説明

カリウムチャネル阻害剤

本発明は心不整脈等を治療するためのカリウムチャネル阻害剤として有用な構造(I):


をもつテトラアリールメチルアミン化合物とその誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広義にはカリウムチャネル阻害剤として有用な化合物に関する。この類の化合物は心不整脈等を治療及び予防するためのKv1.5アンタゴニストとして有用であると思われる。
【背景技術】
【0002】
心房細動(AF)は臨床医療において最も一般的な持続性心不整脈であり、人口の高齢化と共に有病率が増加する傾向にある。AFは致死性であることは稀であるが、心機能を悪化させ、鬱血性心不全、血栓塞栓症又は心室細動の発生等の合併症を併発する危険がある。
【0003】
現在入手可能な抗不整脈薬は心室性及び心房性/上室性不整脈の治療用に開発されている。悪性心室性不整脈は直接生命にかかわり、緊急処置が必要である。心室性不整脈の治療薬としてはクラスIa(例えばプロカインアミド、キニジン)、クラスIc(例えばフレカイニド、プロパフェノン)、及びクラスIII(アミオダロン)群薬が挙げられるが、催不整脈の危険が大きい。これらのクラスI及びIII群薬はAFを洞調律に変換し、AFの再発を防ぐことが示されている(Mounsey,JP,DiMarco,JP,Circulation,102:2665−2670)が、潜在的に致死性の心室性催不整脈の危険が許容できないほど大きいため、死亡率が増加する可能性がある(Pratt,CM,Moye,LA,Am J.Cardiol,65:20B−29B,1990;Waldoら,Lancet,348:7−12,1996;Torp−Pedersenら,Expert Opin.Invest.Drugs,9:2695−2704,2000)。これらの知見によると、より安全で有効な心房性不整脈治療薬を開発する医学的必要性が未だに満たされていないことは明白である。クラスIII抗不整脈薬は心臓伝導又は収縮機能をさほど低下せずにAPDの選択的延長を誘発する。心房細動の臨床用として認可されている唯一の選択的クラスIII群薬はドフェチリドであり、ヒトの心房と心室の両者に存在するIの急速活性化成分であるIKrを遮断することによりその抗不整脈作用を生じる(Mounsey,JP,DiMarco,JP,Circulation,102:2665−2610)。IKr遮断薬は伝導自体に作用せずに心房及び心室両者のAPDと不応性を延長するので、理論的にはAF等の不整脈に潜在的に有用な治療薬である(Torp−Pedersenら,Expert Opin.Invest.Drugs,9:2695−2704,2000)。しかし、これらの薬剤は低心拍数で催不整脈の危険を増す可能性が高い。
【0004】
超急速遅延整流K電流であるIKurはヒト心房で特異的に観察されており、心室では観察されていない。ヒト心房におけるIKurの分子相関はKv1.5と呼ばれるカリウムチャネルである。IKurはヒト心房で再分極に大きく寄与すると考えられている。従って、Kv1.5を遮断する化合物であるIKurの特異的遮断薬は現在のクラスIII群薬治療中に認められる不整脈惹起性後脱分極及び後天性QT延長症候群の根底にある心室再分極の遅延を生じずにヒト心房の再分極の遅延により不応性を延長させることにより他の化合物の欠点を解決すると思われる。これらの特性を示すKv1.5遮断薬は文献に記載されている(Peukertら,J.Med.Chem.,46:486−498,2003;Knoblochら,Naunyn−Schmedieberg’s Arch.Pharmacol.366:482−287,2002;Merck & Co.,Inc.WO0224655,2002)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に記載する化合物はKv1.5アンタゴニストである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はKv1.5カリウムチャネルを阻害する式I:
【0007】
【化6】

の化合物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化合物は心不整脈等の治療及び予防に有用である。式Iの化合物と医薬キャリヤーを含有する医薬製剤も本発明の範囲に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は式I:
【0010】
【化7】

[式中、
Aは
1)アリール環、
2)ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、ヘテロアリール環は、
a)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ5員単環式不飽和環、
b)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和環、及び
c)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9又は10員二環式飽和又は不飽和環から構成される群から選択される)、
3)C−C10シクロアルキル環(ここで、安定な任意環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)、並びに
4)N、O及びSから構成される群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子環原子をもつ4〜6員飽和複素環から構成される群から選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及び飽和複素環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、ヘテロアリール又は複素環の安定な任意S又はN環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
Dは
1)アリール環、又は
2)ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子又は窒素原子であり、ヘテロアリール環は、
a)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ5員単環式不飽和環、
b)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和環、及び
c)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9又は10員二環式不飽和環から構成される群から選択される)であり、
前記アリール又はヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、安定な任意S又はNヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
E及びJは
1)アリール環(ここで、安定な任意アリール環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)、
2)ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子又は窒素原子であり、ヘテロアリール環は、
a)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ5員単環式不飽和環、
b)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和環、及び
c)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9又は10員二環式不飽和環から構成される群から選択される)、
3)C−C10シクロアルキル環(ここで、安定な任意環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)、並びに
4)N、O及びSから構成される群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子環原子をもつ4〜6員飽和複素環(ここで、安定な任意環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)から構成される群から独立して選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及び飽和複素環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、ヘテロアリール又は複素環の安定な任意S又はN環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
は出現時毎に、
1)水素、
2)C−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)複素環、
6)C−C10シクロアルキル、
7)OR、及び
8)CHOR
から構成される群から独立して選択され、
前記アルキル、アリール、複素環及びシクロアルキルは置換されていないか又はRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されており;
は出現時毎に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR=C(R
6)C≡CR
7)(CROR
8)(CRN(R
9)(CRC(O)R
10)(CRC(O)OR
11)(CR
12)(CRS(O)
13)(CRS(O)N(R
14)OS(O)
15)N(R)C(O)R
16)N(R)S(O)
17)(CRN(R)R
18)(CRN(R)(CRC(O)N(R
19)(CRN(R)(CRC(O)OR
20)N(R)(CR
21)N(R)(CRN(R
22)(CRC(O)N(R
23)(CRC(O)NH(CR
24)(CRC(O)NHC(R(CRN(R及び
25)C(O)NH(CR)(CR
から構成される群から独立して選択され;
は出現時毎に、
1)水素、
2)非置換又は置換のC−Cアルキル、
3)非置換又は置換のC−C10シクロアルキル、
4)非置換又は置換のアリール、
5)非置換又は置換の複素環、
6)CF
7)非置換又は置換のC−Cアルケニル、及び
8)非置換又は置換のC−Cアルキニル
から構成される群から独立して選択され、
あるいはRがRでジ置換された窒素原子と結合している場合には、各RはC−Cアルキルから独立して選択され、窒素原子は各Rと一緒になって環を形成し;
は出現時毎に、
1)水素、
2)非置換又は置換のC−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)オキソ、
5)OR
6)CF
7)非置換又は置換のアリール、
8)非置換又は置換のC−C10シクロアルキル、
9)非置換又は置換の複素環、
10)S(O)N(R
11)C(O)OR
12)C(O)R
13)CN、
14)C(O)N(R
15)N(R)C(O)R
16)N(R)C(O)OR
17)N(R)C(O)N(R
18)OC(O)N(R
19)S(O)
20)OS(O)
21)NO
22)N(R
23)SC(O)R
24)N(R)S(O)
から構成される群から独立して選択され;
mは独立して0、1又は2であり;
nは出現時毎に独立して0、1、2、3、4、5又は6から選択される]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩もしくは光学異性体を包含する。
【0011】
N(窒素)はその通常の意味である。
【0012】
式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の別の態様において、Aはアリール環又はN、OもしくはSから構成される群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又は不飽和ヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、安定な任意S又はNヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されている。
【0013】
この態様の好ましい1群において、Aはアリール環又は1個のN原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又は不飽和ヘテロアリール環は置換されていないか又はRでモノ置換されている。
【0014】
この態様のより好ましい1群において、Aは
【0015】
【化8】

であり、上記式中、Rは水素、F、Br、Cl、CN、−OCH、−SCH及び−SOCHから構成される群から独立して選択される。
【0016】
Aのこれらのサブセットにおいて、他の全変項は当初に定義した通りである。
【0017】
式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の別の態様において、Dはアリール環又はN、OもしくはSから構成される群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又はヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、安定な任意S又はNヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されている。
【0018】
この態様の好ましい1群において、Dはアリール環又は1個のN原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又はヘテロアリール環は置換されていないか又はRでモノ置換されている。
【0019】
この態様のより好ましい1群において、Dは
【0020】
【化9】

であり、上記式中、Rは水素、F、Cl、CN、OH、−OCH、−OCHCH及び−SOCHから構成される群から独立して選択される。
【0021】
Dのこれらのサブセットにおいて、他の全変項は当初に定義した通りである。
【0022】
式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の別の態様において、Eは
1)アリール環、及び
2)5又は6員ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、ヘテロアリール環はN及びSから構成される群から選択される1又は2個のヘテロ原子環原子をもつ)から構成される群から選択され、
前記アリール又はヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、又はRから独立して選択される基でジ置換されており、安定な任意N又はSヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されている。
【0023】
この態様の好ましい1群において、Eは
【0024】
【化10】

から構成される群から選択され;
上記式中、Rは水素、F、Cl、CN、−CF、−CH、−OCH、−OCHCH、−SCH、−SOCH、NH、NHCH、NHSOCH、NHC(O)OCH、及びNHC(O)OC(CHから構成される群から選択される。
【0025】
Eのこれらのサブセットにおいて、他の全変項は当初に定義した通りである。
【0026】
式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の別の態様において、Jは
1)アリール環、及び
2)5又は6員ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、ヘテロアリール環はN及びSから構成される群から選択される1又は2個のヘテロ原子環原子をもつ)から構成される群から選択され、
前記アリール又はヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、又はRから独立して選択される基でジ置換されており、安定な任意N又はSヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されている。
【0027】
この態様の好ましい1群において、Jは
【0028】
【化11】

から構成される群から選択され;
上記式中、Rは水素、F、Cl、CN、−CF、−OCH、−SCH、−S(O)CH、−SOCH、及びNHから構成される群から選択される。
【0029】
Jのこれらのサブセットにおいて、他の全変項は当初に定義した通りである。
【0030】
本発明の別の態様は、
1.N−ベンズヒドリル−N−ピリジン−2−イルピリジン−2−アミン
2.N−(ジフェニルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
3.N−[(4−フルオロフェニル)(ピリジン−2−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
4.N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
5.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−フェニルアニリン
6.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−フェニルピリジン−3−アミン
7.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
8.N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド
9.N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド
10.N−フェニル−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−3−アミン
11.N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
12.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン
13.{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル
14.3,3−{[(3−クロロフェニル)(フェニル)アミノ]メチレン}ジピリジン
15.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−n−ピリジン−3−イルピリジン−2,6−ジアミン
16.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン
17.{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル
18.N−(3−クロロフェニル)−n−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン
19.3−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル
20.3,3−{[(6−クロロピリジン−2−イル)(フェニル)アミノ]メチレン}ジピリジン
21.2−アミノ−6−[(ジピリジニウム−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン
22.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−2−(メチルチオ)−n−ピリジン−3−イルピリミジン−4−アミン
23.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン
24.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−2−(メチルスルフィニル)−N−ピリジン−3−イルピリミジン−4−アミン
25.N−{6−[[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド
26.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−アミン
27.6−クロロ−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン
28.N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド
29.{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル
30.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2,6−ジアミン
31.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリミジン−2,4−ジアミン
32.N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド
33.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン
34.{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル
35.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2,6−ジアミン
36.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−3−アミン
37.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−フェニルピリジン−2−アミン
38.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−フェニルピリジン−2−アミン
39.{6−[{ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸メチル
40.N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}尿素
41.3,3−{[{6−[(メトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−2−イル(フェニル)アミノ]メチレン}ジピリジン
42.N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}尿素
43.6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イルカルバミン酸メチル
44.6−メトキシ−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン
45.N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}尿素
46.N−(3−クロロフェニル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシピリジン−3−アミン
47.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン
48.N−[ビス(2−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−6−クロロ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン
49.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−メトキシ−N−フェニルアニリン
50.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリジン−2−アミン
51.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリジン−3−アミン
52.3−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル
53.N−[ビス(2−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2,6−ジアミン
54.4−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル
55.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
56.3−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−2−オール
57.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−N’−メチルピリジン−2,6−ジアミン
58.4−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル
59.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−エトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
60.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−エトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン
61.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリジン−3−アミン
62.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−2,5−ジアミン
63.4−[(6−クロロピリジン−3−イル)(ジピリジン−3−イルメチル)アミノ]ベンゾニトリル
64.4−[[(2−フルオロピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル
65.3,3−{[{6−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−2−イル}(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジピリジン
66.3,3−{[(6−アミノピリジン−2−イル)(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジピリジン
67.4−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル
68.4−[(6−アミノピリジン−3−イル)(ジピリジン−3−イルメチル)アミノ]ベンゾニトリル
69.4,4−{[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル
70.6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル
71.4,4−{[(6−アミノピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル
72.3,3−{[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル
73.6−クロロ−N−[(2−フルオロピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン
74.3−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−2−オール
75.3,3−{[(6−アミノピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル
76.N−[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
77.6−クロロ−N−[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン
78.{6−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル
79.N−[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2,6−ジアミン
80.{6−[[(4−シアノフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル
81.4−[[(6−アミノピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル
82.4−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル
83.3−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリミジン−5−イル)アミノ](1,6−ジヒドロピリジニウム−3−イル)メチル]−1,2−ジヒドロピリジン
84.N−[(4−フルオロフェニル)(6−メトキシピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
85.N−{6−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド
86.3−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]{ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル
87.N−{6−[[(3−シアノフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド
88.N−[(4−ブロモフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
89.4−[(ジピリジン−3−イルアミノ)(ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル
90.N−[(6−エトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
91.N−[(4−クロロフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル]−6−メトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
92.4−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル
93.N−[(4−クロロフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル]−6−エトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
94.4−[[(6−エトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル
95.4−[(ジピリジン−3−イルアミノ)(6−メトキシピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル
96.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン
97.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン
98.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルチオ)−N−フェニルアニリン
99.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン
100.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−[3−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン
101.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン
102.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン
103.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルホニル)−N−フェニルアニリン
104.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルフィニル)−N−フェニルアニリン
105.N−[3−(メチルチオ)フェニル]−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−3−アミン
106.N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−3−アミン
107.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−3−(メチルチオ)アニリン
108.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−3−(メチルスルホニル)アニリン
109.6−クロロ−N−[[3−(メチルスルホニル)フェニル](ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン
110.N−{(6−クロロピリジン−3−イル)[3−(メチルチオ)フェニル]メチル}−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
111.N−{(6−クロロピリジン−3−イル)[3−(メチルスルホニル)フェニル]メチル}−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン
112.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン
113.3,5−ジクロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン
114.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メチル−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン
115.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2−アミン
116.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2−(メチルスルホニル)アニリン
117.(6−{(ジピリジン−3−イルメチル)[3−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}ピリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
118.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2,6−ジアミン
119.6−[[[3−(メチルスルホニル)フェニル](ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル
120.N−[[3−(メチルスルホニル)フェニル](ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2,6−ジアミン
121.2−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−4−アミン
122.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン
123.N−(4−クロロフェニル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルホニル)アニリン
124.3−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン
125.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルホニル)−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アニリン
126.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン
127.3−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン
128.4−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン
129.N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミン
130.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン
131.6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[5−(メチルスルホニル)−3−チエニル]ピリジン−3−アミン
132.N−(3−クロロフェニル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−5−(メチルスルホニル)チオフェン−3−アミンから構成される群から選択される化合物を含む。
【0031】
上記化合物の構造を以下に示す。
【0032】
【化12】











本発明の化合物はキラル中心をもつ場合があり、例えば1個のキラル中心((R)及び(S)の2種類の立体異性体が得られる)又は2個のキラル中心((R,R)、(S,S)、(R,S)及び(S,R)の4種類までの立体異性体が得られる)をもつ場合がある。本発明は全光学異性体とその混合物を包含する。特に指定しない限り、1種類の異性体の記載は可能な全異性体に適用される。異性体組成物を指定しない場合には、常に可能な全異性体が含まれる。
【0033】
式Iに定義する化合物の互変異性体も本発明の範囲に含まれる。例えば、カルボニル−CHC(O)−基(ケト形)を含む化合物は互変異性化し、ヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール形)を形成する場合がある。ケト形とエノール形の両者が本発明の範囲に含まれる。
【0034】
更に、炭素−炭素二重結合をもつ化合物はZ形とE形で存在する場合があり、これらの化合物の全異性体が本発明に含まれる。
【0035】
本発明の化合物はアトロプ異性体(即ちキラル回転異性体)として存在する場合がある。本発明はラセミ体及び分割体の両者のアトロプ異性体を包含する。
【0036】
上記化合物は下記Kv1.5アッセイの1種以上で活性である。
【0037】
本発明の別の態様はK1.5阻害により治療又は予防が実施又は助長される哺乳動物における症状の治療又は予防方法として、K1.5を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法である。
【0038】
好ましい1態様は治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、哺乳動物における心不整脈(例えば心房細動、心房粗動、心房性不整脈及び上室性頻拍)の治療又は予防方法である。
【0039】
別の好ましい態様は脳卒中等の血栓塞栓イベントの予防方法である。
【0040】
別の好ましい態様は鬱血性心不全の予防方法である。
【0041】
別の好ましい態様は誘導された調律が同様の患者体格及び年齢特徴をもつ個体で正常であるとみなされる調律に対応するように、心房細動をもつ患者に正常洞調律状態を誘導する方法として、患者に本発明の化合物を投与することを含む方法である。
【0042】
別の好ましい態様は患者における頻拍(即ち、例えば100回/分の高心拍数)の治療方法として、請求項1に記載の化合物と併用して抗頻拍装置(例えば除細動器やペースメーカー)で患者を治療することを含む方法である。
【0043】
本発明は更に、医薬的に許容可能なキャリヤーと、式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な結晶形態もしくは水和物を含有する医薬組成物も包含する。好ましい1態様は第2の物質も含有する式Iの化合物の医薬組成物である。
【0044】
略語一覧:
AAS:原子吸収分光法
AF:心房細動
ACE:アンギオテンシン変換酵素
CHO:チャイニーズハムスター卵巣
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:ジメチルホルムアミド
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
EGTA:エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸
FAAS:火炎原子吸収分光法
FBS:胎仔ウシ血清
HBSS:ハンクス平衡塩溶液
HEPES:N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
LYS:溶解液
NMR:核磁気共鳴
NSAID:非ステロイド性抗炎症薬
PBS:リン酸緩衝食塩水
RMS:二乗平均平方根偏差
RT:室温
THF:テトラヒドロフラン
XANTPHOS:9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン。
【0045】
特に指定しない限り、本明細書で使用する「アルキル」とは指定炭素原子数の分岐及び直鎖飽和脂肪族炭化水素基(全異性体を含む)を包含する。本明細書全体を通してアルキル基には通常使用されている略語を使用し、例えばメチルは「Me」又は「CH」で表し、エチルは「Et」又は「CHCH」で表し、プロピルは「Pr」又は「CHCHCH」で表し、ブチルは「Bu」又は「CHCHCHCH」で表し、以下同様に表す場合がある。例えば「C1−6アルキル」(又は「C−Cアルキル」)とは指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖アルキル基(全異性体を含む)を意味する。C1−6アルキルは全ヘキシルアルキル及びペンチルアルキル異性体と、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを含む。「C1−4アルキル」とはn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。「アルコキシ」なる用語は酸素橋を介して結合した指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。
【0046】
「アルケニル」なる用語は二重結合により結合した少なくとも2個の炭素原子を含む分岐及び直鎖不飽和炭化水素基を包含する。アルケンエチレンは例えば「CHCH」あるいは「HC=CH」で表される。例えば「C2−5アルケニル」(又は「C−Cアルケニル」)とは炭素原子数2〜5の直鎖又は分岐鎖アルケニル基を意味し、全ペンテニル異性体と、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−プロペニル、2−プロペニル及びエテニル(又はエチレニル)を含む。「C2−3アルケニル」等の同様の用語も同様の意味である。
【0047】
「アルキニル」なる用語は三重結合により結合した少なくとも2個の炭素原子を含む分岐及び直鎖不飽和炭化水素基を包含する。アルキンアセチレンは例えば「CHCH」あるいは「HC≡CH」で表される。例えば「C2−5アルキニル」(又は「C−Cアルキニル」)とは炭素原子数2〜5の直鎖又は分岐鎖アルキニル基を意味し、全ペンチニル異性体と、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−プロピニル、2−プロピニル及びエチニル(又はアセチレニル)を含む。「C2−3アルキニル」等の同様の用語も同様の意味である。
【0048】
特に「非置換」又は「置換」に限定して指定しない限り、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は置換されていないか又は各炭素原子上をハロ、C−C20アルキル、CF、NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C−Cアルキル)CF、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−複素環及びシアノ−ヘテロシクリルアルキルの1〜3個の置換基で置換されている。
【0049】
「C0−6アルキル」等の術語で使用する「C」なる用語は直接共有結合を意味する。同様に、基における所定数の原子の存在を定義する整数が0に等しい場合には、これに隣接する原子が結合により直接結合していることを意味する。例えばsが0、1又は2に等しい整数である構造:
【0050】
【化13】

においてsが0であるとき、構造は
【0051】
【化14】

である。
【0052】
「C3−8シクロアルキル」(又は「C−Cシクロアルキル」)なる用語は合計炭素原子数3〜8の環状アルカン(即ちシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル)を意味する。「C3−7シクロアルキル」、「C3−6シクロアルキル」、「C5−7シクロアルキル」等の用語も同様の意味である。
【0053】
環に関して使用する場合に「不飽和」なる用語は最大数の非累積環二重結合をもつ環を意味する。環に関して使用する場合に「飽和」なる用語は部分(最大数の環二重結合未満で少なくとも1個の環二重結合をもつ)又は完全(二重結合をもたない)飽和環を意味する。
【0054】
「ハロゲン」(又は「ハロ」)なる用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する(フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)及びヨード(I)と言う場合もある)。
【0055】
「C1−6ハロアルキル」(「C−Cハロアルキル」又は「ハロゲン化C−Cアルキル」と言う場合もある)なる用語は1個以上のハロゲン置換基をもつ上記定義によるC−C直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。「C1−4ハロアルキル」なる用語も同様の意味である。「C1−6フルオロアルキル」なる用語はハロゲン置換基がフルオロに限定される以外は同様である。適切なフルオロアルキルとしては(CH0−4CF系列(即ちトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル等)か挙げられる。
【0056】
本明細書で使用する「炭素環」なる用語(及び「炭素環式」や「カルボシクリル」等のその変形)は特に指定しない限り、(i)C−C単環式飽和もしくは不飽和環又は(ii)C−C12二環式飽和もしくは不飽和環系を意味する。(ii)の各環は相互に独立しているか又は他の環と縮合しており、各環は飽和又は不飽和である。炭素環は任意炭素原子で分子の残余と結合し、安定な化合物を形成することができる。縮合二環式炭素環は炭素環のサブセットであり、即ち「縮合二環式炭素環」なる用語は一般に各環が飽和又は不飽和であり、環系の各環が2個の隣接炭素原子を共有するC−C10二環系を意味する。一方の環が飽和であり、他方が飽和である縮合二環式炭素環は飽和二環系である。一方の環がベンゼンであり、他方が飽和である縮合二環式炭素環は不飽和二環系である。一方の環がベンゼンであり、他方が不飽和である縮合二環式炭素環は不飽和環系である。飽和炭素環はシクロアルキル環(例えばシクロプロピル、シクロブチル等)と言う場合もある。特に指定しない限り、炭素環は置換されていないか又はC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリール、ハロゲン、NHもしくはOHで置換されている。縮合二環式炭素環のサブセットは一方の環がベンゼン環であり、他方の環が飽和又は不飽和であり、任意炭素原子を介して結合することにより安定な化合物を形成する二環式炭素環である。このサブセットの代表例を以下に挙げる。
【0057】
【化15】

「アリール」なる用語は単環式及び多環式芳香族炭素環系を意味し、多環系の個々の炭素環は単結合を介して相互に縮合又は結合している。適切なアリール基としてはフェニル、ナフチル及びビフェニレニルが挙げられる。
【0058】
「複素環」なる用語(及び「複素環式」や「ヘテロシクリル」等のその変形)は広義に(i)安定な4〜8員単環式飽和もしくは不飽和環、又は(ii)安定な7〜12員二環系を意味し、(ii)の各環は架橋、縮合又はスピロ環であり、独立して飽和又は不飽和であり、単環又は二環系はN、O及びSから選択される1個以上(例えば1〜6個又は1〜4個)のヘテロ原子と残余の炭素原子を含み(単環は一般に少なくとも1個の炭素原子を含み、環系は一般に少なくとも2個の炭素原子を含む)、窒素及び硫黄ヘテロ原子の任意1個以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の任意1個以上は場合により四級化されている。結合の結果として安定な構造が形成される限り、複素環は任意ヘテロ原子又は炭素原子に結合することができる。複素環が置換基をもつ場合には、当然のことながら、安定な化学構造が得られる限り、置換基はヘテロ原子であるか炭素原子であるかを問わずに環の任意原子と結合することができる。
【0059】
特に「非置換」又は「置換」に限定して指定しない限り、シクロアルキル、アリール及び複素環基は非置換又は置換である。本明細書で使用する「置換のC−C10シクロアルキル」、「置換のアリール」及び「置換の複素環」なる用語は化合物の残余との結合点以外に1〜4個の置換基を含む環状基を包含する。置換基は限定されないが、ハロ、C−C20アルキル、CF、NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)S(O)0−2−、アリール−S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C−Cアルキル)CF、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−複素環及びシアノ−ヘテロシクリルアルキルを含む群から選択することが好ましい。
【0060】
飽和複素環は複素環のサブセットを形成し、即ち「飽和複素環」なる用語は一般に(単環式であるか多環式であるかを問わずに)環系が飽和している上記定義による複素環を意味する。「飽和複素環」なる用語は炭素原子とN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子から構成される4〜8員単環式飽和環又は安定な7〜12員二環系を意味する。代表例としてはピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロキノキサリニル、ベンゾジオキシニル、ジアザスピロ4.4]ノナニル、ピペラジノン及びテトラヒドロフリル(又はテトラヒドロフラニル)が挙げられる。
【0061】
複素芳香族は複素環の別のサブセットを形成し、即ち「複素芳香族」(あるいは「ヘテロアリール」)なる用語は一般に(単環式であるか多環式であるかを問わずに)環系全体が芳香環系である上記定義による複素環を意味する。「複素芳香環」なる用語は炭素原子とN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子から構成される5もしくは6員単環式芳香環又は7〜12員二環系を意味する。少なくとも1個の窒素原子を含む置換のヘテロアリール環(例えばピリジン)の場合には、このような置換はN−オキシド形成を生じる置換とすることができる。複素芳香環の代表例としてはピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル(又はチオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルが挙げられる。
【0062】
二環式複素環の代表例としてはベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ピリジノン、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(即ち
【0063】
【化16】

イミダゾ(2,1−b)(1,3)チアゾール(即ち
【0064】
【化17】

及びベンゾ−1,3−ジオキソリル(即ち
【0065】
【化18】

が挙げられる。本発明の所定状況では、
【0066】
【化19】

は2個の隣接する炭素原子に結合したメチレンジオキシを置換基とするフェニルと言う場合もある。
【0067】
特に逆の記載がない限り、「飽和」環は部分又は完全飽和環である。例えば、「飽和単環式C炭素環」はシクロヘキサンを意味する。
【0068】
特に逆の記載がない限り、本明細書に記載する全範囲は両端を含む。例えば、複素環が「1〜4個のヘテロ原子」を含むと言う場合には複素環が1、2、3又は4個のヘテロ原子を含むことを意味する。
【0069】
本発明の化合物を表す任意成分又は任意式中に任意変項が2回以上出現する場合には、出現時毎のその定義は他の全出現時のその定義から独立している。また、置換基及び/又は変項の組み合わせはこのような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合に限って許容される。
【0070】
(例えば「場合により1個以上の置換基で置換されたアリール」等における)「置換」なる用語はこのような一置換及び多置換(同一部位の多置換を含む)が化学的に許容される範囲での指定置換基による一置換及び多置換を含む。
【0071】
N−オキシド部分(例えばピリジル−N−オキシド部分)をもつ本発明の化合物において、N−オキシド部分は慣用表記を使用して構造を表す。例えば、ピリジル−N−オキシド部分は
【0072】
【化20】

で構造を表し、上記2式は等価意味をもつ。
【0073】
反復項(例えば(CR(式中、rは整数2であり、Rは規定変項であり、Rは規定変項である))をもつ項を含む変項定義では、Rの意味は出現毎に異なっていてもよく、Rの意味は出現毎に異なっていてもよい。例えばRとRがメチル、エチル、プロピル及びブチルから構成される群から独立して選択される場合には、(CR
【0074】
【化21】

となる。
【0075】
医薬的に許容可能な塩としては金属(無機)塩と有機塩の両者が挙げられ、その一覧はRemington’s Pharmaceutical Sciences,17版,1418頁(1985)に記載されている。当業者に周知の通り、適切な塩形態は物理的及び化学的安定性、流動性、吸湿性並びに溶解度に基づいて選択される。当業者に自明の通り、医薬的に許容可能な塩としては限定されないが、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩及び硝酸塩等の無機酸塩又はリンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、琥珀酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩ないしパモ酸塩、サリチル酸塩及びステアリン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。同様に、医薬的に許容可能なカチオンとしては限定されないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウム(特に第2級アミンをもつアンモニウム塩)が挙げられる。上記理由で好ましい本発明の塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。式Iの化合物の結晶形態、水和物及び溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。
【0076】
本発明の化合物の製造方法を下記スキーム及び実施例に例証する。他の合成プロトコールも当業者に自明である。以下のスキーム及び実施例は式Iの化合物の製造を例証するものであり、従って、特許請求の範囲に記載する本発明を限定するものではない。下記実施例は本発明の別の態様を含む。
【0077】
【化22】

上記スキーム中、変項A、D、E及びJは上記に定義した通りである。O(酸素)、N(窒素)及びH(水素)はそれらの通常の意味である。Xはハロゲンである。
【実施例1】
【0078】
【化23】

2−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン(1−3)
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン(1−1)の製造
ジピリジン−3−イルメタノン(924mg,5.02mmol)と2−クロロ−5−アミノピリジン(920mg,7.16mmol)をチタン(IV)イソプロポキシド(5mL)に加えた混合物を110℃に24時間加熱した。反応混合物を冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(273mg,7.1mmol)と無水エタノール(5mL)を加えた。2時間後に反応混合物を酢酸エチルで希釈し、2N HCl(4mL)を加えた。更に1時間後にNaCO溶液を加え、2相混合物をフィルターエイドで濾過し、懸濁した二酸化チタンを除去した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。40−90%アセトン/ヘキサン勾配を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより注意深く精製した。フラクションを合わせて蒸発乾涸し、この残渣にジエチルエーテルを加えてトリチュレーションし、標記化合物を白色固体として得た(308mg,21%収率)。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.64(2H,d,J=1.7Hz),8.59(2H,d,J=4.6Hz),7.77(1H,d,J=2.9Hz),7.63(2H,d,J=8.0Hz),7.32(1H,dd,J=4.9,7.7Hz),7.07(1H,d,J=7.7Hz),6.80(1H,dd,J=2.9,8.5Hz),5.77(1H,d,J=3.9Hz),4.32(1H,d,J=3.7Hz)。m/e(m+1):297.2。
【0079】
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン(1−2)の製造
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン(91mg,0.307mmol)と3−ブロモチオアニソール(108mg,0.53mmol)の無水ジオキサン(1.0mL)溶液にナトリウムt−ブトキシド(42mg,0.437mmol)とビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(23mg,0.045mmol)を加えた。反応容器をセプタム栓で密閉し、脱気し(3×)、100℃に4時間加熱した。反応溶液を冷却し、開栓し、塩化メチレンで希釈し、NaHCO溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。20−80%アセトン/ヘキサン勾配を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な標記化合物を白色ガラス状物として得た(118mg,91%)。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.54(2H,d,J=1.7Hz),8.50(2H,d,J=4.6Hz),7.85(1H,d,J=3.0Hz),7.48(2H,d,J=8.0Hz),7.21(1H,dd,J=4.9,7.8Hz),7.12(1H,t,J=7.9Hz),7.06(1H,d,J=8.8Hz),6.99(1H,dd,J=2.9,8.5Hz),6.93(1H,d,J=8.8Hz),6.75(1H,s),6.71(1H,d,J=7.8Hz),6.31(1H,s),2.32(3H,s)。m/e(m+1):419.2。
【0080】
2−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン(1−3)の製造
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルチオ)フェニル]−ピリジン−3−アミン(92mg,0.22mmol)をメタノール(2mL)と水(0.5mL)に溶かした溶液にOxone(192mg,0.31mmol)を加えた。酸化が完了するまで(〜4時間)LC/MSによりモニターしながら反応混合物を周囲温度で撹拌した。反応混合物を水とNaCO溶液で希釈し、生成物を塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。40−100%アセトン/ヘキサン勾配を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を白色ガラス状物として得た。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.54(2H,br s),8.53(2H,br s),7.99(1H,s),7.48−7.51(3H,m),7.38(1H,t,J−7.9Hz),7.31(1H,s),7.23−7.26(2H,m),7.16(2H,s),7.07(1H,d,J=8.1Hz),6.42(1H,s),2.88(3H,s)。m/e(m+1):451.2。
【実施例2】
【0081】
【化24】

ラセミ体の4−[[(6−アミノピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル(2−5)
4−(ピリジン−3−イルカルボニル)ベンゾニトリル(2−1)の製造
4−ヨードベンゾニトリル(1.37gm,6.0mmol)の無水THF(15mL)溶液を−60℃まで冷却し、2M塩化イソプロピルマグネシウム/THF(3.1mL,6.0mmol)を加えた。1時間撹拌後、ピリジン−3−カルボキシアルデヒド(0.57mL,6.0mmol)をシリンジで加え、反応混合物を室温まで昇温した。次に反応混合物を塩化アンモニウム(403mg,7.5mmol)の水(5mL)溶液でクエンチした。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層をNaCO溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。この粗4−[ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリルをトルエンでチェースして十分に乾燥し、次段階で使用した。
【0082】
トリエチルアミン(4.5mL,〜34mmol)を加えた無水DMSOにこの粗アルコールを溶かし、室温で激しく撹拌下にピリジン−SO錯体(3.0gm,18.5mmol)のDMSO(12mL)溶液を滴下した。1時間後に反応混合物を氷/水に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出し、水(3×)で逆洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。少量のメタノールを加えたジエチルエーテルでこの残渣をトリチュレーションし、標記化合物を薄黄褐色固体として得た(943mg,75%収率)。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.98(1H,s),8.87(1H,d,J=4.8Hz),8.13(1H,d,J=8.0Hz),7.91(2H,d,J=7.8Hz),7.84(2H,d,J=7.8Hz),7.50(1H,dd,J=4.8,7.8Hz)。m/e(m+1):209.0。
【0083】
ラセミ体の4−[ピリジン−3−イル(ピリジン−3−イルアミノ)メチル]ベンゾニトリル(2−2)の製造
4−(ピリジン−3−イルカルボニル)ベンゾニトリル(416mg,2.0mmol)と3−アミノピリジン(379mg,4.0mmol)の混合物にチタン(IV)イソプロポキシド(2mL,〜6.8mmol)を加え、この混合物を100℃に20時間加熱した。反応混合物を冷却し、無水エタノール(2.0mL)で希釈し、水素化ホウ素ナトリウム(134mg,3.5mmol)を加えた。20分後に2N HCl(1mL)を加え、10分間撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、NaCO溶液で塩基性にした。この2相懸濁液をフィルターセルで濾過し、沈殿した二酸化チタンを除去した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。20−100%アセトン/ヘキサン勾配を溶離液としてこの残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を白色ガラス状固体として得た(333mg,58%収率)。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.62(1H,d,J=1.9Hz),8.59(1H,d,J=4.7Hz),8.03(2H,m),7.68(2H,d,J=8.0Hz),7.59(1H,d,J=7.8Hz),7.50(2H,d,J=8.6Hz),7.30(1H,dd,J=4.9,7.8Hz),7.05(1H,dd,J=4.6,8.3),6.75(1H,d,J=8.3Hz),5.59(1H,d,J=3.9Hz),4.25(1H,d,J=3.4Hz)。m/e(m+1):287.0。
【0084】
ラセミ体の4−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル(2−3)の製造
ラセミ体の4−[ピリジン−3−イル(ピリジン−3−イルアミノ)メチル]ベンゾニトリル(190mg,0.66mmol)と2,6−ジクロロピリジン(220mg,1.48mmol)の無水ジオキサン(3.0mL)溶液にリン酸三カリウム(208mg,0.98mmol)とビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(69mg,0.135mmol)を加えた。容器をセプタム栓で密閉し、脱気し(3×)、100℃に21時間加熱した。反応溶液を冷却し、塩化メチレンで希釈し、NaHCO溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。20−100%アセトン/ヘキサン勾配を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を粘性油状物として得た(126mg,48%収率)。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.50(2H,s),8.46(1H,d,J=4.4Hz),8.22(1H,s),7.60(2H,d,J=8.3Hz),7.52(1H,s),7.39(3H,m),7.32(1H,t,J=7.8Hz),7.19−7.26(3H,m),6.74(1H,d,J=7.6Hz),6.14(1H,d,J=8.3Hz)。m/e(m+1):398.2。
【0085】
ラセミ体の{6−[[(4−シアノフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸t−ブチル(2−4)の製造
ラセミ体の4−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル(126mg,0.31mmol)とカルバミン酸t−ブチル(53mg,0.45mmol)の無水ジオキサン(1.5mL)溶液に炭酸セシウム(137mg,0.42mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(5.7mg,0.0062mmol)、及び9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)(24mg,0.041mmol)を加えた。容器をセプタム栓で密閉し、脱気し(3×)、100℃に3時間加熱した。反応溶液を冷却し、塩化メチレンで希釈し、NaHCO溶液で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。10−100%酢酸エチル/ヘキサン勾配→0.5%メタノール/酢酸エチルを溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を非晶質白色粉末として得た(107mg,71%収率)。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.49(1H,d,J=4.9Hz),8.47(1H,d,J=1.0Hz),8.40(1H,d,J=4.6Hz),8.20(1H,d,J=2.5Hz),7.59(2H,d,J=8.3Hz),7.56(1H,s),7.32−7.38(5H,m),7.13−7.22(3H,m),6.81(1H,s),5.92(1H,d,J=7.8Hz),1.52(9H,s)。m/e(m+1):479.3。
【0086】
ラセミ体の4−[[(6−アミノピリジン−2−イル)](ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル(2−5)の製造
ラセミ体の{6−[[(4−シアノフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸t−ブチル(82mg,0.17mmol)の塩化メチレン(4mL)溶液に、反応が完了するまで5時間室温で撹拌下にトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えた。溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレンに再び溶かし、NaCO溶液で洗浄した。溶液を乾燥し、蒸発させ、アセトニトリル/水(NHOHで緩衝)勾配を使用して残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を白色ガラス状固体として得た。1H−NMR(500MHz,CDCl):δ 8.49(1H,br s),8.47(1H,d,J=4.2Hz),8.36(1H,s),7.62(1H,s),7.58(2H,d,J=8.3Hz),7.36−7.40(3H,m),7.10−7.22(5H,m),5.95(1H,d,J=7.8Hz),5.62(1H,d,J=7.8Hz),4.20(2H,br s)。m/e(m+1):379.2。
【0087】
下記方法を使用して本発明の代表的化合物を評価した処、Kv1.5アッセイで活性を示すことが判明したため、本発明の化合物はKv1.5阻害剤及び抗不整脈薬として有用であることが実証及び確認された。この種の化合物は順方向心拍数依存性を示し、より高い程度まで又は好ましくはより速い脱分極速度もしくは心拍数で外向きK電流を遮断すると思われる。このような化合物は下記のような電気生理学的試験で同定することができる。例えば、1Hzと3Hzの周波数で発生される脱分極パルス系列中において、3Hzの10秒系列中に観察される遮断量が1Hzで観察される遮断量よりも大きい場合に遮断は「心拍数依存性」である。Kv1.5遮断薬は使用依存性を示す場合もあり、外向きK電流の遮断は使用と共に増加するか又は心筋細胞の反復脱分極中に増加する。遮断の使用依存性は所与心拍数又は周波数のパルス又は脱分極の系列又はシーケンスで各連続脱分極と共に依存程度が増加する。例えば、周波数1Hzの脱分極パルス10回の系列中において、系列の10回目のパルスの遮断量が最初のパルスの遮断量よりも大きい場合に遮断は「使用依存性」である。Kv1.5遮断薬は使用依存性と心拍数依存性の両方を示す場合もある。
【0088】
Kv1.5遮断薬は限定されないが、ヒト、ラット、マウス、イヌ、サル、フェレット、ウサギ、モルモット又はヤギ等の種々の種に由来する心臓単球又は他の組織を使用して天然IKurの電気生理学的試験により同定することもできる。天然組織においてKv1.5はホモオリゴマーとして存在する場合もあるし、他のKvファミリーメンバーと共にヘテロオリゴマーとして存在する場合もあるし、βサブユニットとの複合体として存在する場合もある。本発明の化合物はKv1.5ホモオリゴマーもしくはヘテロオリゴマー又はβサブユニットとの複合体におけるKv1.5を遮断すると思われる。
【0089】
Kv1.5アッセイ
高スループットKv1.5プレーナー型パッチクランプアッセイは体系的一次スクリーンである。このアッセイは活性を確認し、Kv1.5カリウムチャネルに特異的に作用する物質の効力の機能的尺度を提供する。Kissら(Assay and Drug Dev.Tech.,1(1−2):127−135,2003)とSchroederら(J.of Biomol.Screen.,8(1);50−64,2003)はKv1.5及び他の電位依存性イオンチャネルに関するこの装置の使用について記載している。
【0090】
10%FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、1000μg/ml G−418硫酸を補充したハムF12培地にヒト心臓からクローニングしたヒトKv1.5カリウムチャネルαサブユニットを安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を90−100%コンフルエンスまで増殖させる。Versene処理により細胞を継代した後、リン酸緩衝食塩水(PBS)に懸濁し、遠心する。細胞ペレットをPBSに再懸濁し、得られた懸濁液をIonWorks(登録商標)HT装置のセルレザバーに入れる。
【0091】
K−グルコース100mM,KCl 40mM,MgCl 3.2mM,EGTA 3mM,N−2−ヒドロキシルエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)5mMを細胞内液に添加し、pH7.3に調整して電気生理学的記録を実施する。アンホテリシン(Sigma)を30mg/mlストック溶液として調製し、内液緩衝液で最終使用濃度0.1mg/mlまで希釈する。外液はダルベッコPBS(Invitrogen)とし、CaCl 0.90mM、KCl 2.67mM、KPO 1.47mM、MgCl 0.50mM、NaCl 138mM、NaPO 8.10mMを添加し、pH7.4に調整する。全化合物はDMSO中10mMストック溶液として調製する。化合物を外液緩衝液で希釈した後、実験中に薬剤プレートからパッチプレートに移す(DMSO終濃度<0.66容量%)。
【0092】
Kv1.5イオン電流を室温で記録する。膜電流を増幅し(RMS〜10pA)、10kHzでサンプリングする。テストパルスの200ms前に160ms過分極(10mV)プレパルスを印加してリークコンダクタンスを測定することにより全実験でリークサブトラクションを実施した。パッチクランプ刺激プロトコールは以下の通りである。
1.パッチプレートウェルに外液緩衝液3.5μLを加える。
2.各孔に10mV,160ms電位差を印加することによりプレーナー型マイクロピペット孔抵抗(Rp)を測定する(ホールテスト)。
3.細胞をパッチプレートにピペッティングし、各パッチプレートウェルの底の1〜2μm孔との間に高抵抗シールを形成する。シールテストスキャンを実施し、シールを形成した細胞を含むパッチプレートウェル数を測定する。
4.細胞との電気的接触を得るために、アンホテリシンを添加した細胞内液をパッチプレートの底面に4分間流す。
5.パッチプレートの各ウェルに化合物添加前テストパルスを印加する。プロトコールは以下の通りとする。細胞を−80mVの膜保持電位に15秒間ボルテージクランプする。その後、5Hz刺激パルス系列を印加する(+40mVまでの150ms脱分極×27回)。+40mVまでの膜電位ステップにより外向き(陽)イオン電流を誘起させる。
6.パッチプレートの各ウェルに化合物を添加する。化合物を5分間インキュベートする。
7.化合物添加後テストパルスプロトコールを適用する。プロトコールは以下の通りとする。細胞を−80mVの膜保持電位に15秒間ボルテージクランプする。その後、5Hz刺激パルス系列を印加する(+40mVまでの150ms脱分極×27回)。
【0093】
オフラインでデータ分析を実施する。薬剤添加前と添加後の一対比較を使用して各化合物の阻害効果を測定する。(5Hzパルス系列で)27回目の+40mVまでの脱分極中のピーク対照電流の阻害%をアンタゴニスト濃度の関数としてプロットする。ヒルの式を濃度応答データにフィットさせることにより、電流を50%抑制するために必要な薬剤濃度(IC50)を求める:対照の%=100×(1+([薬剤]/IC50−1
【0094】
各細胞に以下の4種類の測定数値が得られる。
1)シール抵抗。
2)ベースライン測定値(1回目の+40mVまでの脱分極から5〜45ms前の−70mVにおける平均電流)。
3)電流増加測定値(1回目の+40mVまでの脱分極中の化合物添加前平均電流振幅から27回目の+40mVまでの脱分極中の化合物添加前平均電流振幅を引いた値)。
4)ピーク電流(5Hzパルス系列で27回目の+40mVまでの脱分極中の最大電流振幅)。
【0095】
化合物添加前と添加後の両者のトレース中で全測定値を得る。以下の場合には細胞をその後の分析に加えない。
1)シール抵抗<50MΩ、
2)化合物添加前のベースライン測定値>±100pA、
3)電流増加測定値>−0.2nA、
4)先行読取ピーク測定値<400pA。
【0096】
上記化合物は上記高スループットKv1.5プレーナー型パッチクランプアッセイにおいて33μM以下の濃度で≧20%阻害を生じる。
【0097】
本発明の化合物は活性成分化合物を温血動物の体内の作用部位と接触させる任意手段により本発明に従って障害、疾患及び疾病を治療又は予防するために投与することができる。例えば、投与は経口、局所(例えば経皮、眼内、口腔、鼻腔内、吸入、膣内、直腸、槽内)及び非経口とすることができる。本明細書で使用する「非経口」なる用語は皮下、静脈内、筋肉内、関節内注射又は輸液、胸骨内及び腹膜内等の投与方法を意味する。
【0098】
本発明の化合物は個々の治療剤として又は治療剤の併用剤としての薬剤と共に利用可能な任意慣用手段により投与することができる。本発明の化合物は単独投与してもよいが、一般には選択した投与経路と標準医薬プラクティスに基づいて選択された医薬キャリヤーと共に投与する。
【0099】
本開示の趣旨では、温血動物とは恒常性維持機構をもつ動物界の一員であり、哺乳動物と鳥類が挙げられる。
【0100】
投与用量はレシピエントの年齢、健康状態及び体重、疾患の程度、併用治療を行っている場合にはその種類、投与頻度並びに所望効果の種類により異なる。通常、活性成分化合物の1日用量は約1〜500mg/日となるであろう。通例は、10〜100mg/日を1回又は2回以上に分けて投与すると、所望結果を得るために有効である。これらの用量は上記障害、疾患及び疾病(例えば心房細動、心房粗動、心房性不整脈、上室性頻拍等の心不整脈;脳卒中や鬱血性心不全等の血栓塞栓イベント;免疫調節異常等の自己免疫疾患;及び特に心臓拡張障害の帰結としての心不全)の治療と予防に有効な量である。
【0101】
免疫調節異常は全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、I型及びII型糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症並びに他の疾患(例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、魚鱗癬、グレーブス病及び喘息)等の多様な自己免疫疾患及び慢性炎症性疾患に存在する。本発明の化合物はこれらの免疫調節異常等の自己免疫疾患の治療と予防に有用である。
【0102】
本発明は更に心不整脈や血栓塞栓イベント等のK1.5阻害により治療が実施又は助長される哺乳動物における症状の治療用医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。本発明は更に心不整脈や血栓塞栓イベント等のK1.5阻害により治療が実施又は助長される哺乳動物における症状の予防用医薬の製造における本発明の化合物の使用を包含する。
【0103】
活性成分はカプセル剤、錠剤、トローチ剤、ドラジェ剤、顆粒剤及び散剤等の固体剤形、又はエリキシル剤、シロップ剤、エマルション、分散液剤及び懸濁液剤等の液体剤形で経口投与することができる。活性成分は分散液剤、懸濁液剤又は溶液剤等の滅菌液体剤形で非経口投与することもできる。活性成分を投与するために同様に使用することができる他の剤形としては、局所投与用として軟膏、クリーム、滴剤、経皮パッチ又は散剤、眼内投与用として眼科用溶液剤又は懸濁液剤(即ち点眼剤)、吸入又は鼻腔内投与用としてエアゾールスプレー又は粉末組成物、あるいは直腸又は膣投与用としてクリーム、軟膏、スプレー又は座剤が挙げられる。
【0104】
ゼラチンカプセル剤は活性成分と、ラクトース、澱粉、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等の粉末状キャリヤーを含有する。同様の希釈剤を使用して圧縮錠剤を製造することができる。錠剤とカプセル剤はいずれも薬剤を長時間にわたって連続放出できるように徐放製剤として製造することができる。圧縮錠剤は不快な味をマスクし、錠剤を大気から保護するために糖衣又はフィルムコーティングしてもよいし、胃腸管で選択的に崩壊するように腸溶コーティングしてもよい。
【0105】
経口投与用液体製剤には患者に受け入れ易くするために着色剤や香味剤を添加してもよい。
【0106】
一般に、水、適切な油、食塩水、デキストロース(グルコース)水溶液及び同類の糖溶液並びにグリコール類(例えばプロピレングリコールやポリエチレングリコール)が非経口溶液剤に適切なキャリヤーである。非経口投与用溶液剤は活性成分の水溶性塩と、適切な安定剤と、必要に応じて緩衝物質を含有することが好ましい。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸等の酸化防止剤が適切な安定剤であり、単剤でも併用してもよい。クエン酸及びその塩とEDTAナトリウムも使用する。更に、非経口溶液剤には塩化ベンズアルコニウム、メチルパラベン、プロピルパラベン及びクロロブタノール等の防腐剤を添加してもよい。
【0107】
適切な医薬キャリヤーは当分野の標準参考書であるRemington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolに記載されている。
【0108】
吸入投与には、本発明の化合物を加圧パック又はネブライザーからエアゾールスプレーとして簡便に送達することができる。化合物は散剤として送達してもよく、その場合には散剤を製剤化してもよいし、吸入散剤インヘラー装置により粉末組成物を吸入してもよい。好ましい吸入用送達システムは定量式吸入(MDI)エアゾールであり、式Iの化合物をフルオロカーボンや炭化水素等の適切な噴射剤の懸濁液又は溶液として製剤化することができる。
【0109】
眼内投与には、化合物を眼球の角膜及び内部領域に浸透させるために十分な時間にわたって化合物を眼球表面と接触させるように、式Iの化合物を適切な重量百分率で適切な眼科用ビヒクルの溶液又は懸濁液として眼科用製剤に製剤化することができる。
【0110】
本発明の化合物を投与するための有用な医薬剤形としては限定されないが、ハード及びソフトゼラチンカプセル剤、錠剤、非経口注射剤並びに経口懸濁液剤が挙げられる。
【0111】
標準2部分ハードゼラチンカプセルに各々粉末状活性成分100mg、ラクトース150mg、セルロース50mg及びステアリン酸マグネシウム6mgを充填することにより多数の単位カプセル剤を製造する。
【0112】
大豆油、綿実油又はオリーブ油等の易消化性油に活性成分を加えた混合物を調製し、容量型ポンプによりゼラチンに注入し、活性成分100mgを含有するソフトゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し、乾燥する。
【0113】
1錠当たり活性成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶セルロース275mg、澱粉11mg及びラクトース98.8mgとなるように慣用手順により多数の錠剤を製造する。口当たりをよくするため又は吸収を遅らせるために適当なコーティングを施してもよい。
【0114】
プロピレングリコール10容量%中で活性成分1.5重量%を撹拌することにより注射投与に適した非経口組成物を製造する。溶液を注射用水で希釈し、滅菌する。
【0115】
5ml当たり微粉状活性成分100mg、カルボキシメチルセルロースナトリウム100mg、安息香酸ナトリウム5mg、U.S.P.ソルビトール溶液1.0g及びバニリン0.025mlを含有するように経口投与用水性懸濁液剤を製造する。
【0116】
本発明の化合物を段階的に投与する場合又は別の治療剤と併用投与する場合には、一般に同一剤形を使用することができる。薬剤を物理的に併用投与する場合には、併用する薬剤の適合性に応じて剤形と投与経路を選択すべきである。従って、併用投与なる用語は2種類の薬剤の同時又は順次投与、あるいは2種類の活性成分の固定用量併用剤としての投与を包含する。
【0117】
本発明の化合物は単独活性成分として投与してもよいし、第2の活性成分と併用投与してもよく、第2の成分としては、Kv1.5遮断活性をもつ他の抗不整脈薬(例えばキニジン、プロパフェノン、アンバシリド、アミオダロン、フレカイニド、ソタロール、ブレチリウム、ドフェチリド、アルモカラント、ベプリジル、クロフィリウム)、Kv1.5遮断活性をもつ他の化合物(例えばクロトリマゾール、ケトコナゾール、ブピバカイン、エリスロマイシン、ベラパミル、ニフェジピン、ザテブラジン、ビスインドリルマレイミド)、又は他の心臓血管薬として限定されないが、ACE阻害剤(例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリルエルブミン、キナプリル、ラミプリル及びトランドラプリル)、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタン及びバルサルタン)、強心配糖体(例えばジゴキシン)、L型カルシウムチャネル遮断薬、T型カルシウムチャネル遮断薬、選択的及び非選択的β遮断薬、免疫抑制化合物、エンドセリンアンタゴニスト、トロンビン阻害剤、アスピリン、アスピリン以外の非選択的NSAID(例えばナプロキセン)、ワルファリン、第Xa因子阻害剤、低分子量ヘパリン、未分画ヘパリン、クロピドグレル、チクロピジン、IIb/IIIa受容体アンタゴニスト(例えばチロフィバン)、5HT受容体アンタゴニスト、インテグリン受容体アンタゴニスト、トロンボキサン受容体アンタゴニスト、TAFI阻害剤並びにP2T受容体アンタゴニストが挙げられる。本発明の化合物は単独活性成分として投与してもよいし、ペースメーカーや除細動器と併用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Aは
1)アリール環、
2)ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、ヘテロアリール環は、
a)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ5員単環式不飽和環、
b)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和環、及び
c)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9又は10員二環式飽和又は不飽和環から構成される群から選択される)、
3)C−C10シクロアルキル環(ここで、安定な任意環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)、並びに
4)N、O及びSから構成される群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子環原子をもつ4〜6員飽和複素環から構成される群から選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及び飽和複素環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、ヘテロアリール又は複素環の安定な任意S又はN環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
Dは
1)アリール環、又は
2)ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子又は窒素原子であり、ヘテロアリール環は、
a)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ5員単環式不飽和環、
b)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和環、及び
c)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9又は10員二環式不飽和環から構成される群から選択される)であり、
前記アリール又はヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、安定な任意S又はNヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
E及びJは
1)アリール環(ここで、安定な任意アリール環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)、
2)ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子又は窒素原子であり、ヘテロアリール環は、
a)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ5員単環式不飽和環、
b)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和環、及び
c)N、O又はSから構成される群から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9又は10員二環式不飽和環から構成される群から選択される)、
3)C−C10シクロアルキル環(ここで、安定な任意環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)、並びに
4)N、O及びSから構成される群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子環原子をもつ4〜6員飽和複素環(ここで、安定な任意環原子は独立して置換されていないか又はRから選択される基で置換されている)から構成される群から独立して選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及び飽和複素環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、ヘテロアリール又は複素環の安定な任意S又はN環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
は出現時毎に、
1)水素、
2)C−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)複素環、
6)C−C10シクロアルキル、
7)OR、及び
8)CHOR
から構成される群から独立して選択され、
前記アルキル、アリール、複素環及びシクロアルキルは置換されていないか又はRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されており;
は出現時毎に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR=C(R
6)C≡CR
7)(CROR
8)(CRN(R
9)(CRC(O)R
10)(CRC(O)OR
11)(CR
12)(CRS(O)
13)(CRS(O)N(R
14)OS(O)
15)N(R)C(O)R
16)N(R)S(O)
17)(CRN(R)R
18)(CRN(R)(CRC(O)N(R
19)(CRN(R)(CRC(O)OR
20)N(R)(CR
21)N(R)(CRN(R
22)(CRC(O)N(R
23)(CRC(O)NH(CR
24)(CRC(O)NHC(R(CRN(R及び
25)C(O)NH(CR)(CR
から構成される群から独立して選択され;
は出現時毎に、
1)水素、
2)非置換又は置換のC−Cアルキル、
3)非置換又は置換のC−C10シクロアルキル、
4)非置換又は置換のアリール、
5)非置換又は置換の複素環、
6)CF
7)非置換又は置換のC−Cアルケニル、及び
8)非置換又は置換のC−Cアルキニル
から構成される群から独立して選択され、
あるいはRがRでジ置換された窒素原子と結合している場合には、各RはC−Cアルキルから独立して選択され、窒素原子は各Rと一緒になって環を形成し;
は出現時毎に、
1)水素、
2)非置換又は置換のC−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)オキソ、
5)OR
6)CF
7)非置換又は置換のアリール、
8)非置換又は置換のC−C10シクロアルキル、
9)非置換又は置換の複素環、
10)S(O)N(R
11)C(O)OR
12)C(O)R
13)CN、
14)C(O)N(R
15)N(R)C(O)R
16)N(R)C(O)OR
17)N(R)C(O)N(R
18)OC(O)N(R
19)S(O)
20)OS(O)
21)NO
22)N(R
23)SC(O)R、及び
24)N(R)S(O)
から構成される群から独立して選択され;
mは独立して0、1又は2であり;
nは出現時毎に独立して0、1、2、3、4、5又は6から選択される]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩もしくは光学異性体。
【請求項2】
Aがアリール環又はN、OもしくはSから構成される群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又は不飽和ヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、安定な任意S又はNヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
Dがアリール環又はN、OもしくはSから構成される群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子環原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又はヘテロアリール環は置換されていないか、Rでモノ置換されているか、Rから独立して選択される基でジ置換されているか、Rから独立して選択される基でトリ置換されているか、又はRから独立して選択される基でテトラ置換されており、安定な任意S又はNヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
が出現毎に独立して選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩又はその光学異性体。
【請求項3】
Aがアリール環又は1個のN原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又は不飽和ヘテロアリール環は置換されていないか又はRでモノ置換されており;
Dがアリール環又は1個のN原子をもつ6員単環式不飽和ヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記アリール環又はヘテロアリール環は置換されていないか又はRでモノ置換されており;
が出現毎に独立して選択される請求項2に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩又はその光学異性体。
【請求項4】
Aが
【化2】

から構成される群から選択され、及び、
Dが
【化3】

から構成される群から選択され;
上記式中、Rは水素、F、Br、Cl、CN、OH、−OCH、−OCHCH、−SCH及び−SOCHから構成される群から独立して選択される請求項3に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩又はその光学異性体。
【請求項5】
Eが
1)アリール環、及び
2)5又は6員ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、ヘテロアリール環はN及びSから構成される群から選択される1又は2個のヘテロ原子環原子をもつ)から構成される群から選択され、
前記アリール又はヘテロアリール環Eは置換されていないか、Rでモノ置換されているか、又はRから独立して選択される基でジ置換されており、安定な任意N又はSヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
Jが
1)アリール環、及び
2)5又は6員ヘテロアリール環(ここで、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、ヘテロアリール環はN及びSから構成される群から選択される1又は2個のヘテロ原子環原子をもつ)から構成される群から選択され、
前記アリール又はヘテロアリール環Jは置換されていないか、Rでモノ置換されているか、又はRから独立して選択される基でジ置換されており、安定な任意N又はSヘテロアリール環原子は置換されていないか又はオキソで置換されており;
が出現毎に独立して選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩又はその光学異性体。
【請求項6】
Eが
【化4】

から構成される群から選択され、及び、
Jが
【化5】

から構成される群から選択され;
上記式中、Rは水素、F、Cl、CN、−CF、−CH、−OCH、−OCHCH、−SCH、−S(O)CH、−SOCH、NH、NHCH、NHSOCH、NHC(O)OCH、及びNHC(O)OC(CHから構成される群から独立して選択される請求項5に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩又はその光学異性体。
【請求項7】
N−ベンズヒドリル−N−ピリジン−2−イルピリジン−2−アミン、
N−(ジフェニルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
N−[(4−フルオロフェニル)(ピリジン−2−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−フェニルアニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−フェニルピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド、
N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド、
N−フェニル−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−3−アミン、
N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン、
{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル、
3,3−{[(3−クロロフェニル)(フェニル)アミノ]メチレン}ジピリジン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−n−ピリジン−3−イルピリジン−2,6−ジアミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−n−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン、
{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル、
N−(3−クロロフェニル)−n−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン、
3−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル、
3,3−{[(6−クロロピリジン−2−イル)(フェニル)アミノ]メチレン}ジピリジン、
2−アミノ−6−[(ジピリジニウム−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−2−(メチルチオ)−N−ピリジン−3−イルピリミジン−4−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−2−(メチルスルフィニル)−N−ピリジン−3−イルピリミジン−4−アミン、
N−{6−[[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−アミン、
6−クロロ−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン、
N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド、
{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2,6−ジアミン、
−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリミジン−2,4−ジアミン、
N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド、
−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン、
{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2,6−ジアミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−フェニルピリジン−2−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−フェニルピリジン−2−アミン、
{6−[{ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸メチル、
N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}尿素、
3,3−{[{6−[(メトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−2−イル(フェニル)アミノ]メチレン}ジピリジン、
N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(フェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}尿素、
6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イルカルバミン酸メチル、
6−メトキシ−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン、
N−{6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(4−フルオロフェニル)アミノ]ピリジン−2−イル}尿素、
N−(3−クロロフェニル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン、
N−[ビス(2−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−6−クロロ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−メトキシ−N−フェニルアニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリジン−2−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリジン−3−アミン、
3−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル、
N−[ビス(2−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2,6−ジアミン、
4−[(ジピリジン−3−イルメチル)(ピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
3−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−2−オール、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)−N’−メチルピリジン−2,6−ジアミン、
4−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−エトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(6−エトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリジン−3−アミン、
−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−ピリジン−3−イルピリジン−2,5−ジアミン、
4−[(6−クロロピリジン−3−イル)(ジピリジン−3−イルメチル)アミノ]ベンゾニトリル、
4−[[(2−フルオロピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル、
3,3−{[{6−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−2−イル}(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジピリジン、
3,3−{[(6−アミノピリジン−2−イル)(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジピリジン、
4−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル、
4−[(6−アミノピリジン−3−イル)(ジピリジン−3−イルメチル)アミノ]ベンゾニトリル、
4,4−{[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル、
6−[(ジピリジン−3−イルメチル)(6−エトキシピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル、
4,4−{[(6−アミノピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル、
3,3−{[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル、
6−クロロ−N−[(2−フルオロピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2−アミン、
3−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(6−メトキシピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−2−オール、
3,3−{[(6−アミノピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ]メチレン}ジベンゾニトリル、
N−[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
6−クロロ−N−[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン、
{6−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル、
N−[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2,6−ジアミン、
{6−[[(4−シアノフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル、
4−[[(6−アミノピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル、
4−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ベンゾニトリル、
3−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリミジン−5−イル)アミノ](1,6−ジヒドロピリジニウム−3−イル)メチル]−1,2−ジヒドロピリジン、
N−[(4−フルオロフェニル)(6−メトキシピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
N−{6−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド、
3−[[(6−クロロピリジン−2−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル、
N−{6−[[(3−シアノフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}メタンスルホンアミド、
N−[(4−ブロモフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
4−[(ジピリジン−3−イルアミノ)(ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル、
N−[(6−エトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
N−[(4−クロロフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル]−6−メトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
4−[[(6−メトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル、
N−[(4−クロロフェニル)(ピリジン−3−イル)メチル]−6−エトキシ−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
4−[[(6−エトキシピリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)アミノ](ピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル、
4−[(ジピリジン−3−イルアミノ)(6−メトキシピリジン−3−イル)メチル]ベンゾニトリル、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルチオ)−N−フェニルアニリン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メトキシ−N−[3−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルホニル)−N−フェニルアニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルフィニル)−N−フェニルアニリン、
N−[3−(メチルチオ)フェニル]−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−3−アミン、
N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−N−[フェニル(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン−3−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−3−(メチルチオ)アニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−3−(メチルスルホニル)アニリン、
6−クロロ−N−[[3−(メチルスルホニル)フェニル](ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2−アミン、
N−{(6−クロロピリジン−3−イル)[3−(メチルチオ)フェニル]メチル}−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
N−{(6−クロロピリジン−3−イル)[3−(メチルスルホニル)フェニル]メチル}−N−ピリジン−3−イルピリジン−3−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン、
3,5−ジクロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−6−メチル−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−3−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2−(メチルスルホニル)アニリン、
(6−{(ジピリジン−3−イルメチル)[3−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}ピリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2,6−ジアミン、
6−[[[3−(メチルスルホニル)フェニル](ピリジン−3−イル)メチル](ピリジン−3−イル)アミノ]ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル、
N−[[3−(メチルスルホニル)フェニル](ピリジン−3−イル)メチル]−N−ピリジン−3−イルピリジン−2,6−ジアミン、
2−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−4−アミン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン、
N−(4−クロロフェニル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルホニル)アニリン、
3−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−3−(メチルスルホニル)−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン、
3−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン、
4−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アニリン、
N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[4−(メチルチオ)フェニル]ピリジン−3−アミン、
6−クロロ−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−[5−(メチルスルホニル)−3−チエニル]ピリジン−3−アミン、及び
N−(3−クロロフェニル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−5−(メチルスルホニル)チオフェン−3−アミン
から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
心不整脈又は血栓塞栓イベントの治療用医薬の製造における請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項9】
医薬的に許容可能なキャリヤーと、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な結晶形態もしくは水和物を含有する医薬製剤。

【公表番号】特表2009−525332(P2009−525332A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553279(P2008−553279)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/002338
【国際公開番号】WO2007/089679
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】