説明

カンジダ・アルビカンスの新規タンパク質をエンコードする新規核酸配列およびその利用方法

モデル宿主の免疫応答細胞による捕食に応じた形態形成の転換と毒性の調節に関係する、カンジダ・アルビカンスの新規ヌクレオチドおよびポリペプチドであるCaSRF1について記載する。その遺伝子は、インビボにおける毒性に関与する形態形成への影響を及ぼす能力の点で独特であるが、インビトロでの形態形成には必須ではない。推定上の膜への局在、およびそれが細胞壁のインテグリティに与える影響は、予想される分子/化学物質の導入についての容易なアクセス性および毒性への影響を及ぼす能力という理由から、それが理想的な抗カンジダ薬剤標的であるということを示した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カンジダ・アルビカンスに特異的に発現するタンパク質をエンコードする新しい核酸配列およびその利用方法に関する。
【0002】
本発明は、新しい核酸およびそのタンパク質配列に関する。具体的には、本発明は、抗カンジダ薬剤標的として利用されうる、カンジダ・アルビカンスに発現する新しい遺伝子について説明する。
【背景技術】
【0003】
カンジダ・アルビカンスは、ほとんどの人間の胃腸および尿生殖路に存在する日和見性の酵母である。健康な人間の体内では、カンジダ菌の個体数は、宿主内のそれぞれの場所での免疫系および正常な微小植物(マイクロフローラ)によって抑制が保たれている。免疫系に障害が起こると、エイズ患者および免疫抑制療法を受けている患者に見られるように、カンジダ・アルビカンスは、粘膜および全身に及ぶ感染、すなわち「カンジダ真菌症」を引き起こす可能性がある。治療せずに放っておくと、こういった全身感染症は、患者を死に至らしめることも少なくない。カンジダ真菌症の事例のほとんどがカンジダ・アルビカンスによって引き起こされていることから、この種属は、医療専門家および科学者にとって、特に興味深い。
【0004】
カンジダ感染症の治療には2種類の抗真菌薬が用いられている。アムホテリシンBなどの殺菌性のポリエン薬は膜機能の破壊作用を有する一方、フルコナゾールおよびケトコナゾールなどの静真菌性のアゾールは、エルゴステロールの生合成経路の阻害作用を有する。アムホテリシンBは最も効果的な抗真菌薬であるが、アゾールに比べて毒性が強く、忍容性に劣る。結果的に、多くの粘膜真菌感染症には、アゾールが治療薬として好まれている。今のところ、主として侵襲性の感染症に利用できる治療は、アゾール誘導体のフルコナゾールまたはナイスタチン、アムホテリシンBおよびフルシトシンなど、比較的少数の抗真菌性抗生物質に基づいている。これらの化合物の多くは、組織毒性のような深刻な副作用を有する(非特許文献1参照)。新しい抗真菌薬の開発の必要性が切実に感じられるが、特に、エイズなどの病気の増加および、カンジダ感染症の発症を非常に高める、様々な病状への免疫抑制剤の利用においては、なおさらである。病原体における新規ターゲットに向けた新薬は、世界中で報告されている薬剤耐性菌カンジダ・アルビカンスの深刻な問題についても、解決に向けて取り組むことができるかもしれない。主な試みとして、最近、新しい独特の可能性を有する薬剤標的の同定に重点的に取り組んでいる。
【非特許文献1】Romani et al., Curr. Opin. Microbiol. 6: 338-343, 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、インビボにおけるカンジダ・アルビカンスの酵母と菌糸状態の間の形態転移、および、貪食マクロファージによる捕食を切り抜ける能力に関係するタンパク質をコードする、単離されたポリヌクレオチド配列を提供する。さらには、本発明は、カンジダ・アルビカンス感染症を治療するための新しい抗カンジダ薬剤標的も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本明細書に開示される発明は、宿主の免疫応答細胞による捕食における形態転移および毒性の調節に関係する、カンジダ・アルビカンスによって発現されるCaSRF1と称される新しい遺伝子を提供する。真菌感染症の治療用の新しい抗カンジダ薬剤標的の開発における遺伝子の利用についても説明する。
【0007】
本発明の1つの態様は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含むCaSRF1遺伝子である単離されたポリペプチドの提供である。本発明には、SEQ ID NO:2によって与えられる自然発生的な対立遺伝子多型の配列も含まれる。さらには、ポリペプチドの変異型には、同類置換を提供するために変化する、SEQ ID NO:2に特異的なアミノ酸が含まれる。
【0008】
本発明の別の態様は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをエンコードするSEQ ID NO:1の核酸配列を含む、核酸分子の提供である。本発明には、SEQ ID NO:1の自然発生的な対立遺伝子多型の核酸のヌクレオチド配列も含まれる。さらには、SEQ ID NO:1の単一のヌクレオチドの多型も、本発明の範囲に含まれる。本発明はまた、SEQ ID NO:1の核酸配列を含むベクターおよび前記ベクターを含む形質転換された宿主細胞も提供する。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、
a.それぞれ約93〜94のヌクレオチドの長さの2種類のプライマーを生成し、
b.2種類の栄養マーカー遺伝子URA3およびADE2を増幅し、
c.WT株CAI8中にURA3およびADEを用いて生成したPCR生成物を形質転換し、
d.形質転換細胞を単離する、
各工程を有してなる欠失によって、SEQ ID NO:1の核酸配列を修飾する方法を提供する。
本明細書に記載される方法に用いるプライマーには、SEQ ID NO:1のオープンリーディングフレームのATGのすぐ上流に位置する70個のヌクレオチドに対応するフォーワードプライマーの5’末端の配列と、pUC(フォーワード)プライマー配列に対応する残りの配列と、SEQ ID NO:1のオープンリーディングフレームの終止コドンTAAのすぐ下流に位置する70個のヌクレオチド配列に対応するdis(リバース)プライマーの5’末端配列と、pUC(リバース)プライマー配列に対応する残りの配列と、が含まれる。
【0010】
別の態様では、本発明はSEQ ID NO:2のポリペプチド配列および担体を含む抗真菌薬剤標的を提供する。
【0011】
本発明はまた、抗カンジダ薬剤標的であるSEQ ID NO:2のポリペプチド配列および担体を含む、カンジダ・アルビカンス感染症の治療用組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、病原体による環境条件の変化の感知に、事実上、何らかの役割を果たす、カンジダ・アルビカンスの酵母型が特異的に発現するタンパク質をエンコードする、591個のヌクレオチドの鎖長の新規ポリペプチドについて説明する。図1のSEQ ID NO:1で表されるポリヌクレオチドの配列は、CaSRF1/IPF9211.5/CA3142/orf6.5311/orf19.3713と称される遺伝子の一部である ()。それはサッカロミセスセレビシエ(S. cerevisiae)遺伝子RPB4の変異体の温度感受性の抑制遺伝子として確認されたことから、本発明にかかる遺伝子は、CaSRF1(Candida Supressor of Rpb Four)と称され、カンジダゲノムデータベース(CGD)のキュレーターの承認待ちである。
【0013】
本発明にかかるポリヌクレオチドは、新しいポリペプチドをエンコードすることができ、196個のアミノ酸の鎖長を有する。ポリペプチドの配列は図2に示されており、SEQ ID NO:2と表される。BLAST分析(WU-tblastn, V2.0MP-WashU, 13-Dec-2004)により、本明細書に記載される新規タンパク質(SEQ ID NO:2)と非常に類似した相同タンパクが存在しないことが明らかとなった。遺伝子解析ツールとしてSMART(2)を用いた配列の解析により、4つの膜貫通領域部分の存在が明らかとなった。これらの部分は細胞膜と関係していると考えられる。
【0014】
発現解析から、10%ウシ胎仔血清を含むYPD培地、またはリー(Lee)培地またはスパイダー(Spider)培地(添付書類I参照)、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI培地などの培地中、37℃で成長させるなど、様々な条件下、菌糸の形態形成を遂げようとしている細胞内では、SEQ ID NO:2で表されるこの新規タンパク質の発現が、劇的に低減されることが判明した(実施例1)。
【0015】
カンジダ・アルビカンスは、安定な半数体の状態が知られていない、2倍体生物であることから、遺伝子操作では、問題となる遺伝子の複製の両方を除去する必要がある。カンジダ・アルビカンスのゲノムからこの配列を削除すると、細胞内に生成されているタンパク質が除去され、研究室の培地中に存在する0.01%SDSおよび10μg/mlの蛍光色素などの細胞壁崩壊剤に対して細胞を敏感にさせる細胞壁のインテグリティ(首尾一貫性)に作用を及ぼす(実施例2および3参照)。
【0016】
様々な環境条件に対するカンジダ・アルビカンスの主要な反応の1つは、形態転移である。酵母型から菌糸または偽菌糸型への転移は、有機体の毒性と強い結びつきがある。免疫系の食細胞によって捕食された後に菌糸の突起を形成するカンジダ・アルビカンスの能力は、宿主での生存および感染症を引き起こす能力を確かなものとする、細胞性免疫反応の克服に大いに貢献する (Rooney and Klein, 2002, Cell Microbiol 4: 127-137, Gow et al., 2002, Curr. Opin. Microbiol. 5: 366-371)。
【0017】
カンジダ・アルビカンスは、発芽型と菌糸成長型を可逆的に分化する能力があり、それは、環境条件の影響を受ける。例えば、pHおよび温度は発芽−菌糸間の転移に影響を与えると同時に、温度、UV、白血球代謝産物などは、この有機体によって示されるように形態転移にも影響を及ぼす。環境信号に応じてカンジダ・アルビカンスが行なう形態変化は、有機体が、環境変化を記録し見極めるための知覚機構を利用していることを示している。変異株は、特にマクロファージでは、本発明にかかる同型欠失変異体PSC2の役割を示すマクロファージ細胞(実施例4参照)を貫通する菌糸形成能力が欠けていることがわかった。カンジダ菌の変異細胞のマクロファージ細胞を破壊する能力の欠如は、変異細胞の毒性の低減を示していると考えられ、よってマクロファージでのこの新規タンパク質の役割を示唆するものである。さらには、本発明にかかるタンパク質は、実施例5に記載するマウスモデル系に見られるように、播種性のカンジダ症の毒性にとって必須であると思われる。
【実施例】
【0018】
本発明について、次の説明に役立つ実例を参照することにより、さらに説明する。
【0019】
実施例1:CaSRF1の発現解析および転写特性
カンジダ・アルビカンスの細胞培養に用いる培地の組成を添付資料Iに示す。CaSRF1の転写が菌糸の形態形成の間に調節されているか否かを調べるため、酵母に有利に働く条件下、YPD培地で培養したSC5314株の全RNAおよび、血清(10%v/v)の添加によって誘発された菌糸が様々な長さを示す培養液から得たRNAのノーザンブロットを、全オープンリーディングフレームに及ぶ配列にわたり、DNA断片を用いて精査した。CaSRF1転写物は、培養液中、高濃度での検出が可能であった。これは、酵母型の細胞の割合が高いことを示すものである。細胞を、血清の存在下で菌糸を誘発する条件に変えると、この遺伝子の転写産物の濃度は大幅かつ急速に低下し、2時間後には完全に停止した。これは、他の多くの菌糸の増殖誘発条件においても当てはまった(図3)。主として(>90%個体群)菌糸状態を誘発した細胞培養液を酵母型に有利に働く条件に変えた場合、酵母型への転換には非常に長い時間を要し、約12時間経たないと酵母型の細胞を主として含む培養液が観察できないので、非常に遅い反応速度ではあるがこの遺伝子の転写が再現されることから、逆転写が真実であることが判明した。オープンリーディングフレーム特異的プライマーと共にRT−PCR技術を用いて、これらの解析の両方を行った。
【0020】
実施例2:カンジダ・アルビカンス株CAI8におけるCaSRF1の欠失
CaSRF1遺伝子の対立遺伝子の両方を欠失させるのに用いる方法を図4aに示す。CaSRF1欠失カセットを生成するため、それぞれ約93〜94個のヌクレオチドの長さの2種類のプライマー(図4b)を生成した。フォーワードプライマーの5’末端配列はオープンリーディングフレームのATGのすぐ上流の70個のヌクレオチドに対応し、残りはpUCfプライマー配列に対応している。dis(リバース)プライマーの5’末端配列はオープンリーディングフレームの終止コドンTAAのすぐ下流に位置する70個のヌクレオチドに対応し、残りはpUCrプライマー配列に対応している。これにより、PCR増幅法(Ausubel et al, CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York, 1995)を用いてベクターpPS5内であらかじめクローン化された、2種類の栄養マーカー遺伝子URA3およびADE2の増幅が可能となった。同型の配列によってCaSRF1遺伝子の未翻訳領域に隣接した(flanked)URA3およびADE2マーカーを用いて生成したPCR産生物は、それぞれ1.4kbおよび2.5kbである。
【0021】
これらを、酢酸リチウムを用いた転換法によってWT株CAI8であるカンジダ・アルビカンスCAI8(ade2::hisG/ade2::hisG ura3::imm434/ura3::imm434)内で形質転換し (Fonzi and Lrwin, 1993, Genetics 143:712-728) 、それによって緩衝化した酢酸リチウム中で酵母細胞を短時間培養し、形質転換性DNAを担体DNAと共に導入する。ポリエチレングリコール(PEG)の添加および熱ショックを誘発するDNAの取り込み (Ausubel et al, CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York, 1995)。得られた形質転換細胞中の正確な場所に上記PCR産生物を組み込み、栄養マーカー特異的内部プライマーおよびCaSRF1遺伝子の上流のプライマーを用いたPCRによって確認した。同型欠失をノーザン解析によって確認したところ、予想どおり、遺伝子の特定の転写物が完全に欠失していることが示された。
【0022】
実施例3:Casrf1/Casrf1機能喪失突然変異株CAI8の機能的特性
Casrf1/Casrf1、すなわち同型の欠失変異体PSC2が、親株のように形態変異を示す能力があるか否かを試験するため、血清の存在下、および、カンジダ・アルビカンス株が毒性に関係する菌糸変移を示すことが報告された他の条件下で、WT株CAI8および臨床分離株SC5314がどのような反応を示すかについて、試験を行った。実験は、37℃で行った。試験したすべての条件で菌糸形成に有意差は認められなかった。特に、血清により誘起される菌糸の形成は、コピーされないCaSRF1遺伝子、コピー数1〜2の野生型(WT)など、いずれの変異体にも見られた。同様に、リー培地、YPS培地、YEPD+10%血清などの固体培地、およびpHが菌糸形成を誘起する培地について試験したが、差異は見られなかった。タンパク質は、4つの膜貫通領域を有すると予想されることから、膜/細胞壁のインテグリティにおいて、何らかの役割を担っていると思われる。2種類の化学物質、SDSと蛍光色素に対する耐性は、酵母細胞の細胞壁のインテグリティに応じて異なるが(Morenoa et al. FEMS Microbiol. Lett. 226, 159-167)、これらの化学物質を、CaSRF1タンパク質のない細胞に欠陥があるか否かの試験に用いた。同型の株は0.05%のSDSおよび5μg/mlの蛍光色素に感受性であることが観察された。
【0023】
上述のADE2プライマーは、
フォーワードプライマー−CAGATCTCAACACCAATAATTGATGAAAC
リバースプライマー−CCTCGAGTAAGAAGGGAAAAGCACCAC
である。
【0024】
上述のURA3プライマーは、
フォーワードプライマー(5’−3’)−CAAGCTT AATAGGAATTGATTTGGATGG
リバースプライマー(5’−3’)−TCTAGAAGGACCACCTTTG
である。
【0025】
実施例4:同型欠失変異体PSC2の形態変化
カンジダ・アルビカンス株(野生型、同型または異型srf1Δ株)を、6ウェルプラスチックトレーでRPMI+10%FCSの培地で最大6時間成長させたマウスのマクロファージ細胞系(または腹腔マクロファージ)とともに混合培養し、ライカ社製の明視野倒立顕微鏡を用いて1時間間隔でカンジダ細胞の形態を記録した。
【0026】
血清を含む培地および他の菌糸促進培地(添付資料Iのリストに記載されている)で培養された細胞を、研究室で広く用いられる臨床分離株SC5314と比較した場合、菌糸形成能力に違いがないことから、同型欠失変異体PSC2は概して菌糸形成に欠陥を有さない(図5)。他方では、変異細胞が免疫系の活性化マクロファージ細胞に捕食されることが観察されたが、親株とは異なり、マクロファージ細胞を貫通する菌糸を形成することができなかった。変異カンジダ細胞のマクロファージ細胞を破壊する能力がなくなったことは、変異細胞の毒性が低減したことを示すものと判断され、すなわち、この観察結果はマクロファージに特異的なこのタンパク質の役割を示唆するものと考えられた。
【0027】
実施例5:同型二重変異体存在下におけるインビボでの生存
4週齢のBALB/cマウス5匹に、1匹当たりカンジダ・アルビカンス株の変異体細胞10個を、マウス尾静脈から注入した。カンジダ・アルビカンスの野生型株SC5314の細胞10個を対照として、4週齢のBALB/cマウス5匹に注入した。この対照群のマウスでは、1実験における1グループあたり5匹のマウスを含む3回の実験で、常に5日間以上生存することができなかった。典型的な実験結果を図6に示す。マウスに同型欠失変異体PSC2、cph1efg1/cph1efg1、Sc5314または異型PSC1を注入した。同型欠失変異体PSC2では、野生型(Sc5314)および異型変異体(PSC1)と比較して、陰性対照(cphlefgl/cphlefgl)と同様に100%生存することが明らかとなった。
【0028】
本明細書で引用したすべての刊行物および特許出願は、本発明に関連する技術分野における技術水準を示すものである。
【0029】
本発明にかかる他の物質、特性および利点については、前述の詳細な説明および実施例から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施形態は、本発明の好ましい実施形態を示唆してはいるが、単なる例証として示されるものであるということが当然理解されよう。
【0030】
添付書類I
カンジダ・アルビカンス細胞の培養に用いた培地の培地組成。
【0031】
YPD/YPG
酵母抽出物 :1g
ペプトン :2g
デキストロース/ガラクトース:2g
スパイダー培地
ペプトン :1g
酵母抽出物 :1g
NaCl :0.5g
マンニトール :1.0g
HPO :0.2g
水 :100ml
リー培地
(NHSO :0.5g
MgSO :0.2g
HPO :0.25g
NaCl :0.5g
グルコース :1.25g
ビオチン :0.001g
DM :20ml
水 :80ml
完全合成培地+血清
デキストロース :2g
DM :20ml
FCS :10ml
水 :70ml
YPD+血清
酵母抽出物 :1g
ペプトン :2g
デキストロース :2g
FCS :10ml
水 :90ml
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】SEQ ID NO:1と表されるオープンリーディングフレームのヌクレオチド配列。
【図2】SEQ ID NO:1のオープンリーディングフレームの推定されるアミノ酸配列。
【図3】菌糸に有利に働く条件と酵母に有利に働く条件とを対比したCaSRF1の発現解析。
【図4A】同型欠失変異体PSC2の生成に用いられる欠失機構。
【図4B】CaSRF1対立遺伝子分断用の栄養マーカーの増幅に利用するプライマー配列。
【図4C】膜安定性におけるインビトロでの欠失の効果。
【図5】Casrf1/Casrf1欠失変異体のマクロファージの捕食の効果。
【図6】各10個の同型欠失変異体PSC2、cph1efg1/cph1efg1、Sc5314または異型の変異株PSC1の細胞に感染したマウスの生存曲線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド。
【請求項2】
SEQ ID NO:2によって与えられる配列の自然発生的な対立遺伝子多型であることを特徴とする請求項1記載のポリペプチド。
【請求項3】
前記対立遺伝子多型が、一塩基多型の翻訳であることを特徴とする請求項2記載のポリペプチド。
【請求項4】
前記ポリペプチドがSEQ ID NO:2の変異体であり、選択された配列に特異的な任意のアミノ酸が変更されて同類置換を提供することを特徴とする請求項1記載のポリペプチド。
【請求項5】
SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをエンコードする核酸配列であるSEQ ID NO:1を含む単離された核酸分子。
【請求項6】
前記核酸分子が、核酸の自然発生的な対立遺伝子多型であるヌクレオチド配列を含むことを特徴とする請求項5記載の核酸分子。
【請求項7】
前記核酸分子が、SEQ ID NO:1の一塩基多型を含むことを特徴とする請求項5記載の核酸分子。
【請求項8】
前記核酸分子がSEQ ID NO:1のヌクレオチド配列を含むことを特徴とする請求項5記載の核酸分子。
【請求項9】
前記核酸分子が、ストリンジェントな条件下で、SEQ ID NO:1またはその相補体によって得られるヌクレオチド配列へとハイブリッドすることを特徴とする請求項5記載の核酸分子。
【請求項10】
請求項5で定義される核酸配列を含むベクター。
【請求項11】
請求項10のベクターを含む変異宿主細胞。
【請求項12】
欠失によりSEQ ID NO:1の核酸配列を修飾する方法であって、
a.それぞれ約93〜94個のヌクレオチドの長さの2種類のプライマーを生成し、
b.2種類の栄養マーカー遺伝子URA3およびADE2を増幅し、
c.WT株CAI8内でURA3およびADE2を用いて産生させたPCR産生物を形質転換し、
d.前記形質転換細胞を単離する、
各工程を有してなる方法。
【請求項13】
前記プライマーが、SEQ ID NO:1のオープンリーディングフレームのすぐ上流に位置する70個のヌクレオチドに対応するフォーワードプライマーの5’末端配列と、pUCfプライマー配列に対応する残りと、SEQ ID NO:1のオープンリーディングフレームの終止コドンTAAのすぐ下流に位置する70個のヌクレオチド配列に対応するdis(リバース)プライマーの5’末端配列と、pUCrプライマー配列に対応する残りとを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
SEQ ID NO:2のポリペプチド配列と担体とを含む抗真菌薬剤標的。
【請求項15】
SEQ ID NO:2のポリペプチド配列を有する抗カンジダ薬剤標的と担体とを含むカンジダ感染症の治療用組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2009−504150(P2009−504150A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525725(P2008−525725)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/IN2006/000285
【国際公開番号】WO2007/017907
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(505292720)インディアン インスティテュート オブ サイエンス (9)
【氏名又は名称原語表記】INDIAN INSTITUTE OF SCIENCE
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【復代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
【Fターム(参考)】