説明

カード形データキャリア

発明はその上に表示されるグラフィック素子(6)が設けられたカード体(2)を有するカード形データキャリア(1)に関する。カード体(2)はプラスチック材料で与えられ、プラスチック材料は照射光を二次光に変換するため及びプラスチック材料内の二次光をグラフィック素子(6)またはグラフィック素子(6)の一部に再送するための材料である。発明のカード形データキャリア(1)の特徴は、グラフィック素子(6)を表示するためのプラスチック材料でつくられた成形体(12)の少なくとも一部がカード体(2)の少なくとも1つの空洞(11)内に配置されること及び/または、成形体(12)が横方向に広がる領域を有し、その領域の内部では成形体(12)がその領域の外部の光学特性とは異なる光学特性を示すことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカード形データキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
カード形データキャリア、特にICカードは多くの領域において、例えば、身分証明書として、セル式携帯電話ネットワークへのアクセス認可証として、あるいは現金不要支払処理を実行するために、用いられている。ICカードはカード体及びカード体内に埋め込まれた集積回路を有する。ICカードの実際の機能は集積回路によって与えられる。この目的のため、例えば、集積回路にデータが格納され、アプリケーションが実装される。カード体はICカードの取扱いのためにはたらき、視覚情報及び安全保護機能のキャリアとしてはたらくことができる。一般に、カード体の適するデザインによって人目を引く外観をICカードに与えるように努められている。
【0003】
特許文献1により、蛍光着色剤が添加された透明プラスチック材料でつくられたプレート形カード体を有するデータキャリアカードが知られている。データキャリアカードの平坦面を光で照射すると、カードは混和された蛍光着色剤の色の光を、例えば、端面から発するであろう。この光効果はそのようなカードのセキュリティチェックに用いることができる。
【0004】
特許文献2により、データキャリア上の蛍光正規性証明マークを個人化するための方法が知られている。この方法において蛍光正規性証明マークはカード複合体内に挿入されるかまたはカード複合体上に貼付される。次いで、高エネルギービームを用いて正規性証明マークが個人化される。このようにすれば、正規性証明マークの構造が局部的に変化し、よって、正規性証明マークの構造が蛍光を発したときに、個人化によって刻印されたレタリングが陰画として現れてくるようになる。蛍光または燐光の励起はUV光または電磁場を用いてなされる。正規性証明マークは通常の条件下では眼に見えない。
【0005】
特許文献3により、3層からなる積層構造を有する情報カードが知られている。不透明材料の下層はコード化された情報を表す孔を有する。半透明材料の中間層が孔を埋める。透明材料の上層が中間層を保護する。
【0006】
特許文献4により、光信号を受信ダイオードに伝達するために集光プラスチックが用いられるICカードが知られている。光信号は光スイッチング素子による影響を受ける。例えば、秘密コードを、光スイッチング素子を用いて入力することができる。光照射は環境から生じるかまたは一体化された発光ダイオードを用いて与えることができる。
【特許文献1】独国特許発明第10153260A1号明細書
【特許文献2】独国特許発明第10048812A1号明細書
【特許文献3】米国特許第3604901号明細書
【特許文献4】国際公開第93/23826A1号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、カード体の1つまたはそれより多くのグラフィック素子が視覚的に強調されるような態様でカード形データキャリアのカード体の構造を設計することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、特許請求項1の特徴の組合せを有するカード形データキャリアによって解決される。
【0009】
本発明にしたがうカード形データキャリアは、グラフィック素子がその上に表示されるカード体を有する。カード体はプラスチック材料を有し、プラスチック材料は入射光を二次光に変換するため及びプラスチック材料内の二次光をグラフィック素子またはグラフィック素子の一部に伝送するための材料である。本発明にしたがうカード形データキャリアの特徴は、グラフィック素子を表示するためのプラスチック材料で形成された成形体の少なくとも一部がカード体の少なくとも1つの空洞内に配置されること及び/または、成形体が横方向に広がる領域を有し、その領域の内部で成形体はその領域の外部とは別の光学特性を有することである。
【0010】
本発明は、カード体上のグラフィック素子の明瞭な視覚的強調が妥当な費用で可能であるという利点を有する。本発明のカード形データキャリアは耐久性があり、高品質で独特の外観を有する。
【0011】
カード形データキャリアの好ましい例示的時実施形態において、成形体は少なくともいくつかの領域において(明瞭に透明であるかまたは透けて見えるという意味で)透明であるように形成される。この態様において成形体の輪郭が透明領域で高められた輝度を有することが達成される。
【0012】
成形体は空洞内で透明または乳白色にすることができる。こうすれば、高められた輝度のために空洞の輪郭が見えるようになるか、あるいは空洞がその全面にわたってほぼ同じ輝度を有することが可能である。
【0013】
成形体が空洞より大きな横方向広がりを有すると特に有利である。これにより、高められた輝度が達成されるように、空洞の領域における光の集中がもたらされる。
【0014】
空洞の横方向周囲領域において、カード体は不透明にされることが好ましい。これには、強いコントラストを達成でき、散乱光で生じる望ましくない効果が空洞の外側でおこらないという利点がある。特に、横方向で空洞に接するカード材料を不透明にすることができる。空洞を囲む少なくとも横方向の領域においてカード体に不透明印刷を施すことも可能である。
【0015】
成形体の一領域内の相異なる光学特性は様々な方法で実現することができる。例えば、この領域内で成形体を乳白色にすることができる。この場合、領域全体内の輝度はその周囲領域より若干高い。この領域内で成形体が3次元表面構造を有することも可能である。これによっても、領域内で高められた輝度が得られる。3次元表面構造は、領域の全面にわたって分布する複数の突起及び/または窪みによって形成することができる。
【0016】
二次光は成形体の主表面に平行に伝送されることが好ましい。カード体は、特に汚れ及び摩耗に対する保護のため、少なくとも1つの主表面上に透明カバー層を有することができる。カード体は積層でつくられることが好ましい。プラスチック材料を上手に処理することができ、積層技法を用いて高品質のカード体をつくることができる。成形体は打抜部品として形成されることが好ましい。
【0017】
カード体は磁気ストリップ及び/または集積回路を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面に示される例示的実施形態を参照して、以下に本発明を説明する。
【0019】
図1は本発明にしたがって形成されたカード1の第1の例示的実施形態を簡略な上面図で示す。本図にともなう簡略な断面図が図2に示される。カード1は、ICモジュール3がその中に埋め込まれているカード体2を有するICカードとして形成されることが好ましい。ICモジュール3は集積回路4及び集積回路4と接続されたコンタクト面5を有する。集積回路4と図には示されていない外部デバイスの間のデータ通信を行うため、ICモジュール3のコンタクト面5は外部デバイスと直接に接触させられる。図1及び2の態様の別形として、ICモジュール3は無接触データ通信用に形成することもでき、したがって、特に、カード体2の内部に配置することができる。カード1はデータを格納するための磁気ストリップを備えることもできる。磁気ストリップは図示されていない。この全てはカード1の別の例示的実施形態にも適用される。そのような例示的実施形態の場合、ICモジュール3の図示は一部省略した。
【0020】
カード体2は、例えば、レタリング、フラッグ、ロゴ、エンブレムまたは何か別のシンボルの形状の、グラフィック素子6を有する。グラフィック素子6は、周囲領域に比較して明るくなっている領域によって、眼に見えるようになる。これは、相異なる光学特性を有する何枚かのプラスチックシートが積層によって接合されているカード体2の構造によって達成される。
【0021】
詳しくは、第1の例示的実施形態においてカード体2はコアシート7を有し、コアシート7の第1の主表面は第1のカバーシート8で覆われ、コアシート7の第2の主表面は第2のカバーシート9で覆われる。コアシート7の両面には、全表面にかけて、可視光範囲では不透明な捺染10が施される。捺染10はカバーシート8及び9の内表面、すなわちコアシート7に接する主表面にも施すことができる。カバーシート8及び9はそれぞれ可視光範囲で透明にされる。
【0022】
グラフィック素子6によってその形状が定められる窓様空洞11がコアシート7に形成される。空洞11内で、コアシート7は、グラフィック素子6の外形を有し、例えば、打抜プロセスでつくられた、集光シート12で置き換えられる。集光シート12は透明であり、特に、透明に、すなわちアイテムの輪郭が集光シート12によって明瞭に識別できるように、つくられる。空洞11の領域には捺染10は施されない。すなわち、集光シート12が捺染10で覆われることはない。しかし、カバーシート8及び9はそれぞれ、集光シート12が両面でそれぞれカバーシート8及び9によって覆われるように、空洞11の上にも広がる。図3を参照してさらに詳細に説明されるように、集光シート12の領域は周囲領域より若干明るく見え、その輪郭に沿って、すなわち横方向で接するコアシート7との境界面において、かなり高められた輝度を有する。すなわち、グラフィック素子6の特徴は非常に明るく見える輪郭である。
【0023】
カード1の第1の例示的実施形態の改変形態において、第1のカバーシート8及び/または第2のカバーシート9は省略される。
【0024】
図3は集光シート12を簡略な断面図で示す。集光シート12は蛍光着色剤が添合されたプラスチック、例えば、ポリカーボネートまたはPVCからなる。例として、大倍率の下で着色剤粒子13が図3に示される。光で照射されると、着色剤粒子13は蛍光発光状態に励起されて、入射光より波長が長い蛍光を全方向に発する。入射光ビームは図3に参照数字14で表され、蛍光ビームは参照数字15及び16で表される。
【0025】
蛍光ビーム15は、集光シート12と集光シート12の周囲の空気との間の境界面をそれぞれが表す、集光シート12の主表面に比較的小さな角度で当る。集光シート12は空気より高い屈折率を有するから、角度が全反射臨界角より大きい場合、境界面で反射がおこる。それぞれの場合において角度は表面の法線に対して測定されることに留意しなければならない。これは、蛍光ビーム15は、2つの主表面をつなぐ集光シート12の端面の1つに達するまで、集光シート12から出ずに、対向する主表面で交互に反射することを意味する。蛍光ビーム15は比較的小さい角度で端面に当るから、蛍光ビーム15は端面を通って集光シート12を出る。端面を通過するときに、蛍光ビーム15は集光シート12と周囲空気の間の屈折率の比にしたがって屈折される。
【0026】
全反射臨界角より小さい角度で集光シート12の主表面の1つに当る蛍光ビーム16は、主表面を通り抜け、この過程で屈折される。これは、集光シート12の主表面に当る光ビーム14が、一部は集光シート12の端面を通り、一部は集光シート12の主表面を通って、集光シート12を出る蛍光ビーム15及び16を発生させることを意味する。端面は主表面よりかなり狭い表面積を有するから、光は端面領域に集中し、端面で輝度が高くなる。
【0027】
図4はカード1の第2の例示的実施形態を簡略な上面図で示す。本図にともなう簡略な断面図が図5に示される。カード1の第1の例示的実施形態とは対照的に、第2の例示的実施形態ではグラフィック素子6には特に明るい輪郭がない。代りに、グラフィック素子6の全表面が一様に照明される。
【0028】
これは、グラフィック素子6の領域には限定されず、横方向にグラフィック素子をこえて広がり、好ましくはカード体2の全面にわたって広がる、第2の例示的実施形態の集光シート12によって達成される。集光シート12の主表面は透明カバーシート8及び9で覆われる。集光シート12は透明であるようにつくられ、グラフィック素子6の領域において3次元表面構造17を有する。表面構造17は図5の拡大区画に示され、例えば、波状態様で形成することができる、複数の横方向に連続する突起及び窪みを有する。表面構造17のため、集光シート12の境界面で反射される蛍光ビーム15の比率が下がり、境界面を通過する蛍光ビーム16の比率が高くなる。これによって、表面構造17の全面積が平滑な表面を有する集光シート12の隣接領域より明るく見えるようになる。グラフィック素子16の輪郭は内部領域に比較して、輝度が高くなっていないかあるいは若干高くなっているに過ぎない。
【0029】
カード1の第2の例示的実施形態の改変態様において、第1のカバーシート及び/または第2のカバーシート9は省略される。
【0030】
図6はカード1の第3の例示的実施形態を簡略な断面図で示す。本図にともなう上面図は図4に相当する。第3の例示的実施形態において、集光シート12はグラフィック素子6内では乳白色であり、グラフィック素子6外では透明であるようにつくられる。これは、相異なる態様で処理された領域を有する横方向に連続な集光シート12を用いて実現することができる。いくつかの相異なる集光シート12を横方向に並べて配置することもできる。いずれの場合にも、集光シート12の主表面はカバーシート8及び9で覆われる。
【0031】
カード1の第3の例示的実施形態においては、グラフィック素子6の領域における集光シート12の乳白色構造により、グラフィック素子6はグラフィック素子6の全面にわたってその周囲領域よりも明るく見えるようになる。カード1の第2の例示的実施形態とは対照的に、集光シート12の主表面はグラフィック素子6の領域においても平滑にされる。
【0032】
さらに、相異なる色で蛍光を発する領域の使用により顕著な効果が達成される。すなわち、グラフィック素子6の乳白色領域は長波長範囲、例えば橙色で蛍光を発することができ、集光シート12の透明領域は、例えば緑色のような、短波長範囲で蛍光を発することができる。
【0033】
図7はカード1の第4の例示的実施形態を簡略な上面図で示す。本図にともなう簡略な断面図が図8に示される。カード体2は、個別のグラフィック素子6のそれぞれのためのいくつかの空洞11を有する、不透明コアシート7を有する。さらに、カード体2は集光シート12を有し、集光シート12は、その主表面で、コアシート7の主表面と接し、したがって、コアシート7とは別に、カード体2の別の層をなす。この場合、集光シート12はコアシート7の空洞11内に広がり、空洞11のそれぞれを完全に埋める。カード体2の主表面はそれぞれ透明カバーシート8及び9の一方で形成される。すなわち、コアシート7及び集光シート12はいずれも、カバーシート8及び9のそれぞれで覆われる。
【0034】
集光シート12は連続的に、すなわち、集光シート12で形成される層内も、コアシート7の空洞11内も、透明であるようにつくることができる。この場合、グラフィック素子6の輪郭は、カード体2の全主表面にわたって光が集光シート12内に照射され、蛍光は集光シート12の端面を通り、コアシート7の空洞11の縁端を通ってしか脱け出すことができないから、非常に明るく見える。コアシート7の空洞11の表面積が小さくなるほど、輝度が高くなる。
【0035】
コアシート7の空洞11の全領域にわたる照明が望ましければ、第4の例示的実施形態は、集光シート12が第2の例示的実施形態で説明した3次元表面構造17を1つまたはそれより多くの空洞11の領域において有するように、改変することができる。同様に、コアシート7の空洞11の内の1つまたはそれより多くを乳白色集光シート12で埋めることも可能である。
【0036】
図9はカード1の第5の例示的実施形態を簡略な断面図で示す。本図にともなう上面図は図1に相当する。第5の例示的実施形態においては、発光ダイオード18が集光シート12内に配置される。第1の例示的実施形態と同様に、集光シート12はコアシート7の空洞11内に配置される。コアシート7には、集光シート12の一部にもわたって横方向に広がる不透明捺染10が両面に施される。特に、これはカード体2の外部から発光ダイオード18を見えなくするためである。カード体2の主表面はそれぞれ、捺染10及び集光シート12のいずれをも覆う、カバーシート8及び9の一方で形成される。
【0037】
発光ダイオード18のため、一般的な照明条件にかかわらず、グラフィック素子16の十分な輝度が確保される。しかし、この目的のためには、発光ダイオード18に電力が供給されることが必要である。これは、データ通信を行うためにカード1と直接接触するデバイスによって行うことができる。接触はグラフィック素子6が見えるままであるように行われるべきである。発光ダイオード18の電源供給のための他の選択肢は以下に説明される。
【0038】
図10はカード1の第6の例示的実施形態を簡略な断面図で示す。本図にともなう上面図は、ICモジュール3を省いた、図1に相当する。第6の例示的実施形態においては、発光ダイオード18のための電源としての電池19及び発光ダイオードのオン/オフを切り換えるためのプッシュボタン20がコアシート7内に配置される。これらがなければ、カード体2の構成は第5の例示的実施形態に相当する。内蔵電池19により、発光ダイオード18を外部デバイスとは無関係に作動させることが可能になる。発光ダイオード18の考え得る配線が図11に示される。
【0039】
図11はカード1の第6の例示的実施形態に備えられた発光ダイオード18の異なる2つの配線のそれぞれについての回路図を示す。左側に示される回路図において、発光ダイオード18は、発光ダイオード18と直列に接続されたプッシュボタン20及び抵抗器21を介して、電池19に接続される。右側に示される回路図において、抵抗器21は省かれる。
【0040】
図12はカード1の第7の例示的実施形態を簡略な断面図で示す。本図にともなう上面図は、ICモジュール3を省いた、図1に相当する。カード体2の構成は大部分が第6の例示的実施形態と対応する。しかし、第7の例示的実施形態のカード体2は電池19もプッシュボタン20も備えていない。代りに、それによって発光ダイオード18に電力が供給されるアンテナコイル22がコアシート7内に配置される。この目的のためには、カード1のアンテナコイル22に作用する電磁場を発生させる送信デバイスの近くにカード1があることが必要である。このための発光ダイオード18の配線が図13に示される。送信デバイスはカード1との無接触通信のための通常のデバイスとすることができる。
【0041】
図13はカード1の第7の例示的実施形態における発光ダイオード18の異なる2つの配線のそれぞれについての回路図を示す。左側に示される回路図において、発光ダイオード18は、直列接続された抵抗器21を通してアンテナコイル22に接続される。右側に示される回路図において、発光ダイオード18はアンテナコイル22に直接に接続される。
【0042】
あるいは、発光ダイオードは、無接触通信の目的のためのアンテナに連結されたICと接続することもできる。
【0043】
カード1が発光ダイオード18を有する例示的実施形態は、先に説明した発光ダイオード18がないカード体2のための構成と組み合わせることができる。すなわち、例えば、3次元表面構造17を有する集光シート12または乳白色集光シート12を、発光ダイオード18を有するカード1に用いることができる。
【0044】
これには全く該当しない全ての例示的実施形態は、グラフィック素子6がカード体2の縁端近傍に配置されるように改変することができる。そのようにすれば、カード1が例えば財布内に収められているとしてもグラフィック素子6を見えるようにすることができる。一般に、カードを入れるためにつくられたポケットはカード体2を完全にはカバーしない。
【0045】
上述したカード1の例示的実施形態のそれぞれにおいて、カード体2は何枚かのシートの積層でつくられることが好ましい。積層プロセスにおいて、集光シート12は、この場合、その輪郭がグラフィック素子6によって決定される所望の形状が打抜きで与えられることが好ましい。
【0046】
同様に、例えば射出成形によるような、別の態様でカード体2をつくることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明にしたがって形成されたカードの第1の例示的実施形態を簡略な上面図で示す
【図2】カードの第1の例示的実施形態を簡略な断面図で示す
【図3】集光シートを簡略な断面図で示す
【図4】カードの第2の例示的実施形態を簡略な上面図で示す
【図5】カードの第2の例示的実施形態を簡略な断面図で示す
【図6】カードの第3の例示的実施形態を簡略な断面図で示す
【図7】カードの第4の例示的実施形態を簡略な上面図で示す
【図8】カードの第4の例示的実施形態を簡略な断面図で示す
【図9】カードの第5の例示的実施形態を簡略な断面図で示す
【図10】カードの第6の例示的実施形態を簡略な断面図で示す
【図11】カードの第6の例示的実施形態に備えられた発光ダイオードの異なる2つの配線のそれぞれについて回路図を示す
【図12】カードの第7の例示的実施形態を簡略な断面図で示す
【図13】カードの第7の例示的実施形態における発光ダイオードの異なる2つの配線のそれぞれについて回路図を示す
【符号の説明】
【0048】
1 カード
2 カード体
3 ICモジュール
4 集積回路
5 コンタクト面
6 グラフィック素子
7 コアシート
8,9 カバーシート
10 捺染
11 空洞
12 集光シート
13 着色剤粒子
14 入射光ビーム
15,16 蛍光ビーム
17 3次元表面構造
18 発光ダイオード
19 電池
20 プッシュボタン
21 抵抗器
22 アンテナコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフィック素子(6)がその上に表示されるカード体(2)を備えるカード形データキャリアであって、前記カード体(2)がプラスチック材料を有し、前記プラスチック材料が照射光を二次光に変換するため及び前記プラスチック材料内の前記二次光を前記グラフィック素子(6)または前記グラフィック素子(6)の一部に伝送するための材料であるカード形データキャリアにおいて、前記グラフィック素子(6)を表示するための前記プラスチック材料で形成された成形体(12)の少なくとも一部が前記カード体(2)の少なくとも1つの空洞(11)内に配置されること及び/または、前記成形体(12)が横方向に広がる領域を有し、前記領域内において前記成形体(12)が前記領域の外部とは別の光学特性を有することを特徴とするデータキャリア。
【請求項2】
前記成形体(12)が少なくともいくつかの領域において透明であるようにつくられていることを特徴とする請求項1に記載のデータキャリア。
【請求項3】
前記成形体(12)が前記空洞(11)内において透明または乳白色であるようにつくられていることを特徴とする請求項1または2に記載のデータキャリア。
【請求項4】
前記成形体(12)が前記空洞(11)よりも大きい横方向広がりを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項5】
前記カード体(2)が前記空洞(11)の横方向周囲領域において不透明であるようにつくられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項6】
前記空洞(11)に横方向に接している前記カード材料が不透明であることを特徴とする請求項5に記載のデータキャリア。
【請求項7】
前記空洞(11)の少なくとも横方向周囲領域において前記カード体(2)に不透明印刷が施されていることを特徴とする請求項5に記載のデータキャリア。
【請求項8】
前記成形体(12)が前記光学特性に関して異なる前記領域内において乳白色であるようにつくられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項9】
前記成形体(12)が前記光学特性に関して異なる前記領域内において3次元表面構造(17)を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項10】
前記3次元表面構造(17)が前記光学特性に関して異なる前記領域の全表面にわたって分布する複数の突起及び/または窪みによって形成されていることを特徴とする請求項9に記載のデータキャリア。
【請求項11】
前記二次光が前記成形体(12)の主表面に平行に伝送されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項12】
前記カード体(2)が少なくとも1つの主表面上に透明カバー層(8,9)を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項13】
前記カード体(2)が積層によってつくられていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項14】
前記成形体(12)が打抜部品として形成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のデータキャリア。
【請求項15】
前記カード体(2)が磁気ストリップ及び/または集積回路(4)を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のデータキャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−505252(P2009−505252A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526429(P2008−526429)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008041
【国際公開番号】WO2007/020051
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(596007511)ギーゼッケ ウント デフリエント ゲーエムベーハー (47)
【氏名又は名称原語表記】Giesecke & Devrient GmbH
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【復代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
【Fターム(参考)】