カラー画像データの画像処理装置およびその動作制御方法
【目的】人間以外の動物が検出された場合も比較的適正な画像処理を行う。
【構成】第1の検出装置3によって被写体像の中から人物像が検出され,第2の検出装置4によって被写体像の中から動物像およびその色が検出される。人物像が検出された場合において動物像が検出されないと,人物の肌色の見栄えが良くなるような色強調処理,スムージング処理が行われる。動物像が検出された場合において人物像が検出されないと,エッジ強調処理,動物像の検出された色の色強調処理が画像処理装置6において行われる。
【構成】第1の検出装置3によって被写体像の中から人物像が検出され,第2の検出装置4によって被写体像の中から動物像およびその色が検出される。人物像が検出された場合において動物像が検出されないと,人物の肌色の見栄えが良くなるような色強調処理,スムージング処理が行われる。動物像が検出された場合において人物像が検出されないと,エッジ強調処理,動物像の検出された色の色強調処理が画像処理装置6において行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,カラー画像データの画像処理装置およびその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の顔を検出できるカメラが実用化されている(特許文献1,2)。人間の顔が検出されることにより,人間の顔に適した撮像モードが行われる。しかしながら,人間以外の動物が検出された場合には考えられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-92699号公報
【特許文献2】特開2009-60379号公報
【発明の概要】
【0004】
この発明は,人間が検出された場合も人間以外の動物が検出された場合も比較的適正な画像処理を行うことを目的とする。
【0005】
この発明によるカラー画像データの画像処理装置は,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出する第1の被写体像検出手段,上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出する第2の被写体像検出手段,上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出する色検出手段,上記カラー画像データについて画像処理を行う画像処理手段,ならびに上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明は,上記カラー画像データの画像処理装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,第1の被写体像検出手段が,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出し,第2の被写体像検出手段が,上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出し,色検出手段が,上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出し,画像処理手段が,上記カラー画像データについて画像処理を行い,制御手段が,上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0007】
この発明によると,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に人物像または人物の顔画像が含まれているかどうかの検出処理が行われる。また,色バランス調整が行われた,その被写体像の中に動物像または動物の顔画像が含まれているかどうかの検出処理も行われ,動物像または動物の顔画像が含まれていると,その動物像または動物の顔画像の色も検出される。人物像または人物の顔画像が検出されると,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理が行われ,動物像または動物の顔画像が検出されると,エッジ強調処理および検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように画像処理手段が制御される。人物像または人物の顔画像だけでなく,動物像または動物の顔画像が検出された場合にも,その動物像または動物像に適した画像処理が行われるようになる。
【0008】
上記制御手段は,たとえば,上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて画像処理を停止する,あるいは上記色強調処理の程度を弱めて色強調処理を行うニュートラル画像処理を行うように,上記画像処理手段を制御するものである。
【0009】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積とを算出する面積算出手段をさらに備えてもよい。この場合,上記制御手段は,たとえば,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0010】
上記制御手段は,たとえば,上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものもよい。
【0011】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積との比を算出する面積比算出手段をさらに備えてもよい。この場合上記制御手段は,たとえば,上記面積比算出手段によって算出された面積比が第1のしきい値以上のときに上記人物像用の画像処理を行い,上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値以下のしきい値である第2のしきい値以下の面積比のときに上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0012】
上記制御手段は,たとえば,上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値と上記第2のしきい値との間であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものでもよい。
【0013】
上記第1の被写体像検出手段によって検出された人物像または人物の顔画像の色と上記第2の被写体像検出手段によって検出された動物像または動物の顔画像の色との色相関度を検出する色相関度検出手段をさらに備えてもよい。この場合,上記制御手段は,たとえば,上記色相関度検出手段によって検出された色相関度が所定値以内であり,かつ上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0014】
上記制御手段は,上記色相関度検出手段によって算出された色相関度が所定値よりも大きく,かつ上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】被写体像の一例である。
【図3】被写体像の一例である。
【図4】被写体像の一例である。
【図5】画像処理手順のフローチャートである。
【図6】画像処理手順のフローチャートである。
【図7】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】被写体像の一例である。
【図9】被写体像の一例である。
【図10】画像処理手順のフローチャートである。
【図11】画像処理手順のフローチャートである。
【図12】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図13】色空間を示している。
【図14】画像処理手順のフローチャートである。
【図15】画像処理手順のフローチャートである。
【実施例】
【0016】
図1は,この発明の実施例を示すもので,ディジタル・カメラの電気的構成の一部を示すブロック図である。
【0017】
CCDなどのカラー撮像装置1によって被写体が撮像され,被写体像を表すカラー画像データがカラー撮像装置1から出力される。カラー撮像装置1から出力されたカラー画像データは,白バランス調整回路2に入力する。カラー画像データは白バランス調整回路2において基本的な色味を調整する白バランス調整が行われる。白バランス調整回路2から出力されたカラー画像データは,第1の検出装置3および第2の検出装置4ならびに画像処理装置6に入力する。
【0018】
第1の検出装置3は,入力したカラー画像データによって表される被写体像の中から人物像を検出するものである。第1の検出装置3によって人物像が検出されたことにより,人物像が検出されたことを示すデータが第1の検出装置3から画像処理制御装置5に入力する。第1の検出装置3は,人物の顔画像を検出するものでもよい。その場合には,人物の顔画像が検出されたことを示すデータが第1の検出装置3から画像処理制御装置5に入力する。
【0019】
第2の検出装置4は,入力したカラー画像データによって表される被写体像の中から動物像を検出するものである。第2の検出装置4において動物像が検出されると,その検出された動物像の色も検出される。動物像が検出されたことを示すデータおよび動物像の色を表すデータが第2の検出装置4から画像処理制御装置5に入力する。第2の検出装置4において,動物像と動物像の色とを検出しているが,第2の検出装置4にいて動物像を検出し,検出された動物像を表す画像データを,第2の検出装置4とは別の色検出装置(図示略)に入力し,その色検出装置において動物像の色を検出するようにしてもよい。第2の検出装置4によって動物像が検出されたことを示すデータおよび色検出装置において検出された色を表すデータが画像処理制御装置5に入力する。第2の検出装置4は,動物の顔画像を検出するものでもよい。その場合には,画像処理装置5には第2の検出装置4から動物の顔画像が検出されたことを示すデータおよび検出された動物の顔の色を表す出たーが入力することとなろう。
【0020】
画像処理制御装置5に,被写体像の中に人物像(または人物の顔画像)が検出されたことを示すデータが入力すると,画像処理制御装置5によって,画像処理装置6に入力したカラー画像データによって表される被写体像が,あらかじめ定められている人間の肌の色(黄色,白色,黒色,褐色など)の色が強調されるような色強調処理または人間の肌の色のスムージング処理が画像処理装置6において行われるように制御される。被写体像に含まれる人物像の見栄えを良くするためである。色強調処理は,人間の肌の色のレベルを高くするように,入力したカラー画像データによって表される被写体像全体の色強調処理を行うものである。スムージング処理は,人間の肌の色が滑らかとなるように被写体像全体に対してディジタル・フィルタ処理を行うものである。色強調処理とスムージング処理との両方の処理を行うようにしてもよい。
【0021】
図2は,人間像のみが含まれている被写体像の一例である。
【0022】
撮像によって得られたカラーの被写体像10には人物像(顔画像)11,12および13が含まれている。これらの人物像11,12および13が上述した第1の検出装置3によって検出されたものとする。すると,上述したように,あらかじめ定められた肌の色の見栄えが良くなるように,その肌の色の色強調,スムージング処理が行われる。図2においては複数の人物像11,12および13が含まれているが,一人の人物像だけでもよい。
【0023】
画像処理制御装置5に,被写体像の中に動物像(または動物の顔画像)が検出されたことを示すデータおよび検出された動物像の色を表すデータが入力すると,画像処理制御装置5によって,画像処理装置6に入力したカラー画像データによって表される被写体像について,エッジ強調処理または検出された動物像の色を強調する色強調処理が行われるように画像処理装置6が制御される。人間の肌の色であれば,撮像の対象とする人間の人種に応じてほぼ定まることができ,あらかじめ定められている肌の色の見栄えを良くするように画像処理をすることができるが,動物の場合,肌の色,毛の色は千差万別であり,あらかじめ決定しておくことができない。このために,動物像(動物の顔画像)の色が検出され,その検出された色の色強調処理が行われる。色強調処理とエッジ強調処理との両方の処理が行われるようにしてもよい。
【0024】
図3は,動物像のみが含まれている被写体像の一例である。
【0025】
撮像によって得られたカラーの被写体像20には動物像21が含まれている。この動物像21およびその動物像21の色が上述した第2の検出装置4によって検出されたものとする。すると,上述したように,検出された色についての色強調処理,エッジ強調処理が行われる。
【0026】
図4は,人物像と動物像との両方が含まれている被写体像の一例である。
【0027】
撮像によって得られたカラーの被写体像30には人物像31と動物像32との両方が含まれている。人物像31が第1の検出装置3によって検出され,動物像32が第2の検出装置4によって検出されたものとする。すると,この実施例においては,撮像によって得られた被写体像から人物像のみが検出された場合に行われる上述した画像処理と動物像のみが検出された場合に行われる上述した画像処理との中間的な処理(ニュートラル処理)が行われる。たとえば,上述した画像処理自体の停止,色強調の程度を弱めた色強調処理,スムージングの程度が弱められたスムージング処理,エッジ強調の程度か弱められたエッジ強調処理などが行われる。
【0028】
図1を参照して,画像処理制御装置5の制御のもとで,カラー画像データによって表される被写体像について画像処理装置6において画像処理が行われて出力される。画像処理装置6から出力されたカラー画像データは,表示装置(図示略)に与えられることにより,被写体像が表示される。また,メモリ・カードなどの記録媒体に与えられることにより,カラー画像データは記録される。
【0029】
上述の実施例においては,撮像時に画像処理装置6において画像処理が行われているが,撮像時ではなく,再生時に同様の画像処理が行われてもよい。
【0030】
図5および図6は,画像処理手順を示すフローチャートである。
【0031】
上述のように,被写体が撮像され,被写体像を表すカラー画像データが得られる(ステップ41)。すると,得られたカラー画像データに対して白バランス調整が行われる(ステップ42)。第1の検出装置3によって,白バランス調整が行われた被写体像の中から人物像を検出する処理が行われる(ステップ43)。また,第2の検出装置4によって,白バランス調整が行われた被写体像の中から動物像を検出する処理が行われる(ステップ44)。すると,人物像の検出の有無,動物像の検出の有無にもとづいて画像処理方法が決定される(ステップ45)。
【0032】
被写体像の中に動物像が存在せずに人物像が存在する場合には,上述したように人物像の肌の見栄えを良くするために,あらかじめ定められている肌の色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方が行われるように画像処理の選択が行われる(ステップ46)。すると,あらかじめ定められている肌の色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方が行われるように画像処理装置6が制御される(ステップ47)。
【0033】
被写体像の中に人物像が存在せずに動物像が存在する場合には,上述したように検出された動物像の色が検出される(ステップ48)。エッジ強調処理および検出された動物像の色についての色強調処理の少なくとも一方が行われるように画像処理の選択が行われる(ステップ49)。すると,エッジ強調処理および検出された動物像の色についての色強調処理の少なくとも一方が行われるように画像処理装置6が制御される(ステップ50)。
【0034】
被写体像の中に人物像と動物像の両方とも存在した場合には,まず,検出された動物像の色が検出される(ステップ51)。つづいて色強調が行われように選択される(ステップ52)。程度が弱められて色強調が行われる(ステップ53)。たとえば,検出された動物像の色の色強調が上述した色強調の程度より弱められて行われ,かつあらかじめ定められた人間の肌の色の色強調が上述した色強調の程度よりも弱められて行われる。色強調ではなく,上述のように,程度が弱められたエッジ強調,スムージング処理などが行われてもよいし,何も行われないようにしてもよい。
【0035】
上述の実施例において,被写体像の中に人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との両方が含まれている場合には,人物像(人物の顔画像)のみが含まれている場合の処理と動物像(動物の顔画像)のみが含まれている場合の処理と異なるニュートラルの処理が行われているが,人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との両方が含まれている場合であっても,人物像(人物の顔画像)のみが含まれている場合の処理と動物像(動物の顔画像)のみが含まれている場合の処理のいずれか一方の処理が行われるようにしてもよい。
【0036】
図7から図11は,他の実施例を示している。この実施例は,図4に示したように,被写体像に人物像と動物像との両方がいた場合の処理方法を決定するものである。
【0037】
図7は,ディジタル・カメラの電気的構成の一部を示すものである。この図において,図1に示すものと同じものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図7に示すものにおいては,面積算出装置7が設けられている。第1の検出装置3からは,撮像された被写体像から検出された人物像を表すデータが出力されて面積算出装置7に入力する。また,第2の検出装置4からは,同じ被写体像から検出された動物像を表すデータが出力された面積算出装置7に入力する。面積算出装置7において,入力した人物像を表すデータから人物像の面積(被写体像に対する割合でよい)が算出され,かつ入力した動物像を表すデータから動物像の面積が算出される。
【0039】
図8は,上述した被写体像30を示している。
【0040】
被写体像30に含まれる人物像31が検出されることにより,その領域33が決定される。領域33内の面積が人物31の面積とされる。また,被写体像30に含まれる動物像32が検出されることにより,その領域34が決定される。領域34内の面積が動物像34の面積とされる。人物像31の面積S1と動物像32の面積S2とが比較され,それらの面積の差が一定の範囲内であれば,上述したように,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理が行われる。人物像31の面積S1と動物像32の面積S2との面積の差が一定の範囲外であり,人物像31の面積S1の方が動物像32の面積よりも大きければ,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理が行われる。人物像31の面積S1と動物像32の面積S2との面積の差が一定の範囲外であり,逆に,人物像31の面積S1の方が動物像32の面積が小さければ,上述したように被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理が行われる。上述の処理においては,人物像31の周りの矩形の領域33内の面積を人物像31の面積とし,動物像32の周りの矩形の領域34内の面積を動物像34の面積としているが,人物像31そのものの面積と動物像32そのものの面積とを比べてもよいのはいうまでもない。
【0041】
上述した実施例では,人物像全体の面積と動物像全体の面積とを比較しているが,人物の顔画像の面積と動物の顔画像の面積とを比較してもよい。
【0042】
図9は,被写体像60の一例である。
【0043】
被写体像60には,人物像61と動物像62とが含まれているものとする。上述した第1の検出装置3において人物の顔が検出され,第2の検出装置4において動物の顔が検出されるものとする。検出された人物の顔画像63の面積と動物の顔画像64の面積とが比較される。この場合も上述したように,人物の顔画像63の面積と動物の顔画像64の面積とに応じて,人物像61に適した画像処理,動物像62に適した画像処理が行われる。
【0044】
図10および図11は,画像処理手順を示すフローチャートである。これらの図は,図5および図6に対応するもので,図5または図6の処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
上述したように,検出された人物像(人物の顔画像)の面積および検出された動物像(動物像の顔画像)の面積が算出される(ステップ54)。すると,それらの面積応じて画像処理内容が決定する。上述のように,人物像の面積と動物像の面積との面積の差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積よりも大きければ,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理(ステップ46および47)が行われる。人物像の面積と動物像の面積と差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積が小さければ,上述したように被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理(ステップ48〜50)が行われる。人物像の面積と動物像の面積と面積の差が一定の範囲内であれば,上述したように,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理(ステップ51〜53)が行われる。
【0046】
上述の実施例においては,人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との面積を比較して,被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理,被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理または被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理が行われているが,面積比を利用して,それらの処理を切り換えるようにしてもよい。この場合,上述した面積算出装置7は,面積を算出するほかに人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との面積比(人物像の面積/動物像の面積,または人物の顔画像の面積/動物の顔画像の面積)も算出することとなろう。
【0047】
面積比を利用する場合,面積比が第1のしきい値以上のときに,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理(ステップ46および47)が行われる。また,面積比が第1のしきい値以下のしきい値である第2のしきい値以下のときに被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理(ステップ48〜50)が行われる。さらに,面積比が上記第1のしきい値と上記第2のしきい値との間のときには,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理(ステップ51〜53)が行われる。
【0048】
図12から図15は,さらに他の実施例を示している。この実施例も,図4に示したように,被写体像に人物像と動物像との両方がいた場合の処理方法を決定するものである。
【0049】
図12は,ディジタル・カメラの電気的構成の一部を示すものである。この図において,図1または図7に示すものと同じものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
この実施例では,色相関度検出装置8が設けられている。上述したように,第1の検出装置3から出力された人物像を表す画像データおよび第2の検出装置4から出力された動物像を表す画像データは面積算出装置7に入力するとともに,色相関度検出装置8にも入力する。色相関度検出装置8は,入力した画像データにもとづいて同一の被写体像から検出された人物像の色と動物像の色との相関度(色空間上の色の近さ)を表すデータを検出するものである。色相関度検出装置8において検出された色相関度データは面積算出装置7において算出された人物像の面積および動物像の面積とともに画像処理制御装置5に入力する。画像処理制御装置5において,人物像の面積および動物像の面積だけでなく,人物像の色と動物像の色との相関度も用いて,どのような処理が行われるかが決定される。
【0051】
図13は,検出された人物像の色の色空間上の位置と動物像の色の色空間上の位置とを示している。この図は,L*a*b*色空間についてのものであるが,L*a*b*色空間に限らず,RGB色空間,CrCb色空間などどのような色空間でもよい。
【0052】
検出された人物像の色の分布が符号71で示されるものとする。このような場合,検出された動物像の色の分布が符号72で示されるように,符号71で示される人物像の色の分布と一部分で重なれば,人物像の色と動物像の色とは近いと考えられ,色相関度が所定値以内と判断される。これに対して,検出された動物像の色の分布が符号73で示されるように,符号71で示される人物像の色の分布と重ならなければ,人物像の色と動物像の色とは遠いと考えられ,色相関度は所定値より大きいと判断される。
【0053】
図14および図15は,画像処理手順を示すフローチャートである。これらの図は,図10および図11に対応するもので,図10または図11の処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
上述のように,検出された人物像の面積と検出された動物像の面積とが算出される(ステップ54)。また,検出された人物の色と検出された動物の色との色相関度(色の近さ)が算出される(ステップ55)。
【0055】
人物像の色と動物像の色との色相関度が所定値以内であり,かつ人物像の面積と動物像の面積との面積の差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積よりも大きければ,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理(ステップ46および47)が行われる。人物像の色と動物像の色との色相関度が所定値以内であり,かつ人物像の面積と動物像の面積と差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積が小さければ,上述したように被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理(ステップ48〜50)が行われる。人物像の色と動物像の色との色相関度が所定値より大きく,かつ人物像の面積と動物像の面積と面積の差が一定の範囲内であれば,上述したように,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理(ステップ51〜53)が行われる。
【符号の説明】
【0056】
2 白バランス調整装置
3 第1の検出装置
4 第2の検出装置
5 画像処理制御装置
6 画像処理装置
【技術分野】
【0001】
この発明は,カラー画像データの画像処理装置およびその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の顔を検出できるカメラが実用化されている(特許文献1,2)。人間の顔が検出されることにより,人間の顔に適した撮像モードが行われる。しかしながら,人間以外の動物が検出された場合には考えられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-92699号公報
【特許文献2】特開2009-60379号公報
【発明の概要】
【0004】
この発明は,人間が検出された場合も人間以外の動物が検出された場合も比較的適正な画像処理を行うことを目的とする。
【0005】
この発明によるカラー画像データの画像処理装置は,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出する第1の被写体像検出手段,上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出する第2の被写体像検出手段,上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出する色検出手段,上記カラー画像データについて画像処理を行う画像処理手段,ならびに上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明は,上記カラー画像データの画像処理装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,第1の被写体像検出手段が,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出し,第2の被写体像検出手段が,上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出し,色検出手段が,上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出し,画像処理手段が,上記カラー画像データについて画像処理を行い,制御手段が,上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0007】
この発明によると,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に人物像または人物の顔画像が含まれているかどうかの検出処理が行われる。また,色バランス調整が行われた,その被写体像の中に動物像または動物の顔画像が含まれているかどうかの検出処理も行われ,動物像または動物の顔画像が含まれていると,その動物像または動物の顔画像の色も検出される。人物像または人物の顔画像が検出されると,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理が行われ,動物像または動物の顔画像が検出されると,エッジ強調処理および検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように画像処理手段が制御される。人物像または人物の顔画像だけでなく,動物像または動物の顔画像が検出された場合にも,その動物像または動物像に適した画像処理が行われるようになる。
【0008】
上記制御手段は,たとえば,上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて画像処理を停止する,あるいは上記色強調処理の程度を弱めて色強調処理を行うニュートラル画像処理を行うように,上記画像処理手段を制御するものである。
【0009】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積とを算出する面積算出手段をさらに備えてもよい。この場合,上記制御手段は,たとえば,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0010】
上記制御手段は,たとえば,上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものもよい。
【0011】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積との比を算出する面積比算出手段をさらに備えてもよい。この場合上記制御手段は,たとえば,上記面積比算出手段によって算出された面積比が第1のしきい値以上のときに上記人物像用の画像処理を行い,上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値以下のしきい値である第2のしきい値以下の面積比のときに上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0012】
上記制御手段は,たとえば,上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値と上記第2のしきい値との間であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものでもよい。
【0013】
上記第1の被写体像検出手段によって検出された人物像または人物の顔画像の色と上記第2の被写体像検出手段によって検出された動物像または動物の顔画像の色との色相関度を検出する色相関度検出手段をさらに備えてもよい。この場合,上記制御手段は,たとえば,上記色相関度検出手段によって検出された色相関度が所定値以内であり,かつ上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである。
【0014】
上記制御手段は,上記色相関度検出手段によって算出された色相関度が所定値よりも大きく,かつ上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】被写体像の一例である。
【図3】被写体像の一例である。
【図4】被写体像の一例である。
【図5】画像処理手順のフローチャートである。
【図6】画像処理手順のフローチャートである。
【図7】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】被写体像の一例である。
【図9】被写体像の一例である。
【図10】画像処理手順のフローチャートである。
【図11】画像処理手順のフローチャートである。
【図12】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図13】色空間を示している。
【図14】画像処理手順のフローチャートである。
【図15】画像処理手順のフローチャートである。
【実施例】
【0016】
図1は,この発明の実施例を示すもので,ディジタル・カメラの電気的構成の一部を示すブロック図である。
【0017】
CCDなどのカラー撮像装置1によって被写体が撮像され,被写体像を表すカラー画像データがカラー撮像装置1から出力される。カラー撮像装置1から出力されたカラー画像データは,白バランス調整回路2に入力する。カラー画像データは白バランス調整回路2において基本的な色味を調整する白バランス調整が行われる。白バランス調整回路2から出力されたカラー画像データは,第1の検出装置3および第2の検出装置4ならびに画像処理装置6に入力する。
【0018】
第1の検出装置3は,入力したカラー画像データによって表される被写体像の中から人物像を検出するものである。第1の検出装置3によって人物像が検出されたことにより,人物像が検出されたことを示すデータが第1の検出装置3から画像処理制御装置5に入力する。第1の検出装置3は,人物の顔画像を検出するものでもよい。その場合には,人物の顔画像が検出されたことを示すデータが第1の検出装置3から画像処理制御装置5に入力する。
【0019】
第2の検出装置4は,入力したカラー画像データによって表される被写体像の中から動物像を検出するものである。第2の検出装置4において動物像が検出されると,その検出された動物像の色も検出される。動物像が検出されたことを示すデータおよび動物像の色を表すデータが第2の検出装置4から画像処理制御装置5に入力する。第2の検出装置4において,動物像と動物像の色とを検出しているが,第2の検出装置4にいて動物像を検出し,検出された動物像を表す画像データを,第2の検出装置4とは別の色検出装置(図示略)に入力し,その色検出装置において動物像の色を検出するようにしてもよい。第2の検出装置4によって動物像が検出されたことを示すデータおよび色検出装置において検出された色を表すデータが画像処理制御装置5に入力する。第2の検出装置4は,動物の顔画像を検出するものでもよい。その場合には,画像処理装置5には第2の検出装置4から動物の顔画像が検出されたことを示すデータおよび検出された動物の顔の色を表す出たーが入力することとなろう。
【0020】
画像処理制御装置5に,被写体像の中に人物像(または人物の顔画像)が検出されたことを示すデータが入力すると,画像処理制御装置5によって,画像処理装置6に入力したカラー画像データによって表される被写体像が,あらかじめ定められている人間の肌の色(黄色,白色,黒色,褐色など)の色が強調されるような色強調処理または人間の肌の色のスムージング処理が画像処理装置6において行われるように制御される。被写体像に含まれる人物像の見栄えを良くするためである。色強調処理は,人間の肌の色のレベルを高くするように,入力したカラー画像データによって表される被写体像全体の色強調処理を行うものである。スムージング処理は,人間の肌の色が滑らかとなるように被写体像全体に対してディジタル・フィルタ処理を行うものである。色強調処理とスムージング処理との両方の処理を行うようにしてもよい。
【0021】
図2は,人間像のみが含まれている被写体像の一例である。
【0022】
撮像によって得られたカラーの被写体像10には人物像(顔画像)11,12および13が含まれている。これらの人物像11,12および13が上述した第1の検出装置3によって検出されたものとする。すると,上述したように,あらかじめ定められた肌の色の見栄えが良くなるように,その肌の色の色強調,スムージング処理が行われる。図2においては複数の人物像11,12および13が含まれているが,一人の人物像だけでもよい。
【0023】
画像処理制御装置5に,被写体像の中に動物像(または動物の顔画像)が検出されたことを示すデータおよび検出された動物像の色を表すデータが入力すると,画像処理制御装置5によって,画像処理装置6に入力したカラー画像データによって表される被写体像について,エッジ強調処理または検出された動物像の色を強調する色強調処理が行われるように画像処理装置6が制御される。人間の肌の色であれば,撮像の対象とする人間の人種に応じてほぼ定まることができ,あらかじめ定められている肌の色の見栄えを良くするように画像処理をすることができるが,動物の場合,肌の色,毛の色は千差万別であり,あらかじめ決定しておくことができない。このために,動物像(動物の顔画像)の色が検出され,その検出された色の色強調処理が行われる。色強調処理とエッジ強調処理との両方の処理が行われるようにしてもよい。
【0024】
図3は,動物像のみが含まれている被写体像の一例である。
【0025】
撮像によって得られたカラーの被写体像20には動物像21が含まれている。この動物像21およびその動物像21の色が上述した第2の検出装置4によって検出されたものとする。すると,上述したように,検出された色についての色強調処理,エッジ強調処理が行われる。
【0026】
図4は,人物像と動物像との両方が含まれている被写体像の一例である。
【0027】
撮像によって得られたカラーの被写体像30には人物像31と動物像32との両方が含まれている。人物像31が第1の検出装置3によって検出され,動物像32が第2の検出装置4によって検出されたものとする。すると,この実施例においては,撮像によって得られた被写体像から人物像のみが検出された場合に行われる上述した画像処理と動物像のみが検出された場合に行われる上述した画像処理との中間的な処理(ニュートラル処理)が行われる。たとえば,上述した画像処理自体の停止,色強調の程度を弱めた色強調処理,スムージングの程度が弱められたスムージング処理,エッジ強調の程度か弱められたエッジ強調処理などが行われる。
【0028】
図1を参照して,画像処理制御装置5の制御のもとで,カラー画像データによって表される被写体像について画像処理装置6において画像処理が行われて出力される。画像処理装置6から出力されたカラー画像データは,表示装置(図示略)に与えられることにより,被写体像が表示される。また,メモリ・カードなどの記録媒体に与えられることにより,カラー画像データは記録される。
【0029】
上述の実施例においては,撮像時に画像処理装置6において画像処理が行われているが,撮像時ではなく,再生時に同様の画像処理が行われてもよい。
【0030】
図5および図6は,画像処理手順を示すフローチャートである。
【0031】
上述のように,被写体が撮像され,被写体像を表すカラー画像データが得られる(ステップ41)。すると,得られたカラー画像データに対して白バランス調整が行われる(ステップ42)。第1の検出装置3によって,白バランス調整が行われた被写体像の中から人物像を検出する処理が行われる(ステップ43)。また,第2の検出装置4によって,白バランス調整が行われた被写体像の中から動物像を検出する処理が行われる(ステップ44)。すると,人物像の検出の有無,動物像の検出の有無にもとづいて画像処理方法が決定される(ステップ45)。
【0032】
被写体像の中に動物像が存在せずに人物像が存在する場合には,上述したように人物像の肌の見栄えを良くするために,あらかじめ定められている肌の色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方が行われるように画像処理の選択が行われる(ステップ46)。すると,あらかじめ定められている肌の色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方が行われるように画像処理装置6が制御される(ステップ47)。
【0033】
被写体像の中に人物像が存在せずに動物像が存在する場合には,上述したように検出された動物像の色が検出される(ステップ48)。エッジ強調処理および検出された動物像の色についての色強調処理の少なくとも一方が行われるように画像処理の選択が行われる(ステップ49)。すると,エッジ強調処理および検出された動物像の色についての色強調処理の少なくとも一方が行われるように画像処理装置6が制御される(ステップ50)。
【0034】
被写体像の中に人物像と動物像の両方とも存在した場合には,まず,検出された動物像の色が検出される(ステップ51)。つづいて色強調が行われように選択される(ステップ52)。程度が弱められて色強調が行われる(ステップ53)。たとえば,検出された動物像の色の色強調が上述した色強調の程度より弱められて行われ,かつあらかじめ定められた人間の肌の色の色強調が上述した色強調の程度よりも弱められて行われる。色強調ではなく,上述のように,程度が弱められたエッジ強調,スムージング処理などが行われてもよいし,何も行われないようにしてもよい。
【0035】
上述の実施例において,被写体像の中に人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との両方が含まれている場合には,人物像(人物の顔画像)のみが含まれている場合の処理と動物像(動物の顔画像)のみが含まれている場合の処理と異なるニュートラルの処理が行われているが,人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との両方が含まれている場合であっても,人物像(人物の顔画像)のみが含まれている場合の処理と動物像(動物の顔画像)のみが含まれている場合の処理のいずれか一方の処理が行われるようにしてもよい。
【0036】
図7から図11は,他の実施例を示している。この実施例は,図4に示したように,被写体像に人物像と動物像との両方がいた場合の処理方法を決定するものである。
【0037】
図7は,ディジタル・カメラの電気的構成の一部を示すものである。この図において,図1に示すものと同じものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図7に示すものにおいては,面積算出装置7が設けられている。第1の検出装置3からは,撮像された被写体像から検出された人物像を表すデータが出力されて面積算出装置7に入力する。また,第2の検出装置4からは,同じ被写体像から検出された動物像を表すデータが出力された面積算出装置7に入力する。面積算出装置7において,入力した人物像を表すデータから人物像の面積(被写体像に対する割合でよい)が算出され,かつ入力した動物像を表すデータから動物像の面積が算出される。
【0039】
図8は,上述した被写体像30を示している。
【0040】
被写体像30に含まれる人物像31が検出されることにより,その領域33が決定される。領域33内の面積が人物31の面積とされる。また,被写体像30に含まれる動物像32が検出されることにより,その領域34が決定される。領域34内の面積が動物像34の面積とされる。人物像31の面積S1と動物像32の面積S2とが比較され,それらの面積の差が一定の範囲内であれば,上述したように,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理が行われる。人物像31の面積S1と動物像32の面積S2との面積の差が一定の範囲外であり,人物像31の面積S1の方が動物像32の面積よりも大きければ,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理が行われる。人物像31の面積S1と動物像32の面積S2との面積の差が一定の範囲外であり,逆に,人物像31の面積S1の方が動物像32の面積が小さければ,上述したように被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理が行われる。上述の処理においては,人物像31の周りの矩形の領域33内の面積を人物像31の面積とし,動物像32の周りの矩形の領域34内の面積を動物像34の面積としているが,人物像31そのものの面積と動物像32そのものの面積とを比べてもよいのはいうまでもない。
【0041】
上述した実施例では,人物像全体の面積と動物像全体の面積とを比較しているが,人物の顔画像の面積と動物の顔画像の面積とを比較してもよい。
【0042】
図9は,被写体像60の一例である。
【0043】
被写体像60には,人物像61と動物像62とが含まれているものとする。上述した第1の検出装置3において人物の顔が検出され,第2の検出装置4において動物の顔が検出されるものとする。検出された人物の顔画像63の面積と動物の顔画像64の面積とが比較される。この場合も上述したように,人物の顔画像63の面積と動物の顔画像64の面積とに応じて,人物像61に適した画像処理,動物像62に適した画像処理が行われる。
【0044】
図10および図11は,画像処理手順を示すフローチャートである。これらの図は,図5および図6に対応するもので,図5または図6の処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
上述したように,検出された人物像(人物の顔画像)の面積および検出された動物像(動物像の顔画像)の面積が算出される(ステップ54)。すると,それらの面積応じて画像処理内容が決定する。上述のように,人物像の面積と動物像の面積との面積の差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積よりも大きければ,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理(ステップ46および47)が行われる。人物像の面積と動物像の面積と差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積が小さければ,上述したように被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理(ステップ48〜50)が行われる。人物像の面積と動物像の面積と面積の差が一定の範囲内であれば,上述したように,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理(ステップ51〜53)が行われる。
【0046】
上述の実施例においては,人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との面積を比較して,被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理,被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理または被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理が行われているが,面積比を利用して,それらの処理を切り換えるようにしてもよい。この場合,上述した面積算出装置7は,面積を算出するほかに人物像(人物の顔画像)と動物像(動物の顔画像)との面積比(人物像の面積/動物像の面積,または人物の顔画像の面積/動物の顔画像の面積)も算出することとなろう。
【0047】
面積比を利用する場合,面積比が第1のしきい値以上のときに,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理(ステップ46および47)が行われる。また,面積比が第1のしきい値以下のしきい値である第2のしきい値以下のときに被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理(ステップ48〜50)が行われる。さらに,面積比が上記第1のしきい値と上記第2のしきい値との間のときには,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理(ステップ51〜53)が行われる。
【0048】
図12から図15は,さらに他の実施例を示している。この実施例も,図4に示したように,被写体像に人物像と動物像との両方がいた場合の処理方法を決定するものである。
【0049】
図12は,ディジタル・カメラの電気的構成の一部を示すものである。この図において,図1または図7に示すものと同じものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
この実施例では,色相関度検出装置8が設けられている。上述したように,第1の検出装置3から出力された人物像を表す画像データおよび第2の検出装置4から出力された動物像を表す画像データは面積算出装置7に入力するとともに,色相関度検出装置8にも入力する。色相関度検出装置8は,入力した画像データにもとづいて同一の被写体像から検出された人物像の色と動物像の色との相関度(色空間上の色の近さ)を表すデータを検出するものである。色相関度検出装置8において検出された色相関度データは面積算出装置7において算出された人物像の面積および動物像の面積とともに画像処理制御装置5に入力する。画像処理制御装置5において,人物像の面積および動物像の面積だけでなく,人物像の色と動物像の色との相関度も用いて,どのような処理が行われるかが決定される。
【0051】
図13は,検出された人物像の色の色空間上の位置と動物像の色の色空間上の位置とを示している。この図は,L*a*b*色空間についてのものであるが,L*a*b*色空間に限らず,RGB色空間,CrCb色空間などどのような色空間でもよい。
【0052】
検出された人物像の色の分布が符号71で示されるものとする。このような場合,検出された動物像の色の分布が符号72で示されるように,符号71で示される人物像の色の分布と一部分で重なれば,人物像の色と動物像の色とは近いと考えられ,色相関度が所定値以内と判断される。これに対して,検出された動物像の色の分布が符号73で示されるように,符号71で示される人物像の色の分布と重ならなければ,人物像の色と動物像の色とは遠いと考えられ,色相関度は所定値より大きいと判断される。
【0053】
図14および図15は,画像処理手順を示すフローチャートである。これらの図は,図10および図11に対応するもので,図10または図11の処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
上述のように,検出された人物像の面積と検出された動物像の面積とが算出される(ステップ54)。また,検出された人物の色と検出された動物の色との色相関度(色の近さ)が算出される(ステップ55)。
【0055】
人物像の色と動物像の色との色相関度が所定値以内であり,かつ人物像の面積と動物像の面積との面積の差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積よりも大きければ,上述したように被写体像の中に動物像が含まれていずに人物像が含まれている場合の処理(ステップ46および47)が行われる。人物像の色と動物像の色との色相関度が所定値以内であり,かつ人物像の面積と動物像の面積と差が一定の範囲外であり,人物像の面積の方が動物像の面積が小さければ,上述したように被写体像の中に人物像が含まれていずに動物像が含まれている場合の処理(ステップ48〜50)が行われる。人物像の色と動物像の色との色相関度が所定値より大きく,かつ人物像の面積と動物像の面積と面積の差が一定の範囲内であれば,上述したように,被写体像の中に人物像と動物像との両方が含まれている場合の処理(ステップ51〜53)が行われる。
【符号の説明】
【0056】
2 白バランス調整装置
3 第1の検出装置
4 第2の検出装置
5 画像処理制御装置
6 画像処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出する第1の被写体像検出手段,
上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出する第2の被写体像検出手段,
上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出する色検出手段,
上記カラー画像データについて画像処理を行う画像処理手段,ならびに
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御する制御手段,
を備えたカラー画像データの画像処理装置。
【請求項2】
上記制御手段は,
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて画像処理を停止する,あるいは上記色強調処理の程度を弱めて色強調処理を行うニュートラル画像処理を行うように,上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項3】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積とを算出する面積算出手段をさらに備え,
上記制御手段は,
上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1または2に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項4】
上記制御手段は,
上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から3のうち,いずれか一項に記載のカラー画像処理装置。
【請求項5】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積との比を算出する面積比算出手段をさらに備え,
上記制御手段は,
上記面積比算出手段によって算出された面積比が第1のしきい値以上のときに上記人物像用の画像処理を行い,上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値以下のしきい値である第2のしきい値以下の面積比のときに上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から4のうち,いずれか一項に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項6】
上記制御手段は,
上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値と上記第2のしきい値との間であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から5のうち,いずれか一項に記載のカラー画像処理装置。
【請求項7】
上記第1の被写体像検出手段によって検出された人物像または人物の顔画像の色と上記第2の被写体像検出手段によって検出された動物像または動物の顔画像の色との色相関度を検出する色相関度検出手段をさらに備え,
上記制御手段は,
上記色相関度検出手段によって検出された色相関度が所定値以内であり,かつ上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項8】
上記制御手段は,
上記色相関度検出手段によって算出された色相関度が所定値よりも大きく,かつ上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から7のうち,いずれか一項に記載のカラー画像処理装置。
【請求項9】
第1の被写体像検出手段が,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出し,
第2の被写体像検出手段が,上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出し,
色検出手段が,上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出し,
画像処理手段が,上記カラー画像データについて画像処理を行い,
制御手段が,上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御する,
カラー画像データの画像処理装置の動作制御方法。
【請求項1】
白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出する第1の被写体像検出手段,
上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出する第2の被写体像検出手段,
上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出する色検出手段,
上記カラー画像データについて画像処理を行う画像処理手段,ならびに
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御する制御手段,
を備えたカラー画像データの画像処理装置。
【請求項2】
上記制御手段は,
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて画像処理を停止する,あるいは上記色強調処理の程度を弱めて色強調処理を行うニュートラル画像処理を行うように,上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項3】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積とを算出する面積算出手段をさらに備え,
上記制御手段は,
上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1または2に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項4】
上記制御手段は,
上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から3のうち,いずれか一項に記載のカラー画像処理装置。
【請求項5】
上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出され,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,検出された人物像または人物の顔画像の面積と検出された動物像または動物の顔画像の面積との比を算出する面積比算出手段をさらに備え,
上記制御手段は,
上記面積比算出手段によって算出された面積比が第1のしきい値以上のときに上記人物像用の画像処理を行い,上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値以下のしきい値である第2のしきい値以下の面積比のときに上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から4のうち,いずれか一項に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項6】
上記制御手段は,
上記面積比算出手段によって算出された面積比が上記第1のしきい値と上記第2のしきい値との間であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から5のうち,いずれか一項に記載のカラー画像処理装置。
【請求項7】
上記第1の被写体像検出手段によって検出された人物像または人物の顔画像の色と上記第2の被写体像検出手段によって検出された動物像または動物の顔画像の色との色相関度を検出する色相関度検出手段をさらに備え,
上記制御手段は,
上記色相関度検出手段によって検出された色相関度が所定値以内であり,かつ上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも大きいことにより上記人物像用の画像処理を行い,上記面積算出手段によって算出された人物像または人物の顔画像の面積が動物像または動物の顔画像の面積よりも小さいことにより上記動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載のカラー画像データの画像処理装置。
【請求項8】
上記制御手段は,
上記色相関度検出手段によって算出された色相関度が所定値よりも大きく,かつ上記人物像または人物の顔画像の面積と上記動物像または動物の顔画像の面積との差が所定の範囲内であることに応じて上記ニュートラル画像処理を行うように上記画像処理手段を制御するものである,
請求項1から7のうち,いずれか一項に記載のカラー画像処理装置。
【請求項9】
第1の被写体像検出手段が,白バランス調整が行われたカラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている人物像または人物の顔画像を検出し,
第2の被写体像検出手段が,上記カラー画像データによって表される被写体像の中に含まれている動物像または動物の顔画像を検出し,
色検出手段が,上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて検出された動物像または動物の顔画像の色を検出し,
画像処理手段が,上記カラー画像データについて画像処理を行い,
制御手段が,上記第1の被写体像検出手段によって人物像または人物の顔画像が検出されたことに応じて,あらかじめ定められている色の色強調およびスムージング処理の少なくとも一方の人物像用の画像処理を行い,かつ上記第2の被写体像検出手段によって動物像または動物の顔画像が検出されたことに応じて,エッジ強調処理および上記色検出手段によって検出された色の色強調の少なくとも一方の動物像用の画像処理を行うように上記画像処理手段を制御する,
カラー画像データの画像処理装置の動作制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−186874(P2011−186874A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52553(P2010−52553)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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