説明

カートリッジの洗浄方法、カートリッジの洗浄装置、マイクロアレイ製造方法、マイクロアレイ製造装置

【課題】 マイクロアレイ製造時におけるカートリッジの洗浄時間を短縮すること。
【解決手段】 生体分子溶液を滴下してマイクロアレイを製造するためのマイクロアレイ製造装置に備わった液滴吐出用のカートリッジを洗浄する方法であって、注入口及び排出口を有すると共に一面が開口したキャップ(10)を、当該開口した一面を上記カートリッジ(50)の液体吐出面に密着させて配置する第1過程と、上記キャップの上記注入口(11)から洗浄液を注入し、上記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に上記洗浄液を侵入させるとともに、当該侵入させた上記洗浄液を上記キャップの上記排出口(13)から吸引して排出する第2過程と、上記キャップの上記注入口(12)から気体を注入し、上記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に上記気体を侵入させる第3過程と、を含む、液滴吐出用カートリッジの洗浄方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出法(インクジェット法)によりDNAやタンパク質を固相上に吐出し、マイクロアレイを作製する装置及び方法に関し、より具体的は当該装置又は方法において液滴の吐出に用いるカートリッジを洗浄する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に用いられているインクジェット方式のプリンタでは、限定された試料(インク)を吐出するための異物除去を目的とした洗浄方法が主体であり、カートリッジ内の試料容器、流路、ノズル内を洗浄し、異なる試料に置換する必要性はない。しかし、インクジェット方式を用いて、DNAやタンパク質などの生体成分を含む試料を基板上に吐出し、マイクロアレイを製造する場合には、数百〜数千種類の微量な試料を吐出する必要がある。現状では、試料の吐出よりもその後のカートリッジの洗浄に要する時間が長いため、マイクロアレイの製造時間を短縮するためには、効率よくカートリッジ内の洗浄を行うことが非常に重要となる。
【0003】
かかる洗浄技術に関する従来例としては以下のようなものがある。特許第3108788号公報(特許文献1)では、カートリッジのノズル開口部から洗浄液を供給する方法が提案されているが、これはインクジェットヘッド内の異物除去を目的としたものである。また、特開2004−106460号公報(特許文献2)や特開平10−286977号公報(特許文献3)では、試料の置換を目的とした洗浄方法が提案されているが、インク等の工業材料を対象としたものであり、生体成分のような微量試料に必要な洗浄後の乾燥工程は含まれていない。
【0004】
これに対して、特開2002−323507号公報(特許文献4)では、生体成分の吐出を目的としたマイクロアレイ製造装置が提案されている。この文献に記載の技術では、洗浄−すすぎ−乾燥までの工程を洗浄方法として規定しているが、各作業はそれぞれ専用に設けた場所で行われ、試料吐出部(カートリッジ)を順次移動させていく方法が採用されている。しかし、マイクロアレイを製造する場合には多種類の試料の吐出を行う必要があるため、吐出時間よりも洗浄及び試料交換時間の短縮が重要になる。上記の従来技術では、洗浄にかかる各作業ごとに試料吐出部を移動させるので、洗浄時間の短縮という観点では不十分であった。
【0005】
【特許文献1】特許第3108788号公報
【特許文献2】特開2004−106460号公報
【特許文献3】特開平10−286977号公報
【特許文献4】特開2002−323507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、マイクロアレイ製造時におけるカートリッジの洗浄時間の短縮を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様の本発明は、生体分子溶液を滴下してマイクロアレイを製造するためのマイクロアレイ製造装置に備わった液滴吐出用のカートリッジを洗浄する方法であって、注入口及び排出口を有すると共に一面が開口したキャップを、当該開口した一面を上記カートリッジの液体吐出面に密着させて配置する第1過程と、上記キャップの上記注入口から洗浄液を注入し、上記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に上記洗浄液を侵入させるとともに、当該侵入させた上記洗浄液を上記キャップの上記排出口から吸引して排出する第2過程と、上記キャップの上記注入口から気体を注入し、上記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に上記気体を侵入させる第3過程と、を含む液滴吐出用カートリッジの洗浄方法である。
【0008】
ここで、本明細書において「マイクロアレイ」とは、ガラス等からなる基板上に多数の種類の生体分子溶液の液滴が配置されるものをいう。生体分子溶液とは、DNA(デオキシリボ核酸)、たんぱく質など含む溶液であり、プローブ溶液と呼ばれる場合もある。
【0009】
かかる洗浄方法によれば、カートリッジ内の試料容器、流路及びノズルの洗浄及びその後の乾燥を一連に行うことが可能となり、カートリッジの洗浄時間を短縮することが可能となる。
【0010】
また、複数のカートリッジに対して上述した第1過程〜第3過程を順次並行して行うことも好ましい。
【0011】
これにより、複数のカートリッジを使用する場合において、カートリッジの洗浄時間を短縮することが可能となる。
【0012】
好ましくは、上述した第2過程は、上記洗浄液として、界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体を用いる過程と、上記洗浄液としてリン酸緩衝液からなるリンス液を用いる過程と、を含む。
【0013】
洗浄液として界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体を用いる場合には、その後にリンス液を用いた洗浄も合わせて行いたい場合が多いが、そのような場合に、洗浄液を切り替えて注入することにより、洗浄時間を短縮することが可能となる。
【0014】
第2の態様の本発明は、上述した洗浄方法によって上記液滴吐出用カートリッジを洗浄する工程と、液滴吐出用カートリッジを用いて上記生体分子溶液を滴下する工程と、を含むマイクロアレイの製造方法である。
【0015】
かかる製造方法によれば、カートリッジの洗浄時間が短縮され、マイクロアレイの製造効率を高めることが可能となる。
【0016】
第3の態様の本発明は、生体分子溶液を滴下してマイクロアレイを製造するためのマイクロアレイ製造装置に備わった液滴吐出用のカートリッジを洗浄するための装置であって、注入口及び排出口を有すると共に一面が開口しており、当該開口した一面を上記カートリッジの液体吐出面に密着させて用いられるキャップと、上記キャップの上記注入口から洗浄液を注入し、上記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に上記洗浄液を侵入させる洗浄液注入手段と、上記キャップの上記注入口から気体を注入し、上記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に上記気体を侵入させる気体注入手段と、上記カートリッジ内に侵入した上記洗浄液又は上記気体を上記キャップの上記排出口から吸引して排出する吸引手段と、を備える液滴吐出用カートリッジの洗浄装置である。
【0017】
かかる洗浄装置によれば、カートリッジ内の試料容器、流路及びノズルの洗浄及びその後の乾燥を一連に行うことが可能となり、カートリッジの洗浄時間を短縮することが可能となる。
【0018】
好ましくは、上記キャップは上記注入口を少なくとも二つ備えており、一方の上記注入口を上記洗浄液の注入時に用い、他方の上記注入口を上記気体の注入時に用いる。
【0019】
液体と気体で別個に注入口を設けておくことにより、注入対象を切り替える際の時間が短縮され、洗浄時間の更なる短縮が可能となる。
【0020】
好ましくは、上記洗浄液注入手段は、上記洗浄液として界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体を注入する手段と、上記洗浄液としてリン酸緩衝液からなるリンス液を注入する手段とを備える。
【0021】
洗浄液として界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体を用いる場合には、その後にリンス液を用いた洗浄も合わせて行いたい場合が多いが、そのような場合に、洗浄液を切り替えて注入することにより、洗浄時間を短縮することが可能となる。
【0022】
第4の態様の本発明は、上述した液滴吐出用カートリッジの洗浄装置を備えるマイクロアレイ製造装置である。
【0023】
かかるマイクロアレイ製造装置によれば、カートリッジの洗浄時間が短縮され、マイクロアレイの製造効率を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は、一実施形態のカートリッジ洗浄装置の全体構成を説明するブロック図である。図1に示すカートリッジ洗浄装置100は、生体分子溶液を滴下してマイクロアレイを製造するためのマイクロアレイ製造装置に装着して用いられる液滴吐出用のカートリッジ50を洗浄するためのものであり、キャップ10、洗浄液タンク20、リンス液タンク21、注入用ポンプ22、バルブ23、送風機24、吸引用ポンプ25、廃液タンク26、配管27を含んで構成されている。
【0026】
キャップ10は、カートリッジ50に密着させて配置され、当該カートリッジ50を洗浄するために用いられるものである。
【0027】
図2は、キャップ10の詳細構成及び使用状態を説明するための模式断面図である。図2に示すように、本実施形態において洗浄対象となるカートリッジ50は、複数のノズル(液滴吐出口)53を備えるノズル部材51と、当該ノズル部材51の各ノズルと連通する流路を有し、当該流路を介して生体分子溶液を供給するリザーバ52とを含んで構成されている。そして、図示のようにキャップ10は、一面側が開口しており、当該開口した一面をカートリッジ50の各ノズル53の形成面(すなわち液滴吐出面)に密着させて用いられる。キャップ10の開口側と対向する位置には、2つの注入口11、12と、排出口13とが形成されている。注入口11はカートリッジ50内に洗浄液を注入するために用いられ、注入口12はカートリッジ50内に気体(空気、窒素ガス等)を注入するために用いられる。排出口13は、洗浄液または気体を排出するために用いられる。
【0028】
洗浄液タンク20は、界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体からなる洗浄液を入れておくものである。リンス液タンク21は、リン酸緩衝液からなるリンス液を入れておくものである。これらの洗浄液タンク20、リンス液タンク21にはそれぞれ配管27が接続されている。当該各配管27を介して、注入用タンク22により上述したキャップ10の注入口11へ洗浄液又はリンス液を注入し、カートリッジ50の液体吐出面から当該カートリッジ50内に洗浄液を侵入させることができるように構成されている。バルブ23は、注入用タンク22を洗浄液タンク20とリンス液タンク21のいずれに接続するかを選択的に切り替えるためのものである。なお、洗浄液タンク21、ポンプ22及び配管27が本発明における「洗浄液注入手段」に相当する。
【0029】
送風機24は、配管27を介して上述したキャップ10の注入口12と接続されている。この送風機24及び配管27によって、注入口12から気体を注入し、カートリッジ50の液体吐出面から当該カートリッジ50内に気体を侵入させることができるように構成されている。送風機24として、例えばペリスターポンプを採用することにより、送風機24を小型化し、カートリッジ洗浄装置100内におけるレイアウトを容易にすることができる。なお、送風機24及び配管27が本発明における「気体注入手段」に相当する。
【0030】
吸引用ポンプ25は、配管27を介して上述したキャップ10の排出口13と接続されている。この吸引ポンプ25及び配管27によって、カートリッジ50内に侵入した洗浄液又は気体をキャップ10の排出口13から吸引して排出することができる。吸引された洗浄液は廃液タンク26に貯留される。なお、吸引用ポンプ25及び配管27が本発明における「吸引手段」に対応する。
【0031】
本実施形態のカートリッジ洗浄装置100はこのような構成を有しており、次に、当該カートリッジ洗浄装置100を備えるマイクロアレイ製造装置の構成例を説明する。
【0032】
図3は、マイクロアレイ製造装置の構成例を説明するブロック図である。図3に示すマイクロアレイ製造装置200は、基板64上に生体分子溶液の液滴を複数配置してなるマイクロアレイを製造するためのものであり、複数の基板64を載置可能に構成されたテーブル60と、カートリッジ50をX方向に自在に移動させるためのX方向駆動軸61、62と、テーブル60をY方向に自在に移動させるためのY方向駆動軸63と、上述したカートリッジ洗浄装置100と、を含んで構成されている。本構成例のマイクロアレイ製造装置200では、例えば、吐出に使用するカートリッジ50を一方のX方向駆動軸61によってステージ64上を移動させてマイクロアレイの製造を行いつつ、これと並行して、吐出に使用しないカートリッジ50を他方のX方向駆動軸62によってカートリッジ洗浄装置100まで移動させて、カートリッジ洗浄を行うことができる。
【0033】
次に、本実施形態のカートリッジ洗浄装置100を用いて行われるカートリッジ洗浄方法について説明する。
【0034】
図4は、カートリッジ洗浄方法を説明するための図(模式断面図)である。
【0035】
まず、図4(A)に示すように、キャップ10をその開口面がカートリッジ50の液体吐出面に密着するようにして配置する。
【0036】
次に、図4(B)に示すように、吸引用ポンプ25を作動させ、カートリッジ50内に残留している試料をキャップ10の排出口13から吸引し、除去する。
【0037】
次に、図4(C)に示すように、注入用ポンプ22を作動させ、キャップ10の注入口11からアルカリ性液体等を含んでなる洗浄液を注入し、カートリッジ50の液体吐出面から当該カートリッジ50内に洗浄液を侵入させる。またこれと並行して、吸引用ポンプ25を作動させ、カートリッジ50内に侵入させた洗浄液をキャップ10の排出口13から吸引して排出する。ここで、界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体からなる洗浄液としては、Tween20溶液又は次亜鉛酸系洗浄剤を用いることが好ましい。
【0038】
次に、図4(D)に示すように、注入用ポンプ22を作動させ、キャップ10の注入口11からリンス液を注入し、カートリッジ50の液体吐出面から当該カートリッジ50内にリンス液を侵入させる。またこれと並行して、吸引用ポンプ25を作動させ、カートリッジ50内に侵入させたリンス液をキャップ10の排出口13から吸引して排出する。ここで、リンス液としては、上述したようにリン酸緩衝液を用いることが好ましい。
【0039】
次に、図4(E)に示すように、送風機24を作動させ、キャップ10の注入口12から気体(エアー)を注入し、カートリッジ50の液体吐出面から当該カートリッジ50内に上記気体を侵入させる。ここで、気体としては、空気、窒素ガスなどが好適に用いられる。侵入させた気体は排出口13あるいはリザーバ上部開口部を介して排出される。
【0040】
このように本実施形態によれば、カートリッジ50のリザーバ(試料容器)、流路及びノズルの洗浄及びその後の乾燥を一連に行うことが可能となり、カートリッジ50の洗浄時間を短縮することが可能となる。そして、カートリッジの洗浄時間が短縮されることにより、マイクロアレイの製造効率を高めることが可能となる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述したキャップ10を複数用意しておき、複数のカートリッジ50を並行して(略同時に)洗浄するようにカートリッジ洗浄装置を構成することもできる。
【0042】
図5は、複数のカートリッジを並行して洗浄可能なカートリッジ洗浄装置の構成例を説明するブロック図である。図5に示すカートリッジ洗浄装置100aは、基本的には上述した実施形態にかかるカートリッジ洗浄装置100と同様な構成を備えている(図1参照)。図5では、図1に示すカートリッジ洗浄装置100と共通する構成要素には同符号が付されており、これらの構成要素については詳細な説明を省略する。本例のカートリッジ洗浄装置100aでは、各バルブ28、29、30によって、各キャップ10と注入用ポンプ22、吸引用ポンプ24、送風機26のそれぞれとの接続状態を切り替え可能となっており、洗浄にかかる各過程を3つのカートリッジ50のそれぞれに対して並行して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】カートリッジ洗浄装置の全体構成を説明するブロック図である。
【図2】キャップの詳細構成及び使用状態を説明するための模式断面図である。
【図3】マイクロアレイ製造装置の構成例を説明するブロック図である。
【図4】カートリッジ洗浄方法を説明するための図(模式断面図)である。
【図5】複数のカートリッジを並行して洗浄可能なカートリッジ洗浄装置の構成例を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
10…キャップ、11、12…注入口、13…排出口、20…洗浄液タンク、21…リンス液タンク、22…注入用ポンプ、23…バルブ、24…送風機、25…吸引用ポンプ、26…廃液タンク、27…配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体分子溶液を滴下してマイクロアレイを製造するためのマイクロアレイ製造装置に備わった液滴吐出用のカートリッジを洗浄する方法であって、
注入口及び排出口を有すると共に一面が開口したキャップを、当該開口した一面を前記カートリッジの液体吐出面に密着させて配置する第1過程と、
前記キャップの前記注入口から洗浄液を注入し、前記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に前記洗浄液を侵入させるとともに、当該侵入させた前記洗浄液を前記キャップの前記排出口から吸引して排出する第2過程と、
前記キャップの前記注入口から気体を注入し、前記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に前記気体を侵入させる第3過程と、
を含む、液滴吐出用カートリッジの洗浄方法。
【請求項2】
複数の前記カートリッジに対して前記第1過程〜第3過程を順次並行して行う、請求項1に記載の液滴吐出用カートリッジの洗浄方法。
【請求項3】
前記第2過程は、
前記洗浄液として、界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体を用いる過程と、
前記洗浄液としてリン酸緩衝液からなるリンス液を用いる過程と、
を含む、請求項1に記載の液滴吐出用カートリッジの洗浄方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄方法によって前記液滴吐出用カートリッジを洗浄する工程と、
前記液滴吐出用カートリッジを用いて前記生体分子溶液を滴下する工程と、
を含む、マイクロアレイの製造方法。
【請求項5】
生体分子溶液を滴下してマイクロアレイを製造するためのマイクロアレイ製造装置に備わった液滴吐出用のカートリッジを洗浄するための装置であって、
注入口及び排出口を有すると共に一面が開口しており、当該開口した一面を前記カートリッジの液体吐出面に密着させて用いられるキャップと、
前記キャップの前記注入口から洗浄液を注入し、前記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に前記洗浄液を侵入させる洗浄液注入手段と、
前記キャップの前記注入口から気体を注入し、前記カートリッジの液体吐出面から当該カートリッジ内に前記気体を侵入させる気体注入手段と、
前記カートリッジ内に侵入した前記洗浄液又は前記気体を前記キャップの前記排出口から吸引して排出する吸引手段と、
を備える、液滴吐出用カートリッジの洗浄装置。
【請求項6】
前記キャップは前記注入口を少なくとも二つ備えており、一方の前記注入口を前記洗浄液の注入時に用い、他方の前記注入口を前記気体の注入時に用いる、請求項5に記載の液滴吐出用カートリッジの洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄液注入手段は、
前記洗浄液として、界面活性剤、アルカリ性液体、有機溶剤のうち少なくとも1種類以上が添加されている液体を注入する手段と、
前記洗浄液としてリン酸緩衝液からなるリンス液を注入する手段と、
を備える、請求項5に記載の液滴吐出用カートリッジの洗浄装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかに記載の液滴吐出用カートリッジの洗浄装置を備えるマイクロアレイ製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−184245(P2006−184245A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380915(P2004−380915)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】