説明

カーテン地

【課題】シャワー水飛散による揺れや、換気扇による吸い寄せが少なく、カーテン下部の脱水を促進し、さらに吊り下げた状態の見栄えが美しく揺れにくいカーテン地を提供する。
【解決手段】タテ糸および/またはヨコ糸に比重が1.5〜3.0の範囲内の長繊維糸条を用いた織物で構成したことを特徴とするカーテン地である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、バスルームや居室内で使用される、揺れにくいカーテン地に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニットバスルームに取り付けられているシャワーカーテンは、その厚みが薄く軽量の場合、バスルームでシャワーを使用した際、シャワーの勢いが強いと該カーテンの裾がまくれて水が飛び散り、バスの外縁や洗面所側の床を濡らしたりすることがある。 また、該バスルームは通常、換気扇が設けられ、シャワー使用時の湿気を外部に換気できるよう入浴中は常時換気扇が作動しているが、上記薄く軽量のカーテンでは、該カーテンが換気扇の吸引力でバスルームの中央に吸い寄せられ、冷たいカーテンが肌にベタ着いたりして不快な思いをすることがある。
【0003】
現行のシャワーカーテンは、公定水分率が少なく撥水加工などの後加工性に優れ、加工コストが比較的安価であることから、比重1.37のポリエステル長繊維を用いたものがほとんどである。
【0004】
しかし、該カーテンでは、撥水性は有するがシャワー水飛散に対する揺れを阻止することができない。また、他方でカーテン表面に対し、シャワー水流を促進させることにより洗濯後の乾燥時間短縮や、カビ、臭い等の発生を長期間押さえることができる新規なカーテン地が要望されている。
【0005】
これらの問題に関する提案として、特許文献1では、吊り下げられたカーテン最下部が浴槽縁に設けたスリット内に挟み込むように最下部が保持され、シャワー水飛散や換気扇による吸い寄せによる揺れを防止するユニットバス用カーテン取り付け構造が提案されている。
【0006】
しかし、該カーテンでは、開閉がやりにくいこと、カーテン最下部がスリットに挟み込まれスリット内に水が溜まり不潔になること、さらにカーテンの上下部が固定されているので閉塞感を受けたり、緊急時において脱出困難になったりするので実用的には好ましくない。
【0007】
また、特許文献2では、経糸と緯糸のそれぞれの剛直性をヤング率により異ならせることにより、ドレープ性に優れたカーテン地が提案されている。吊り下げられた状態においてはひだの揃ったものが垂れ下がり、美しく見えることが特徴である。また、同様のドレープ性に優れたカーテン地を得るため、特定範囲の比重を有するポリエステル繊維からなるカーテン地が特許文献3に提案されている。しかし、これらはいずれも、シャワー使用時の揺れや換気扇による吸い寄せ対策についてはなんら言及されていない。
【0008】
その他、揺れを防止すべく繊維の芯部分に鉛粉を混入させたカーテン地もあるが、毒性や環境汚染などの点で好ましくなく、また、比重が7以上の金属繊維あるいはガラス繊維などを用いたカーテン地もあるが、これらは他の糸条でカバーリングを施し、複合糸とする必要があるので、ソフトさに欠けたり、取り扱いにくさもあり、好ましくない。
【特許文献1】実開平4−131393号公報(請求項1、図1)
【特許文献2】特開2000−265340号公報(請求項1、図1)
【特許文献3】特開2003−073955号公報(請求項1、段落番号0010)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、例えばユニットバスに取り付けられたシャワーカーテン等において、シャワー水飛散による揺れや、換気扇による吸い寄せが少なく、カーテン下部の脱水を促進し、さらに吊り下げた状態の見栄えが美しい、揺れにくいカーテン地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、係る課題を解決するために次の手段を採用するものである。すなわち、本発明のカーテン地は、タテ糸および/またはヨコ糸に比重が1.5〜3.0の範囲内の長繊維糸条を用いた織物で構成したことを特徴とする。
【0011】
この場合、織物を吊したときの上下幅50%以内に位置する下部側織物の目付が、上部側織物の目付よりも大きいことが好ましい。上記長繊維糸条は、フッ素繊維糸条であることが好ましい。
【0012】
また、本発明のカーテンは、上記いずれかのカーテン地を用いてなるものであり、バスルームのシャワー用カーテンとして用いることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えばユニットバスに取り付けたシャワーカーテンとすると、カーテン地に高比重の長繊維糸条を使用しているので、重量感が大きくシャワー水飛散による揺れが少なくなり、ユニットバスから飛散したシャワー水が洗面所の床を濡らすことを防ぐことができる。また、ユニットバスルームの換気扇による空気吸い込みによって起こるシャワーカーテンの浴槽中央への揺れが少なくなるので、肌への付着が減少し快適にバスを使用することができる。また、吊り下げたシャワーカーテンの下部の水抜け性が優れているので、水分が溜まりにくく、乾きやすい。よって、カビが発生しにくく、さらに悪臭、よごれの沈着、変炎色も起こりにくく生地が長持ちする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の目的とする揺れにくいカーテン地を提供するには、タテ糸および/またはヨコ糸に特定の高比重範囲の長繊維糸条を用いた織物として構成することが重要であることを見出し、本発明に到達した。すなわち、前述したように、本発明は、タテ糸および/またはヨコ糸に比重が1.5〜3.0の範囲内の長繊維糸条を用いた織物で構成したことを特徴とするカーテン地である。
【0015】
上記織物を構成する長繊維糸条としては、種々の長繊維糸条が挙げられるが本発明の揺れにくいカーテン地を得るには比較的高比重であるポリエステル、フッ素繊維、ポリ塩化ビニリデン、炭素繊維等からなる長繊維が好ましく、中でもフッ素繊維を用いると水流促進性が高くかつ水分保有性が低いので乾き易く、寿命も半永久的となる効果がある。具体的な長繊維糸条としては、ポリエステル長繊維の芯部に高比重の硫酸バリュウムを挿入した比重1.6の芯鞘複合フィラメント糸や、フッ素100%の比重2.3のフィラメント糸などが挙げられる。フッ素フィラメント糸は元々撥水性、難燃性、抗菌・防臭性、防カビ性に優れた機能性を有する永久持続型繊維であることからカーテン地には最適である。
【0016】
上述したように、本発明では、長繊維糸条はその比重が1.5〜3.0の範囲内のものを用いる必要がある。比重が1.5未満では、カーテンが軽量過ぎて開閉や換気風により揺れやすくなり、3.0を超えると、重過ぎて開閉に力を要したり反動がついたりして扱いにくくなるからである。さらに揺れにくいカーテン地とするには、比重が1.70〜3.0の範囲内のものが好ましく、2.0〜2.5の範囲内のものがより好ましい。
【0017】
また、本発明は、タテ糸もしくはヨコ糸、または双方の糸に上記高比重の長繊維糸条を用いてカーテン地用織物としたものであるが、本発明の目的を達成するには高比重の長繊維糸条を、通常ヨコ糸方向に挿入し、カーテン縫製においてヨコ方向にカットするのが好ましく、また、合理的な方法としてタテ糸の一部に用いて、ヨコ糸挿入は通常の比重を有するポリエステル繊維糸条とし、タテ方向の生地をヨコ方向に用いタテ糸がヨコ糸となるようにカットして縫製されるのがより好ましい。
【0018】
なお、上記高比重の長繊維糸条を使用する代わりに太繊度糸条を用いる方法もあるが、織密度が高くなり生地風合いも硬くなるので実用的でない。比重が上記範囲内であると、織物の嵩高性や見掛けの生地厚さは変わらなく、織物の目付のみが重くなることにより、外観上はなんら変化が認められないにもかかわらず重量感が増加する効果を有し、シャワー水飛散や換気扇の吸い込みがあっても見た目のカーテンは揺れにくくなるのである。ここで、本発明で言う「揺れにくい」とは、詳細は後述するが、揺れの水平方向の大きさと、この揺れが静止するまでの時間(sec)とで評価する。
【0019】
また、一般的に高比重の長繊維糸条は高価な素材が多く、効果的な使い方を行うには、全てのタテ糸またはヨコ糸に用いて100%使いの織物とするよりも、本発明に記載するように他の種類の糸条と交織するなどの部分使いとすることが好ましい。
【0020】
部分使いの織物構成例としては、タテ糸の一部に比重が1.5〜3.0の範囲の長繊維糸条を帯状として部分的に全面挿入し、もしくは1本毎、2本毎、3本毎・・・・などに挿入し、ストライプ調にすることができる。ヨコ糸は比重1.5以下のポリエステル長繊維糸条や、ポリアミド長繊維糸条を挿入して、構成するのである。
【0021】
他の種類の糸条としては、比重が1.14〜1.15の通常の比重を有するポリアミド長繊維糸条、1.30〜1.40の比重を有するポリエステル長繊維や、比重が1.14〜1.17を有するアクリル長繊維などが挙げられる。
【0022】
ポリエステル長繊維糸条としては、比重1.37のポリエチレンテレフタレートフィラメントの仮撚加工糸が好ましい。これらの糸条は、仮撚加工を施したソフトさと嵩高性を持つ仮撚加工再熱セット糸が用いられるが、比重1.5〜3.0の範囲の長繊維糸条においても仮撚加工糸が適している糸条が好ましい。なお、仮撚加工が施されない生糸であっても構わないが嵩高性がやや少なくなる。これら糸条は、その断面形状を丸断面から三角形状、4角形状、八角形状などの矩形断面や、扁平断面糸などに変更したり、単糸の単繊維フィラメント本数を12本から144本と多くしたりすることにより生地のドレープ性を大きくすることができるので、比重が1.5〜3.0の範囲の長繊維糸条と組み合わせることにより、重量感やしなやかさを合わせ持つ高級感のあるカーテン地とすることができる。
【0023】
織組織としては、コストや扱い易さから平織り、斜文織り、朱子織り、変化組織、重ね組織、等が挙げられるが、その中でも斜文織りや変化組織の杉綾や畝織ではシャワー水が組織に沿って流れやすくなるので、カーテンの水切りや乾燥がより早くなるので好ましい組織の使い方である。
【0024】
糸断面形状は通常円形の丸断面が多いが、丸断面にくさび型や凹型が糸長さ方向に入ったタテ筋入りの断面では、丁度波板屋根の雨水が流れるような水流促進効果が期待できるので、シャワー水が流れる方向に織物設計を行うと水は流れやすくなるのである。
【0025】
このように織物組織と糸断面形状を組み合わせ、カーテンにして表面に水流を当てた際に水滴が流下し易く、カーテン下部への脱水が促進され、そして高比重の繊維糸条をカーテン下部に用いているので、吊り下げた際には重量かあり揺れにくく見栄えも美しいので好ましい。
【0026】
カーテンに用いる織全体の平均的な目付けとしては、80〜250g/mの範囲内が好ましい。
【0027】
80g/m未満では軽量過ぎ、250g/mを越えると重すぎるからであり、かかる観点からカーテンに用いる織物全体の平均的な目付は100〜200g/mの範囲内がより好ましい。この場合、カーテン地全面を一様な目付けで織成しても良いが、揺れにくくする点から、織物を吊した時の下部側織物目付が上部側織物目付よりも大きくすることが好ましい。そのため、下部側織物部分に上記1.5〜3.0の高比重の繊維糸条をタテ糸またはヨコ糸に用いるのである。下部側織物と上部側織物の目付差は少なくとも8%、より好ましくは少なくとも10%以上あるとカーテン地の揺れを少なくするのに効果がある。なお、目付差が大きいほど揺れにくくはあるが、カーテンの扱い易さとの関係から上限値は30%以下に設計することが実用的である。
【0028】
ここで、本発明で言う「下部側織物」とは、カーテンを吊した時に下部側から上部側方向に向かって天地方向長さの半分以下の範囲内に位置する織物部分をいい、「下部側」とはカーテンを吊したとき、最下部から浴槽の縁の上部までの高さの範囲をいい20〜100cmである。また、「上部側織物」とは、下部側織物を除く上部に位置する織物部分を言う。なお、本発明の応用例として、タテ糸やヨコ糸に用いる1.37〜1.38の通常比重のポリエチレンテレフタレート長繊維糸条に、ドレープ性を向上させる三角断面糸や単繊維フィラメント繊度が1dtex以下とするフィラメント糸構成、あるいは酸化チタン含有量の多いフルダルタイプ糸などと組み合わせることにより、よりしなやかでひだの美しい揺れにくいシャワーカーテンを得ることができる。
【0029】
なお、カーテン地の組織は、吊した時に形態変化しない上述した織物が最適であるが、ニットであっても良く、ニットにおいてはラッセル組織のものが適している。カーテン地のサイズとしては、特に限定はないが最も多く使われるサイズはタテ、ヨコが約2m程度の大きさのものである。
【0030】
以上に述べた本発明のカーテン地は、例えば次のようにして製造する。
【0031】
まず、ポリエチレンテレフタレート長繊維を紡糸・延伸し、比重が1.37の通常の原糸を得る。
【0032】
そして、通常の仮撚加工後再セットを施し、再熱セット仮撚加工糸として製造し、タテ糸100%として整経する。
【0033】
一方、ヨコ糸として比重が1.5〜3.0の範囲内の長繊維糸条として比重2.3のフッ素長繊維糸条をカーテンに縫製した場合最下部に相当するようヨコ糸挿入する。さらにカーテンに縫製した場合、カーテン上部に相当するよう、ヨコ糸は通常比重のポリエステル長繊維糸条、例えば上記のタテ糸で使用した再熱セット仮撚加工糸を挿入するのである。これによりカーテン下部に相当の織物目付を重く、カーテン上部に相当の織物目付を軽くすることができる。
【0034】
また、タテ糸は上記のような通常比重のポリエステル長繊維糸条を、その一部に高比重の繊維糸条を織物の耳端から帯状に整経し2列状とし、ヨコ糸には、通常比重の長繊維糸条例えば上記の再熱セット仮撚加工糸を100%挿入することにより、織物の耳端の目付を重くすることにより天地方向で目付差が異なる織物が得られる。さらには一旦高比重の長繊維糸条100%の織物を製造し、また一方では通常比重のポリエステル長繊維糸条100%織物を製造し、両織物を天地方向で下部分が重くなるように縫製して1枚のカーテン地に仕上げてもよい。
【0035】
以上に述べたカーテン用織物は、染色後、通常の樹脂加工、撥水加工、抗菌・防臭加工、難燃加工、防汚加工などの機能加工が施され、種々用途のカーテンとして用いられる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0037】
まず、本発明のカーテン地を構成するタテ糸として、167dtex、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(東レ株式会社製“ブレリア”(登録商標))を用いた。ヨコ糸として、カーテン地の上部に相当する部分にヨコ糸と同じ仮撚加工糸2糸条に交絡処理を施した双糸を用い、織物上部に相当する織長さが175cmに、また、該カーテン地の下部に相当する部分に440dtex、60フィラメント本数のフッ素フィラメント糸を用い、織長さが25cmとなるようにヨコ入れを行い1.05cm幅の平組織にてウォータージェットルーム(WJL)で製織した。
【0038】
次に製織した生機を分散染料にて淡クリーム色に染色加工を行い、後加工としてフッ素による撥水加工および亜鉛系による防カビ加工を施した。カーテンの寸法設計からタテ方向に2m長さでカットしたものを2枚準備し、タテ方向に2枚引き揃えて縫製し、タテ2m、ヨコ1.05×2m(縫いしろ含む)のシャワー用カーテンを製造した。
【0039】
そして、得られたカーテン地に対し、密度、繊度、目付けを測定し、カーテン地の揺れの大きさと、揺れが静止するまでの時間などを評価した。なお、測定および評価方法は下記のようにした。
【0040】
<測定方法>
1.密度(本/インチ)
JIS L1018−1999に準じて測定した。
【0041】
2.密度(本/10cm)
カバーファクター計算用として、JIS L1018−1999の密度から換算した。
【0042】
3.繊度(dtex)
JIS L1013−1999に準拠して測定した。
【0043】
4.目付(g/m
JIS L1096−1999に準拠して測定した。
【0044】
<評価方法>
1.揺れの大きさ(cm)
織物サンプル寸法を、タテ糸方向に吊した時の長さ1.8m、幅1mとし、サンプルの下部から87cmの中央部に、リズム式扇風機(松下電器株式会社製F−R255E型)を運転し、風を吹き付ける。サンプルが吊した位置から揺れた幅(cm)を測定し、揺れの大きさとする。n=10の平均値として算出する。
【0045】
2.揺れ静止時間(sec)
上記織物サンプルに対し、サンプルの上部から65cmの位置にバーをヨコ方向に挿入し、水平方向に15cmサンプルをずらす。ずらした位置で一旦静止し、素早くバーを元の位置にもどす。その時、サンプルが揺れだし、しばらくすると静止するが、静止するまでの時間を測定する。
【0046】
3.ドレープ性
ドレープテスターYD−100機を使用しJIS L1096−1999に準拠して行った。
【0047】
4.乾き易さ
家庭用二層式洗濯機(東芝株式会社製WH−M30型)にて10分間洗濯、3分間脱水、25℃×湿度65%の条件にて1時間陰干しし、乾き具合を官能評価した。
【0048】
比較例
タテ糸に実施例と同じ、167dtex、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(東レ株式会社製“ブレリア”(登録商標))を用いた。また、ヨコ糸には、実施例と同じ双糸を、実施例とは異なりヨコ糸の糸使いを上下差なく全て同種の糸とした場合の効果を見るために全面に用いてヨコ入れを行い、1.05cm幅の平組織にてWJLで製織した。
【0049】
製織した生機を実施例と同様に分散染料にて淡クリーム色に染色加工を行い、後加工としてフッ素による撥水加工および亜鉛系による防カビ加工を施した。カーテン地の寸法設計からタテ方向に2mカットしたものを2枚準備し、タテ方向に2枚引き揃えて縫製し、タテ2m、ヨコ1.05×2m(縫いしろ含む)のシャワー用カーテンを製造した。
【0050】
以上の実施例と比較例を纏めたのが次の表1である。
【0051】
【表1】

【0052】
上記表1より、実施例の織物の下部目付は、比較例の織物に比べて18(g/m)重かった。そのため、実施例の織物は比較例のものに比べて揺れ性の揺れ幅が少なく、揺れ止まるまでの静止時間も半分程度短かくなっており、揺れにくいシャワー用カーテンであった。
【0053】
また、実施例の織物のドレープ係数は、比較例のものよりも0.222より低く、重くてしなやかな揺れ動きになり、見栄えが美しいシャワー用カーテンであった。実施例の下部にはフッ素繊維を用いているので、水が流下し易く、乾き易さは比較例の下部よりも乾きやすくなっている。その結果、カビや臭いの発生が押さえられた。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の揺れにくいカーテン地は、ユニットバス分野のシャワー用カーテン地として好ましいものであるが、これに限定されず、例えば、病院・老人ホーム、公衆浴場、水泳場施設、厨房・飲食店、科学研究室、等のカーテン地としても使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タテ糸および/またはヨコ糸に比重が1.5〜3.0の範囲内の長繊維糸条を用いた織物で構成したことを特徴とするカーテン地。
【請求項2】
織物を吊したときの上下幅50%以内に位置する下部側織物の目付が、上部側織物の目付よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のカーテン地。
【請求項3】
長繊維糸条が、フッ素繊維糸条であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のカーテン地。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のカーテン地を用いてなるカーテン。
【請求項5】
バスルームのシャワー用カーテンであることを特徴とする請求項4に記載のカーテン。

【公開番号】特開2007−177343(P2007−177343A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374075(P2005−374075)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】