説明

カメラの片手操作用装置

【課題】左手がレフ板などの操作で塞がっている場合でも、右手だけでカメラをホールドしながらレンズ鏡胴部に設けられたズームリングあるいはフォーカスリングを手動で操作することができるようにする。
【解決手段】レンズ鏡胴部3bにズームリング6aを備えたデジタルカメラ3に、三脚ネジ13によって固定されるベース部材11と、ベース部材11に保持された回転軸15に回転自在に軸支された操作ドラム12を備える。操作ドラム12の円筒面12aをズームリング6aの外周面に接触させてズームリング6aを回転可能とする。ベース部材11がカメラ3の底部に取り付けられた時に、操作ドラム12がグリップ部3gとズームリング6aの間になるように配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡胴部にリング状操作部材が設けられたカメラの付属装置に関し、特にリング状操作部材を片手で操作する為の片手操作用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラのレンズ鏡胴部にはズームリングあるいはフォーカスリングなどのリング状操作部材が複数設けられたものがある。このようなカメラで撮影を行う場合、右手でカメラのグリップ部を握り、右手人差し指でシャッタレリーズボタンを押すが、手ぶれによる画像劣化を防ぐため左手の掌にカメラボディを載せてカメラ重量を支え、左手の指で前記リング状操作部材を回転させる。
【0003】
カメラを三脚に載せて撮影する場合も、左掌にカメラボディを載せることはないが、それ以外は同じで、右手でグリップ部を握りシャッタレリーズボタンを押し、左手でリング状操作部材を回す。このことは左手でレフ板を操作するなど、左手を使いたい場合に非常に不便である。
【0004】
例えば、カメラ一体型VTRにおいて右手だけの片手操作を可能にする機構が下記特許文献1に記載されている。カメラの先端に配置されたズームレンズ群を制御するカム板と、カメラをホールドする手元に近い場所に配置した操作部材の間に、長いレバーを配置して機械的に連結することによって、カメラを右手だけでホールドしながらズーム操作することを可能としたものである。
【0005】
また、下記特許文献2には小型デジタルカメラにおいて、カメラ背面側から見てカメラボディの中心線から右側に全ての操作部材を配置したものが示されている。これもカメラを右手でホールドしながら各種操作ボタンを操作できるようにしたものである。
【0006】
【特許文献1】特開平08−101332号公報
【特許文献2】特開2002−354315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しなしながら前述の特許文献による対策提案は、カメラの設計段階からカメラ機構の一部として構成しなければならない。また、一眼レフカメラのようにレンズ鏡胴部がカメラの中央部に配置され、レンズ鏡胴部に設けられたズームリングあるいはフォーカスリングを手動で操作することは、カメラを右手でホールドしながらできることではない。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み、写真フィルムを使用するカメラあるいはデジタル一眼レフカメラのように、レンズ鏡胴部がカメラの中央に配置されたものでも、カメラを右手でホールドしながらレンズ鏡胴部に設けられたズームリングあるいはフォーカスリングを手動で操作することができる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
レンズ鏡胴部にリング状操作部材を備えたカメラに取り付けて用いられるベース部材と、前記ベース部材に保持された回転軸に回転自在に軸支された操作ドラムを備える。該操作ドラムの円筒面を前記リング状操作部材の外周面に接触させて前記リング状操作部材を回転可能とする。前記ベース部材が前記カメラの底部に取り付けられた時に、前記操作ドラムが前記カメラのグリップ部と前記リング状操作部材の間となるように配置する。複数の前記リング状操作部材に対応させる場合は、前記操作ドラムを、該操作ドラムの回転軸上をスライド移動可能に取り付ける。あるいは、前記操作ドラムを複数個設ける。前記複数個の操作ドラムは、直径が全て同じであっても良いし、直径の大きさが異なっても良い。また、直径の異なる2つ以上の円筒面を設けても良い。前記操作ドラムに中央が最も大きい直径の異なる3つの円筒面を設け、前記回転軸上をスライド移動して前記3つの円筒面が3つのリング状操作部材の外周面と順次に接触するようにしても良い。
【0010】
前記操作ドラムは、前記回転軸上をスライド移動したときに、前記回転軸に一体に設けられたストッパに当接して位置決めされる。あるいは、バネによって該操作ドラムの軸孔内面に対して進退可能とした位置決め部材を該操作ドラムの内部に設け、前記回転軸の円周面に設けた溝に挿脱可能に係合させて位置決めされるようにする。前記位置決め部材は板バネに一体に設けられた凸部であっても良い。前記操作ドラムは、該操作ドラムの回転軸上をスライド移動して、前記リング状操作部材の外周面との接触が解除される位置となることができる。あるいは、前記回転軸の前記ベース部材に保持された一端を前記ベース部材に対して回動可能に設け、前記一端を中心に回動して前記操作ドラムと前記リング状操作部材との接触を解除するようにする。
【0011】
前記ベース部材は、押圧操作により前記操作ドラムに当接して前記操作ドラムの不用意な回転を防止するロック部材を備える。
【0012】
前記操作ドラムの代わりに、スライド部材を用いても良い。この場合は前記ベース部材が前記カメラの底部に取り付けられた時に、前記スライド部材の操作部が前記カメラのグリップ部と前記リング状操作部材の間に位置するように配置する。前記ベース部材には、押圧操作により前記スライド部材に当接して前記スライド部材の不用意な移動を防止するロック部材を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明による片手操作用装置を用いれば、写真フィルムを使用するカメラあるいはデジタル一眼レフカメラのようなレンズ鏡胴部がカメラの中央に配置されたものでも、レンズ鏡胴部に設けられたズームリングあるいはフォーカスリングなどの操作を、カメラをホールドしている右手だけで行うことができる。これによって左手でレフ板などを取り扱いながら撮影することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態であるデジタルカメラの片手操作用装置について説明する。図1に示すように片手操作用装置10は、ベース部材11と操作ドラム12と三脚ネジ13とロック部材14とによって構成される。操作ドラム12は、ベース部材11に一体に設けられた支持部11aに固着された軸15によって回転自在に取り付けられている。操作ドラム12の円筒面12aは弾性材でできている。
【0015】
ロック部材14は、軸(図示せず)によってベース部材11に取り付けられ、バネ16は、ロック部材14の押圧面14aが操作ドラム12の円筒面12aから離れる方向にロック部材14を付勢する。バネ16によって付勢された前記ロック部材14は、ロック部材14に設けられたストッパ部14eが前記ベース部材11に当接して前記押圧面14aと前記円筒面12aとの間に隙間を保持する。また、ベース部材11には、片手操作用装置10をデジタルカメラ3に固定する為の固定部材である三脚ネジ13が貫通する取付穴11bと、片手操作用装置10を三脚に固定する為の三脚ネジ穴11cが設けられている。
【0016】
図2に示すように、デジタルカメラ3が取り付けられた片手操作用装置10は、ベース部材11に設けられた取付穴11bを介して三脚ネジ13がデジタルカメラ3の底部に設けられた三脚ネジ穴に螺合して締め付けられることでデジタルカメラ3に強固に固定される。この時、操作ドラム12は、デジタルカメラ3のレンズ鏡胴部6とグリップ部3gの間に配置され、円筒面12aはレンズ鏡胴部6に設けられたズームリング6aの外周面に押し付けられる。
【0017】
図3に示すように、デジタルカメラ3に固定された片手操作用装置10は、前記ベース部材11に設けられた前記三脚ネジ穴11cに三脚90の三脚ネジ90aが螺号して三脚90に取り付けられる。
【0018】
次に片手操作用装置10の作用について説明する。片手操作用装置10を取り付けたデジタルカメラ3のグリップ部3gをホールドしながら、薬指あるいは他の指で操作ドラム12を回転させる。ズームリング6aの表面は前記円筒面12aと同様に弾性材でできており、操作ドラム12の回転はズームリング6aに伝わりズームリング6aが回転し撮影レンズのズーム操作ができる。
【0019】
図4に示すように、操作ドラム12の操作によって撮影レンズの画角が決定した後、例えば小指を使ってロック部材14を上に押し上げると、ロック部材14の押圧面14aが操作ドラム12の円筒面12aに押し付けられ、ズームリング6aが不用意に回らないようになる。
【0020】
図5に示す片手操作用装置20は、操作ドラム22の円筒面22aが山型のローレット形状に形成されている。また、ロック部材24の押圧面24aも同じ山型のローレット形状に形成される。
【0021】
図6に示すように、前記片手操作用装置20は、ズームリング7aの表面が山型のローレット形状に形成されているデジタルカメラ4に取り付けて用いる。片手操作用装置20では、ズームリング7aと円筒面22aがローレット係合しているので、前述の円筒面12aが弾性材でできている操作ドラム12を用いた時よりスリップすることが少なく操作ドラム22の操作力量は軽い。
【0022】
図7に示すように、操作ドラム22の操作によって撮影レンズの画角が決定した後、例えば小指を使ってロック部材24を上に押し上げ、ロック部材24の押圧面24aを操作ドラム22の円筒面22aとローレット係合させて、ズームリング7aが不用意に回らないようにする。押圧面24aは山型のローレット形状に形成されているので、前述の操作ドラム12を用いた時より軽い力量でロック部材24を押し上げるだけで、操作ドラム22の回転が阻止される。
【0023】
図8に示す別の実施形態である片手操作用装置30は、ベース部材31、スライド部材32と、三脚ネジ13と、ロック部材34とによって構成される。図9に示す分解図にて片手操作用装置30の構成について説明する。ここで三脚ネジ13と三脚ネジ穴31bは前述の実施形態と同じである。支持枠35は、ベース部材31にネジ37によって固定されている。スライド部材32は、支持枠35に摺動自在に支持される摺動部32aと、操作部32bによって構成され、摺動部32aの前記ズームリング6aに接触する接触部32cは弾性材でできている。
【0024】
ロック部材34は、軸(図示せず)によってベース部材31に取り付けられ、バネ16は、ロック部材34がスライド部材32から離れる方向にロック部材34を付勢する。バネ16によって付勢されたロック部材34は、ロック部材34に設けられたストッパ部34eがベース部材31に当接してロック部材34に設けられた押圧突起34aとスライド部材32との間に隙間を保持する。
【0025】
図10に示すように、デジタルカメラ3に取り付けた片手操作用装置30は、備えられた三脚ネジ33がデジタルカメラ3の三脚ネジ穴に螺合して締め付けられることでデジタルカメラ3に強固に固定される。この時、スライド部材32の操作部32bは、デジタルカメラ3のレンズ鏡胴部6とグリップ部3gの間に配置され、スライド部材32の接触部32aはレンズ鏡胴部6に設けられたズームリング6aに押し付けられる。
【0026】
片手操作用装置30を取り付けたデジタルカメラ3のグリップ部3gをホールドしながら、薬指あるいは他の指で操作部32bを摺動させる。ズームリング6aの表面は前記接触部32cと同様に弾性材でできており、スライド部材32の動きはズームリング6aに伝わりズームリング6aが回転し撮影レンズのズーム操作ができる。前述の実施形態と同様に、スライド部材32の操作によって撮影レンズの画角が決定した後、例えば小指を使ってロック部材34を上に押し上げ、ロック部材34の押圧面34aをスライド部材32の底面に強く押し付け、ズームリング6aが不用意に回らないようにする。
【0027】
図11に示す片手操作用装置40は、前述の片手操作用装置30の支持枠35を廃止してベース部材41にアリ溝41aを一体に設けたものである。図12の分解図に示すように、スライド部材42の摺動部42aの底部42dは、アリ溝41aに嵌合する形状となっている。これによって支持枠35が不要となるから部品数が削減され、組付け作業も不要となる。これ以外の部材は片手操作用装置30と同じであり、その作用も同じである。
【0028】
図13に示すように片手操作用装置50は、前述の片手操作用装置30からスライド部材32を取り除き、ローレット形状に形成した接触部52cを備えたスライド部材52に置き換えたものであり、スライド部材52以外は前述の片手操作用装置30と同じである。図14に示すように、デジタルカメラ4に取り付けた片手操作用装置50は、片手操作用装置30同様にデジタルカメラ4のグリップ部4gをホールドしながら、薬指あるいは他の指で操作部52bを摺動させて、ズームリング6を操作することができる。
【0029】
図15に示す片手操作用装置60は、片手操作用装置40からスライド部材42を取り除き、ローレット形状に形成した接触部62cを備えたスライド部材62に置き換えたものであり、スライド部材62以外は前述の片手操作用装置40と同じであり、その作用・効果も同じである。
【0030】
図16に示す片手操作用装置70は、ベース部材71に外付けストロボ取り付け部材76を設けて、外付けストロボ77が取り付けられるようにしたものである。外付けストロボ取り付け部材は例えば三脚ネジである。外付けストロボ取り付け部材76は、ベース部材71だけでなく、前述の全てのべース部材11、31、41、51あるいは61にも取り付けられるようにすることができる。
【0031】
以上説明した実施形態は、デジタルカメラのグリップ部を右手でホールドしながら、レンズ鏡胴部に設けられたズームリングを右手で操作することができる片手操作用装置であるが、本発明は、ズームリングに限るものではなく、デジタルカメラのレンズ鏡胴部に設けられたリング状操作部材であればいかなるものでも採用可能である。
【0032】
例えばズームリングではなく、フォーカスリングであっても同じであり、図17に示すように、本発明をフォーカスリングの操作を行う片手操作用装置に採用することができる。片手操作用装置80は、操作ドラム82の円筒面82aがデジタルカメラ3のフォーカスリング8bと接触している。
【0033】
片手操作用装置80は、前述の片手操作用装置10における操作ドラム12を、フォーカスリング8bと接触する操作ドラム82に置き換えたものであるが、前述の他の片手操作用装置20、30、40、50、60、70についても、操作ドラムあるいはスライド部材がフォーカスリングと接触するように置き換えることが可能であることは言うまでもない。
【0034】
ここで、図18に示すように、1つのズームリングに操作ドラムを2つ設けても良い。ベース部材111の支持部111aには2本の軸15と115が設けられ、そこに操作ドラム12と操作ドラム12より直径の大きい操作ドラム112が取り付けられている。操作ドラム112は操作ドラム12を回すときよりズームリング6aを早く回すことができるが、その分、操作ドラム12はズーミングの微調節をすることが容易である。
【0035】
また、図19に示すように、同じ直径の操作ドラムを2つ設けてズームリングとフォーカスリングの両方を操作できるようにする。ベース部材11に前述の操作ドラム12と操作ドラム82を設け、ドラム12はズームリング6aに接触させ、操作ドラム82をフォーカスリング6bに接触させる。この時、ロック部材もズームリング6a用のロック部材114と、フォーカスリング6b用のロック部材14の2つを設けると良い。
【0036】
あるいは、図20に示すように、操作ドラム122が、軸125上をスライド移動可能にして、デジタルカメラ5に設けられたズームリング8aとフォーカスリング8bのいずれかと選択的に接触できるようにする。図21に示すように、操作ドラム122をフォーカスリング8bと接触させる時は、操作ドラム122を支持部11a側に寄せて回転操作し、図22に示すように、ズームリング8aと接触させる時は、操作ドラム122を軸125のストッパ125aに寄せて回転操作する。このように、1つの操作ドラム122によってズームリング8aとフォーカスリング8bの両方を操作することができる。
【0037】
図23に示すように、ズームリング8aとフォーカスリング8bの間に、操作ドラム122がズームリング8aとフォーカスリング8bのどちらとも接触しない十分な間隔がある場合は、その位置で操作ドラム122を停止させることによって、操作ドラム122をズームリング8aあるいはフォーカスリング8bのどちらにも接触させないようにすることが可能である。
【0038】
位置決めの方法は、軸125の中央部分に軸125の円柱面に沿ってV溝125cを設け、操作ドラム122の内側に位置決め部材を設ける。位置決め部材であるクリックボール123は、操作ドラム122の軸穴122bに穴122cを設けてコイルバネ124とともに挿入され、コイルバネ123によって軸穴122bの内壁面に対して進退可能に取り付けられる。クリックボール123が、前記軸125の円周面に設けられたV溝125cと挿脱可能に係合することによって、前記操作ドラム122が位置決めされる。
【0039】
図24(a)および矢視断面図(b)に示すように、操作ドラム126は、前記位置決め部材として、板バネを用いても良い。板バネ127は、一端に山形に絞られた凸部127cを有し、略U字形に形成されて、操作ドラム126に設けられた取り付け穴126cに挿入される。板バネ127が取り付け穴126cに正しくセットされた状態では、前記凸部127cの中央部が軸穴126dに突出する。この突出した部分がV溝125Cと係合して操作ドラム126を所定位置に停止させる。V溝125Cと係合しない位置では、この突出した部分も取り付け穴126C内に押し戻される。
【0040】
また、図25(a)に示すように、操作ドラム122を支える軸132の一端が、ベース部材の支持部131に回動軸131aによって回動自在に軸支されるようにしても良い。これによって、軸132はレンズ鏡胴部9から離れる方向に回動可能となり、操作ドラム122は、レンズ鏡胴9に設けられたズームリングやフォーカスリングなどのリング状操作部材9a,9b,9cのいずれと接触している場合であっても接触を解除することができる(図25(b)参照)。
【0041】
図26に示す操作ドラム135は、直径の小さい円筒面135aと直径の大きい円筒面135bを有する。前記操作ドラム135は、円筒面135bがレンズ鏡胴部136に設けられたリング状操作部材のうち、直径の小さいリング状操作部材136bと接触しているので、操作ドラム135によってリング状操作部材136bを操作することができる。図27に示すように、操作ドラム135をスライド移動させ、円筒面135aがリング状操作部材136aと接触させると、操作ドラム135によって直径の大きいリング状操作部材136aを操作することができる。
【0042】
また、図28に示す操作ドラム138は3つの円筒面138a,138b,138cを有する。中央の円筒面138bは円筒面138a,138cより大きい。レンズ鏡胴部139にはリング状操作部材139a,139b,139cが設けられ、中央のリング状操作部材139bが最も大きい。操作ドラム138は、図23に示すクリックボール123とコイルバネ124が内蔵され、軸125にはV溝125Cが設けられているので、操作ドラム138は中央の円筒面138bがリング状操作部材139bと接触する位置に位置決めされる。
【0043】
図29に示すように、操作ドラム138をベース部材11の支持部11a側に寄せると円筒面138cがリング状操作部材139cと接触する。また、図30に示すように、操作ドラム138を軸125のストッパ125a側に寄せると円筒面138aがリング状操作部材139aと接触する。ここで、円筒面138aと138cは必ずしも同じ径である必要はなく、リング状操作部材139aと139cと接触可能にすれば良い。
【0044】
更に、図31に示すデジタルカメラのレンズ鏡胴部141には、リング状操作部材141a,141b,141c,141dが設けられている。片手操作用装置のベース部材11に設けた軸145には前記操作リング135を向きを変えて2つ取り付ける。このようにリング状操作部材が複数設けられている場合には、複数の円筒面を持つ操作ドラムを複数個設けることで対応可能である。
【0045】
前記実施形態では、操作ドラムの位置決めにV溝を用いたが、軸に設ける溝はV溝であることに限定されるものではなく、U溝であっても良く、その他の断面形状をした溝であっても良い。
【0046】
前記実施形態は、デジタルカメラを用いて説明したが銀塩フィルム用のカメラであっても良く、レンズ鏡胴部にリング状操作部材を備えたカメラであれば、どのようなカメラであっても本発明を採用することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態である片手操作用装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態である片手操作用装置をデジタルカメラに固定した状態を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラに固定した片手操作用装置を三脚に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】ズームリングをロックした状態を示す斜視図である。
【図5】係合部をローレット形状にした操作ドラムを用いた片手操作用装置の斜視図である。
【図6】図5の片手操作用装置をデジタルカメラに固定した状態を示す斜視図である。
【図7】図5の片手操作用装置のズームリングをロックした状態を示す斜視図である。
【図8】別の実施形態である片手操作用装置の斜視図である。
【図9】別の片手操作用装置の分解図である。
【図10】別の片手操作用装置をデジタルカメラに固定した状態を示す斜視図である。
【図11】スライド部材のガイドとしてベース部材にアリ溝を設けた別の片手操作用装置の斜視図である。
【図12】スライド部材のガイドとしてベース部材にアリ溝を設けた別の片手操作用装置の分解図である。
【図13】係合部をローレット形状としたスライド部材を用いた別の片手操作用装置の斜視図である。
【図14】図13に示す別の片手操作用装置をデジタルカメラに固定した状態を示す斜視図である。
【図15】係合部をローレット形状としたスライド部材とアリ溝を設けたベース部材を用いた別の片手操作用装置の斜視図である。
【図16】ベース部材に外付けストロボ取り付け部材を設けた図である。
【図17】本発明をフォーカスリングに採用した片手操作用装置をデジタルカメラに固定した状態を示す斜視図である。
【図18】大小2つの操作ドラムを取り付けた時の操作ドラムの説明図である。
【図19】ズームリング用操作ドラムとフォーカスリング用操作ドラムを備えた片手操作用装置をデジタルカメラに固定した状態を示す斜視図である。
【図20】スライド移動する操作ドラムを備えた片手操作用装置をデジタルカメラに固定した状態を示す斜視図である。
【図21】スライド移動する操作ドラムの説明図である。
【図22】スライド移動する操作ドラムの説明図である。
【図23】スライド移動する操作ドラムの位置決め部材の説明図である。
【図24】スライド移動する操作ドラムの位置決め部材の説明図である。
【図25】操作ドラムを支持する軸を回転させてカメラのリング状操作部材との接触を解除可能とした時の説明図である。
【図26】大小2つの円筒面を有する操作ドラムの説明図である。
【図27】大小2つの円筒面を有する操作ドラムの説明図である。
【図28】大小3つの円筒面を有する操作ドラムの説明図である。
【図29】大小3つの円筒面を有する操作ドラムの説明図である。
【図30】大小3つの円筒面を有する操作ドラムの説明図である。
【図31】複数の円筒面を有する操作ドラムを複数備えた時の説明図である。
【符号の説明】
【0048】
3,4,5 デジタルカメラ
3g,4g,5g グリップ部
6,7,8,9,136,139,141 レンズ鏡胴部
6a,7a,8a ズームリング
6b,7b,8b フォーカスリング
9a,9b,9c,136a,136b,139a,139b,139c,141a,141b,141c,141d リング状操作部材
10,20,30,40,50,60,70,80 片手操作用装置
11,31,41,51,61,71,81,111 ベース部材
12,22,82,112,122,126,135,138 操作ドラム
13 三脚ネジ
14,24,34,114 ロック部材
15,115,125,132,145 軸
32,42,52,62 スライド部材
35 支持枠
123 クリックボール
124 コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡胴部にリング状操作部材を備えたカメラに取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材に保持された回転軸に回転自在に軸支され、前記リング状操作部材の外周面に接触し、手動操作による回転を前記リング状操作部材に伝達して前記リング状操作部材を回転させる操作ドラムとを備え、
前記ベース部材が前記カメラに取り付けられた時に、前記操作ドラムが前記カメラのグリップ部と前記リング状操作部材との間に位置することを特徴とする片手操作用装置。
【請求項2】
前記操作ドラムは、前記回転軸上をスライド移動可能であることを特徴とする請求項1記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項3】
前記操作ドラムが、共通の回転軸上に複数個設けられたことを特徴とする請求項1または2記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項4】
前記複数個の操作ドラムは、直径が全て同じであることを特徴とする請求項3記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項5】
前記複数個の操作ドラムは、直径の大きさが2種類以上あることを特徴とする請求項3記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項6】
前記操作ドラムは、前記リング状操作部材の外周面に接触して回転力を伝達する直径の異なる2つ以上の円筒面を備えたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項7】
前記操作ドラムは、中央が最も直径が大きい3つ円筒面を備え、前記回転軸上をスライド移動して、前記3つの円筒面がそれぞれ異なるリング状操作部材の外周面と順次に接触することを特徴とする請求項6記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項8】
前記操作ドラムは、前記回転軸上をスライド移動し前記回転軸に設けられたストッパに当接して位置決めされることを特徴とする請求項2ないし7いずれか記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項9】
前記操作ドラムは、前記操作ドラムの内部に設けられたバネによって前記操作ドラムの回転軸孔内面に対して進退可能に取り付けられた位置決め部材を備え、
前記位置決め部材が前記回転軸の円周面に設けられた溝と挿脱可能に係合することによって、前記操作ドラムが位置決めされることを特徴とする請求項2ないし8いずれか記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項10】
前記位置決め部材は、板バネに一体に設けられた凸部であることを特徴とする請求項9記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項11】
前記操作ドラムは、前記回転軸上をスライド移動して、前記リング状操作部材への回転力の伝達をしない位置となることを特徴とする請求項2ないし10いずれか記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項12】
前記回転軸は、前記ベース部材に保持された一端が前記ベース部材に対して回動可能に設けられ、前記一端を中心に回動して前記操作ドラムと前記リング状操作部材との接触を解除することを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載のカメラの片手操作用装置。
【請求項13】
前記ベース部材は、押圧操作により前記操作ドラムに当接して該操作ドラムの不用意な回転を防止するロック部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載の片手操作用装置。
【請求項14】
レンズ鏡胴部にリング状操作部材を備えたカメラに取り付けられるベース部材と、前記ベース部材に設けられ手動操作によって移動するスライド部材とを備え、
前記ベース部材が前記カメラに取り付けられた時に、前記スライド部材の操作部が前記カメラのグリップ部と前記リング状操作部材の間に位置すると共に前記スライド部材のスライド部が前記リング状操作部材の外周面に接触し、
前記操作部が操作されて前記スライド部材がスライド移動した時に、その移動力を前記リング状操作部材に伝達して前記リング状操作部材を回転させることを特徴とする片手操作用装置。
【請求項15】
前記ベース部材は、押圧操作により前記スライド部材に当接して該スライド部材の不用意な移動を防止するロック部材を備えたことを特徴とする請求項14記載の片手操作用装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−181063(P2008−181063A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84714(P2007−84714)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】