説明

カーボンナノチューブの非対称末端官能基化

カーボンナノチューブの非対称末端官能基化に対する光化学的アプローチが説明されている。非対称に末端が官能基化されたナノチューブも開示されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの実際的な用途に対してカーボンナノチューブを利用するには、個々のナノチューブを種々の機能性構造体や機能性デバイスに精密にランディング(landing)させなければならない場合が多い。この点において、整列および/または微細パターン化したカーボンナノチューブの合成は、カーボンナノチューブの特定の有用なデバイス(たとえば、電子エミッターやトランジスターなど)への統合化を容易にする上で重要な役割を果たしている。しかしながら、より一般的な自己集合アプローチ(self-assembling approach)により、個々のナノチューブを精密な分子構造(a molecular precision)を有する種々の機能性構造体に構築することが可能である。この目的を達成するには、カーボンナノチューブの部位選択的な化学修飾を果たすことが必須である。最近、カーボンナノチューブの先端、内側層、および/または、外側層を選択的に修飾すべく、非整列のカーボンナノチューブおよび整列したカーボンナノチューブに対して部位選択的反応を賢明な仕方で応用することで、カーボンナノチューブ化学の豊かで奥深い分野が切り開かれている。カーボンナノチューブのサイドウォールは、ダングリングボンド(dangling bonds: 結合していない化学結合の手)が全く無い六角形リングのシームレス配列のためにどちらかと言えば非反応性であること、そして種々の化学試剤との化学的な結びつきに関しては、カーボンナノチューブのフラーレン様先端のほうがサイドウォールより反応性が高い、ということが実証されている。しかしながら、さまざまな化学試剤を結びつけようとするカーボンナノチューブの2つの末端のそれぞれを非対称官能基化(asymmetric functionalization)することは、まだ未達成のままである。非対称末端官能基化(asymmetric end-functionalization)は、もしこれが実現できれば、カーボンナノチューブを、分子レベルの制御を可能にしつつ多くの新たな機能性構造体に自己集合させることを大幅に進歩させるはずである。
【0002】
したがって、非対称に官能基化されたカーボンナノチューブ、および非対称に官能基化されたカーボンナノチューブの製造法が求められている。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルムを製造する方法を提供することによってこれらのニーズを満たす。本発明の製造法は、第1の末端と第2の末端を有するカーボンナノチューブフィルムを供給する工程;カーボンナノチューブフィルムの第1の末端と第1の反応性媒体とを接触させる工程;カーボンナノチューブフィルムの第1の末端と第1の反応性媒体とを、第1の物理化学的プロセスによって反応させる工程;カーボンナノチューブフィルムの第2の末端と第2の反応性媒体とを接触させる工程、第1の反応性媒体と第2の反応性媒体は異なる;およびカーボンナノチューブフィルムの第2の末端と第2の反応性媒体とを、第2の物理化学的プロセスによって反応させる工程;を含む。
【0004】
我々は、管状炉中において、ArとH2の混合ガス流れのもとで、800〜1100℃の温度で鉄(II)フタロシアニン(FePc)を清浄な石英ガラスプレート上に熱分解することによって、垂直に整列した多層カーボンナノチューブ(MWNT)を大規模に作製した。我々はさらに、整列したカーボンナノチューブをパターン付けするための、およびパターン化/非パターン化されたこのようなナノチューブ配列を他の種々の基材に移すための、あるいは自立性のフィルムとするための、幾つかの微細加工法を開発した。ナノチューブを付着させた石英プレートをフッ化水素酸水溶液(約10重量%)中に浸漬し、次いで純粋で十分に洗浄することによって、合成したままの整列カーボンナノチューブフィルムを、基材を含まない清浄なフィルムとして石英ガラスから簡単に分離することができる、ということを我々は見出した。このようにして作製された基材なしの整列カーボンナノチューブフィルムは、その疎水性により親水性溶媒(たとえば、水やアルコール)上に、あるいは密度の差から高密度溶媒(たとえば、1,1,2,2-テトラクロロエタン,TCE,ρ=1.58g/ml)上に浮遊することができる。どちらの場合においても、整列ナノチューブフィルム内の構成カーボンナノチューブのそれぞれは、空気/液体界面において垂直に整列している。
【0005】
このことから、基材なしの整列カーボンナノチューブフィルムを、ナノチューブフィルムの一方の側だけを光反応性溶液と接触させて、毎回紫外線に曝露させつつ、2種の異なった光反応性溶液上に逐次的に浮遊させることで、カーボンナノチューブの非対称末端官能基化に対する新規の光化学的アプローチが開発された。毛管効果による、疎水性ナノチューブサイドウォールと光反応性溶液との間の接触はごくわずかであるが、光化学的アプローチは、ナノチューブフィルムを垂直入射角にて紫外線照射することによって、ナノチューブの先端だけを修飾することを可能にする。
【0006】
必要に応じて、第1の反応性溶液と第2の反応性溶液の一方が疎水性反応体(類)を、そして他方が親水性反応体(類)を含有してもよいし、両方が疎水性反応体類を含有してもよいし、あるいは両方が親水性反応体類を含有してもよい。反応の順序は重要なことではない。
【0007】
図1は、カーボンナノチューブフィルムを非対称末端官能基化するための手順を示している。
カーボンナノチューブフィルムは、一般には、整列したカーボンナノチューブフィルムである。カーボンナノチューブフィルムと第1の反応性媒体とを接触させる。反応性媒体は、利用される特定の物理化学的プロセスに対して反応する化合物を含有する物質である。たとえば、光化学的プロセスが利用される場合は、光反応性溶液が使用される。プラズマプロセスが利用される場合、反応性媒体は適切なモノマー蒸気である。
【0008】
物理化学的プロセスは、第1の反応性媒体を使用して、媒体とカーボンナノチューブを、特定のタイプの反応を起こさせるための物理化学的活性化源に曝露することによって行われる。カーボンナノチューブの一方の末端と媒体との間で反応が起こる。使用される物理化学的活性化源の種類は、利用されるプロセスに依存する。たとえば、光化学反応においては、活性化源は、紫外線、赤外線、または可視光線等の放射線源である。光化学反応は、光反応性溶液とカーボンナノチューブとの間で起こる。
【0009】
カーボンナノチューブフィルムの他方の側と第2の反応性媒体とを接触させ、媒体を、当該タイプの反応を起こさせるための活性化源に曝露する。第1の反応性媒体と第2の反応性媒体は異なる。
【0010】
物理化学的プロセスは、両方の反応に対して同じであっても、異なっていてもよい。両方の反応に対して同じプロセスが利用される場合、活性化源は同じであっても、異なっていてもよい。たとえば光化学反応が利用される場合、両方の反応に対して紫外線を使用することができるし、あるいは一方の反応に対して紫外線を、そして他方の反応に対して別の放射線源を使用することができる。
【0011】
適切な物理化学的プロセスとしては、光化学反応、プラズマ活性化反応、吸着、付着(deposition)、コーティング、イオンビームエッチング、熱的/化学的酸化、および化学グラフトなどがあるが、これらに限定されない。
【0012】
これにより、カーボンナノチューブのそれぞれの末端に付加させようとする化学物質の種類に応じた物理化学的プロセスと反応性媒体の適切な選択が可能となる。
【実施例】
【0013】
(実施例1)
整列したカーボンナノチューブフィルムの一方の側をAZTのエタノール溶液上に浮遊させた状態で、石英ボート容器の底部を通して垂直入射角にて紫外線照射〔100Wハノビア(Hanovia)7825中圧水銀灯を使用して、10cmの灯-サンプル距離にて1時間〕することによって、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)分子の末端連結を行った。このようにして作製した末端官能基化された整列カーボンナノチューブフィルム(A-CNTと表示)をAZT溶液から慎重に取り出し、高純度エタノールで十分に洗浄して、物理的に吸着しているAZT分子(存在する場合)を除去した。次いで、AZT連結の場合と同じ仕方で紫外線照射することによってペルフルオロオクチル鎖の末端連結が起こるよう(F-CNT)、整列カーボンナノチューブフィルムの未修飾の側をTCE溶液と接触させた状態で、新たに精製した整列A-CNTフィルムをヨウ化ペルフルオロオクチルのTCE溶液(2重量%)の上表面上に配置した。こうして得られた非対称に修飾された整列カーボンナノチューブフィルム(A-CNT-Fと表示)を高純度エタノールで繰り返しすすぎ洗いして、吸着していることのあるヨウ化ペルフルオロオクチル分子を完全に除去し、その後の特性決定に供することができるよう、周囲雰囲気にて乾燥した。
【0014】
次いで我々は、修飾されたカーボンナノチューブが、親水性/疎水性相互作用を介して自己集合する可能性があることを実証した。A-CNTフィルム、F-CNTフィルム、およびA-CNT-Fフィルムの整列をゆっくりと壊すために、そしてこれらのフィルムを、それぞれH2O/エタノール(9/1 v/v, 図2a)、TCE/エタノール(9/1 v/v, 図2b)、およびH2O/エタノール(9/1 v/v)とTCE/エタノール(9/1 v/v)との混合物(図2c)中に均一に分散させるために、我々は超音波処理〔エレクトロン・マイクロスコピー・サイエンス(Electron Microscopy Science)-2510 MT〕を利用した。図2aに示されているように、親水性のAZT分子を使用して末端官能基化されたカーボンナノチューブの場合は、H2O/エタノール(9/1 v/v)の親水性溶媒中への安定な均一分散液が得られた(超音波処理から約2日後に沈殿が認められない)。同様に、TCE/エタノール(9/1 v/v)の疎水性溶媒中にて疎水的に修飾されたF-CNTは、安定で均一な分散液をもたらした(超音波処理から約4日後に沈殿が認められない)(図2b)。これとは対照的に、H2O/エタノール(9/1 v/v)とTCE/エタノール(9/1 v/v)との混合物中における非対称に修飾されたA-CNT-Fナノチューブの超音波処理による均一分散液は、速やかに二相系に分離し(超音波処理から約5分後)、このときA-CNT-Fナノチューブが界面において自己集合している状態で、H2O/エタノールの親水性溶媒(9/1 v/v,図2cの上部)とTCE/エタノールの疎水性溶媒(9/1v/v,図2cの下部)とが不混和の状態にて平衡化した。こうした観察は、図1に概略的に示されている非対称末端官能基化反応と矛盾せず、ナノチューブの先端に結びついている化学成分(chemical moieties)の特性とサイズを調整することによって、分散安定性と自己集合プロセスを制御することが可能であることを示している。
【0015】
我々はさらに、より定量的な特性決定がなされるよう、非対称末端官能基化の前と後の整列カーボンナノチューブフィルムに対して、X線光電子分光法(XPS、VGマイクロテックESCA2000、単色のMgKa放射線を300Wのパワーにて使用)による測定を行った。図3は、整列したA-CNT-Fフィルムの(a)初期状態の整列カーボンナノチューブフィルム、(b)AZTでグラフト化された側(A側)、および(c)ペルフルオロオクチル鎖でグラフト化された側(F側)に対するサーベイスペクトルを、対応する高分解能C1sスペクトル(差し込み図)と共に示している。図3aは、284.7eVでの予想される黒鉛C1sのピークとO1sに対する弱いシグナル(531eV)を示しており、前述した結果と矛盾しない。理論で拘束されるつもりはないが、図3aのサーベイスペクトルから導き出されるO/C=0.038という原子比は、ナノチューブの成長時において、および/または、合成後の吸着を通して痕跡量の酸素が組み込まれたことによるものであろうと考えることができる。図3aの差し込み図に示されているC1sのスペクトルは、HOPG黒鉛のスペクトルに類似している。整列したA-CNT-FフィルムのA側に対するXPSサーベイスペクトル(図3b)は399eVにおいてN1sのピークを示しており、AZT分子が結びついていることから、O/Cの原子比が0.038から0.15に付随的に増大している。図3bの差し込み図に記載の対応した高分解能C1sスペクトルにおける約286.5eVと288.6eVにおける新たなピークの出現は、それぞれAZT部分に連結したC-O結合とC=O結合によるものである。他方、整列したA-CNT-FフィルムのF側に対するXPS測定によって685eVでの新たなピークが明らかになった。このピークは、オージェ電子の特徴が約850eVにて現れているF1sに帰属できる(図3c)。284.7eVでの黒鉛C1sピークは別として、対応する高分解能C1sスペクトル(差し込み図、図3c)は、291eVにおいてCF2ピークを、そして約285.6eVにおいて炭素成分〔C-F結合に隣接した(ナノチューブ)炭素原子に帰属できる〕を示している。
【0016】
XPSの結果から、3'-アジド-3'-デオキシチミジン成分とペルフルオロオクチル成分の両方が、整列ナノチューブフィルムにおける個々のカーボンナノチューブの反対側のチューブ末端に成功裡に結合していることがわかる。光反応性試剤の物理的吸着に関連した、XPS結果の取るに足りない説明は無視することができる。なぜなら、紫外線曝露なし以外は同じ処理を行った後の、整列カーボンナノチューブフィルムから記録されたXPSスペクトルに対しては明白な変化が観察されなかったからである。特徴的な反応を介したさらなる化学修飾を施す上で、光化学的にグラフト化された末端基を使用することができ、このことは、カーボンナノチューブの非対称化学修飾に関して本発明の研究で開発された非対称末端官能基化アプローチのもつ特性が一般的であることを示している。
【0017】
要するに、個々のカーボンナノチューブの反対側のチューブ末端上に種々の化学試剤をグラフト化(X線光電子分光法により確認)するための、単純で効果的な方法の開発に我々は成功した。さらに、親水性の3'-アジド-3'-デオキシチミジン分子を含んだ非対称修飾カーボンナノチューブが一方のチューブ末端上に化学的に結合し、そして他方のチューブ末端上の疎水性ペルフルオロオクチル成分が二相溶媒系における親水性/疎水性界面において効果的に自己集合しうる、ということが実証された。
【0018】
2つのナノチューブ末端のそれぞれをどのように活性化するのかに応じて、ナノチューブ末端上に非対称に結合させることができる化学試剤の数は無限である。特に、プラズマ活性化を使用して、2つのナノチューブ末端のそれぞれに種々の官能基(たとえば、-COOH、-COH、-OH、-NH2など)をグラフトし、次いでさらに、プラズマ誘起の官能性に特徴的な反応〔Q.Chen,L.Dai,M.Gao,S.Huang,およびA.W.H.Mauによる“化学修飾のための、カーボンナノチューブのプラズマ活性化”J.Phys.Chem.B105,618,2001(該文献を参照により本明細書に含める)〕を介して化学修飾を施すことができる。
【0019】
カーボンナノチューブの非対称末端官能基化は、ナノチューブフィルムの一方の側だけを光反応性溶液と接触させて、毎回紫外線に曝露するという状態にて、基材を含まない整列カーボンナノチューブフィルムを2種の異なった光反応性溶液上に逐次的に浮遊させることによって達成された。こうして得られる、異なった化学試剤が反対側のチューブ末端に結合した状態のナノチューブは、種々の有望な応用分野が可能となるよう、カーボンナノチューブが多くの新規官能性構造体へと部位選択的な自己集合を果たすのに極めて有用となるはずである。
【0020】
本発明を説明するために、特定の代表的な実施態様と詳細を示してきたが、当業者にとっては、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本明細書に開示の組成物と方法に対して種々の変更を行ってよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の非対称末端官能基化反応を示している概略図である。
【図2】(a)H2O/エタノール(9/1 v/v)中A-CNTの分散液;(b)TCE/エタノール(9/1 v/v)中F-CNTの分散液;および(c)H2O/エタノール(9/1 v/v, 上部)とTCE/エタノール(9/1 v/v,下部)との混合溶媒中A-CNT-Fの分散液;を示している。
【図3】非対称に末端が官能基化した後の整列カーボンナノチューブフィルムの、(a)初期状態の整列カーボンナノチューブフィルムのXPSスペクトル;(b)AZTでグラフト化された側のXPSスペクトル;および(c)ペルフルオロオクチル鎖でグラフト化された側のXPSスペクトル;を示している。差し込み図は、対応する高分解能C1sスペクトルを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の末端と第2の末端を有するカーボンナノチューブフィルムを供給する工程;
カーボンナノチューブフィルムの第1の末端と第1の反応性媒体とを接触させる工程;
カーボンナノチューブフィルムの第1の末端と第1の反応性媒体とを、第1の物理化学的プロセスによって反応させる工程;
カーボンナノチューブフィルムの第2の末端と第2の反応性媒体とを接触させる工程、第1の反応性媒体と第2の反応性媒体は異なる;および
カーボンナノチューブフィルムの第2の末端と第2の反応性媒体とを、第2の物理化学的プロセスによって反応させる工程;
を含む、非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルムの製造法。
【請求項2】
カーボンナノチューブフィルムの第1または第2の末端と第1または第2の反応性媒体とを接触させる工程が、カーボンナノチューブフィルムを第1または第2の反応性溶液上に浮遊させることを含む、請求項1に記載の製造法。
【請求項3】
物理化学的プロセスが、光化学的プロセス、プラズマプロセス、吸着プロセス、蒸着プロセス、コーティングプロセス、イオンビームエッチングプロセス、熱的/化学的酸化プロセス、および化学グラフトプロセスから選択される、請求項1に記載の製造法。
【請求項4】
第1または第2の物理化学的プロセスが光化学的プロセスであって、カーボンナノチューブフィルムの第1または第2の末端と第1または第2の反応性媒体とを反応させる工程が、カーボンナノチューブフィルムの第1または第2の末端を、紫外線、赤外線、または可視光線から選択される放射線源に曝露することを含む、請求項1に記載の製造法。
【請求項5】
放射線源がカーボンナノチューブフィルムに対して垂直である、請求項4に記載の製造法。
【請求項6】
第1の反応性媒体が3'-アジド-3'-デオキシチミジンを含有する溶液であり、第2の反応性媒体がヨウ化ペルフルオロオクチルを含有する溶液である、請求項4に記載の製造法。
【請求項7】
第1の反応性媒体が親水性の反応体を含有し、第2の反応性媒体が疎水性の反応体を含有する、請求項1に記載の製造法。
【請求項8】
カーボンナノチューブフィルムが、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブから選択されるカーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の製造法。
【請求項9】
カーボンナノチューブフィルムが整列している、請求項1に記載の製造法。
【請求項10】
第1と第2の物理化学的プロセスが同じである、請求項1に記載の製造法。
【請求項11】
第1の末端と第2の末端を有するカーボンナノチューブフィルムを供給する工程;
整列したカーボンナノチューブフィルムの第1の末端を第1の光反応性溶液の液面上に浮遊させる工程;
整列したカーボンナノチューブフィルムの第1の末端が第1の光反応性溶液と反応するように、整列したカーボンナノチューブフィルムの第1の末端を紫外線に曝露する工程;
整列したカーボンナノチューブフィルムの第2の末端を第2の光反応性溶液の液面上に浮遊させる工程、第1の光反応性溶液と第2の光反応性溶液は異なる;および
整列したカーボンナノチューブフィルムの第2の末端が第2の光反応性溶液と反応するように、整列したカーボンナノチューブフィルムの第2の末端を紫外線に曝露する工程;
を含む、非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルムの製造法。
【請求項12】
紫外線が整列したカーボンナノチューブフィルムに対して垂直である、請求項11に記載の製造法。
【請求項13】
第1の光反応性溶液が親水性の反応体を含有し、第2の光反応性溶液が疎水性の反応体を含有する、請求項11に記載の製造法。
【請求項14】
第1の光反応性溶液が3'-アジド-3'-デオキシチミジンを含有し、第2の光反応性溶液がヨウ化ペルフルオロオクチルを含有する、請求項11に記載の製造法。
【請求項15】
カーボンナノチューブフィルムが、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブから選択されるカーボンナノチューブを含む、請求項11に記載の製造法。
【請求項16】
カーボンナノチューブフィルムが整列している、請求項11に記載の製造法。
【請求項17】
第1と第2の物理化学的プロセスが同じである、請求項11に記載の製造法。
【請求項18】
第1の末端と第2の末端を有するカーボンナノチューブフィルム;
整列したカーボンナノチューブフィルムの第1の末端に結合した第1の末端基、前記第1の末端基は、第1の反応性溶液とカーボンナノチューブフィルムとの反応生成物である;および
カーボンナノチューブフィルムの第2の末端に結合した第2の末端基、前記第2の末端基は、第2の反応性溶液とカーボンナノチューブフィルムとの反応生成物であり、第1の末端基と第2末端基は異なる;
を含む非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルム。
【請求項19】
第1の末端基が親水性であり、第2の末端基が疎水性である、請求項18に記載の非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルム。
【請求項20】
第1の末端基が3'-アジド-3'-デオキシチミジンであり、第2の末端基がヨウ化ペルフルオロオクチルである、請求項18に記載の非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルム。
【請求項21】
カーボンナノチューブフィルムが、単層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブから選択されるカーボンナノチューブを含む、請求項18に記載の非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルム。
【請求項22】
カーボンナノチューブフィルムが整列している、請求項18に記載の非対称に末端が官能基化されたカーボンナノチューブフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−529956(P2008−529956A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556301(P2007−556301)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/005531
【国際公開番号】WO2007/061431
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(591042768)ユニバーシティ・オブ・デイトン (11)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF DAYTON
【Fターム(参考)】