説明

カラーフィルタ、液晶表示素子およびカラーフィルタの製造方法

【課題】低温硬化による高信頼のカラーフィルタを提供し、これを用いて液晶表示素子を提供する。
【解決手段】ジケトピロロピロール系顔料、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン系顔料、トリアリールメタン系染料およびアゾ系染料の内の何れかを含む着色パターンと、アルカリ可溶性樹脂および下記式(1)もしくは下記式(2)の化合物を含有する感放射線性樹脂組成物から形成される保護膜並びにスペーサと、低温硬化可能な配向膜とを用いてカラーフィルタ10を製造する。このカラーフィルタ10を用いて液晶表示素子1を構成する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジケトピロロピロール系顔料、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン系顔料、トリアリールメタン系染料およびアゾ系染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤を含有する着色パターンと、
[A]エポキシ基を有する化合物、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
[C]感放射線性重合開始剤、並びに
[D]下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する第1の感放射線性樹脂組成物から形成される保護膜と、
[E]アルカリ可溶性樹脂、
[F]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
[G]感放射線性重合開始剤、並びに
[H]下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する第2の感放射線性樹脂組成物から形成されるスペーサと、
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸ならびに前記ポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の[P]重合体を含有する液晶配向剤から形成される配向膜と
を有することを特徴とするカラーフィルタ。
【化1】

【化2】

(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、電子吸引性基またはアミノ基である。但し、R〜Rのうち少なくとも1つは電子吸引性基であり、かつR〜Rのうち少なくとも1つはアミノ基である。また、上記アミノ基は、水素原子の全部または一部が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
式(2)中、R〜R16は、それぞれ独立して水素原子、電子吸引性基またはアミノ基である。但し、R〜R16のうち少なくとも1つはアミノ基である。また、上記アミノ基は、水素原子の全部または一部が炭素数1〜6の炭化水素基で置換されていてもよい。Aは、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルメチレン基、スルフィニル基、スルホニル基、メチレン基または炭素数2〜6のアルキレン基である。但し、上記メチレン基およびアルキレン基は、水素原子の全部または一部がシアノ基、ハロゲン原子またはフルオロアルキル基で置換されていてもよい。)
【請求項2】
前記着色パターンは、
[I]アルカリ可溶性樹脂、
[II]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
[III]感放射線性重合開始剤、および
[IV]前記着色剤
を含有する着色組成物から形成されることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項3】
前記着色組成物はさらに、[V]上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物、3級アミン化合物、アミン塩、ホスホニウム塩、アミジン塩、アミド化合物、チオール化合物、ブロックイソシアネート化合物およびイミダゾール環含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ。
【請求項4】
前記着色組成物に含有される[I]アルカリ可溶性樹脂は、(I−1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種から形成される構成単位と、(I−2)エポキシ基含有不飽和化合物から形成される構成単位とを含む共重合体であることを特徴とする請求項2または3に記載のカラーフィルタ。
【請求項5】
前記第1の感放射線性樹脂組成物に含有される[A]エポキシ基を有する化合物は、重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項6】
前記第1の感放射線性樹脂組成物に含有される[A]エポキシ基を有する化合物は、カルボキシル基をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項7】
前記第2の感放射線性樹脂組成物に含有される[E]アルカリ可溶性樹脂は、(E−1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種から形成される構成単位と、(E−2)エポキシ基含有不飽和化合物から形成される構成単位とを含む共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項8】
前記液晶配向剤に含有される前記[P]重合体を得るための前記ジアミンは、下記の式(DA1)、式(DA2)および式(DA3)で表されるジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である3級窒素原子を有する第1のジアミンを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【化3】

(式(DA1)中、A11はベンゼン環または窒素含有芳香族複素環であり、Z11は、A11がベンゼン環である場合は炭素数1〜6の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基であり、A11が窒素含有芳香族複素環である場合は水素原子または炭素数1〜6個の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基である。
式(DA2)中、A12は炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基であり、A13は炭素数2〜5個のアルキレンまたはビフェニレンであり、Z12は、炭素数1〜5のアルキル基またはベンゼン環であり、qは0または1の整数である。
式(DA3)中、A14は3級窒素原子で置換された炭素原子数4〜6個のシクロアルキレンであり、A15は炭素数2〜5のアルキレンである。)
【請求項9】
前記第1のジアミンは、下記の式(DA4)、(DA5)、(DA6)および(DA7)で表されるジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミンであることを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ。
【化4】

(式(DA4)中、A21は窒素含有芳香族複素環である。
式(DA5)中、Z21は3級窒素原子を含む炭素数2〜12個の脂肪族基である。
式(DA6)中、A22は炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基であり、A23は炭素数2〜5個のアルキレンまたはビフェニレンであり、Z22は炭素数1〜5個のアルキルまたはベンゼン環であり、rは0または1の整数である。
式(DA7)中、A24は上記式(DA7a)または(DA7b)で表される基であり、A25は炭素数2〜5のアルキレンである。)
【請求項10】
前記液晶配向剤に含有される前記[P]重合体を得るための前記ジアミンは、分子内にカルボキシル基を有する第2のジアミンを含むことを特徴とする請求項8または9に記載のカラーフィルタ。
【請求項11】
前記第2のジアミンは、下記の式(DA8)で表されるジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミンであることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ。
【化5】

(式(DA8)中、A31は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、n1は1〜4の整数である。)
【請求項12】
前記第2のジアミンは、下記の式(DA9)〜式(DA13)で表されるジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミンであることを特徴とする請求項10または11に記載のカラーフィルタ。
【化6】

(式(DA9)中、m1は1〜4の整数である。
式(DA10)中、A32は単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−であり、m2およびm3はそれぞれ独立に0〜4の整数を示すとともにm2+m3は1〜4の整数を示す。
式(DA11)中、m4およびm5はそれぞれ独立に1〜5の整数である。
式(DA12)中、A33は炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基であり、m6は1〜5の整数である。
式(DA13)中、A34は単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−であり、m7は1〜4の整数である。)
【請求項13】
前記着色パターンは、200℃以下の硬化温度で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項14】
前記保護膜は、200℃以下の硬化温度で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項15】
前記スペーサは、200℃以下の硬化温度で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項16】
前記配向膜は、200℃以下の加熱温度で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項17】
前記着色パターンは、前記保護膜の硬化温度より低い硬化温度で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項18】
前記着色パターンは、前記スペーサの硬化温度より低い硬化温度で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項19】
前記保護膜は、前記スペーサの硬化温度より低い硬化温度で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示素子。
【請求項21】
[1]ジケトピロロピロール系顔料、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン系顔料、トリアリールメタン系染料およびアゾ系染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤を含有する着色組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
[2]前記着色組成物の塗膜に着色パターンを形成する工程、
[3]前記着色パターンが形成された塗膜を200℃以下で硬化する工程、
[4][A]エポキシ基を有する化合物、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
[C]感放射線性重合開始剤、および
[D]下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する第1の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
[5」前記第1の感放射線性樹脂組成物の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
[6]工程[5]で放射線が照射された前記塗膜を現像する工程、
[7]工程[6]で現像された前記塗膜を200℃以下で硬化する工程、
[8][E]アルカリ可溶性樹脂、
[F]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
[G]感放射線性重合開始剤、および
[H]下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する第2の感放射線性樹脂組成物の塗膜を、工程[7]の前記硬化した塗膜を有する基板の上に形成する工程、
[9]前記第2の感放射線性樹脂組成物の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
[10]工程[9]で放射線が照射された前記塗膜を現像する工程、
[11]工程[10]で現像された前記塗膜を200℃以下で硬化してスペーサを形成する工程、並びに
[12]2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸ならびに前記ポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の[P]重合体を含有する液晶配向剤の塗膜を工程[11]で硬化されたスペーサを有する基板に形成し、前記塗膜を200℃以下で加熱して配向膜を形成する工程
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【化7】

【化8】

(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、電子吸引性基またはアミノ基である。但し、R〜Rのうち少なくとも1つは電子吸引性基であり、かつR〜Rのうち少なくとも1つはアミノ基である。また、上記アミノ基は、水素原子の全部または一部が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
式(2)中、R〜R16は、それぞれ独立して水素原子、電子吸引性基またはアミノ基である。但し、R〜R16のうち少なくとも1つはアミノ基である。また、上記アミノ基は、水素原子の全部または一部が炭素数1〜6の炭化水素基で置換されていてもよい。Aは、単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルメチレン基、スルフィニル基、スルホニル基、メチレン基または炭素数2〜6のアルキレン基である。但し、上記メチレン基およびアルキレン基は、水素原子の全部または一部がシアノ基、ハロゲン原子またはフルオロアルキル基で置換されていてもよい。)
【請求項22】
前記着色組成物は、さらに[I]アルカリ可溶性樹脂、[II]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、[III]感放射線性重合開始剤を含有することを特徴とする請求項21に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項23】
工程[3]の硬化温度が、工程[7]の硬化温度より低い温度であることを特徴とする請求項21または22に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項24】
工程[3]の硬化温度が、工程[11]の硬化温度より低い温度であることを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項25】
工程[7]の硬化温度が、工程[11]の硬化温度より低い温度であることを特徴とする請求項21〜24のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項26】
前記液晶配向剤に含有される前記[P]重合体を得るための前記ジアミンは、下記の式(DA1)、式(DA2)および式(DA3)で表されるジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である3級窒素原子を有する第1のジアミンを含むことを特徴とする請求項21〜25のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【化9】

(式(DA1)中、A11はベンゼン環または窒素含有芳香族複素環であり、Z11は、A11がベンゼン環である場合は炭素数1〜6個の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基であり、A11が窒素含有芳香族複素環である場合は水素原子または炭素数1〜6個の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基である。
式(DA2)中、A12は炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基であり、A13は炭素数2〜5個のアルキレンまたはビフェニレンであり、Z12は、炭素数1〜5個のアルキル基またはベンゼン環であり、qは0または1の整数である。
式(DA3)中、A14は3級窒素原子で置換された炭素原子数4〜6個のシクロアルキレンであり、A15は炭素数2〜5個のアルキレンである。)
【請求項27】
前記液晶配向剤に含有される前記[P]重合体を得るための前記ジアミンは、分子内にカルボキシル基を有する第2のジアミンを含むことを特徴とする請求項26に記載のカラーフィルタの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−15635(P2013−15635A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147457(P2011−147457)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】