説明

カード処理装置

【課題】異物が挿入されたり、詰め込まれた場合にも容易に対応することができ、かつ後払い決済を採用した場合にも、より確実に対価を回収すること。
【解決手段】本体筐体1の上面にカード配置領域10を有し、カード配置領域10に配置された非接触型ICカードMCに対して、本体筐体1の内部に設けた処理制御部110との間の無線通信によって所望の処理を行うカード処理装置において、カード配置領域10との間にICカードMCの収容域51を確保し、かつこの収容域51に対するICカードMCの挿入口10aを確保した状態でカード配置領域10を覆うカバー部材50を本体筐体1に対して着脱可能に配設し、かつ本体筐体1とカバー部材50との間に施錠手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型ICカードを処理対象として読み取りや書き込み等の処理を行うカード処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今においては、硬貨や紙幣の代わりに、ICカードに記録した有価データを用いる決済方法が広く一般に普及している。この決済方法は、例えばICカードに予め有価データを記録しておき、商品の購入やサービスを受けた場合に、ICカードの有価データを減算することで対価の支払いを行うものである。この種の決済方法で適用されるICカードとしては、接触型のものと非接触型のものとがあるが、接点の接触不良や摩耗等の問題を招来する恐れのない後者が多く用いられている。
【0003】
非接触型ICカードを対象とするカード処理装置では、通常、本体筐体の外表面にカード配置領域が設けられているとともに、このカード配置領域が通信距離内となるように本体筐体の内部に処理制御部が設けられており、カード配置領域にICカードが載置されれば、処理制御部を介して有価データの読み取りや書き込みを行うことが可能となる。
【0004】
有価データの減算処理を行うタイミングとしては、商品の購入やサービスの提供以前に行うものもあるが、提供される商品やサービスの種類によっては後払い決済が好都合な状況もある。例えば、複数枚のコピーサービスを受ける場合には、最初に有価データの残数を確認した後であれば、都度有価データを減算してからコピーを行うよりも、最後のコピーが終わった段階でまとめて決済を行う方が利用者側にとって利便性が大きい。
【0005】
しかしながら、上述したように、非接触型ICカードは、カード配置領域に載置されているだけであるため、指先で弾く等、カード配置領域からICカードを取り除くこともきわめて容易である。従って、仮にICカードの有無を常時監視している状況下であっても、例えば最後のコピーが終了する直前にカード配置領域からICカードが取り除かれた場合には、実施した複数枚のコピーに対する対価をまったく回収できない事態が起こり得る。
【0006】
ここで、非接触型ICカードを対象としたカード処理装置には、接触型ICカード同様、カードスロットにICカードを挿入した状態で処理を行うものも提供されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0007】
カードスロットは、ICカードが唯一挿入することのできる大きさに形成された空間であり、前面のみが開口した構成である。従って、コピー機等の親機器の筐体内部にカード処理装置を配設し、筐体からカードスロットの開口が外部に露出するように構成すれば、ICカードをタイミング良く取り除くことが困難になり、上述の問題を防止することができるようになる。加えて、処理中においては、ICカードの大部分、もしくはそのすべてがカードスロットの内部に隠れることになり、途中でICカードを取り除こうという行為を抑止する効果も期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−21350号公報
【特許文献2】特開平2−93885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、本体筐体にカードスロットを開口させたカード処理装置にあっては、その内部にチューイングガム等の異物が挿入されたり、詰め込まれた場合、異物を除去するまでに多大な時間を要することとなり、商品の販売機会やサービスの提供機会を逸することに繋がる。特に、カードスロットからICカードを排出するための排出機構が内蔵されたものの場合には、異物を除去する時間が一層長大化する恐れがある。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みて、異物が挿入されたり、詰め込まれた場合にも容易に対応することができ、かつ後払い決済を採用した場合にも、より確実に対価を回収することのできるカード処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るカード処理装置は、本体筐体の外表面にカード配置領域を有し、前記カード配置領域に配置された非接触型ICカードに対して、前記本体筐体の内部に設けた処理制御部との間の無線通信によって所望の処理を行うカード処理装置において、前記カード配置領域との間にICカードの収容域を確保し、かつこの収容域に対するICカードの挿入口を確保した状態で前記カード配置領域を覆うカバー部材を前記本体筐体に対して着脱可能に配設し、かつ前記本体筐体と前記カバー部材との間に施錠手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記施錠手段は、前記本体筐体の外表面に鍵孔を有し、この鍵孔に鍵を挿入して操作することにより前記本体筐体と前記カバー部材との間を施錠状態と解錠状態とに切り替わることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記施錠手段は、施錠状態から解錠状態に切り替わった場合、前記カード配置領域から前記カバー部材を押し出すカバー押出手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記カード配置領域と前記カバー部材との間において挿入口側の端部に進退可能に配設し、退避した場合にICカードの通過を許容する一方、突出した場合にはICカードの通過を阻止するストッパ部材を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記ストッパ部材は、前記本体筐体に形成した貫通孔に配設したものであり、前記本体筐体の内部に設けたアクチュエータの駆動によって進退移動することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記カバー部材は、前記カード配置領域に対向する部位に、前記挿入口に近接離反する方向に沿って移動可能に配設し、前記挿入口からICカードが挿入された場合にICカードに押圧されて前記挿入口から離隔する方向に移動するカードホルダと、前記カバー部材に対して前記カードホルダを挿入口側に向けて押圧する押圧部材とを備えたものであり、前記押圧部材は、前記ストッパ部材が突出した場合に前記カードホルダに挿入されたICカードが前記ストッパ部材に当接することにより圧縮した状態に維持され、前記ストッパ部材が退避した場合に復元力によって前記カードホルダを挿入口側に移動させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記カードホルダと前記本体筐体との間に、前記押圧部材の押圧力による前記カードホルダの移動に抵抗を与える緩衝機構を設けたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記緩衝機構は、前記カードホルダに形成したラックと、このラックに歯合するピニオンギヤと、前記本体筐体に配設し、前記ピニオンギヤの回転に制動を加えるように作用するロータリダンパとを備えて構成したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記処理制御部は、前記本体筐体の内部に無線通信を行うためのアンテナを備え、前記カバー部材には、前記本体筐体のアンテナを覆う位置に電磁遮蔽板を配設したことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上述したカード処理装置において、前記本体筐体の上部に位置する外表面に凹部を設けることによって前記カード配置領域を構成し、このカード配置領域を構成する凹部の開口縁部に前記カバー部材を嵌合させることによって前記本体筐体の前面に前記挿入口を開口させ、かつ前記カード配置領域の周囲に位置する本体筐体の外表面に対して連続した面を構成するように前記カバー部材の外表面を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、本体筐体とカバー部材との間にICカードの収容域が構成されるため、ICカードを容易に取り除くことが困難となる。従って、後払い決済を採用した場合にも、より確実に対価を回収することができる。しかも、施錠手段を解錠すれば、本体筐体に対してカバー部材を取り外すことができるため、収容域に対するICカードの挿入口に異物が挿入されたり、詰め込まれた場合にも、煩雑な作業を要することなく対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態であるカード処理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したカード処理装置の外観を示すもので、カバー部材を取り外した状態の斜視図である。
【図3】図3は、図1に示したカード処理装置の外観を示すもので、カバー部材を取り外した状態の平面図である。
【図4−1】図4−1は、図3におけるA−A線断面図である。
【図4−2】図4−2は、図4−1に示す状態からカバー部材を前方に移動した状態の断面図である。
【図4−3】図4−3は、図4−2に示す状態からカバー部材を取り外した状態の断面図である。
【図5−1】図5−1は、図3におけるB−B線断面図である。
【図5−2】図5−2は、図5−1に示す状態からカードホルダを奥方に移動した状態の断面図である。
【図6−1】図6−1は、図1に示したカード処理装置に適用する施錠手段の解錠状態を概念的に示す平面図である。
【図6−2】図6−2は、図6−1に示した施錠手段の底面図である。
【図7−1】図7−1は、図6−1に示した施錠手段の施錠状態を概念的に示す平面図である。
【図7−2】図7−2は、図7−1に示した施錠手段の底面図である。
【図8−1】図8−1は、図3におけるC−C線断面図である。
【図8−2】図8−2は、図8−1に示す状態からストッパ部材が進出移動した状態の断面図である。
【図9】図9は、図1に示したカード処理装置に適用するカバー部材を裏側から見た斜視図である。
【図10】図10は、図9に示したカバー部材の電磁遮蔽板を示す分解斜視図である。
【図11】図11は、図9に示したカバー部材の背面図である。
【図12】図12は、図1に示したカード処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図13】図13は、図12に示した取扱い制御部が実施するカード取扱い処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るカード処理装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図1〜図3は、本発明の実施の形態であるカード処理装置を示したものである。ここで例示するカード処理装置は、親機であるコピー機に対して子機として付設され、コピー機で実施されたコピーサービスに対して非接触型のICカードMCによる後払い決済を行うためのもので、略直方体状を成す本体筐体1の上面にカード配置領域10を備えている。カード配置領域10は、本体筐体1の内部に配設したアンテナ2の通信距離範囲内となる位置にICカードMCを載置させることのできる大きさの凹部を設けることによって構成したもので、前端に開口する一方、左右両側端及び後方端がそれぞれ鉛直方向に延在する側壁1a,1b及び後壁1cによって囲まれた上面視ほぼ矩形状を成している。カード配置領域10の底壁において前半部に位置する部分には、台状部1dを構成してある。台状部1dは、カード配置領域10において後方に位置する部分よりも一段高く形成した部分であり、その上面がほぼ平坦に構成してある。尚、図中の符号1eは、台状部1dの前端中央部に形成した操作用凹部である。この操作用凹部1eは、カード配置領域10にICカードMCを載置させた際にICカードMCの手前端部下面との間に隙間を作るためのもので、ICカードMCよりも小さい幅に形成してある。
【0025】
このカード配置領域10には、左右一対の爪係止凹部11、左右一対のフック挿入孔12、左右一対のロッド挿通孔13、唯一のカバー検出用凹部14、唯一のカード検出用凹部15が形成してあるとともに、ピニオンギヤ20が配設してある。一対の爪係止凹部11は、図3及び図4−1〜図4−3に示すように、本体筐体1の前後方向に沿ったスリット状を成すもので、台状部1dの両側において側壁1a,1bとの会合部に形成してある。それぞれの爪係止凹部11は、後方に位置する面が開口しており、台状部1bの底壁に対して後述するスライド爪53のスライド係止部53bを係合可能としている。一対のフック挿入孔12は、矩形状を成す開口であり、カード配置領域10の後壁1cに互いに間隔をもって貫設してある。一対のロッド挿通孔13は、カード配置領域10の台状部1dにおいて前縁に位置する部位に並設した貫通孔である。より詳細には、カード配置領域10にICカードMCを載置させた際にICカードMCの手前端縁よりもさらに前方においてICカードMCの手前端と対向する位置に一対のロッド挿通孔13が形成してある。カバー検出用凹部14及びカード検出用凹部15は、図3及び図5−1、図5−2に示すように、それぞれ本体筐体1の前後方向に沿ったスリット状を成すもので、カード配置領域10の底壁において一方の側壁1bに近接した部位、本実施の形態では図3に示すように、正面向かって右側となる部位に、互いに前後となるように並設してある。図からも明らかなように、カード検出用凹部15は、カバー検出用凹部14よりも大きな長さを有したもので、カバー検出用凹部14の後方となる位置に形成してある。これらカバー検出用凹部14及びカード検出用凹部15には、図4−1〜図5−2に示すように、それぞれの内部に検出センサ14a,15aが配設してある。カバー検出用凹部14に配設したカバー検出センサ14aは、カバー検出用凹部14において物体の有無を検出するものであり、カード検出用凹部15に配設したカード検出センサ15aは、カード検出用凹部15の後方部において物体の有無を検出するものである。本実施の形態では、これらの検出センサ14a,15aとして、いずれも光学的に物体の有無を検出するものを適用している。
【0026】
ピニオンギヤ20は、カード配置領域10の底壁に対して直交するピニオン軸21を中心として回転する小径の平歯車であり、ロータリダンパ22を介してカード配置領域10の底壁に配設してある。ロータリダンパ22は、ピニオンギヤ20が回転した場合に、これに制動を加えるように作用するもので、ピニオンギヤ20と一体のユニットとして構成してある。このロータリダンパ22は、カード配置領域10の底壁に設けた前後一対の爪片16の間に係止してあり、これら一対の爪片16に対してスライドさせることにより、カード配置領域10の底壁に対して着脱することが可能である。
【0027】
図4−1〜図8−2に示すように、本体筐体1の内部においてカード配置領域10に対応する部位には、ロックスライダ(施錠手段)30及び左右一対のストッパロッド(ストッパ部材)40が設けてある。ロックスライダ30は、本体筐体1の内部においてカード配置領域10の後壁1cに当接する位置に左右方向に移動可能に配設したもので、左右一対の係止壁31,32及び唯一の押圧傾斜壁(カバー押出手段)33を有している。一対の係止壁31,32は、図6−1に示すように、ロックスライダ30が図中の左方側に移動した場合にフック挿入孔12から退避して後壁1cに重なる位置に配置される一方、図7−1に示すように、ロックスライダ30が図中の右方側に移動した場合には、フック挿入孔12に突出した位置に配置されるものである。押圧傾斜壁33は、図6−1に示すように、図中の右側に位置する係止壁32の左端から左方に向けて漸次後方に傾斜する部分であり、図中の左側に位置する係止壁31との間の間隙に臨むように設けてある。
【0028】
このロックスライダ30には、ロックレバー(施錠手段)34が係合させてある。ロックレバー34は、本体筐体1に取り付けたキーシリンダ(施錠手段)35から径外方向に延在したもので、その先端部を介してロックスライダ30の係合切欠30aに係合している。このロックレバー34は、キーシリンダ35が回転した場合に本体筐体1に対してロックスライダ30を左右方向にスライドさせるものである。キーシリンダ35は、図1〜図3に示すように、本体筐体1の上面に外部に露出した鍵孔35aを有し、この鍵孔35aに正規の鍵を挿入した場合にのみ回転操作が可能となる。
【0029】
図6−2及び図7−2に示すように、ロックスライダ30と本体筐体1との間には、クリックバネ36が設けてある。クリックバネ36は、ロックスライダ30に設けた一方の係止壁31から他方の係止壁32に向けて漸次後方に傾斜するように延在した板状を成す弾性部材である。このクリックバネ36は、図7−2に示すように、ロックスライダ30の係止壁31,32が本体筐体1のフック挿入孔12に突出した状態にある場合、先端部が本体筐体1に設けた収容凹所1fに位置し、かつ傾斜した部分の中間部に本体筐体1の当接稜1gが当接した状態にある。これに対してロックスライダ30の係止壁31,32が本体筐体1のフック挿入孔12から退避した場合には、図6−2に示すように、クリックバネ36の先端部のみが当接稜1gを乗り越えた位置において本体筐体1と当接し、傾斜部分が前方に向けて撓んだ状態に維持される。さらに、図6−2に示す状態からロックスライダ30を図中の左方側に移動させると、クリックバネ36の先端部が当接稜1gを越えた時点で傾斜部分が当接稜1gに当接することになる。この状態においては、クリックバネ36の弾性復元力によって傾斜部分が後方に揺動することになり、この揺動に伴ってロックスライダ30がスライドし、図7−2に示した状態に復帰する。すなわち、クリックバネ36は、ロックスライダ30の係止壁31,32が本体筐体1のフック挿入孔12に対して突出した状態と退避した状態とのいずれか2位置に配置させるものである。
【0030】
ストッパロッド40は、図8−1、図8−2に示すように、カード配置領域10のロッド挿通孔13に嵌合し、かつカード配置領域10の底壁上面に対して出没移動するように配設したもので、本体筐体1の内部において支持体41及びリンク部材42を介してロック用電磁ソレノイド(アクチュエータ)43のプランジャ44に連係させてある。支持体41は、本体筐体1の前端部において左右方向に延在し、上下方向に沿って移動可能に配設されたもので、ストッパロッド40の下端部間に架設する状態でストッパロッド40に連結している。リンク部材42は、左右方向に沿って水平に延在するリンク軸42aを中心として本体筐体1に揺動可能に配設したもので、上端部にスライドピン42bを有し、かつ下端部にプランジャピン42cを有している。スライドピン42b及びプランジャピン42cは、それぞれリンク軸42aと平行となるように延在したもので、スライドピン42bが支持体41のカム溝41aに挿通させてあり、かつプランジャピン42cがプランジャ44の先端部に挿通させてある。ロック用電磁ソレノイド43は、プランジャ44においてリンク部材42との間にリターンバネ45を介在させたもので、消磁した場合にリターンバネ45のバネ力によってプランジャ44が突出する一方、励磁した場合にはリターンバネ45のバネ力に抗してプランジャ44を縮退させるものである。プランジャ44が突出した状態においては、図8−1に示すように、リンク部材42の上端部が後方に向けて傾いた状態となり、本体筐体1に対して支持体41が下方に移動するためストッパロッド40がカード配置領域10の底壁上面から没入した状態に維持される。これに対してプランジャ44が縮退した場合には、リンク部材42の上端部が前方に向けて揺動し、ほぼ鉛直方向に沿った状態となる。これにより、支持体41が本体筐体1に対して上方に移動することになり、ストッパロッド40がカード配置領域10の底壁正面から突出することになる。
【0031】
一方、このカード処理装置には、カード配置領域10にカバー部材50が設けてある。カバー部材50は、図1〜図3に示すように、上面視がカード配置領域10の開口縁部に嵌合することのできる大きさを有した略矩形状を成すもので、カード配置領域10の操作用凹部1eに対応する部位に操作用切欠50aを有している。操作用切欠50aは、操作用凹部1eに対応した切欠であり、カバー部材50をカード配置領域10に嵌合させた場合に、操作用凹部1eに合致する位置に形成してある。図9に示すように、カバー部材50の裏面には、その両側縁部に下方に突出する突出部50bが設けてあり、互いの間にICカードMCを収容することのできる収容域51を確保している。カバー部材50の外表面は、カード配置領域10に嵌合させた場合に、カード配置領域10の周囲に位置する本体筐体1の外表面に対して連続した面を構成するように構成してある。
【0032】
図9及び図10に示すように、本実施の形態で適用するカバー部材50は、表面板部50Aと裏面板部50Bとを有し、互いの間に電磁遮蔽板50Cを介在させた状態で表面板部50A及び裏面板部50Bを重ね合わせることによって構成してある。電磁遮蔽板50Cは、図3に示すように、鉄製の薄板であり、カバー部材50をカード配置領域10に嵌合させた場合に本体筐体1に設けたアンテナ2の上方域を完全に覆うように構成してある。
【0033】
このカバー部材50には、左右一対のフック爪(施錠手段)52、左右一対のスライド爪53、唯一のカバー検出用突起54、カードホルダ60が設けてある。
【0034】
一対のフック爪52は、図3、図4−3、図9、図11に示すように、裏面板部50Bの後面から後方に向けて突設したもので、カード配置領域10のフック挿入孔12に対応する部位に形成してある。フック爪52は、裏面板部50Bの後面から互いに平行となるように突出したフック基部52aと、各フック基部52aの突出端部から互いに同一方向に向けて直角に屈曲したフック係合部52bとを有したものである。これらのフック爪52は、ロックスライダ30の係止壁31,32がフック挿入孔12から退避している状態において、図4−2に示すように、カード配置領域10の前端部にカバー部材50を載置させた後、カバー部材50を後方にスライドさせた場合に、図4−1に示すように、フック挿入孔12に挿通することのできる大きさに構成してある。
【0035】
一対のスライド爪53は、図3、図4−3、図9、図11に示すように、裏面板部50Bの前端部両側から下方に向けて突設したもので、カード配置領域10の爪係止凹部11に挿入することのできる大きさに形成してある。スライド爪53は、裏面板部50Bの下面から下方に向けて突設したスライド基部53aと、各スライド基部53aの下端部から後方に向けて屈曲したスライド係止部53bとを有したものである。
【0036】
これらのスライド爪53は、カード配置領域10の前端部にカバー部材50を載置させた場合に、図4−2に示すように、それぞれ爪係止凹部11に挿通され、この状態のままカバー部材50を後方にスライドさせてフック爪52がフック挿入孔12に挿通された場合、個々のスライド係止部53bが台状部1dの底壁に係合される。スライド爪53のスライド係止部53bが台状部1dの底壁に係合された状態においては、カバー部材50の前端部がカード配置領域10から離隔する上方への移動が阻止されることになる。
【0037】
ここで、上述したフック爪52がフック挿入孔12に挿通された状態で上述したロックスライダ30をスライドさせ、係止壁31,32をフック挿入孔12に突出させると、図7−1、図7−2に示すように、それぞれの係止壁31,32がフック爪52のフック係合部52bと裏面板部50Bの後面との間に介在した状態となる。これにより、カード配置領域10に対してカバー部材50の前方への移動が阻止される。
【0038】
つまり、図7−1、図7−2に示す状態においては、本体筐体1に対してカバー部材50の前方への移動及び上方への移動が阻止されており、カバー部材50をカード配置領域10から取り外すことができない。
【0039】
この状態からロックスライダ30を逆方向にスライドさせ、図6−1、図6−2に示すように、再び係止壁31,32をフック挿入孔12から退避させれば、係止壁31,32がフック爪52のフック係合部52bと裏面板部50Bの後面との間から逸脱し、カード配置領域10に対してカバー部材50を前方に移動させることができるようになる。このとき、本実施の形態では、ロックスライダ30に押圧傾斜壁33を設けるようにしているため、ロックスライダ30が図7−1に示す状態から図6−1に示す状態にスライドする際に一方のフック爪52に当接して前方に向けて押圧する。これにより、カバー部材50がカード配置領域10に対して前方に移動し、スライド爪53のスライド係止部53bが台状部1dの底壁に係合した状態も解除されることになる。従って、カバー部材50を上方に移動させれば、カード配置領域10から取り外すことができるようになる。
【0040】
カバー検出用突起54は、裏面板部50Bの前端部下面から下方に向けて突設した舌片状部材である。このカバー検出用突起54は、カード配置領域10の前端部にカバー部材50を載置させた場合にカード配置領域10のカバー検出用凹部14に配置され、そのままカバー部材50の後方にスライドさせてフック爪52をフック挿入孔12に挿通させた場合に、図5−1に示すように、カバー検出センサ14aによって検出されるように構成してある。
【0041】
カードホルダ60は、図9及び図11に示すように、カバー部材50の裏面に確保した収容域51の後方及び下方を覆う部分を有し、この収容域51にICカードMCを保持するためのもので、裏面板部50Bの裏面側に前後方向に沿ってスライド可能に配設してある。より具体的には、図4−1〜図5−2、図9、図11に示すように、裏面板部50Bの両側面にそれぞれ前後方向に沿って延在するガイドレール55を形成する一方、カードホルダ60の両側に裏面板部50Bの側面を覆うガイド部61を形成し、各ガイド部61にガイドレール55に嵌合するガイド溝61aを形成することにより、カバー部材50に対してカードホルダ60が前後方向にスライド可能に支持させてある。カードホルダ60とカバー部材50との間には、エジェクトバネ(押圧部材)62が介在させてある。エジェクトバネ62は、裏面板部50Bの両側部において裏面板部50Bとカードホルダ60との間に介在する引張バネであり、カバー部材50に対してカードホルダ60を常時前方に向けて付勢し、カードホルダ60をカバー部材50に設けた当接片56に当接した状態に維持している。
【0042】
カードホルダ60には、カード検出用突起63及びラック64が設けてある。カード検出用突起63は、カードホルダ60の下面から下方に向けて突設した舌片状部材である。このカード検出用突起63は、カード配置領域10の前端部にカバー部材50を載置させた場合にカード配置領域10のカード検出用凹部15の前方部に配置され、そのままカバー部材50を後方にスライドさせてフック爪52をフック挿入孔12に挿通させた場合にも、図5−1に示すように、カードホルダ60が当接片56に当接している限り、カード検出センサ15aによって検出されないように構成してある。この状態からカバー部材50に対してカードホルダ60が後方に移動され、図5−2に示すように、カードホルダ60がカバー部材50に対して最後方に配置された場合には、カード検出用突起63がカード検出センサ15aによって検出されることになる。
【0043】
ラック64は、カバー部材50がカード配置領域10に嵌合された場合にピニオンギヤ20に歯合するもので、カバー部材50の前後方向に沿って配設してある。このラック64は、カバー部材50に対してカードホルダ60がもっとも前方に配置された状態からもっとも後方に配置された状態までの間、継続してピニオンギヤ20に歯合できるように構成してある。
【0044】
図12は、カード処理装置におけるICカードMCの取扱いに関わる制御系を示したものである。図12において取扱い制御部100は、取り出しボタン70、カバー検出センサ14a、カード検出センサ15aからの出力信号に基づいてロック用電磁ソレノイド43の駆動制御及び表示装置71に対する表示制御を行うものである。取り出しボタン70は、本体筐体1の上面に設けられた押ボタンである。取り出しボタン70が押圧操作された場合、取扱い制御部100に対して操作信号が与えられることになる。尚、図には明示していないが、取り出しボタン70のキートップには、自身を点灯するランプが内蔵されている。表示装置71は、本体筐体1の外部に表示を行うためのものである。本実施の形態では、液晶表示器によって表示装置71を構成している。処理制御部110は、取扱い制御部100及びコピー機200からの制御信号に基づき、アンテナ2を介してICカードMCに対するデータの読み取りや書き込み等の処理を行うものである。処理制御部110は、コピー機200に対してコピー許可信号を出力する機能も有している。
【0045】
図13は、上述した取扱い制御部100が所定のサイクルタイムごとに繰り返し実施するカード取扱い処理の内容を例示したフローチャートである。以下、このフローチャートを適宜参照しながら、カード処理装置の動作について説明する。
【0046】
まず、上述のカード処理装置では、カード配置領域10にカバー部材50を嵌合させ、スライド爪53を台状部1dの底壁に係合させるとともに、フック爪52をロックスライダ30に係合させた状態が使用待機状態となる。この状態においては、カード配置領域10の上方部がカバー部材50によって閉塞された状態になるものの、ロック用電磁ソレノイド43が消磁され、ストッパロッド40がカード配置領域10の底壁上面から没入した状態にあるため、図1に示すように、カード配置領域10の前端部とカバー部材50との間に挿入口10aが開口することになり、この挿入口10aを介してカード配置領域10にICカードMCを挿入することができる。
【0047】
この使用待機状態において、取扱い制御部100は、カバー検出センサ14aを監視し、カバー部材50がカード配置領域10に正確に嵌合された状態にあるか否かを判断している(ステップS101)。カバー部材50がカード配置領域10に嵌合されていないと判断した場合(ステップS101:No)、取扱い制御部100は、例えば表示装置71にエラー表示を行った後、後述の手順を実施することなく今回の処理を終了する。
【0048】
これに対してカバー部材50がカード配置領域10に嵌合されていると判断した場合(ステップS101:Yes)、取扱い制御部100は、カード検出センサ15aを通じてカード配置領域10にICカードMCが配置されているか否かを判断する(ステップS102)。ICカードMCが配置されていないと判断した場合(ステップS102:No)、取扱い制御部100は、例えば表示装置71を通じて利用者に対する操作案内表示を行い、その後、後述の手順を実施することなく今回の処理を終了する。
【0049】
一方、利用者が挿入口10aからICカードMCが挿入すると、その挿入押圧力により、エジェクトバネ62のバネ力に抗してカードホルダ60が後方に移動する。ICカードMCの手前端がロッド挿通孔13の位置を越えると、カードホルダ60のカード検出用突起63がカード検出センサ15aに到達することになり、カード検出センサ15aの検出結果が取扱い制御部100に出力される(ステップS102:Yes)。カード検出センサ15aを通じてカード配置領域10に対するICカードMCの挿入を検出した取扱い制御部100は、直ちにロック用電磁ソレノイド43を励磁させてプランジャ44を縮退させる(ステップS103)。この結果、カード配置領域10の底壁上面からストッパロッド40が上方に進出移動し、ICカードMCの手前端縁に対向して配置されるため、ICカードMCがストッパロッド40に当接することにより、ICカードMCから手を離しても、エジェクトバネ62のバネ力に抗してICカードMCがカード配置領域10に留まることになる。
【0050】
一方、ロック用電磁ソレノイド43を励磁している間、取扱い制御部100からは、処理制御部110に対してICカードMCの処理許可信号が出力されることになり、ICカードMCに記録された有価データを用いたコピーサービスが実施可能となる。例えば、処理許可信号を受信した処理制御部110では、ICカードMCの有価データに残数があるか否かを判断し、残数がある場合、コピー機200に対して許可信号を出力する。これにより、利用者は、コピー機200によるコピーサービスを受けることができるようになる。すべてのコピーが終了すると、実施したコピーの枚数や用紙サイズ等の実施情報がコピー機200から処理制御部110に与えられ、処理制御部110によって算出された対価がICカードMCから減算処理される。減算処理を終了した処理制御部110は、取扱い制御部100に対して処理終了信号を出力する。
【0051】
処理終了信号を受信した取扱い制御部100は、取り出しボタン70を有効化するとともに、内蔵ランプを点灯させた後、取り出しボタン70が操作されたか否かを監視する(ステップS104)。利用者によって取り出しボタン70がON操作されると(ステップS104:Yes)、取扱い制御部100は、ロック用電磁ソレノイド43を消磁させ、手順をリターンさせる。ロック用電磁ソレノイド43が消磁されると、ストッパロッド40がカード配置領域10の底壁上面から没入するため、エジェクトバネ62のバネ力により、カードホルダ60を介してICカードMCが排出され、利用者の手に戻る。
【0052】
エジェクトバネ62のバネ力によってカードホルダ60が前方に移動する際には、ラック64に歯合するピニオンギヤ20がロータリダンパ22によって制動が加えられるため、ICカードMCが勢い良く飛び出て、カードホルダ60から逸脱してしまう事態を招来することがなく、ICカードMCの排出位置を一定に保つことが可能となる。尚、ステップS104において取り出しボタン70がON操作されていない場合、取扱い制御部110は、ステップS105の処理を実施することなく今回の処理を終了する。
【0053】
上述したカード取扱い処理においては、ICカードMCに対して読み取りや書き込み等の処理を実施している間、ICカードMCがカバー部材50と本体筐体1との間に構成された収容域51に収容され、かつストッパロッド40によって収容域51からの取り出しが阻止されているため、利用者によるICカードMCの抜き取りを防止することができる。また、ICカードMCの大部分がカバー部材50によって覆われた状態となるため、途中でICカードMCを抜き取ろうという行為を抑止する効果も期待することができる。従って、すべてのコピーが終了した後に、処理制御部110によって後払い決済を行う場合にも、確実に対価を回収することが可能となる。
【0054】
しかも、カード配置領域10を覆うカバー部材50は、キーシリンダ35の鍵孔35aに鍵を挿入して回転操作すれば、ロックスライダ30とフック爪52との係合状態を解除することによって本体筐体1から取り外すことが可能である。従って、例えば挿入口10aにチューイングガム等の異物が挿入されたり、詰め込まれたとしても、カバー部材50を取り外すことによって容易に除去することができ、コピーサービスの停止時間を最小限に留めることができる。特に、本実施の形態では、カバー部材50にICカードMCを保持するためのカードホルダ60を支持させるとともに、カードホルダ60の移動に抵抗を与えるための緩衝機構、つまりラック64、ピニオンギヤ20、ロータリダンパ22からなる緩衝機構のうち、ラック64をカードホルダ60に設け、かつピニオンギヤ20及びロータリダンパ22を本体筐体1に設けるようにしているため、カバー部材50を取り外した状態のカード配置領域10をより簡単な構造とすることができ、異物の除去作業もきわめて容易となる。尚、カバー部材50やカードホルダ60に異物が付着していた場合には、これらをすべて交換して対処することも可能であり、コピーサービスの停止時間をさらに短くすることができる。
【0055】
また、カバー部材50において本体筐体1のアンテナ2に対応する部位に電磁遮蔽板50Cを設けるようにしている。従って、カバー部材50の上面にICカードMCを載置させた状態では、ICカードMCに対して読み取りや書き込みを行うことができない。これにより、カバー部材50の上面にICカードMCを載置させて不正を行うことも困難となる。
【0056】
尚、上述した実施の形態では、コピー機に付設されるカード処理装置を例示しているが、必ずしもこれに限定されない。
【0057】
さらに、上述した実施の形態では、鍵孔が本体筐体の外部に露出したキーシリンダを適用する施錠手段を適用しているため、カバー部材を取り外す際の作業をより容易に行うことが可能になるが、必ずしも本体筐体の外部から施錠状態と解錠状態とを切り替えるものである必要はない。
【符号の説明】
【0058】
1 本体筐体
2 アンテナ
10 カード配置領域
10a 挿入口
11 爪係止凹部
12 フック挿入孔
13 ロッド挿通孔
14 カバー検出用凹部
14a カバー検出センサ
15 カード検出用凹部
15a カード検出センサ
20 ピニオンギヤ
21 ピニオン軸
22 ロータリダンパ
30 ロックスライダ
31,32 係止壁
33 押圧傾斜壁
34 ロックレバー
35 キーシリンダ
35a 鍵孔
36 クリックバネ
40 ストッパロッド
41 支持体
42 リンク部材
43 ロック用電磁ソレノイド
44 プランジャ
45 リターンバネ
50 カバー部材
50C 電磁遮蔽板
51 収容域
52 フック爪
53 スライド爪
54 カバー検出用突起
60 カードホルダ
62 エジェクトバネ
63 カード検出用突起
64 ラック
100 取扱い制御部
110 処理制御部
MC ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体の外表面にカード配置領域を有し、前記カード配置領域に配置された非接触型ICカードに対して、前記本体筐体の内部に設けた処理制御部との間の無線通信によって所望の処理を行うカード処理装置において、
前記カード配置領域との間にICカードの収容域を確保し、かつこの収容域に対するICカードの挿入口を確保した状態で前記カード配置領域を覆うカバー部材を前記本体筐体に対して着脱可能に配設し、かつ前記本体筐体と前記カバー部材との間に施錠手段を設けたことを特徴とするカード処理装置。
【請求項2】
前記施錠手段は、前記本体筐体の外表面に鍵孔を有し、この鍵孔に鍵を挿入して操作することにより前記本体筐体と前記カバー部材との間を施錠状態と解錠状態とに切り替わることを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。
【請求項3】
前記施錠手段は、施錠状態から解錠状態に切り替わった場合、前記カード配置領域から前記カバー部材を押し出すカバー押出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。
【請求項4】
前記カード配置領域と前記カバー部材との間において挿入口側の端部に進退可能に配設し、退避した場合にICカードの通過を許容する一方、突出した場合にはICカードの通過を阻止するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。
【請求項5】
前記ストッパ部材は、前記本体筐体に形成した貫通孔に配設したものであり、前記本体筐体の内部に設けたアクチュエータの駆動によって進退移動することを特徴とする請求項4に記載のカード処理装置。
【請求項6】
前記カバー部材は、
前記カード配置領域に対向する部位に、前記挿入口に近接離反する方向に沿って移動可能に配設し、前記挿入口からICカードが挿入された場合にICカードに押圧されて前記挿入口から離隔する方向に移動するカードホルダと、
前記カバー部材に対して前記カードホルダを挿入口側に向けて押圧する押圧部材と
を備えたものであり、
前記押圧部材は、前記ストッパ部材が突出した場合に前記カードホルダに挿入されたICカードが前記ストッパ部材に当接することにより圧縮した状態に維持され、前記ストッパ部材が退避した場合に復元力によって前記カードホルダを挿入口側に移動させることを特徴とする請求項4に記載のカード処理装置。
【請求項7】
前記カードホルダと前記本体筐体との間に、前記押圧部材の押圧力による前記カードホルダの移動に抵抗を与える緩衝機構を設けたことを特徴とする請求項6に記載のカード処理装置。
【請求項8】
前記緩衝機構は、前記カードホルダに形成したラックと、このラックに歯合するピニオンギヤと、前記本体筐体に配設し、前記ピニオンギヤの回転に制動を加えるように作用するロータリダンパとを備えて構成したことを特徴とする請求項7に記載のカード処理装置。
【請求項9】
前記処理制御部は、前記本体筐体の内部に無線通信を行うためのアンテナを備え、
前記カバー部材には、前記本体筐体のアンテナを覆う位置に電磁遮蔽板を配設したことを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。
【請求項10】
前記本体筐体の上部に位置する外表面に凹部を設けることによって前記カード配置領域を構成し、このカード配置領域を構成する凹部の開口縁部に前記カバー部材を嵌合させることによって前記本体筐体の前面に前記挿入口を開口させ、かつ前記カード配置領域の周囲に位置する本体筐体の外表面に対して連続した面を構成するように前記カバー部材の外表面を形成したことを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−258059(P2011−258059A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133069(P2010−133069)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】