説明

カーテン生地

【課題】下端縁における解れを防止し、かつ上端で形成されたウエーブを下端にまで保つ。
【解決手段】カーテン生地10は、上端が支持されて垂下される単一の生地本体11と、生地本体11の下端に全幅に亘って添付された補強紐12とを備える。生地本体11の下端が全幅に亘って補強紐12とともに巻きロック処理されて補強紐12が生地本体11の下端に添着される。補強紐12が生地本体11の下端の室内面に添着されることが好ましい。補強紐12は合成繊維又は天然繊維から成る撚り紐又は編み紐であって太さが0.8〜2.0mmであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上端が支持されて垂下される単一の生地からなるカーテン生地に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋における窓等の開口部には、その室内側から布地等からなるカーテン生地が取付けられる。このカーテン生地の取付けにあっては、そのカーテン生地の上端に複数のランナを所定の間隔をあけて設け、このランナをカーテンレールに移動可能に支持させる。そして、そのランナを移動可能に支持するカーテンレールを取付け具を介してその開口部上方の壁面等に水平に支持するようにしている。すると、ランナはカーテンレールに移動可能に設けられているため、そのランナはそのランナに吊持されたカーテン生地とともに水平方向に移動することができる。従って、ランナに吊持されたカーテン生地が開口部を塞いだ状態からその開口部の隅に寄せてその開口部を開放することも可能になり、この開口部の開放状態ではその開口部から採光することができるようになってる。
【0003】
ここで、一方、カーテン生地は、その開閉が容易であってかつ開かれた状態で優美なカーテンウェーブを描くような可撓性を有する布地等の生地から構成される、一方、カーテン生地として布地等の生地が用いられると、取付けられる開口部の大きさに合わせてその生地を裁断することが行われる。そして、布地等を裁断したカーテン生地にあっては、その裁断された端縁における解れ等を防止するため、その裁断された端縁は2回又は3回折り返されてその切断された端縁が内側になるように縫製され、このように縫製することにより裁断された端縁の解れ等を防止して、解れに起因する外観上の見栄えが悪化することを防止している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−56576号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の裁断された端縁を折り返して縫製したカーテン生地では、そのカーテン生地が開かれた状態において生じるウエーブが不均一になって、その意匠性が害される不具合があった。即ち、上端が複数のランナにより支持されたカーテン生地は、開かれた状態でその複数のランナのピッチに基づいてその上端がウェーブを描く。しかし、生地の下端が折り返されて縫製されると、その折り返された下端における厚さが他の部分と比較して増加する。また、その折り返されて重ね合わされた部分はカーテン生地の下端で連続するために相互に移動することができない。このため、その折り返されたカーテン生地の下部における剛軟度は著しく上昇し、この上昇した剛軟度により上端で形成されたウエーブを下端にまで保つことができない不具合があった。そして、カーテン生地の下端に描かれるウェーブがその生地の上端に描かれたウェーブと異なると、その上端と下端の描くウェーブの相違からその見栄えが悪化する不具合があった。
本発明の目的は、下端縁における解れを防止し、かつ上端で形成されたウエーブが下端にまで達し得るカーテン生地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、上端が支持されて垂下される単一の生地本体11と、生地本体11の下端に全幅に亘って添付された補強紐12とを備え、生地本体11の下端が全幅に亘って補強紐12とともに巻きロック処理されて補強紐12が生地本体11の下端に添着されたことを特徴とする。
この請求項1に記載されたカーテン生地では、単一の生地本体11の下端を折り返すようなことをしない。このため、単一の生地本体11の下端における厚さは他の部分と同一であるので、その下端における剛軟度が向上するようなことはない。一方、生地本体11の下端は裁断されていて解れやすい場合もあるけれども、その下端は巻きロック処理されるので、その下端が解れてその見栄えを悪化させるようなことはない。
【0006】
ここで、巻きロック処理は生地本体11の下端を規則正しく糸14により包み込むような処理であり、生地の下端に沿ってなされる。このため、密度が比較的低く、その織目又は編み目が粗い生地本体11にあっては、その下端を包み込む糸14が直線状に成らずに波打つような場合も生じ得る。しかし、この請求項1に記載したカーテン生地10では、生地本体11の下端に補強紐12を添付し、巻きロック処理によりその補強紐12を生地本体11の下端に添着するので、生地本体11の下端を包み込む糸14を補強紐12に沿って直線状に仕上げられる。このため、巻きロック処理された生地本体11の下端が波打つことに起因する見栄えの悪化を回避することができる。
【0007】
一方、補強紐12を生地本体11の下端に添付するのでその部分における見かけ上の厚さは増加するけれども、この補強紐12は生地本体11の下端に巻きロック仕上げにより添着されるので、その単一の生地本体11に対して補強紐12は別途独立して移動可能なものである。このため、補強紐12が添着されることに起因する生地本体11下端の剛軟度の増加率は、その生地本体11の下端を折り返して重ね合わされた部分における双方の相対的な移動が禁止される従来品よりも低い。このため、このカーテン生地10の上端を支持して垂下させた場合に、その上端で形成されたウエーブをその下端にまで保つことができ、カーテン生地10の下端に描かれるウェーブをその生地本体11の上端に描かれたウェーブと一致させて、優美なウエーブを醸し出すことができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、補強紐12が生地本体11の下端の室内面に添着されたことを特徴とする。
この請求項2に記載されたカーテン生地では、補強紐12を生地本体11の下端の室内側に添付しているので、その補強紐12も視認可能となる。このため、この補強紐12に着色等を行えば、生地本体11の下端における意匠性を高めることができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、補強紐12が合成繊維又は天然繊維から成る撚り紐又は編み紐であって太さが0.8〜2.0mmであることを特徴とする。
この請求項3に記載したカーテン生地10では、生地本体11の下端に添着される補強紐12として合成繊維又は天然繊維から成る撚り紐又は編み紐であって太さが0.8〜2.0mmであるものを用いるので、その補強紐12の剛軟度は小さいものであり、補強紐12が添付されることに起因する生地本体11下端の剛軟度が著しく上昇することを回避することができる。
ここで、補強紐12の太さが、0.8mm未満であるとその剛軟度が低すぎて、単一の生地本体11の下端を規則正しく包み込む糸14を直線状にすることが困難となる。また、補強紐12の太さが、2.0mmを越えるとその剛軟度が高すぎて、この補強紐12が添着された単一の生地本体11の下端の剛軟度を必要以上に増加させるおそれがある。そして、この補強紐12の更に好ましい太さは1.0〜1.2mmである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカーテン生地では、生地本体の下端を全幅に亘って巻きロック処理し、その生地本体の下端を折り返すようなことをしない。このため、その下端が解れてその見栄えを悪化させるようなことを防止するとともに、単一の生地本体の下端における厚さは他の部分と同一となり、その下端における剛軟度を増加させない。また、生地本体の下端に補強紐を添付し、巻きロック処理によりその補強紐を生地本体の下端に添着するので、生地本体の下端を包み込む巻きロック仕上げにおける糸を補強紐に沿って直線状に仕上げることができ、巻きロック処理された生地本体の下端が波打つことに起因する見栄えの悪化を回避することができる。
【0011】
一方、この補強紐は生地本体の下端に巻きロック仕上げにより添着されるので、その単一の生地本体に対して補強紐は別途独立して移動可能なものである。このため、補強紐が添着されることに起因する生地本体下端の剛軟度の増加率は、その生地本体の下端を折り返して重ね合わされた部分における双方の相対的な移動が禁止される従来品よりも低い。このため、このカーテン生地の上端で形成されたウエーブをその下端にまで保つことができる。
また、補強紐を生地の下端の室内面に添着すれば、この補強紐に着色等を行うことにより生地本体の下端における意匠性を高めることができる。
更に、その生地本体11の剛軟度が45°カンチレバ法において60mm以下である場合には、合成繊維又は天然繊維から成る撚り紐又は編み紐であって太さが0.8〜2.0mmであるものを補強紐として用いることにより、補強紐が添付されることに起因する生地本体下端の剛軟度が著しく上昇することを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明のカーテン生地10は、単一の生地本体11とその下端に全幅に亘って添付された補強紐12とを備える。この単一の生地本体11は上端が折り返されて図示しないランナを取付け可能に構成される。そして、複数の図示しないランナは生地本体11の上端に所定の間隔をあけて設けられ、このランナがカーテンレール13に移動可能に支持されて、この単一の生地本体11はその図示しないランナを介して上端がカーテンレール13に支持されて垂下されるように構成される。
【0013】
単一の生地本体11とは、家屋に形成される開口部を閉止可能な可撓性を有する平面的なものを意味し、この生地本体11としては、織物や編み物からなる繊維製品が挙げられる。本発明に用いられる単一の生地本体11は、その剛軟度が45°カンチレバ法において60mm以下である場合に特に有効である。45°カンチレバ法とはJISに規定されている繊維製品の試験法の一つであり、資料となる繊維製品を2.0〜2.5cmの幅であってその長さが15cmになるように裁断して試験片を採取し、図3に示すように、45°の傾斜面21を持つ水平台22の上に試験片23を置き、スケール24に合わせて正確に(a)点を読み取る。その後試験片23を静かに滑らせてその端縁を傾斜面21の上方にい突出させて自重により折り曲げさせる。そして、試験片23の傾斜面21の上方に突出した先端がその傾斜面21に接触するまでその試験片23を滑らせ、そのときの位置(b)を読み取る。そして、(b)−(a)により求められる値が45°カンチレバ法における剛軟度として表される。
【0014】
図1に戻って、単一の生地本体11の下端に添付される補強紐12としては、撚り紐又は編み紐が挙げられる。そして、撚り紐としては、材質がポリエステルから成る糸を複数本撚ったものが例示され、編み紐であれば例えばその糸を編んだいわゆるリリアン紐であるようなものが例示される。そして、この実施の形態における補強紐12は、生地本体11の下端の室内面に添着される場合を示す。
【0015】
生地本体11の下端は全幅に亘って補強紐12とともに巻きロック処理される。この巻きロック処理とはいわゆる縁かがり縫いであって、図1の拡大図に示すようにこの処理により生地本体11の下端は折り返されることなく規則正しく糸14により包み込まれる。そして、この巻きロック処理は補強紐12とともになされるので、図2に詳しく示すように、その補強紐12は生地本体11の下端に添付された状態で、その下端とともに糸14により包囲されてその生地本体11の下端に添着される。そして、この補強紐12の太さは0.8〜2.0mmであることが好ましい。
【0016】
このように構成されたカーテン生地10では、単一の生地本体11の下端を折り返すようなことをしない。このため、単一の生地本体11の下端における厚さは他の部分と同一であるので、その下端における剛軟度が向上するようなことはない。このため、このカーテン生地10の上端を支持して垂下させた場合に、その上端で形成されたウエーブをその下端にまで保つことができ、カーテン生地10の下端に描かれるウェーブをその生地本体11の上端に描かれたウェーブと一致させて、優美なウエーブを醸し出すことができる。一方、生地本体11の下端は裁断されていて解れやすい場合もあるけれども、その下端は巻きロック処理されるので、その下端が解れてその見栄えを悪化させるようなことはない。
【0017】
一方、巻きロック処理は生地本体11の下端を規則正しく糸14により包み込むような処理であり、生地の下端に沿ってなされる。このため、例えば、単一の生地本体11がレース状の生地本体11のように目の粗いものである場合には、その下端を包み込む糸14が直線状に成らずに波打つような場合も生じ得るけれども、本発明のカーテン生地10では、生地本体11の下端に補強紐12が添付され、その補強紐12とともに巻きロック処理されてその補強紐12が生地本体11の下端に添着される。このため、例えば、単一の生地本体11がレース状の生地本体11のように目の粗いものであったとしても、その下端を包み込む糸14は補強紐12に沿って直線状に仕上げられることになる。従って、巻きロック処理された生地本体11の下端が波打つことに起因する見栄えの悪化を回避することができる。そして、この実施の形態では、補強紐12を単一の生地本体11の下端の室内側に添付しているので、その補強紐12も視認可能となる。このため、この補強紐12に着色等を行えば、単一の生地本体11の下端における意匠性を高めることができる。
【0018】
ここで、補強紐12は単一の生地本体11の下端になされる巻きロック仕上げによりその下端に添付され、補強紐12が添付された部分における見かけ上の厚さは増加するけれども、添付された補強紐12は補強紐は撚り紐又は編み紐であるので、その剛軟度は一般的に小さいものであり、補強紐12が添付されることに起因する生地本体11下端の剛軟度が著しく上昇することはない。また、この補強紐12は生地本体11の下端にその下端とともに糸14により包囲されて添着されるので、その単一の生地本体11に対して補強紐12は別途独立して移動可能なものと言える。このため、補強紐12が添着されることに起因する生地本体11下端の剛軟度の増加率は、その生地本体11の下端を折り返して重ね合わされた部分における双方の相対的な移動が禁止される従来品よりも低い。このため、カーテン生地10の下端に描かれるウェーブがその生地本体11の上端に描かれたウェーブと異なるような事態を有効に回避することができる。
【実施例】
【0019】
次に、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
単一の生地本体11としてレース生地を準備した。このレース生地の剛軟度は45°カンチレバ法において55mmであった。また、補強紐12として、ポリエステルから成るリリアン紐であってその直径が1.0mmのものを別に準備した。
そして、準備された生地本体11の切断された端縁に別に準備された補強紐12を添付し、その補強紐12とともに生地本体11の切断された端縁を巻きロック処理した。このようにして、補強紐12が生地本体11の端縁に添着されたカーテン生地を得た。このカーテン生地の巻きロック処理された部分の写真図を図5に示す。
【0020】
<比較例1>
実施例1と同一のレース生地を準備した。このレース生地の切断された端縁に補強紐を添付することなく、その切断された端縁に巻きロック処理を施した。このようにして、補強紐が添付されずに生地本体の端縁が巻きロック処理されたカーテン生地を得た。このカーテン生地の巻きロック処理された部分の写真図を図6に示す。
<評価1>
図6における比較例1では、巻きロック処理された部分における生地本体11の下端を包み込む糸14が波打っており、その見栄えが著しく悪化していることが判る。これに対して図5における実施例1では、巻きロック処理において下端を包み込む糸14は直線状に仕上げられ、その見栄えが著しく向上していることが判る。これは、実施例1では生地本体11の下端に補強紐12が添付され、その補強紐12とともに巻きロック処理されているため、その下端を包み込む糸14が補強紐12に沿って直線状に仕上げられたことに起因するものと考えられる。
【0021】
<実施例2>
単一の生地本体11として織り布を準備した。この織り布はポリエステルから成る縦糸と、アクリル形から成る横糸を織ることにより作られたキロニー社製の型番がAD−4008として販売されているものである。この生地本体の剛軟度は45°カンチレバ法において51mmであって、その生地を裁断して縦200mm横300mmの生地本体11を得た。また、補強紐12として、ポリエステルから成るリリアン紐であってその直径が1.0mmのものを別に準備した。
そして、準備された生地本体11の切断された下端にその全長である300mmの全てに別に準備された300mmの補強紐12を添付し、その補強紐12とともに生地本体11の下端を巻きロック処理した。このようにして、300mmの長さの補強紐12が生地本体11の下端にその全長に亘って添着されたカーテン生地を得た。このカーテン生地を実施例2とした。
【0022】
<比較例2>
実施例2と同一の織り布から成る生地を裁断して縦200mm横300mmの生地本体11を得た。この生地本体のみから成るものをカーテン生地とし、このカーテン生地を比較例2とした。
<比較例3>
実施例2と同一の織り布から成る生地を裁断して縦220mm横300mmの生地本体11を得た。そして、この生地本体11の下端を20mmの幅において折り返し、その折り返して2重となった部分を縫いつけた。このようにして、下端が折り返されて縫製された縦200mm横300mmのカーテン生地を得た。このカーテン生地を比較例3とした。
【0023】
<比較試験>
図4に示すように、実施例2並びに比較例2及び3におけるそれぞれのカーテン生地を、それぞれその右側を持ち上げて横方向の中間で折り返し、その右側を左側に重ねた時の折り返し部分の膨らみから成る高さH1,H2を測定した。その高さは折り返し部分の上端における高さH1と下端における高さH2をそれぞれ測定した。そして、比較例2における高さH1,H2を基準とした実施例2及び比較例3におけるそれぞれの高さH1,H2における割合を剛軟度の増加率として求めた。この測定結果を表1に示す。
また、実施例2並びに比較例2及び3におけるそれぞれのカーテン生地の右側を左側に重ねるように折り返された状態を下側から観察した写真を図7〜9にそれぞれ示す。ここで、図7は比較例2のカーテン生地を折り返した状態を示し、図8は実施例2のカーテン生地を折り返した状態を示し、図9は比較例3のカーテン生地を折り返した状態を示すものである。
【0024】
【表1】

【0025】
<評価2>
表1の結果から明らかなように、織り布から成る生地を裁断して得られたカーテン生地である比較例2では、折り返し部分の膨らみから成る高さH1,H2は上端側と下端側においてそれぞれ等しい20mmの値を示している。これは裁断された縁に何の処理も施されないことによるものと考えられる。
一方、実施例2では、補強紐が添着された下端側においてその高さが比較例2に比較して15%増加し、その反対側である上端側は僅かに減少している。これは下端に補強紐が添着されたことに起因するものと考えられるけれども、その高さの増加率が15%と低い値を示しているのは、補強紐12が生地本体11の下端にその下端とともに糸14により包囲されて添着されるので、その生地本体11に対して補強紐12が独立して移動なことに起因するものと考えられる。
【0026】
これに対して、比較例3では、折り返されて縫製された下端側においてその高さが比較例2に比較して60%増加し、その反対側である上端側にあっては6割にまで減少している。これは、その生地本体11の下端を折り返して重ね合わされた部分における厚さが増加したことに起因するものと考えられ、その高さの増加率が著しく高い値を示しているのは、折り返して重ね合わされた部分における双方の相対的な移動が禁止されることによりその剛軟度が著しく増加したことに起因するものと考えられる。
また、図7及び図8では、折り返された箇所が滑らかに膨らんで見栄えの良い円弧を描いているのに対して、下端を折り返した比較例3を示す図9では、その膨らみがいびつになってその見栄えが損なわれていることが判る。これは、比較例3における折り返して重ね合わされた部分の剛軟度が著しく増加したことに起因するものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明実施形態のカーテン生地がカーテンレールの吊持された状態を示す図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】45°カンチレバ法における剛軟度の測定状態を示す斜視図である。
【図4】実施例における折り返し部の高さの測定状態を示す斜視図である。
【図5】実施例1のカーテン生地の巻きロック処理された部分を示す写真図である。
【図6】比較例1のカーテン生地の巻きロック処理された部分を示す写真図である。
【図7】比較例2のカーテン生地を折り返した状態を示す写真図である。
【図8】実施例2のカーテン生地を折り返した状態を示す写真図である。
【図9】比較例3のカーテン生地を折り返した状態を示す写真図である。
【符号の説明】
【0028】
10 カーテン生地
11 生地本体
12 補強紐
14 巻きロック処理における糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が支持されて垂下される単一の生地本体(11)と、前記生地本体(11)の下端に全幅に亘って添付された補強紐(12)とを備え、前記生地本体(11)の下端が全幅に亘って前記補強紐(12)とともに巻きロック処理されて前記補強紐(12)が前記生地本体(11)の下端に添着されたことを特徴とするカーテン生地。
【請求項2】
補強紐(12)が生地本体(11)の下端の室内面に添着された請求項1記載のカーテン生地。
【請求項3】
補強紐(12)が合成繊維又は天然繊維から成る撚り紐又は編み紐であって太さが0.8〜2.0mmである請求項1又は2記載のカーテン生地

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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