説明

カラー画質を調整するためのシステムおよび方法

【課題】独立した色と色域の変換を、色空間の複雑な変換を必要としないで実現することの可能な、カラー画質調整システムとその方法を提供する。
【解決手段】カラー画質を調整するためのシステムは、カラー・ビデオ・ソース信号を、輝度信号およびクロミナンス信号を含むコンポーネント・ビデオ信号に変換するステップを含む。信号軸回転回路31は、色相キャリブレーション・パラメータに従って、クロミナンス信号の座標変換を実行する。そして、乗算器32は、クロマ・キャリブレーション・パラメータと座標変換の行われたクロミナンス信号との積を計算し、出力クロミナンス信号を得る。出力クロミナンス信号および輝度信号は、合わせてコンポーネント・クロミナンス信号を形成する。そして、コンポーネント・クロミナンス信号は、クロミナンス信号逆変換ユニットで処理され出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像処理に関し、特に、カラー画質を調整するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ技術の急速な発展に伴い、より多様なビデオインタフェイスのフォーマットが利用されるようになってきている。カラー・ビデオ信号のために最も共通して使うフォーマットとしては、コンポジットビデオ信号、S-ビデオ信号、VGA-ターミナルRGB信号およびコンポーネント・ビデオ信号が含まれる。
【0003】
カラー画像により表示される色データは、イメージデータを表示するための主要な要素のうちの1つである。基本的に、色データは、色相、輝度および彩度という三つの属性を有する。色相は、表色系の差分成分を示す。輝度は、色の明るさのレベルを示す。彩度は、カラーの純度を示しており、クロマとも称する。カラー・ビデオ信号はR信号、G信号、B信号から成り立ち、三原色を構成する。カラー信号の膨大な量のデータの伝送においては、エンコーディング/デコーディング技術が用いられており、高い画像信号の処理能力を要求される。
【0004】
現在、ビデオ/音声のシステムにおいて採用されている最も良く知られた色差ビデオ端子では、信号伝送のために、ビデオ信号は、三つの異なるコンポーネント信号に分けられている。これらの三つのコンポーネント信号は、それぞれ明度または輝度信号Yと、2つのクロミナンス信号Pb、Prである。そして、2つのクロミナンス信号Pb、Prは、三原色信号から取り出された青色信号と赤色信号からなっている。
【0005】
様々な技術が、イメージ信号の処理に用いられている。一つの例が、台湾特許第200726272号公報に記載されている。この公報には、表示デバイスのカラーを調整するための方法および装置が示され、イメージ信号源からのカラー・ビデオ信号R、G、Bは、カラー変換回路によってY-U-V画像信号フォーマットに変換され、更に、このY-U-V画像信号は、色相変換回路によって、Y-C-H画像信号フォーマットに変換される。これらは、色相差ルックアップ・テーブル、彩度マッチング・ルックアップ・テーブル、逆色相変換、逆カラー変換と共に、出力画像信号を生成する。この公知技術として開示されたカラー画像信号の処理方法は、色空間変換のための複雑なハードウエア回路を必要とする。
【0006】
米国特許第20040021671A1号公開公報には、彩度、輝度および色相の調整のための画像信号処理を行う色空間変換回路が開示されている。この技術により、カラー画像の品質を完全に調整できるが、そこで開示されている回路は、基本的にハードウエアとして実装されており、従って、非常に複雑な回路設計を必要とする。
【0007】
米国特許第20070086030A1号公開公報には、カラー画像信号のための変換回路および変換方法が開示されている。この技術は、複雑な行列演算を行う処理回路を使用し、調整を独立に実行できる領域の数には制限がある。更に、輝度、彩度および色相のための調整を組み合わせて、全体の領域のキャリブレーションを行うことは、一般には不可能となっている。
【0008】
別の例として、米国特許第6,552,751号公報には、カラー・ビデオ信号の輝度、コントラストおよび色相を調整するのに利用されるビデオ信号処理回路が示されている。入力ビデオ信号は、最初に、第1のマトリックス回路によって輝度信号およびクロミナンス信号に変換され、その後、信号処理回路により実行される処理によって処理され、それから、第2のマトリックス回路によって変換され、画像信号に戻される。この技術は、複雑な行列演算と変換を行う。
【0009】
更に別の例として、米国特許第4,679,072号公報には、座標軸の回転によって画像信号の調整を実現する画像信号調整ユニットが示されている。この技術は、簡単な回路アーキテクチャを使用しているが、可能な画像信号の画質の調整は非常に制限されており、従って、現代のビデオ機能のための実際的なニーズに適しているとは言えない。
【0010】
明らかに、これら上記の従来技術には、次の点で問題がある。すなわち、色空間の複雑な変換を必要とし、独立した色と色域の変換を実現できず、複雑な数学的な演算を必要とし、ルックアップ・テーブルを保存する為に大きいメモリー空間を必要とし、全体の領域のキャリブレーションと個々の領域のキャリブレーションを組み合わせる為に複雑な付加回路を必要とする。
【特許文献1】台湾特許第200726272号公報
【特許文献2】米国特許第20040021671A1号公開公報
【特許文献3】米国特許第20070086030A1号公開公報
【特許文献4】米国特許第6,552,751号公報
【特許文献5】米国特許第4,679,072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、カラー・ビデオ・ソース信号が、出力輝度信号および出力クロミナンス信号を含むコンポーネント・ビデオ信号へ変換される、カラー画質調整システムとその方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、独立した色と色域の変換を、色空間の複雑な変換を必要としないで実現することの可能な、カラー画質調整システムとその方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成する為に、本発明による解決手段では、カラービデオ・ソース信号R、G、Bは、カラー信号変換ユニットによって、輝度信号およびクロミナンス信号を含むコンポーネント・ビデオ信号へ変換され、更に、このコンポーネント・ビデオ信号は、色相クロマ変換調整ユニットによって処理され、色相キャリブレーション・パラメータに従って、クロミナンス信号の座標変換を実行する。そして、クロマ・キャリブレーション・パラメータに従って、乗算器により、このクロミナンス信号の乗算操作を行い、出力クロミナンス信号を生成する。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、色相クロマ・マッピング・ルックアップ・テーブルに基づいて、キャリブレーション・パラメータ生成ユニットにより、色相キャリブレーション・パラメータおよびクロマ・キャリブレーション・パラメータが生成される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、更に、輝度変換調整ユニットが設けられ、この輝度変換調整ユニットは、カラー信号変換ユニットによって生成されたクロミナンス信号を受信し、輝度キャリブレーション・パラメータに従って、加算器によって、この受信したクロミナンス信号の加算処理を行い、出力輝度信号を生成する。輝度変換調整ユニットは、更に、イメージ・コントラスト調整ユニットを備え、このイメージ・コントラスト調整は、輝度変換調整ユニットにより生成される出力輝度信号に対して、イメージ・コントラストの調整を行う。
【発明の効果】
【0016】
従来のカラー画像処理技術と比較して、本発明は、複雑な色空間変換を行うことなく、独立した色と色域の変換を実現できる。本発明においては、複数のマスク・ルックアップ・テーブルの重ね合わせを利用して、新規なマッピング・ルックアップ・テーブルを生成し、複雑な数学的な演算を必要とせずに、ルックアップ・テーブルを保存する為に必要なメモリー空間を小さくした。更に、本発明は、付加回路を利用することなく、全領域および個々の領域について独立なキャリブレーションを纏め、組み合わせると共に、輝度、クロマおよび色相に関して、個々の領域についてのキャリブレーションを可能とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1を中心に図面を参照して、本発明の第1の実施形態によるカラー画質調整システムを説明する。このカラー画質調整システムは、参照番号100で示され、カラー信号変換ユニット2、色相クロマ変換調整ユニット3、クロミナンス信号逆変換ユニット4およびキャリブレーション・パラメータ生成ユニット5から成っている。色相クロマ変換調整ユニット3は、信号軸回転回路31及び乗算器32から構成されている。
【0018】
最初に、イメージ信号源から供給されるカラー・ビデオ・ソース信号R、G、Bは、カラー信号変換ユニット2によって処理され、カラーコンポーネント・ビデオ信号Y、Pb、Prに変換される。このカラーコンポーネント・ビデオ信号Y、Pb、Prは、輝度信号Yと2つのクロミナンス信号Pb、Prからなる。クロミナンス信号Pb、Prは、色相クロマ変換調整ユニット3に供給され、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5により生成される色相キャリブレーション・パラメータdHに従って、座標変換が施される。そして、更に、クロミナンス信号Pb、Prは、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5によって生成されるクロマ・キャリブレーション・パラメータdCとの積が乗算器32によって算出され、出力クロミナンス信号Pbo、Proが生成される。
【0019】
信号軸回転回路31によって行われる座標変換により、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5によって生成された色相キャリブレーション・パラメータdHに基づく下記の式に従って、クロミナンス信号Pb、Prの信号座標変換が実行される。
【数2】

【0020】
ここで、Pb’、Pr’は座標変換されたクロミナンス信号であり、Pb、Prは当初入力されたクロミナンス信号であり、dH_θはPb-Pr座標平面上のキャリブレーション・パラメータdHの角度(θ)である。入力されたクロミナンス信号Pb、Prは、座標変換式に従って、信号軸回転回路31によって実行された座標変換を行った後、座標変換されたクロミナンス信号Pb’、Pr’に変換される。座標変換されたクロミナンス信号Pb’、Pr’は、乗算器32に供給され、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5により生成されたクロマ・キャリブレーション・パラメータdCとの積が求められ、出力クロミナンス信号Pbo、Proが得られる。そして、出力されたクロミナンス信号Pbo、Proは、クロミナンス信号逆変換ユニット4で処理される。
【0021】
出力クロミナンス信号Pbo、Proと同時に、カラー信号変換ユニット2から供給される輝度信号Yも、クロミナンス信号逆変換ユニット4へ送られ、出力輝度信号Yoとして出力する。クロミナンス信号逆変換ユニット4は、出力輝度信号Yoおよび出力クロミナンス信号Pbo、Proを、ターゲットのデバイス(図示せず)へ出力する。
【0022】
色相キャリブレーション・パラメータdHおよびクロマ・キャリブレーション・パラメータdCは、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5により生成される。このキャリブレーション・パラメータ生成ユニット5は、イメージ信号源1から供給されるビデオ信号R、G、Bを用いた計算を実行し、ビデオ信号R、G、Bの色相値Shを生成する色相計算ユニット51を備えている。このビデオ信号R、G、Bの色相値Shに基づいて、色相およびクロマ・マッピング・ルックアップ・テーブル52と共に、色相キャリブレーション・パラメータdHおよびクロマ・キャリブレーション・パラメータdCが得られる。
【0023】
図2は、色相計算ユニット51によって、ビデオ信号R、G、Bの色相値を算出するためのフローチャートを示す。まず、第一に、色相計算ユニット51は、イメージ信号源1からビデオ信号R、G、Bを受け取り(ステップ101)、Vmax=max(R,
G, B)で示されるビデオ信号R、G、Bの最大値を特定し(ステップ102)、更に、Vmin=min(R, G, B)で示されるビデオ信号R、G、Bの最小値を特定する(ステップ103)。ΔV=Vmax-Vminで示されるビデオ信号R、G、Bの最大値と最小値との差が、算出される(ステップ104)。
【0024】
そして、最大値および最小値が比較され(ステップ105)、もしVmaxがVminと同一の場合、色相値Shはゼロ(0)(ステップ106)にセットされる。もし、ステップ105での比較結果がVmaxがVminと同一でないことを示している場合、ビデオ信号RがVmaxと同一かどうか決定される(ステップ107)。ステップ107の結果がビデオ信号RがVmaxと同一であることを示している場合、色相値Shが、Sh = 60x(G-B)/ΔVとセットされる(ステップ108)。もし、ステップ107の結果がビデオ信号RがVmaxと同一でないことを示している場合、ビデオ信号GがVmaxと同一かどうかが更に決定される(ステップ109)。ステップ109の結果がビデオ信号GがVmaxと同一であることを示している場合、色相値Shが、Sh = 120x(B-R)/ΔVとセットされる(ステップ110)。ステップ109の結果がビデオ信号GがVmaxと同一でないことを示している場合、色相値Shは、Sh = 240x(R-G)/ΔVとセットされる(ステップ111)。
【0025】
ステップ108、110、111の各々ステップの後、算出された色相値Shがゼロ未満かどうかが、更に決定される(ステップ112)。そして、結果がゼロ未満でない場合、これらのステップにおいて算出された色相値Shが直接出力される(ステップ113)。逆に、結果がゼロ未満である場合、色相値には360が加算される(ステップ114)。すなわち、Sh+360が計算され、出力色相値として出力される。
【0026】
図3は、本発明の第2の実施形態によるカラー画質調整システムを示すブロック図である。このカラー画質調整システムは、図1で参照番号100で示されたカラー画質調整システムと部分的に同様に構成されているおり、対応する要素/装置/部品等には同じ参照番号が与えられている。第2の実施形態によるカラー画質調整システムは、参照番号100aで示され、カラー信号変換ユニット2、色相クロマ変換調整ユニット3a、クロミナンス信号逆変換ユニット4、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5aおよび輝度変換調整ユニット6から成っている。
【0027】
最初に、イメージ信号源から供給されるカラー・ビデオ・ソース信号R、G、Bは、カラーコンポーネント・ビデオ信号Y、Pb、Prに変換される。このカラーコンポーネント・ビデオ信号Y、Pb、Prは、輝度信号Yと2つのクロミナンス信号Pb、Prからなる。クロミナンス信号Pb、Prは、色相クロマ変換調整ユニット3aに供給され、それて座標変換と乗算が施され、出力クロミナンス信号Pbo、Proが生成される。
【0028】
キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5aは、色相計算ユニット51および色相クロマ輝度マッピング・ルックアップ・テーブル52aから構成されている。イメージ信号源1からのビデオ信号R、G、Bは、色相計算ユニット51により処理され、ビデオ信号R、G、Bの色相値を得る。この色相値に基づいて、色相キャリブレーション・パラメータdH、クロマ・キャリブレーション・パラメータdCおよび輝度キャリブレーション・パラメータdYが、色相クロマ輝度マッピング・ルックアップ・テーブル52aにより得られる。
【0029】
イメージ信号源からのカラー・ビデオ信号R、G、Bは、コンポーネント・ビデオ信号Y、Pb、Prに変換され、これらコンポーネント・ビデオ信号Y、Pb、Prは、輝度信号Yと、カラー信号変換ユニット2により処理される2つのクロミナンス信号Pb、Prと輝度信号Yとからなる。そして、これらのコンポーネント・ビデオ信号Y、Pb、Prの中の、クロミナンス信号Pb、Prは、色相クロマ変換調整ユニット3aで処理される。
【0030】
同時に、クロミナンス信号Pb、Prは、色相係数修正ユニット33へ送られ、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5aにより生成される色相キャリブレーション・パラメータdHとの積が乗算器34で算出され、修正後の色相キャリブレーション・パラメータdH1が得られる。修正後の色相キャリブレーション・パラメータdH1は、その後、加算器35において全領域色相キャリブレーション・パラメータdH_Allが加算され、全般的色相パラメータdH2が得られる。全領域色相キャリブレーション・パラメータdH_Allは、全ての領域の同時色相調整のためのパラメータとして定義される。
【0031】
更に、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5aにより生成されるクロマ・キャリブレーション・パラメータdCには、全領域クロマ・キャリブレーション・パラメータdC_Allが掛けられ、全般的クロマ・キャリブレーション・パラメータdC1が得られる。全領域クロマ・キャリブレーション・パラメータdC_Allは、全ての領域の同時クロマ調整のためのパラメータとして定義される。
【0032】
更に、色相クロマ変換調整ユニット3aは、信号軸回転回路31を備えている。この信号軸回転回路31は、得られた全般的色相キャリブレーション・パラメータdH2に基づいて、信号座標変換を実行する。そして、その後、全般的クロマ・キャリブレーション・パラメータdC1との積が、乗算器32により実行され、出力クロミナンス信号Pbo、Proが得られる。
【0033】
この実施形態では、輝度変換および調整ユニット6は、カラー信号変換ユニット2により生成される輝度信号Yを処理するために使用される。先ず、クロミナンス信号Pb、Prは、輝度係数修正ユニット61に供給されて、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5aにより生成される輝度キャリブレーション・パラメータdYとの積が乗算器62により算出され、修正輝度キャリブレーション・パラメータdY1が得られる。そして、修正輝度キャリブレーション・パラメータdY1には、加算器63により、全領域輝度キャリブレーション・パラメータdY_Allが加えられ、全般的輝度キャリブレーション・パラメータdY2を得られる。全領域輝度キャリブレーション・パラメータdY_Allは、全ての領域の同時輝度調整のためのパラメータとして定義される。
【0034】
カラー信号変換ユニット2によって生成した輝度信号Yには、加算器64により、全領域輝度キャリブレーション・パラメータdY2が加えられ、全般的輝度キャリブレーション・パラメータdY2を得られる。この全領域輝度キャリブレーション・パラメータdY2は、クロミナンス信号逆変換ユニット4へ出力される。
【0035】
図4は、本発明の第3の実施形態によるカラー画質調整システムを示すブロック図である。このカラー画質調整システムは、図3で参照番号100aで示されたカラー画質調整システムと部分的に同様に構成されているおり、対応する要素/装置/部品等には同じ参照番号が与えられている。第3の実施形態によるカラー画質調整システムは、参照番号100bで示されており、カラー信号変換ユニット2、色相クロマ変換調整ユニット3a、クロミナンス信号逆変換ユニット4、キャリブレーション・パラメータ生成ユニット5aおよび輝度変換調整ユニット6から成っている。これらの要素は、図3において示された実施形態の対応する要素と、同様の接続がなされており、同様の動作を行う。図3および図4において、2つの実施形態の差は、図4の実施形態の輝度変換調整ユニット6が、イメージ・コントラスト調整ユニット7を備えている点にある。加算器64によって輝度信号Yと全般的輝度キャリブレーション・パラメータdY2とが加算された後、このイメージ・コントラスト調整ユニット7は、輝度信号Yのコントラストの調整を実行して、クロミナンス信号逆変換ユニット4に出力する出力輝度信号Yoが得られる。
【0036】
上記の本発明の好ましい実施形態の説明においては、イメージ信号源1に基づいて生成されたカラー・ビデオ・ソース信号R、G、Bは、ビデオ信号R、G、Bからなっている。そして、クロミナンス信号は、アナログ・クロミナンス信号Pb、Prまたはデジタル・クロミナンス信号Cb、Cr、信号U、Vまたは信号I、Qからなっている。
【0037】
第1実施形態によるクロマ・マッピング・ルックアップ・テーブル52のデータと、第2の実施形態による色相クロマ輝度マッピング・ルックアップ・テーブル52aのデータとは、マッピング関係に配置される。図5Aおよび図5Bは、色相値Shと色相キャリブレーション・パラメータdHの間のマッピング関係を示す図である。ここでは、キャリブレーションのポイントとして参照されると共にユーザーが調整もしくはキャリブレーションを行いたい色相値Shの入力値は横軸に示されており、ユーザーによってキャリブレーションが行われると共にキャリブレーションされた量として参照される色相キャリブレーションの大きさを示す色相キャリブレーション・パラメータdHは、縦軸に示されている。
【0038】
図5Aは、マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTを示す。そして、このテーブルM_LUTにおいて、色相キャリブレーション・パラメータdHの値は、[12、11、9、6、4、2、1]の値を含んでいる。マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTに含まれる各エントリーの数および値は、任意にユーザーによりセットできる。ユーザーがキャリブレーションを希望するクロマの大きさ(望ましい調整量)に基づいて、実マスク・ルックアップ・テーブルは、次のように設けることができる。
【数3】

ここで、M_max=max(M_LUT)であり、M_maxは、マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUT内の最大値を示す。
【0039】
上記の例では、マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTにおいて最初のエントリーが、最大値となっており、ユーザーがキャリブレーションに望むポイント(キャリブレーション・ポイント)である(図示の通り、そこでは色相値Sh = 60を有する)。このキャリブレーション・ポイントは、マスク・ルックアップ・テーブルの半分となる反転された同一部分を得る為のミラー・マッピング・センタとして用いられる。そして、両方を組み合わせて実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを形成することができる。マスク・ルックアップ・テーブルの半分となる反転された同一部分を得る為のミラー・マッピング・センタとして利用するステップと、最後に、多くの実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを重ね合わせて、最終的なルックアップ・テーブルFinal_LUTを形成する。そしてそれは、図5Bに示されているように、n個の実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTの重ね合わせとなる。
【0040】
図6Aおよび図6Bは3つの実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを重ね合わせて、出力の1つの最終的なプロファイルを形成する。この実施形態では、ユーザーが調整することを望む色相値Shのキャリブレーション・ポイントは、[60、65、70]である。そして、所望の調整された色相量は、それぞれ[10、8、10]である。それぞれM11、M12、M13として示された3つの実マスク・ルックアップ・テーブルの重ね合わせの結果は、図6Bに図示されている。重ね合わせる実マスク・ルックアップ・テーブルの数には、特に制限はなく、通常各々の領域のためのキャリブレーションの範囲によって変わってくる。ユーザーは、キャリブレーション・ポイントと、キャリブレーション量の重ね合わせの結果として生じる所望のキャリブレーションの施されたプロファイルを変更することができる。
【0041】
図7Aおよび図7Bは、3つの実マスク・ルックアップ・テーブルを重畳することから得られる他のプロファイルを示す図である。この例では、色相値Shのキャリブレーションのためのキャリブレーション・ポイントは[60、65、70]である。そして、所望のキャリブレーション値はそれぞれ[8、10、8]である。それぞれM21、M22、M23として示された3つの実マスク・ルックアップ・テーブルの重ね合わせの結果は、図7Bに図示されている。
【0042】
図8Aおよび図8Bは、色相値Shおよびクロマ・キャリブレーション・パラメータdCの間のマッピング関係を示している。ここでは、キャリブレーションのポイントとして参照されると共にユーザーが調整もしくはキャリブレーションを行いたい色相値Shの入力値は横軸に示されており、ユーザーによってキャリブレーションが行われると共にキャリブレーションされた量として参照される彩度キャリブレーションの大きさを示す色相キャリブレーション・パラメータdCは、縦軸に示されている。
【0043】
図8Aは、クロマ・キャリブレーション・パラメータdCとして[12、11、9、4、2、1]の値を有する多くのエントリーを含むマスク・ルックアップ・テーブルM_LUTを示している。マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTに含まれるエントリーの数および値は、任意にユーザーによるセットできる。
【数4】

ここで、M_max=max(M_LUT)であり、M_maxは、マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUT内の最大値を示す。
【0044】
上記の例では、マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTにおいて最初のエントリーが、最大値となっており、ユーザーがキャリブレーションに望むポイント(キャリブレーション・ポイント)である(図示の通り、そこでは色相値Sh = 60を有する)。このキャリブレーション・ポイントは、マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTの同一の対象部分を得るためのミラー・マッピング・センタとして用いられる。そして、両方を組み合わせて実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを形成することができる。最後に、多くの実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを重ね合わせて、最終的なルックアップ・テーブルFinal_LUTを形成する。そしてそれは、図8Bに示されているように、1+(n個の実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを重ね合わせ)となる。
【0045】
図9乃至図12は、異なる個々の領域について、図3に示されている色相係数修正ユニット33(また、輝度係数修正ユニット6にも対応する)が実行する色相と輝度のためのキャリブレーションの大きさを示す図である。ここに示すように、個々の領域の色相および輝度については、キャリブレーションの大きさが次のクロマ・データに従って修正される。
【0046】
(1)Coef_Y_yおよびCoef_H_yはそれぞれY(輝度)および縦軸のH(色相)の係数のための修正値であり、0および1の間の値を有する。
【0047】
(2)横軸の係数の修正値は、Coef_x = (PbxPb+PrxPr)^0.5である。係数入力は、Coef_xに従って設定ポイントP1〜Pnで決定される。ここで、nは設定ポイントの数を示す。図面において、設定ポイント(n)の数は、少なくとも3であって、最大数のための上限は定めない。
【0048】
(3)その他の実施形態
【0049】
(3-1)図9に示すように、個々の領域において調整に用いられる色相や輝度のキャリブレーション量は、別のクロミナンスにおいて調整に用いられる所望のキャリブレーション量で変化しない。
【0050】
(3-2)個々の領域において調整に用いられる色相や輝度のキャリブレーションは、中程度か高いクロミナンスの場合にのみ影響を与える。そして、この実施形態では、低いクロミナンスにおいて、出力係数の修正値はCoef_out=0となり、従って、個々の領域で調整された色相や輝度の大きさは、図10に示すように0となる。
【0051】
(3-3)個々の領域において調整に用いられる色相や輝度のキャリブレーションは、中程度か低いクロミナンスの場合にのみ影響を与える。そして、この実施形態では、高いクロミナンスにおいて、出力係数の修正値はCoef_out=0となり、従って、個々の領域で調整された色相や輝度の大きさは、図11に示すように0となる。
【0052】
(3-4)キャリブレーションに対する要求に応じて、個々の領域で調整され得られた色相および輝度のキャリブレーション量は、図12に示すように、異なるクロミナンス位置で異なる値を取る。
【0053】
図13および図14は、図4のイメージ・コントラスト調整ユニット7により生成された入力輝度信号Y1および出力輝度信号Y0間の関係が、S字型の曲線であることを示す図であり、より暗い領域をより暗く、また、より明るい領域をより明るくする。このS字型の曲線は、算術的な方法を使用することによって得られるし、また、複数の点、例えば、4点によって構成することができる。(255, 255)、(x1, y1)、(x2,
y2)、(0, 0)の4点によって構成する場合を例とすれば、真ん中の2点(x1, y1)、(x2, y2)の座標を変化させることで、イメージのコントラストレベルを調整することができる。
【0054】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は、添付の請求の範囲に記載された本発明の趣旨から離れることなく、その様々な改変と変更が当業者によって行われるであろうことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態によるカラー画質調整システムを示すブロックダイアグラムである。
【図2】図1に示されている色相計算ユニットによって、ビデオ信号R、G、Bの色相値を算出するためのフローチャートを示す。
【図3】本発明の第2の実施形態によるカラー画質調整システムを示すブロックダイアグラムである。
【図4】本発明の第3の実施形態によるカラー画質調整システムを示すブロックダイアグラムである。
【図5A】色相値Shと色相キャリブレーション・パラメータdHの間のマッピング関係を示す図である。
【図5B】色相値Shと色相キャリブレーション・パラメータdHの間のマッピング関係を示す図である。
【図6A】3つの実マスク・ルックアップ・テーブルを重ね合わせて形成された出力の1つの最終的なプロファイルを示す図である。
【図6B】3つの実マスク・ルックアップ・テーブルを重ね合わせて形成された出力の1つの最終的なプロファイルを示す図である。
【図7A】3つの実マスク・ルックアップ・テーブルを重畳することから得られる他のプロファイルを示す図である。
【図7B】3つの実マスク・ルックアップ・テーブルを重畳することから得られる他のプロファイルを示す図である。
【図8A】色相値Shおよびクロマ・キャリブレーション・パラメータdCの間のマッピング関係を示している。
【図8B】色相値Shおよびクロマ・キャリブレーション・パラメータdCの間のマッピング関係を示している。
【図9】異なる個々の領域について、図3に示されている色相係数修正ユニット、または輝度係数修正ユニットが実行する色相と輝度のためのキャリブレーションの大きさを示す図である。
【図10】異なる個々の領域について、図3に示されている色相係数修正ユニット、または輝度係数修正ユニットが実行する色相と輝度のためのキャリブレーションの大きさを示す図である。
【図11】異なる個々の領域について、図3に示されている色相係数修正ユニット、または輝度係数修正ユニットが実行する色相と輝度のためのキャリブレーションの大きさを示す図である。
【図12】異なる個々の領域について、図3に示されている色相係数修正ユニット、または輝度係数修正ユニットが実行する色相と輝度のためのキャリブレーションの大きさを示す図である。
【図13】図4のイメージ・コントラスト調整ユニットにより生成された入力輝度信号および出力輝度信号間の関係が、S字型の曲線であることを示す図である。
【図14】図4のイメージ・コントラスト調整ユニットにより生成された入力輝度信号および出力輝度信号間の関係が、S字型の曲線であることを示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 イメージ信号源
2 カラー信号変換ユニット
3 色相クロマ変換調整ユニット
3a 色相クロマ変換調整ユニット
4 クロミナンス信号逆変換ユニット
5 パラメータ生成ユニット
5a パラメータ生成ユニット
6 輝度変換調整ユニット
7 コントラスト調整ユニット
31 信号軸回転回路
32 乗算器
33 色相係数修正ユニット
34 乗算器
35 加算器
51 色相計算ユニット
52 クロマ・マッピング・ルックアップ・テーブル
52a 色相クロマ輝度マッピング・ルックアップ・テーブル
61 輝度係数修正ユニット
62 乗算器
63 加算器
64 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー・ビデオ・ソース信号を入力し、このカラー・ビデオ・ソース信号を、輝度信号とクロミナンス信号からなるコンポーネント・ビデオ信号に変換するカラー信号変換ユニットと、
カラー・ビデオ・ソース信号の計算処理を実行して、カラー・ビデオ・ソース信号の色相値を取得し、この色相値に基づいて、少なくとも一つの色相キャリブレーション・パラメータと、少なくとも一つのクロマ・キャリブレーション・パラメータを、色相クロマ・マッピング・ルックアップ・テーブルに従って取得するキャリブレーション・パラメータ生成ユニットと、
前記カラー信号変換ユニットによって生成されたクロミナンス信号を受信し、色相キャリブレーション・パラメータに従って、このクロミナンス信号の座標変換を行い、クロマ・キャリブレーション・パラメータに従って、このクロミナンス信号の乗算操作を行い、出力クロミナンス信号を生成する色相クロマ変換調整ユニットと、を備えたカラー画質調整システム。
【請求項2】
前記カラー・ビデオ・ソースは、カラー・ビデオ・ソース信号R、G、Bであり、前記クロミナンス信号は、アナログ・クロミナンス信号Pb、Prまたはデジタル・クロミナンス信号Cb、Cr、信号U、V、I、Qからなっていることを特徴とする、請求項1に記載のカラー画質調整システム。
【請求項3】
前記色相クロマ変換調整ユニットは、クロミナンス信号を受け取り、色相キャリブレーション・パラメータに基づいて、クロミナンス信号の座標変換を実行し、座標変換の行われたクロミナンス信号を生成する信号軸回転回路と、前記座標変換の行われたクロミナンス信号と、前記クロマ・キャリブレーション・パラメータとの積を計算して、出力クロミナンス信号を生成する乗算器と、からなることを特徴とする、請求項1に記載のカラー画質調整システム。
【請求項4】
カラー信号変換ユニットにより生成される輝度信号と、色相クロマ変換調整ユニットにより生成される出力クロミナンス信号とが、クロミナンス信号逆変換ユニットを介して出力されるコンポーネント・クロミナンス信号を形成することを特徴とする、請求項1に記載のカラー画質調整システム。
【請求項5】
カラー・ビデオ・ソース信号を入力し、このカラー・ビデオ・ソース信号を、輝度信号とクロミナンス信号からなるコンポーネント・ビデオ信号に変換するカラー信号変換ユニットと、
カラー・ビデオ・ソース信号の計算処理を実行して、カラー・ビデオ・ソース信号の色相値を取得し、この色相値に基づいて、少なくとも一つの色相キャリブレーション・パラメータと、少なくとも一つのクロマ・キャリブレーション・パラメータと、少なくとも一つの輝度キャリブレーション・パラメータを、色相クロマ輝度・マッピング・ルックアップ・テーブルに従って取得するキャリブレーション・パラメータ生成ユニットと、
前記カラー信号変換ユニットによって生成されたクロミナンス信号を受信し、色相キャリブレーション・パラメータに従って、このクロミナンス信号の座標変換を行い、クロマ・キャリブレーション・パラメータに従って、このクロミナンス信号の信号乗算演算を行い、出力クロミナンス信号を生成する色相クロマ変換調整ユニットと、前記カラー信号変換ユニットによって生成されたクロミナンス信号を受信し、輝度キャリブレーション・パラメータに従って、加算器によって、このクロミナンス信号の加算処理を行い、出力輝度信号を生成する輝度変換調整ユニットと、を備えたカラー画質調整システム。
【請求項6】
前記カラー・ビデオ・ソースは、カラー・ビデオ・ソース信号R、G、Bであり、前記クロミナンス信号は、アナログ・クロミナンス信号Pb、Prまたはデジタル・クロミナンス信号Cb、Cr、信号U、V、I、Qからなっていることを特徴とする、請求項5に記載のカラー画質調整システム。
【請求項7】
前記色相クロマ変換調整ユニットは、クロミナンス信号を受け取り、色相キャリブレーション・パラメータに基づいて、クロミナンス信号の座標変換を実行し、座標変換の行われたクロミナンス信号を生成する信号軸回転回路と、前記座標変換の行われたクロミナンス信号と、前記クロマ・キャリブレーション・パラメータとの積を計算して、出力クロミナンス信号を生成する乗算器と、からなることを特徴とする、請求項5に記載のカラー画質調整システム。
【請求項8】
輝度変換調整ユニットにより生成される出力輝度信号と、色相クロマ変換調整ユニットにより生成される出力クロミナンス信号とが、クロミナンス信号逆変換ユニットを介して出力されるコンポーネント・クロミナンス信号を形成することを特徴とする、請求項5に記載のカラー画質調整システム。
【請求項9】
クロミナンス信号は、色相係数修正ユニットに供給され、キャリブレーション・パラメータ生成ユニットにより生成される色相キャリブレーション・パラメータとの積が、乗算器により算出され、修正色相キャリブレーション・パラメータが得られ、この修正色相キャリブレーション・パラメータは、加算器によって、全領域色相キャリブレーション・パラメータと加算され、全般的色相パラメータが得られ、この全般的色相パラメータは、色相クロマ変換調整ユニットに出力され、色相クロマ変換調整ユニットによって行われる座標変換のための色相キャリブレーション・パラメータとして機能することを特徴とする、請求項5に記載のカラー画質調整システム。
【請求項10】
前記キャリブレーション・パラメータ生成ユニットにより生成されるクロマ・キャリブレーション・パラメータには、乗算器によって、全領域クロマ・キャリブレーション・パラメータが掛けられ、全般的クロマ・キャリブレーション・パラメータが得られ、この全般的クロマ・キャリブレーション・パラメータは、色相クロマ変換調整ユニットの乗算器に出力され、この色相クロマ変換調整ユニットにより実行される信号乗算操作のためのクロマ・キャリブレーション・パラメータとして用いられることを特徴とする、請求項5に記載のカラー画質調整システム。
【請求項11】
前記輝度変換調整ユニットは、輝度係数修正ユニットを備え、この輝度係数修正ユニットは、カラー信号変換ユニットにより生成されるクロミナンス信号を受け取り、このクロミナンス信号の輝度係数修正を実行し、乗算器によって、キャリブレーション・パラメータ生成ユニットから生成される輝度キャリブレーション・パラメータとの積が計算されて、修正輝度キャリブレーション・パラメータが得られ、修正輝度キャリブレーション・パラメータには、加算器により、全領域輝度キャリブレーション・パラメータが加えられ、全般的輝度キャリブレーション・パラメータが得られ、この全般的輝度キャリブレーション・パラメータは、輝度変換調整ユニットが出力輝度信号を生成するための輝度キャリブレーション・パラメータとして用いられることを特徴とする、請求項5に記載のカラー画質調整システム。
【請求項12】
前記輝度変換調整ユニットは、イメージ・コントラスト調整ユニットを備え、このイメージ・コントラスト調整は、輝度変換調整ユニットにより生成される出力輝度信号が出力される前に、この出力輝度信号に対して、イメージ・コントラストの調整を行うことを特徴とする、請求項11に記載のカラー画質調整システム。
【請求項13】
(a)カラー・ビデオ・ソース信号を入力し、このカラー・ビデオ・ソース信号を、輝度信号とクロミナンス信号からなるコンポーネント・クロミナンス信号に変換するステップと、
(b)入力したカラー・ビデオ・ソース信号の計算処理を実行して、カラー・ビデオ・ソース信号の色相値を取得するステップと、
(c)計算された色相値に基づいて、少なくとも一つの色相キャリブレーション・パラメータと、少なくとも一つのクロマ・キャリブレーション・パラメータを、色相クロマ・マッピング・ルックアップ・テーブルに従って取得するステップと、
(d)前記色相キャリブレーション・パラメータに基づき、所定の座標変換式に従って、クロミナンス信号に対する信号軸回転の座標変換を実行するステップと、
(e)変換されたクロミナンス信号に対してクロマ・キャリブレーション・パラメータの信号乗算を実行して、出力クロミナンス信号を得るステップと、からなるカラー画質調整方法。
【請求項14】
前記ステップ(a)において、前記カラー・ビデオ・ソースは、カラー・ビデオ・ソース信号R、G、Bであり、前記クロミナンス信号は、アナログ・クロミナンス信号Pb、Prまたはデジタル・クロミナンス信号Cb、Cr、信号U、V、I、Q、からなっていることを特徴とする、請求項13に記載のカラー画質調整方法。
【請求項15】
前記所定の座標変換式は、
【数1】

を含み、Pb’、Pr’は座標変換されたクロミナンス信号であり、Pb、Prは当初入力されたクロミナンス信号であり、dH_θはPb-Pr座標平面上のキャリブレーション・パラメータdHの角度θであることを特徴とする、請求項13に記載のカラー画質調整方法。
【請求項16】
前記ステップ(b)において、前記カラー・ビデオ・ソース信号の色相値は、
(b1)カラー・ビデオ・ソース信号の最大値および極小値を特定し、最大値および極小値の間の差分ΔVを決定するステップと、
(b2)最大値および極小値を比較して、これら最大値および極小値が同一か否かを決定し、もし同一であれば、色相値として0を生成するステップと、
(b3)最大値および極小値が同一でない場合は、更に、Rビデオ信号が最大値に等しいかどうかを決定し、もし等しければ、色相値として60×(G-B)/ΔVを生成し、等しくない場合は、更に、Gビデオ信号が最大値に等しいかどうかを決定し、もし等しければ、色相値として120×(B-R)/ΔVを生成し、等しくない場合は、色相値として240×(R-G)/ΔVを生成するステップと、から取得されることを特徴とする、請求項13に記載のカラー画質調整方法。
【請求項17】
前記ステップ(b3)の後に、(b4)前記色相値がゼロ未満かどうかを決定し、もしゼロ未満でなければ、前記色相値をそのまま出力し、もしゼロ未満であれば、前記色相値に360を加算して、新たな色相値とするステップを含むことを特徴とする、請求項16に記載のカラー画質調整方法。
【請求項18】
ステップ(f)として、更に、算出された色相値に基づいて、色相クロマ輝度マッピング・ルックアップ・テーブルを参照して、輝度キャリブレーション・パラメータを得るステップを更に備えたことを特徴とする、請求項13に記載のカラー画質調整方法。
【請求項19】
輝度キャリブレーション・パラメータに従って、加算器によって、このクロミナンス信号の加算処理を行い、出力輝度信号を生成するステップを更に備えたことを特徴とする請求項18に記載のカラー画質調整方法。
【請求項20】
色相クロマ・マッピング・ルックアップ・テーブルは、
(a)この色相クロマ・マッピング・ルックアップ・テーブルのマスク・ルックアップ・テーブルM_LUTを定義するステップと、
(b)マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTの最大値をM_max=max(M_LUT)として、ユーザーによってセットされた色相キャリブレーション・ポイントと所望の色相キャリブレーション量に基づいて、実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを、Real_M_LUT=M_LUTx(所望の色相キャリブレーション量/M_max)によって算出するステップと、
(c)マスク・ルックアップ・テーブルM_LUTの最初のエントリーを、ユーザーによってセットされた色相キャリブレーション・ポイントに対応する最大値にセットし、マスク・ルックアップ・テーブルの半分となる反転された同一部分を得る為のミラー・マッピング・センタとして利用するステップと、
(d)多くの実マスク・ルックアップ・テーブルReal_M_LUTを重ね合わせて、最終的なルックアップ・テーブルを形成し、色相クロマ・マッピング・ルックアップ・テーブルとして利用するステップと、からなることを特徴とする、請求項18に記載のカラー画質調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−206836(P2009−206836A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−46940(P2008−46940)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(503189309)▲ぎょく▼瀚科技股▲ふん▼有限公司 (16)
【Fターム(参考)】