説明

カメラ

【課題】ユーザによって撮影された画像をイベント毎に適切にレイアウトして、変化のある楽しい電子アルバムを作成できるカメラを提供すること。
【解決手段】画像の撮影がなされると(ステップS4)、撮影された画像が、その撮影時刻とその画像に写っている被写体の特徴とに応じて分類される(ステップS6)。画像の分類のうち、分類された画像が撮影されたと考えられるイベントが特定される(ステップS7)。その後に、電子アルバムの作成指示がなされると、イベント毎に、分類された画像の中から適切な画像がテンプレート画像上にレイアウトされることにより電子アルバムが作成される。作成された電子アルバムは表示部に表示される(ステップS9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像を分類し、分類した画像をアルバム表示するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影画像をデジタルデータとして取り扱うことができるデジタルカメラが普及している。このようなデジタルカメラでは、フィルムカメラ時代では困難であった手法で撮影画像の鑑賞を行うことが可能である。例えば、デジタルカメラ等に設けられたモニタの表示画面上に、複数の画像をレイアウトすることで作成した電子アルバムを多くの人に通信してそれぞれが鑑賞したりできるようになっている。
【0003】
このような電子アルバムの作成に関し、例えば特許文献1においては、旅行者がデジタルカメラで撮ったデータをホテルのコンピュータにインプットした後、該コンピュータにインストールされている編集用ソフトによって予め作成された編集用雛形ファイルを用いて電子アルバムを作成できるようにしている。
【特許文献1】特開2005−222513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電子アルバムにおいて1つの画面上に同じような画像がレイアウトされてしまうと電子アルバムとしての表現が単調になり易く、ユーザにとって興味のある電子アルバムとはなり難い。また、一般に、イベント毎にレイアウトすべき画像は異なるものであるため、イベント毎に適切に画像をレイアウトできなければ、やはりユーザにとって興味のある電子アルバムとはなり難い。しかしながら、以上を考慮して画像のレイアウトを行うのは、ユーザにとって煩雑な作業となりやすい。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ユーザによって撮影された画像をイベント毎に適切にレイアウトして、変化のある楽しい電子アルバムを作成できるカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様のカメラは、撮影された複数の画像を、上記画像が撮影された時間帯と上記画像の特徴とに応じて分類する分類部と、上記分類部によって分類された画像のそれぞれに関連しているイベントを特定するイベント特定部と、上記撮影された画像を表示する表示部と、上記特定されたイベント毎に上記表示部の表示態様を切り替えるように制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザによって撮影された画像をイベント毎に適切にレイアウトして、変化のある楽しい電子アルバムを作成できるカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る力メラの構成を示すブロック図である。図1に示すカメラ100は、制御部101と、操作部102と、撮像部103と、レンズ制御部104と、表示部105と、画像傾向判定部106と、時計部107と、アルバムデータベース(DB)108と、記録部109と、通信部110とを有している。また、カメラ100は、通信部110を介してサーバ200と通信自在に接続可能である。
【0009】
制御部101は、レンズ制御部104の制御、撮像部103の制御、表示部105の制御等のカメラ100の全体の動作を制御する。また、本実施形態における制御部101は、撮像部103を介して得られた画像を分類する分類部としての機能、分類された画像毎に関連しているイベントを特定するイベント特定部としての機能も有している。また、制御部101は、イベントに応じて後述する電子アルバムの表示態様を切り替えることも行う。さらに、制御部101は、電子アルバムの作成時に不足している画像が存在している場合、不足画像が存在している旨をユーザに通知することも行う。
【0010】
操作部102は、ユーザがカメラ100についての各種の操作を行うための操作部である。この操作部102の操作を検出することで、制御部101はカメラ100の各部を制御する。
【0011】
撮像部103は、図示しない被写体の像を結像させるレンズ、レンズを介して結像される被写体の像を電気信号に変換する撮像素子、撮像素子で得られた電気信号をデジタル化するA/D変換器等から構成されている。この撮像部103は、制御部101からの指示に従って被写体の撮像を行い、被写体の像に基づく画像を取得する。レンズ制御部104は、制御部101からの指示に従って撮像部103のレンズの合焦調整(AF)を行う。
【0012】
表示部105は、制御部101の制御に従って撮像部103を介して得られた画像や記録部109に記録された画像等の各種の画像を表示する。
【0013】
画像傾向判定部106は、撮像部103を介して得られた画像の傾向を判定する。ここでの画像の傾向とは、例えば、画像内の人物の有無や人数、画像の色調の分布やコントラストの分布等である。時計部107は、撮像部103を介して画像の撮影が行われた日時(撮影日時)を測定する。
【0014】
アルバムDB108には、テンプレート画像が各種記録されている。このテンプレート画像は、制御部101によってイベント毎に分類された画像を電子アルバムとして表示部105に表示させる際の画像のレイアウトの仕方を決めるための画像である。図2は、アルバムDB108に記録されるテンプレート画像の例を示している。図2では、テンプレート画像に同じイベント中に撮影された3枚の画像をレイアウトして表示部105に表示させる例を示している。
【0015】
図2(a)は、旅行用のテンプレート画像の例である。旅行においては旅先の風景が重要であり、またユーザもそれを意図して撮影を行っていることが多い。したがって、風景がメインとして写っている画像(例えば、風景のみの画像300a、風景をメインとして人物も写っている画像300c等)をメインの画像としてレイアウトする。3枚目については特に限定されるものではないが、風景画像ばかりをレイアウトしてしまうと単調な表現の電子アルバムとなってしまう。したがって、例えば3枚目の画像としては人物の画像300bをレイアウトする。この他、花の画像やお土産の画像等をレイアウトするようにしても良い。
【0016】
図2(b)は、結婚式用のテンプレート画像の例である。結婚式では、結婚した二人を写した画像301aをメインの画像としてレイアウトする。また、結婚式では、結婚した二人の比較的近くで撮影を行うこともできる。したがって、結婚した二人のアップ画像301bがある場合には、そのアップ画像301bもレイアウトする。さらには、来賓の様子を映した画像を利用したりすること等でも結婚式の雰囲気を伝えることができるので、そのような集合写真的な画像301cもレイアウトする。この他、結婚した二人の衣装全体が映っている(顔が比較的小さい)画像や厳粛な表情をしている画像等をレイアウトするようにしても良い。
【0017】
図2(c)は、運動会用のテンプレート画像の例である。ユーザの子供が写っている画像302aをレイアウトする。ここで、運動会等の学校行事では、ユーザが遠くから撮影することが多い。このような遠方からの撮影により得られた画像ばかりをレイアウトすると、単調な表現の電子アルバムになってしまう。したがって、ユーザの子供のアップの画像302bがある場合には、そのアップ画像302bもレイアウトする。さらには、校舎等の風景画像302cがある場合にはその風景画像302cもレイアウトする。
【0018】
以上のようなテンプレート画像を用いてイベント毎の画像のレイアウトを行うことにより、電子アルバムの画像を表示させる際に、同じような画像ばかりが表示されることなく、ユーザの興味を引きやすい楽しいアルバム表示を行うことが可能である。
【0019】
ここで、図2(a)〜図2(c)の例では、何れも1画面内に3枚の画像をレイアウトして電子アルバムを作成する例について説明している。しかしながら、レイアウトする画像の枚数は特に限定されるものではなく、1画面内に4枚以上の画像をレイアウトできるようにしても良い。ただし、この場合には、レイアウトする枚数に対応したテンプレート画像をアルバムDB108に予め記録しておく必要がある。
【0020】
記録部109には、撮像部103を介して得られた画像がその画像の撮影日時と関連付けられて記録される。また、記録部109は、分類記録部109aとしての記録領域を有している。この分類記録部109aには、制御部101による画像の分類結果を示す情報(撮影日時及び画像の特徴毎の画像の撮影枚数)が記録される。
【0021】
通信部110は、制御部101の制御に従って記録部109に記録された画像をサーバ200に送信する。また、サーバ200から何らかの情報が送信されてきた場合に、通信部110はその送信されてきた情報を受信する。
【0022】
以下、図1のカメラ100の動作について説明する。図3は、図1のカメラの全体的な動作を示すフローチャートである。
【0023】
カメラの電源投入後等に図3の処理が開始される。制御部101は、表示部105にスルー画表示を行う(ステップS1)。このスルー画表示において、制御部101は撮像部103を連続動作させる。そして、制御部101は、撮像部103の連続動作によって得られる画像を表示部105に逐次表示させる。このようにして表示部105に表示された画像により、ユーザは被写体の構図等の確認を行うことが可能である。
【0024】
スルー画表示を開始させた後、制御部101は、画像傾向判定部106により、撮像部103を介して得られた画像における、人物の顔部分の画像を検出させる(ステップS2)。この顔検出は、スルー画表示中において撮像部103による撮像が行われる毎に行う。画像傾向判定部106は、例えば画像中における肌色の略円形部分を顔画像として検出する。顔画像が検出できた場合にはその顔画像を保持しておく。なお、顔画像は、後述するステップS4の撮影がなされる直前のもの、即ち最新のものだけ保持しておくようにしても良い。
【0025】
顔検出の後、制御部101は、ユーザによる操作部102の操作によって撮影実行の指示がなされたか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の判定において、撮影実行の指示がなされていない場合には処理がステップS1に戻る。即ち、撮影実行の指示がなされるまでは、スルー画表示と顔検出とが繰り返されることになる。一方、ステップS3の判定において、撮影実行の指示がなされた場合に、制御部101は、各部を制御して撮影を行う(ステップS4)。この撮影において、制御部101は、まず、レンズ制御部104によって撮像部103のレンズのAF調整を実行する。その後、制御部101は、撮像部103を動作させて被写体の撮像を実行し、撮像によって得られた画像に対して各種の画像処理を行う。画像処理の後、制御部101は、画像処理を施した画像を記録部109に記録させる(ステップS5)。
【0026】
記録部109に画像を記録した後、制御部101は、この記録部109に記録させた画像の分類を行い、分類の結果を示す分類情報を分類記録部109aに記録させる(ステップS6)。その後、制御部101は、分類された画像が撮影されたと考えられるイベントを特定する(ステップS7)。なお、ステップS6の分類処理及びステップS7のイベント特定処理については後述する。
【0027】
イベント特定処理の後、制御部101は、ユーザによる操作部102の操作によって電子アルバムの作成が指示されたか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8の判定において、電子アルバムの作成が指示されていない場合に、制御部101は図3の処理を終了させる。一方、ステップS8の判定において、アルバムの作成が指示された場合に、制御部101は、後述するアルバム作成処理を実行する(ステップS9)。そして、アルバム作成処理の後、制御部101はユーザによる操作部102の操作によって電子アルバムの作成の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS10)。詳細は後述するが、アルバム作成処理により、表示部105には、制御部101によって作成された電子アルバムが表示される。ユーザはこの電子アルバムが自身の所望するものかを判断し、自身の所望するものである場合にはアルバム作成の終了を指示する。
【0028】
ステップS10の判定において、アルバム作成の終了が指示されていない場合に制御部101はステップS9の処理を再び実行する。一方、ステップS10の判定において、アルバム作成の終了が指示された場合に、制御部101は、図3の処理を終了させる。
【0029】
次に、ステップS6の画像の分類について説明する。本実施形態においては、撮影により得られた画像を、画像の撮影日時と画像の特徴とに応じて分類する。ここでの画像の特徴とは、画像に人物の顔が含まれているか、顔画像が含まれている場合にはその顔画像がアップの顔画像であるか、等である。
【0030】
図4は、画像の撮影時間帯とそれぞれの撮影時間帯に関連しているイベントとを示した図である。図4の例では一日をT1〜T6の6個の時間帯に区分している。この区分によってある程度のイベントの特定を行うことができる。例えば、時間帯T1は午前0時から午前9時までの時間帯であり、この時間帯に撮影された画像は、朝食時や通勤時に撮影された画像であると予想できる。
【0031】
ここで、分割数を6分割よりも多くすると画像の分類が困難になり、6分割より少なくするとイベントの特定が困難になる。しかしながら、分割数は必ずしも6個である必要はなく、カメラの設計等に応じて変更することができる。
【0032】
本実施形態では、顔を含む画像の時間帯毎の撮影枚数と、アップの顔を含む画像の時間帯毎の撮影枚数と、顔を含まない画像(即ち人物を含まない風景画像)の時間帯毎の撮影枚数とをそれぞれ分類記録部109aに記録させておく。なお、顔のアップの画像を含んでいるかは、例えば、画像における顔の領域の大きさを計算し、画像全体に占める顔の領域の割合がある闘値以上の大きさであるかを判定することにより行う。即ち、画像における顔の領域の割合がある闘値以上の大きさである場合には顔のアップの画像を含んでいるとする。
【0033】
図5は旅行時に撮影された画像の分類結果の例を示す図である。ここで、図5(a)は顔を含む画像の撮影枚数を時間帯毎に分類して示した例であり、図5(b)は顔を含まない画像の時間帯毎に分類して示した図である。
【0034】
図5(a)、図5(b)に示すように、旅行では複数の日数に渡って、時間帯に関係なく撮影が行われる。さらに、旅行では、風景の画像が多くなると考えられる。このように、数日に渡って風景の画像が撮影されているような場合には、ユーザが旅行先で珍しい風物を撮影しようとしていたとする。これらのような特徴を有する画像群は、旅行において撮影されたものと判断する。
【0035】
図6は、運動会及び結婚式時にそれぞれ撮影された画像の分類結果の例を示す図である。ここで、図6(a)は顔を含む画像の撮影枚数を時間帯毎に示した例であり、図6(b)は顔のアップを含む画像の撮影枚数を時間帯毎に示した図であり、図6(c)は顔を含まない画像の撮影枚数を時間帯毎に分類して示した図である。
【0036】
運動会等の学校行事は特定の日の日中(図4の例ではT2〜T3)に行われることが多く、必然的にその時間帯での撮影枚数が多くなる。また、このような学校行事では、ユーザが遠くから自分の子供等を撮影する可能性が高く、その結果、顔のアップを含まない画像の枚数に比べて、顔のアップを含む画像の枚数が少なくなると考えられる。さらに、学校行事においては子供等の人物を撮影することが多く、風景画像の枚数は少なくなると考えられる。これらのような特徴を有する画像群は、学校行事(運動会)において撮影されたものと判断する。
【0037】
また、結婚式においては、学校行事と同様に特定の日の特定の時間帯(図4の例ではT3〜T4)に撮影が集中する。また、結婚式の場合には、学校行事の場合に比べて顔のアップを含む画像が多くなると考えられる。さらに、風景画像は少なくなると考えられる。このような特徴を有する画像群は結婚式において撮影されたものと判断する。
【0038】
また、より詳細なイベントの特定を行うには、例えば、画像内の顔の数や笑顔の画像があるか否か等を判定することも有効である。これら画像内の顔の数のカウントや笑顔の画像の検出等も画像傾向判定部106によって行わせる。また、画像中の顔の有無や大きさだけでなく、その画像のもつ背景のコントラストや背景の色調等もイベントの特定に利用しても良い。また、高度な日付情報のデータベースをカメラ100に内蔵させ、日付を考慮したイベント特定(休日か平日か、連休か、大安か等からのイベント特定)を行うようにしても良い。さらには、カメラ100にGPS受信機等を持たせることで、撮影位置に応じてイベントの特定を行えるようにしても良い。
【0039】
図7は、上述の考え方に基づくイベント特定処理の詳細を示したフローチャートである。本実施形態では、画像の撮影が行われる毎に上述の分類が行われ分類記録部109aに記録されている情報が更新される。制御部101はこの分類記録部109aに記録されている分類情報を参照することでイベントの特定を行う。なお、図7の例においては、説明を簡単化するために、代表的な撮影シーンである、「学校行事(運動会等)」、「パーティー(結婚式を含む)」、「旅行」の中からイベントを特定するようにしている。これらに該当しないイベントは全て「その他」とする。例えば、ペットの写真等が「その他」に含まれる。なお、図4で示した撮影時間帯とイベントとの関係を用いてより詳細にイベントの特定を行うようにしても良い。
【0040】
まず、制御部101は、分類記録部109aに記録されている分類情報を参照する(ステップS101)。そして、制御部101は、参照した分類情報の中から、最新の画像(イベント特定の直前に得られた画像)が撮影された日付に対応した分類情報を取得する(ステップS102)。次に、制御部101は、最新の画像が撮影された日付に対応した分類情報から、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に集中して複数の画像が撮影されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0041】
ステップS103の判定において、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に集中して複数の画像が撮影されている場合に、制御部101は、その時間帯に撮影された画像が学校行事又はパーティーで撮影された画像であると特定する。次に、画像の特徴からさらなるイベントの特定を行う。このために、制御部101は、ステップS103の最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像のうち、アップの顔画像の撮影枚数が所定枚数よりも少ないか否かを判定する(ステップS104)。上述のように、学校行事では、子供に近づけないことが多いので、小さい顔を含む画像の枚数が増えると考えられる。これに対し、パーティーでは被写体の近くで撮影を行うことができるので、アップの顔画像の枚数が学校行事に比べて多いと考えられる。したがって、ステップS104の判定において、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像のうち、アップの顔画像の撮影枚数が所定枚数よりも少ない場合に、制御部101は、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像群が学校行事中に撮影された画像であると特定する(ステップS105)。また、ステップS104の判定において、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像のうち、アップの顔画像の撮影枚数が所定枚数以上である場合に、制御部101は、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像群がパーティー中に撮影された画像であると特定する(ステップS106)。
【0042】
また、ステップS103の判定において、画像の撮影時刻が所定の時間帯に集中していない場合に、制御部101は、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された各画像が撮影されたと考えられるイベントを旅行又はその他であると特定する。次に、画像の特徴からさらなるイベントの特定を行う。このために、制御部101は、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像のうち、風景画像(顔以外の画像)の撮影枚数が所定枚数よりも多いか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の判定において、風景画像の撮影枚数が所定枚数よりも多い場合に、制御部101は、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像群が旅行中に撮影された画像であると特定する(ステップS108)。また、ステップS107の判定において、風景画像の撮影枚数が所定枚数以下である場合に、制御部101は、最新の画像の撮影時刻を含む時間帯に撮影された画像群がその他のイベントで撮影された画像であると特定する(ステップS109)。
【0043】
次に、電子アルバムの作成処理について説明する。図8A及び図8Bは電子アルバム作成処理について示すフローチャートである。
【0044】
イベント特定処理により、ステップS4において撮影された画像が撮影されたと考えられるイベントが特定されている。制御部101は、この特定されたイベントが旅行であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定において、イベント特定処理によって特定されたイベントが旅行である場合に、制御部101は、旅行中に撮影されたと考えられる画像群の中で人物(顔)が写っている画像があるか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22の判定において、人物が写っている画像が存在している場合には、人物が写っている画像の中で背景のコントラストが最も高い画像を選択してテンプレート画像にレイアウトする(ステップS23)。これによって、最も鮮烈な風景をバックにした重要画像が電子アルバムに採用される。これに対し、ステップS22の判定において、人物が写っている画像が存在していない場合には、制御部101は人物画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS24)。なお、人物が写っている画像の代わりに、背景のコントラストが最も高い画像をレイアウトするようにしても良い。
【0045】
次に、制御部101は、人物以外の被写体を重視した判定を行うべく、ステップS23で選択した画像の背景と異なる色調の背景の画像があるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定において、背景の色調が異なる画像が存在する場合に、制御部101は、背景の色調が異なる画像のうちで例えば背景のコントラストが最も高い画像をテンプレート画像にレイアウトする(ステップS26)。なお、ステップS26でレイアウトする画像には人物が含まれていなくとも良い。また、ここではコントラストの高い画像をレイアウトするようにしているが、これに限るものではない。一方、ステップS25の判定において、背景の色調が異なる画像が存在しない場合に、制御部101は、背景の色調が異なる画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS27)。同じような色調の写真(桜の花ばかり、新緑ばかり、霧の中、雪景色等)ばかりをレイアウトしてしまうと、電子アルバムとしての表現が単調となりアクセントが付かなくなる。このため、ステップ25の判定を行うようにしている。なお、不足画像がある場合であっても、背景の色調が同じ画像の中から1枚を選択してレイアウトするようにしても良い。
【0046】
次に、制御部101は、人物を重視した判定を行うべく、背景の色調が異なる画像の中で正面を見て笑っている人物を含む画像があるか否かを判定する(ステップS28)。画像中の人物が笑っているか否かは例えば画像傾向判定部106における画像認識によって判定できる。ステップS28の判定において、背景の色調が異なる画像の中に正面を見て笑っている人物の画像がある場合には、人物の笑顔の画像の中で例えば背景のコントラストが高い画像をテンプレート画像にレイアウトする(ステップS29)。一方、ステップS28の判定において、背景の色調が異なる画像の中に正面を見て笑っている人物の画像がない場合には、制御部101は人物の笑顔の画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS30)。なお、人物の笑顔の画像がない場合でも何らかの画像をレイアウトするようにしても良い。
【0047】
また、ステップS21の判定において、イベント特定処理によって特定されたイベントが旅行でない場合に、制御部101は、イベント特定処理によって特定されたイベントがパーティーであるか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31の判定において、イベント特定処理によって特定されたイベントがパーティーである場合に、制御部101は、パーティー中に撮影されたと考えられる画像群の中で3人以上の人物(顔)が写っている画像が所定枚数以上あるか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32の判定において、3人以上の人物が写っている画像が所定枚数以上ある場合には飲み会等のパーティーであるとする。この場合、制御部101は、パーティー中に撮影されたと考えられる画像群の全ての画像の中に同一人物が含まれているか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33の判定において、全ての画像に同一人物が含まれていない場合に、制御部101は、同一人物が含まれていない画像の中で撮影時刻が所定時間以上異なっている画像をテンプレート画像にレイアウトする(ステップS34)。一方、ステップS33の判定において、全ての画像に同一人物が含まれている場合に、制御部101は異なる人物の画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS35)。パーティーの場合には、様々な人物が写っていることが好ましいため、ステップS33の判定を行う。なお、異なる人物の画像が不足していても何らかの画像をレイアウトするようにしても良い。また、ステップS33において、複数の同一人物が含まれている場合に不足画像があると判定するようにしても良い。
【0048】
また、ステップS32の判定において、3人以上の人物が写っている画像が所定枚数よりも少ない場合には結婚式であるとする。この場合、制御部101は、結婚式中に撮影されたと考えられる画像群の中に2人の人物の全身像の画像(2人の人物が写っており、且つ顔が比較的小さい画像)があるか否かを判定する(ステップS36)。ステップS36の判定において、2人の人物の全身像の画像がある場合には、その画像に写っている2人の人物が結婚したものとする。なお、例えばパターンマッチングを用いてこの2人の人物が結婚式の衣装を着ているか否かをさらに詳しく判定するようにしても良い。このように結婚式中に撮影されたと考えられる画像がある場合に、制御部101は、結婚式中に撮影されたと考えられる画像群の中から、結婚したと考えられる2人の全身像が写っており、且つ笑顔でない表情(厳粛な表情)の画像を選択してテンプレート画像にレイアウトする(ステップS37)。一方、ステップS36の判定において、2人の人物の全身像の画像がない場合に、制御部101は結婚したと考えられる2人の人物の全身像の画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS38)。なお、人物の全身像の画像がない場合でも何らかの画像をレイアウトするようにしても良い。
【0049】
次に、制御部101は、結婚式中に撮影されたと考えられる画像群の中に、結婚したと考えられる2人が笑っているアップの画像があるか否かを判定する(ステップS39)。ステップS39の判定において、2人の人物の笑顔の画像がある場合に、制御部101は2人の笑顔の画像の中で、例えば2人の顔が最もアップで写っている画像を選択してテンプレート画像にレイアウトする(ステップS40)。一方、ステップS39の判定において、2人の人物の笑顔の画像がない場合に、制御部101は、結婚したと考えられる2人の笑顔の画像がない旨を示す情報を保持する(ステップS41)。なお、人物の笑顔の画像がない場合等でも何らかの画像をレイアウトするようにしても良い。
【0050】
次に、制御部101は、結婚式中に撮影されたと考えられる画像群の中に、結婚したと考えられる2人以外が写っている画像があるか否かを判定する(ステップS42)。ステップS42の判定において、結婚したと考えられる2人以外が写っている画像がある場合に、制御部101は、その画像の中で例えば笑顔の多い画像をテンプレート画像にレイアウトする(ステップS43)。一方、ステップS42の判定において、結婚したと考えられる2人以外が写っている画像がない場合に、制御部101は、結婚したと考えられる2人以外が写っている画像がない旨を示す情報を保持する(ステップS44)。なお、結婚したと考えられる2人以外が写っている画像がない場合等でも何らかの画像をレイアウトするようにしても良い。
【0051】
また、ステップS31の判定において、イベント特定処理によって特定されたイベントがパーティーでない場合に、制御部101は、イベント特定処理によって特定されたイベントが学校行事であるか否かを判定する(ステップS45)。ステップS45の判定において、イベント特定処理によって特定されたイベントが学校行事である場合に、制御部101は、学校行事中に撮影されたと考えられる画像の中に、笑っている人物のアップ画像があるか否かを判定する(ステップS46)。運動会等の場合、自分の子供を中心に撮影を行っても、子供までの距離が遠く、小さな顔の画像が多くなると考えられる。このような状況では、人物のアップ画像は貴重である。したがって、そのようなメインとなる画像があるかどうかを判定するべく、ステップS46の判定を行う。
【0052】
ステップS46の判定において、笑っている人物のアップの画像がある場合には、その笑っている人物をユーザの子供とする。この場合に、制御部101は、笑っている人物のアップの画像の中で、例えば人物が最もアップで写っている画像を選択してテンプレート画像にレイアウトする(ステップS47)。一方、ステップS46の判定において、笑っている人物のアップの画像がない場合に、制御部101は、笑っている人物のアップ画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS48)。なお、この場合にも何らかの画像をレイアウトするようにしても良い。
【0053】
次に、制御部101は、学校行事中に撮影されたと考えられる画像の中に、撮影時刻が所定時間以上異なる画像が撮影タイミングで撮影された人物画像があるか否かを判定する(ステップS49)。ステップS49の判定において、異なるタイミングで撮影された人物画像がない場合には、電子アルバムとしての表現が単調になる。この場合に、制御部101は、異なるタイミングで撮影された人物画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS50)。なお、この場合にも何らかの画像をレイアウトするようにしても良い。
【0054】
一方、ステップS49の判定において、異なるタイミングで撮影された人物画像がある場合に、制御部101は、その異なるタイミングで撮影された人物画像の中に、ステップS50でレイアウトした画像に写っている人物と同一人物を含む画像があるか否かを判定する(ステップS51)。ステップS51の判定において、同一人物の画像がある場合に、制御部101は、ステップS50でレイアウトした画像と異なるタイミングで撮影された画像の中から1枚を選択してテンプレート画像にレイアウトする(ステップS52)。一方、ステップS51の判定において、同一人物の画像がない場合に、制御部101は、ステップS50でレイアウトした画像と異なるタイミングで撮影されたユーザの子供の画像が不足している旨を示す情報を保持する(ステップS53)。なお、この場合には、同一人物を含まない画像をレイアウトするようにしても良い。
【0055】
次に、制御部101は、学校行事中に撮影されたと考えられる画像の中に、顔(人物)以外が写っている画像があるか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54の判定において、学校行事中に撮影されたと考えられる画像の中に、顔(人物)以外が写っている画像がある場合に、制御部101は、その画像の中から1枚を選択して(例えばコントラストの高い画像を選択する)テンプレート画像にレイアウトする(ステップS55)。顔(人物)の画像ばかりで電子アルバムが構成されると、その場の雰囲気が分かりづらいので、顔以外の画像があればその画像を優先して選択する。一方、ステップS54の判定において、学校行事中に撮影されたと考えられる画像の中に、顔(人物)以外が写っている画像がない場合には、単調なアルバムになるとして、制御部101は、顔(人物)以外が写っている画像がない旨を示す情報を保持する(ステップS56)。
【0056】
また、ステップS45の判定において、イベント特定処理によって特定されたイベントが学校行事でない場合に、制御部101は、その他のイベントにおいて撮影されたと考えられる画像の中で背景が異なる最新の3枚の画像を選択してテンプレート画像にレイアウトする(ステップS57)。
【0057】
テンプレート画像の画像をレイアウトした後、制御部101は、不足画像がなかったか否かを判定する(ステップS58)。ステップS58の判定において、不足画像がなかった場合に、制御部101はテンプレート画像を表示部105に表示させる(ステップS59)。一方、ステップS58の判定において、不足画像があった場合に、制御部101はテンプレート画像を表示部105に表示させるとともに、不足画像の撮影を促すアドバイスメッセージを表示させる(ステップS60)。ステップS59又はステップS60の後、制御部101は図8A、図8Bの処理を終了させて図3の処理に復帰する。
【0058】
図9は、電子アルバムの作成後に表示部105の表示される画面の一例を示した図である。なお、図9は、旅行時において撮影された画像の表示例を示している。図9の例では、人物と風景を写した画像300c及び風景のみの画像300aが表示されている。ここで、画像300aと画像300cとでは風景の色調が同じ画像であり、このような場合には、背景の色調が単調である旨を示すメッセージ300dが表示される。このようなメッセージ300dを表示させることにより、ユーザは背景の色調が異なる画像が不足していることを認識することが可能となる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザによって撮影された画像をイベント毎に適切にレイアウトして、変化のある楽しい電子アルバムを作成可能である。また、このような電子アルバムは、通信部110を介して絵葉書のように送ることもできる。
【0060】
さらに、本実施形態においては、電子アルバムの作成時にレイアウトすべきである画像が不足している場合には、不足画像がある旨のアドバイスが行われる。これにより例えば運動会が終わった後で電子アルバムの作成操作が行われた場合には、校舎の画像の撮影を促したり、運動会が終わった後のほっとした子供の顔のアップの画像の撮影を促したりすることが可能である。また、結婚式においても同じ人物の画像ばかりを撮影していた場合は、他の画像を撮影するようにアドバイスされる。これにより、ユーザは、他の人物の画像も撮影撮り逃さずに帰ることができる。また、衣装全体が分かるような全身像を撮り忘れた場合も、式場を出る前にチェックすることによって、最後に挨拶する新郎新婦を撮影する等して変化をつけることができる。旅行においても、同様の風景ばかりを撮影していると単調となるが、人物のアップの画像の撮影等を促すことによって色彩的に華やかにすることができる。
【0061】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、上述の実施形態において、イベント毎にレイアウトする画像の種類は一例であって各種の変更を行っても良い。また、カメラ100にGPS受信機等を持たせて、撮影位置に応じてアドバイスを行えるようにしても良い。これにより例えば、旅行の場合には、旅行先毎の特徴的な風景が撮影されていない場合にその旨をアドバイスできるようにしても良い。
【0062】
また、上述の実施形態において、ユーザへの不足画像のアドバイスは表示によって行っているが、アドバイスを音声等の別の形態によって行うようにしても良い。
【0063】
また、上述の実施形態においては、電子アルバムの作成をカメラ100において行っているが、制御部101における電子アルバムの作成に係る一連の制御を実行する機能、画像傾向判定部106の機能、アルバムDB108の機能をサーバ200に持たせるようにすれば電子アルバムの作成をサーバ200にて実行することもできる。
【0064】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る力メラの構成を示すブロック図である。
【図2】アルバムデータベースに記録されるテンプレート画像の例を示している。
【図3】図1のカメラの全体的な動作を示すフローチャートである。
【図4】画像の撮影時間帯とそれぞれの撮影時間帯に関連しているイベントとを示した図である。
【図5】旅行時に撮影された画像の分類結果の例を示す図である。
【図6】運動会及び結婚式時にそれぞれ撮影された画像の分類結果の例を示す図である。
【図7】イベント特定処理の詳細を示したフローチャートである。
【図8A】電子アルバム作成処理について示すフローチャートの第1図である。
【図8B】電子アルバム作成処理について示すフローチャートの第2図である。
【図9】電子アルバムの作成後に表示部の表示される画面の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0066】
100…カメラ、101…制御部、101a…アドバイス部、102…操作部、103…撮像部、104…レンズ制御部、105…表示部、106…画像傾向判定部、107…時計部、108…アルバムデータベース(DB)、109…記録部、109a…分類記録部、110…通信部、200…サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された複数の画像を、上記画像が撮影された時間帯と上記画像の特徴とに応じて分類する分類部と、
上記分類部によって分類された画像のそれぞれに関連しているイベントを特定するイベント特定部と、
上記撮影された画像を表示する表示部と、
上記特定されたイベント毎に上記表示部の表示態様を切り替えるように制御する制御部と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
上記制御部は、上記分類された画像のうちで上記表示部に表示させる画像の取捨選択を上記イベント毎に行うことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
上記制御部は、上記表示部に表示させるべき画像の中に、不足する画像が存在する場合には、不足する画像が存在している旨を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−21721(P2010−21721A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179339(P2008−179339)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】