説明

カードリーダ

【課題】フィッシングを防止することが可能で、かつ、フィッシングが発生しない状況においては、カードを傷つけないようにすることが可能なカードリーダを提供する。
【解決手段】カード2の取込および排出を行うカード搬送機構を備えるカードリーダ1は、カード2が挿入および排出される挿入排出口5が形成されるゲート機構6を備えている。ゲート機構6には、カード2の排出方向に向かって突出する突出部11bが形成されている。また、ゲート機構6は、カードリーダ1のユーザがカード2を抜き取ることが可能な抜取り可能位置までカード搬送機構によってカード2が排出されたことを検出するためのカード検出機構14と、カード2の排出時に抜取り可能位置までカード2が排出されていない場合にカード2の抜取りを阻止するカード抜取り阻止機構15とを備えている。カード検出機構14は、突出部11bの内部に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの取込および排出を行うカード搬送機構を備えるカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードを内部に取り込んで磁気データの読取や記録等の所定の処理を行うカードリーダが広く利用されている。この種のカードリーダでは、たとえば、内部に配置されたカードの搬送機構によって、カードの全体をカードリーダの内部に取り込んで所定の処理を行っている。また、カードリーダが利用される業界においては、従来、犯罪者がカードリーダ内部からのカードの排出を妨害する何らかの仕掛けをして、カードリーダ内部でカードを詰まらせた後にこの詰まったカードを不正に取得するいわゆるフィッシングが大きな問題となっている。
【0003】
そこで、このフィッシングを防止するための構成を備えるカードリーダが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカードリーダは、犯罪者がフィッシングを行うための仕掛けを取り外してカードリーダ内部に詰まったカードを引き抜こうとしたときに、カードの引抜きを防止する引抜き防止ロック機構を備えている。このカードリーダでは、排出時のカードが異常停止したことをセンサ等の監視手段が検出すると、引抜き防止ロック機構が作動可能な状態になり、この状態で犯罪者がカードを引き抜こうとすると、引抜き防止ロック機構が作動してロック歯がカードに食い込む。ロック歯がカードに食い込むと、カードが所定の滞留位置にロックされるため、犯罪者によるカードの引抜きが防止され、フィッシングが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−155567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許文献1に記載のカードリーダでは、フィッシングを防止することが可能である。一方で、フィッシングを防止するためには、ユーザがカードリーダからカードを引抜くことができない場合にカードをロックして、犯罪者によるカードの引抜きを防止すれば良い。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のカードリーダでは、排出時のカードが異常停止したことを監視手段が検出すると、引抜き防止ロック機構が作動可能な状態となる。そのため、ユーザがカードリーダからカードを引抜くことができる場合であっても、引抜き防止ロック機構が作動可能な状態になるおそれがあり、この状態で、ユーザがカードを引抜くと、引抜き防止ロック機構が作動してロック歯がカードに食い込んでしまう。すなわち、このカードリーダでは、ユーザがカードリーダからカードを引抜くことが可能であり、フィッシングが発生しない状況であっても、ユーザのカード操作によって、カードを傷つけてしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、フィッシングを防止することが可能で、かつ、フィッシングが発生しない状況においては、カードを傷つけないようにすることが可能なカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードの取込および排出を行うカード搬送機構を備えるカードリーダにおいて、カードが挿入および排出される挿入排出口が形成されるとともにカードリーダのカードの排出方向端に配置されるゲート機構を備え、ゲート機構には、カードの排出方向に向かって突出する突出部が形成され、ゲート機構は、カードリーダのユーザがカードを抜き取ることが可能な抜取り可能位置までカード搬送機構によってカードが排出されたことを検出するためのカード検出機構と、カードの排出時に抜取り可能位置までカードが排出されていない場合にカードの抜取りを阻止するカード抜取り阻止機構とを備え、カード検出機構は、突出部の内部に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のカードリーダでは、ゲート機構は、カードリーダのユーザがカードを抜き取ることが可能な抜取り可能位置までカード搬送機構によってカードが排出されたことを検出するためのカード検出機構と、カードの排出時に抜取り可能位置までカードが排出されていない場合にカードの抜取りを阻止するカード抜取り阻止機構とを備えている。そのため、本発明では、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダに取り付けられて、抜取り可能位置までカードが排出されず、ユーザがカードを抜き取ることができない場合には、カード抜取り阻止機構によってカードの抜取りを阻止して、フィッシングを防止することが可能になる。一方、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダに取り付けられても、抜取り可能位置までカードが排出されており、ユーザがカードを抜き取ることができる場合には、カード抜取り阻止機構はカードの抜取りを阻止しない。すなわち、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダに取り付けられても、フィッシングが発生しない状況においては、カード抜取り阻止機構はカードの抜取りを阻止しない。したがって、本発明では、フィッシングが発生しない状況においては、カードを傷つけないようにすることが可能になる。
【0010】
また、本発明では、カード検出機構は、カードの排出方向に向かって突出する突出部の内部に配置されている。そのため、カード検出機構によって、カードの排出方向端の位置を適切に検出することが可能になる。すなわち、カード検出機構によって、カードが抜取り可能位置まで排出されているか否かを適切に検出することが可能になる。したがって、本発明では、フィッシングが発生しうる状況にあるか否かをカード検出機構によって適切に検出することが可能になる。その結果、本発明では、フィッシングをより適切に防止することが可能になるとともに、フィッシングが発生しない状況においては、より適切にカードを傷つけないようにすることが可能になる。
【0011】
本発明において、たとえば、ゲート機構には、2個の突出部が形成され、カード検出機構は、2個の突出部の間に形成される凹部においてカードを抜き取ることが可能な抜取り可能位置までカードが排出されたことを検出する。
【0012】
本発明において、カード抜取り阻止機構は、カード検出機構よりもカードの排出方向側に配置され挿入排出口を開閉するシャッタ部材とシャッタ部材を駆動するシャッタ駆動源とを備えるシャッタ機構であることが好ましい。このように構成すると、シャッタ部材がカードの排出方向端に当接することで、カードの引抜きが阻止される。したがって、カード抜取り阻止機構によってカードの抜取りが阻止されても、カードの表面が傷つくのを防止することが可能になる。
【0013】
本発明において、シャッタ機構は、突出部の内部に配置されていることが好ましい。このように構成すると、犯罪者がシャッタ機構を破壊するのを防止しやすくなる。
【0014】
本発明において、シャッタ部材は、挿入排出口を閉鎖するための閉鎖部を備え、ゲート機構は、閉鎖部が挿入排出口を閉鎖していることを検出するためのシャッタ検出機構を備え、シャッタ検出機構は、閉鎖部の一部を直接、検出することが好ましい。このように構成すると、犯罪者によって挿入排出口を閉鎖するための閉鎖部が破壊されたか否かをシャッタ検出機構で確実に検出することが可能になる。
【0015】
本発明において、シャッタ駆動源は、カードリーダにカードが取り込まれていないときに、シャッタ部材を定期的に駆動して挿入排出口の開閉動作を行うことが好ましい。このように構成すると、カードリーダにカードが取り込まれていないときに、挿入排出口を閉鎖するための閉鎖部が破壊されているか否かをシャッタ検出機構で定期的に確認することが可能になる。したがって、カードリーダにカードが挿入される際に、閉鎖部が破壊されているか否かを確実に検出することが可能になる。
【0016】
本発明において、カードリーダには、カードが搬送されるカード搬送路が内部に形成されるとともに、カードリーダは、ゲート機構よりもカードの挿入方向側に配置される第2シャッタ部材を備え、第2シャッタ部材は、カードの搬送方向から見たときに、カード搬送路の全域を閉鎖可能であることが好ましい。このように構成すると、突出部の内部にシャッタ部材が配置されており、ゲート機構に形成される挿入排出口の全域をシャッタ部材で閉鎖することができなくても、第2シャッタ部材によってカード搬送路を閉鎖することで、カードリーダ内部の各種の構成を保護したり、カードリーダ内部への粉塵の侵入を防止することが可能になる。
【0017】
本発明において、突出部は、不透明な材料で形成されていることが好ましい。このように構成すると、犯罪者はゲート機構の外部からカード検出機構やシャッタ機構を目視で確認することができない。したがって、犯罪者がカード検出機構やシャッタ機構を破壊するのを防止しやすくなる。
【0018】
本発明において、ゲート機構の外形は、カードの排出方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、犯罪者は、フィッシングを行うための仕掛けをゲート機構に取り付けにくくなる。したがって、フィッシングを効果的に防止することが可能になる。
【0019】
本発明において、ゲート機構は、凹部の側面を光らせるための発光機構を備えることが好ましい。このように構成すると、カードの排出時に、発光機構によって凹部の側面を光らせることで、ユーザは、ゲート機構のどの箇所にカードが排出されてくるのかを容易に把握することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明のカードリーダでは、フィッシングを防止することが可能になるとともに、フィッシングが発生しない状況においては、カードを傷つけないようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカードリーダの斜視図である。
【図2】図1に示すカードリーダの概略構成を説明するための平面図である。
【図3】図1に示すゲート機構の構成を説明するための正面図である。
【図4】図3に示すカード検出機構の構成および動作を説明するための正面図である。
【図5】図3に示すシャッタ機構の構成および動作を説明するための正面図である。
【図6】図3に示す異物検出機構の構成を説明するための正面図である。
【図7】図3に示す凹部の側面を光らせるための発光機構の構成を説明するための正面図である。
【図8】図7に示す発光機構の構成を説明するための平面図である。
【図9】図7に示す発光機構の構成を説明するための図であり、(A)は側面図、(B)は(A)のE部の拡大図、(C)は(A)のF部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(カードリーダの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の斜視図である。図2は、図1に示すカードリーダ1の概略構成を説明するための平面図である。
【0024】
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取および/またはカード2への磁気データの記録を行うための装置であり、たとえば、ATM(Automate Teller Machine)等の上位装置に搭載されて使用される。このカードリーダ1の内部には、カード2が搬送されるカード搬送路が形成されている。また、カードリーダ1は、図1、図2に示すように、磁気データの読取および/または磁気データの記録を行う磁気ヘッド3と、カード2の取込および排出を行うための搬送ローラ4等を有するカード搬送機構と、カード2が挿入および排出される挿入排出口5が形成されたゲート機構6と、カード搬送路を閉鎖するための第2シャッタ部材としてのシャッタ部材7とを備えている。
【0025】
本形態では、図1等に示すX方向にカード2が搬送される。すなわち、X方向は、カード2の搬送方向(通過方向)である。また、本形態では、X1方向にカード2が挿入され、X2方向にカード2が排出される。すなわち、X1方向は、カード2の挿入方向であり、X2方向は、カード2の排出方向である。また、X方向に略直交する図1のZ方向は、カード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに略直交する図1のY方向は、カード2の幅方向(短手幅方向)である。なお、以下の説明では、X1方向側を「奥(後ろ)」側、X2方向側を「手前(前)」側、Y1方向側を「右」側、Y2方向側を「左」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0026】
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2には、磁気データが記録される磁気ストライプが形成されている。すなわち、本形態のカード2は、磁気カードである。なお、カード2には、ICチップが固定されても良いし、通信用のアンテナが内蔵されても良い。すなわち、カード2は、磁気ストライプ付きの接触式ICカードであっても良いし、磁気ストライプ付きの非接触式ICカードであっても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0027】
磁気ヘッド3は、カードリーダ1の本体部8の内部に配置されている。この磁気ヘッド3は、カード2に形成される磁気ストライプに接触可能な位置に配置されている。カード搬送機構は、搬送ローラ4の他に、搬送ローラ4に対向配置されるとともに搬送ローラ4に向かって付勢されるパッドローラ、搬送ローラ4を駆動するモータおよびモータの動力を伝達する歯車等を備えている。搬送ローラ4およびパッドローラは、本体部8の内部に配置されている。ゲート機構6は、本体部8の前端面に固定されており、カードリーダ1の前端に配置されている。ゲート機構6の詳細な構成については、後述する。
【0028】
シャッタ部材7は、本体部8の前端側に配置されている。このシャッタ部材7には、ソレノイド等の駆動源が連結されている。本形態のシャッタ部材7は、前後方向から見たときに、カード搬送路の全域を閉鎖することが可能となるように構成されている。
【0029】
(ゲート機構の構成)
図3は、図1に示すゲート機構6の構成を説明するための正面図である。図4は、図3に示すカード検出機構14の構成および動作を説明するための正面図である。図5は、図3に示すシャッタ機構15の構成および動作を説明するための正面図である。図6は、図3に示す異物検出機構17の構成を説明するための正面図である。図7は、図3に示す凹部11aの側面を光らせるための発光機構18の構成を説明するための正面図である。図8は、図7に示す発光機構18の構成を説明するための平面図である。図9は、図7に示す発光機構18の構成を説明するための図であり、(A)は側面図、(B)は(A)のE部の拡大図、(C)は(A)のF部の拡大図である。
【0030】
ゲート機構6は、図1に示すように、全体として略半円柱形状に形成されている。すなわち、ゲート機構6の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。より具体的には、ゲート機構6のハウジング11の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。
【0031】
ハウジング11には、奥方向に向かって窪む凹部11aが形成されている。すなわち、ハウジング11には、凹部11aの奥端部から手前方向に向かって突出する2個の突出部11b、11cが左右方向に間隔をあけた状態で形成されており、凹部11aは、2個の突出部11b、11cに挟まれるように、2個の突出部11b、11cの間に形成されている。また、ハウジング11には、前後方向に貫通するように、挿入排出口5が形成されている。
【0032】
凹部11aは、図2に示すように、上下方向から見たときの形状が略U形状となるように形成されている。具体的には、凹部11aは、上下方向から見たときに、その前端側が開口する略U形状となるように形成されている。また、凹部11aの幅(左右方向の幅)は、カードリーダ1のユーザの指が入る広さとなっている。また、凹部11aは、図2に示すように、左右方向において、磁気ヘッド3の配置位置と略同じ位置に形成されている。すなわち、凹部11aは、左右方向において、カードリーダ1に挿入されるカード2の磁気ストライプの位置と略同じ位置に形成されており、上下方向から見たときに、カードリーダ1に挿入されるカード2の磁気ストライプは凹部11aを通過する。突出部11bは、凹部11aの左側に形成されている。突出部11cは、凹部11aの右側に形成されている。突出部11bの左右方向の幅は、突出部11cの左右方向の幅よりも広くなっている。
【0033】
ハウジング11は、不透明な材料で形成されている。たとえば、ハウジング11は、不透明な樹脂材料で形成されている。また、ハウジング11の凹部11aが形成された部分は開口している。この開口部には、半透明な材料で形成された半透明部材12が固定されており、この開口部は半透明部材12で塞がれている。すなわち、半透明部材12によって凹部11aの側面が構成されている。半透明部材12は、たとえば、半透明な樹脂材料で形成されている。
【0034】
図2、図3に示すように、ゲート機構6は、カード搬送機構によってカード2の前端側が所定の位置まで排出されたことを検出するためのカード検出機構14と、カード2の排出時にカード2の前端側が所定の位置まで排出されていない場合にカード2の抜取りを阻止するカード抜取り阻止機構としてのシャッタ機構15と、シャッタ機構15の状態を検出するためのシャッタ検出機構16と、凹部11aに異物が取り付けられたことを検出するための異物検出機構17とを備えている。また、ゲート機構6は、図7に示すように、凹部11aの側面を光らせるための発光機構18を備えている。
【0035】
カード検出機構14は、カード2に接触可能なレバー部材20と、レバー部材20がカード2に接触しているか否かを検出するセンサ21とを備えている。このカード検出機構14は、突出部11bの内部に配置されている。センサ21は、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサである。レバー部材20は、カード2の左端に接触するカード接触部20aと、センサ21の発光素子と受光素子との間を遮る遮光部20bとを備え、前後方向から見たときの形状が略L形状となるように形成されている。このレバー部材20は、所定の回動軸を中心に回動可能となっており、カード接触部20aは、挿入排出口5に対して進退可能となっている。
【0036】
図4(A)に示すように、カード接触部20aにカード2が接触していないときには、カード接触部20aは挿入排出口5の中にあり、遮光部20bはセンサ21の発光素子と受光素子との間を遮っている。一方、カード2の左端がカード接触部20aに接触すると、図4(B)に示すように、レバー部材20が回動して、カード接触部20aは挿入排出口5から退避し、遮光部20bはセンサ21の発光素子と受光素子との間から外れる。センサ21の発光素子と受光素子との間から遮光部20bが外れると、カード検出機構14によって、カード2が検出される。
【0037】
本形態のカード検出機構14は、カード2の排出時に、カードリーダ1のユーザがカードリーダ1からカード2を抜き取ることが可能な抜取り可能位置までカード搬送機構によってカード2が排出されたことを検出する。具体的には、カード検出機構14は、図2に示すように、凹部11aにおいて、ユーザがカードリーダ1からカード2を抜き取ることが可能な位置までカード搬送機構によってカード2が排出されたことを検出する。より具体的には、カード検出機構14は、ユーザが親指や人差指等の指を凹部11aに差し込み、差し込んだ指の間にカード2の前端側を挟んでカードリーダ1からカード2を抜き取ることが可能な位置までカード搬送機構によってカード2の前端側が排出されたことを検出する。たとえば、カード検出機構14は、図2に示すように、カード2の前端が凹部11aの奥端部から距離D1、排出されたことを検出する。
【0038】
なお、本形態では、カード搬送機構によるカード2の排出が完了したときには、カード2の奥端側は、搬送ローラ4と搬送ローラ4に対向配置されるパッドローラとの間に挟まれている(図2参照)。また、本形態では、カード搬送機構によってカード2が正常に排出されるときには、設計上、カード検出機構14でカード2の前端が検出された後にさらに距離D2、カード搬送機構によってカード2が排出されて停止する。なお、本形態のカード検出機構14は、カードリーダ1にカード2が挿入されたことを検出する機能も果たしている。
【0039】
シャッタ機構15は、カード検出機構14よりも手前側に配置され挿入排出口5を開閉するシャッタ部材22と、シャッタ部材22を駆動するシャッタ駆動源としてのソレノイド23とを備えている。このシャッタ機構15は、突出部11bの内部に配置されている。シャッタ部材22は、挿入排出口5を閉鎖するための閉鎖部22aを備えている。閉鎖部22aは、上側に向かって立ち上がるように形成されており、挿入排出口5の左端側の一部を閉鎖する。また、シャッタ部材22は、所定の回動軸を中心に回動可能となっており、閉鎖部22aは、挿入排出口5に対して進退可能となっている。ソレノイド23は、挿入排出口5よりも下側に配置されており、シャッタ部材22に連結されている。
【0040】
図5(A)に示すように、シャッタ部材22が挿入排出口5を開放しているときには、ソレノイド23のプランジャは突出しており、閉鎖部22aは挿入排出口5の下方に退避している。この状態で、ソレノイド23のプランジャが引っ込むと、図5(B)に示すように、シャッタ部材22は図5の反時計方向に回動し、閉鎖部22aが上方向に移動して、挿入排出口5を閉鎖する。
【0041】
本形態では、カード2の取込時に、ユーザによって挿入されたカード2が本体部8内に取り込まれると、シャッタ部材22が挿入排出口5を閉鎖する。また、カード2の排出時に、カード2が抜取り可能位置まで排出されると、シャッタ部材22が挿入排出口5を開放して、カードリーダ1からのカード2の抜取りが可能になる。一方、カード2の排出時に、カード2が抜取り可能位置まで排出されないと、引き続き、シャッタ部材22が挿入排出口5を閉鎖して、カードリーダ1からのカード2の抜取りが阻止される。
【0042】
シャッタ検出機構16は、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサである。このシャッタ検出機構16は、突出部11bの内部に配置されている。また、シャッタ検出機構16は、挿入排出口5よりも上側に配置されている。本形態では、シャッタ部材22が挿入排出口5を閉鎖しているときに、図5(B)に示すように、閉鎖部22aの上端側がシャッタ検出機構16の発光素子と受光素子との間を遮る。すなわち、本形態では、シャッタ検出機構16は、閉鎖部22aが挿入排出口5を閉鎖していることを検出する。また、シャッタ検出機構16は、挿入排出口5を閉鎖する閉鎖部22aの上端側の一部を直接、検出する。
【0043】
異物検出機構17は、発光素子24と、発光素子24からの光を受光する受光素子25とを備える光学式の検出機構である。また、異物検出機構17は、発光素子24が射出する光の方向を変えるミラー26を備えている。発光素子24は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)であり、受光素子25は、たとえば、フォトトランジスタである。
【0044】
発光素子24は、突出部11bの内部に配置されている。また、発光素子24は、シャッタ部材22よりも手前側に配置されている。さらに、発光素子24は、右方向に向かって光を射出するように配置されている。具体的には、発光素子24は、凹部11aを通過する光を射出するように配置されている。
【0045】
受光素子25およびミラー26は、突出部11cの内部に配置されている。受光素子25は、その受光面が手前側を向くように配置されている。ミラー26は、受光素子25の手前側に配置されており、発光素子24から射出された右方向に向かう光の方向を奥方向へ変える。
【0046】
本形態では、凹部11aに異物が取り付けられると、発光素子24から受光素子25へ向かう光がこの異物によって遮られるため、異物検出機構17によって、異物が取り付けられたことが検出される。たとえば、犯罪者がカード2の磁気データを不正に取得するいわゆるスキミングを行うための磁気ヘッドを凹部11aに取り付けた場合には、異物検出機構17によって、スキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことが検出される。
【0047】
発光機構18は、複数の光源27と、光源27から射出された光を拡散させるプリズム28とを備えている。光源27は、たとえば、LEDであり、基板29に実装されている。複数の光源27は、図8に示すように、凹部11aの奥端側の側面に沿って略円弧状に配置されている。また、複数の光源27および基板29は、挿入排出口5の上側および下側の両側に配置されている。プリズム28は、図8に示すように、上下方向から見たときの形状が略円弧状になるように形成されており、複数の光源27を覆うように配置されている。
【0048】
本形態では、光源27から射出された光は、プリズム28によって拡散されて、半透明部材12を透過する。そのため、光源27から光が射出されると凹部11aの側面が光る。
【0049】
(カードリーダの概略動作)
以上のように構成されたカードリーダ1におけるフィッシングを防止するための概略動作、および、スキミングを防止するための概略動作を以下に説明する。
【0050】
まず、フィッシングを防止するためのカードリーダ1の概略動作について説明する。カードリーダ1の内部に取り込まれたカード2がカード搬送機構によって排出されたときに、カード検出機構14がカード2の前端側を検出していない場合には、カード2の取込後に挿入排出口5を閉鎖したシャッタ部材22は、引き続き、挿入排出口5を閉鎖する。すなわち、カード2の排出時に、カード検出機構14がカード2の前端側を検出していない場合には、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダ1に取り付けられたと判断して、犯罪者がカード2を抜き取ることができないように、シャッタ部材22が引き続き、挿入排出口5を閉鎖する。
【0051】
また、カード2の排出時に、カード検出機構14がカード2の前端側を検出していない場合には、カードリーダ1は、異常が発生していることを上位装置に通知する。この通知を受けた上位装置は、たとえば、上位装置のディスプレイに異常が発生している旨を表示する、ブザーを鳴らす、および/または、光源27を点滅させる等の所定の動作を行って、ユーザに異常が発生していることを知らせる。
【0052】
なお、カードリーダ1にカード2が取り込まれておらず、カードリーダ1でカード2の取引が行われていないときには、ソレノイド23は、定期的にシャッタ部材22を駆動して、挿入排出口5の開閉動作を行う。この開閉動作の際に、シャッタ検出機構16で閉鎖部22aが検出されない場合には、犯罪者によって閉鎖部22aが破壊され、閉鎖部22aで挿入排出口5を閉鎖できなくなっている状況が発生していると判断して、カードリーダ1は、異常が発生していることを上位装置に通知する。この通知を受けた上位装置は、以後のカード2の取込を中止する。たとえば、シャッタ部材7でカード搬送路を閉鎖したり、カード搬送機構によるカード2の搬送ができないようにする。
【0053】
次に、スキミングを防止するためのカードリーダ1の概略動作について説明する。カード2の取引が行われていないときには、発光素子24は光を射出しており、凹部11aにスキミング用の磁気ヘッド等が取り付けられたか否かが監視されている。この監視中に、発光素子24から受光素子25へ向かう光が遮られると、凹部11aにスキミング用の磁気ヘッド等が取り付けられたと判断して、ユーザがカード2を挿入することができないようにシャッタ部材22で挿入排出口5を閉鎖する。あるいは、シャッタ部材7でカード搬送路を閉鎖する。また、この場合には、カードリーダ1は、異常が発生していることを上位装置に通知する。
【0054】
なお、発光素子24がLEDであれば、カード2の取引が行われていないときに、発光素子24を任意の間隔でパルス点灯させることが好ましい。この場合には、発光素子24に定格値以上の電流を流すことが可能になるため、発光素子24から射出される光量を増やすことができる。したがって、受光素子25におけるSN比(signal−to−noise ratio)を大きくすることが可能になる。
【0055】
また、カード2の取引が行われていないときに、LEDである発光素子24をパルス点灯させる場合には、発光素子24から光が射出されているときの受光素子25の出力値と、発光素子24から光が射出されていないときの受光素子25の出力値との差に基づいて、異物検出機構17で異物が検出されたか否かを判断することが好ましい。たとえば、発光素子24から光が射出されているときの受光素子25の出力値と、発光素子24から光が射出されていないときの受光素子25の出力値との差と、所定の閾値とを比較して、出力値の差が閾値以下になった場合に、異物検出機構17で異物が検出されたと判断することが好ましい。この場合には、受光素子25に入射する外部光の影響を抑制することができるため、凹部11aにスキミング用の磁気ヘッド等が取り付けられたことをより適切に検出することが可能になる。
【0056】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ゲート機構6は、カードリーダ1のユーザがカードリーダ1からカード2を抜き取ることが可能な抜取り可能位置までカード搬送機構によってカード2が排出されたことを検出するためのカード検出機構14と、カード2の排出時に抜取り可能位置までカード2が排出されていない場合にカード2の抜取りを阻止するシャッタ機構15とを備えている。そのため、本形態では、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダ1に取り付けられて、抜取り可能位置までカード2が排出されず、ユーザがカード2を抜き取ることができない場合には、シャッタ部材22によってカード2の抜取りを阻止して、フィッシングを防止することが可能になる。
【0057】
また、本形態では、カード検出機構14よりも手前側に配置されるシャッタ部材22によって、カード2の抜取りが阻止されている。そのため、カード2を抜き取ろうとする場合には、カード2の前端がシャッタ部材22に当接する。したがって、本形態では、シャッタ機構15によって、カード2の抜取りが阻止されていても、カード2の表面には傷がつかない。
【0058】
また、本形態では、仮にフィッシングを行うための仕掛けがカードリーダ1に取り付けられても、抜取り可能位置までカード2が排出されており、ユーザがカード2を抜き取ることができる場合には、シャッタ機構15はカードの抜取りを阻止しない。すなわち、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダ1に取り付けられても、フィッシングが発生しない状況においては、シャッタ機構15はカード2の抜取りを阻止しない。したがって、本形態では、フィッシングが発生しない状況においては、シャッタ機構15がカード2を傷つける状況は発生しえない。
【0059】
本形態では、カード検出機構14は、手前方向に向かって突出する突出部11bの内部に配置されている。そのため、カード検出機構14によって、カード2の前端の位置を適切に検出することができる。すなわち、カード検出機構14によって、カード2が抜取り可能位置まで排出されているか否かを適切に検出することができる。したがって、本形態では、フィッシングが発生しうる状況にあるか否かをカード検出機構14によって適切に検出することが可能になる。
【0060】
本形態では、カード検出機構14およびシャッタ機構15は、ハウジング11の突出部11bの内部に配置されている。そのため、本形態では、犯罪者がカード検出機構14やシャッタ機構15を破壊するのを防止しやすくなる。特に本形態では、ハウジング11は、不透明な材料で形成されているため、犯罪者はゲート機構6の外部からカード検出機構14やシャッタ機構15を目視で確認することができない。したがって、本形態では、犯罪者がカード検出機構14やシャッタ機構15を破壊するのをより防止しやすくなる。
【0061】
本形態では、シャッタ検出機構16は、挿入排出口5を閉鎖する閉鎖部22aの一部を直接、検出している。特に本形態では、シャッタ検出機構16は、上方向に移動して挿入排出口5を閉鎖する閉鎖部22aの上端側の一部を直接、検出している。そのため、犯罪者によって挿入排出口5を閉鎖する閉鎖部22aが破壊されたか否かをシャッタ検出機構16で確実に検出することが可能になる。
【0062】
本形態では、カードリーダ1にカード2が取り込まれていないときに、ソレノイド23は、定期的にシャッタ部材22を駆動して、挿入排出口5の開閉動作を行っている。そのため、カードリーダ1にカード2が取り込まれていないときに、挿入排出口5を閉鎖する閉鎖部22aが破壊されているか否かをシャッタ検出機構16で定期的に確認することができる。したがって、カードリーダ1にカード2が挿入される際に、閉鎖部22aが破壊されているか否かを確実に検出することが可能になる。その結果、本形態では、上述のように、閉鎖部22aが破壊されている場合には、以後のカード2の取込を中止することで、フィッシングを防止することができる。
【0063】
本形態では、前後方向から見たときに、カード搬送路の全域を閉鎖することが可能なシャッタ部材7がゲート機構6よりも奥側に配置されている。そのため、シャッタ部材22が突出部11bに配置されており、閉鎖部22aが挿入排出口5の左端側の一部を閉鎖する場合であっても、シャッタ部材7によってカード搬送路を閉鎖することで、磁気ヘッド3等のカードリーダ1の内部の各種の構成を保護したり、カードリーダ1の内部への粉塵の侵入を防止することが可能になる。また、シャッタ部材22が破壊されても、シャッタ部材7によって、カードリーダ1へのカード2の挿入を防止することが可能になる。
【0064】
本形態では、ハウジング11の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。そのため、犯罪者は、フィッシングを行うための仕掛けをゲート機構6に取り付けにくくなる。したがって、本形態では、フィッシングを効果的に防止することが可能になる。
【0065】
本形態では、光源27から光が射出されると凹部11aの側面が光る。そのため、たとえば、カード2の排出時に凹部11aの側面を点滅させれば、排出されたカード2の前端部分が凹部11aで停止しても、ユーザは、カード2がどこに排出されたのかを容易に把握することができる。
【0066】
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0067】
上述した形態では、排出時のカード2が抜取り可能位置まで排出されていない場合にカード2の抜取りを阻止するカード抜取り阻止機構は、カード検出機構14よりも手前側に配置されるシャッタ部材22を備えるシャッタ機構15である。この他にもたとえば、カード抜取り阻止機構は、本体部8の内部でカード2の奥端側を保持してカード2の抜取りを阻止するように構成されても良い。たとえば、カード抜取り阻止機構は、上述した特許文献1に記載の引抜き防止ロック機構と同様に構成されても良い。また、たとえば、カード抜取り阻止機構は、カード2に突き刺さるピンおよびこのピンを駆動するソレノイド等の駆動源等によって構成されても良い。フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダ1に取り付けられても、抜取り可能位置までカード2が排出されており、ユーザがカード2を抜き取ることができる場合には、カード抜取り阻止機構はカード2の抜取りを阻止しないため、これらの場合には、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダ1に取り付けられても、フィッシングが発生しない状況においては、カード2を傷つけないようにすることが可能になる。
【0068】
上述した形態では、凹部11aは、左右方向において、磁気ヘッド3の配置位置と略同じ位置に形成されている。この他にもたとえば、左右方向における凹部11aの位置と磁気ヘッド3の配置位置とがずれていても良い。また、上述した形態では、凹部11aは、上下方向から見たときの形状が略U形状となるように形成されているが、凹部11aは、上下方向から見たときの形状が略矩形状等の多角形状となるように形成されても良い。
【0069】
上述した形態では、ハウジング11に、凹部11aの奥端部から手前方向に向かって突出する2個の突出部11b、11cが形成されている。この他にもたとえば、ハウジング11に、1個の突出部が形成されても良い。すなわち、ハウジング11は、上下方向から見たときの形状が略L形状または略T形状となるように形成されても良い。たとえば、ハウジング11に、突出部11bが形成されるとともに突出部11cが形成されなくても良い。また、ハウジング11に3個以上の突出部が形成されても良い。
【0070】
上述した形態では、ハウジング11の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。この他にもたとえば、ハウジング11の外形は、略直方体状に形成されても良い。
【0071】
上述した形態では、シャッタ検出機構16は、閉鎖部22aの一部を検出することで閉鎖部22aが挿入排出口5を閉鎖していることを検出している。この他にもたとえば、シャッタ検出機構16は、閉鎖部22a以外のシャッタ部材22の所定の箇所を検出することで閉鎖部22aが挿入排出口5を閉鎖していることを間接的に検出しても良い。また、シャッタ検出機構16は、ソレノイド23のプランジャあるいはプランジャに連結される所定の部材を検出することで閉鎖部22aが挿入排出口5を閉鎖していることを間接的に検出しても良い。
【0072】
上述した形態では、センサ21は、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサである。この他にもたとえば、センサ21は、接点とこの接点に接触する接点レバーとを備える機械式のセンサであっても良い。また、カード検出機構14は、カード2の幅方向の端部に直接、接触する接点レバーを有する機械式の検出機構であっても良いし、カード2の幅方向の端部が直接、発光素子と受光素子との間を遮るように配置される光学式の検出機構であっても良い。
【0073】
上述した形態では、カード2は磁気ストライプを有する磁気カードであるが、カード2は磁気カードでなくても良い。また、上述した形態は、ゲート機構6は、異物検出機構17および発光機構18を備えているが、ゲート機構6は、異物検出機構17および/または発光機構18を備えていなくても良い。
【符号の説明】
【0074】
1 カードリーダ
2 カード
4 搬送ローラ(カード搬送機構の一部)
5 挿入排出口
6 ゲート機構
7 シャッタ部材(第2シャッタ部材)
11a 凹部
11b、11c 突出部
14 カード検出機構
15 シャッタ機構(カード抜取り阻止機構)
16 シャッタ検出機構
18 発光機構
22 シャッタ部材
22a 閉鎖部
23 ソレノイド(シャッタ駆動源)
X カードの搬送方向
X1 カードの挿入方向
X2 カードの排出方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの取込および排出を行うカード搬送機構を備えるカードリーダにおいて、
前記カードが挿入および排出される挿入排出口が形成されるとともに前記カードリーダの前記カードの排出方向端に配置されるゲート機構を備え、
前記ゲート機構には、前記カードの排出方向に向かって突出する突出部が形成され、
前記ゲート機構は、前記カードリーダのユーザが前記カードを抜き取ることが可能な抜取り可能位置まで前記カード搬送機構によって前記カードが排出されたことを検出するためのカード検出機構と、前記カードの排出時に前記抜取り可能位置まで前記カードが排出されていない場合に前記カードの抜取りを阻止するカード抜取り阻止機構とを備え、
前記カード検出機構は、前記突出部の内部に配置されていることを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
前記ゲート機構には、2個の前記突出部が形成され、
前記カード検出機構は、2個の前記突出部の間に形成される凹部において前記カードを抜き取ることが可能な前記抜取り可能位置まで前記カードが排出されたことを検出することを特徴とする請求項1記載のカードリーダ。
【請求項3】
前記カード抜取り阻止機構は、前記カード検出機構よりも前記カードの排出方向側に配置され前記挿入排出口を開閉するシャッタ部材と前記シャッタ部材を駆動するシャッタ駆動源とを備えるシャッタ機構であることを特徴とする請求項1または2記載のカードリーダ。
【請求項4】
前記シャッタ機構は、前記突出部の内部に配置されていることを特徴とする請求項3記載のカードリーダ。
【請求項5】
前記シャッタ部材は、前記挿入排出口を閉鎖するための閉鎖部を備え、
前記ゲート機構は、前記閉鎖部が前記挿入排出口を閉鎖していることを検出するためのシャッタ検出機構を備え、
前記シャッタ検出機構は、前記閉鎖部の一部を直接、検出することを特徴とする請求項3または4記載のカードリーダ。
【請求項6】
前記シャッタ駆動源は、前記カードリーダに前記カードが取り込まれていないときに、前記シャッタ部材を定期的に駆動して前記挿入排出口の開閉動作を行うことを特徴とする請求項5記載のカードリーダ。
【請求項7】
前記カードが搬送されるカード搬送路が内部に形成されるとともに、前記ゲート機構よりも前記カードの挿入方向側に配置される第2シャッタ部材を備え、
前記第2シャッタ部材は、前記カードの搬送方向から見たときに、前記カード搬送路の全域を閉鎖可能であることを特徴とする請求項4記載のカードリーダ。
【請求項8】
前記突出部は、不透明な材料で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のカードリーダ。
【請求項9】
前記ゲート機構の外形は、前記カードの排出方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のカードリーダ。
【請求項10】
前記ゲート機構は、前記凹部の側面を光らせるための発光機構を備えることを特徴とする請求項2記載のカードリーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−164808(P2011−164808A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24971(P2010−24971)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】