説明

カードリーダーユニット及びその製造方法

【課題】少ない部材で電子回路基板を確実に外気と遮断できるカードリーダーユニット及びその製造方法を得、製品コストを低減し、防滴性能の向上を図る。
【解決手段】カードリーダー本体21と、このカードリーダー本体21の上部に係止手段23を介して着脱自在に係着される基板ケース25とからなるカードリーダーユニット100であって、基板ケース25が、上部のみ開口する箱状に形成され底部33aが天井部となるように上下反転されてカードリーダー本体21に係着されるケース本体33と、ケース本体33の内壁33bに間隙35を有して配置され接続電線の導出された電子回路基板37と、電子回路基板37を底部33aから離間配置する嵩上げ手段と、ケース本体33に充填され接続電線を導出した状態でケース本体33内に配置した電子回路基板37を埋入する充填材41とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードリーダー本体に電子回路基板を付設してなるカードリーダーユニット及びその製造方法に関し、特に、電子回路基板に対して高い防滴性能を有する構造を容易かつ安価に得る改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルの客室には客室扉が外部(屋外空間)に面して設けられる場合があり、このような客室扉においても、自動施解錠装置用のカードリーダーユニットの設けられることがある。この種のカードリーダーユニットは、米国などのモーテル(モータ・ホテル)や、戸建て形式のコンドミニアムなどの宿泊施設などにおいても同様に外部に面して設けられる。
【0003】
このような取付け環境にあるカードリーダーユニットは、高い防滴性能を有することが望ましい。従来、カードリーダーユニット1は、図3に示すように、カードリーダー本体3の上部に、電子回路基板5を付設してなる。カードリーダー本体3は、主にカード検出スイッチや磁気ヘッド、或いは例えば電磁波や電波を用いた非接触通信による読取手段などを内蔵するにとどまり、比較的高い防水性能が確保されている。一方、電子回路基板5は、複数の電子部品や接続電線をプリント基板上に実装・接続し、印刷配線との導通を半田によって行っているため、短絡などを起こさないように信頼性の高い防滴性能を付与する必要がある。
【0004】
例えば、どぶ漬けによる方法では、カードリーダー本体3の上面に、スタッド7を介して電子回路基板5を浮上状態で取り付け固定し、図4に示すように、上下反転させたカードリーダー本体5の下方に位置する電子回路基板5のみを液体状のポッティング材9に漬け、その後、引き上げて乾かし、再度ポッティング材9に漬け、これを複数回繰り返すことにより、電子回路基板5の表裏面に防滴皮膜を被覆形成していた。
【0005】
また、型枠を用いたモールド方法では、図5に示すように、ポッティング材9を流し込むための型枠11を予め組み、電子回路基板5のみを挿入配置した状態で、型枠11の内部にポッティング材9を流し込み、ポッティング材9の固化後に、型枠11を除去することで、電子回路基板5のみをモールドしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のどぶ漬け方法によるカードリーダーユニットの製造方法は、電子回路基板の漬け込みと乾燥とを複数回繰り返し行うため、煩雑な作業を長時間に渡って行わなければならず、生産性が低く、製造コストが高くなる問題があった。また、どぶ漬け方法では、皮膜の厚みに限界があり、経時劣化等により亀裂や剥離が発生し易く、湿気や水分の浸入する虞があった。
また、型枠を用いたモールド方法では、厚みを有したモールド材で電子回路基板を覆うことはできるが、型枠を必要とするため、設備費用が増大するとともに、モールド材が固化するまで製造作業が終了せず、製造時間が長くなり、生産性の悪い問題があった。さらに、型枠を用いたモールド方法は、型枠の配置スペースや離型時の作業スペースが必要となり、同時に複数の電子回路基板をモールドする場合には、大きな作業スペースを確保しなければならず、これによっても設備費用が増大した。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、少ない部材で電子回路基板を確実に外気と遮断できるカードリーダーユニット及びその製造方法を提供し、もって、製品コストを低減し、防滴性能の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のカードリーダーユニットは、カードリーダー本体21と、該カードリーダー本体21の上部に係止手段23を介して着脱自在に係着される基板ケース25とからなるカードリーダーユニット100であって、
前記基板ケース25が、
上部のみ開口する箱状に形成され底部33aが天井部となるように上下反転されて前記カードリーダー本体21に係着されるケース本体33と、
該ケース本体33の内壁33bに間隙35を有して配置され接続電線39の導出された電子回路基板37と、
前記ケース本体33に充填され前記接続配線39を導出した状態でケース本体33内に配置した前記電子回路基板37を埋入する充填材41と、
を具備したことを特徴とする。
【0009】
このカードリーダーユニットでは、ケース本体33の底部33aが屋根部として利用可能となり、上方からの落下水の浸入が防止されるとともに、内部に配置された電子回路基板37が外気と遮断される。また、ケース本体33が、型枠と組み付け部品とに兼用されることで、製造型枠等を含めた部材の点数が減る。これに加え、ケース本体33に充填材41を流し込むだけで、電子回路基板37がモールドされ、簡便な製造工程で確実な封止が可能となる。
【0010】
請求項2記載のカードリーダーユニットは、前記電子回路基板37を前記底部33aから離間配置する嵩上げ手段が備えられていることを特徴とする。
【0011】
このカードリーダーユニットでは、電子回路基板37を前記ケース本体33内に配置する際に、底部33aに対して容易に電子回路基板37を浮かせた状態となり、すなわち充填材41が電子回路基板37の表裏面の全面を覆い、この電子回路基板37を埋入状態とすることが可能となる。
【0012】
請求項3記載のカードリーダーユニットは、前記ケース本体33の下部係着面43の輪郭が、前記カードリーダー本体21の上部係着面45の輪郭と同形状又は外側に位置することを特徴とする。
【0013】
このカードリーダーユニットでは、上方からの落下水や結露水がケース本体33の下部周縁から流下しても、カードリーダー本体21の上部に浸入しない。
【0014】
請求項4記載のカードリーダーユニットは、前記充填材41が、前記ケース本体33の開口面より所定距離S低く充填されることを特徴とする。
【0015】
このカードリーダーユニットでは、ケース本体33を上下反転してカードリーダー本体21の上部に係着した場合、双方の間に空隙が形成され、浸入した水が表面張力によってケース本体33へ這い上がり難くなる。また、空隙が形成され、通気性が良好となる。
【0016】
請求項5記載のカードリーダーユニットの製造方法は、カードリーダー本体33と、該カードリーダー本体33の上部に係止手段23を介して着脱自在に係着される基板ケース25とからなるカードリーダーユニット100の製造方法であって、
上部のみ開口する箱状のケース本体33を前記開口を上向きに置き、
接続電線39の導出された電子回路基板37を該ケース本体33の内壁33bの少なくとも一部とに間隙35を隔て、かつ該ケース本体33の底部33aから離間させて配置し、
前記ケース本体33の開口から前記接続電線39を導出した状態で充填材41を注入して前記電子回路基板37を埋入することを特徴とする。
【0017】
このカードリーダーユニットの製造方法では、ケース本体33の底部33aから電子回路基板37を浮上させた状態にして、全外周面を充填材41によって封止(モールド)することができ、同時に、充填材41をケース本体33に一体固着することができる。したがって、ポッティング材の塗布・乾燥を繰り返す従来のどぶ漬けによる製造方法に比べ、容易にかつ短時間の製造が可能となる。
【0018】
請求項6記載のカードリーダーユニットの製造方法は、前記充填材41が固化する前に、前記ケース本体33の開口へ上下反転状態の前記カードリーダー本体21を係着し、前記充填材41を固化させることを特徴とする。
【0019】
このカードリーダーユニットの製造方法では、充填材41の固化を待たずに、ケース本体33とカードリーダー本体21との組立が可能となる。これにより、充填材41の塗布・乾燥を繰り返し、充填材41が固化した後組み付けを行う従来のどぶ漬けによる製造方法に対し、組み付け作業の前倒しが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る請求項1記載のカードリーダーユニットによれば、箱状のケース本体に電子回路基板が配置され、充填材によって内部に電子回路基板を封止したケース本体を、上下反転させてカードリーダー本体の上部に係着するので、ケース本体の底部を屋根部として利用し、上方からの落下水の浸入を防止できるとともに、内部に配置された電子回路基板を外気と遮断し、結露を防止することができる。ケース本体を型枠と組み付け部品とに兼用するので、部材点数を減らすことができる。これに加え、ケース本体に充填材を流し込むだけで、電子回路基板をモールドできるので、簡便な製造工程で確実な封止を行うことができる。この結果、製品コストを低減し、防滴性能を向上させることができる。
【0021】
請求項2記載のカードリーダーユニットによれば、電子回路基板をケース本体内に配置する際に、底部に対して容易に電子回路基板を浮かせた状態となり、すなわち充填材が電子回路基板の表裏面の全面を覆い、この電子回路基板を埋入状態とすることが可能となる。
【0022】
請求項3記載のカードリーダーユニットによれば、ケース本体の下部係着面の輪郭を、カードリーダー本体の上部係着面の輪郭と同形状又は外側にしたので、上方からの落下水や結露水がケース本体の下部周縁から流下しても、カードリーダー本体の上部に浸入しない。これにより、ケース本体とカードリーダー本体との間に水の停滞することを防止し、結露を生じ難くすることができる。
【0023】
請求項4記載のカードリーダーユニットによれば、充填材をケース本体の開口面より所定距離低く充填するので、ケース本体を上下反転してカードリーダー本体の上部に係着した場合、双方の間に空隙が形成され、浸入した水が表面張力によってケース本体へ這い上がり難くなる。また、空隙が形成されるので、通気性が良好となり、これによっても、結露を生じ難くすることができる。
【0024】
請求項5記載のカードリーダーユニットの製造方法によれば、ケース本体の開口を上向きに置き、電子回路基板を、ケース本体の内壁の少なくとも一部とに間隙を隔て、かつケース本体の底部から離間させて配置し、ケース本体の開口から充填材を注入するので、ケース本体の底部から電子回路基板を浮上させた状態にして、全外周面を充填材によって封止(モールド)することができると同時に、充填材をケース本体に一体固着することができる。したがって、ポッティング材の塗布・乾燥を繰り返す従来のどぶ漬けによる製造方法に比べ、製造を、容易にかつ短時間で行うことができる。また、型枠材を用い、充填材の注入後に型枠を除去する従来の製造方法に比べ、製造時間を短縮し、かつ製造設備を簡素にできる。この結果、カードリーダーユニットを短時間、簡単な設備による容易な作業で製造でき、製品コストを低減することができる。
【0025】
請求項6記載のカードリーダーユニットの製造方法によれば、充填材が固化する前に、ケース本体の開口へ上下反転状態のカードリーダー本体を係着するので、充填材の固化を待たずに、ケース本体とカードリーダー本体との組立を完了させることができる。これにより、充填材の塗布・乾燥を繰り返し、充填材が固化した後組み付けを行う従来のどぶ漬けによる製造方法に比べ、組み付け作業を前倒しして、製造開始から組立完了までの時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係るカードリーダーユニットの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るカードリーダーユニットの分解斜視図である。
本実施の形態によるカードリーダーユニット100は、大別して、カードリーダー本体21と、このカードリーダー本体21の上部に係止手段23を介して着脱自在に係着される基板ケース25とからなる。
【0027】
カードリーダー本体21は、不図示のカード挿入口を有し、内部には主にカード検出スイッチや磁気ヘッド、或いは、例えば電磁波や電波を用いた非接触通信による読取手段などが内蔵される。カードリーダー本体21の上面は本実施の形態では、輪郭が四角形に形成され、内側には段差部27によって高くなり、輪郭に相似する嵌合台座部29が形成される。また、カードリーダー本体21の平行な一対の側壁には、それぞれに一対の係止手段23である係止爪23a,23aが突設されている。
【0028】
基板ケース25は、ケース本体33を有する。ケース本体33は、上部のみ開口する箱状に形成され、底部33aが天井部となるように上下反転されてカードリーダー本体21に係着される。ケース本体33の平行な一対の側面にはそれぞれに係止孔31aを有した係止手段23である一対の係止板31,31が起立し、係止板31,31は、ケース本体33がカードリーダー本体21の上面に被せられた状態で、係止孔31aが係止爪23aに一致して弾性的に係止する。また、ケース本体33は、係止板31を弾性変形させることで、係止爪23aとの係止解除を可能としている。
【0029】
ケース本体33の内部には内壁33bに間隙35を有して、電子回路基板37が配置される。電子回路基板37からは図2に示す接続電線39が接続導出される。この電子回路基板37には複数の電子部品が実装され、電子部品は半田によって印刷配線に導通されている。ケース本体33の内部には不図示の嵩上げ手段が設けられ、嵩上げ手段は電子回路基板37を底部33aから離間配置する。この嵩上げ手段は、例えばケース本体33の内壁33bに突設した段部とすることができる。また、嵩上げ手段は、電子回路基板37から底部33aへ向けて垂設したスタッドであってもよい。
【0030】
このように電子回路基板37を底部33aから浮上させて収容したケース本体33の内部には、充填材41が充填される。充填材41は、ケース本体33に充填されることで、接続電線39を導出した状態で、ケース本体33内に配置した電子回路基板37を埋入する。つまり、電子回路基板37は、充填材41に埋入されることで、外部と遮断され、気密・水密状態に封止されている。
【0031】
ケース本体33の下部係着面43の輪郭は、カードリーダー本体21の上部係着面45の輪郭と同形状又は外側に位置する。上方からの落下水や結露水がケース本体33の下部周縁から流下しても、カードリーダー本体21の上部に浸入しない。これにより、ケース本体33とカードリーダー本体21との間に水の停滞することを防止し、結露を生じ難くしている。
【0032】
また、充填材41は、ケース本体33の開口面47より所定距離Sだけ低く充填される。ケース本体33を上下反転してカードリーダー本体21の上部に係着した場合、双方の間に空隙が形成され、浸入した水が表面張力によってケース本体33へ這い上がり難くなっている。また、空隙が形成されるので、通気性が良好となり、これによっても結露が生じ難くなっている。
【0033】
カードリーダーユニット100では、ケース本体33の底部33aが屋根部として利用可能となり、上方からの落下水の浸入が防止されるとともに、内部に配置された電子回路基板37が外気と遮断される。また、ケース本体33が、型枠と組み付け部品とに兼用されることで、製造型枠等を含めた部材の点数が減る。これに加え、ケース本体33に充填材41を流し込むだけで、電子回路基板37がモールドされ、簡便な製造工程で確実な封止が可能となっている。
【0034】
次に、上記の構成を有するカードリーダーユニット100の製造方法を説明する。
図2は本発明に係る製造方法の手順を表す工程説明図である。
上記したカードリーダーユニット100を製造するには、図2(a)に示すように、カードリーダー本体21と、ケース本体33とを分離した状態で、先ず、ケース本体33を開口を上へ向けて置く。
次いで、図2(b)に示すように、接続電線39の導出された電子回路基板37を、ケース本体33の内壁33bの少なくとも一部とに間隙35を隔て、かつケース本体33の底部33aから離間させて配置する。
【0035】
次いで、図2(c)に示すように、ケース本体33の開口から接続電線39を導出した状態で充填材41を注入し、電子回路基板37を埋入する。充填材41としては、無溶剤タイプのウレタン系樹脂材を用いることができる。これにより、ケース本体33の底部33aから電子回路基板37を浮上させた状態にして、表裏全外周面を充填材41によって封止(モールド)することができ、同時に、充填材41をケース本体33に一体固着することができる。したがって、ポッティング材の塗布・乾燥を繰り返す従来のどぶ漬けによる製造方法に比べ、容易にかつ短時間の製造が可能となる。
【0036】
このように、充填材41を充填したケース本体33は、充填材41が固化するまで養生する。充填材41が固化したなら、図2(d)に示すように、ケース本体33に電子回路基板37が一体化した基板ケース25を、カードリーダー本体21の上方から係止手段23によって係着して、カードリーダーユニット100の製造を完了する。
【0037】
なお、カードリーダーユニット100の製造方法では、充填材41が固化する前に、ケース本体33の開口へ上下反転状態のカードリーダー本体21を係着することができる。係着したケース本体33とカードリーダー本体21とは、そのままの状態で充填材41を固化させる。このように、充填材41が固化する前に、ケース本体33へ上下反転状態のカードリーダー本体21を係着すれば、充填材41の固化を待たずに、ケース本体33とカードリーダー本体21との組立を完了させることができる。これにより、充填材41の塗布・乾燥を繰り返し、充填材41が固化した後組み付けを行う従来のどぶ漬けによる製造方法に比べ、組み付け作業を前倒しして、製造開始から組立完了までの時間を大幅に短縮することができる。
【0038】
したがって、上記のカードリーダーユニット100によれば、箱状のケース本体33に電子回路基板37が配置され、充填材41によって内部に電子回路基板37を封止したケース本体33を、上下反転させてカードリーダー本体21の上部に係着するので、ケース本体33の底部33aを屋根部として利用し、上方からの落下水の浸入を防止できるとともに、内部に配置された電子回路基板37を外気と遮断し、結露を防止することができる。ケース本体33を型枠と組み付け部品とに兼用するので、部材点数を減らすことができる。これに加え、ケース本体33に充填材41を流し込むだけで、電子回路基板37をモールドできるので、簡便な製造工程で確実な封止を行うことができる。この結果、製品コストを低減し、防滴性能を向上させることができる。このことから、屋外形の自動施解錠装置に用いても、良好な防滴性能を有することで、信頼性を向上でき、客室扉が屋外に面している条件であっても、確実に動作する施解錠装置を配置可能となる。
【0039】
また、カードリーダーユニット100の製造方法によれば、ケース本体33の開口を上向きに置き、電子回路基板37を、ケース本体33の内壁33bの少なくとも一部とに間隙35を隔て、かつケース本体33の底部33aから離間させて配置し、ケース本体33の開口から充填材41を注入するので、ケース本体33の底部33aから電子回路基板37を浮上させた状態にして、全外周面を充填材41によって封止(モールド)することができると同時に、充填材41をケース本体33に一体固着することができる。したがって、ポッティング材の塗布・乾燥を繰り返す従来のどぶ漬けによる製造方法に比べ、製造を、容易にかつ短時間で行うことができる。また、型枠材を用い、充填材41の注入後に型枠を除去する従来の製造方法に比べ、製造時間を短縮し、かつ製造設備を簡素にできる。この結果、カードリーダーユニット100を短時間、簡単な設備による容易な作業で製造でき、製品コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るカードリーダーユニットの分解斜視図である。
【図2】本発明に係る製造方法の手順を表す工程説明図である。
【図3】従来のカードリーダーユニットの斜視図である。
【図4】従来のどぶ漬けによる製造方法の手順を表す工程説明図である。
【図5】従来の型枠による製造方法の手順を表す工程説明図である。
【符号の説明】
【0041】
21…カードリーダー本体
23…係止手段
25…基板ケース
33…ケース本体
33a…底部
33b…内壁
35…間隙
37…電子回路基板
39…接続電線
41…充填材
43…下部係着面
45…上部係着面
47…開口面
100…カードリーダーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードリーダー本体と、該カードリーダー本体の上部に係止手段を介して着脱自在に係着される基板ケースとからなるカードリーダーユニットであって、
前記基板ケースが、
上部のみ開口する箱状に形成され底部が天井部となるように上下反転されて前記カードリーダー本体に係着されるケース本体と、
該ケース本体の内壁に間隙を有して配置され接続電線の導出された電子回路基板と、
前記ケース本体に充填され前記接続配線を導出した状態でケース本体内に配置した前記電子回路基板を埋入する充填材と、
を具備したことを特徴とするカードリーダーユニット。
【請求項2】
前記電子回路基板を前記底部から離間配置する嵩上げ手段が備えられていることを特徴とする請求項1記載のカードリーダーユニット。
【請求項3】
前記ケース本体の下部係着面の輪郭が、前記カードリーダー本体の上部係着面の輪郭と同形状又は外側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載のカードリーダーユニット。
【請求項4】
前記充填材が、前記ケース本体の開口面より所定距離低く充填されることを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1つに記載のカードリーダーユニット。
【請求項5】
カードリーダー本体と、該カードリーダー本体の上部に係止手段を介して着脱自在に係着される基板ケースとからなるカードリーダーユニットの製造方法であって、
上部のみ開口する箱状のケース本体を前記開口を上向きに置き、
接続電線の導出された電子回路基板を該ケース本体の内壁の少なくとも一部とに間隙を隔て、かつ該ケース本体の底部から離間させて配置し、
前記ケース本体の開口から前記接続配線を導出した状態で充填材を注入して前記電子回路基板を埋入することを特徴とするカードリーダーユニットの製造方法。
【請求項6】
前記充填材が固化する前に、前記ケース本体の開口へ上下反転状態の前記カードリーダー本体を係着し、前記充填材を固化させることを特徴とする請求項5記載のカードリーダーユニットの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−334750(P2007−334750A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167652(P2006−167652)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】