説明

カメラシステム、衝突予測システム、駐車ガイドシステム

【課題】距離精度を向上できる。
【解決手段】正対する光の進行方向を一方光へ変える少なくとも二つの光学素子と、前記光学素子により進行方向を変えられた光を電気信号に変換する撮像素子と、を有する光学部と、少なくとも二つの前記光学部の撮像素子が変換した電気信号に基づいて距離情報を算出する距離算出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステム、衝突予測システム、駐車ガイドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車には様々な周囲監視装置が取り付けられるようになり、安全性が向上してきている。周囲監視装置は、距離センサを備え、距離センサは、主にソナーやミリ波レーダーを用いて、自動車と対象物との距離情報を取得する。
【0003】
例えば、特許文献1には、自車の前方の画像を横に広く取り込むと共に、2点から画像を取り込むことで、視差により距離を画像から検出可能な広角ステレオカメラについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−302621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、取り込んだ画像中の位置により、結像の寸法(サイズ)が異なる。例えば、像高が高い場所においては、像が圧縮される。そのため、その画像に基づいて検出された距離精度が低くなるという欠点があった。この詳細について説明する。
【0006】
通常、撮像レンズに半画角がωで入射する主光線と像高Y’の間の関係は式(1)で表わされる。つまり、撮像素子に映し出される像は被写体と相似になる。ここで、像高とは、結像面上の像の位置を光軸からの距離で表した値である。また、半画角とは、被写体がレンズの光軸となす角である。
【0007】
【数1】

【0008】
ここで、fは撮像レンズの焦点距離である。
一方、広い視野をもつ、超広角レンズを用いて撮像すると、画像の中心部と画像の端の部分とでは結像の寸法が異なる。つまり、像高が高い場所では中心に比べ結像の寸法が小さくなる。例えば、超広角レンズのひとつである等立体角射影レンズの場合、半画角ωで入射する主光線と像高Y’の間の関係は式(2)で表わされる。
【0009】
【数2】

【0010】
式(2)によれば、撮像素子に映し出される像は、式(1)の場合とは異なり、被写体と相似にならない。
従って、超広角レンズを使用したステレオカメラで距離測定を行った場合、像高が大きい場所では結像の寸法が小さくなるので、距離精度が低くなるという課題があった。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、距離精度を向上できるカメラシステム、衝突予測システム、駐車ガイドシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、正対する光の進行方向を一方光へ変える少なくとも二つの光学素子と、前記光学素子により進行方向を変えられた光を電気信号に変換する撮像素子と、を有する光学部と、少なくとも二つの前記光学部の撮像素子が変換した電気信号に基づいて距離情報を算出する距離算出部と、を備えることを特徴とするカメラシステムである。
【0013】
(2)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記少なくとも2つの光学部は、前記正対する光の方向と直交する方向に並べて配置されることを特徴とする。
【0014】
(3)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記光学素子は、プリズムであることを特徴とする。
【0015】
(4)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記二つの光学素子の間に間隙が設けられ、前記間隙を通して前記正対する方向とは異なる方向の光が前記撮像素子に結像されることを特徴とする。
【0016】
(5)また、本発明の一態様は、正対する光の進行方向を一方光へ変える一つの光学素子と、前記光学素子により進行方向を変えられた光を電気信号に変換する撮像素子と、を有する光学部と、少なくとも二つの前記光学部の撮像素子が変換した電気信号に基づいて距離情報を算出する距離算出部と、を備えることを特徴とするカメラシステムである。
【0017】
(6)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記二つの光学部は、移動体の移動方向とは垂直の方向に一定の間隔を開けて前記移動体に配置されることを特徴とする。
【0018】
(7)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記二つの光学部は、前記光学素子のみを前記移動体のボディー外に有することを特徴とする。
【0019】
(8)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記二つの光学部は、前記移動体の移動方向の略中央に設けられることを特徴とする。
【0020】
(9)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記光学部における前記光学素子の位置が変えられることによって撮像範囲を変えることを特徴とする。
【0021】
(10)また、本発明の一態様は、上記のステレオカメラにおいて、前記移動体は、自動車であって、前記光学部の撮影範囲に前記自動車の前後のバンパーが含まれるように前記光学系が取り付けられることを特徴とする。
【0022】
(11)また、本発明の一態様は、請求項6記載のカメラシステムと、前記カメラシステムが算出した距離情報に基づいて、移動体が衝突の可能性があると判定した場合に、運転手への警告又は運転補助を行う衝突予測部と、を備えることを特徴とする衝突予測システムである。
【0023】
(12)また、本発明の一態様は、請求項6記載のカメラシステムと、前記カメラシステムが算出した距離情報に基づいて、駐車スペースを検知し、検知した駐車スペースと自動車の大きさに基づいて駐車を補助する駐車ガイド部と、を備えることを特徴とする駐車ガイドシステムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、距離精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るカメラモジュールの構造を示す模式図である。
【図3】本実施形態に係る自動車Aを示す上面図である。
【図4】本実施形態に係る自動車Aの正面図である。
【図5】本実施形態に係る自動車Aの右側面図である。
【図6】本実施形態に係るカメラモジュールの撮像範囲の一例を示す概略図である。
【図7】本実施形態に係る自動車Aの正面図の別の一例である。
【図8】本実施形態に係る光学系の構成を示す別の一例を示す模式図である。
【図9】本実施形態に係るトラックAの模式図である。
【図10】本実施形態に係るカメラモジュールが取り付けられた固定治具を示す模式図である。
【図11】本実施形態に係るカメラモジュール装着穴の配置を示す模式図である。
【図12】本実施形態に係る固定治具付カメラモジュールJの取り付けの一例を説明する説明図である。
【図13】本実施形態に係るカメラモジュールを取り付けた様子を示す模式図である。
【図14】本実施形態に係る距離算出部14が行う距離算出処理を説明する説明図である。
【図15】本実施形態に係るECU2が行う相対速度計算処理を説明する説明図である。
【図16】本実施形態に係る駐車補助の一例を示す説明図である。
【図17】本実施形態に係る死角監視の一例を示す説明図である。
【図18】本実施形態に係るドア警告の一例を示す説明図である。
【図19】本実施形態の変形例に係るカメラモジュールの構造を示す模式図である。
【図20】本発明の自動車の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<車載用カメラシステムの構成>
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の自動車(衝突予測システム、駐車ガイドシステム)Aの構成を示す概略ブロック図である。図示する例では、自動車Aは、車載用カメラシステム(カメラシステム)1、ECU(Electronic Control Unit)2、加速装置3、制動装置4、方向変換装置5、モニター6、及びスピーカー7を含んで構成される。
【0027】
車載用カメラシステム1は、異なる位置に配置された2つのカメラモジュールで撮像して画像情報を生成し、生成した画像情報に基づいて距離情報を生成する。
ECU2は、車載用カメラシステム1が生成した距離情報及び画像情報に基づいて、後続車との相対速度を示す情報、駐車時の車庫のスペースを示す情報等を生成する。ECU2は、生成した情報に基づいて、加速装置3、制動装置4、方向変換装置5を制御すると共に、モニター6、スピーカー7を通じて運転者に情報を報知する。
加速装置3は、自動車Aの速度を調整する。制動装置4は、自動車Aを減速又は停止させる。方向変換装置5は、自動車Aの進行方向を変更する、モニター6は、撮像した画像を表示する。スピーカー7は、警報音やガイド音声を発する。
【0028】
車載用カメラシステム1は、カメラモジュールC1,C2及び距離算出部14を含んで構成される。カメラモジュールCi(i=1、2)は、光学系(光学部)11−i、撮像素子12−i及び信号処理部13−iを含んで構成される。光学系11−iは、第1のプリズム111−i、第2のプリズム112−i及び撮像レンズ113−iを含んで構成される。
【0029】
第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iは、3角柱状の形をした透明な材質からなる多面体であり、光を反射する。第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iは、それぞれ正対する光の進行方向を一方向へ変える。
撮像レンズ113−iは、第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iから入射された光及び第1のプリズム111−iと第2のプリズム112−iとの隙間(図2の撮像レンズ113−1の光軸方向)から入射された光を撮像素子12−i上に結像させる。
撮像素子12−iは、撮像レンズ113−iが結像させた光を電気信号に変換する。撮像素子12−iは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの素子を用いることができる。撮像素子12−iは、撮像した画像を示す画像情報を信号処理部13−iに出力する。
信号処理部13−iは、撮像素子12−iから入力された画像情報にデモザイクやノイズリダクション等の処理を行う。信号処理部13−iは、処理を行った画像情報を距離算出部14に出力する。
【0030】
距離算出部14は、信号処理部13−1、2から入力された画像情報に基づいて両画像間の視差を計算する。ここで、例えば、距離算出部14は、第1のプリズム111−1から入射した光によって生成された画像情報を右眼画像の画像情報とし、第1のプリズム111−2から入射した光によって生成された画像情報を左眼画像の画像情報として、両画像間の視差を計算する。また、距離算出部14は、第2のプリズム112−1から入射した光によって生成された画像情報を右眼画像の画像情報とし、第2のプリズム112−2から入射した光によって生成された画像情報を左眼画像の画像情報として、両画像間の視差を計算する。後述するように、第1のプリズム111−iと第2のプリズム112−iとは、逆向きに配置されるので(図2参照)、右眼と左眼が逆転する。
また、距離算出部14は、撮像レンズ113−1の光軸方向から入射した光によって生成された画像情報を右眼画像の画像情報とし、撮像レンズ113−2の光軸方向から入射した光によって生成された画像情報を左眼画像の画像情報として、両画像間の視差を計算する。
距離算出部14は、計算した視差と、基線長とに基づいて、被写体までの距離を算出する。ここで、基線長とは、カメラモジュールC1のプリズムの中心軸と,C2のプリズムの中心軸の間の距離である。ここで、プリズムの中心軸とは、プリズムの入射面と垂直な方向であって、入射面の中心を通る軸である。距離算出部14が行う距離算出処理の詳細については後述する。
なお、図1では、車載用カメラシステム1は、2つ(1対)のカメラモジュールC1,C2を含んでいるが、複数のカメラモジュールを備えてもよい。なお、1対のカメラモジュールを含む複数の車載用カメラシステム1が1つのECU2に接続されていてもよい。
【0031】
図2は、本実施形態に係るカメラモジュールCiの構造を示す模式図である。以下、第1のプリズム111−iの中心軸と平行で第1のプリズム111−iから光が入射してくる方向を第1の方向といい、第2のプリズム112−iの中心軸と平行で第2のプリズム112−iから光が入射してくる方向を第2の方向という。また、撮像レンズ113−1の光軸方向を第3の方向ともいう。
【0032】
第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iは、互いに反射面が交差するように配置されている。第1の方向から入射された第1の光は、第1のプリズム111−iの反射面で反射される。第2の方向から入射された第2の光は、第2のプリズム112−iの反射面で反射される。第1の光及び第2の光は、撮像レンズ113−iに入射される。撮像レンズ113−iに入射された第1の光及び第2の光は、撮像素子12−i上に結像される。第1のプリズム111−iと第2のプリズム112−iは、例えば、撮像レンズ113−iの光軸を含む平面で切った断面が直角三角形となる直角プリズムとして構成されている。第1のプリズム111−iと第2のプリズム112−iは、撮像レンズ113−iの光軸と直交する方向に隙間を空けて配置されている。
【0033】
第1のプリズム111−iをはさんで第2のプリズム112−iとは反対側から入射した光は、第1のプリズム111−iの反射面で反射されて撮像レンズ113−iに入射し、撮像レンズ113−iによって撮像素子12−iの受光面に結像される。第2のプリズム112−iをはさんで第1のプリズム111−iとは反対側から入射した光は、第2のプリズム112−iの反射面で反射されて撮像レンズ113−iに入射し、撮像レンズによって撮像素子12−iの受光面上に結像される。つまり、第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iで反射した光は交差する。第1のプリズム111−iと第2のプリズム112−iとの隙間に入射した光は、第1のプリズム111−iの反射面及び第2のプリズム112−iの反射面で反射されることなく撮像レンズ113−iに入射し、撮像レンズ113−iによって撮像素子12−iの受光面上に結像される。すなわち、撮像素子12−iの受光面上には、3方向から入射した光が結像される。ここで、第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iは、第1のプリズム111−iから入射した光の受光面上の位置と、第2のプリズム112−iから入射した光の受光面上の位置と、第1のプリズム111−iと第2のプリズム112−iとの隙間から入射した光の受光面上の位置とが、異なる位置になるように、配置又はその形状が決められている。
なお、光の反射面には、プリズムではなくミラーを用いてもよい。ただし、プリズムのほうが小型化できる利点がある。また、撮像レンズ113−iの半画角ωで入射する主光線と像高Y’の間の関係は式(1)で表わされる。
【0034】
<車載用カメラシステムの配置>
以下は、カメラモジュールCiの自動車Aへの搭載例を示す。
図3は、本実施形態に係る自動車Aを示す上面図である。またこの図は、カメラモジュールCiの撮像範囲を表す。図示する例では、X軸が自動車Aの進行方向、Y軸が自動車Aの左側面から右側面へ向かう車幅方向、Z軸が自動車Aの高さ方向を表す。カメラモジュールC1及びC1’は、それぞれ、自動車Aの左側面及び右側面に配置されている。なお、カメラモジュールC1’は、カメラモジュールC1と同様の構成を備える。また、カメラモジュールC1及びC1’は、それぞれ、自動車Aの略中心部分に配置されている。
【0035】
カメラモジュールC1について説明すると、第1のプリズム111−1は、右側面前側撮像範囲(X軸の正の方向、第1の方向)から入射された光を撮像レンズ113−1を介して撮像素子12−1の受光面上に結像させる。同様に第2のプリズム112−1は、右側面後側撮像範囲(X軸の負の方向、第2の方向)から入射された光を撮像レンズ113−1を介して撮像素子12−1の受光面上に結像させる。また、左側面横側撮像範囲(Y軸の負の方向、第3の方向)から第1のプリズム111−1と第2のプリズム112−1との隙間に入射した光は、第1のプリズム111−1の反射面及び第2のプリズム112−1の反射面で反射されることなく撮像レンズ113−1に入射し、撮像レンズ113−1によって撮像素子12−1に結像される。
【0036】
図4は、本実施系形態に係る自動車Aの正面図である。カメラモジュールC1、C2は、自動車Aの左側面において高さ方向に異なる位置に配置されている。また、カメラモジュールC1’、C2’も、自動車Aの右側面において高さ方向に異なる位置に配置されている。
カメラモジュールC1、C1’は、自動車Aのバンパーより高い位置に配置されている。カメラモジュールC2、C2’は、自動車Aのバンパーより低い位置に配置されている。
つまり、カメラモジュールCiは、自動車Aのバンパーが、カメラモジュールCiの略中央の高さとなるように配置されている。これにより、自動車Aの中で他の部分と比較してぶつけやすいバンパーの高さで、距離情報を算出でき、自動車Aの衝突を回避しやすくなる。つまり、カメラモジュールC1、C2は、移動体(自動車A)の中で突出している箇所が中心になるように配置されている。ただし、本発明はこれに限らず、例えば、カメラモジュールC1、C2は、運転手の目線の高さが中心になるように配置されてもよい。
【0037】
図5は、本実施系形態に係る自動車Aの右側面図である。図示する例では、カメラモジュールCiは、自動車Aの右側面の前ドアに配置されている。カメラモジュールC1は、カメラモジュールC2と高さ方向に隙間を開けて配置されている。
【0038】
図6は、本実施系形態に係るカメラモジュールCiの撮像範囲の一例を示す概略図である。この図は、自動車Aの高さ方向の撮像範囲を表す。点線で示される範囲は、カメラモジュールC1が撮像する画像の高さ方向の範囲であるカメラモジュールC1の撮像範囲を示す。破線で示される範囲は、カメラモジュールC2が撮像する画像の高さ方向の範囲であるカメラモジュールC2の撮像範囲を示す。点線で示される範囲と破線で示される範囲との重複範囲は、カメラモジュールC1、C2の双方により撮像される範囲である。カメラモジュールC1、C2の双方により撮像される範囲にある被写体に対しては、後述するように距離情報を得ることができる。なお、カメラモジュールC1、C2の前側撮像範囲及びカメラモジュールC1、C2の後方撮像範囲は略一致するように調整しておく。
【0039】
図7は、自動車Aの正面図の別の一例である。この例では、カメラモジュールC1、C2は、自動車Aの左側面のドアミラーに配置されている。カメラモジュールC1、C2は、高さ方向の異なる位置に配置されている。一方、カメラモジュールC1’、C2’は、自動車Aの右側面のドアミラーに配置されている。カメラモジュールC1’、C2’は、ドアミラーのボディーから最も離れた位置に高さ方向に並んで配置されている。ドアミラーは、自動車Aの幅方向の最も中心から離れた位置にあるため、自動車Aに付随する構造物によって視野をさえぎられることがない。また、ドアミラーは元々自動車Aのボディーから突出ているため、更にカメラモジュールCi、Ci’を取り付けてもカメラモジュールCi、Ci’が目立たないという利点がある。
【0040】
図8は、光学系の構成の別の一例を示す模式図である。図示する例では、カメラモジュールCi内で第1のプリズム111−iを第3の方向に近づけ、第2のプリズム112−iを第3の方向から遠ざけた状態を示している。その結果、点線で示される前方撮像範囲及びそれに対応する結像は広がり、破線で示される後方撮像範囲およびそれに対応する結像は狭くなる。このように、第1のプリズム111−iと第2のプリズム112−iの位置を変更することにより、前方撮像範囲と後方撮像範囲の広さを変更することができる。
【0041】
図9は、本実施形態に係るトラックAの模式図である。図9(a)は、カメラモジュールCiを装着したトラックの右側面図である。図9(b)は、カメラモジュールCiを装着したトラックの上面図である。
トラックのように操縦部(運転席)と荷台が離れている場合は、カメラの取り付け場所は操縦部に近い場所とする。図9(b)に点線で示した領域は、前側撮像範囲と後側撮像範囲とが等しい視野角を持つ場合を示している。この場合、後方の撮像範囲が広くなるのに対し、前方の撮像範囲は後方に比べて狭くなる。このような場合は、図8を用いて説明したように、前側撮像範囲を広げて、後側撮像範囲を狭める。前側撮像範囲を広げて、後側撮像範囲を狭めた場合の前側撮像範囲と後側撮像範囲を実線で示す。このように撮像範囲を変更することにより、トラックの4隅における確認できる範囲を合わせてもよい。これにより、前側撮像範囲と後側撮像範囲が、車体からほぼ等距離の範囲となるため、前側撮像範囲と後側撮像範囲の双方について所望の距離情報を得ることができる。
【0042】
<車載用カメラシステムの取り付け>
図10は、本実施形態に係る固定治具J1にカメラモジュールCiが取り付けられた状態を示す模式図である。図10(a)は、固定冶具J1にカメラモジュールCiが取り付けられた固定治具付カメラモジュールJの正面図である。図10(b)は、固定治具付カメラモジュールJの側面図である。図示する例では、固定冶具J1は直方体であり、その長手方向の一方の端にカメラモジュールC1が、もう一方の端にカメラモジュールC2がそれぞれ取り付けられている。
【0043】
カメラモジュールCiは、第1のプリズム111−1の中心軸(前方中心軸ともいう。第1の方向)及び第2のプリズム112−1の中心軸(後方光中心軸ともいう。第2の方向)が、固定冶具J1の長手方向と垂直になるように配置される。このとき、カメラモジュールC1、C2は、その前側撮像範囲、後側撮像範囲、及び横側撮像範囲が略一致し、かつ前方中心軸、後方中心軸がカメラモジュールC1、C2間で平行となるように配置される。例えば、ボディーに丸みがある場合には、カメラモジュールC1、C2を治具なしで配置されると、その前側撮像範囲、後側撮像範囲、及び横側撮像範囲、前方中心軸、及び後方中心軸を合わせるのが困難な場合がある。しかし、固定治具付カメラモジュールJが用いられることにより、そのような場合でも正確にカメラモジュールCiを配置することが可能となる。
【0044】
図11は、本実施形態に係るカメラモジュール装着穴H1、H2の配置を示す模式図である。カメラモジュール装着穴H1、H2は、固定治具付カメラモジュールJが取り付けられる穴であり、カメラモジュールCiを収容できる大きさを持つ穴である。カメラモジュール装着穴H1、H2は、固定治具付カメラモジュールJに取り付けられたカメラモジュールCiがちょうど収まる位置に設けられている。
【0045】
図12は、本実施形態に係る固定治具付カメラモジュールJの取り付けの一例を説明する説明図である。固定治具付カメラモジュールJは、ボディーの車内側から取り付けられる。カメラモジュールCiは、カメラモジュール装着穴H1、H2を通じてボディー表面から突出るように固定される。固定治具付カメラモジュールJは、例えば、固定ねじScによってボディーに固定される。この際、ボディーには、固定ねじScの締結部に固定部材Bが備えられていてもよい。
【0046】
図13は、本実施形態に係るボディーにカメラモジュールCiを取り付けた様子を示す模式図である。突出量Lは、第1のプリズム111−1及び第2のプリズム112−1の視野が妨げられない範囲で、小さいほうが好ましい。例えば、図13では、カメラモジュールCiは、プリズム以外がボディー内部に極力配置され、撮像に必要最低限の部分のみを突出させるように配置されている。ここで、突出量Lとは、自動車Aのボディー表面から第3の方向に向けて測定したカメラモジュールCiの先端までの距離を示す。突出量Lが小さいほど、空気抵抗を小さくすることができる。例えば、突出量Lは、例えば、プリズムの入射面の第3の方向の幅と、同程度(例えば、高さの90%〜110%の範囲)である。
【0047】
<車載用カメラシステムの測距方法>
図14は、本実施形態に係る距離算出部14が行う距離算出処理を説明する説明図である。カメラモジュールC1、C2は、高さ方向に異なる位置に配置されている。従って、カメラモジュールC1、C2が撮像した被写体の画像は、図14(a)、(b)に示すように上下にずれている。
例えば、被写体のナンバープレートが、カメラモジュールC1が撮影した画像では、(H、V1)、カメラモジュールC2が撮影した画像では、(H、V2)に撮像される。ここで、(X、Y)とは、撮像した画像の左上を原点とし、水平方向右向きにX軸を、垂直方向下向きにY軸を設定したときの座標値(ピクセル数)を示す。
【0048】
距離算出部14は、これら2つの異なる視点から撮像した画像から同一被写体を判別する。同一被写体を判別する方法としては、SAD(Sum of Absolute Difference)を用いたブロックマッチングや、グラフカット、ダイナミックプログラミングなどの一般的なステレオマッチング手法が用いられる。距離算出部14は、異なる視点から撮像した画像における同一被写体の位置(X、Y)をそれぞれ算出する。
カメラモジュールCiでは、水平方向の視野角は略一致させてあるため、被写体の水平方向の座標値は等しくHとなっている。一方、垂直方向では、カメラモジュールC1、C2の配置のずれに起因して、撮像した画像に視差ΔV(=V1−V2)が生じる。ここで、カメラモジュールC1はC2の上部に取り付けられているため、ΔVは常に非負の値をとる。ΔVは、被写体が無限遠にある場合は「0」となり、距離が近くになるに従って大きくなる。カメラモジュールC1、C2から被写体までの距離Zは式(3)を用いて算出できる。
【0049】
【数3】

【0050】
ここで、V1は、カメラモジュールC1が撮像した被写体画像の垂直方向の座標値、V2は、カメラモジュールC2が撮像した被写体画像の垂直方向の座標値、fは撮像レンズ113−iの焦点距離、bは基線長、Pは撮像素子12−iの画素ピッチを表す。
【0051】
<ECUの動作>
ECU2は、距離算出部14が算出したカメラモジュールC1、C2と被写体との間の距離Zを示す距離情報を入力される。ECU2は、入力された距離Zに基づいて、後述するように、被写体との相対速度や被写体の絶対速度、衝突までの推定時間を算出し、危険度の判断を行う。衝突の危険がある場合はモニターやスピーカーを使用して運転手へ警告を出すほか、加速装置3や制動装置4や方向変換装置5などを自動制御することにより危険を回避する。
【0052】
<車載用カメラシステムの応用>
図15は、ECU2が行う相対速度計算処理を説明する説明図である。この図は、自動車Aと他自動車との相対速度を計算する場合の処理を説明する説明図である。
ECU2は、距離情報が示す距離Zの変化に基づいて自動車Aと他自動車との相対速度を計算する。ECU2は、計算した相対速度にと距離Zに基づいて自動車Aと他自動車との衝突までの推定時間を計算する。具体的には、自動車Aと他自動車との相対速度は次のように計算する。
例えば、ECU2は、時刻0において、自動車Aの速度Vmを検出し、また、他自動車との距離Z0を示す距離情報が距離算出部14から入力される。ECU2は、時刻tv1において、自動車Aの速度Vmを検出し、また、他自動車との距離Z1を示す距離情報が距離算出部14から入力される。このとき、ECU2は、次式(4)を用いて、自動車Aと他自動車との相対速度Vrを算出する。
【0053】
【数4】

【0054】
また、ECU2は、この相対速度と他自動車との距離Z1を示す距離情報から衝突までの推定時間taを式(5)を用いて、算出する。
【0055】
【数5】

【0056】
また、ECU2は、他自動車の絶対速度Vaを、相対速度Vrと自車速度Vmから算出する(式(6))。
【0057】
【数6】

【0058】
ECU2は、相対速度や衝突までの時間に基づいて、警告や制御の内容を選択する。ECU2は、選択した内容に基づいて、運転手にアナウンスを行う。ECU2は、選択した内容に基づいて、制動装置4や方向変換装置5を動作するなどの運転補助を行う。例えば、ECU2は、後側から衝突する危険のある車が接近してきた場合には、モニター6で警告表示やスピーカー7等から音を鳴らす事によって運転者に注意を促す。
また、ECU2は、相対速度や衝突までの時間などに基づいて衝突の可能性が高くなったと判定した場合には、方向変換装置5の操作に対してタイヤの切れ角を大きくする。ECU2は、また加速装置3や制動装置4、方向変換装置5等を自動で制御し衝突を回避する。
ECU2は、衝突回避が不可能であると判定した場合には、はプリクラッシュ制動装置を作動させて衝突速度を低減し、同時にシートベルトで運転者を拘束し、衝突による衝撃を軽減させる。ECU2は、ヘッドレストやエアバックを制御し、搭乗者への衝撃を緩和するように制御する。またECU2は、安全に車線変更等を行う為に、後続車の絶対速度や距離などをモニター等に表示して運転手に速度を教える。
【0059】
図16は、駐車補助の一例を示す説明図である。ECU2は、駐車時に側面カメラの横側確認を使用して、空いている空間を確認し、駐車動作補助を行う。つまり、運転者は、時刻tp0からtp1の間自動車Aを前進させる。車載用カメラシステム1は、時刻tp0からtp1に渡って車側面にある被写体の距離情報を取得する。ECU2は、自動車Aから障害物まで距離情報を式(3)を用いて算出する。ECU2は、得られた距離情報と、自動車Aの速度に基づいて空いているスペースの位置及び広さを算出する。ECU2は、算出したスペースと、自車の大きさとを比較し、駐車可能か否かを判断する。
ECU2は、車を駐車可能と判断した場合には、その空間に自動車Aを入れるようにモニターやスピーカーによって情報を報知することにより運転サポートを行う。また、自動で加速装置3、制動装置4、方向変換装置5を制御する自動駐車を行う。
【0060】
図17は、死角監視システムの一例を示す説明図である。交差点で、右折しようとしている自動車Aに正対して同様に右折をしようとしている対向車Bが存在するとき、自動車Aからみて対向車Bの右後方は対向車Bに視線をさえぎられて死角となる場合がある。この場合、運転者には、死角となっている領域から別の死角車Cが来ているか否かが分からないことがある。このような場合、ECU2は、自動車Aと死角車Cとの距離、自動車Aと死角車Cとの相対速度、衝突までの推定時間などを計算し、計算した結果に基づいて、安全に右折ができるか否かを判定する。ECU2は、運転手に、モニターやスピーカーを通じてアナウンスを行う。ECU2は、危険と判定したときは加速装置ロックをして自動車Aを発進させないなどの運転補助をする。
【0061】
図18は、ドア警告システムの一例を示す説明図である。自動車Aが停車時に後側から車が接近してきた時、確認せずにドアを開けてしまうと大きな事故に繋がる。ECU2は、車載用カメラシステム1を利用して後側車Dの速度や相対距離、絶対速度を計算する。ECU2は、後方から車が接近していることを感知すると、ドアを開かないように警告をする。ECU2は、算出した他車との距離や絶対速度に基づいて、安全にドアが開けられるか否かを判定する。ECU2は、判定した結果に基づいて、運転手にモニターやスピーカーを使用してアナウンスしたり、危険な場合はドアロックをするなどの安全サポートをすることも可能である。
【0062】
このように、本実施形態では、光学系11−iでは、第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iは、正対する光の進行方向を一方光へ変える。光学系11−iでは、撮像素子12−iは、第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iは、により進行方向を変えられた光を電気信号に変換する。距離算出部14は、2つの光学系11−iの撮像素子12−iが変換した電気信号に基づいて距離情報を算出する。これにより、自動車Aでは、距離の測定精度を向上できる。
【0063】
(変形例)
図19は、本実施形態の変形例に係るカメラモジュールC’iの構造を示す模式図である。本変形例に係るカメラモジュールC’iは、第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iに代わって第3のプリズム114−iが加わったことを除いて、上述の実施形態におけるカメラモジュールCiの構成と同様である。上述の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第3のプリズム114−iは、例えば、撮像レンズ113−iの光軸及び第1の方向を含む平面で切った断面が等脚台形であり、長さの等しい2つの斜辺の一方の辺から入射された第1の光は他方の斜辺で反射され、撮像レンズ113−iに入射する。第2の光は、第1の光を反射した斜辺から入射され、第1の光を入射した斜辺で反射され、撮像レンズ113−iに入射される。撮像レンズ113−iに入射された第1の光及び第2の光は、撮像素子12−i上に結像される。また、等脚台形の平行な2辺のうち、短辺側から入射した第3の光は、直接撮像レンズ113−iに入射され、撮像素子12−i上に結像される。
ここで、第1の光の受光面上の位置、第2の光の受光面上の位置、及び第3の光の受光面上の位置とは、各々異なる位置になるように、配置又はその形状が決められている。
この構成により、1つのプリズムで、第1、第2、第3の方向から入射する光を、撮像レンズ113−iを介して撮像素子12−i上に結像させることができる。
【0064】
図20は、本発明の自動車(衝突予測システム)A’の構成を示す概略ブロック図である。本変形例に係る自動車A’は、第1のプリズム111−i及び第2のプリズム112−iに代わって、第3のプリズム114−iが加わったことを除いて、上述の実施形態における自動車Aの構成と同様である。上述の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第3のプリズム114−iは、台形の形をした透明な材質からなる多面体であり、光を反射する。第3のプリズム114−iは、それぞれ正対する光の進行方向を一方向へ変えると共に、第3の方向から入射した光をプリズムで反射することなく撮像素子12−i上に結像する。
【0065】
このように、本変形例では、第3のプリズム114−iは、正対する光の進行方向を一方光へ変える。また、第3の方向から入射する光を、撮像レンズ113−iを介して撮像素子12−i上に結像する。撮像素子12−iは、第3のプリズム114−iにより進行方向を変えられた光を電気信号に変換する。距離算出部14は、2つの光学系11−iの撮像素子12−iが変換した電気信号に基づいて距離情報を算出する。これにより、本変形例では、1つのプリズムによって正対する相対する2方向から入射された光を撮像素子12−i上に結像するため、安価にカメラモジュールC’iを作成できる。
【0066】
なお、上述した実施形態における自動車A及びA’の一部をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、自動車Aに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における自動車Aの一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。自動車Aの各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0067】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・車載用カメラシステム(カメラシステム)、2・・・ECU、3・・・加速装置、4・・・制動装置、5・・・方向変換装置、6・・・モニター、7・・・スピーカー、11−1、11−2・・・光学系(光学部)、12−1、12−2・・・撮像素子、13−1、13−2・・・信号処理部、14・・・距離算出部、111−1、111−2・・・第1のプリズム(光学素子)、112−1、112−2・・・第2のプリズム(光学素子)、113−1、113−2・・・撮像レンズ、114−1・・・第3のプリズム(光学素子)、A、A’・・・自動車(衝突予測システム、駐車ガイドシステム)、B・・・対向車、C・・・死角車、Ci、C1、C2、C1’、C2’・・・カメラモジュール、D・・・後方車、H1、H2・・・モジュール装着穴、J・・・固定治具付カメラモジュール、J1・・・固定冶具、Sc・・・固定ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正対する光の進行方向を一方光へ変える少なくとも二つの光学素子と、
前記光学素子により進行方向を変えられた光を電気信号に変換する撮像素子と、
を有する光学部と、
少なくとも二つの前記光学部の撮像素子が変換した電気信号に基づいて距離情報を算出する距離算出部と、
を備えることを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
前記少なくとも2つの光学部は、前記正対する光の方向と直交する方向に並べて配置されることを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記光学素子は、プリズムであることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記二つの光学素子の間に間隙が設けられ、前記間隙を通して前記正対する方向とは異なる方向の光が前記撮像素子に結像されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項5】
正対する光の進行方向を一方光へ変える一つの光学素子と、
前記光学素子により進行方向を変えられた光を電気信号に変換する撮像素子と、
を有する光学部と、
少なくとも二つの前記光学部の撮像素子が変換した電気信号に基づいて距離情報を算出する距離算出部と、
を備えることを特徴とするカメラシステム。
【請求項6】
前記二つの光学部は、移動体の移動方向とは垂直の方向に一定の間隔を開けて前記移動体に配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項7】
前記二つの光学部は、前記光学素子のみを前記移動体のボディー外に有することを特徴とする請求項6に記載のカメラシステム。
【請求項8】
前記二つの光学部は、前記移動体の移動方向の略中央に設けられることを特徴とする請求項6または7に記載のカメラシステム。
【請求項9】
前記光学部における前記光学素子の位置が変えられることによって撮像範囲を変えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項10】
前記移動体は、自動車であって、
前記光学部の撮影範囲に前記自動車の前後のバンパーが含まれるように前記光学系が取り付けられることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載のカメラシステム。
【請求項11】
請求項4記載のカメラシステムと、
前記カメラシステムが算出した距離情報に基づいて、移動体が衝突の可能性があると判定した場合に、運転手への警告又は運転補助を行う衝突予測部と、
を備えることを特徴とする衝突予測システム。
【請求項12】
請求項4記載のカメラシステムと、
前記カメラシステムが算出した距離情報に基づいて、駐車スペースを検知し、検知した駐車スペースと自動車の大きさに基づいて駐車を補助する駐車ガイド部と、
を備えることを特徴とする駐車ガイドシステム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−53962(P2013−53962A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193156(P2011−193156)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】