説明

カード発行検査装置

【課題】カード単位の作成発行においてカード上に穴あけ文字として加工された文字と顧客固有の情報との精細な検査を可能とし、不良カードを特定、除去でき、正確で高品質なカード作成発行業務が行えるカード発行検査装置を提供する。
【解決手段】カードに点で穴をあけて穴あけ文字として顧客情報を加工するとともに、加工されたカード上の穴あけ文字あるいはマークなどをカメラで読み取り認識して変換された通常の文字コードと穴あけ文字の加工すべき加工データとの一致性比較照合検査を行い、その検査結果ログデータをサーバーPCなどで記憶格納することにより不良カードを簡単に検索でき、また同じカード上に貼り付けられた磁気ストライプ情報、ICチップおよびRFIDタグ情報と、関連するカード上の穴あけ文字情報との一致性比較照合検査により、間違ったカードを顧客へ発送する事故を未然に防止できるカード発行検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種カード上に顧客の固有の情報であるカード番号、顧客名などの文字等をカードの特定位置にレーザー等を用いて点で穴をあけて文字として表示または削り取って文字として表示するとともに、その点で穴をあけた文字等をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードと同じカード上にある人間の目では確認できない磁気ストライプ、ICチップ、RFIDタグインレットなどの読み取りデータとを比較照合してカード上の加工された穴あけ文字データとカード上では見えない顧客個人データとの一致性を検査するカード発行検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年において発行されるカードは塩化ビニール等を素材としたカードに顧客固有の情報である顧客コード、有効年月日などのデータをエンボスと呼ばれる凹凸文字で刻印される方法が用いられている。塩化ビニールは燃焼するとダイオキシンと呼ばれる有毒ガスが発生するのではないかと疑問視されており、人体に悪影響を与える可能性があるため世界的には今後使用を制限する方向へ進んでいる。また塩化ビニールは製造コストが安価であるため大量に使用されているが今後地球に優しい材料、リサイクルできる材料、例えばアルミニューム等の素材を加工したカードに置き換わる傾向にあるが、素材が塩化ビニールと比較すると高価になるためカードの厚みを薄くしてコストを低減する傾向にある。現状の塩化ビニール等を素材としたカード厚みは規格により約0.8mm程度であるが今後素材が変わると製造コストとの関係で0.5mm以下の厚みが要求される。その場合現状の顧客データをエンボス文字として加工刻印すると素材が異なることと厚みが薄くなるので抜けてしまうなど凹凸文字の作成が困難になる。また、顔料系あるいは溶剤系のインクを用いて印刷する方法もあるが印刷の場合ではカード面がこすれて印刷が剥がれてしまい文字そのものが読めなくなるなどの不具合が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
素材の種類に係わらずカード上の特定位置にレーザー等を用いて顧客の固有情報である顧客コード番号、有効年月日、顧客名などの文字データを点で穴をあけて文字の形に加工するとともに、その穴あけ文字をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードが本来の顧客情報と一致しているか否かを検査するカード発行検査装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、現状使用されている凹凸文字であるエンボス文字の顧客コード番号である平均16桁の文字サイズはタテ方向約5mm、ヨコ方向約4mm、文字間ピッチ約3.6mm、文字幅約0.5mmであり7Bと呼ばれる文字の形であるフォントが採用されている。穴あけ文字を人間が目視で確認するとの必要から文字を構成する穴サイズを0.2mm程度、また穴間ピッチを0.5mm程度として1つの文字サイズをタテ5mm、ヨコ4mm、穴間ピッチを0.5mmとすればタテ10ドット、ヨコ8ドットのマトリックスパターンで文字を表現できる。当然ながら穴サイズおよび穴間ピッチを小さくすれば同じ文字サイズを表すタテおよびヨコのマトリックスパターンの数が増えるのはいうまでもない。および穴サイズおよび穴間ピッチを小さくすれば文字サイズの小さい文字でも穴あけ文字として表現でき、文字の形であるフォントを文字サイズに合わせて穴サイズおよび穴間ピッチを設定することにより自由に文字の形を表すことができる。また点字などの文字の形で穴あけ文字にすれば目の不自由な人が文字部分を手で触ることにより何の文字であるかを識別でき本人の顧客コード番号が正しいか否かを確認できる。なお文字の形を抜いて文字として表すことも可能であるが文字部分を抜くとカードそのものの強度が低下するのと、抜いた文字部分のエッジが何かに当たりその部分が破損して文字の形が崩れるなどの不具合が発生し、カードの顧客情報が読み取れない、またカード寿命が短くなることが懸念される。
【0005】
次に穴あけ文字を作成する方法としては、XY移動ステージ上にカードを取り付けてXY方向にカードを移動しながらドリルの先を使用して回転させながら上下移動して穴をあけて文字の形を作る。同様にカードを移動しながらレーザーを用いてオン、オフして穴をあけて文字の形を作る。同様にカードを移動しながらドットプリンタ(インパクトプリンタ)で使用されているドットインパクトヘッド各々のピンの先端にチタンなどの硬化素材をコーティングし、そのピンをソレノイドあるいはモータを駆動して前に押し出してカードに穴をあけて文字の形を作るなどの方法がある。また、カードをXY移動ステージ上で移動しながら穴あけ文字を作成する方法以外にカードを固定して穴あけ文字を作成するためのドリルの先などの加工素材をXY方向移動および上下移動しながら文字を作成できることは言うまでもない。
【0006】
次に文字部分を削り取ってザグリ文字を作成する方法としては、XY移動ステージ上にカードを取り付けてXY方向に移動しながらフライス加工機械で使用されるエンドミルと呼ばれる加工素材を上下駆動してザグリの深さを調整し、回転によりアルミニューム素材等の表面を削り取ることで文字の形を作る。同様にカードを移動しながらレーザーを用いてレーザー発信器のオン、オフおよびレーザーの照射エネルギーを調整し、ザグリの深さを調節して文字の形を作るなどの方法がある。
【0007】
次に前記方法で穴あけ加工されたカード上の文字は顧客固有の個人データのためカードを発行する際には本人のカードであることを確認する必要がある。前記方法で穴あけ加工されたカード上の文字、マークなどをエリアセンサカメラまたはラインセンサカメラを用いてカードを移動しながら、あるいはカードを固定して読み取るにはエリアセンサカメラの場合は穴あけ文字が加工されたカードの特定位置で、ラインセンサカメラの場合はカメラを移動しながら、そのカード上の読み取り位置へカードの表あるいは裏から光を照射して文字を読み取り、その画像データを文字認識デコーダへ転送し通常の文字コードへ変換することにより本来カード文字加工装置へサーバーPCなどを介して転送されたカードに加工するための穴あけ文字コードとの一致性比較照合検査により加工されたカード上の文字コードと加工すべき文字コードとの一致性を簡単に検査することができる。また、通常のCORスキャナと呼ばれる文字認識デコーダは一般的な文字、例えばOCR−Bなどの規格化された文字を認識デコードして通常の文字コードに変換する場合が多い、本発明の文字は穴あけあるいはザグリ文字なので規格化されてはいないため、文字そのものの形であるフォントをカメラで読み取り、その各々の文字フォントを文字認識デコーダに格納記憶することにより、つまり辞書として登録することによりカメラから読み取った画像データから辞書を呼び出して認識デコードし通常の文字コードに変換する特長を有するカード発行検査装置である。
【0008】
次にカード上の穴あけ文字は顧客を特定するための個人情報を文字として加工しているので、そのカードを顧客へ発送する際には同じカード上に貼り付け加工された磁気ストライプ情報、近年増加しているICチップに書き込まれた情報およびRFIDタグインレットに書き込まれた情報との一致性を確認することによって、そのカードが顧客固有のカードであると判断でき発送できるのである。また、前記カード上の磁気ストライプ、ICチップ、RFIDタグインレットの情報は人間の目では確認できないのでカード上に加工された穴あけ文字との整合性は重要な情報である。そのために例えば磁気ストライプ情報を読み取り、そのデータから必要な情報を選別してカードに個人情報としての穴あけ文字を加工する、加工した後にその文字が正しく加工されたかをカメラなどで読み取り認識デコードして通常の文字コードへ変換し、さらに磁気ストライプ、ICチップ、RFIDタグインレットに書き込まれた情報を読み取ることによりカード上の個人情報すべてが正しいか否かを検証して正しいカードを顧客へ発送することができる。また、カード上の穴あけ文字を作成するための加工装置へ転送する加工すべきデータとカード上の加工された穴あけ文字をカメラなどで読み取り認識デコードして得られた通常の文字コードとの一致性検査において不良が検出された場合は不良カードにマーキングする、リジェクトスタッカに入れて選別するなどにより不良カードを排除できる。また、前記読み取ったカード上の穴あけ文字データ、磁気ストライプ情報、ICチップ情報、RFIDタグインレット情報などのカード固有情報をサーバーPCなどに通信手段を介して転送し格納すればカードの加工終了後にそのカード単位のログデータが残るのでカードの不良履歴を簡単に検索することができる。
【0009】
前記カードを顧客へ発送する際に、そのカードを台紙に貼り付けて、台紙の特定位置に顧客の発送先である住所、名前、顧客コードなどを印字して窓空き封筒に封入してから発送する場合が多い。カードを台紙に貼り付ける前に顧客の発送先を印字してからカードを台紙に貼り付けた場合はカードと台紙に印字された顧客データとが一致しない場合もあり、間違ったカードを顧客へ発送する事故が生じる。そのため台紙上に貼り付けられたカード上の穴あけ文字等をカメラで読み取り認識デコードして通常の文字コードに変換された情報と同じカードが貼り付けられた台紙の特定位置に印字されたカード上の文字等と関連のある印字情報をカメラで読み取り認識デコードして通常の文字コードに変換された情報との一致性比較照合検査を行うことにより間違ったカードを顧客へ発送する事故を未然に防止することができる。
【0010】
前記カードを顧客へ発送する際に、台紙に貼り付けられたカード上の穴あけ文字をカメラで読み取り認識デコードし通常の文字コードへ変換するとともに、磁気ストライプ情報、ICチップ情報、RFIDタグインレット情報などを読み取り各々の情報の一致性を確認したうえで前記カードから読み取った情報により台紙の特定位置へ必要な情報である住所、名前、顧客コードなどをインクジェットヘッドなどの印字装置により印字すればカードから得られた情報で印字するので異なったカードを顧客へ発送する事故を未然に防止することができる。さらに、カードが貼り付けられた台紙の特定位置にカードに関連する情報として印字された文字等をカメラで読み取り認識デコードして通常の文字コードに変換された情報と前記カード上の文字コード、磁気ストライプ情報、ICチップ情報、RFIDタグインレット情報との一致性比較照合検査を行い二重チェックすることでほぼ完全に間違ったカードを顧客へ発送する事故を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のカード発行検査装置によれば、カード単位の作成発行においてカード上に穴あけ文字として加工された文字と顧客固有の情報との精細な検査が可能となり、また不良カードをほぼ完全に特定、除去でき、正確で高品質なカード作成発行業務が行える信頼性の高いカード発行検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のカード発行検査装置の一実施の形態を、図1〜図9を参照して説明する。本実施の形態において図1はカードに穴あけ文字を表現するための参考図であり、文字サイズをタテ5mm、ヨコ4mmとして文字を構成する穴サイズを0.2mm、穴間ピッチを0.5mmとすればタテ10ドット(ライン)、ヨコ8ドットのマトリックスパターンで文字を表現することができることを示す状態図である。
【0013】
次に図2はレーザーを用いてカード上の特定位置に穴あけ文字を作成するための基本原理図である。上段が側面図、中段が上面図、下段がカードに穴あけ文字を作成した状態図を示している。側面図においてミラーを横方向に移動するためのキャレッジユニット10、レーザー光線を反射するための反射ミラー20、キャレッジに取り付けた反射ミラーを横方向に移動するためのキャレッジ移動モータ30、カードに穴あけ文字を加工する際にカードを固定するためのキャッチャー40および50、カードに穴あけ文字を加工するためのカード固定移動プレート60、レーザー光線のスポット径を調整するためのレンズ70、レーザー発信器80。上面図においてキャレッジユニット90、反射ミラー100、キャレッジ移動モータ110、カード移動モータ120、レンズ130、レーザー発信器140、カード150を有する。またカードの特定位置に例として数字“4”を穴あけ文字として作成加工された状態図を示す160。黒点が穴をあけた場所であり、白点は穴をあけていない場所を示している。カードの左上を穴あけ加工するための原点としてレーザー発信器を固定するとすれば反射ミラーの位置をキャレッジ移動モータを駆動して原点である左端に移動しておく、またカード移動モータを駆動してカード加工原点であるカード上端に移動する。次にカードに穴をあけるための特定位置、図1を例とすれば文字“4”の1ライン目の場所にカード移動モータを駆動してレーザー光線を照射する位置へカードを移動する、次に最朷の文字の穴をあける位置である例として文字“4”の1ドット目にレーザー光線を照射する位置にキャレッジ移動モータを駆動して反射ミラーを移動する。次に移動終了後レーザー発信器をオンにして反射ミラーで反射させたレーザー光線でカードに穴をあける、穴があく規定時間オンしたらレーザー発信器をオフにする。次に穴をあける文字の位置までキャレッジ移動モータを駆動して反射ミラーを移動する、例として数字“4”の1ライン目の5ドット目に相当する位置まで反射ミラーを移動する、同じくレーザー発信器をオンにして穴をあける。カードの横方向に例として16文字あるとすれば各々の文字を表現するための穴あけ位置は特定できるので前記同様に1ライン目の穴あけ位置までキャレッジ移動モータを駆動して反射ミラーを移動し穴をあける位置ごとに反射ミラーを介してレーザー光線を照射し穴をあける動作を文字数分繰り返す。1ライン目の穴あけが終了したらカード移動モータを駆動して次の2ライン目にカードを移動する。その後2ライン目の文字ごとの穴をあける動作を繰り返して全ての文字を表現するための穴をあけることにより、例として16文字すべての穴あけ文字の作成加工によりカード上に穴あけ文字として表現できることになる。
【0014】
次に図3はドリルの刃先等を用いてカード上の特定位置に穴あけ文字を作成するための基本原理図である。上段が上面図、中段が側面図、下段がカードに穴あけ文字を作成した状態図を示している。上面図においてキャレッジユニット200、キャレッジ移動モータ210、カード移動モータ220、ドリル回転ユニットおよびドリル上下移動ユニット230、カード240。側面図においてキャレッジユニット250、ドリル回転ユニットおよびドリル上下移動ユニット260、ドリル刃先270、カード固定移動プレート280、カードキャッチャー290および295を有する。またカードの特定位置に例として数字“4”を穴あけ文字として作成加工された状態図を示す300。黒点が穴をあけた場所であり、白点は穴をあけていない場所を示している。カードの左上を穴あけ加工するための原点としてドリルの刃先の位置をキャレッジ移動モータを駆動して原点である左端に移動しておく、またカード移動モータを駆動してカード加工原点であるカード上端に移動する。次にカードに穴をあけるための特定位置、図1を例とすれば文字“4”の1ライン目の場所にドリルの刃先をカード移動モータを駆動してカードを移動する、次に最初の文字の穴をあける位置である例として文字“4”の1ドット目にドリルの刃先をキャレッジ移動モータを駆動して移動する。次に移動終了後ドリルの刃先をモータで回転しながらドリルの刃先を上下するモータを駆動して適切な距離を下方向に移動してカードに穴をあけ、その後上下するモータを駆動して上方向にドリルの刃先を移動して1つの穴あけ加工を終了する。次に穴をあける文字の位置までキャレッジ移動モータを駆動してドリルの刃先を移動する、例として数字“4”の1ライン目の5ドット目に相当する位置までドリルの刃先を移動する、同じくドリルの刃先を回転しながら上下移動モータを下方向へ移動して穴をあける。カードの横方向に例として16文字あるとすれば各々の文字を表現するための穴あけ位置は特定できるので前記同様に1ライン目の穴あけ位置までキャレッジ移動モータを駆動してドリルの刃先を移動し穴をあける位置ごとにドリルの刃先を回転しながら上下移動モータのアップダウンを繰り返して穴をあける動作を文字数分繰り返す。1ライン目の穴あけが終了したらカード移動モータを駆動して次の2ライン目にカードを移動する。その後2ライン目の文字ごとの穴をあける動作を繰り返して全ての文字を表現するための穴をあけることにより、例として16文字すべての穴あけ文字の作成加工によりカード上に穴あけ文字として表現できることになる。
【0015】
次に図4は反射光を用いてカード上の穴あけ文字を読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードと穴あけ加工すべき文字コードとの一致性比較照合検査を行うための基本原理図である。エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ400、読み取り光源410、カード420、画像データを記憶するフレームメモリ430、文字認識デコーダ440、文字フォントメモリ445、穴あけ文字加工装置450、穴あけ文字加工データ460、一致性比較照合判定メモリ470、サーバーPC480、不良カードをマーキングあるいはリジェクトするための制御ユニット490を有する。カードの上方より光をあてる反射方式の場合は、穴があけていない場所では光が反射してカメラに白レベルで結像されるが穴があいている場所では光の反射がないのでカメラに黒レベルで結像されるため文字の形としては黒レベルで読み取ることができる。
【0016】
次に図5は透過光を用いてカード上の穴あけ文字を読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードと穴あけ加工すべき文字コードとの一致性比較照合検査を行うための基本原理図である。エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ500、読み取り光源510、カード520、画像データを記憶するフレームメモリ530、文字認識デコーダ540、文字フォントメモリ545、穴あけ文字加工装置550、穴あけ文字加工データ560、一致性比較照合判定メモリ570、サーバーPC580、不良カードをマーキングあるいはリジェクトするための制御ユニット590を有する。カードの下方から光をあてる透過方式の場合は穴があけていない場所では光の透過がないのでカメラに黒レベルで結像されるが穴があいている場所では光の透過があるのでカメラに白レベルで結像されるため文字の形としては白レベルで読み取ることができる。
【0017】
次に図6は穴あけ文字として作成加工されたカード上の文字等をカメラで読み取り文字認識デコーダにより変換された通常の文字コードと同じカードに貼り付けられた磁気ストライプから読み出されたデータ、ICチップに記憶され読み出されたデータ、およびRFIDタグインレットから読み出されたデータとの一致性比較照合検査をするための基本原理図である。RFIDタグインレットとの通信を行うためのアンテナ600、RFIDタグインレットリーダー/ライターユニット610、ICチップとの通信を行うためのコンタクト620、ICチップリーダー/ライターユニット630、磁気ストライプを読み取るための磁気ヘッド640、磁気ストライプリーダー/ライターユニット650、カード文字読み取り光源660、カード文字読み取りエリアセンサカメラあるいはラインセンサカメラ670、文字認識デコーダ680、カード690、一致性比較照合判定メモリ700を有する。
【0018】
次に図7はカード上の穴あけ文字等をカメラで読み取り認識デコードされ変換された通常の文字コードと既にカードを貼り付ける台紙上にプリンタ装置等で印字されたカード上の穴あけ文字に関連する文字等をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードとの一致性比較照合検査する場合の基本原理図である。台紙上に印字された文字等を読み取るための光源800、台紙上に印字された文字等を読み取るためのエリアセンサカメラあるいはラインセンサカメラ810、台紙上に印字された文字等をカメラで読み取った画像データから通常文字に変換するための文字認識デコーダ820、台紙上に貼り付けられたカード上の穴あけ文字等を読み取るための光源830、台紙上に貼り付けられたカード上の穴あけ文字等を読み取るためのエリアセンサカメラあるいはラインセンサカメラ840、台紙上に貼り付けられたカード上の穴あけ文字等をカメラで読み取った画像データから通常文字に変換するための文字認識デコーダ850、台紙860、カード870、台紙上に印字された文字コードとカード上の文字コードとの一致性比較照合判定メモリ880を有する。また、台紙上に印字された顧客関連情報と同じ台紙に貼り付けられたカード上の文字等を読み取っている状態を示す890、カードが台紙に貼り付けられたおよびその関連情報が同じ台紙上に印字された状態を示す900。
【0019】
次に図8はカード上の穴あけ文字等をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常文字コードの関連情報から得られた印字データを同じカードが貼り付けられた台紙の特定位置にプリントヘッド等で印字し、さらに台紙上に印字された文字等をカメラで読み取りに認識デコードして得られた通常の文字コードとカード上の文字コードとの一致性比較照合検査するための基本原理図である。台紙上に印字された文字等を読み取るためのエリアセンサカメラあるいはラインセンサカメラ1000、台紙上の文字等を読み取るための光源1010、台紙上に印字された文字等をカメラで読み取った画像データから通常文字に変換するための文字認識デコーダ1020、台紙上の特定位置にカード上の文字等に関連する顧客固有の情報を印字するためのプリントヘッド1030、印字するためのプリンタ装置1040、台紙上に貼り付けられたカード上の文字等を読み取るためのエリアセンサカメラあるいはラインセンサカメラ1050、カード上の文字等を読み取るための光源1060、台紙上に貼り付けられたカード上の文字等をカメラで読み取った画像データから通常の文字コードへ変換するための文字認識デコーダ1070、カード上の文字コードと台紙上に印字された文字コードとの一致性比較照合判定メモリ1080、台紙1090、カード1100を有する。また、台紙上に印字された文字等をカメラで読み取る状態を示す1100、台紙に貼り付けられたカード上の文字等をカメラで読み取りその関連情報をプリントヘッドで印字する状態を示す1120、台紙にカードが貼り付けられ、その関連情報が台紙に印字される前の状態を示す1130。
【0020】
次に図9はカード上に穴あけ文字を加工するための加工装置と穴あけ加工されたカード上の文字をカメラで読み取り認識デコードして通常の文字コードに変換し本来穴あけ加工すべき文字コードとカード上に加工された文字コードとの一致性比較照合検査するための装置全体を示す構成図である。加工前の生カードを1枚ごとピックアップするホッパーユニット1200、ピックアップされた生カードにドリルの刃先等を使用して穴あけ文字を加工する装置1210、サーバーPC等から転送された穴あけ加工すべき文字コードより加工するためのモータ等を駆動する制御装置1220、穴あけ文字として加工されたカード上の文字等を読み取るためのカード読み取り装置1230、カード上の文字を読み取るカメラ等を制御するための制御装置1240、処理されたカードを1枚づつスタックするためのスタッカーユニット1250、生カードに穴あけするための文字データの管理および穴あけ加工されたカード上の穴あけ文字等を読み取り認識デコードされた通常の文字コードログデータの管理、穴あけ文字加工すべき文字データとカメラで読み取り認識デコードされた文字コードとの一致性比較照合検査した結果のログデータ等を管理するためのサーバーPC1260、サーバーPC1260とカード加工制御装置1220とのイーサーネットなどの通信を処理するインターフェイス1270、サーバーPC1260とカード読み取り制御装置1240とのイーサーネットなどの通信を処理するインターフェイス1280、サーバーPC1260に格納記憶された検査結果ログデータを上位の管理ホストに転送、あるいは上位管理ホストから穴あけ文字を加工する文字コードデータを受信するためのイーサーネットなどの通信手段1290を有する。
【実施例】
【0021】
前述した本発明の実施の形態のカード発行検査装置の実施例を説明する。図9においてカードホッパー1200から加工前の生カードを搬送ローラあるいは搬送ベルトなどを用いて1枚ごとピックアップして、例として図3の如くキャレッジ移動ユニットとカード移動ユニットおよびドリルの刃先を回転、上下アップダウンユニットを装備したカード加工装置1210の規定位置に搬送する。カード加工装置1210のキャレッジ移動をX軸、カード移動をY軸、ドリル刃先のアップダウンをZ軸、ドリル刃先回転をR軸とすれば、サーバーPC1260はカード上に穴あけ文字を加工するための文字単位のX、Yの穴あけ座標データをカード加工制御装置1220へ転送する。カード加工制御装置1220は転送された座標データよりカード加工装置1210の、例として図3のキャレッジ移動モータ210およびカード移動モータ220を駆動して最初の穴あけ加工すべき文字の、例として図1の1ライン目と1ドット目の位置へドリル刃先を移動する。次にR軸を回転しながらZ軸を規定量ダウンさせてカードに穴をあけてZ軸を規定量アップすれば1つの穴あけ加工が終了する。前記動作を穴あけ加工すべき文字数分繰り返すことによりすべての文字が穴あけ文字として表現できる。最初のカードの穴あけ文字加工が終了したら、そのカードを搬送ローラあるいは搬送ベルトなどを用いてカード読み取り装置1230へ搬送する。搬送する際に、例としてエリアセンサカメラで読み取るとすれば穴あけ文字を読み取る位置へ規定量カードを搬送して停止する。図9のサーバーPC1260よりインターフェイス1280を介して読み取り指令とカード上の穴あけ文字の特定位置である読み取りフィールドをカード読み取り制御装置1240へ転送すると、図4の如くカメラ400からの読み取り画像データがフレームメモリ430へ転送され、その読み取りフィールドの画像データを文字認識デコーダ440へ転送する。文字認識デコーダ440は文字フォントメモリ445に格納記憶されたフォントを参照して各々の文字を認識デコードして通常の文字コードに変換し図9のインターフェイス1280を介してサーバーPC1260へ転送する。サーバーPC1260は穴あけ文字加工すべき文字コードとカメラで読み取り認識デコードして変換された通常文字コードとの一致性比較照合検査を行い、その結果をカード単位のログデータとしてハードディスクなどに格納記憶する。穴あけ文字加工およびカメラで読み取り認識デコードし通常文字に変換処理されたカードは搬送ローラあるいは搬送ベルトなどを用いてスタッカー1250へスタックされる。前記動作をカード1枚ごとに処理することによりホッパーにセットされたすべてのカードの発行検査を行うことができる。なお図9のカード読み取り装置1230に付帯設備としてマーキング、リジェクトスタッカー、ブザー、ライトなどを装備すれば穴あけ加工文字データと一致しないカードを不良カードとして排除できる特長を有するカード発行検査装置である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
化石燃料で製造された材料で燃焼すると有害物資を発生するようなカード素材を使用しないで地球環境にやさしい素材、リサイクルできる素材を使用して現状となんら遜色のないカードを作成発行する分野に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明の実施の形態のカード発行検査装置においてカード上に穴あけ文字として表現するためのマトリックスパターンを示す状態図である。
【図2】 レーザーを用いてカード上に穴あけ文字を作成加工するための基本原理図である。
【図3】 ドリルの刃先等を用いてカード上に穴あけ文字を作成加工するための基本原理図である。
【図4】 反射光を用いてカード上の穴あけ文字をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードと穴あけ文字加工データとの一致性比較照合検査を行うための基本原理図である。
【図5】 透過光を用いてカード上の穴あけ文字をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードと穴あけ文字加工データとの一致性比較照合検査を行うための基本原理図である。
【図6】 穴あけ文字として作成加工されたカード上の文字等をカメラで読み取り認識デコーダにより変換された通常の文字コードと、同じカードに付帯加工された磁気ストライプ情報、ICチップ情報、RFIDタグインレット情報との一致性比較照合検査を行うための基本原理図である。
【図7】 カード上の穴あけ文字と既にカードを貼り付ける台紙上にプリンタ装置等で印字されたカード上の穴あけ文字に関連する情報との一致性比較照合検査を行うための基本原理図である。
【図8】 カード上の穴あけ文字等を読み取り、その関連情報から得られた印字データを同じカードが貼り付けられた台紙の特定位置に印字し、その印字された文字情報をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードとカード上の文字コードとの一致性比較照合検査を行うための基本原理図である。
【図9】 カード上に穴あけ文字を加工するための加工装置が保有している文字加工データと、加工されたカード上の穴あけ文字をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードとの一致性比較照合検査を行うための装置全体の構成図である。
【符号の説明】
【0024】
10・・・キャレッジユニット、20・・・反射ミラー、30・・・キャレッジ移動モータ、40・・・カードキャッチャー、50・・・カードキャッチャー、60・・・カード固定移動プレート、70・・・レンズ、80・・・レーザー発信器、90・・・キャレッジユニット、100・・・反射ミラー、110・・・キャレッジ移動モータ、120・・・カード移動モータ、130・・・レンズ、140・・・レーザー発信器、150・・・カード、160・・・穴あけ文字状態図、200・・・キャレッジユニット、210・・・キャレッジ移動モータ、220・・・カード移動モータ、230・・・ドリル回転および上下移動ユニット、240・・・カード、250・・・キャレッジユニット、260・・・ドリル回転および上下移動ユニット、270・・・ドリル刃先、280・・・カード固定移動プレート、290・・・カードキャッチャー、295・・・カードキャッチャー、300・・・穴あけ文字状態図、400・・・エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ、410・・・読み取り光源、420・・・カード、430・・・フレームメモリ、440・・・文字認識デコーダ、445・・・文字フォントメモリ、450・・・穴あけ文字加工装置、460・・・穴あけ文字加工データ、470・・・一致性比較照合判定メモリ、480・・・サーバーPC、490・・・マーキングまたはリジェクト制御ユニット、500・・・エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ、510・・・読み取り光源、520・・・カード、530・・・フレームメモリ、540・・・文字認識デコーダ、545・・・文字フォントメモリ、550・・・穴あけ文字加工装置、560・・・穴あけ文字加工データ、570・・・一致性比較照合判定メモリ、580・・・サーバーPC、590・・・マーキングまたはリジェクト制御ユニット600・・・アンテナ、610・・・RFIDリーダー/ライターユニット、620・・・コンタクト、630・・・ICチップリーダー/ライターユニット、640・・・磁気ヘッド、650・・・磁気ストライプリーダー/ライターユニット、660・・・読み取り光源、670・・・エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ、680・・・文字認識デコーダ、690・・・カード、700・・・一致性比較照合判定メモリ、800・・・読み取り光源、810・・・エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ、820・・・文字認識デコーダ、830・・・読み取り光源、840・・・エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ、850・・・文字認識デコーダ、860・・・台紙、870・・・カード、880・・・一致性比較照合判定メモリ、890・・・カード文字および台紙印字文字読み取り状態図、900・・・カード文字関連情報が台紙に印字された状態図、1000・・・エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ、1010・・・読み取り光源、1020・・・文字認識デコーダ、1030・・・プリントヘッド、1040・・・プリンタ装置、1050・・・エリアセンサカメラまたはラインセンサカメラ、1060・・・読み取り光源、1070・・・文字認識デコーダ、1080・・・一致性比較照合判定メモリ、1090・・・台紙、1100・・・カード、1110・・・台紙印字文字読み取り状態図、1120・・・カード文字読み取りおよび関連情報台紙印字状態図、1130・・・関連情報台紙印字前状態図、1200・・・ホッパーユニット、1210・・・カード加工装置、1220・・・カード加工制御装置、1230・・・カード読み取り装置、1240・・・カード読み取り制御装置、1250・・・スタッカーユニット、1260・・・サーバーPC、1270・・・イーサーネットなどの通信インターフェイス、1280・・・イーサーネットなどの通信インターフェイス、1290・・・イーサーネットなどの通信インターフェイス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化ビニールまたはアルミニューム、紙等を素材とした銀行、信販会社などが発行する各種カードにおいて、そのカードに顧客番号、有効年月日、顧客名などの個人情報をレーザー等を用いて点で穴をあけて文字として表示、または表面を削り取って文字として表示する手段を有するカード発行検査装置。
【請求項2】
前記のカード発行検査装置において顧客番号などの個人情報をレーザー等を用いて点で穴をあけて表示されたカード上の文字をエリアセンサカメラあるいはラインセンサカメラで読み取る手段と、読み取ったカメラからの画像データより文字を認識デコードして得られた通常の文字コードと本来カードに穴あけ文字を加工する加工装置に格納された加工すべき文字コードとの一致性比較照合検査する手段を有するカード発行検査装置、および前記の一致性比較照合検査結果をログデータとして残す手段と、一致せずに不良と判断されたカードにマーキングあるいはリジェクトして排除する手段を有するカード発行検査装置。
【請求項3】
前記のカード発行検査装置において顧客番号などの個人情報をレーザー等を用いて点で穴をあけて表示されたカード上の文字をエリアセンサカメラあるいはラインセンサカメラで読み取る手段と、読み取ったカメラからの画像データより文字を認識デコードして通常の文字コードに変換する手段と、前記カードに貼り付けた磁気ストライプからの読み取りデータ、カードに埋め込まれたICチップの読み取りデータ、同じくカードに埋め込まれたRFIDタグインレットの読み取りデータと前記カードの点で穴をあけた個人情報文字を読み取り認識デコードされ変換された通常の文字コードとの一致性比較照合検査する手段を有するカード発行検査装置、および前記の一致性比較照合検査結果をログデータとして残す手段と、一致せずに不良と判断されたカードにマーキングあるいはリジェクトして排除する手段を有するカード発行検査装置。
【請求項4】
前記のカード発行検査装置において、そのカードを顧客へ発送する際に台紙に貼り付けたカード上の点で穴をあけた文字をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードから得られた顧客ごとの個人データである名前、住所、顧客コード番号およびバーコードなどの情報を同じカードが貼り付けられた台紙の特定位置に印字する手段を有するカード発行検査装置。
【請求項5】
前記のカード発行検査装置において、そのカードを顧客へ発送する際に台紙に貼り付けたカード上の点で穴をあけた文字をカメラで読み取り認識デコードして変換された通常の文字コードと同じ台紙の特定位置に印字された顧客の名前、住所、顧客コード番号およびバーコードなどの文字情報をカメラで読み取り認識デコードされた通常の文字コードとの一致性比較照合検査する手段を有するカード発行検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−79572(P2006−79572A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293090(P2004−293090)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(504372960)株式会社ソアーシステム (4)
【Fターム(参考)】