて貯蔵する。
【0023】
製氷装置1は、氷を製造するための製氷皿3を備えている。製氷皿3の上側には、製氷皿3で製造された氷を製氷皿3から掻き出すための掻き出し部材4が配置されており、掻き出し部材4の前側には、製氷皿3から掻き出された氷を貯氷部2へ滑り落とすための氷滑落用ガイド部材5が配置されている。掻き出し部材4は、回転軸6と、この回転軸6から半径方向に突出する複数の掻き出し爪7を備えており、掻き出し部材4が回転軸6を中心として時計回り(CW方向)に回転駆動されると、掻き出し爪7が製氷皿3内に区画された製氷セル8内で製造された氷を掻き出して氷滑落用ガイド部材5の上面に載せる。氷滑落用ガイド部材5に載せられた氷は氷滑落用ガイド部材5に沿って装置前方に滑り、貯氷部2に落下する。
【0024】
製氷皿3の装置幅方向の左端部分には駆動ユニット9が配置されている。製氷皿3および駆動ユニット9の装置前方の下側には、貯氷部2の氷量を確認するために上下方向に揺動駆動される氷量検出用レバー(第1被駆動部材)10が配置されている。氷量検出用レバー10は、駆動ユニット9に取り付けられている取付部10aを中心に上下方向に揺動することにより貯氷部2内の氷に当接可能となっている。
【0025】
駆動ユニット9は、全体として直方体形状をした装置ケース11を備えている。装置ケース11は装置幅方向において左側に配置されている外側ケース12と、製氷皿3が位置する右側に配置されている内側ケース13を備えている。駆動ユニット9は、掻き出し部材4とともに製造された氷を製氷皿3から貯氷部2に移動させる氷移動機構を構成している。また、駆動ユニット9は、氷量検出用レバー10とともに貯氷部2内の氷量の確認をおこなう氷量確認機構を構成している。
【0026】
不図示の給水機構から製氷皿3に供給された製氷用の水が凍結することにより、製氷皿3内に氷が製造される。氷が製造されると、駆動ユニット9は掻き出し部材4を回転駆動する氷掻き出し動作を行ない、これにより、氷を製氷皿3から掻き出して貯氷部2に落下させる。また、駆動ユニット9は、氷掻き出し動作と同期して、氷量検出用レバー10を下方に向けて揺動させる氷量確認動作を行い、これにより、貯氷部2に所定量の氷が貯蔵されているか否かを確認する。
【0027】
氷掻き出し動作と並行して行なわれる氷量確認動作によって貯氷部2に所定量の氷が貯蔵されてないこと、すなわち、貯氷部2が満杯でないことが確認された場合には、駆動ユニット9は氷掻き出し動作によって、掻き出し部材4を掻き出し爪7が製氷皿3よりも上に位置している製氷位置から1回転させる。これにより、氷は製氷皿3から掻き出され、落氷用ガイド部材を滑り落ちて、貯氷部2へと移動する。
【0028】
一方、掻き出し部材4は一旦時計回りに回転を始めるが、氷量確認動作によって貯氷部2に所定量の氷が貯蔵されていること、すなわち、貯氷部2が満杯であることが確認された場合には、製氷皿3から移動させた氷が貯氷部2から溢れることがないように、駆動ユニット9は氷掻き出し動作を停止し、氷掻き出し動作をリセットする。すなわち、掻き出し部材4が製氷セル8内に挿入される前に、掻き出し部材4を反時計回りに回転させて製氷位置4Aに戻す。
【0029】
氷掻き出し動作がリセットされると、所定時間経過後に、駆動ユニット9は再び氷掻き出し動作を開始する。また、氷掻き出し動作と同期して氷量確認動作が行なわれる。
【0030】
再度の氷掻き出し動作においても、貯氷部2が満杯でないことが確認された場合には、氷移動機構は氷掻き出し動作によって掻き出し部材4を1回転させて氷を貯氷部2へ移動させる。貯氷部2が満杯であることが確認された場合には、氷掻き出し動作を停止する。その後、掻き出し部材4を反時計回りに回転させて原点位置に戻し、氷掻き出し動作をリセットする。そして、所定時間経過後に、再び、上記の動作を繰り返す。
【0031】
(駆動ユニット)
図2は外側ケース12を取り外した駆動ユニット9を装置幅方向の左側から見た側面図である。図3は内側ケース13を取り外した駆動ユニット9を装置幅方向の右側から見た側面図である。図4は図3においてカム歯車を取り外した状態の駆動ユニット9の側面図である。図5は上側ケースを内側から見た側面図である。駆動ユニット9は、掻き出し部材4および氷量検出用レバー10の駆動源となるモータ20と、掻き出し部材4が一体に回転するように接続されているカム歯車(回転軸)21と、モータ20からの回転出力をカム歯車21へ伝達する減速輪列22を備えている。
【0032】
また、駆動ユニット9は、カム歯車21に従動して氷量検出用レバー10を上下方向に揺動させる軸状部材23と、この軸状部材23を一方の揺動方向に付勢する捩りコイルバネ24と、貯氷部2の氷が満杯のときに信号を出力するためのスイッチ(第2被駆動部材)25と、カム歯車21に従動してスイッチ25を操作するスイッチレバー26と、スイッチレバー26を一方の揺動方向に付勢する圧縮コイルバネ27(図3、4参照)を備えている。また、軸状部材23とスイッチレバー26とを連携させるための連携部材28を備えている。ここで、カム歯車21、軸状部材23、スイッチ25およびスイッチレバー26はカム式の動力伝達機構29を構成している。
【0033】
(モータおよび減速輪列)
モータ20は、DCモータであり、出力軸が装置幅方向を右側(製氷皿3の側)に向かって延びている。減速輪列22は、モータ20の出力軸に取り付けられたピニオン30、大径歯車部分がピニオン30(図3、4参照)と噛み合う第1複合歯車31、大径歯車部分が第1複合歯車31の小径歯車部分と噛み合う第2複合歯車32、大径歯車部分が第2複合歯車32の小径歯車部分と噛み合う第3複合歯車33、および、大径歯車部分が第3複合歯車33の小径歯車部分と噛み合う第4複合歯車34を備えており、第4複合歯車34の小径歯車部分はカム歯車21の外歯211と噛み合っている。モータ20はカム歯車21よりも装置後方に配置されており、第1〜第4複合歯車31〜34は、カム歯車21の回転中心線L1よりも上方において装置前後方向に並んで配置されている。
【0034】
(カム歯車)
図6(a)はカム歯車21、軸状部材23、スイッチ25、スイッチレバー26、および連携部材28の側面図であり、図6(b)はその平面図である。図7はカム歯車21、軸状部材23、スイッチ25、スイッチレバー26および連携部材28の分解斜視図である。図7はカム歯車21を反出力側から見た端面図である。
【0035】
カム歯車21は、外歯211にモータ20からの駆動力が伝達されることにより、回転中心線(回転軸の軸線)L1を中心として回転する。回転中心線L1は装置幅方向に延びており、装置幅方向の右側、すなわち、製氷皿3の位置する側がカム歯車21の出力側となっている。図6、図7に示すように、カム歯車21は反出力側から出力側に向かって外歯211が形成されている大径部212と、この大径部212分よりも小径の小径部213と、小径部213よりも更に小径の筒状の出力軸部214を備えている。出力軸部214にはDカットされた掻き出し部材4の回転軸6の一方の端部分が挿入され、これにより、掻き出し部材4はカム歯車21と同軸で一体に回転する。
【0036】
図7に示すように、カム歯車21の反出力側の端面(回転軸の端面)21aには第1凹部40が形成されており、この第1凹部40の内側内周面に第1カム面41が形成されている。また、第1凹部40の底面には第2凹部43が形成されており、この内側内周面に第2カム面44が形成されている。第1カム面41と第2カム面44とはカム歯車21の回転中心線L1の方向において異なる位置に形成されている。
【0037】
図7において外側に形成された第1カム面41には、後述する軸状部材23のカムフォロワー235aが従動する。カム歯車21を回転させると、その回転位置に応じて、軸状部材23が揺動して、氷量検出用レバー10を揺動させる。
【0038】
第1カム面41は、反時計回り(CCW方向)に連続して、氷量検出用第1カム部411、氷量検出用第2カム部412、氷量検出用第3カム部413、および、氷量検出用第4カム部414を備えている。
【0039】
氷量検出用第1カム部411は氷量検出用レバー10を回動させない状態で維持させるための区間であり円弧形状に形成されている。
【0040】
氷量検出用第2カム部412は、軸状部材23を揺動させることによって、軸状部材23に接続された氷量検出用レバー10を下降させるための区間であり、図7に示される状態のカム歯車21の右下側部分において、氷量検出用第1カム部411から径方向の外側に延びるように形成されている。
【0041】
氷量検出用第3カム部413は、貯氷部2に氷が貯まっていない場合に、氷量検出用レバー10を最下降させた状態で維持させる区間であり円弧形状に形成されている。
【0042】
氷量検出用第4カム部414は、下降した氷量検出用レバー10を上昇させるための区間であり、氷量検出用第3カム部413から径方向の内側に延びるように形成されている。
【0043】
第2カム面44には、後述するスイッチレバー26の第2カムフォロワー262が従動する。カム歯車21を回転させると、その回転位置に応じて、スイッチレバー26が揺動してスイッチ25を操作し、スイッチ25がオンおよびオフに切り替わる。第2カム面44は、カム歯車21の左側部分から反時計回り(CCW方向)に連続して、スイッチオン用第1カム部441、スイッチオフ用第1カム部442、スイッチオン用第2カム部443、および、スイッチオフ用第2カム部444を備えている。
【0044】
スイッチオン用第1カム部441は、図7に示される状態のカム歯車21の左側部分において外周縁に近い位置に円弧形状に形成されている。スイッチオン用第1カム部441は、製氷装置1が氷を製造している製氷状態のときに、スイッチレバー26を回動させることによりスイッチレバー26にスイッチ25を押下させ、スイッチ25をオンとして、掻き出し部材4の原点位置を確認するための信号を出力させる区間である。
【0045】
スイッチオフ用第1カム部442は、氷掻き出し動作を開始したときに、スイッチ25をオフにするための区間であり、スイッチオン用第1カム部441よりも径方向の内側に形成されている。
【0046】
スイッチオン用第2カム部443は、氷量検出用レバー10を下方に移動させる氷量確認動作の間に、スイッチレバー26を回動させることによりスイッチレバー26にスイッチ25を押下させ、スイッチ25をオンとして、氷量確認用の信号を出力させるための区間である。スイッチオン用第2カム部443は、カム歯車21の外周縁に近い位置に形成されている。
【0047】
スイッチオフ用第2カム部444は、氷量確認動作が終了して待機状態に戻る際に、スイッチ25をオフにするための区間であり、スイッチオン用第2カム部443よりも径方向の内側に形成されている。
【0048】
(軸状部材)
図4に示すように、軸状部材23は、外側ケース12と内側ケース13との接合部分の間に形成された軸貫通孔121を貫通して、装置ケース11の外側から内側まで延びている。軸状部材23は、回転中心線L1の方向においてカム歯車21に隣接配置されており、装置ケース11の外側に露出している大径部231と、大径部231よりも小径で装置ケース11の内側に伸びている軸状の胴部(第1揺動軸)232を備えている。胴部232の端面には円形凹部23a(図7参照)が形成されており、この円形凹部23aには、図5に示すように、外側ケース(ケース)12の側板部分122(対峙板部分)からカム歯車21の側に突出する軸受用突起部123に設けられた第1軸受123aが挿入されている。第1軸受123aは、軸受用突起部123の先端部分に、円柱形状の凸部として形成されている。
【0049】
第1軸受123aは軸受用突起部123から装置前方に向かって突出しており、軸状部材23は、この第1軸受123aと軸貫通孔121によってその軸線を中心として揺動可能な状態で支持されている。軸状部材23の軸状部材揺動中心線(第1揺動軸の軸線)L2は、カム歯車21の回転中心線L1の方向から見たときに、図2に示すように、カム歯車21の下半部分と重なる位置に設定されている。また、軸状部材揺動中心線L2は、カム歯車21の回転中心線L1と直交しており、装置前後方向に延びている。大径部231には、氷量検出用レバー10の揺動中心となる取付部10aが固定される。これにより、氷量検出用レバー10は軸状部材23と一体に、軸状部材揺動中心線L2回りに揺動する。
【0050】
胴部232には、軸状部材揺動中心線L2の方向の途中に小径部分232aが設けられている。小径部分232aには捩りコイルバネ24が同軸に取り付けられている。捩りコイルバネ24の一方の端は胴部232の外周面から半径方向に突出するバネ係合部234と係合しており、他方の端は外側ケース12に設けられた不図示のバネ係合部と係合している。軸状部材23は、捩りコイルバネ24の付勢力によって、軸状部材揺動中心線L2の方向を胴部232の側から見たときに、図7に矢印で示す、反時計回り(CCW)に付勢されている。
【0051】
ここで、図4に示すように、軸状部材23は、円形凹部23aが形成されている内側部分23bと、大径部231および小径部分232aを備える外側部分23cとから構成されている。内側部分23bの外側部分23cの側の端面23dには小径部分232aと嵌合する第2の円形凹部(不図示)が形成されている。
【0052】
軸状部材23を装置ケース11に搭載する場合には、軸受用突起部123の第1軸受123aを内側部分23bの円形凹部23aに挿入して、内側部分23bが第1軸受123aによって回転可能に支持された状態する。また、外側部分23cの小径部分232aに捩りコイルバネ24を同軸上に配置して、外側部分23cが外側ケース12の軸貫通孔121に回転可能に保持された状態とする。しかる後に、小径部分232aの端部を内側部分23bの第2の円形凹部23aに嵌め込んで、一体化する。また、捩りコイルバネ24を装置ケース11のバネ係合部と係合させて、捩りコイルバネ24によって所定の回転方向に付勢された状態とする。
【0053】
次に、図7に示すように、胴部232の外周面には、カムフォロワー用突部235、スイッチレバー規制用突部(規制用突部)236が形成されている。
【0054】
カムフォロワー用突部235は、胴部232の外周面からカム歯車21の側に向かって外周側に突出しており、その先端部分にはカム歯車21の外側に形成された第1カム面41に摺動可能なカムフォロワー(第1カムフォロワー)235aが形成されている。カムフォロワー235aはカム歯車21に形成された第1凹部40の開口からカム歯車21の内側に挿入され、第1カム面41に内側から当接している。また、カムフォロワー235aは、捩りコイルバネ24の付勢力によって、第1カム面41に対して軸状部材揺動中心線L2を中心とする一方の揺動方向に押し付けられた状態を維持可能となっている。カムフォロワー235aは第1カム面41とともに、カム歯車21の回転運動を軸状部材23の軸状部材揺動中心線L3回りの揺動運動に変換する第1変換機構21A(図6参照)を構成している。
【0055】
カム歯車21が回転するとカムフォロワー235aが第1カム面41に摺動する。これにより、カムフォロワー235aは、カム歯車21の回動角度に応じてカム歯車21の半径方向に変位するので、軸状部材23は軸状部材揺動中心線L2回りに所定の角度範囲で揺動する。本例では、軸状部材23は、30°の角度範囲で揺動するようになっている。また、軸状部材23が揺動すると、軸状部材23に取り付けられている氷量検出用レバー10が軸状部材揺動中心線L2を中心として所定の角度範囲で揺動する。
【0056】
スイッチレバー規制用突部236は、軸状部材23が軸状部材揺動中心線L2回りの所定の角度に位置しているときにカム歯車21とは反対側に向かって突出した状態となるように形成されている。スイッチレバー規制用突部236がカム歯車21とは反対側に向いた状態になると、スイッチレバー規制用突部236は連携部材28を回動させる。これにより、連携部材28がスイッチレバー26と干渉して、スイッチレバー26によるスイッチ25の押下が阻止される。
【0057】
(スイッチ、スイッチレバー、連携部材)
次に、図2〜図7を参照して、スイッチ25、スイッチレバー26、連携部材28を説明する。スイッチ25は、タクトスイッチであり、押下されるボタン251をカム歯車21の側に向けた状態で配置されている。本例では、スイッチ25はボタン251がカム歯車21の端面から離れる方向に押下されるとオンとなり、信号を出力する。スイッチ25からの信号は、氷量確認および原点位置確認に用いられる。
【0058】
スイッチレバー26は、カム歯車21に隣接配置されている。スイッチレバー26は、上方に向かって僅かに装置後方に傾斜する軸部(第2揺動軸)261を備えており、図5に示すように、軸部261の下側の端部分は、外側ケース12の軸受用突起部123に設けられた第2軸受123bに支持されている。第2軸受123bは軸受用突起部123の先端部分に、軸部261の下側の端部分の外周面と対応する凹曲面を備えた凹部として形成されている。軸部261の上側の端部分は、外側ケース12の側板部分122からカム歯車21の側に突出する第2軸受用突起部124に設けられた第3軸受124aに支持されている。第3軸受124aは軸部261の上側の端部分の外周面と対応する凹曲面を備えた凹部として形成されている。第2軸受123bおよび第3軸受124aにより、スイッチレバー26は、軸部261の軸線(第2揺動軸の軸線)と一致するとともに、カム歯車21の回転中心線L1と直交するスイッチレバー揺動中心線L3を中心に揺動可能な状態で、外側ケース12に支持されている。
【0059】
また、スイッチレバー26は、スイッチレバー揺動中心線L3から離れた部位に、第2カム面44に摺動するカムフォロワー(第2カムフォロワー)262、スイッチ操作部263、および、圧縮コイルバネ27の一方の端部分を接続するためのバネ係合部264を備えている。カムフォロワー262は第2カム面44とともに、カム歯車21の回転運動をスイッチレバー26のスイッチレバー揺動中心線L3回りの揺動運動に変換する第2変換機構21B(図6参照)を構成している。
【0060】
カムフォロワー262とスイッチ操作部263とは、軸部261の外周側において、スイッチレバー揺動中心線L3回りの異なる角度位置に設けられている。カムフォロワー262はカム歯車21の第1凹部40を介して第2凹部43の内側に挿入されて、第2カム面44に内側から当接している。
【0061】
スイッチ操作部263とバネ係合部264とは、スイッチレバー揺動中心線L3と平行な状態で軸部261からスイッチレバー揺動中心線L3と直交する方向に延びている平板形状のスイッチ操作レバー部(操作レバー)265の先端部分に形成されている。スイッチ操作レバー部264において先端部分のカム歯車21とは反対側がスイッチ操作部263であり、カム歯車21の側がバネ係合部264である。スイッチ操作部263は、スイッチレバー揺動中心線L3回りにスイッチレバー26が揺動したときに、スイッチ25のボタン251を押下可能となっている。バネ係合部264と内側ケース13の側板部分122との間には圧縮コイルバネ27が配置されている。
【0062】
圧縮コイルバネ27は、カムフォロワー262が第2カム面44に対してスイッチレバー揺動中心線L3を中心とする一方の揺動方向に押し付けられた状態が維持されるように、スイッチレバー26を付勢している。圧縮コイルバネ27がスイッチレバー26を付勢する揺動方向は、スイッチレバー26がスイッチ25を押下する方向と同じである。本例では、圧縮コイルバネ27によって、スイッチレバー26は、スイッチレバー揺動中心線L3の方向を上方から見たときに、図7に矢印で示す、反時計回り(CCW)に付勢されている。
【0063】
連携部材28は、軸状部材23のスイッチレバー規制用突部236と共に、軸状部材23が軸状部材揺動中心線L2回りの所定の角度に位置したときにスイッチレバー26のスイッチレバー揺動中心線L3回りの揺動を規制してスイッチ25の押下を阻止する連携機構を構成している。
【0064】
図2、図7に示すように、連携部材28は、枠状をしており、軸状部材23の側の軸状部材側枠部分281、スイッチレバー26の側のスイッチレバー側枠部分282、軸状部材側枠部分281およびスイッチレバー側枠部分282の上端部分を連結している上側枠部分283、軸状部材23側枠部およびスイッチレバー側枠部分282の下端部分を連結している下側枠部分284、および、これら各枠部分の中央に設けられている貫通孔285を備えている。上側枠部分283には上方に伸びる円柱形状の上側軸部286が設けられており、下側枠部分284には下方に伸びる円柱形状の下側軸部287が設けられている。図5に示すように、上側軸部286は、外側ケース12の側板部分122において、軸受用突起部123の上側に設けられた第4軸受125に揺動可能に支持されており、下側軸部287は、外側ケース12の側板部分122において、軸受用突起部123の下側に設けられた第5軸受126に揺動可能に支持されている。第4軸受125は上側軸部286の外周面と対応する凹曲面を備える凹部として形成されており、第5軸受126は下側軸部287の外周面と対応する凹曲面を備える凹部として形成されている。これにより、連携部材28は、上側軸部286および下側軸部287の軸線を連携部材揺動中心線(連携部材の揺動中心線)L4として揺動可能に支持されている。連携部材揺動中心線L4は、貫通孔285と交差する方向に延びており、カム歯車21の回転中心線L1と直交している。また、連携部材揺動中心線L4は、上方に向かって僅かに装置後方に傾斜している。
【0065】
ここで、図4に示すように、連携部材28の貫通孔285内には、外側ケース12の側板部分122から貫通孔285を介してカム歯車21の側に突出している軸受用突起部123が挿入されており、軸受用突起部123において、連携部材28よりもカム歯車21の側に突出している先端部分には、軸状部材23の胴部232を揺動可能に支持するための第1軸受123a、および、スイッチレバー26の軸部261を揺動可能に支持するための第2軸受123bが設けられている。また、連携部材28の貫通孔285に軸受用突起部123が挿入されることにより、軸受用突起部123の外周面部分は、連携部材28の貫通孔285の内周面が当接して連携部材28の揺動をガイドするガイド部123c(図5参照)となっている。
【0066】
軸状部材側枠部分281の一部分は、軸状部材23が軸状部材揺動中心線L2回りの所定の角度に位置したときにスイッチレバー規制用突部236と当接可能な軸状部材側当接部(第1当接部)281aとなっている。スイッチレバー側枠部分282には、スイッチレバー26のスイッチレバー揺動中心線L3回りの回転を規制するためにスイッチレバー26のスイッチ操作レバー部265に当接可能なスイッチレバー側当接部(第2当接部)282aが設けられている。
【0067】
軸状部材23が所定の角度に位置することによってスイッチレバー規制用突部236がカム歯車21とは反対側を向くと、連携部材28の軸状部材側枠部分281は、スイッチレバー規制用突部236によってカム歯車21とは反対方向に押し込まれる。これにより、連携部材28のスイッチレバー側枠部分282がカム歯車21の側に進出し、スイッチレバー側当接部282aがスイッチレバー26のスイッチ操作レバー部265のスイッチ操作部263が設けられている側の面に当接する。
【0068】
連携部材28がスイッチレバー26のスイッチ操作レバー部265に当接すると、スイッチレバー26は、スイッチ操作部263がスイッチ25のボタン251と僅かな隙間を開けて対峙した状態となる。また、スイッチレバー26が、スイッチレバー揺動中心線L3回りをスイッチ25を押下する方向に揺動しようとした場合には、その揺動が連携部材28との干渉によって阻止される状態となる。この結果、スイッチレバー26によるスイッチ25の押下が阻止される。
【0069】
カム歯車21が回転するとスイッチレバー26のカムフォロワー262が第2カム面44に摺動する。これにより、カムフォロワー262は、カム歯車21の回動角度に応じてカム歯車21の半径方向に変位するので、スイッチレバー26はスイッチレバー揺動中心線L3回りに所定の角度範囲で揺動する。本例では、スイッチレバー26は、10°の角度範囲で揺動する。
【0070】
カムフォロワー262がカム歯車21の半径方向の外側に変位すると、図7に示すように、スイッチレバー26は上方から見たときに反時計回りに揺動して、スイッチ操作部263がスイッチ25のボタン251を押下する。この結果、スイッチ25はオンとなり、氷量確認用の信号または原点位置確認用の信号が出力された状態となる。カムフォロワー262がカム歯車21の半径方向の内側に変位すると、スイッチレバー26は時計回りに揺動し、スイッチ操作部263とスイッチ25のボタン251との間に隙間が形成される。この結果、スイッチ25はオフとなり、信号は出力されない。
【0071】
ここで、軸状部材23がスイッチレバー揺動中心線L3回りの所定の角度に位置すると、スイッチレバー規制用突部236がカム歯車21とは反対方向に向いて連携部材28に当接する。この結果、連携部材28が揺動してスイッチレバー26の揺動が阻止されるので、スイッチレバー26がスイッチ25を押下することが阻止される。氷量検出用レバー10を下降させる氷量検出動作において、貯氷部2が満杯でない場合には、氷量検出用レバー10の下降が貯氷部2の氷によって妨げられないので、軸状部材23が軸状部材揺動中心線L2回りの所定の角度に位置する。このような場合に、スイッチレバー26によるスイッチ25の押下が阻止され、スイッチ25はオフのままで維持される。
【0072】
(製氷動作)
図9は製氷装置1の製氷動作を示すフローチャートである。図9のフローチャートに挿入された図は、上側の図が対応するステップにおける掻き出し爪7および氷量検出用レバー10の位置を示し、下側の図が対応するステップにおけるカム歯車21の状態を示している。上側の図は製氷装置1を製氷皿3の側から見たものであり、下側の図は製氷装置1を駆動ユニット9の側から見たものである。図10(a)は初期化動作を示すカムチャートであり、図10(b)は貯氷量不足時の動作を示すカムチャートであり、図10(c)は貯氷部2が満杯の状態の場合の動作を示すカムチャートであり、図10(d)は軸状部材23の回転動作を示すカムチャートである。
【0073】
製氷装置1は不図示の制御部によって駆動制御される。この制御部は、製氷装置1が備えている場合もあるが、製氷装置1が搭載された冷蔵庫の制御部の一部として構成されている場合もある。
【0074】
電源オンまたは初期化する旨の信号のいずれかが制御部に入力されると、制御部は、氷量検出用レバー10および掻き出し爪7を原点位置にセットする初期化動作を行う(ステップST1)。
【0075】
初期化動作では、制御部は、まず、モータ20を駆動してカム歯車21を反時計回り(CCW方向)に回転させる。そして、スイッチレバー26がスイッチオン用第1カム部441に従動してスイッチ25から原点位置確認用の信号が出力されるのを監視する。原点位置確認用の信号が出力されると、所定時間経過後にモータ20を停止する。この動作により、カム歯車21は、原点位置(0度)から−15度の位置で停止する。
【0076】
次に、制御部は、モータ20を反対方向に駆動して、スイッチレバー26がスイッチオフ用第2カム部444に従動してスイッチ25がオフになるまでカム歯車21を時計回り(CW方向)に回転させる。この動作により、カム歯車21は原点位置で停止した状態になり、氷量検出用レバー10および掻き出し爪7は図1に示す製氷位置4Aにセットされる。
【0077】
製氷位置4Aでは、ステップST1の図に示すように、掻き出し爪7は氷滑落用ガイド部材5が配置されている前側に向いて傾いている状態となる。軸状部材23のカムフォロワー235aは氷量検出用第1カム部411に当接しており、氷量検出用レバー10は先端部分が製氷皿3の前方に位置する状態となっている。スイッチレバー26のカムフォロワー262はスイッチオフ用第1カム部442に当接しており、この結果、スイッチ25はオフとなり、氷量検出用の信号は出力されていない。
【0078】
初期化動作が終了すると、製氷皿3への給水が行われ、タイマーがセットされる(ステップST2)。
【0079】
タイマーにセットされた所定時間が経過して製氷皿3内に氷が製造されると、制御部は、モータ20を駆動して氷掻き出し動作を開始する。氷掻き出し動作が開始すると、氷掻き出し動作に同期して氷量確認動作が開始される(ステップST3)。
【0080】
ステップST3について、より詳細には、カム歯車21が時計回り(CW方向)に回転させられると、掻き出し爪7は氷滑落用ガイド部材5の側に向かって回動し始める。また、カム歯車21が原点位置から7度回転した時点からカムフォロワー235aが氷量検出用第2カム部412を摺動し、これにより、軸状部材23が回動して氷量検出用レバー10が下降し始める。
【0081】
更に、カム歯車21が時計回り(CW方向)に回転させられて、カム歯車21が原点位置から31度回転した氷量確認位置に達すると、制御部は、スイッチ25から信号が出力されたか否かを確認する(ステップST4)。氷量確認位置では、スイッチレバー26のカムフォロワー262は、スイッチオン用第2カム部443に当接可能な位置に至っている。
【0082】
ステップST4において、カム歯車21が氷量確認位置まで回転したときに貯氷部2内に氷が貯まっていなければ、氷量検出用レバー10の下降が貯氷部2の氷により妨げられることはない。この結果、軸状部材23のカムフォロワー235aは氷量検出用第3カム部413を摺動し、氷量検出用レバー10は最下降位置まで下降する。これにより、軸状部材23は、軸状部材揺動中心線L2回りの所定の角度(20°)を超えて回転する。
【0083】
ここで、軸状部材23が軸状部材揺動中心線L2回りの所定の角度を超えた角度に位置すると、スイッチレバー規制用突部236がカム歯車21とは反対方向に向いて連携部材28に当接する。この結果、連携部材28が揺動してスイッチレバー26の揺動が阻止されるので、スイッチレバー26がスイッチ25を押下することが阻止される。よって、スイッチ25はオフのままで維持される。
【0084】
モータ20が駆動されてから所定時間経過する前にスイッチ25から信号が出力されなかった場合には、制御部は、貯氷部2が満杯ではないと判断する。従って、制御部は、モータ20の駆動を継続して、カム歯車21を時計回り(CW方向)に回転させる氷掻き出し動作を継続する(ステップST5)。この結果、掻き出し爪7によって製氷皿3内の氷は氷滑落用ガイド部材5に上面に載せられ、氷滑落用ガイド部材5の上面に沿って滑り、貯氷部2へと落下させられる。
【0085】
その後、モータ20のCW方向への駆動が継続された後にカム歯車21が原点位置から291度回転するとスイッチレバー26がスイッチオン用第1カム部441に従動してスイッチ25から信号が出力される。制御部は、スイッチ25から信号が出力されたことを確認した後に、スイッチ25から信号が出力されなくなるまでモータ20を駆動して、カム歯車21を時計回り(CW方向)に回転させて原点位置に戻す。
【0086】
カム歯車21が時計回り(CW方向)に回転して原点位置に戻るまでの間に、軸状部材23のカムフォロワー235aが氷量検出用第4カム部414から氷量検出用第1カム部411にかけて摺動する。従って、軸状部材23は氷量検出用レバー10を上昇させる方向に回転し、氷量検出用レバー10は製氷位置4Aに戻る(ステップST6)。また、掻き出し爪7は回転中心線L1を中心として1回転して製氷位置4Aに戻る。(ステップST7)。
【0087】
次に、ステップST4において、カム歯車21が氷量確認位置まで回転したときに貯氷部2に氷が所定量以上貯まっている場合には、氷量検出用レバー10の下降が貯氷部2の氷により妨げられるので、氷量検出用レバー10は最下降位置まで下降せず、軸状部材23の揺動は角度で停止している。本例では、氷量検出用レバー10の下降が氷によって妨げられ、軸状部材23の揺動が所定の角度(20°)で停止したときに、貯氷部2は満杯である。ここで、軸状部材23の軸状部材揺動中心線L2回りの所定の角度以下の場合には、スイッチレバー規制用突部236がカム歯車21とは反対方向に向いておらず、連携部材28に当接していない。この結果、連携部材28が揺動することがないので、スイッチレバー26の回動は阻止されない。よって、スイッチレバー26のカムフォロワー262がスイッチオン用第2カム部443を摺動して、スイッチ操作部263がスイッチ25を押下する。
【0088】
ここで、モータ20がCW方向に駆動されてから所定時間経過する前にスイッチ25から信号が出力されると、制御部は、貯氷部2が満杯であると判断する。従って、制御部は、次にスイッチ25からの信号が出力されるまでカム歯車21を反時計回り(CCW方向)に回転させる。すなわち、スイッチレバー26のカムフォロワー262がスイッチオン用第1カム部441を摺動するまで回転させる(ステップST8)。そして、信号が出力されてから所定時間経過した後にモータ20を停止する。
【0089】
この動作により、カム歯車21は原点位置から−15度の位置で停止する。しかる後に、モータ20をCW方向に駆動して、スイッチレバー26がスイッチオフ用第2カム部444に従動してスイッチ25がオフになるまでカム歯車21を時計回り(CW方向)に回転させる。これによりカム歯車21は原点位置で停止した状態となり、氷量検出用レバー10および掻き出し爪7は原点位置にセットされる(ステップST9)。
【0090】
制御部が貯氷部2が満杯であると判断した場合には、所定時間経過後に、ステップST2〜ステップST9の動作が繰り返される。
【0091】
(カム歯車、軸状部材、スイッチ、スイッチレバーおよび連携部材の配置による効果)
ここで、カム式の動力伝達機構29を構成するカム歯車21、軸状部材23、スイッチ25、スイッチレバー26および連携部材28の配置による効果を説明する。図4、図6に示すように、軸状部材23の胴部232は、カム歯車21の端面21aと平行に対峙している。また、スイッチレバー26の軸部261は、軸状部材23に対して軸状部材揺動中心線L2の方向(装置前後方向)にオフセットした位置において、カム歯車21の端面21aと平行に対峙している。ここで、軸状部材23に対して軸状部材揺動中心線L2の方向にオフセットした位置とは、軸状部材揺動中心線L2の方向の異なる位置であって、軸状部材揺動中心線L2の方向から見た場合に、軸状部材23の胴部232と重なる位置のことである。この結果、軸状部材23、スイッチレバー26は、カム歯車21の端面21aの近傍の狭いスペース内に配置されている。
【0092】
また、スイッチレバー26の軸部261は、軸状部材23に対して軸状部材揺動中心線L2の方向(装置前後方向)にオフセットした位置に配置され、スイッチ25は、軸状部材23に対して軸状部材揺動中心線L2の方向(装置前後方向)にオフセットした位置に配置に配置されている。この結果、軸状部材23、スイッチレバー26、およびスイッチ25は、軸状部材揺動中心線L2の方向に並んで配置されているので、軸状部材23、スイッチ25、および、スイッチレバー26は、カム歯車21の端面21aと平行で、且つ、軸状部材揺動中心線L2と直交する方向(上下方向)においても狭いスペース内に配置できる。
【0093】
さらに、軸状部材23の胴部232とスイッチレバー26の軸部261の軸部とは、カム歯車21の回転中心線L1の方向から見た場合に、所定の角度(本例では、110°)をなす状態に配置されており、スイッチレバー26のスイッチ操作レバー部265が、カム歯車21の端面21aとスイッチ25の間に突出している。この結果、軸状部材23とスイッチ25を接近させることができるので、軸状部材23、スイッチ25、および、スイッチレバー26は、軸状部材揺動中心線L2の方向においても、狭いスペース内に配置できる。
【0094】
ここで、軸状部材23のカムフォロワー235aと第1カム面41が摺接する第1摺接位置41Aと、スイッチレバー26のカムフォロワー262が第2カム面44に摺接する第2摺接位置41Bは、カム歯車21の回転中心線L1回りの90°の範囲内(本例では80°)にあるので、スイッチレバー26を、軸状部材23の軸状部材揺動中心線L2の方向にオフセットした位置に配置することが容易である。また、軸状部材23の胴部232とスイッチレバー26の軸部261の軸部とが、所定の角度をなす状態に配置することが容易である。
【0095】
また、外側ケース12の側板部分122に、カム歯車21の側に突出する軸受用突起部123が設けられており、軸状部材23の胴部232のスイッチレバー26側の端部分とスイッチレバー26の軸部261の端部分は、この軸受用突起部123に設けられた第1軸受123aと第2軸受123bによってそれぞれ支持されている。この結果、軸状部材23とスイッチレバー26の近接配置が可能となっている。
【0096】
これらの結果、カム式の動力伝達機構29を構成する軸状部材23、スイッチレバー26、スイッチ25および従動部材28は、カム歯車21の回転中心線L1の方向(装置幅方向)、カム歯車21の回転中心線L1および軸状部材23の軸状部材揺動中心線L2と直交する方向(上下方向)、および、軸状部材23の軸状部材揺動中心線L2の方向(装置前後方向)において、狭いスペース内に構成することが可能となっている。したがって、カム式の動力伝達機構29を狭いスペース内において、コンパクトに配置できる。
【0097】
また、連携部材28の貫通孔285内には、外側ケース12の側板部分122から貫通孔285を介してカム歯車21の側に突出している軸受用突起部123が挿入されており、軸受用突起部123において、連携部材28よりもカム歯車21の側に突出している先端部分には、軸状部材23の胴部232を揺動可能に支持するための第1軸受123a、および、スイッチレバー26の軸部261を揺動可能に支持するための第2軸受123bが設けられている。この結果、連携部材28は、軸状部材揺動中心線L2と、スイッチレバー揺動中心線が交差する位置の近傍において、軸状部材23およびスイッチレバー26に近接配置される。また、軸状部材23およびスイッチレバー26が近接配置されるので、連携部材28を小型にすることができる。
【0098】
さらに、連結部材28を揺動可能に支持する第4軸受125および第5軸受126、軸状部材23の第1軸受123a、スイッチレバー26の第2軸受123bが2つの部材に分かれて形成されている場合には、これら連結部材28、軸状部材23およびスイッチレバー26の3部材を組み込む際の作業性が悪いが、本例では、連結部材28を揺動可能に支持する第4軸受125および第5軸受126、軸状部材23の第1軸受123a、スイッチレバー26の第2軸受123bが、いずれも一つの部材である外側ケース12に形成されているので、これら3部材を組み込む際の作業性が向上する。
【0099】
また、軸受用突起部123の外周面部分123aは、連携部材28の貫通孔285の内周面が当接して連携部材28の揺動をガイドするガイド部123cとなっている。従って、スイッチレバー規制用突部236と軸状部材側当接部281aが当接したときに、スイッチレバー側当接部282aをスイッチ操作レバー部265に確実に干渉させることができる。
【0100】
さらに、連携部材28は、貫通孔285の周囲が連続しているので、連結部材28の剛性が高い。
【0101】
また、軸受用突起部123は、カム歯車21の回転中心線L1の方向から見たときにカム歯車21の端面21aと重なる位置に形成されているので、軸状部材23、スイッチレバー26、および、連携部材28を、回転中心線L1から見た場合に、カム歯車21と重なるように配置されている。
【0102】
なお、上記の例では、軸状部材23の胴部232の端部分を揺動可能に支持する第1軸受123aが凸部であり、スイッチレバー26の軸部261の端部分を揺動可能に支持する第2軸受123bが凹部であるが、第1軸受123aを凹部、第2軸受123bを凸部として形成してもよい。また、第1軸受123aを凸部、第2軸受123bを凸部として形成してもよく、第1軸受123aを凹部、第2軸受123bを凹部として形成してもよい。これらの場合には、軸状部材23の胴部232の端部分には、第1軸受123aの形状と対向する軸受け用の凹部または凸部を形成しておく。また、スイッチレバー26の軸部261の端部分も、第2軸受123bの形状と対向する形状を備えるようにしておく。
【0103】
また、上記の例では、第1カム面41および第2カム面44をカム歯車21に形成した凹部の内側内周面に形成してあるが、第1カム面41および第2カム面44をカム歯車21の端面21aに設けた凸部の外側外周面に形成することができる。また、カム歯車21に設けた凸部の内側内周面および外側外周面のいずれか一方に第1カム面41を形成し、いずれか他方に第2カム面44を形成することもできる。
【符号の説明】
【0104】
1・製氷装置、2・貯氷部、3・製氷皿、4・掻き出し部材、4A・製氷位置、5・氷滑落用ガイド部材、6・回転軸、7・掻き出し爪、8・製氷セル、9・駆動ユニット、10・氷量検出用レバー(第1被駆動部材)、10a・取付部、11・ケース、12・外側ケース、13・内側ケース、20・モータ、21・回転軸、21a・端面、21A・第1変換機構、21B・第2変換機構、22・減速輪列、23・軸状部材、23a・円形凹部、23b・内側部分、23c・外側部分、23d・端面、24・コイルバネ、25・被駆動部材、26・スイッチレバー、27・圧縮コイルバネ、28・連携部材、29・カム機構、30・ピニオン、31・複合歯車、32・複合歯車、33・複合歯車、34・複合歯車、35・連携機構、40・第1凹部、41・第1カム面、43・第2凹部、44・第2カム面、93・駆動ユニット、121・軸貫通孔、122・側板部分、123・軸受用突起部、123a・第1軸受、123b・第2軸受、123c・ガイド部124・第2軸受用突起部、124a・第3軸受、125・第4軸受、126・第5軸受、下側凹部、211・外歯、212・大径部、213・小径部、214・出力軸部、231・大径部、232・胴部、232a・小径部分、234・バネ係合部、235・カムフォロワー用突部、235a・軸状部材のカムフォロワー、236・スイッチレバー規制用突部、251・ボタン、261・軸部、262・スイッチレバーのカムフォロワー、263・操作レバー、264・バネ係合部、265・平板部、281・軸状部材側枠部分、281a・軸状部材側当接部、282・スイッチレバー側枠部分、282a・スイッチレバー側当接部、283・上側枠部分、284・下側枠部分、285・貫通孔、286・上側軸部、287・下側軸部、321・製氷皿、411〜414・第1カム面のカム部、441〜444・第2カム面のカム部、L1・回転中心線、L2・軸状部材揺動中心線、L3・スイッチレバー揺動中心線、L4・連携部材揺動中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸の軸線の方向の一方の端面に平行に対峙し、第1被駆動部材を駆動させる第1揺動軸と、
前記端面に平行に対峙し、第2被駆動部材を駆動させる第2揺動軸と、
前記回転軸には、半径方向の内側または外側を向くように形成した第1カム面を備えるとともに、前記第1揺動軸には、前記第1カム面に当接する第1カムフォロワーを備え、当該第1カムフォロワーが前記第1カム面に摺動して、前記回転軸の回転運動を前記第1揺動軸の軸線回りの揺動運動に変換する第1変換機構と、
前記回転軸には、半径方向の内側または外側を向くように形成した第2カム面を備えるとともに、前記第2揺動軸には、前記第2カム面に当接する第2カムフォロワーを備え、当該第2カムフォロワーが前記第2カム面に摺動して、前記回転軸の回転運動を前記第2揺動軸の軸線回りの揺動運動に変換する第2変換機構と、
前記第2揺動軸には、前記第2被駆動部材を駆動するための操作レバーとを有しており、
前記第2被駆動部材は、一端に前記第1被駆動部材が連結される前記第1揺動軸の他端側に対して、前記第1揺動軸の軸線方向にオフセットした位置に配置されていることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1カムフォロワーが前記第1カム面に摺接する第1摺接位置と、前記第2カムフォロワーが前記第2カム面に摺接する第2摺接位置とは、前記回転軸の軸線回りに90°の角度範囲内にあることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1カム面は、前記回転軸の前記端面に形成した第1凹部の内周面に形成されており、
前記第2カム面は、前記回転軸の前記端面に形成した第2凹部の内周面に形成されており、
前記第2揺動軸は、前記第1揺動軸に対して、当該第1揺動軸の軸線方向にオフセットした位置であって、前記第1揺動軸と前記第2被駆動部材との間に配置されるとともに、
前記第1揺動軸、第2揺動軸、および第2被駆動部材は、前記回転軸の前記端面に直交する方向から見た場合に、前記第1揺動軸の軸線方向と直交する方向における前記回転軸の直径の範囲内に配設されていることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項4】
請求項3において、
前記回転軸の前記端面と対峙する対峙板部分を備えているケースを有し、
前記ケースは、前記対峙板部分から前記回転軸の側に突出する軸受用突起部を備えており、
前記軸受用突起部には、前記第1揺動軸の前記第2揺動軸側の端部分を揺動可能に支持している第1軸受と、前記第2揺動軸の一方の端部分を揺動可能に支持している第2軸受が形成されており、
前記第1揺動軸の軸線と前記第2揺動軸の軸線とは、前記回転軸の前記端面からの距離が同一であり、
前記第1軸受は、前記軸受用突起部に形成された凸部および凹部のいずれか一方であり、前記第2軸受は、前記軸受用突起部に形成された凸部および凹部のいずれか他方であることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1揺動軸が当該第1揺動軸の軸線回りの所定の角度に位置したときに前記第2揺動軸の揺動を規制して前記被駆動部材の操作を阻止する連携機構を有することを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項6】
請求項5において、
前記連携機構は、前記回転軸の軸線に直交する揺動中心線回りに揺動可能に支持された連携部材と、
前記第1揺動軸の前記胴部の外周面から突出しており、前記第1揺動軸が前記第1揺動軸の軸線回りの所定の角度に位置したときに前記連携部材の側を向く規制用突部とを備えており、
前記連携部材は、前記揺動中心線を挟んだ一方の側に、前記第1揺動軸が前記第1揺動軸の軸線回りの所定の角度に位置したときに前記規制用突部と当接可能な第1当接部を備え、他方の側に、前記操作レバーに当接可能な第2当接部を備え、
前記第1当接部が前記規制用突部に当接すると、前記連携部材が前記揺動中心線回りに揺動して前記第2当接部が前記操作レバーに干渉し、前記第2揺動軸による前記被駆動部材の操作を阻止することを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項7】
請求項6において、
前記連携部材は、前記第1当接部および前記第2当接部の間に前記揺動中心線と交差する貫通孔を備えており、前記貫通孔に前記軸受用突起部が挿入された状態で、前記ケースに揺動可能に支持されていることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項8】
請求項7において、
前記軸受用突起部は、その先端部分が前記貫通孔を通過して前記連携部材より前記回転軸側に位置しており、前記先端部分に前記第1軸受および前記第2軸受を備えていることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項9】
請求項8において、
前記軸受用突起部の外周面部分は、前記貫通孔の内周面が当接して前記連携部材の揺動をガイドするガイド部となっていることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項10】
請求項7ないし9のうちのいずれかの項において、
前記連携部材は、前記貫通孔の周囲が連続していることを特徴とするカム式の動力伝達機構。
【請求項11】
製氷皿と、
前記製氷皿から氷を掻き出して貯氷部に移動させる掻き出し部材と、
前記貯氷部内の氷に当接可能であり、前記貯氷部の氷量を検出するために前記貯氷部に向かって揺動駆動される氷量検出用レバーと、
氷量確認用の信号を得るためのスイッチと、
請求項1ないし請求項10のうちのいずれかの項に記載のカム式の動力伝達機構とを有しており、
前記回転軸には、前記掻き出し部材が一体に回転するように取り付けられており、
前記第1被駆動部材は、前記氷量検出用レバーであり、
前記第2被駆動部材は、前記スイッチであり、前記操作レバーによって操作されることによりオンおよびオフに切り替わることを特徴とする製氷装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記氷量検出用レバーは、前記第1揺動軸の一端に連結されており、
前記スイッチは、前記第1揺動軸の他端側に配置されていることを特徴とする製氷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−214669(P2011−214669A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83626(P2010−83626)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】