説明

カラオケシステム、カラオケ装置、リモコン装置

【課題】リモコン、コマンダを有するカラオケシステム等に関し、ペアリング処理により対象となるコマンダが変更された場合であっても、迅速にリモコンとコマンダによりカラオケサービスを提供し得るカラオケシステム等を提供する。
【解決手段】カラオケシステム1は、コマンダ200、リモコン300、サーバ400を有して構成される。コマンダ200は、通信網Nを介して、制御プログラムパッケージの配信を受け、更新する。リモコン300は、ペアリング処理で特定されたコマンダ200から、リモコンプログラムパッケージを取得・更新し得る。ペアリング処理により、特定のコマンダ200が変更された場合、リモコン300は、変更の前後に係るコマンダ200に対応するパッケージリスト情報の内容を比較し、比較結果に基づいて、変更後のコマンダ200に対応し得るリモコンプログラムパッケージを用いて、当該リモコン300を制御するように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンと、コマンダより構成されるカラオケシステム、カラオケ装置、リモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケシステムの分野においては、カラオケサービスの提供にあたり、ネットワーク網を介して、サーバから、カラオケ楽曲データの配信を受け、当該カラオケ楽曲データを用いて、最新のカラオケ楽曲を用いたカラオケ歌唱を可能としたカラオケシステムが知られている。
【0003】
このようなカラオケシステムにおいては、各カラオケ装置におけるデータの取得状況は、ネットワーク網の通信環境(通信速度、マスタ、スレイブの接続態様等)に応じて相違する。この結果、当該カラオケシステムを構成するカラオケ装置の間で、提供可能なカラオケサービスの内容が相違してしまうことがあった。
【0004】
ここで、データの取得状況の相違に鑑みてなされた発明として、例えば、特許文献1記載の発明が知られている。当該特許文献1記載のカラオケシステムは、サーバから直接的にデータの配信を受けるカラオケ装置(以下、マスタ機)と、当該マスタ機を含む他のカラオケ装置からデータの配信を受けるカラオケ装置(以下、スレイブ機)とをネットワーク網で接続して構成されている。そして、当該カラオケシステムは、ネットワーク網を介して接続された他のカラオケ装置から、自機が保有していないデータを取得することにより、最終的に、当該カラオケシステムを構成する各カラオケ装置に対するデータの取得状況を均一化している。
【0005】
【特許文献1】特開2010−085661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のカラオケシステムであっても、当該カラオケシステムを構成する全てのカラオケ装置におけるデータの取得状況を、同時に均一化することはできない。即ち、特許文献1記載のカラオケシステムであっても、当該カラオケシステム内には、データの取得状況の異なるカラオケ装置が生じてしまう。
【0007】
又、カラオケシステムに係るカラオケ装置は、リモコンと、コマンダを有し、リモコンに対する操作を行うことで、コマンダを遠隔操作して、カラオケ楽曲の予約や演奏制御を行うように構成されている。リモコンによりコマンダを遠隔操作する必要上、リモコンは、例えば、無線LAN通信等により電波を介して、コマンダと通信可能に接続される。そして、リモコン及びコマンダは、夫々の制御プログラムや制御データを用い、相互に協働することにより、上述した各種機能を実現している。
【0008】
又、カラオケ店舗等の複数のリモコン、コマンダが一定範囲内で使用される状況下において、ユーザ所望のコマンダではなく、他のコマンダと通信してしまう場合があるため、リモコンは、特定のコマンダを通信相手先として対応付けておくペアリング処理を行っておくことが望ましい。
【0009】
ここで、特許文献1記載のカラオケシステムにおいて、カラオケ楽曲データと同様に、ネットワーク網を介した配信により、カラオケ装置を構成するコマンダ、リモコンに係る制御プログラム等(以下、制御情報)を更新する構成について考察する。このように、コマンダ、リモコンの制御情報を更新することにより、当該カラオケシステムにおける新機能の追加による新たなサービスの提供や、従前のコマンダ、リモコンにおける制御上の不具合の是正を行い得る為である。
【0010】
この場合において、当該カラオケシステムによれば、先ず、マスタ機に係るコマンダは、ネットワーク網を介してサーバから配信を受けて、当該コマンダの制御情報を更新する。その後、マスタ機に係るコマンダが更新されると、スレイブ機に係るコマンダは、順次、マスタ機に係るコマンダから制御情報を取得し、自機の制御情報を更新する。そして、当該リモコンは、ペアリング処理により特定されたコマンダから制御情報を取得することにより、当該リモコンに係る制御情報を更新する。
【0011】
従って、特許文献1記載のカラオケシステムによって、ネットワーク網を介したサーバの配信によって、コマンダの制御情報を更新する場合であっても、各コマンダにおける制御情報の取得状況(制御情報の更新状況)は、通信環境(通信速度等)やマスタ機、スレイブ機の別などに基づいて相違してしまう。更に、各コマンダの制御情報の取得状況が相違することによって、コマンダから制御情報を取得するリモコンに関しても、各リモコン間で、制御情報の取得状況が相違してしまうこととなる。
【0012】
ここで、リモコンについては、コマンダと無線接続されて使用される装置であるため、容易に持ち運びが可能である。従って、当該リモコンは、ペアリング処理を行えば、無線操作の対象となるコマンダを、従前のコマンダから、新たなコマンダに変更し得る。
【0013】
上述したように、制御情報の取得状況は、当該カラオケシステムを構成する各コマンダの間で相違する可能があり、リモコンとコマンダは、協働した制御を行うことにより、カラオケ装置における種々の機能を実現している。そうすると、ペアリング処理によって、リモコンの無線操作の対象となるコマンダを変更した場合、リモコンの制御情報と、新たに無線操作の対象となったコマンダの制御情報が相違することで、リモコンが正常に機能せず、カラオケ装置における機能不全が生じてしまう場合がある。そして、このような場合、ユーザは、新たに対象となったコマンダを介して、リモコンが制御情報を取得するまで、当該リモコンの使用を待機することになってしまう。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、リモコン、コマンダを有するカラオケシステム等に関し、ペアリング処理によりリモコンの通信相手先を変更した場合であっても、迅速にカラオケサービスを提供可能なカラオケシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一側面に係る請求項1記載のカラオケシステムは、コマンダと、リモコンと、から構成されるカラオケシステムであって、前記コマンダは、通信網を介して、当該コマンダの制御に用いられるコマンダ制御情報と、前記リモコンの制御に用いられるリモコン制御情報とを含む制御情報パッケージを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記制御情報パッケージを記憶するコマンダ記憶手段と、前記コマンダ制御情報に基づいて、コマンダの制御を行うコマンダ制御手段と、を有し、前記リモコンは、種々の入力操作に用いられる入力手段と、前記リモコン制御情報に基づいて、当該リモコンの制御を行う制御手段と、前記コマンダとの間における情報通信に用いられる通信手段と、前記通信手段による通信相手先として、特定のコマンダを設定する通信相手先設定手段と、前記通信相手先設定手段により設定されたコマンダのコマンダ記憶手段から、前記通信手段を介して取得された前記リモコン制御情報を格納する第1記憶手段と、前記第1記憶手段に格納されたリモコン制御情報よりも以前に、前記通信手段を介して取得されたリモコン制御情報を格納する第2記憶手段と、前記通信相手先設定手段により、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を行うように設定する動作内容設定手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
当該カラオケシステムは、コマンダと、リモコンと、から構成されている。そして、コマンダは、取得手段と、コマンダ記憶手段と、コマンダ制御手段と、を有している。従って、コマンダは、取得手段により、通信網を介して、制御情報パッケージを取得することで、コマンダ制御情報を更新することができ、新たなコマンダ制御情報に基づいて、コマンダ制御手段による制御を行い得る。又、リモコンは、入力手段と、制御手段と、通信手段と、通信相手先設定手段と、第1記憶手段と、第2記憶手段と、比較手段と、動作内容設定手段と、を有する。当該リモコンは、通信相手先特定手段によって特定されたコマンダから、通信手段により、リモコン制御情報を取得し、制御手段で使用するリモコン制御情報を更新し得る。ここで、リモコンは、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、比較手段によって、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較し、当該比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を行うように設定する。これにより、当該リモコンは、第1記憶手段により取得された最新のリモコン制御情報と、第2記憶手段に格納されている従前のリモコン制御情報を適宜選択して制御手段による制御に用いるので、前記変更後のコマンダに対応し得る。即ち、当該カラオケシステムによれば、変更後のコマンダを介したリモコン制御情報の取得を待つことなく、リモコン、コマンダを用いたカラオケサービスを提供し得る。
【0017】
本発明の一側面に係る請求項2記載のカラオケシステムは、請求項1記載のカラオケシステムであって、前記動作内容設定手段は、前記比較手段により、変更前の制御情報パッケージの内容と、変更後の制御情報パッケージの内容が一部相違すると判断された場合に、当該相違点に係るリモコン制御情報に基づく機能を制限して、当該リモコンの制御を前記変更後のコマンダに対して行うように設定することを特徴とする。
【0018】
当該カラオケシステムにおいて、変更前の制御情報パッケージの内容と、変更後の制御情報パッケージの内容が一部相違すると判断された場合に、リモコンは、当該相違点に係るリモコン制御情報に基づく機能を制限して、当該リモコンの制御を前記変更後のコマンダに対して行うように設定する。即ち、当該カラオケシステムによれば、通信相手先の変更前の制御情報パッケージの内容と、変更後の制御情報パッケージの内容が一部相違する場合に、当該相違点に係るリモコン制御情報に基づく機能を制限して、当該リモコンの制御を前記変更後のコマンダに対して行う。これにより、当該カラオケシステムによれば、変更後のコマンダを介したリモコン制御情報の取得を待つことなく、相違点に係る一部機能を制限するだけで、リモコン、コマンダを用いたカラオケサービスを提供し得る。
【0019】
本発明の一側面に係る請求項3記載のカラオケ装置は、コマンダと、リモコンと、から構成されるカラオケ装置であって、前記コマンダは、通信網を介して、当該コマンダの制御に用いられるコマンダ制御情報と、前記リモコンの制御に用いられるリモコン制御情報とを含む制御情報パッケージを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記制御情報パッケージを記憶するコマンダ記憶手段と、前記コマンダ制御情報に基づいて、コマンダの制御を行うコマンダ制御手段と、を有し、前記リモコンは、種々の入力操作に用いられる入力手段と、前記リモコン制御情報に基づいて、当該リモコンの制御を行う制御手段と、前記コマンダとの間における情報通信に用いられる通信手段と、前記通信手段による通信相手先として、特定のコマンダを設定する通信相手先設定手段と、前記通信相手先設定手段により設定されたコマンダのコマンダ記憶手段から、前記通信手段を介して取得された前記リモコン制御情報を格納する第1記憶手段と、前記第1記憶手段に格納されたリモコン制御情報よりも以前に、前記通信手段を介して取得されたリモコン制御情報を格納する第2記憶手段と、前記通信相手先設定手段により、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を前記変更後のコマンダに対して行うように設定する動作内容設定手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
当該カラオケ装置は、コマンダと、リモコンとから構成されている。そして、コマンダは、取得手段と、コマンダ記憶手段と、コマンダ制御手段と、を有している。従って、コマンダは、取得手段により、通信網を介して、制御情報パッケージを取得することで、コマンダ制御情報を更新することができ、新たなコマンダ制御情報に基づいて、コマンダ制御手段による制御を行い得る。又、リモコンは、入力手段と、制御手段と、通信手段と、通信相手先設定手段と、第1記憶手段と、第2記憶手段と、比較手段と、動作内容設定手段と、を有する。当該リモコンは、通信相手先特定手段によって特定されたコマンダから、通信手段により、リモコン制御情報を取得し、制御手段で使用するリモコン制御情報を更新し得る。ここで、リモコンは、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、比較手段によって、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較し、当該比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を行うように設定する。これにより、当該リモコンは、第1記憶手段により取得された最新のリモコン制御情報と、第2記憶手段に格納されている従前のリモコン制御情報を適宜選択して制御手段による制御に用いるので、前記変更後のコマンダに対応し得る。即ち、当該カラオケ装置によれば、変更後のコマンダを介したリモコン制御情報の取得を待つことなく、リモコン、コマンダを用いたカラオケサービスを提供し得る。
【0021】
本発明の一側面に係る請求項4記載のリモコン装置は、カラオケ歌唱に係る制御を行うコマンダと通信可能なリモコン装置であって、前記リモコンは、種々の入力操作に用いられる入力手段と、前記コマンダとの間における情報通信に用いられる通信手段と、前記通信手段による通信相手先として、特定のコマンダを設定する通信相手先設定手段と、前記通信相手先設定手段により設定されたコマンダの記憶手段に格納されている当該リモコンの制御に用いられるリモコン制御情報を含む制御情報パッケージから、前記通信手段を介して取得された前記リモコン制御情報を格納する第1記憶手段と、前記第1記憶手段に格納されたリモコン制御情報よりも以前に、前記通信手段を介して取得されたリモコン制御情報を格納する第2記憶手段と、前記リモコン制御情報に基づいて、当該リモコンの制御を行う制御手段と、前記通信相手先設定手段により、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を前記変更後のコマンダに対して行うように設定する動作内容設定手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
当該リモコン装置は、カラオケ歌唱に係る制御を行うコマンダと通信可能に構成され、入力手段と、通信手段と、通信相手先設定手段と、第1記憶手段と、第2記憶手段と、制御手段と、比較手段と、動作内容設定手段と、を有する。従って、当該リモコンは、通信相手先特定手段によって特定されたコマンダから、通信手段により、リモコン制御情報を取得し、制御手段で使用するリモコン制御情報を更新し得る。ここで、リモコンは、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、比較手段によって、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較し、当該比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を行うように設定する。これにより、当該リモコンは、第1記憶手段により取得された最新のリモコン制御情報と、第2記憶手段に格納されている従前のリモコン制御情報を適宜選択して制御手段による制御に用いるので、前記変更後のコマンダに対応し得る。即ち、当該リモコン装置によれば、変更後のコマンダを介したリモコン制御情報の取得を待つことなく、リモコン、コマンダを用いたカラオケサービスを提供し得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、リモコンと、コマンダから構成されるカラオケシステムにおいて、リモコンとコマンダとの対応付け(ペアリング)が変更された場合であっても、変更前後の制御情報パッケージの内容を比較することにより、最新のリモコン制御情報と、従前のリモコン制御情報から、変更後のコマンダに対応するリモコン制御情報を用いた制御を、変更後のコマンダに対して行い得る。これにより、リモコンとコマンダとの対応付けが変更された場合であっても、リモコンとコマンダを用いたカラオケサービスを迅速に提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】カラオケシステムの構成の一例を示す説明図である。
【図2】カラオケ装置、リモコン、コマンダの構成の一例を示す説明図である。
【図3】パッケージリスト情報の内容に関する説明図である。
【図4】リモコン動作設定処理プログラムのフローチャートである。
【図5】第1メニュー画面の一例を示す説明図である。
【図6】第2メニュー画面の一例を示す説明図である。
【図7】第1コマンダから第2コマンダへ変更した場合の動作内容を示す説明図である。
【図8】第1コマンダに係るパッケージリスト情報の一例を示す説明図である。
【図9】第2コマンダに係るパッケージリスト情報の一例を示す説明図である。
【図10】第1コマンダから第3コマンダへ変更した場合の動作内容を示す説明図である。
【図11】第3コマンダに係るパッケージリスト情報の一例を示す説明図である。
【図12】図10の場合におけるリモコンのパッケージリスト情報の内容を示す説明図である。
【図13】第1コマンダから第4コマンダへ変更した場合の動作内容を示す説明図である。
【図14】第4コマンダに係るパッケージリスト情報の内容を示す説明図である。
【図15】図13の場合におけるリモコンのパッケージリスト情報の内容を示す説明図である。
【図16】第2コマンダから第4コマンダへ変更した場合の動作内容を示す説明図である。
【図17】図16の場合におけるリモコンのパッケージリスト情報の内容を示す説明図である。
【図18】第3コマンダから第2コマンダへ変更した場合の動作内容を示す説明図である。
【図19】図18の場合におけるリモコンのパッケージリスト情報の内容を示す説明図である。
【図20】第4コマンダから第2コマンダへ変更した場合の動作内容を示す説明図である。
【図21】図20の場合におけるリモコンのパッケージリスト情報の内容を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0026】
(カラオケシステムの構成)
先ず、本実施形態に係るカラオケシステム1の構成について、図面を参照しつつ説明する。当該カラオケシステム1は、所定のカラオケ店舗に設置された複数のコマンダ200と、リモコン300により構成されている。当該カラオケ店舗において、特定の一のコマンダ200(所謂、マスタ機)が、通信網Nを介して、サーバ400と通信可能に接続されており、他のコマンダ200(所謂、スレイブ機)は、当該マスタ機に係るコマンダ200と通信可能に接続されている(図1参照)。尚、通信網Nは、例えば、インターネットを利用したVPNにより構成される。
【0027】
そして、当該カラオケシステム1に係るサーバ400は、通信網Nを介して、カラオケ楽曲データや後述する制御プログラムパッケージを、各コマンダ200に配信可能に構成されている。従って、当該カラオケシステム1において、制御プログラムパッケージを含む各種データの配信は、先ず、マスタ機に係るコマンダ200に対して配信される(一次配信)。その後、制御プログラムパッケージを含む各種データは、マスタ機に係るコマンダ200によって、当該カラオケ店舗のスレイブ機に係るコマンダ200に対して、順次配信される(二次配信)。従って、配信データの取得状況は、当該カラオケ店舗に設置されたコマンダ200であっても夫々異なり得る。これにより、当該カラオケ店舗に係るコマンダ200であっても、制御プログラムパッケージの更新状況は夫々異なることになる。
【0028】
尚、本実施形態に係るコマンダ200には、「機種(A)」「機種(B)」の2種類の機種が存在するものとする。「機種(A)」は、ナローバンド通信に対応した機種であり、「機種(B)」は、ブロードバンド通信に対応した機種を意味する。従って、当該カラオケ店舗には、ナローバンドに係る通信網Nを介して、サーバ400と接続された「機種(A)」に係るコマンダ200(マスタ機、スレイブ機を含む)と、ブロードバンドに係る通信網Nを介して、サーバ400と接続された「機種(B)」に係るコマンダ200(マスタ機、スレイブ機を含む)が混在している(図1参照)。又、図1の各コマンダ200における「ver.1.00」「ver.1.01」等の記載は、当該コマンダ200の補助記憶部220に格納されている制御プログラムパッケージの内容を示し、数値が大きいほど、より最新の制御プログラムパッケージを意味する。
【0029】
又、当該カラオケシステム1に係るリモコン300は、ペアリング処理を行ったコマンダ200との間で、無線通信可能に構成されている。図1においては、リモコン300は、ペアリング処理により、当該カラオケ店舗における一のスレイブ機に係るコマンダ200(「機種(B)、ver.1.01」)と通信可能と接続されている。尚、当該リモコン300は、ペアリング処理を行うことにより、他のコマンダ200と通信することも可能である。
【0030】
そして、当該リモコン300に対する制御プログラム等の配信は、ペアリング処理を行ったコマンダ200によって行われる。従って、ペアリング処理を行ったコマンダ200が最新の制御プログラムパッケージを取得した後でなければ、当該リモコン300は、制御プログラム等を最新の環境に更新し得ない。
【0031】
(サーバの構成)
図1に示すように、サーバ400は、通信網Nに接続されており、所定条件の下、コマンダ200、リモコン300とのデータ通信を行い得る。当該サーバ400は、制御部410と、プログラムパッケージ記憶部420とを有している。
【0032】
制御部410は、CPU、ROM、RAM等を有しており、サーバ400を制御する。当該制御部410は、データベース(図示せず)に格納されているカラオケデータや、制御プログラムパッケージの配信処理や、ユーザログインを前提とする種々のサービス提供に関する処理を実行する。尚、当該データベースは、ユーザログイン時に照会する為のユーザIDテーブルや、カラオケデータベースと、ユーザデータベースを有している。カラオケデータベースは、当該カラオケシステム1において、カラオケ装置100への配信対象となる複数のカラオケデータにより構成される。ユーザデータベースは、採点履歴や得意楽曲(十八番楽曲)を、ユーザID毎に管理するデータベースである。
【0033】
プログラムパッケージ記憶部420は、サーバ400による通信網Nを介した配信の対象となる制御プログラムパッケージを記憶している。当該制御プログラムパッケージは、コマンダプログラムパッケージと、リモコンプログラムパッケージとを含んでいる。コマンダプログラムパッケージは、コマンダ200における制御内容が規定されたコマンダ制御プログラムや、コマンダ200の制御上必要な制御データ等により構成される。リモコンプログラムパッケージは、リモコン300における制御内容が規定されたリモコン制御プログラムや、リモコン300の制御上必要な制御データ等により構成される。従って、当該カラオケシステム1は、当該プログラムパッケージ記憶部420に格納されている制御プログラムパッケージの内容を更新し、通信網Nを介して配信することにより、当該カラオケシステム1を構成するコマンダ200、及びリモコン300の制御内容を随時更新し得る。
【0034】
(カラオケ装置の構成)
図1に示すように、カラオケ装置100は、コマンダ200と、リモコン300と、を有している。即ち、カラオケ装置100は、ペアリング処理を行うことにより、リモコン300を一のコマンダ200に対して、無線通信の相手先として関連付けることにより構成される。尚、図示は省略するが、カラオケ装置100は、音声入力手段(例えば、マイク等)と、映像表示手段(例えば、ディスプレイ等)とを有している。
【0035】
(コマンダの構成)
ここで、コマンダ200の構成について説明する。図2に示すように、当該コマンダ200は、制御部210と、補助記憶部220と、映像音声再生部230と、通信I/F240とを有している。更に、コマンダ200は、音声入力手段(図示せず)、映像表示手段(図示せず)と、接続されている。
【0036】
制御部210は、CPU、ROM、RAM等を有し、コマンダ200の制御の中枢を司り、各種制御プログラム(即ち、コマンダプログラムパッケージに含まれる制御プログラム)を実行する。補助記憶部220は、映像音声再生部230による音響出力・映像出力に必要なカラオケデータを、カラオケ楽曲毎に格納している。又、当該補助記憶部220は、サーバ400から通信網Nを介して取得した制御プログラムパッケージを格納している。上述したように、制御プログラムパッケージは、コマンダプログラムパッケージと、リモコンプログラムパッケージを有している。更に、当該補助記憶部220は、パッケージリスト情報を格納している。当該パッケージリスト情報は、補助記憶部220に格納されている制御プログラムパッケージの内容を示す。パッケージリスト情報の内容については、後に詳細に説明する。
【0037】
そして、映像音声再生部230は、カラオケデータに基づいて、カラオケ楽曲の伴奏音楽の音響出力を行うと共に、当該カラオケ楽曲に係る背景映像や歌詞テロップ等を、ディスプレイ等の映像表示手段(図示せず)へ出力する。通信I/F240は、リモコン300側の通信I/F350を介して、リモコン300との無線通信を行うためのインタフェースである。又、当該通信I/F240は、通信網N、サーバ400側の通信I/Fを介して、データ通信を行う為のインタフェースとしても機能する。
【0038】
(リモコンの構成)
続いて、リモコン300の構成について説明する。図2に示すように、当該リモコン300は、制御部310と、補助記憶部320と、操作部330と、ディスプレイ340と、通信I/F350と、を有している。
【0039】
制御部310は、CPU、ROM、RAM等を有し、リモコン300の制御の中枢を司り、各種制御プログラム(例えば、リモコンプログラムパッケージを構成する制御プログラムや、後述するリモコン動作設定処理プログラム等)を実行する。補助記憶部320は、リモコン300により楽曲予約を行う際に、所望の楽曲を検索するための検索用データベース等を格納している。又、補助記憶部320は、第1パッケージ記憶領域325Aと、第2パッケージ記憶領域325Bを有している。第1パッケージ記憶領域325Aは、ペアリング処理により関連付けられたコマンダ200の補助記憶部320から取得した最新のリモコンプログラムパッケージが格納される記憶領域である。そして、第2パッケージ記憶領域325Bは、以前に、制御部310によるリモコン300の制御に用いられていたリモコンプログラムパッケージが格納される記憶領域である。更に、当該補助記憶部320は、コマンダ200の補助記憶部220と同様に、パッケージリスト情報を格納している。当該パッケージリスト情報は、ペアリング処理により対応付けられたコマンダ200におけるパッケージリスト情報に対応しており、当該コマンダ200とリモコン300の動作条件を示す。パッケージリスト情報の内容については、後に詳細に説明する。
【0040】
尚、当該リモコンプログラムパッケージは、ベーシックパッケージと、オプションパッケージを含んでいる。ベーシックパッケージは、リモコン300における基本機能(例えば、カラオケ楽曲の検索、予約機能)に関する制御プログラム及び制御データにより構成される。一方、オプションパッケージは、リモコン300における付随的な機能に関する制御プログラム及び制御データにより構成される。本実施形態においては、上述した付随的な機能は、「通信網Nを介したサーバ400との通信を前提とする機能(ユーザIDの登録、ログイン、ログオフ及び採点履歴や得意楽曲(十八番楽曲)の管理)」を意味する。
そして、本実施形態においては、ナローバンドに係る通信網Nに接続された「機種(A)」に係るコマンダ200には、配信可能な情報量を多くできないため、基本機能のみを実行可能であって、付随的な機能を実行不能なベーシックパッケージのみを配信している。一方、ブロードバンドに係る通信網Nに接続された「機種(B)」に係るコマンダ200には、配信可能な情報量を多くできるため、基本機能に加え、付随的な機能も実行可能なように、ベーシックパッケージとオプションパッケージを配信している。
【0041】
そして、操作部330は、歌唱者等によるリモコン300に対する種々の入力操作に用いられる。本実施形態においては、当該操作部330は、後述するディスプレイ340前面に配設されたタッチパネル(図示せず)により構成される。ディスプレイ340は、制御部310の制御に従って、種々の情報を表示する。具体的には、リモコン300は、後述する第1メニュー画面520、第2メニュー画面540等を、ディスプレイ340に表示する。通信I/F350は、コマンダ200側の通信I/F240を介して、コマンダ200との無線通信を行うためのインタフェースである。又、通信I/F350は、所定の条件の下、通信網N、サーバ400側の通信I/Fを介して、サーバ400との通信を行う為のインタフェースとして機能する。
【0042】
(パッケージリスト情報の内容)
続いて、上述したパッケージリスト情報の内容について、図3を参照しつつ説明する。図3に示すように、パッケージリスト情報は、ベーシックバージョン情報、オプションバージョン情報、配信パッケージ一覧情報、コマンダ動作条件情報を有している。
【0043】
ベーシックバージョン情報は、リモコンプログラムパッケージを構成するベーシックパッケージのバージョンを示す。オプションバージョン情報は、リモコンプログラムパッケージを構成するオプションパッケージのバージョンを示す。コマンダ200におけるパッケージリスト情報の場合、ベーシックバージョン情報、オプションバージョン情報は、補助記憶部220内の制御プログラムパッケージを構成するリモコンプログラムパッケージに含まれるベーシックパッケージ、オプションパッケージのバージョンを示す。又、リモコン300におけるパッケージリスト情報の場合、ベーシックバージョン情報、オプションバージョン情報は、当該リモコン300の制御に用いられるベーシックパッケージ、オプションパッケージのバージョンを示す。
【0044】
そして、配信パッケージ一覧情報は、取得した制御プログラムパッケージ(リモコンプログラムパッケージ)を構成するデータパッケージの一覧を示す。又、コマンダ動作条件情報は、リモコン300がコマンダ200との間で動作する為の条件を示す情報であり、コマンダ機種情報と、必須オプション情報を含む。つまり、コマンダ動作条件情報は、コマンダ機種情報が示す機種に係るコマンダ200で、リモコン300が動作する条件として、必須オプション情報が示すオプションパッケージが必要である旨を示す。
【0045】
(リモコン動作設定処理プログラム)
ここで、本実施形態に係るリモコン動作設定処理プログラムについて、図4を参照しつつ詳細に説明する。当該リモコン動作設定処理プログラムは、リモコン300の制御部310により、ペアリング処理によって当該リモコン300の通信相手先が変更された場合に実行される。又、当該リモコン300は、ペアリング処理による変更前のコマンダ200との間で設定されたパッケージリスト情報(以下、現在パッケージリスト情報という)を、RAMに格納しているものとする。
【0046】
リモコン動作設定処理プログラムの実行を開始すると、制御部310は、先ず、パッケージリスト取得処理を実行する(S1)。具体的には、制御部310は、ペアリング処理によって変更されたコマンダ200から、パッケージリスト情報を取得する。取得したパッケージリスト情報(以下、取得パッケージリスト情報という)をRAMに格納した後、制御部310は、S2に処理を移行する。
【0047】
S2においては、制御部310は、取得パッケージリスト情報に係るベーシックバージョン情報(以下、取得ベーシックバージョンという)が、現在パッケージリスト情報に係るベーシックバージョン情報(以下、現在ベーシックバージョンという)と一致するか否かを判断する。取得ベーシックバージョンと現在ベーシックバージョンが一致する場合(S2:YES)、制御部310は、S7に処理を移行する。一方、取得ベーシックバージョンと現在ベーシックバージョンが相違する場合(S2:NO)、制御部310は、S3に処理を移行する。
【0048】
S3では、制御部310は、取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも大きいか否かを判断する。即ち、制御部310は、取得ベーシックバージョンに係るベーシックパッケージが、現在ベーシックパッケージに係るベーシックパッケージよりも新しいバージョンであるか否かを判断する。取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも大きい場合(S3:YES)、制御部310は、S4に処理を移行する。一方、取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも小さい場合(S3:NO)、制御部310は、S5に処理を移行する。
【0049】
S4に移行すると、制御部310は、バージョンアップ処理を実行する。具体的には、制御部310は、第1パッケージ記憶領域325Aに格納されているコマンダ200から取得したリモコンプログラムパッケージのベーシックパッケージを用いて、リモコン300の制御を行うように設定する。バージョンアップ処理(S4)を終了すると、制御部310は、S6に処理を移行する。
【0050】
S5では、制御部310は、バージョンダウン処理を実行する。具体的には、制御部310は、第2パッケージ記憶領域325Bに格納されているリモコンプログラムパッケージのベーシックパッケージを用いて、リモコン300の制御を行うように設定する。バージョンダウン処理(S5)を終了すると、制御部310は、S6に処理を移行する。
【0051】
S6においては、制御部310は、リモコンパッケージリスト更新処理を実行する。リモコンパッケージリスト更新処理(S6)では、制御部310は、リモコン300に格納されているパッケージリスト情報のベーシックバージョン情報と、コマンダ動作条件情報を、取得パッケージリスト情報における内容に更新する。その後、制御部310は、S7に処理を移行する。
【0052】
S7に移行すると、制御部310は、リモコンパッケージリスト更新処理で更新されたパッケージリスト情報に基づいて、必須オプション情報があるか否かを判断する。即ち、制御部310は、パッケージリスト情報の必須オプション情報に基づいて、変更後のコマンダ200で当該リモコン300が正常動作する為に、所定条件を満たすオプションパッケージが要求されているか否かを判断する。必須オプション情報がある場合(S7:YES)、制御部310は、S8に処理を移行する。一方、必須オプション情報がない場合(S7:NO)、制御部310は、S10に処理を移行する。
【0053】
S8においては、制御部310は、更新されたパッケージリスト情報の必須オプション情報と、コマンダ動作条件情報に基づいて、変更後のコマンダ200の機種に係るオプションバージョンと、更新されたパッケージリスト情報の必須オプション情報が一致するか否かを判断する。両者が一致する場合(S8:YES)、制御部310は、S9に処理を移行する。一方、両者が相違する場合(S8:NO)、制御部310は、S10に処理を移行する。
【0054】
S9では、制御部310は、標準動作設定処理を実行する。具体的には、制御部310は、リモコンプログラムパッケージを構成するベーシックパッケージ及びオプションパッケージの両者を用いて、当該リモコン300の制御を行うように設定する。従って、この場合、リモコン300は、ベーシックパッケージに基づく基本機能(カラオケ楽曲の検索、予約機能)に加え、オプションパッケージに基づく付随的な機能(ユーザIDの登録、ログイン、ログオフ及び採点履歴や得意楽曲(十八番楽曲)の管理等)を実行可能となる。この時、制御部310は、ディスプレイ340に第1メニュー画面520を表示する。その後、制御部310は、リモコン動作設定処理プログラムを終了し、ベーシックパッケージ及びオプションパッケージの両者を用いた制御を行う。
【0055】
ここで、第1メニュー画面520について、図5を参照しつつ詳細に説明する。第1メニュー画面520は、リモコン300単体で実行可能なメニュー、リモコン300とコマンダ200の通信を要するメニューに加え、リモコン300とサーバ400の間の通信を要するメニューを表示する画面である。図5に示すように、第1メニュー画面520は、メッセージ表示部521と、操作入力部525を有している。メッセージ表示部521は、ユーザログインがなされていることを示すメッセージを表示する。
【0056】
操作入力部525は、リモコン300の各種機能を実現する際に、操作部330を用いて操作される。図5に示すように、第1メニュー画面520では、操作入力部525は、歌手検索操作部525Aと、楽曲検索操作部525Bと、アプリ実行操作部525Cと、ジャンル検索操作部525Dと、採点履歴操作部525Eと、十八番楽曲操作部525Fと、新規登録操作部525Gと、ログイン操作部525Hと、ログアウト操作部525Iを有している。
【0057】
歌手検索操作部525Aは、カラオケ楽曲の予約を行う際に、補助記憶部320の検索用データベースを、歌手名に基づき検索する際に操作される。楽曲検索操作部525Bは、カラオケ楽曲の予約を行う際に、補助記憶部320の検索用データベースを、楽曲名に基づき検索する際に操作される。アプリ実行操作部525Cは、コマンダ200の補助記憶部220に格納されているアプリケーションプログラムを実行する指示を、リモコン300から行う際に操作される。当該アプリケーションプログラムには、ゲームプログラムやカラオケ歌唱の採点プログラム等が含まれる。ジャンル検索操作部525Dは、カラオケ楽曲の予約を行う際に、補助記憶部320の検索用データベースを、カラオケ楽曲のジャンルに基づき検索する際に操作される。
【0058】
採点履歴操作部525Eは、リモコン300とサーバ400との通信によって、ユーザログインがなされた状態である場合に、サーバ400のユーザデータベースで、ユーザID毎に管理されているログインユーザに係るカラオケ歌唱の採点履歴を参照する際に操作される。十八番楽曲操作部525Fは、リモコン300とサーバ400との通信によって、ユーザログインがなされた状態である場合に、サーバ400のユーザデータベースで、ユーザID毎に管理されているログインユーザに係る十八番楽曲の登録、読み出し等を行う際に操作される。十八番楽曲とは、ユーザにより選択され、ユーザデータベースに登録されたカラオケ楽曲を意味する。
【0059】
新規登録操作部525Gは、ユーザが任意のユーザIDを指定し、サーバ400のユーザIDテーブル及びユーザデータベースに、当該ユーザIDを登録する際に入力される。従って、新規登録操作部525Gが操作された場合、リモコン300は、入力されたユーザIDをサーバ400へ送信する。ユーザIDを受信すると、サーバ400は、ユーザIDをユーザIDテーブル及びユーザデータベースに登録すると共に、登録結果を当該リモコン300へ返信する。
【0060】
ログイン操作部525Hは、ユーザが自己のユーザIDを入力し、サーバ400へログインする際に操作される。従って、ログイン操作部525Hが操作された場合、リモコン300は、入力されたユーザIDをサーバ400へ送信する。ユーザIDを受信すると、サーバ400は、ユーザIDテーブルを用いて、受信したユーザIDを照会し、ログイン処理を行う。
【0061】
ログアウト操作部525Iは、当該リモコン300において、ユーザがログインしている場合に、ログアウトする場合に操作される。従って、ログアウト操作部525Iが操作された場合、リモコン300は、サーバ400に対してログアウトを指示する信号を送信する。そして、当該信号を受信すると、サーバ400は、ログアウト処理を実行する。
【0062】
再び図4に戻り、S10について説明する。S10においては、制御部310は、機能制限動作設定を行う。具体的には、制御部310は、リモコンプログラムパッケージを構成するベーシックパッケージのみを用いて、当該リモコン300の制御を行うように設定する。従って、この場合、リモコン300は、ベーシックパッケージに基づく基本機能(カラオケ楽曲の検索、予約機能)のみが実行可能となり、オプションパッケージに基づく付随的な機能(ユーザIDの登録、ログイン、ログオフ及び採点履歴や得意楽曲(十八番楽曲)の管理等)は、実行不能となる。この時、制御部310は、ディスプレイ340に第2メニュー画面540を表示する。その後、制御部310は、リモコン動作設定処理プログラムを終了し、ベーシックパッケージのみを用いた制御を行う。
【0063】
ここで、第2メニュー画面540について、図6を参照しつつ詳細に説明する。図6に示すように、第2メニュー画面540は、メッセージ表示部541と、操作入力部545を有している。メッセージ表示部541は、ユーザログインがなされていないことを示すメッセージを表示する。
【0064】
操作入力部545は、リモコン300の各種機能を実現する際に、操作部330を用いて操作される。図6に示すように、第2メニュー画面540では、操作入力部545は、歌手検索操作部545Aと、楽曲検索操作部545Bと、アプリ実行操作部545Cと、ジャンル検索操作部545Dとを有している。
【0065】
歌手検索操作部545A〜ジャンル検索操作部545Dは、第1メニュー画面520における歌手検索操作部525A〜ジャンル検索操作部525Dと同様の機能を果たす。即ち、歌手検索操作部545A〜ジャンル検索操作部545Dは、何れも、リモコン300単体、リモコン300とコマンダ200の通信に基づいて実行可能であり、サーバ400との通信を行う必要のない機能に関する操作部である。従って、歌手検索操作部525A〜ジャンル検索操作部525Dに関する説明は省略する。即ち、第2メニュー画面540を表示している場合、ユーザは、ベーシックパッケージに基づくサーバ400との通信を要しない基本機能(楽曲の検索や予約、コマンダ200におけるアプリケーションの実行)に関する操作を行い得る。
【0066】
尚、図6に示すように、第2メニュー画面540においては、採点履歴操作部525E〜ログアウト操作部525Iに相当する操作部は存在していない。従って、第2メニュー画面540が表示されている場合、ユーザは、オプションパッケージに基づくサーバ400との通信を必要とする機能、サービス(例えば、ユーザログインを前提とする機能及びサービス)に関する操作を行うことはできない。
【0067】
(リモコンのペアリング対象を第1コマンダから第2コマンダへ変更した場合)
続いて、上記構成を有するカラオケシステム1において、リモコン300のペアリング処理の対象となるコマンダ200を、第1コマンダから第2コマンダへ変更した場合の処理内容を、図7〜図9を参照して説明する。
【0068】
ここで、第1コマンダとは、上述したナローバンドに対応した「機種(A)」に係るコマンダ200であって、所謂、マスタ機に相当する。当該第2コマンダは、サーバ400のプログラムパッケージ記憶部420から、「ベーシックバージョン情報:ver.1.01」に係るベーシックパッケージを含む制御プログラムパッケージを取得し、補助記憶部220に格納しているものを意味する。尚、第1コマンダは、図8に示すパッケージリスト情報を格納している。
【0069】
そして、第2コマンダとは、上述したブロードバンドに対応した「機種(B)」に係るコマンダ200であって、所謂、マスタ機に相当する。当該第2コマンダは、サーバ400のプログラムパッケージ記憶部420から、「ベーシックバージョン情報:ver.1.01」に係るベーシックパッケージ、「オプションバージョン情報:ver.1.01」に係るオプションパッケージを含む制御プログラムパッケージを取得し、補助記憶部220に格納しているものを意味する。尚、第2コマンダは、図9に示すパッケージリスト情報を格納している。
【0070】
図7に示すように、リモコン300は、現在、ペアリング処理により関連付けられているコマンダ200(第1コマンダ)との間で、データ更新処理を実行し(1)、第1コマンダに係るパッケージリスト情報(図8参照)を取得する(2)。そして、リモコン300は、パッケージリスト比較処理によって、第1コマンダから取得したパッケージリスト情報と、現時点でリモコン300に格納されているパッケージリスト情報を比較する(3)。そして、リモコン300は、パッケージリスト比較処理によって特定された不足分パッケージを、当該第1コマンダの補助記憶部220から取得する(4)。従って、不足分パッケージを取得することにより、第1コマンダとの関係性において、リモコン300は、最新のリモコンプログラムパッケージを取得し、最新の内容に更新し得る。そして、不足分パッケージを取得すると、リモコン300は、自装置に格納されているパッケージリスト情報の内容を、取得した不足分パッケージに応じて更新する(5)。従って、当該リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容は、第1コマンダに係るパッケージリスト情報の内容(図8参照)と同一となる。
【0071】
パッケージリスト情報を更新した後、リモコン300は、当該第1コマンダが「機種(A)」であり、図8に示すように、更新したパッケージリスト情報の機種(A)に係る必須オプション情報が「なし」であるため、機能制限動作設定を行う(6)。この場合、当該リモコン300は、第2メニュー画面540を表示し、ベーシックパッケージに基づく基本機能を実現する。
【0072】
そして、この時点で、ペアリング処理により、ペアリングの対象が第1コマンダから第2コマンダに変更されたものとする。これにより、リモコン300の制御部310は、リモコン動作設定処理プログラム(図4参照)を実行する。この場合において、現在パッケージリスト情報は、図8に示す内容となっている。そして、制御部310は、取得パッケージリスト情報として、図9に示す内容のパッケージリスト情報を、第2コマンダから取得する(S1)。図8、図9に示すように、両者のベーシックバージョンは一致している(S2:YES)。そして、第2コマンダは「機種(B)」であり、図9に示すように、当該「機種(B)」に係る必須オプション情報は「ver.1.01」を示す。そして、図8に示すように、現在のオプションバージョン情報「なし」である。従って、両者が相違するため(S8:NO)、当該リモコン300は、第2コマンダとの間で、「ver.1.01」に係るベーシックパッケージに基づく基本機能を実現する。この結果、ユーザは、第2コマンダに係るオプションパッケージの取得を待つことなく、基本機能に基づくカラオケサービスを迅速に享受し得る。
【0073】
(リモコンのペアリング対象を第1コマンダから第3コマンダへ変更した場合)
次に、上記構成を有するカラオケシステム1において、リモコン300のペアリング処理の対象となるコマンダ200を、第1コマンダから第3コマンダへ変更した場合の処理内容を、図10〜図12を参照して説明する。
【0074】
ここで、第3コマンダとは、上述したナローバンドに対応した「機種(A)」に係るコマンダ200であって、所謂、スレイブ機に相当する。当該第3コマンダは、サーバ400のプログラムパッケージ記憶部420から、「ベーシックバージョン情報:ver.1.00」に係るベーシックパッケージを含む制御プログラムパッケージを取得し、補助記憶部220に格納しているものを意味する。尚、第3コマンダは、図11に示すパッケージリスト情報を格納している。
【0075】
図10に示すように、リモコン300は、第1コマンダとの間で、データ更新処理を実行し(1)、第1コマンダに係るパッケージリスト情報(図8参照)を取得する(2)。そして、リモコン300は、パッケージリスト比較処理(3)を実行し、不足分パッケージを、当該第1コマンダの補助記憶部220から取得する(4)。その後、リモコン300は、自装置に格納されているパッケージリスト情報の内容を、取得した不足分パッケージに応じて更新する(5)。従って、リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容は、第1コマンダに係るパッケージリスト情報の内容(図8参照)と同一となる。
【0076】
パッケージリスト情報を更新した後、リモコン300は、図7~図9に示す場合と同様に機能制限動作設定を行う(6)。この場合、当該リモコン300は、第2メニュー画面540を表示し、ベーシックパッケージに基づく基本機能を実現する。
【0077】
そして、この時点で、ペアリング処理により、ペアリングの対象が第1コマンダから第3コマンダに変更されたものとする。これにより、リモコン300の制御部310は、リモコン動作設定処理プログラム(図4参照)を実行する。この場合において、現在パッケージリスト情報は、図8に示す内容となっている。そして、制御部310は、取得パッケージリスト情報として、図11に示す内容のパッケージリスト情報を、第3コマンダから取得する(S1)。図8、図11に示すように、両者のベーシックバージョンは相違し、取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも小さい(S2:NO、S3:NO)。従って、制御部310は、バージョンダウン処理(S5)により、第2パッケージ記憶領域325Bに格納されている「ver.1.00」に係るベーシックパッケージを用いた制御を行うように設定する。そして、当該リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容を、バージョンダウン処理(S5)の内容に基づいて更新し、図8に示す内容から図12に示す内容に更新する(S6)。これにより、当該パッケージリスト情報におけるベーシックバージョン情報、コマンダ動作条件情報の内容が更新される。
【0078】
そして、第3コマンダは「機種(A)」であり、図12に示すように、当該「機種(A)」に係る必須オプション情報は「なし」を示す(S7:NO)。従って、当該リモコン300は、第3コマンダとの間で、「ver.1.00」に係るベーシックパッケージに基づく基本機能を実現する。この結果、ユーザは、第3コマンダが「ver.1.01」に係るベーシックパッケージに対応可能な状態になるのを待つことなく、基本機能に基づくカラオケサービスを迅速に享受し得る。
【0079】
(リモコンのペアリング対象を第1コマンダから第4コマンダへ変更した場合)
続いて、上記構成を有するカラオケシステム1において、リモコン300のペアリング処理の対象となるコマンダ200を、第1コマンダから第4コマンダへ変更した場合の処理内容を、図13〜図15を参照して説明する。
【0080】
ここで、第4コマンダとは、上述したブロードバンドに対応した「機種(B)」に係るコマンダ200であって、所謂、スレイブ機に相当する。当該第4コマンダは、サーバ400のプログラムパッケージ記憶部420から、「ベーシックバージョン情報:ver.1.00」に係るベーシックパッケージ、「オプションバージョン情報:ver.1.00」に係るオプションパッケージを含む制御プログラムパッケージを取得し、補助記憶部220に格納している。尚、第4コマンダは、図14に示すパッケージリスト情報を格納している。
【0081】
図13に示すように、リモコン300は、第1コマンダとの間で、データ更新処理を実行し(1)、第1コマンダに係るパッケージリスト情報(図8参照)を取得する(2)。そして、リモコン300は、パッケージリスト比較処理(3)を実行し、不足分パッケージを、当該第1コマンダの補助記憶部220から取得する(4)。その後、リモコン300は、自装置に格納されているパッケージリスト情報の内容を、取得した不足分パッケージに応じて更新する(5)。従って、リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容は、第1コマンダに係るパッケージリスト情報の内容(図8参照)と同一となる。
【0082】
パッケージリスト情報を更新した後、リモコン300は、図7~図9に示す場合と同様に機能制限動作設定を行う(6)。この場合、当該リモコン300は、第2メニュー画面540を表示し、ベーシックパッケージに基づく基本機能を実現する。
【0083】
そして、この時点で、ペアリング処理により、ペアリングの対象が第1コマンダから第4コマンダに変更されたものとする。これにより、リモコン300の制御部310は、リモコン動作設定処理プログラム(図4参照)を実行する。この場合において、現在パッケージリスト情報は、図8に示す内容となっている。そして、制御部310は、取得パッケージリスト情報として、図14に示す内容のパッケージリスト情報を、第4コマンダから取得する(S1)。図8、図14に示すように、両者のベーシックバージョンは相違し、取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも小さい(S2:NO、S3:NO)。従って、制御部310は、バージョンダウン処理(S5)により、第2パッケージ記憶領域325Bに格納されている「ver.1.00」に係るベーシックパッケージを用いた制御を行うように設定する。そして、当該リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容を、バージョンダウン処理(S5)の内容に基づいて更新し、図8に示す内容から図15に示す内容に更新する(S6)。これにより、当該パッケージリスト情報におけるベーシックバージョン情報、コマンダ動作条件情報の内容が更新される。
【0084】
そして、第4コマンダは「機種(B)」であり、図15に示すように、当該「機種(B)」に係る必須オプション情報は「ver.1.00」を示し、現在のオプションバージョン情報「なし」である。従って、両者が相違するため(S8:NO)、当該リモコン300は、第4コマンダとの間で、「ver.1.00」に係るベーシックパッケージに基づく基本機能のみを実現し、オプションパッケージに基づく通信機能を制限する。この結果、ユーザは、第4コマンダに係るオプションパッケージの取得を待つことなく、基本機能に基づくカラオケサービスを迅速に享受し得る。
【0085】
(リモコンのペアリング対象を第2コマンダから第4コマンダへ変更した場合)
次に、上記構成を有するカラオケシステム1において、リモコン300のペアリング処理の対象となるコマンダ200を、第2コマンダから第4コマンダへ変更した場合の処理内容を、図16、図17を参照して説明する。
【0086】
図16に示すように、リモコン300は、第2コマンダとの間で、データ更新処理を実行し(1)、第2コマンダに係るパッケージリスト情報(図9参照)を取得する(2)。そして、リモコン300は、パッケージリスト比較処理(3)を実行し、不足分パッケージを、当該第2コマンダの補助記憶部220から取得する(4)。その後、リモコン300は、自装置に格納されているパッケージリスト情報の内容を、取得した不足分パッケージに応じて更新する(5)。従って、リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容は、第2コマンダに係るパッケージリスト情報の内容(図9参照)と同一となる。
【0087】
パッケージリスト情報を更新した後、リモコン300は、当該第2コマンダが「機種(B)」であり、図9に示すように、更新したパッケージリスト情報の機種(B)に係る必須オプション情報とオプションバージョン情報が一致しているため、標準動作設定を行う(6)。この場合、当該リモコン300は、第1メニュー画面520を表示し、ベーシックパッケージに基づく基本機能及びオプションパッケージに基づく付随的な機能を実現する。
【0088】
そして、この時点で、ペアリング処理により、ペアリングの対象が第2コマンダから第3コマンダに変更されたものとする。これにより、リモコン300の制御部310は、リモコン動作設定処理プログラム(図4参照)を実行する。この場合において、現在パッケージリスト情報は、図9に示す内容となっている。そして、制御部310は、取得パッケージリスト情報として、図14に示す内容のパッケージリスト情報を、第3コマンダから取得する(S1)。図9、図14に示すように、両者のベーシックバージョンは相違し、取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも小さい(S2:NO、S3:NO)。従って、制御部310は、バージョンダウン処理(S5)により、第2パッケージ記憶領域325Bに格納されている「ver.1.00」に係るベーシックパッケージを用いた制御を行うように設定する。そして、当該リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容を、バージョンダウン処理(S5)の内容に基づいて更新し、図9に示す内容から図17に示す内容に更新する(S6)。これにより、当該パッケージリスト情報におけるベーシックバージョン情報、コマンダ動作条件情報の内容が更新される。
【0089】
そして、第4コマンダは「機種(B)」であり、図17に示すように、当該「機種(B)」に係る必須オプション情報は「ver.1.00」を示し、現在のオプションバージョン情報「ver.1.01」である。従って、両者が相違するため(S8:NO)、当該リモコン300は、第4コマンダとの間で、「ver.1.00」に係るベーシックパッケージに基づく基本機能のみを実現し、オプションパッケージに基づく通信機能を制限する。この結果、ユーザは、第4コマンダに係るオプションパッケージの取得を待つことなく、基本機能に基づくカラオケサービスを迅速に享受し得る。
【0090】
(リモコンのペアリング対象を第3コマンダから第2コマンダへ変更した場合)
続いて、上記構成を有するカラオケシステム1において、リモコン300のペアリング処理の対象となるコマンダ200を、第3コマンダから第2コマンダへ変更した場合の処理内容を、図18、図19を参照して説明する。
【0091】
図18に示すように、リモコン300は、第3コマンダとの間で、データ更新処理を実行し(1)、第3コマンダに係るパッケージリスト情報(図11参照)を取得する(2)。そして、リモコン300は、パッケージリスト比較処理(3)を実行し、不足分パッケージを、第3コマンダの補助記憶部220から取得する(4)。その後、リモコン300は、自装置に格納されているパッケージリスト情報の内容を、取得した不足分パッケージに応じて更新する(5)。従って、リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容は、第3コマンダに係るパッケージリスト情報の内容(図11参照)と同一となる。
【0092】
パッケージリスト情報を更新した後、リモコン300は、当該第3コマンダが「機種(A)」であり、図11に示すように、更新したパッケージリスト情報の機種(A)に係る必須オプション情報が「なし」であるため、機能制限動作設定を行う(6)。この場合、当該リモコン300は、第2メニュー画面540を表示し、ベーシックパッケージに基づく基本機能を実現する。
【0093】
そして、この時点で、ペアリング処理により、ペアリングの対象が第3コマンダから第2コマンダに変更されたものとする。これにより、リモコン300の制御部310は、リモコン動作設定処理プログラム(図4参照)を実行する。この場合において、現在パッケージリスト情報は、図11に示す内容となっている。そして、制御部310は、取得パッケージリスト情報として、図9に示す内容のパッケージリスト情報を、第2コマンダから取得する(S1)。図11、図9に示すように、両者のベーシックバージョンは相違し、取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも大きい(S2:NO、S3:YES)。従って、制御部310は、バージョンアップ処理(S4)により、第1パッケージ記憶領域325Aに格納されている「ver.1.01」に係るベーシックパッケージを用いた制御を行うように設定する。そして、当該リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容を、バージョンアップ処理(S4)の内容に基づいて更新し、図11に示す内容から図19に示す内容に更新する(S6)。これにより、当該パッケージリスト情報におけるベーシックバージョン情報、コマンダ動作条件情報の内容が更新される。
【0094】
そして、第2コマンダは「機種(B)」であり、図19に示すように、当該「機種(B)」に係る必須オプション情報は「ver.1.01」を示し、現在のオプションバージョン情報「なし」である。従って、両者が相違するため(S8:NO)、当該リモコン300は、第2コマンダとの間で、「ver.1.01」に係るベーシックパッケージに基づく基本機能のみを実現し、オプションパッケージに基づく通信機能を制限する。この結果、ユーザは、第2コマンダに係るオプションパッケージの取得を待つことなく、基本機能に基づくカラオケサービスを迅速に享受し得る。
【0095】
(リモコンのペアリング対象を第4コマンダから第2コマンダへ変更した場合)
次に、上記構成を有するカラオケシステム1において、リモコン300のペアリング処理の対象となるコマンダ200を、第4コマンダから第2コマンダへ変更した場合の処理内容を、図20、図21を参照して説明する。
【0096】
図20に示すように、リモコン300は、第4コマンダとの間で、データ更新処理を実行し(1)、第4コマンダに係るパッケージリスト情報(図14参照)を取得する(2)。そして、リモコン300は、パッケージリスト比較処理(3)を実行し、不足分パッケージを、第4コマンダの補助記憶部220から取得する(4)。その後、リモコン300は、自装置に格納されているパッケージリスト情報の内容を、取得した不足分パッケージに応じて更新する(5)。従って、リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容は、第4コマンダに係るパッケージリスト情報の内容(図14参照)と同一となる。
【0097】
パッケージリスト情報を更新した後、リモコン300は、当該第4コマンダが「機種(B)」であり、図14に示すように、更新したパッケージリスト情報の機種(B)に係る必須オプション情報とオプションバージョン情報が一致しているため、標準動作設定を行う(6)。この場合、リモコン300は、第1メニュー画面520を表示し、ベーシックパッケージに基づく基本機能及びオプションパッケージに基づく付随的な機能を実現する。
【0098】
そして、この時点で、ペアリング処理により、ペアリングの対象が第4コマンダから第2コマンダに変更されたものとする。これにより、リモコン300の制御部310は、リモコン動作設定処理プログラム(図4参照)を実行する。この場合において、現在パッケージリスト情報は、図14に示す内容となっている。そして、制御部310は、取得パッケージリスト情報として、図9に示す内容のパッケージリスト情報を、第2コマンダから取得する(S1)。図14、図9に示すように、両者のベーシックバージョンは相違し、取得ベーシックバージョンが現在ベーシックバージョンよりも大きい(S2:NO、S3:YES)。従って、制御部310は、バージョンアップ処理(S4)により、第1パッケージ記憶領域325Aに格納されている「ver.1.01」に係るベーシックパッケージを用いた制御を行うように設定する。そして、当該リモコン300に格納されているパッケージリスト情報の内容を、バージョンアップ処理(S4)の内容に基づいて更新し、図14に示す内容から図21に示す内容に更新する(S6)。これにより、当該パッケージリスト情報におけるベーシックバージョン情報、コマンダ動作条件情報の内容が更新される。
【0099】
そして、第2コマンダは「機種(B)」であり、図21に示すように、当該「機種(B)」に係る必須オプション情報は「ver.1.01」を示し、現在のオプションバージョン情報「ver.1.00」である。従って、両者が相違するため(S8:NO)、当該リモコン300は、第2コマンダとの間で、「ver.1.01」に係るベーシックパッケージに基づく基本機能のみを実現し、オプションパッケージに基づく通信機能を制限する。この結果、ユーザは、第2コマンダに係るオプションパッケージの取得を待つことなく、基本機能に基づくカラオケサービスを迅速に享受し得る。
【0100】
以上説明したように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、コマンダ200、リモコン300トから構成されている。コマンダ200は、サーバ400のプログラムパッケージ記憶部420から、制御プログラムパッケージを取得し、コマンダプログラムパッケージを更新し得る。そして、リモコン300は、ペアリング処理で対応付けられたコマンダ200の補助記憶部220から、制御プログラムパッケージに含まれているリモコンプログラムパッケージを取得し、制御に用いるリモコンプログラムパッケージの内容を更新する。
【0101】
ここで、リモコン300は、リモコン動作設定処理プログラム(図4参照)を実行することにより、ペアリング処理による通信相手先の変更前後に係るパッケージリスト情報を比較し、比較結果に基づいて、第1パッケージ記憶領域325A又は、第2パッケージ記憶領域325Bの何れかに格納されているリモコンプログラムパッケージの内、変更後のコマンダ200に対応可能なリモコンプログラムパッケージを、リモコン300の制御に用いる。従って、当該カラオケシステム1によれば、変更後のコマンダ200を介したリモコンプログラムパッケージの取得を待つことなく、リモコン300、コマンダ200を用いたカラオケサービスを提供し得る。
【0102】
又、リモコンプログラムパッケージは、ベーシックパッケージと、オプションパッケージにより構成される。そして、変更前後に係るパッケージリスト情報を比較した結果、オプションパッケージが相違する場合に、リモコンは、オプションパッケージに基づく付随的な機能のみを制限して、ベーシックパッケージに係る基本機能を実現する。即ち、当該カラオケシステム1によれば、少なくともベーシックパッケージに基づく基本機能を実現し得るので、ペアリング処理の対象となるコマンダ200を変更した場合であっても、ユーザは、新たなリモコンプログラムパッケージの配信を待つことなく、迅速にカラオケサービスを享受し得る。
【0103】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 カラオケシステム
100 カラオケ装置
200 コマンダ
210 制御部
220 補助記憶部
300 リモコン
310 制御部
320 補助記憶部
400 サーバ
420 プログラムパッケージ記憶部
520 第1メニュー画面
540 第2メニュー画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマンダと、リモコンと、から構成されるカラオケシステムであって、
前記コマンダは、
通信網を介して、当該コマンダの制御に用いられるコマンダ制御情報と、前記リモコンの制御に用いられるリモコン制御情報とを含む制御情報パッケージを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記制御情報パッケージを記憶するコマンダ記憶手段と、
前記コマンダ制御情報に基づいて、コマンダの制御を行うコマンダ制御手段と、
を有し、
前記リモコンは、
種々の入力操作に用いられる入力手段と、
前記リモコン制御情報に基づいて、当該リモコンの制御を行う制御手段と、
前記コマンダとの間における情報通信に用いられる通信手段と、
前記通信手段による通信相手先として、特定のコマンダを設定する通信相手先設定手段と、
前記通信相手先設定手段により設定されたコマンダのコマンダ記憶手段から、前記通信手段を介して取得された前記リモコン制御情報を格納する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に格納されたリモコン制御情報よりも以前に、前記通信手段を介して取得されたリモコン制御情報を格納する第2記憶手段と、
前記通信相手先設定手段により、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を行うように設定する動作内容設定手段と、
を有する
ことを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
請求項1記載のカラオケシステムであって、
前記動作内容設定手段は、
前記比較手段により、変更前の制御情報パッケージの内容と、変更後の制御情報パッケージの内容が一部相違すると判断された場合に、当該相違点に係るリモコン制御情報に基づく機能を制限して、当該リモコンの制御を前記変更後のコマンダに対して行うように設定する
ことを特徴とするカラオケシステム。
【請求項3】
コマンダと、リモコンと、から構成されるカラオケ装置であって、
前記コマンダは、
通信網を介して、当該コマンダの制御に用いられるコマンダ制御情報と、前記リモコンの制御に用いられるリモコン制御情報とを含む制御情報パッケージを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記制御情報パッケージを記憶するコマンダ記憶手段と、
前記コマンダ制御情報に基づいて、コマンダの制御を行うコマンダ制御手段と、
を有し、
前記リモコンは、
種々の入力操作に用いられる入力手段と、
前記リモコン制御情報に基づいて、当該リモコンの制御を行う制御手段と、
前記コマンダとの間における情報通信に用いられる通信手段と、
前記通信手段による通信相手先として、特定のコマンダを設定する通信相手先設定手段と、
前記通信相手先設定手段により設定されたコマンダのコマンダ記憶手段から、前記通信手段を介して取得された前記リモコン制御情報を格納する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に格納されたリモコン制御情報よりも以前に、前記通信手段を介して取得されたリモコン制御情報を格納する第2記憶手段と、
前記通信相手先設定手段により、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を前記変更後のコマンダに対して行うように設定する動作内容設定手段と、
を有する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項4】
カラオケ歌唱に係る制御を行うコマンダと通信可能なリモコン装置であって、
前記リモコンは、
種々の入力操作に用いられる入力手段と、
前記コマンダとの間における情報通信に用いられる通信手段と、
前記通信手段による通信相手先として、特定のコマンダを設定する通信相手先設定手段と、
前記通信相手先設定手段により設定されたコマンダの記憶手段に格納されている当該リモコンの制御に用いられるリモコン制御情報を含む制御情報パッケージから、前記通信手段を介して取得された前記リモコン制御情報を格納する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に格納されたリモコン制御情報よりも以前に、前記通信手段を介して取得されたリモコン制御情報を格納する第2記憶手段と、
前記リモコン制御情報に基づいて、当該リモコンの制御を行う制御手段と、
前記通信相手先設定手段により、通信相手先が異なるコマンダに変更された場合に、変更前のコマンダに係る制御情報パッケージの内容と、変更後のコマンダに係る制御情報パッケージの内容を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段の何れかに格納されているリモコン制御情報の内、前記変更後のコマンダに対応可能なリモコン制御情報を用いて、前記制御手段による制御を前記変更後のコマンダに対して行うように設定する動作内容設定手段と、
を有する
ことを特徴とするリモコン装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−208419(P2012−208419A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75680(P2011−75680)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】