説明

カードシステム

【課題】 カード購入者が、自分が購入したカードの利用状況を把握できるようにする。
【解決手段】 カードIDを記録したカード1と、データ処理部3と、カードデータ記憶部4とからなり、上記データ処理部3は、カードIDに、贈り物金額特定情報、サブID、カード有効期限、カード使用済み情報などを対応付けてカードデータ記憶部4に登録する機能と、上記カードデータ記憶部4が記憶しているデータのうち、カード有効期限が過ぎたカードIDを無効にするとともに、無効であって未使用のカードのカードIDに対応する贈り物金額特定情報を、サブIDに基づいてのみ出力する機能を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IDを備えたカードを元にして、贈呈者から受贈者へ現金や商品、あるいは、情報などを贈ることができるようにしたカードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IDを備えたカードを基にして、商品あるいはサービスの提供を受けたり、現金の決済を行なったりするカードシステムが知られていた。このカードシステムは、当該カードが提示されたとき、そのカードに化体された商品やサービスの提供が実行されるようにしていた。
【0003】
このように、カードを利用して商品などを贈ることができるシステムとして、例えば、特許文献1に記載のシステムがある。
このシステムでは、図3に示すように、一枚一枚のカード1に特有のカードIDと、通信用のURLとを表示した二次元コード2が印刷されたカード1を用いている。上記URLは、センターサーバーにアクセスするためのURLであり、このセンターサーバーでは、上記カードIDに対応付けて、様々な情報を登録するようにしている。
【0004】
そして、上記カード1によって交換できる商品や金額などの情報を、カードIDに対応付けて上記センターサーバーに記憶させておき、このカード1を、カード購入者から受け取った受け取り者は、このカード1のカードIDを基にして、商品やサービスの提供を受けることができる。
例えば、特許文献1に記載のカードシステムでは、最終的にカード1を受け取った受け取り者がカード1を利用する時点で、このカード1のカードIDに対応させて、予め決められた必要情報が全て上記センターサーバーに登録されているかどうかを確認し、登録されていた場合に、そのカード1が正規のものと判断して、金品やサービスの提供などの処理が実行されるようにしている。
【0005】
つまり、上記カードを、カードの購入者が贈呈者として、商品や現金などを贈る相手である受け取り者へ送れば、この受け取り者が受け取ったカードを利用して、商品やサービスの提供を受けることができる。結果として、商品やサービスが、贈呈者から受け取り者へ贈られたとみなすことができるので、特定の相手へ贈り物をするカードシステムとして使用することができる。
【特許文献1】特開2006−192681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなカードシステムでは、贈呈者からのカードが正規のユーザーへ届き、その過程で必要情報が登録されていれば、受け取り者は、カードを利用して、金品や、情報などを受け取ることができる。そして、そのカードが利用される際には、カードIDによってサーバーへアクセスして、そのカードの正当性を確認することができる。
しかし、カードの送り手である贈り物の贈呈者は、自身がカードを送った相手が、カードを受け取り、そのカードを利用したかどうかを確認できないことがある。
【0007】
親しい間柄ならば、カードを利用したかどうか確認することが可能な場合も有るし、受け取り者が、お礼の連絡をしてくることも考えられる。
しかし、例えば、企業が多数の消費者に対して、プレゼントをするためにこのカードシステムを利用した場合などは、受け取り者からの連絡は期待できないし、送り先にいちいち問い合わせることもできない。そのため、カード購入者は送ったカードがどれだけ有効に利用されたのかを確認することができなかった。
【0008】
この発明の目的は、カードを利用して贈り物をするためのカードシステムにおいて、受け取り者へ送ったカードが、最終的にどれだけ利用されたのか、送り主が簡単に確認できるカードシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、個別のカードIDを記録したカードと、データ処理部と、カードIDに対応付けた情報を記憶するカードデータ記憶部とからなり、上記データ処理部は、販売済みカードのカードIDを特定し、そのカードIDに、入力された金品などの贈り物を特定する贈り物金額特定情報を対応付ける機能と、上記贈り物金額特定情報を対応付けた1または複数のカードIDごとに、カード購入者に対して発行するサブIDを対応付ける機能と、上記カードごとのカード有効期限を設定して、上記カードIDに対応付ける機能と、これら贈り物金額特定情報、サブIDおよびカード有効期限を、カードIDに対応付けてカードデータ記憶部に記憶させる機能と、上記カードIDを指定して入力されたカード使用済み信号をカードデータ記憶部のカードIDに対応付けて登録する機能と、上記カード有効期限が経過したとき、対応するカードIDを無効とするとともに、無効にしたカードIDに対応する情報をサブIDに基づいてのみ提示する機能と、カード使用済み信号が対応付けられていない未使用カードのカードIDであって、上記カード有効期限が経過したカードIDに対応付けられた贈り物金額特定情報を出力する機能とを備えた点に特徴を有する。
【0010】
なお、上記サブIDは、販売済みのカードIDの個々に1対1で対応付けるようにしてもよいし、複数のカードIDに対して一つのサブIDを対応付けるようにしてもよい。例えば、特定のカード購入者が、一度に販売した複数枚のカードのカードIDにまとめて1つのサブIDを対応付けたり、カード購入時に対応付けた贈り物特定金額ごとにサブIDを対応付けたりしてもよい。
【0011】
ただし、上記サブIDはカード購入者に対して発行するIDで、上記サブIDを記録したレシートなどの記録媒体を発行して購入者に渡したり、購入者の端末に電子データとして送信したりする。要するに、発行したサブIDは、必要なときに読み出すことができる状態で、カード購入者に保持されればよい。そして、複数のカードを購入したカード購入者に対しては、1または複数のサブIDが発行されるが、複数のカード購入者に、同一のサブIDが発行されることはない。
【0012】
また、未使用カードのカードIDであって、上記カード有効期限が経過したカードIDに対応付けられた贈り物金額特定情報を出力するとは、未使用カードに対応した贈り物金額特定情報がどれなのか分かるようにして出力するということであり、必ずしも、未使用カードに対応した贈り物金額特定情報のみが出力されるようにしなくてもよい。例えば、未使用カードに対応したカードIDや贈り物金額特定情報にマークなどを付けて、他のカードIDの情報とともに出力してもよい。
なお、カード有効期限が経過して、カードIDが無効になるとは、カードIDを用いたカードの利用ができないということであり、カードの受け取り者が、そのカードIDによって贈り物を受け取ることや、カードIDに情報を対応付けることができなくなるということである。
【0013】
第2の発明は、第1の発明を前提とし、上記データ処理部は、上記未使用カードのカードIDであって、有効期限が経過したカードIDに対応する贈り物金額特定金額を、上記サブIDごとに合計して出力する機能を備えた点に特徴を有する。
【0014】
第3の発明は、第1、第2の発明を前提とし、上記データ処理部は、カードIDに対応する宛名情報がカードデータ記憶部に登録されていないことを宛名情報受け付け条件として、上記宛名情報受け付け条件を満足していると判定した場合に、入力される宛名情報を、変更禁止状態にしてカードIDに対応付けてカードデータ記憶部に登録する機能を備えた点に特徴を有する。
【0015】
第4の発明は、第3の発明を前提とし、上記データ処理部は、販売済みカードのカードIDを特定したとき、そのカードIDに、宛名情報受付期限を設定し、上記購入者端末からの宛名情報の受信時がこの宛名情報受付期間内であることを、上記宛名情報受付条件に付加する点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0016】
第1〜第4の発明では、カード購入者に対して発行したサブIDをカードデータ記憶部に登録しておき、カードIDの有効期限が過ぎたときに、カード購入者が、上記サブIDによってカードの状況を知ることができるので、自分の送ったカードの利用状況を把握することがでる。特に、送ったのに、利用されなかった贈り物金額が分かりやすい。
例えば、企業などが、多数の相手にカードを送った場合には、どれだけのカードが有効利用されたかを把握することができるとともに、カードを利用しなかった相手を特定し、自社に友好的でない者を知ることもできる。
【0017】
また、カード購入者が贈り物を対応付けて購入したカードのうち、利用されず、受け取り者へ贈り物が届かなかったカードを、サブIDを用いて特定するとともに、そのカードに対応した贈り物金額を特定することもできる。そのため、贈り物用に使われなかった代金を購入者へ返却したり、新たに贈り物用として利用したりすることもできる。
さらに、カード有効期限を設定することによって、カード購入者からの贈り物が、必要なタイミングで受け取り者へ届きやすくできる。もしも、カードの有効期限がなければ、購入者が特定した贈り物をいつでも配送できるようにしておかなければならないが、有効期限が設定されていれば、そのような不都合も発生しない。
【0018】
第2の発明によれば、カード購入者は、利用されず、受け取り者へ贈り物が届かなかったカードに対応した贈り物金額の合計を、簡単に知ることができる。
【0019】
第3の発明では、贈り物の送り先である宛名情報を、一旦登録したら変更できないようにしているので、カード購入者が宛名情報を登録した後、例えば、カードの配達経路でカードが盗まれるようなことがあっても、贈り物の受け取り者は、予め登録された宛名情報で特定され、不正にカードを入手した者が贈り物を手に入れることはない。
【0020】
また、第4の発明では、宛先入力期限を設けているので、カード購入者が宛先情報を登録する前に、カードを盗まれてしまうようなことがあったとしても、入力期限内でなければ、宛先情報を受け付けられず、カードの不正使用を減らすこともできる。つまり、カード購入者は、購入した個々のカードに速やかに宛名情報を対応付けて登録するようにすれば、不正者に贈り物を横取りされる危険はなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1、2に、この発明の一実施形態を示す。
この実施形態のカードシステムは、図1に示すように、データ処理部3と、これに接続したカードデータ記憶部4および商品情報記憶部5とを備えたサーバーSと、このサーバーSにインターネットなどを介して接続可能な端末6,7,8とからなる。そして、上記サーバーSは、このシステムの運用者が管理するサーバーで、例えば、管理センターに設置する。
【0022】
また、このカードシステムでは、図3に示すカード1を用いるが、このカード1に表示された二次元コード2には、カード1のカードIDと、サーバーSにアクセスするためのURLが含まれている。ただし、カード1には、二次元コード2の代わりに、カードIDやURLをそのまま表示してもよいし、両者を同時に表示してもよい。そして、上記URLとカードIDとを用いてサーバーSにアクセスすると、カードに対応付ける種々の情報を登録するための登録画面が、端末6,7,8に表示されるようにしている。
【0023】
なお、このシステムでは、上記カード1を郵便はがきとし、その購入者が、特定の受け取り者に対し、贈り物を設定したカード1を郵送すると、このカード1を受け取った受け取り者に贈り物が配達されるようにしている。
ただし、この実施形態では、カード購入者が、受け取り者へ贈る個々の商品を特定するのではなく、複数の商品の中から受け取り者に欲しい商品を選択させるようにする。例えば、カード購入者は、贈り物とする個々の商品を特定するのではなく、贈りたい金額を指定し、その金額で提供可能な商品のグループから受け取り者が商品を選択できるようにする。上記提供可能な商品に関する情報は、予め、上記サーバーSの商品情報記憶部5に、金額ごとの商品グループとして記憶させている。
【0024】
また、上記サーバーSのカードデータ記憶部4は、このシステムで用いる個々のカード1の情報を記憶させる記憶部であり、各カード1に設定されたカードIDごとに、必要な情報を対応付けて記憶する。そのため、カードデータ記憶部4には、予め、発行済みのカードIDに、上記必要情報を登録するための情報登録欄を対応付けて記憶させおくようにする。
情報登録欄としては、例えば、図2のテーブルに示すものがある。詳細は、後で説明するが、カードIDごとに、カードで贈る商品の商品金額、サブID、販売日、宛名入力期限、カード有効期限、宛名情報、商品選択信号などを登録する情報登録欄を、情報項目ごとに備えている。
【0025】
さらに、上記カード1が、販売元から販売され、さらに、ユーザーへ販売される過程で、上記各発行済みカードIDに、流通元業者や、カード販売店などの業者IDを対応付けて登録する登録欄を備えて、業者IDを登録するようにしてもよく、このようにすれば、カードの流通過程を後から確認することもできる。
そして、カード1が、カード発行者から販売された後、上記各端末6,7,8からカード1に関連する情報がサーバーSに入力されたとき、データ処理部3が、入力された各情報を上記対応する情報登録欄に登録するようにしている。
【0026】
なお、ここでは、カードデータ記憶部4に、カードIDに対応付ける情報の項目ごとに、情報登録欄を予め設定しているが、情報項目ごとの登録欄は、予め設定しないで、新たな情報が入力されるたびに、新たな登録欄を生成するようにしてもよい。
また、上記各端末6,7,8は、それぞれ、カード1の販売店で用いる販売店端末、カード購入者が使用する購入者端末、カード1の受け取り者が使用する受け取り者端末であり、いずれの端末も、上記カード1に印刷された二次元コード2を読み取る機能と、読み取った二次元コードに含まれるURLを用いてサーバーSにアクセスする機能を備えている。ただし、カード1に表示されたカードIDやURLを手入力で、サーバーSへアクセスするようにしてもよい。
【0027】
以下に、このカードシステムを利用して、カード購入者であるユーザーAが、特定の相手に商品を贈る例を用いて、上記データ処理部3の処理機能を説明する。なお、ユーザーAからの贈り物を受け取る受け取り者をユーザーBとして説明する。
初めに、カード購入者であるユーザーAから、受け取り者であるユーザーBへ、贈り物が渡る大まかな流れを説明する。まず、ユーザーAが、ユーザーBの宛名情報をサーバーSに登録するとともに、そのカードをユーザーBへ郵送する。そのカード1を受け取ったユーザーBは、カード1の二次元コード2を読み取って、サーバーSへアクセスすると、商品情報が提示される。表示された商品情報の中から、ユーザーBが希望商品を選択すると、その商品がユーザーBの元へ送られる。
【0028】
この流れを、詳細に説明すると以下の通りである。
ユーザーAは、カードを購入する際に、カード1を介して贈り物にしたい商品の金額を指定し、その商品代とカード代金との合計金額を販売店に支払う。例えば、個々のカード1で5000円の商品を贈ると決めた場合、カード販売店では、端末6によって販売した各カードからカードIDを読み取りながら、上記商品金額の「5000円」を、この発明の贈り物金額特定情報として入力する。
【0029】
また、販売店では、カードの販売時に、カードの郵送代を含むカード代金と商品金額との合計金額をユーザーAから受け取り、レシートを発行する。なお、上記レシートは、カード販売店で、ユーザーAが支払った全金額に対するものであってもよいし、カード代金と、贈り物金額とを別々のレシートとしてもよい。
端末6は、レシートに、次に説明するサブIDを二次元コードなどにして表示させる。ただし、レシートに表示した二次元コードには、サーバーへアクセスするためのURLも含んでいる。
【0030】
上記サブIDは、レシートごと、すなわち販売単位ごとに設定し、カード購入者に対し発行するIDである。ここでは、ユーザーAが5000円の商品を対応付けた10枚のカード1の購入に対してのレシートに、サブIDを含んだ二次元コードを印刷しているが、サブIDは、レシートに印刷したものでなくてもよい。例えば、ユーザーAが使用する端末7に電子メールを利用して送信してもよい。要するに、このサブIDは、カードを購入したユーザーAの元に届き、このユーザーAが必要なときに提示できるようになっていればよい。
【0031】
上記のように、カード販売時には、端末6によって販売したカードのカードIDを読み取るとともに、商品金額と、サブID、例えば「S01」とを、サーバーSへ送信する。上記サブIDは、レシート単位で、サーバーSが発行したもので、例えば、サブIDが表示されたレシート用紙を予めカード販売店に用意しておけば、販売店では、販売したカードに対応するレシートを発行する際に、端末6によってそのレシートのサブIDを読み取ってそれをサーバーSへ送信し、サブIDをカードIDと対応付けることができる。
上記カードIDと、商品金額と、サブIDとを、端末6から受信したサーバーSでは、データ処理部3が、カードデータ記憶部4において、受信したカードIDに対応する商品金額の登録欄に、受信した商品金額を登録し、サブID登録欄に受信したサブIDを登録する。
【0032】
ユーザーAが、カードID「C001」〜「C010」の10枚のカードに5000円を対応付けて購入した場合には、図2に示すように、カードID「C001」〜「C010」に対応する商品金額欄には、それぞれ「5000円」が登録される。ここでは、ユーザーAが購入した10枚のカード全てに同じ商品金額を対応付けているが、カードごとに異なる金額を対応付けてもよい。また、カードID「C001」〜「C010」に対応する全てのサブID登録欄に、サブID「S01」を登録する。
【0033】
なお、カード販売店では、販売したカードの一枚一枚から、カードIDを読み取ってサーバーSへ送信してもよいが、複数のカードを同時に販売する際には、次のようにすることもできる。販売店では、未販売のカードをカードID順に管理し、サーバーSでは、発行済みカードIDを記憶しておけば、販売店の端末6は、全てのカードIDを読み取って送信しなくても足りる。例えば、連番の1枚目のカードID、「C001」と、販売枚数10枚、商品金額「5000円」とを、送信すれば、サーバーSのデータ処理部3が、販売済みのカードIDを、カードID「C001」〜「C010」と特定し、これらのカードIDに商品金額およびサブIDを対応付けて登録することができる。
【0034】
さらに、データ処理部3は、上記商品金額の入力をカードの販売時とみなし、カードIDに対応する販売日登録欄に販売日を登録する。そして、データ処理部3は、この販売日を基準にして宛名入力期限およびカード有効期限を算出し、それぞれの情報登録欄に登録する。
上記宛名入力期限とは、カードを購入したユーザーAが、贈り物を贈る相手の住所、氏名などの宛名情報を入力可能な期限のことである。ここでは、販売日から3日以内に宛名情報を入力しなければならない例を示している。そのためデータ処理部3が、販売日から3日後の期限を特定してカードデータ記憶部4にカードIDに対応付けて記憶させる。
【0035】
また、カード有効期限とは、販売されたカード1を贈り物用として利用できる期限である。ここでは、カードの有効期間を、カードの販売日から2ヶ月間とし、データ処理部3は、販売日から2ヶ月後のカード有効期限を特定して、カードIDに対応付けて記憶させる。このカード有効期限は、カード1が、贈り物を設定されたカードとして利用可能な期限である。従って、カードを受け取ったユーザーBは、この期限内に希望送品を選択しなければ、贈り物を受け取ることはできない。そこで、この有効期限は、カードに記載するなどして、あらかじめ、受け取り者へ知らせておく必要がある。
【0036】
ただし、記宛名入力期限およびカード有効期限の決め方は、この実施形態に限らず、どのように決めてもかまわない。
以上のように、カード1の販売時には、販売されたカードのカードIDに、サブID、販売日、宛名入力期限、カード有効期限が対応付けて登録される。なお、図2には、カードの販売日を10月1日とした例を示している。
【0037】
カードを購入したユーザーAは、自分が購入したカード1に商品の送り先である宛名情報を対応付けるための作業を行なう。
具体的には、端末7を用いてカード1の二次元コード2を読み取り、読み取ったURLを用いてサーバーSにアクセスする。端末7がサーバーSにアクセスすると、端末7には、情報の登録画面が表示される。そこで、ユーザーAが、二次元コードから読み取ったカードIDをサーバーSへ送信しながら、宛名情報の登録画面を選択すると、データ処理部3は、受信したカードIDを、カードデータ記憶部4で検索し、そのカードIDに対応する情報登録欄を特定する。このとき、受信したカードIDが、カードデータ記憶部4になければ、そのカードIDは正規のものではないので、その旨を端末7に表示させて、以降の処理を中止する。
【0038】
上記カードIDが登録されていた場合には、宛名情報登録欄に宛名情報が登録済みか否かを確認し、未登録の場合には、宛名入力期限内であるか否かを確認する。そして、宛名情報が未登録であって、かつ、宛名入力期限が過ぎていない場合にのみ、宛名情報を受け付けるようにする。つまり、宛名情報が未登録であり、かつ宛名入力期限が過ぎていないという宛名情報受け付け条件を満たしていると判断したときに、宛名入力欄を端末7に表示させるなどして、端末7からの宛名情報を受信し、その宛名情報を、先に受信したカードIDに対応した宛名情報登録欄に登録する。そして、登録した宛名情報を変更できないようにする。
つまり、贈り物の送り先となる宛名情報は、宛名入力期限内に、一度しか登録できないのである。
【0039】
ユーザーAは、サーバーSに宛名情報を登録したら、カード1を、それぞれ登録した宛名情報の宛先に郵送する。そして、ユーザーAが郵送したカード1の1枚をユーザーBが受け取ったものとする。
ユーザーBは、ユーザーAから受け取ったカード1の二次元コード2を自分の端末8で読み取って、読み取ったURLによってサーバーSへアクセスするとともに、二次元コード2から読み取ったカードIDで情報提示を要求する。
【0040】
サーバーSのデータ処理部3は、端末8からのアクセスに応じて情報登録画面を表示するとともに、受信したカードIDに基づいて、カードデータ記憶部4に登録されている情報を特定する。そして、上記カードIDに対応付けられたカード有効期限欄の情報から、カードの有効期限内であるか否かを判定し、有効期限内である場合にのみ、以下の処理を行なうが、カード有効期限が切れていた場合には、その旨を、上記端末8に表示させるとともに、カードが無効である無効フラグをカードIDに対応付けた、図示しない無効欄に登録する。
ただし、この実施形態のように、端末8からのアクセスがあったときに、カードの有効期限を判定するのではなく、端末からのアクセスには関係なく、データ処理部3が、カードデータ記憶部4が記憶している情報を、所定のタイミングでチェックして、カード有効期限が経過したカードIDに無効フラグなどを対応付けるようにしてもよい。
【0041】
カード有効期限内である場合、データ処理部3は、そのカードIDに対応する商品金額登録欄、宛名情報欄に、それぞれ必要情報が登録されていて、かつ、商品選択情報が未登録であることを商品選択情報の受け付け条件として、その条件を満たしているか否かを判定する。
上記受け付け条件を満たしていた場合には、データ処理部3は、商品金額登録欄に登録されている金額、例えば「5000円」の商品グループの商品情報を、商品情報記憶部5から抽出し、その情報を提示するとともに、その中から希望商品を選択させる画面を、ユーザーBが使用する端末8に表示させる。
【0042】
ユーザーBが、端末8の画面から希望商品を選択すると、商品選択信号がサーバーSへ送信され、データ処理部3は、受信した商品選択信号を上記カードIDに対応する商品選択信号登録欄に登録する。
さらに、上記商品選択信号で特定された商品と、宛名情報とを対応付けて出力し、図示しない商品配送システムへ送信する。この商品配送システでは、指定された商品を、上記宛名情報で特定される受け取り者、すなわち、ユーザーBの元へ配達する。
以上で、カード購入者であるユーザーAから受け取り者であるユーザーBへ、特定の商品が贈られることになる。
【0043】
この実施形態では、上記商品金額が、この発明の贈り物金額特定情報であり、商品選択信号がカード使用済み信号である。そして、この商品選択信号が対応付けて登録されていないカードIDが、未使用カードのカードIDである。
また、贈り物として提示する商品情報を、金額だけでなく、食品、雑貨、・・・など、商品ジャンルで分類するようにしてもよい。その場合には、贈り物金額特定情報は、金額と、商品ジャンルの両方を特定する情報となる。
【0044】
また、受け取り者が商品を選択するのではなく、贈り主が決めた送品を贈るようにすることもできる。その場合には、その商品を特定する商品特定情報が、贈り物金額特定情報である。そして、カード1を受け取った受け取り者は、商品選択をする必要がないので、受け取り者の端末8からは、商品選択信号とは別の受け取り確認信号を送信する必要がある。
例えば、サーバーSのデータ処理部3は、受け取り者の端末から入力されたカードIDが有効であって、未使用であるという受け取り確認信号の受け付け条件を満足していると判定した場合に、そのカードIDに対応付けられた商品金額特定情報や、商品の説明情報などを贈り物の情報として端末8に表示させるとともに、この贈り物情報を見たことを画面上でチェックさせ、それを受け取り確認信号として受信するようにしてもよい。
【0045】
さらに、贈り物として、現金を送ることもできるが、その場合には、贈り物金額特定情報は金額のみとなる。そして、現金は、受け取り者の口座に振替えるようにすることもできる。口座振替を利用する場合には、上記宛先情報に振替先の口座特定情報を含んで自動的に、その口座へ振替えるようにするか、受け取り者の端末8に、口座指定の画面を表示させ、受け取り者に受け取り口座を入力させるようにしてもよい。ただし、受け取り者に口座を指定させる場合には、指定された口座の名義が、予め、カード購入者が登録した宛名情報の氏名と一致した場合にのみ、受け付けるようにする。
また、受け取り者が、カード1を持って特定のカード取扱店で現金を受け取れるようにしてもよい。この場合には、カード取扱店では、サーバーSに問い合わせ、カードIDが有効であることともに、カードの持参者が宛名情報と一致することを確認してから、現金を渡すようにすれば、不正者にカードを利用されることを防止できる。
【0046】
上記実施形態のシステムでは、カードの販売時に、サブIDを発行するとともに、そのサブIDをカードIDに対応付けて登録している。このサブIDは、カード購入者に対して発行されたもので、購入者が代金を払ったことを証明するものである。従って、カード購入者は、このサブIDを提示することによって、正規のカード購入者であることを証明することもできる。
また、データ処理部3は、サブIDによって情報の要求が合った場合、入力されたサブIDに対応してカードデータ記憶部4に登録されている情報を出力する機能を備えている。
【0047】
特に、カードIDの有効期限が過ぎた場合には、カードIDは無効になり、カードIDに基づいてサーバーSにアクセスしても、情報登録はもちろん、情報の提示を受けることもできないが、その場合でも、サブIDに基づいて情報の要求が有った場合には、データ処理部3が、サブIDに対応する情報を提示する機能を備えている。
そのため、カード購入者は、カードを郵送してしまって、カードが手元に残っていない場合であっても、しかも、カードIDが無効になっても、サブIDを用いてサーバーSにアクセスすれば、自分が購入したカードに関連する情報を見ることができる。
【0048】
さらに、データ処理部3は、サブIDが入力されたとき、カードデータ記憶部4が記憶している上記サブIDに対応する情報のうち、カード有効期限が経過した無効のカードIDであって、受け取り確認信号が対応付けられていない、すなわち、未使用のカードIDを特定し、そのカードIDに対応付けられた情報を特定して出力する機能を備えている。つまり、未使用のまま、カード有効期限が過ぎて無効になってしまったカードがあった場合、サブIDに基づいて、その情報を知ることができる。
【0049】
そして、上記抽出されたカードIDに対応付けられた商品金額などの贈り物金額特定情報から、カード購入者が贈り物代金として支払ったのに、贈り物としては届かなかった金額を特定できる。このような金額の特定を、例えば、カード販売店で行い、上記贈り物代金をカード購入者に返却するようにしてもよい。このとき、販売店では、手数料を差し引くなどの取り決めをしてもかまわない。
特にデータ処理部3が、未使用で無効になったカードの贈り物金額特定情報から、商品金額などの合計を、サブIDごとに合計して出力すれば、カード購入者は、設定したのに贈り物として使用されなかった金額を、より簡単に把握できる。
また、上記金額をカード購入者へ返却するのではなく、新たに贈り物用として設定することができるようにしてもよい。例えば、上記使用されなかった金額を、贈り物金額特定情報として新たなカードIDに対応付けたり、無効になったカードIDを有効にしたりする。
【0050】
上記のように、このシステムでは、カードの有効期限を設定しているので、その有効期限を過ぎたカードは、正規の受け取り者であっても利用することができない。このように、有効期限を設けたのは、カード購入者からの贈り物が、必要なタイミングで受け取り者へ届くようにするためである。受け取ったカードを無期限で利用できるようにしたのでは、贈り手の目的が曖昧になってしまうとともに、商品配送システム側での、商品の準備も難しくなってしまうからである。
【0051】
しかし、このようにカード有効期限を設定すると、有効期限が過ぎれば、カード購入者はカードの購入時に贈り物の代金も合わせて支払っているのにもかかわらず、送られたカード1に対応付けられた贈り物は、誰にも贈られないことになるが、サブIDを利用すれば、上記のようにして、カード購入者に贈り物代金を返却することもでき、カード購入者がより安心して利用できるシステムとなる。
【0052】
また、上記サブIDは、正規のカード購入者を証明する情報となるので、例えば、一旦登録した贈り物金額特定情報や宛名情報などを、カードIDとともにサブIDを入力したときに限り、修正できるようにしてもよい。
さらに、サブIDを受け取り者に知らせて、パスワードのようにして利用することもできる。例えば、上記したように、カードの受け取り者が、取扱店で現金を受け取るようにした場合にも、上記宛名情報と本人との一致を確認するだけでなく、サブIDの提示も求めるようにすれば、本人確認がより確実にできる。
さらにまた、情報の提示を贈り物とした場合、データ処理部3は、カードIDに基づいてサーバーSにアクセスした受け取り者に、サブIDの入力を求め、入力されたサブIDが、上記カードIDに対応付けられたサブIDと一致したときにのみ、情報を提示するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態のシステムでは、贈り物の送り先である宛名情報を、一旦登録したら変更できないようにしているので、カード購入者が登録した後、例えば、カードの配達経路でカード1を盗んだ者が、宛先を自分に変えることはできないため、カードを不正に手に入れた者が、受け取り者に成りすまして贈り物を手に入れることはできない。また、不正者であっても、商品選択信号などの受け取り確認信号を入力すれば、正規の受け取り者へ贈り物が届くことになる。従って、パスワードのやり取りなどの手間もなく、カードの不正使用を防止することができる。
【0054】
さらに、宛先入力期限を設けているので、カード購入者が宛先情報を登録する前に、カードを盗まれてしまったとしても、入力期限内でなければ、サーバーSが、宛先情報を受け付けないので、不正使用を減らすこともできる。
つまり、カード購入者は、購入した個々のカードに速やかに宛名情報を対応付けて登録するようにすれば、不正者に贈り物を横取りされる危険はほとんどなくなる。
なお、上記実施形態では、データ処理部3、カードデータ記憶部4、商品情報記憶部5を、サーバーSに設けているが、各構成要素は別々に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施形態のカードシステム構成図である。
【図2】カードデータ記憶部が記憶しているデータ例である。
【図3】実施形態のシステムで使用するカードである。
【符号の説明】
【0056】
1 カード(はがき)
2 二次元コード
3 データ処理部
4 カードデータ記憶部
5 商品情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別のカードIDを記録したカードと、データ処理部と、カードIDに対応付けた情報を記憶するカードデータ記憶部とからなり、上記データ処理部は、販売済みカードのカードIDを特定し、そのカードIDに、入力された金品などの贈り物を特定する贈り物金額特定情報を対応付ける機能と、上記贈り物金額特定情報を対応付けた1または複数のカードIDごとに、カード購入者に対して発行するサブIDを対応付ける機能と、上記カードごとのカード有効期限を設定して、上記カードIDに対応付ける機能と、これら贈り物金額特定情報、サブIDおよびカード有効期限を、カードIDに対応付けてカードデータ記憶部に記憶させる機能と、上記カードIDを指定して入力されたカード使用済み信号をカードデータ記憶部のカードIDに対応付けて登録する機能と、上記カード有効期限が経過したとき、対応するカードIDを無効とするとともに、無効にしたカードIDに対応する情報をサブIDに基づいてのみ提示する機能と、カード使用済み信号が対応付けられていない未使用カードのカードIDであって、上記カード有効期限が経過したカードIDに対応付けられた贈り物金額特定情報を出力する機能とを備えたカードシステム。
【請求項2】
上記データ処理部は、上記未使用カードのカードIDであって、有効期限が経過したカードIDに対応する贈り物金額特定金額を、上記サブIDごとに合計して出力する機能を備えた請求項1に記載のカードシステム。
【請求項3】
上記データ処理部は、カードIDに対応する宛名情報がカードデータ記憶部に登録されていないことを宛名情報受け付け条件として、上記宛名情報受け付け条件を満足していると判定した場合に、入力される宛名情報を、変更禁止状態にしてカードIDに対応付けてカードデータ記憶部に登録する機能を備えた請求項1または2に記載のカードシステム。
【請求項4】
上記データ処理部は、販売済みカードのカードIDを特定したとき、そのカードIDに、宛名情報受付期限を設定し、上記購入者端末からの宛名情報の受信時がこの宛名情報受付期間内であることを、上記宛名情報受付条件に付加する請求項3に記載のカードシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−110540(P2008−110540A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295278(P2006−295278)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(506173466)
【Fターム(参考)】