説明

カルボキシル化されたラテックス粒子

本発明は、モノアルケニル芳香族モノマー(A)および脂肪族不飽和カルボン酸(B)の共重合に基づき、該共重合がpH>1.5〜pH<4.5の範囲内のpHで起こるカルボキシル化されたラテックス粒子の調製方法に関する。pHは、好ましくは、共重合過程中モニターされ、適当な補償滴定によって調節される。同様に、本発明は、本発明による方法の1つによって得られ得るカルボキシル化されたラテックス粒子、および免疫学的試験方法におけるこれらの粒子の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(説明)
本発明は、モノアルケニル芳香族モノマー(A)および脂肪族不飽和カルボン酸(B)の共重合に基づき、該共重合がpH>1.5〜pH<4.5の範囲内のpHで起こるカルボキシル化されたラテックス粒子の調製方法に関する。pHは、好ましくは、共重合過程中モニターされ、適当な補償(compensatory)滴定によって調節される。同様に、本発明は、本発明による方法の1つによって得られ得るカルボキシル化されたラテックス粒子、および免疫学的試験方法におけるこれらの粒子の使用に関する。
【0002】
表面修飾ラテックスは、40年以上にわたって、例えば、診断試験における支持体物質、とりわけ、酵素固定化のためなどの多くの生物医学適用分野において使用されている。Singer, J.M.およびPlotz, C.M. (American Journal of Medicine 21 (1956) 888-896)は、1956年というずっと以前に、均一なイムノアッセイの開発においてラテックス粒子を使用した。
【0003】
アミン化されたラテックス粒子の他に、主に生物医学的適用での出発材料として使用されるラテックスは、表面上が、例えば、カルボキシル、エポキシドまたはヒドロキシ基によって官能化(functionalize)されている。例えば、特異的抗体などの生体高分子は、受動コーティング(吸着)によって、または共有結合によって直接もしくは例えば、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの活性化試薬の補助により、のいずれかによってこれらのラテックス粒子に連結される。
【0004】
ラテックス粒子の調製のための多くの方法が当該技術分野で知られている。
【0005】
例えば、Roncari, G. (US 4,226,747)は、主にスチレンおよびブタジエンからなり、ラテックス表面上のアニリルスルホ基によって特徴付けられるラテックスの調製方法を記載している。使用されるコモノマーは、メタリルスルホン酸ナトリウム、アクリル酸およびイタコン酸である。得られたラテックスを、水中のジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、水中の塩化α,α'-アゾビスイソブチラミジニウムおよびスチレン中のp,p'-ジチオビスアニリンと反応させる。
【0006】
Yaacoub, E.J. (DE 102 04 234)の出願は、フリーラジカル重合を行い得る基で置換され、界面活性剤特性を有する少なくとも1種類の炭水化物または炭水化物誘導体を用いて調製されたポリマーラテックスに関する。この方法によって調製されたポリマーラテックスは、好ましくは、コモノマーとしてスチレンおよびメタクリル酸メチルを含む。これらのラテックス粒子は、化粧、臨床または診断適用において使用され得る。
【0007】
Bowell, S.T. et al. (US 2,734,883)は、ペルオキソ開始剤の分解によって生じる酸にもかかわらず、pHが9.7以上に維持されるようなアルカリの連続的または断続的な添加によって、スチレンおよびブタジエンの乳化共重合中のpHの減少を妨げた。
【0008】
Gasche, H.E. et al. (US 2003/0153678)では、ラテックスのバッチ重合において開始剤の添加前、pHは、9〜11のpHに調整され、反応中、±0.5を超えてはずれないようにモニターされる。
【0009】
Sturt, A.G.およびFeast, A.A.J.によって出願されたポリブタジエンラテックスの重合方法(DE 2 103 610)では、エマルジョン安定エマルジョン条件を確実にするため、pHを15%変換までモニターする。
【0010】
Takahashi, A., et al. (JP 61166813)の多段階方法において耐衝撃性ニトリルポリマーを調製するため、バッチ式で行なわれる第1の共重合ではpHは5未満に調整され、第2の半連続的段階の前にpHを3に低下させる。
【0011】
安定なラテックスの調製のためのさらなる方法は、Sun-Lin, C. et al.によって記載された(EP 0 476 528)。ラテックスの重合は、最初は、3.5未満のpHで表面活性リン酸エステルの存在下で行なわれる。次いで、アンモニア溶液の添加によりラテックス粒子を7〜10.5のpHに調整する。
【0012】
Meiners, C. et al.の特許出願(DE 102 36 395)では、バッチエマルジョン重合において水性ポリマー分散液を得、好ましくは、錆止め塗料として使用する。この場合、エマルジョンは、水性水酸化アンモニウム溶液により4.5以上、好ましくは5〜7のpHに調整される。
【0013】
Brewer, J.F. (US 3,032,524)は、ラテックスのpHを正確に調整するための方法を開発した。この場合、pHは、調製プロセス中、二酸化炭素によって±0.1pH単位の許容誤差で所望のpHに正確に調整される。この目的のため、二酸化炭素を反応器内に供給し、インペラー攪拌機によって微細に分布させる。
【0014】
診断目的のためのカルボキシル化されたラテックス粒子の使用を含むラテックス粒子の使用は、原則的に公知である。したがって、1959 年のFisk, R.T. (US 3,088,875)には、体液中の抗原または抗体を診断することが意図された免疫学的試験が記載されている。純粋なポリスチレンラテックスが支持体物質として使用された。これらは、Monsanto Chemical CompanyまたはKoppers Company Inc.によって製造された150〜200nmの粒径を有する公知のラテックスであった。ラテックス粒子は、ラテックス粒子の凝集によりヒト血清中のいわゆるリウマチ因子(RF)、19-Sγ-Mタンパク質(今では、クラスM免疫グロブリンと呼ばれる)を検出するために、7-Sγ-Gグロブリン(今では、クラスG免疫グロブリンと呼ばれる) でコートされた。RFは、コートされた免疫グロブリンGに結合する。これにより、ラテックス粒子の凝集がもたらされる。
【0015】
表面がエポキシ基によって官能化されたラテックスは、Batz、H.G. et al.によって調製された(EP 0 054 685)。このラテックスは、生物学的および/または免疫学的に活性な物質が直接、またはカップリング剤を介して共有結合する支持体物質として使用される。メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、グリシジルビニルエーテル、フタル酸ビニルグリシジルおよび3,4-エポキシブタ(1)エンの1種類以上のモノマーが、エポキシド基含有モノマーとして使用される。これ/これらは、例えば、スチレン、ジエン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびアミノアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、ビニルエーテル、ビニルエステルまたはN-ビニルピロリドンと共重合される。
【0016】
Seksui Chemical Co. Ltd.による特許出願(JP 59179609)は、抗原および抗体の診断用のラテックスの調製に関し、重合中、pHは変化する。この場合、水中のスチレンおよびスルホン酸スチレンを、乳化剤および開始剤としての過硫酸塩と混合し、最初にアルカリ性条件下で、続いて酸性または中性条件下で重合する。
【0017】
Miraballes-Martinez, I. et al.による刊行物(J. Biomater. Sci. Polymer Edn. 8 (1997) 765-777)には、表面がクロロメチル基によって官能化され、免疫グロブリン G (IgG)の共有結合カップリングに適したラテックスの調製が記載されている。この場合、クロロメチル-スチレンラテックスがバッチ反応器内で2段階プロセスで調製された。この刊行物で行なわれた実験は、このようにして得られたIgG-ラテックスが免疫診断試験における適用のために使用され得ることを示した。
【0018】
官能化されたラテックス、主にカルボキシル化されたラテックスは、Hager, H.による特許(US 3,857,931)の方法において使用される。
【0019】
DE 27 12 044において、Beskid, G.およびSavard, E.V.は、血清学的試験のためのラテックス粒子への抗体、抗原性物質または他の生物学的材料のカップリングを記載している。この方法による精製ラテックス粒子に、水溶性カルボジイミドを用いてStreptococcus A群抗原をコンジュゲートさせる。
【0020】
Focella, A., et al. (DE 27 23 449)には、カルボキシル化されたラテックスに基づき、バルビツレートを検出することができる凝集試験が記載されている。
【0021】
Fischer, E.A. (DE 28 40 767)は、例えば、第1級アミン、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、リポ-および糖タンパク質、ステロール、ステロイド、リポイド、核酸、酵素、ホルモン、ビタミン、多糖類およびアルカロイドなどの免疫学的に活性な物質がカップリングされ得る型のカルボキシル化されたラテックス支持粒子を取り扱う。典型的な適当なラテックスは、これによれば、カルボキシル化されたスチレン-ブタジエン、カルボキシル化されたポリスチレン、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、アクリロニトリルポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリ酢酸ビニル-アクリレート、ポリビニルピリジン、塩化ビニル-アクリルレートなどである。
【0022】
Fischer, E.A.によるさらなる特許(US 4,264,766)には、カルボキシル化されたスチレン-ブタジエンラテックス(Dow CL 241)が1-アミノ-2-ヒドロキシプロピル-デキストランにより活性化され、試験のためにさらに処理される免疫学的試験の開発が記載されている。
【0023】
Gallati, H. (DE 27 49 956)では、免疫学的試薬、例えば、HCG (ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が結合されるカルボキシル化されたスチレン-ブタジエンラテックスが使用された。
【0024】
上記に説明したように、ラテックス粒子は、原則的に、診断試験方法において使用され得る。しかしながら、診断における使用のためのラテックスの特徴に対する要望が非常に大きい。特に、感度のよい免疫診断方法にとって、使用されるラテックス粒子がその大きさに関して、および/またはその表面特性に関して、特に、電荷分布および電荷密度に関して充分に特徴付けられ得、再現可能に調製され得ることは非常に重要である。
【0025】
カルボキシル化されたラテックス粒子の規定された再現可能な調製、したがって、表面上に規定された電荷分布を有するカルボキシル化されたラテックス粒子の利用可能性は、先行技術の方法では困難である。
【0026】
したがって、本発明の目的は、先行技術から知られた不都合点を排除するのを補助する方法を確立すること、および例えば免疫学的試験方法に有利に使用され得るカルボキシル化されたラテックス粒子を提供するすることであった。
【0027】
驚くべくことに、モノアルケニル芳香族モノマー(A)および脂肪族不飽和カルボン酸(B)の共重合に基づき、該共重合がpH>1.5〜pH<4.5の範囲のpHで起こり、該pHが、好ましくは共重合プロセス中モニターされ、適当な補償滴定によって調節されるカルボキシル化されたラテックス粒子の調製方法が有利であることがわかった。所望の大きさおよび電荷密度を有するカルボキシル化されたラテックス粒子は、この方法において非常に再現可能に調製され得、この方法によって得られるラテックス粒子は、特別な利点および特性を示す。
【0028】
(発明の詳細な説明)
第1の好ましい態様において、本出願は、モノアルケニル芳香族モノマー(A)および脂肪族不飽和カルボン酸(B)の共重合に基づき、共重合がpH>1.5〜pH<4.5の範囲の一定pHで起こるカルボキシル化されたラテックス粒子の調製方法に関する。pHは、好ましくは共重合プロセス中モニターされ、適当な補償滴定によって調節される。共重合混合物のpHのモニタリングおよび補償滴定は連続的に行なうことが好ましい。pH調節は連続的に自動的に行なうことがさらに好ましい。本発明による方法の強酸性pH条件下では、ラテックス粒子のカルボキシル官能基の電荷密度を、再現可能で標的化された様式で制御することが可能である。
【0029】
さらに好ましい態様では、共重合はpH2.0以上pH4.0未満のpHで起こる。
【0030】
「共重合」では、2種類以上のモノマーが一緒に同時に重合され、得られるコポリマーは、構成モノマーで構成される。コポリマーの特性は、モノマーの組合せおよび反応性ならびにモノマーの割合および反応の管理に依存する。共重合は、原則的に連続的、半連続的およびバッチ式で操作される反応器内で不均一系および均一系で行なわれ得る。これにより、種々の特性を有するコポリマーが作製され得る。3種類以上の異なるモノマーで構成されたコポリマー(三元または四元コポリマーなど)が存在するが、好ましくは、3種類以下の異なる重合可能なモノマーが使用される。
【0031】
シード(seed)重合は、特に、非常に狭い粒径分布を有するラテックス、ならびに1種類より多くの型のモノマーおよび個々のラテックス粒子内での規定の微小構造で構成されたラテックスを調製するために使用される特別な乳化重合方法である。これは、重合されるモノマーを、シードラテックスと呼ばれる均一な粒径分布のラテックス粒子の分散液に添加することにより行なわれる。モノマーは、シードラテックス粒子中に均一に拡散し、内部で重合される。シード重合の特別な場合では、エマルジョン中に存在する乳化剤の濃度は、臨界ミセル濃度(CMC)内に維持される。そうしなければ、新たに生成されるずっと小さいラテックス粒子が、より大きく広がった粒径分布をもたらし得る。シード重合は、Smith, W.V.およびEwart, R.H. (Journal of Chemical Physics 16 (1948) 592-599)のモデルによると、乳化重合の第II相およびIII相に相当する。乳化重合の粒子形成相(I)は、シードラテックス粒子の存在のため、余剰である。
【0032】
1950年以来、シード重合における粒子成長の理論に関する数多くの刊行物が発行されている(とりわけ、Poehlein, G.W.およびVanderhoff, J.W., J. Polymer Sci. 11 (1973) 447-452; Feeney, P.J., Napper, D.H., Gilbert, R.G., J. Colloid Interface Sci. 118 (1987) 493-505)。Smith-Ewart理論に基づくラテックス調製の理論的記載は、粒径分布に対する種々の因子の影響を取り扱う。PoehleinおよびVanderhoffには、例えば、より狭い粒径分布をもたらす「競合的成長」が記載されている。これに関連して、彼らは、比表面積の差により、モノマーがより小さい粒子内に拡散する可能性が大きいため、より小さい粒子のシードラテックスが大きい粒子のものより速く成長すると仮定した。
【0033】
より大きな粒径を有する単分散ラテックスは、通常、段階的な重合を行なうことにより調製される。これは、最初に第1のシードラテックスを適当な重合によって調製することを伴う。次いで、これらのシードラテックス粒子を、その後の(シード)重合で出発材料として使用する。このようにして、非常に狭い粒径分布を有するラテックスを調製することが可能である。かかる重合は、しばしばバッチ重合として行なわれ、モノマーがシード粒子内に侵入する速度、ラテックス粒子中のフリーラジカルの平均数および体積成長速度は、粒径分布に対する影響に決定的である。例えばスチレン-ブタジエンゴムなどの特定の大きさ分布を有するラテックスの工業的調製では、しばしば、シード重合が使用され、反応は、半連続的または半バッチ式で管理される。
【0034】
半バッチ式乳化重合は、目的が水性分散液を得ることである場合、工業的に好ましく使用される。この目的のため、2つの異なるいわゆる供給方法、モノマー供給およびエマルジョン供給が使用される。
【0035】
モノマー供給では、最初の投入物は、水、乳化剤および開始剤、ならびに通常、少量割合のモノマーを含み、残りのモノマーおよび、ことによると開始剤も重合中に添加される。
【0036】
エマルジョン供給では、例えば、最初の投入物は、一部のエマルジョンを含み、反応が開始した後、最初に投入したエマルジョンと組成が異なり得る残りのモノマーエマルジョンを反応器内に計量しながら供給(meter)する。
【0037】
反応の半バッチ式管理の利点は、重合速度および放熱が、供給速度によって制御され得、未反応モノマーの濃度が低く維持され得、反応混合物が低温供給物により冷却され得ることである。反応性が異なる2種類のモノマーの共重合において均一なポリマーを作製するため、最初の投入物が、よりゆっくり重合する過剰モノマーを含み、より反応性モノマーに供給すること、またはモノマー組成を供給中に調整することのいずれかが可能である(Chujo, K., et al., J. Polymer Sci. 27 (1969) 321-332;


コポリマー組成を制御するため、必要な時間依存的に計量しながら供給する速度を設定するために、種々のモノマーを分配するストラテジーを開発し、定量した(Hamielec, A.E., et al., Compr. Polym. Sci 3 (1989) 17-31)。したがって、適当な供給条件によって、ラテックスの全体的な組成を改変することなく、重合度、粒径および粒径分布を変更することが可能である。供給速度があまり高くない場合、Krackeler, J.J.およびNaidus, H., J. Polymer Sci. 27 (1969) 207-235によると、準定常状態が、Smith-Ewart機構に従う(comply which)モノマーについて設定される、すなわち、新たな粒子の形成はモノマー計量しながら供給中は起こらず、正味の反応速度Rおよび供給速度Fはほぼ同一であり、Rは供給速度のみに依存する (Wessling, R.A., J., Applied Polymer Science 12 (1968) 309-319)。この場合、モノマー濃度[M]は、飽和濃度未満の値とみなし、供給期間中、わずかに変化する。
【0038】
この場合、反応速度R [mol/s]およびモノマーを計量しながら供給する速度F [mol/s]は、以下の等式Iによって示され得る。

【0039】
このとき、定数Gは、粒子あたりのフリーラジカルの平均数、粒子数、成長速度定数、反応係数およびラテックスと水相間のモノマーの分配係数に依存する。
【0040】
半バッチ式重合の時間変換プロットは広い範囲にわたって線形であり、実質的に一定の重合速度が反応時間にわたって維持されるため、ポリマーのモル質量分布または組成は均一となる

【0041】
共重合を、いわゆる「飢餓(starved)条件」下で制御された様式で進行させることが重要で好ましい。
【0042】
コア-シェル原理に従って本発明によりカルボキシル化されたラテックス粒子を構築することが、特に有利であることが示された。この方法では、最初の投入物は、コアまたはシードラテックスを含み、所望の特性を有するシェルは、このシードラテックス上での共重合によって調製される。原則的に、シードラテックスとしては、すべてのラテックス粒子が適する。シードラテックスは、使用される試薬との共有結合に関与し、カルボキシル化されたシェルを構築し得ることが好ましい。好ましく使用されるシードラテックスは、ポリスチレン混合ラテックスまたは純粋なポリスチレンラテックスである。当業者は、創意に富む工程なく適当なシードラテックスを選択し得る。当業者は、シードラテックス粒子大きさおよび濃度から、所望のシェルを形成するのに必要とされるモノアルケニル芳香族モノマーの量を計算し得る。脂肪族不飽和カルボン酸の量は、その比例的な量がこの状況では無視してよいため、該計算および粒径の調整において無視され得る。
【0043】
粒子の最終の大きさまたは目標とする大きさは、実質的にシードラテックス粒子の数および大きさならびに存在するモノアルケニル芳香族モノマーの量に依存する。粒径、目標分子、目標ラテックスの重量およびシードラテックスの重量間の関係は、式II:
式II:
DT = DS×(wtot/wseed)1/3
(式中:
*DT =目標ラテックスの平均直径
*DS = シードラテックスの平均直径(平均)
*wtot = wseed + wmonomer(g)
*wseed =使用されるシードラテックスの重量(g)
*monomer = 使用されるモノマーの重量(g))
で表される。
【0044】
したがって、シード粒子の数(量)および大きさは、最終生成物の特定の目標粒径を達成するのに必要なモノマーの量を特定する。
【0045】
段階的な重合のための混合物は、通常、目標とするラテックスが、およそ3〜30%濃度の懸濁液となるように選択される。条件は、好ましくは、目標とするラテックスが5〜20%濃度の懸濁液の形態になるように選択される。
【0046】
モノアルケニル芳香族モノマー(A)は、典型的には、スチレン、α-メチルスチレンまたはビニルトルエンである。好ましいモノアルケニル芳香族モノマーは、スチレンおよびα-メチルスチレンである。必要であれば、本発明による方法において、2種類以上のモノアルケニル芳香族モノマーの混合物を用いることも可能である。しかしながら、好ましくは、これらのモノマーの2種類以下が混合される。スチレンは、好ましくはモノアルケニル芳香族モノマーとして使用される。
【0047】
脂肪族不飽和カルボン酸(B)は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸または無水マレイン酸である。必要であれば、本発明による方法において、2種類以上の脂肪族不飽和カルボン酸の混合物を用いることも可能である。しかしながら、好ましくは、これらの脂肪族不飽和カルボン酸の2種類以下が使用される。脂肪族不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸およびイタコン酸からなる群より選択されることがさらに好ましい。アクリル酸は好ましい脂肪族不飽和カルボン酸である。
【0048】
ラテックス粒子を調製するための多くの方法では、共重合に使用される種々のモノマーを別々に反応混合物に添加することが必要である。本発明による方法のさらなる利点は、モノアルケニル芳香族モノマー(A)および脂肪族不飽和カルボン酸(B)を、(B)が(A)に溶解するような様式で互いに調和させ得ることである。したがって、脂肪族不飽和カルボン酸(B)は、好ましくはモノアルケニル芳香族モノマー(A)に溶解され、本発明による方法では、(A)および(B)の混合物が反応混合物に供給される。
【0049】
記載のように、カルボキシル化されたラテックス粒子を調製するための本発明による方法を強酸性pHで進行させること、および反応中、このpHを連続的に測定し、一定に維持することが特に有利である。また、反応条件の所望のpHを目標(target)pHと呼ぶ。本明細書に記載の本発明の状況において選択される反応条件のための一定pHは、所望の目標pHからの共重合混合物のpHの偏差が、pH 0.3以下になる場合に存在する。さらに、本発明による方法にとって、共重合混合物のpHが目標pHからpH 0.3より大きくずれないことが有利であることがわかった。したがって、本発明による方法は、好ましくは、共重合混合物のpHが、目標pHから最大で±pH 0.3ずれることを特徴とする。本発明による方法は、さらに好ましくは、共重合混合物のpHが、目標pHから最大で±pH 0.2または、さらに好ましくは、最大で±pH 0.1ずれることを特徴とする。
【0050】
原則的に、任意の適当なアルカリ性溶液を用いてpHを調整することが可能である。好適に使用されるpH調整試薬は、アルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩または水酸化物の水溶液である。
【0051】
先行技術において認識されるように、ラテックス粒子(の形成)の乏しい溶解性についての課題に対処するために様々な可能性がある。本発明の方法において、共重合は水性エマルジョン中で行なわれることが適切であると実証されている。従って、さらに好ましい態様において、本発明の方法は、共重合が水性エマルジョン中で起こることを特徴とする。さらに好ましくは、この共重合は乳化剤の非存在下で起こり得る。
【0052】
ラテックス粒子の生成を特徴とする(共)重合反応は、種々の因子によって開始され得る。特に、γ線およびフリーラジカルを放出する試薬が当該分野に公知である。適当な条件下でフリーラジカルを形成する試薬の使用は、本発明に従って好適である。通常、過酸化物系フリーラジカル形成剤が用いられる。好ましくは、水溶性過酸化物、特に過硫酸塩および過酸化物、例えば過硫酸ナトリウムまたは過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素等が用いられる。
【0053】
本発明の方法により作製され得るカルボキシル化されたラテックス粒子は、これらの粒子表面の電荷密度が目標とされる方法で前もって決定され、再生され得るという事実によっても特に卓越している。電荷密度は原子間力顕微鏡(AFM)により確認される(Tan, S., et al., Langmuir 21 (2005) 43-49)。いわゆるパーキングエリア(parking area)とは、電荷密度の基準として述べられる。例えば、パーキングエリアとは、本発明のカルボキシル化されたラテックス粒子に関して、ラテックス表面上のカルボキシル基によって占められる平均面積を示す。
【0054】
本発明の方法において、実施例3に示すように、反応パラメーターの適当な選択により、特定の、所望の電荷密度を調整することが可能である。本発明の方法により好ましく作製されるカルボキシル化されたラテックス粒子は、10〜160(10-10 m)2、なおも好ましくは20〜130(10-10 m)2、またはさらに好ましくは30〜120(10-10 m)2の平均パーキングエリアを有する。
【0055】
パーキングエリアは、経験的に調整されるだけでなく、式IIIにより前もって計算されることも可能である。
式III:
y = axb
【0056】
関数のy軸は、パーキングエリア、単位(10-10 m)2を示し、x軸は、配合物において設定されたアクリル酸濃度、単位10-1 mol/lを表す。この値は、計量しながら供給している間に達成されるエマルジョン中のアクリル酸の総濃度に相当する。
【0057】
pH = 2の場合:y = 15.99x-0.9805
pH = 3の場合:y = 41.065x-0.4706
pH = 4の場合:y = 51.061x-0.4922
【0058】
式IIIのaおよびbの値は、各々の共重合混合物について、各々のpHで経験的に確かめられ得る。好ましくは、電荷密度は、本発明の方法において式IIIに従い設定される。
【0059】
本発明のカルボキシル化されたラテックス粒子は、正確に規定された電荷密度を有するため、診断方法での使用に極めて特別に適している。規定された電荷密度は、カルボキシル化されたラテックス粒子が均一で、再生可能な挙動を示すという効果を有する。
【0060】
従って本発明はまた、好ましい態様において、本発明により作製されたカルボキシル化されたラテックス粒子を包含する。
【0061】
本発明の方法により作製されたカルボキシル化されたラテックス粒子は、生化学分子の共有結合に特に適している。
【0062】
カルボキシル化されたラテックスは、例えば、カップリング試薬としてカルボジイミドを用いて活性化される。生体分子は、アミド基を介してラテックスに直接結合し得るか、または活性エステルを介して結合し得る。この結合に使用されるカップリング試薬は、好ましくは水溶性カルボジイミド(WSC)である。以下の市販の水溶性カルボジイミド:1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミドメト-p-トルエンスルホン酸および塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドは、特に生体分子の活性化およびカルボキシル化されたラテックス粒子へのカップリングに適している。これらのカップリング剤は、アミド基を介して、生体分子の直接結合に使用され得る。しかしながら、同様に、遊離カルボキシル官能基を、まず活性エステルに転換し、それによりこの活性エステル(例えば、O-アシル尿素中間体)を介したカップリングを行なわせることが可能である。両方の手順を以下に模式的に記載する。
【0063】
a) カルボキシル化されたラテックスへの直接カップリング反応:


b) 活性エステルを介したカルボキシル化されたラテックスの活性化:

【0064】
活性エステルを介したカップリングの利点の一つは、抗原または抗体がラテックスとカップリングする前に、カルボジイミドを除去することができ、それにより免疫試験に何の影響も出ないということである。
【0065】
好適な生体分子は、従来の診断試験法に使用される全ての分子である。特に好ましくは、核酸、ペプチド、およびタンパク質が挙げられる。しかし、例えばハプテン、脂質、または多糖類等の他の生体分子を都合よく用いることも可能である。
【0066】
好ましい生体分子は、タンパク質群、特に、さらなる生体分子に対する良好な結合パートナーであるタンパク質由来のものであり、この点について、レクチン、アビジン、ストレプトアビジンおよび抗体が極めて特に好適である。
【0067】
用語「抗体」とは、完全な免疫グロブリンの他に、全ての抗体断片も意味する。これらとしては、例えば、Fab、Fab'またはF(ab')2断片が挙げられる。「モノクローナル」または「ポリクローナル」を付けない用語の抗体には、常にその両方の型の抗体に加えて、キメラ構築物および上に挙げた全ての断片が含まれる。
【0068】
本発明のカルボキシル化されたラテックスへの生体分子の結合後は、当業者は生体分子-ラテックスコンジュゲート、または略してラテックスコンジュゲートと呼ぶ。本発明のカルボキシル化されたラテックス粒子を主体とするラテックスコンジュゲートは、本発明のさらに好ましい態様となる。
【0069】
本発明のカルボキシル化されたラテックス粒子を主体とするラテックスコンジュゲートは、免疫診断試験法に特に都合よく使用される。かかる試験法の設計および手順は当業者に周知である。
【0070】
以下の実施例は、付随の請求の範囲を特徴とする本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0071】
実施例1
シードラテックス粒子(シードラテックス)の作製
完全に重合し、乳化剤により安定化されたラテックス粒子からなるシードラテックスは、エマルジョン重合により作製される。この手順は以下、例えばvan den Brinkの実験方法(M. v.d. Brink:"On-line monitoring of polymerization reactions by Raman spectroscopy, application to control of emulsion copolymerizations and copolymerization kinetics", Technische Universiteit Eindhoven, 2000)に従う。
【0072】
記載される量のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびNaHCO3を計って、1000 mlガラスビーカーに入れ、記載される量の水に攪拌して溶解する。注意して溶液に窒素を流し込む。溶液をスチレンと共に、ジャケットスターラーおよびアンカースターラーを備えた1150 mlの実験反応器に移す。反応後、混合物は一定温度に到達し、作製した開始溶液を添加する。
【0073】
反応温度80℃で、攪拌速度300 rpmでシードを作製する。
【0074】

【0075】
エマルジョン共重合において、それぞれの場合で、モノアルケニル芳香族モノマー(例えばスチレン)の1部は実施例1のシードポリマーラテックスに置き換えられる。特定の目的粒径に達するのに必要なモノマーの量は、シード中に存在する粒子の濃度および粒径により、式Iに従って決定され得る。
【0076】
実施例2
強酸性条件下におけるpH制御共重合
この方法の利点は、表面電荷が、目的pHの設定およびアクリル酸濃度の適当な選択により、特定の必要値に調整され得ることである。
【0077】
pH制御共重合を実施する一般的な手順:
使用されるスチレンは、使用前に蒸留により不安定化され、脱ミネラル水は、窒素流により脱気される。以下具体的に詳述される実施例において、スチレンを二つの部分に分け、表に示された量を(a)シードラテックスに添加した(モノマー供給)か、または(b)反応混合物に計量しながら継続的に添加した(エマルジョン供給)。何も手順を加えることなくさらなる成分を直接使用した。
【0078】
記載される量のNaHCO3を計って、1000 mlのガラスビーカーに入れ、記載される量の水に攪拌して溶解する。注意して溶液に窒素を流し込む。溶液を、シードエマルジョンおよび計量したスチレン(a)と共に、1150 mlの実験反応器に移す。反応後、混合物は72℃の一定温度に達し、調製した開始溶液が添加される。スチレン(b)およびアクリル酸を計量ポンプ(ピストンダイアグラムポンプ、Prominent Gamma 4型)により添加する。pHの調整に使用する炭酸水素ナトリウムを、散布機または定量ポンプで添加する。
【0079】
記載される量のスチレン(b)を、それに溶解したアクリル酸とともに計量して240分かけて添加する。ポリスチレンのコアおよびスチレン-アクリル酸コポリマーの殻を有し、直径約125〜135 nmの平均粒径を有するラテックスを作製する。
【0080】
反応温度72℃、攪拌速度180 rpmでラテックスを作製した。
【0081】
実施した共重合において、第二の計量添加ラインを通じて炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、記載されるpH値を設定し、調整した。
【0082】
表2は、カルボキシル化されたラテックスのpH制御共重合のための例示的な配合物の開始重量を示す。
【0083】

【0084】
実施例3
種々のカルボキシル化されたラテックスの作製
表3の半バッチ式の反応において、pHは、計量しながら供給時、それぞれpH = 2、pH = 3およびpH = 4の記載されるpH値で一定に保たれ、にパーキングエリア上に対する反応中のpHの影響が調べられた。
【0085】
pHは、モノマーを計量しながら供給の際に、散布機により継続的に計量しながら供給された炭酸水素ナトリウム溶液で調整された。NaHCO3溶液の濃度は、計量しながら供給されるアクリル酸の量に拠り、0.25〜1.15 mol/lであり、記載される実験条件下で計量しながら供給される炭酸水素ナトリウムの全量は、アクリル酸の量およびpHに拠り、2.9〜13.5 mmolである。
【0086】
pH 2では、開始剤の酸触媒による加水分解がこのpHでは無視できなくなるので、ペルオキソ二硫酸ナトリウムは240分かけてさらに計量しながら供給された。
【0087】
使用されたポリスチレンシード、および開始投入物のスチレンおよび計量しながら供給されたスチレン、連続相(脱ミネラル水)、ならびに開始剤の開始重量を表2に示す。下記の表3は、設定された特定のpHにより分解されるアクリル酸の正確な使用量に加え、得られたラテックス粒子のパーキングエリアも示す。目的ラテックス粒子の粒径は、125〜135 nmであると分かった。
【0088】

【0089】
アクリル酸の量が下がるにつれてパーキングエリアの指数関数的な増加が見られるが、計量して添加されたアクリル酸の質量は、スチレンに対して直線的に減少する。pHがpH = 4で一定に保たれた実験において、一定pH = 3の場合とは対照的に、より少ない量のアクリル酸がラテックス表面に取り込まれる。酸性範囲ではより多くのアクリル酸がプロトン化形態で存在すし、従ってより疎水性であり、スチレンとより容易に共重合する。この場合、スチレンに溶解するよりも共重合に取り込まれるアクリル酸が多い。
【0090】
表3から明らかなように、本方法の補助により強く目標とされた様式で、カルボキシル化されたラテックス粒子は、前もって測定された所望の電荷密度を伴って生成され得る。
【0091】
実施例4
再生バッチ
この実験において、実施例3のバッチ2由来の粒子の再現がなされた。
【0092】

【0093】
表4から明らかなように、新たなバッチ16において、実質的に同一のバッチ2の再現が可能であった。従って、カルボキシル化されたラテックス粒子を作製するための記載のpH制御エマルジョン共重合の方法も、最適な再現可能性により区別される。
【0094】
実施例5
抗CRPラテックスコンジュゲートの作製
15 mgのラテックスを、4 mMスルホ-NHS(N-ヒドロキシスクシニミド)および4 mM EDC(塩酸1-エチル-3-(3-ジメチル-アミノプロピル)カルボジイミド)の存在下で、pH 6.1の0.75 mlの20 mM MES (2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸)バッファ中で活性化させ、室温で1時間、ローラーインキュベーター中でインキュベートした。次いで、705μlのMAb<CRP> 溶液(C=0.96 mgのMAb/ ml)(Mab<CRP> = C-反応性タンパク質(CRP)に対するモノクローナル抗体)を、pH 6.1の20 mM MESバッファに添加し、20分間インキュベートを続けた。続いて、45μlの2%濃度Synperonic溶液をpH 6.1のMESに添加した。反応混合物をさらに100分間インキュベートし、30μlの2MグリシンHCl溶液(pH 11)を添加して反応を停止した。コンジュゲート混合物を遠心分離して、上清を除去してバッファ(0.03% Synperonicおよび0.05% アジ化ナトリウムを加えた50 mMグリシンHCl、pH 8.0)に再び分散させた。
【0095】
作製したコンジュゲートを、Roche Diagnostics Cobas Miraシステムを用いて評価した。本発明に従い作製したラテックスに基づくコンジュゲートの性能は、CRPを検出する均質なイムノアッセイにおける使用の必要条件に応じるものであった。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノアルケニル芳香族モノマー(A)と不飽和脂肪族カルボン酸(B)の共重合に基づくカルボキシル化ラテックス粒子の製造方法であって、共重合がpH>1.5〜pH<4.5の範囲の一定のpHで起こり、このpHが反応中にモニターされて補償滴定により一定に保たれる、方法。
【請求項2】
モノアルケニル芳香族モノマー(A)が、スチレンまたはα-メチルスチレンであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
不飽和脂肪族カルボン酸(B)が、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸またはイタコン酸であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
共重合が、水性エマルジョン中で起こることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の方法。
【請求項5】
共重合が、フリーラジカルにより引き起こされることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載の方法。
【請求項6】
適当なシードラテックスが共重合前に添加されることを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の方法。
【請求項7】
モノマー(B)がモノマー(A)に溶解されることを特徴とする、請求項1〜6いずれか記載の方法。
【請求項8】
共重合混合物のpHが、目標pHから最大で±pH 0.3ずれることを特徴とする、請求項1〜7いずれか記載の方法。
【請求項9】
アルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩または水酸化物水溶液が、pH調整試薬として使用される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9いずれか記載の方法により得られ得る、カルボキシル化ラテックス粒子。
【請求項11】
免疫試験法における、請求項10記載のカルボキシル化ラテックス粒子の使用。

【公表番号】特表2008−544049(P2008−544049A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517443(P2008−517443)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006287
【国際公開番号】WO2007/003327
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】